JP7088425B2 - 車輪及び車両 - Google Patents

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Description

本発明は、車輪及び車両に関する。
宅配ロボット、無人搬送台車(AGV;Auto Guided Vehicle)、搬送用カート、電動車いす、掃除ロボット、パートナーロボット等の自走車に搭載される駆動輪には、走行路に存在する段差、凹凸、傾斜部、階段等の障害物の乗り越え及び昇降を行う技術が求められている。特許文献1には、走行輪の周方向に分割され走行輪の放射方向に出退開閉可能に支持された複数の分割部を、選択的に突出展開して段差に係合させることで、段差を乗り越える車輪の構造が開示されている。また、特許文献2には、閉じ回転位置では転動周面を形成し、展開回転位置では転動周面外へ突出する、周方向所定間隔で設けられる複数の転動爪体を備える車輪の構造が開示されている。
特開2010-155520号公報 特開2011-031796号公報
しかしながら、特許文献1の車輪は、車輪側にそれぞれの分割部に対する変形用のアクチュエータが配置されるため、駆動源から回転するアクチュエータへの伝達部の機構が複雑である。また、特許文献2の車輪は、車輪の外輪自体を変形させるため、外輪が完全な円にならず、走行時の安定性に問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、単純な構造で、平地走行時の安定性を維持しつつ段差を乗り越えることができる車輪及び車両を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る車輪は、車輪回転軸回りに回転する外輪と、前記外輪と独立して前記車輪回転軸回りに回転するアーム駆動歯車と、前記外輪に固定されるアーム回転軸回りに回動可能であって、前記外輪に対して相対的に前記アーム駆動歯車が一方向(例えば、実施形態における正回転方向R1)に回転すると前記外輪の外周面より径方向外側に一部が突出し、前記外輪に対して相対的に前記アーム駆動歯車が前記一方向とは反対の他方向(例えば、実施形態における逆回転方向R2)に回転すると前記外輪の外周面より径方向内側に収容されるアームと、を備える。
車輪は、平地走行時にはアームを外輪の外周面より径方向内側に収容することによって外輪が転動する。車輪は、平地走行時には変形しない外輪が転動するので、平地走行時の安定性を維持することができる。また、車輪は、段差走行時にはアームを外輪の外周面より径方向外側に突出することによってアームが段差を捕えて走破することができる。アームは、外輪とアーム駆動歯車とを相対回転させるという単純な構造で、展開及び収容することができる。
本発明の一態様に係る車輪において、前記アームは、前記アーム駆動歯車と噛み合う歯部を含み、前記外輪に対して相対的に前記アーム駆動歯車が前記一方向に回転すると前記他方向に回転し、前記外輪に対して相対的に前記アーム駆動歯車が前記他方向に回転すると前記一方向に回転する。これにより、アームは、外輪に対して相対的にアーム駆動歯車が一方向に回転すると他方向に回転する。すなわち、アームの駆動源からアームまでの伝達経路の構造を簡素化できる。
本発明の一態様に係る車輪において、前記外輪に対して相対的に前記アーム駆動歯車が回転しない場合、前記アームは、突出した状態又は収容される状態を維持する。これによれば、車輪の意図しない変形を抑制できるので、安定した段差走行及び平地走行が可能である。
本発明の一態様に係る車輪において、前記アームは、前記外輪の外周面より径方向内側に収容される状態で曲率中心が前記外輪と同一、かつ曲率半径が前記外輪と同一である凸状の第1円弧壁部を外周面の一部に含む。これによれば、アームの駆動源によるトルクを、平地走行時にも使用することができる。
本発明の一態様に係る車輪において、前記アームは、前記外輪の外周面より径方向外側に一部が突出している状態で、前記外輪の外周面より径方向外側に一部が突出する凹状の第2円弧壁部を外周面の一部に含む。これによれば、段差走行時に、より好適にアームを段差に引っ掛けることができる。
本発明の一態様に係る車輪は、前記アーム駆動歯車を駆動するアーム用アクチュエータと、前記車輪回転軸回りに前記外輪と一体的に回転する外輪歯車と、前記外輪歯車と噛み合い、前記車輪回転軸と平行な回転軸回りに回転する外輪駆動歯車と、前記アーム用アクチュエータと独立して駆動し、前記外輪駆動歯車を駆動する外輪用アクチュエータと、を備える。これによれば、車輪は、平地走行時及び段差走行時の両方の走行時において、アーム用アクチュエータ及び外輪用アクチュエータの合成トルクによって走行するので、1台のアクチュエータのトルクを小さくすることができる。
本発明の一態様に係る車輪は、前記アーム駆動歯車を駆動するアーム用アクチュエータと、前記アーム用アクチュエータの動力を前記外輪に伝達する状態と、前記アーム用アクチュエータの動力を前記外輪に伝達しない状態と、を通電の有無で切り替え可能な電磁クラッチと、を備える。これによれば、車輪は、アクチュエータを1台のみ備えるため、複数のアクチュエータを同期させる必要がない。すなわち、電磁クラッチに通電している状態では、アームが展開状態又は収容状態を維持できる。また、電磁クラッチに通電していない状態では、アーム駆動歯車の回転方向によって、アームの展開動作又は収容動作が可能である。したがって、車輪の制御が容易である。
本発明の一態様に係る車輪は、前記アーム駆動歯車を駆動するアーム用アクチュエータと、前記アームの一方向への回転範囲を制限する一方向の第1ストッパと、前記アームの他方向への回転範囲を制限する他方向の第2ストッパと、を備える。これによれば、車輪の意図しない変形を抑制できるので、安定した段差走行及び平地走行が可能である。また、アーム駆動歯車が他方向に回転する場合、アームは、第1ストッパによって一方向への回転を制限されている状態では、第1ストッパ及びアーム回転軸を介して外輪に相対的に固定される。これにより、アームが閉じ回転位置の状態でアーム駆動歯車のトルクが外輪に伝達されるので、アームの駆動源によるトルクを、平地走行時にも使用することができる。また、アーム駆動歯車が一方向に回転する場合、アームは、第2ストッパによって他方向への回転を制限されている状態では、第2ストッパ及びアーム回転軸を介して外輪に相対的に固定される。これにより、アームが展開回転位置の状態でアーム駆動歯車のトルクが外輪に伝達されるので、アームの駆動源によるトルクを、好適に段差走行に使用することができる。
本発明の一態様に係る車両は、前記車輪と、前記車輪の前記車輪回転軸が固定される車体と、を備える。車輪は、平地走行時にはアームを外輪の外周面より径方向内側に収容することによって外輪が転動する。平地走行時には変形しない外輪が転動する車輪を備えるので、車両は、平地走行時の安定性を維持することができる。また、車両は、段差走行時には車輪のアームを外輪の外周面より径方向外側に突出することによってアームが段差を捕えて走破することができる。車輪のアームは、外輪とアーム駆動歯車とを相対回転させるという単純な構造で、展開及び収容することができる。
本発明によれば、単純な構造で、平地走行時の安定性を維持しつつ段差を乗り越えることができる車輪及び車両を提供することができる。
図1は、第1実施形態に係る車輪の構成を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1の車輪の構成を模式的に示す側面図である。 図3は、図1の車輪の平地走行時の状態を示す正面図である。 図4は、図1の車輪の段差走行時の状態を示す正面図である。 図5は、第2実施形態に係る車輪の平地走行時の状態を示す車輪回転軸を通る断面図である。 図6は、第2実施形態に係る車輪の段差走行時の状態を示す車輪回転軸を通る断面図である。 図7は、第3実施形態に係る車輪の平地走行時の状態を示す車輪回転軸を通る断面図である。 図8は、第3実施形態に係る車輪の段差走行時の状態を示す車輪回転軸を通る断面図である。 図9は、第4実施形態に係る車輪の平地走行時の状態を示す斜視図である。 図10は、図9の車輪の側面図である。 図11は、図9の車輪の車輪回転軸を通る断面図である。 図12は、第4実施形態に係る車輪の段差走行時の状態を示す斜視図である。 図13は、図12の車輪の側面図である。 図14は、図13の車輪の車輪回転軸を通る断面図である。 図15は、第1実施形態に係る車輪を搭載する適用例としての車両の構成例を模式的に示す斜視図である。 図16は、図15に示す車両による段差乗り越え動作を説明するための説明図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係る車輪1の構成について、図1から図4までを参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る車輪1の構成を模式的に示す斜視図である。図2は、図1の車輪1の構成を模式的に示す側面図である。図3は、図1の車輪1の平地走行時の状態を示す正面図である。図4は、図1の車輪1の段差走行時の状態を示す正面図である。以下の説明において、車輪1が段差の走破が可能な方向への回転方向を正回転方向R1といい、正回転方向R1とは反対側の回転方向を逆回転方向R2という。
第1実施形態の車輪1は、宅配ロボット、無人搬送台車、搬送用カート、電動車いす、掃除ロボット、パートナーロボット等の自走車に搭載される駆動輪である。自走車は、例えば、左右対称に車輪1が配置される四輪車両(例えば、後述の図15参照)が想定されるが、本発明ではこれに限定されない。第1実施形態において、車輪1が平地走行及び段差走行するための駆動力は、車輪1が搭載される自走車の車体側に搭載される電源等のエネルギー源から供給される。車輪1は、外輪10と、アーム20と、アーム駆動歯車30と、外輪駆動歯車50と、支持部90と、を備える。
外輪10は、車輪1の車輪回転軸Aを中心軸とする円板形状である。外輪10は、中心に後述のアーム駆動軸31が挿通する孔を有する。外輪10の外周面11は、全周に亘って車輪1の転動周面を構成する。外輪10は、外周面11の周方向に沿って取り付けられる輪状のタイヤ部12を有する。タイヤ部12は、例えば、ゴム等で形成され、走行時における設置面から受ける外輪10への衝撃を吸収する。
外輪10の外側面13側には、4つのアーム20が配置される。なお、外輪10の外側面13は、車輪1が自走車に搭載される際に車体の外側に面する側面である。外輪10は、4つのアーム20をそれぞれのアーム回転軸A回りに回動可能に支持する4つのアーム支持部14を有する。アーム回転軸Aは、車輪回転軸Aと平行である。車輪回転軸Aとそれぞれのアーム回転軸Aとの距離は、全て等しい。アーム回転軸Aは、車輪回転軸Aに対して回転方向に等間隔に設けられる。
アーム支持部14は、第1実施形態において、外輪10の外側面13から外側に突出する円柱状の軸部材である。アーム支持部14は、アーム20の軸孔21を挿通する。4つのアーム支持部14は、車輪回転軸Aに対して回転方向に等間隔に設けられる。アーム支持部14は、外輪10と一体的に形成されてもよいし、別体に設けられて外輪10に固定されてもよい。アーム支持部14は、アーム20をアーム回転軸A回りに回動可能に支持するものであれば、どのようなものでもよい。
外輪10の外側面13とは反対側の側面である内側面15側には、外輪歯車16が配置される(図3及び図4参照)。外輪歯車16は、外輪10と同軸に配置される外歯車である。すなわち、外輪歯車16は、車輪1の車輪回転軸Aと同一の回転軸を有する。外輪歯車16は、外輪10と一体的に回転する。外輪歯車16は、外輪10に固定されるか、又は外輪10と一体的に設けられる。
アーム20は、第1実施形態において、1つの車輪1に対して4つ設けられる。それぞれのアーム20は、軸孔21に挿通されるアーム支持部14によって、アーム回転軸A回りに回動可能に支持される(図2参照)。アーム20は、図2の実線で示す閉じ回転位置と、二点鎖線で示す展開回転位置との間で、アーム回転軸A回りに回動可能である。アーム20は、基端円形部22と、爪部23と、を含む。また、1つのアーム20は、歯部24と、第1円弧壁部25と、第2円弧壁部26と、基端側壁部27と、によって外周面が形成される。
基端円形部22は、アーム回転軸Aを中心軸とする円筒形状である。基端円形部22の中心には、軸孔21が形成される。爪部23は、基端円形部22の径方向に突出して設けられる。爪部23は、閉じ回転位置では、外輪10の外周面11より径方向内側に収容される。爪部23は、展開回転位置では、先端部28が外輪10の外周面11より径方向外側に突出する。
歯部24は、基端円形部22の円周面の一部に形成される。歯部24は、後述のアーム駆動歯車30と噛み合う。第1円弧壁部25は、爪部23の外周面の一部であって、凸状の円弧形状である。第1円弧壁部25は、第1実施形態において、曲率半径が外輪10と同一である。第1円弧壁部25は、外輪10の外周面11より径方向内側に収容されてアーム20が閉じ回転位置にある場合、曲率中心が外輪10と同一である。すなわち、第1円弧壁部25は、アーム20が閉じ回転位置にある場合、車輪1の転動周面の一部を構成する。第1円弧壁部25の正回転方向R1側の端部は、爪部23の先端部28である。第2円弧壁部26は、爪部23の外周面の一部であって、凹状の円弧形状である。第2円弧壁部26の一端は、爪部23の先端部28である。第2円弧壁部26は、先端部28を介して第1円弧壁部25に隣接する。第2円弧壁部26の他端は、基端円形部22の歯部24の逆回転方向R2側の端部に接続する。第2円弧壁部26は、第1円弧壁部25と同方向に湾曲する。
基端側壁部27の一端は、基端円形部22の歯部24の正回転方向R1側の端部に接続する。基端側壁部27の他端は、止め部29を介して第1円弧壁部25の逆回転方向R2側の端部に隣接する。先端部28は、第1円弧壁部25と第2円弧壁部26との間に形成される。先端部28は、実施形態において、丸みを有する。アーム20は、基端円形部22を含む基端側壁部27側から爪部23の先端部28へ漸次細くなる形状に形成される。
基端側壁部27は、閉じ回転位置において、逆回転方向R2側に隣接するアーム20の先端部28が接触することによって、それ以上アーム20が回転できないようにするストッパの役目を有する。止め部29は、第1円弧壁部25と基端側壁部27との間に形成される角部である。止め部29は、展開回転位置において、逆回転方向R2側に隣接するアーム20の基端円形部22に接触することによって、それ以上アーム20が回転できないようにするストッパの役目を有する。
アーム駆動歯車30は、図3及び図4に示すように、車輪1の車輪回転軸Aと同軸の回転軸を有する外歯車である。アーム駆動歯車30は、4つのアーム20のそれぞれの歯部24に噛み合う。
アーム駆動歯車30は、アーム駆動軸31の一方の端部である外端部32に設けられる。外端部32は、アーム駆動軸31において、車輪1が自走車に搭載される際に車体の外側に位置する端部である。アーム駆動軸31は、車輪1の車輪回転軸Aと同軸の回転軸を有する軸部材である。アーム駆動歯車30は、アーム駆動軸31と一体的に回転する。アーム駆動軸31は、外輪10の中心に形成された孔に挿通される。アーム駆動歯車30及びアーム駆動軸31は、外輪10と独立して回転する。
アーム駆動軸31の外端部32とは反対側の端部である内端部33は、アーム用アクチュエータ35の出力軸に固定される。アーム用アクチュエータ35は、アーム駆動歯車30の回転駆動源である。アーム用アクチュエータ35によるトルクは、アーム駆動歯車30を介してアーム20に伝達される。アーム用アクチュエータ35は、例えば、インナーロータ式のモータである。アーム用アクチュエータ35は、例えば、ステータと、電力が供給されることによってステータに対して回転するロータと、ロータと共に回転する出力軸と、を含む。アーム用アクチュエータ35の出力軸は、車輪1の車輪回転軸A及びアーム駆動軸31の回転軸と同軸である。
アーム用アクチュエータ35は、車輪1が搭載される自走車の車体側に設けられた電源(不図示)から電力が供給される。アーム用アクチュエータ35は、電力が供給されることによって、アーム駆動軸31を介してアーム駆動歯車30を車輪回転軸A回りに回転させる。アーム用アクチュエータ35の出力軸の回転方向及び回転速度は、例えば、車輪1が搭載される自走車の車体側に設けられた制御装置によって制御される。
外輪駆動歯車50は、図3及び図4に示すように、車輪1の車輪回転軸A及び外輪歯車16の回転軸と平行な外輪駆動回転軸Aを回転軸とする外歯車である。外輪駆動回転軸Aは、アーム回転軸Aの1つと同軸であってもよいし、全てのアーム回転軸Aと異なる軸であってもよい。外輪駆動歯車50は、外輪10の内側面15側に配置される。外輪駆動歯車50は、外輪歯車16に噛み合う。外輪駆動歯車50は、外輪歯車16の回転方向と反対方向に回転する。
外輪駆動歯車50は、外輪駆動軸51の一方の端部である外端部52に設けられる。外端部52は、外輪駆動軸51において、車輪1が自走車に搭載される際に車体の外側に位置する端部である。外輪駆動軸51は、外輪駆動回転軸Aを回転軸とする軸部材である。外輪駆動歯車50は、外輪駆動軸51と一体的に回転する。
外輪駆動軸51の外端部52とは反対側の端部である内端部53は、外輪用アクチュエータ55の出力軸に固定される。外輪用アクチュエータ55は、外輪駆動歯車50の回転駆動源である。外輪用アクチュエータ55によるトルクは、外輪駆動歯車50を介して外輪歯車16及び外輪10に伝達される。外輪用アクチュエータ55は、例えば、インナーロータ式のモータである。外輪用アクチュエータ55は、例えば、ステータと、電力が供給されることによってステータに対して回転するロータと、ロータと共に回転する出力軸と、を含む。外輪用アクチュエータ55の出力軸は、車輪1の車輪回転軸A及びアーム駆動軸31の回転軸と平行、かつ外輪駆動歯車50及び外輪駆動軸51の外輪駆動回転軸Aと同軸である。
外輪用アクチュエータ55は、車輪1が搭載される自走車の車体側に設けられた電源(不図示)から電力が供給される。外輪用アクチュエータ55は、電力が供給されることによって、外輪駆動軸51を介して外輪駆動歯車50を回転させる。すなわち、外輪用アクチュエータ55は、外輪駆動軸51及び外輪駆動歯車50を介して、外輪歯車16及び外輪10を車輪回転軸A回りに回転させる。外輪用アクチュエータ55の出力軸、外輪駆動軸51及び外輪駆動歯車50は、外輪歯車16及び外輪10の回転方向と反対方向に回転する。外輪用アクチュエータ55の出力軸の回転方向及び回転速度は、例えば、車輪1が搭載される自走車の車体側に設けられた制御装置によって制御される。
支持部90は、アーム用アクチュエータ35及び外輪用アクチュエータ55の筐体を支持する。支持部90は、例えば、後述する図15に示すように、車輪1が搭載される自走車の車体201に固定される。支持部90が自走車の車体201に固定されることによって、自走車の車体201に対して、車輪1の車輪回転軸A及び外輪駆動歯車50の外輪駆動回転軸Aが固定される。
次に、第1実施形態の車輪1の作動について説明する。第1実施形態の車輪1は、アーム20が閉じ回転位置(図2の実線で示す位置参照)にある場合、アーム20の第1円弧壁部25が車輪1の転動周面を構成する。この場合、車輪1は、円形を保ち、通常の車輪と同様な走行が可能である。車輪1は、アーム20が展開回転位置(図2の二点鎖線で示す位置参照)にある場合、アーム20の爪部23の先端部28が外輪10の外周面11より径方向外側に突出する。この場合、車輪1は、アーム20の爪部23を段差(後述の図16参照)に引っ掛けることによって、段差の走破が可能である。
アーム支持部14は、外輪10に固定されているため、外輪10と共に車輪回転軸A回りに回転する。アーム駆動歯車30が外輪10と同回転方向かつ同回転速度で回転する(相対回転しない)場合、アーム20の歯部24に対してアーム駆動歯車30が回転しないので、アーム20は、閉じ回転位置から展開しない。すなわち、平地走行時においては、アーム駆動歯車30と外輪10とを同回転方向かつ同回転速度で回転させるよう、アーム用アクチュエータ35及び外輪用アクチュエータ55の出力軸の回転方向及び回転速度を制御することにより、アーム20の閉じ回転位置を維持させる。
アーム駆動歯車30の正回転方向R1への回転速度が外輪10の回転速度より速い場合、アーム20の歯部24に対して相対的にアーム駆動歯車30が正回転方向R1に回転するので、アーム20は、アーム回転軸A回りに逆回転方向R2に回転する。外輪10に対して相対的にアーム駆動歯車30が正回転方向R1に所定角度回転すると、アーム20は、アーム回転軸A回りに逆回転方向R2に所定角度回転し、閉じ回転位置から展開回転位置に展開する。アーム駆動歯車30の正回転方向R1への回転速度が外輪10の回転速度より遅い場合、アーム20の歯部24に対して相対的にアーム駆動歯車30が逆回転方向R2に回転するので、アーム20は、アーム回転軸A回りに正回転方向R1に回転する。外輪10に対して相対的にアーム駆動歯車30が逆回転方向R2に所定角度回転すると、アーム20は、アーム回転軸A回りに正回転方向R1に所定角度回転し、展開回転位置から閉じ回転位置に閉じる。
アーム20が展開回転位置に展開した状態で、アーム駆動歯車30が外輪10と同回転方向かつ同回転速度で回転する(相対回転しない)場合、アーム20は、展開回転位置を維持する。すなわち、段差走行時には、外輪用アクチュエータ55の出力軸の回転を停止させ、アーム用アクチュエータ35のみを駆動させることによって、アーム20を展開回転位置に展開させて車輪1を変形させる。アーム20が任意の変形量まで達した後、再びアーム駆動歯車30及び外輪10を同回転方向かつ同回転速度で回転させるようにアーム用アクチュエータ35及び外輪用アクチュエータ55を制御することにより、アーム20の展開回転位置を維持させる。
段差走行を終えて平地走行に移行する時は、アーム用アクチュエータ35の回転を停止させ、外輪用アクチュエータ55のみ正回転を継続させる。アーム用アクチュエータ35の回転を停止させた状態で外輪用アクチュエータ55が正回転する場合、アーム駆動歯車30に対して外輪10が正回転方向R1に相対回転する。すなわち、アーム駆動歯車30が外輪10に対して逆回転方向R2に相対回転する。これにより、アーム20は、外輪10に対して正回転方向R1に回転し、閉じ回転位置に閉じる。アーム20が閉じ回転位置に達した後は、アーム駆動歯車30と外輪10とを同回転方向かつ同回転速度で回転させるよう、アーム用アクチュエータ35と外輪用アクチュエータ55とを駆動させて平地走行させる。
なお、進行方向の段差の検出は、例えば、車輪1が搭載される自走車の車体側に設けられた検出装置によって行う。検出装置は、例えば、段差までの距離を検出する赤外線センサ等のセンサを含む。検出装置は、例えば、段差を撮像する撮像部を含み、撮像画像に基づいて段差を検出してもよい。
以上説明したように、第1実施形態の車輪1は、外輪10と、アーム駆動歯車30と、アーム20と、を備える。外輪10は、車輪回転軸A回りに回転する。アーム駆動歯車30は、外輪10と独立して車輪回転軸A回りに回転する。アーム20は、外輪10に固定されるアーム回転軸A回りに回動可能である。アーム20は、外輪10に対して相対的にアーム駆動歯車30が正回転方向R1に回転すると外輪10の外周面11より径方向外側に一部が突出する。アーム20は、外輪10に対して相対的にアーム駆動歯車30が逆回転方向R2に回転すると外輪10の外周面11より径方向内側に収容される。
車輪1は、平地走行時にはアーム20を外輪10の外周面11より径方向内側に収容することによって外輪10が転動する。車輪1は、平地走行時には変形しない外輪10が転動するので、平地走行時の安定性を維持することができる。また、車輪1は、段差走行時にはアーム20を外輪10の外周面11より径方向外側に突出することによってアーム20が段差を捕えて走破することができる。アーム20は、外輪10とアーム駆動歯車30とを相対回転させるという単純な構造で、展開及び収容することができる。
また、第1実施形態の車輪1において、アーム20は、アーム駆動歯車30と噛み合う歯部24を含む。これにより、アーム20は、外輪10に対して相対的にアーム駆動歯車30が正回転方向R1に回転すると逆回転方向R2に回転し、外輪10に対して相対的にアーム駆動歯車30が逆回転方向R2に回転すると正回転方向R1に回転する。すなわち、アーム20の駆動源からアーム20までの伝達経路の構造を簡素化できる。
また、第1実施形態の車輪1において、外輪10に対して相対的にアーム駆動歯車30が回転しない場合、アーム20は、突出した状態又は収容される状態を維持する。これにより、車輪1の意図しない変形を抑制できるので、安定した段差走行及び平地走行が可能である。
また、第1実施形態の車輪1において、アーム20は、外輪10の外周面11より径方向内側に収容される状態で曲率中心が外輪10と同一、かつ曲率半径が外輪10と同一である凸状の第1円弧壁部25を外周面の一部に含む。これにより、第1円弧壁部25が車輪1の転動周面の一部を構成するため、アーム20の駆動源によるトルクを、平地走行時にも使用することができる。
また、第1実施形態の車輪1において、アーム20は、外輪10の外周面11より径方向外側に一部が突出している状態で、外輪10の外周面11より径方向外側に一部が突出する凹状の第2円弧壁部26を外周面の一部に含む。これにより、段差走行時に、より好適にアーム20を段差に引っ掛けることができる。
また、第1実施形態の車輪1は、アーム用アクチュエータ35と、外輪歯車16と、外輪駆動歯車50と、外輪用アクチュエータ55と、を備える。アーム用アクチュエータ35は、アーム駆動歯車30を駆動する。外輪歯車16は、車輪回転軸A回りに外輪10と一体的に回転する。外輪駆動歯車50は、外輪歯車16と噛み合い、車輪回転軸Aと平行なアーム回転軸A回りに回転する。外輪用アクチュエータ55は、アーム用アクチュエータ35と独立して駆動し、外輪駆動歯車50を駆動する。これにより、車輪1は、平地走行時及び段差走行時の両方の走行時において、アーム用アクチュエータ35及び外輪用アクチュエータ55の合成トルクによって走行するので、1台のアクチュエータのトルクを小さくすることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る車輪2の構成について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、第2実施形態に係る車輪2の平地走行時の状態を示す車輪回転軸Aを通る断面図である。図6は、第2実施形態に係る車輪2の段差走行時の状態を示す車輪回転軸Aを通る断面図である。第2実施形態に係る車輪2について、第1実施形態に係る車輪1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。第2実施形態に係る車輪2は、第1実施形態に係る車輪1と比較して、外輪歯車16、外輪駆動歯車50、外輪駆動軸51及び外輪用アクチュエータ55の代わりにクラッチとしての電磁クラッチ70を備える点で相違する。
電磁クラッチ70は、外輪10の内側面15側に配置される。電磁クラッチ70は、ロータ71と、ステータ72と、アーマチュア73と、を含む。
ロータ71は、円筒状に設けられる。ロータ71は、アーム駆動軸31と同軸に配置される。ロータ71は、アーム駆動軸31の外周面に固定される。ロータ71は、アーム駆動軸31と一体的に回転する。
ステータ72は、ロータ71と同軸の円筒状に設けられる。ステータ72は、ロータ71の径方向外側に設けられる。ステータ72は、例えば、支持部90(図3参照)に固定される。ステータ72は、コイルを有する。ステータ72は、コイルに通電することによって、磁力を帯びる。
アーマチュア73は、中心に軸孔を有する円板状に設けられる。アーマチュア73は、外輪10の内側面15に固定される。ロータ71の外側面74は、アーマチュア73の内側面75と対向する。
ステータ72のコイルに通電している状態では、ステータ72の磁力がロータ71を介してアーマチュア73を引きつける。これにより、ロータ71の外側面74とアーマチュア73の内側面75とが密着するので、アーム駆動軸31のトルクは、ロータ71及びアーマチュア73を介して外輪10に伝達される。
ステータ72のコイルに通電していない状態では、ステータ72が磁力を帯びず、ロータ71を介してアーマチュア73を引きつけない。これにより、ロータ71の外側面74とアーマチュア73の内側面75とが離隔するので、アーム駆動軸31のトルクは、外輪10に伝達されない。
次に、第2実施形態の車輪2の作動について説明する。第2実施形態の車輪2は、第1実施形態の車輪1と同様に、アーム20が閉じ回転位置にある場合、アーム20の第1円弧壁部25が車輪2の転動周面を構成する。この場合、車輪2は、円形を保ち、通常の車輪と同様な走行が可能である。車輪2は、アーム20が展開回転位置にある場合、アーム20の爪部23の先端部28が外輪10の外周面11より径方向外側に突出する。この場合、車輪2は、アーム20の爪部23を段差に引っ掛けることによって、段差の走破が可能である。
電磁クラッチ70のステータ72のコイルに通電している状態では、アーム駆動軸31のトルクが外輪10に伝達される。すなわち、アーム駆動歯車30と外輪10とは、同回転方向かつ同回転速度で回転する。この場合、アーム20の歯部24に対してアーム駆動歯車30が回転しないので、アーム20は、閉じ回転位置を維持する。
ステータ72のコイルに通電していない状態では、アーム駆動軸31のトルクが外輪10に伝達されない。すなわち、ステータ72のコイルに通電していない状態でアーム駆動軸31を正回転方向R1に回転させると、アーム駆動歯車30は、外輪10及びアーム20の歯部24に対して相対的に、正回転方向R1に回転する。これにより、アーム20は、アーム回転軸A回りに逆回転方向R2に回転する。外輪10に対して相対的にアーム駆動歯車30が正回転方向R1に所定角度回転すると、アーム20は、アーム回転軸A回りに逆回転方向R2に所定角度回転し、閉じ回転位置から展開回転位置に展開する。また、ステータ72のコイルに通電していない状態でアーム駆動軸31を逆回転方向R2に回転させると、アーム駆動歯車30は、外輪10及びアーム20の歯部24に対して相対的に、逆回転方向R2に回転する。これにより、アーム20は、アーム回転軸A回りに正回転方向R1に回転する。外輪10に対して相対的にアーム駆動歯車30が逆回転方向R2に所定角度回転すると、アーム20は、アーム回転軸A回りに正回転方向R1に所定角度回転し、展開回転位置から閉じ回転位置に閉じる。
アーム20が展開回転位置に展開した状態で、アーム駆動歯車30が外輪10と同回転方向かつ同回転速度で回転する場合、アーム20は、展開回転位置を維持する。すなわち、段差走行時には、電磁クラッチ70のステータ72のコイルへの通電を停止させ、アーム用アクチュエータ35によるアーム駆動軸31のトルクの外輪10への伝達を停止させることによって、アーム20を展開回転位置に展開させて車輪2を変形させる。アーム20が任意の変形量まで達した後、再びアーム駆動歯車30及び外輪10を同回転方向かつ同回転速度で回転させるように電磁クラッチ70のステータ72のコイルへの通電を再開することにより、アーム20の展開回転位置を維持させる。
段差走行を終えて平地走行に移行する時は、まず、電磁クラッチ70のステータ72のコイルへの通電を停止させ、ロータ71とアーマチュア73との連結を解除させて、アーム駆動軸31のトルクの外輪10への伝達を停止させる。次に、外輪10へのトルクの伝達を停止させた状態で、アーム駆動歯車30を逆回転方向R2に回転させる。すなわち、アーム駆動歯車30が外輪10に対して逆回転方向R2に相対回転する。これにより、アーム20は、外輪10に対して正回転方向R1に回転し、閉じ回転位置となる。アーム20が閉じ回転位置に達した後は、アーム用アクチュエータ35と外輪用アクチュエータ55とを駆動させて平地走行させる。
なお、電磁クラッチ70の作動は、上記に限定されない。電磁クラッチ70は、例えば、電磁クラッチ70のステータ72のコイルに通電している状態では、アーム駆動軸31のトルクが外輪10に伝達されず、ステータ72のコイルに通電していない状態では、アーム駆動軸31のトルクが外輪10に伝達される構成であってもよい。電磁クラッチ70は、アーム用アクチュエータ35の動力を外輪10に伝達する状態と、アーム用アクチュエータ35の動力を外輪10に伝達しない状態と、を通電の有無で切り替え可能であれば、どのような構成であっても構わない。
以上説明したように、第2実施形態の車輪2は、アーム駆動歯車30を駆動するアーム用アクチュエータ35と、アーム用アクチュエータ35の動力を外輪10に伝達する状態と、アーム用アクチュエータ35の動力を外輪10に伝達しない状態と、を通電の有無で切り替え可能な電磁クラッチ70と、を備える。
第1実施形態の車輪1では、2台のアクチュエータ(アーム用アクチュエータ35及び外輪用アクチュエータ55)を同期させる必要があったが、第2実施形態の車輪2は、アクチュエータを1台のみ備えるため、複数のアクチュエータを同期させる必要がない。すなわち、電磁クラッチ70に通電している状態では、アーム20が展開状態又は収容状態を維持できる。また、電磁クラッチ70に通電していない状態では、アーム駆動歯車30の回転方向によって、アーム20の展開動作又は収容動作が可能である。したがって、車輪2の制御が容易である。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る車輪3の構成について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、第3実施形態に係る車輪3の平地走行時の状態を示す車輪回転軸Aを通る断面図である。図8は、第3実施形態に係る車輪3の段差走行時の状態を示す車輪回転軸Aを通る断面図である。第3実施形態に係る車輪3について、第2実施形態に係る車輪2と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。第3実施形態に係る車輪3は、第2実施形態に係る車輪2と比較して、電磁クラッチ70を備えない点で相違する。
第1実施形態の車輪1では、2台のアクチュエータ(アーム用アクチュエータ35及び外輪用アクチュエータ55)を同期させる必要があったが、第3実施形態の車輪3は、アクチュエータを1台のみ備えるため、同期させる必要はない。アーム駆動歯車30が正回転方向R1に回転すると、止め部29が逆回転方向R2側に隣接するアーム20の基端円形部22に接触するまでアーム20が展開した後、外輪10がアーム駆動歯車30と一体的に正回転方向R1に回転する。止め部29は、アーム20の逆回転方向R2への回転範囲を制限する逆回転方向R2のストッパとして機能する。アーム駆動歯車30が逆回転方向R2に回転すると、基端側壁部27が逆回転方向R2側に隣接するアーム20の先端部28が接触するまでアーム20が閉じて収容した後、外輪10がアーム駆動歯車30と一体的に逆回転方向R2に回転する。基端側壁部27は、アーム20の正回転方向R1への回転範囲を制限する正回転方向R1のストッパとして機能する。
次に、第3実施形態の車輪3の作動について説明する。第3実施形態の車輪3は、第1実施形態の車輪1及び第2実施形態の車輪2と同様に、アーム20が閉じ回転位置にある場合、アーム20の第1円弧壁部25が車輪3の転動周面を構成する。この場合、車輪3は、円形を保ち、通常の車輪と同様な走行が可能である。車輪3は、アーム20が展開回転位置にある場合、アーム20の爪部23の先端部28が外輪10の外周面11より径方向外側に突出する。この場合、車輪3は、アーム20の爪部23を段差に引っ掛けることによって、段差の走破が可能である。
アーム駆動軸31を正回転方向R1に回転させると、外輪10及びアーム20の歯部24に対して相対的にアーム駆動歯車30が正回転方向R1に回転するので、アーム20は、アーム回転軸A回りに逆回転方向R2に回転する。外輪10に対して相対的にアーム駆動歯車30が正回転方向R1に所定角度回転すると、アーム20は、アーム回転軸A回りに逆回転方向R2に所定量回転し、閉じ回転位置から展開回転位置に展開する。アーム20は、止め部29が逆回転方向R2側に隣接するアーム20の基端円形部22に接触することによって、それ以上逆回転方向R2に回転できず、展開回転位置に維持される。車輪3は、展開回転位置に維持された状態で段差走行が可能となる。進行方向は、アーム駆動軸31が正回転方向R1に回転する方向である。
段差走行を終えて平地走行に移行するときは、まず、車輪3の向きを180°旋回させる。すなわち、段差走行時における前方方向が、車輪3が逆回転方向R2に回転する際に進行する方向となるようにする。この状態でアーム駆動軸31を逆回転方向R2に回転させると、アーム駆動歯車30は、外輪10及びアーム20の歯部24に対して相対的に、逆回転方向R2に回転するので、アーム20は、アーム回転軸A回りに正回転方向R1に回転する。外輪10に対して相対的にアーム駆動歯車30が逆回転方向R2に所定角度回転すると、アーム20は、アーム回転軸A回りに正回転方向R1に回転し、展開回転位置から閉じ回転位置に閉じる。アーム20は、基端側壁部27が逆回転方向R2側に隣接するアーム20の先端部28が接触することによって、それ以上正回転方向R1に回転できず、閉じ回転位置に維持される。これにより、平地走行が可能となる。
第3実施形態の車輪3は、正回転方向R1に回転する場合は段差走行を行い、逆回転方向R2に回転する場合は平地走行を行うよう、アーム用アクチュエータ35の回転方向で形状が変形する。したがって、より単純な構造で、平地走行及び段差走行が可能である。第3実施形態の車輪3は、前進方向又は後進方向のみで位置合わせする必要があるため、人間が操縦する台車等の車両に適用することが好ましい。
以上説明したように、第3実施形態の車輪3は、アーム駆動歯車30を駆動するアーム用アクチュエータ35と、アーム20の正回転方向R1への回転範囲を制限する正回転方向R1の第1ストッパ(基端側壁部27)と、前記アームの逆回転方向R2への回転範囲を制限する逆回転方向R2の第2ストッパ(止め部29)と、を備える。
これにより、車輪3の意図しない変形を抑制できるので、安定した段差走行及び平地走行が可能である。また、アーム駆動軸31が逆回転方向R2に回転する場合、アーム20は、第1ストッパ(基端側壁部27)が逆回転方向R2側に隣接するアーム20の先端部28に接触している状態では、第1ストッパ及びアーム回転軸Aを介して外輪10に相対的に固定される。これにより、アーム20が閉じ回転位置の状態でアーム駆動軸31のトルクが外輪10に伝達されるので、アーム20の駆動源によるトルクを、平地走行時にも使用することができる。また、アーム駆動軸31が正回転方向R1に回転する場合、アーム20は、第2ストッパ(止め部29)が逆回転方向R2側に隣接するアーム20の基端円形部22に接触している状態では、第2ストッパ及びアーム回転軸Aを介して外輪10に相対的に固定される。これにより、アーム20が展開回転位置の状態でアーム駆動軸31のトルクが外輪10に伝達されるので、アーム20の駆動源によるトルクを、好適に段差走行に使用することができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る車輪4の構成について、図9から図14までを参照して説明する。図9は、第4実施形態に係る車輪4の平地走行時の状態を示す斜視図である。図10は、図9の車輪4の正面図である。図11は、図9の車輪4の車輪回転軸Aを通る断面図である。図12は、第4実施形態に係る車輪4の段差走行時の状態を示す斜視図である。図13は、図12の車輪4の正面図である。図14は、図13の車輪4の車輪回転軸Aを通る断面図である。なお、図10、図11、図13及び図14においては、後述のカバー180を省略している。
第4実施形態の車輪4に係る以下の説明において、第1実施形態の車輪1と同様の機能を有する構成については適宜説明を省略する。車輪4は、外輪110と、アーム120と、アーム駆動歯車130と、外輪駆動歯車150と、カバー180と、支持部190と、を備える。
外輪110は、車輪4の車輪回転軸Aを中心軸とする円板形状である。外輪110は、中心に後述のアーム駆動軸131が挿通する孔を有する。外輪110は、外周面111の車輪回転軸A方向に亘って、外周面111の周方向に沿って取り付けられる輪状のタイヤ部112を有する。タイヤ部112は、全周に亘って車輪4の転動周面を構成する。タイヤ部112は、例えば、ゴム等で形成され、走行時における設置面から受ける外輪110への衝撃を吸収する。
外輪110の外側面113側には、3つのアーム120が配置される。なお、外輪110の外側面113は、車輪4が自走車に搭載される際に車体の外側に面する側面である。外輪110は、3つのアーム120をそれぞれのアーム回転軸A回りに回動可能に支持する3つのアーム支持部114を有する。アーム回転軸Aの方向及び車輪回転軸Aとの位置関係の条件は、第1実施形態と同様である。アーム支持部114は、第1実施形態のアーム支持部14と比較して、4つではなく3つ設けられる点を除いて構成が同様であるため、説明を省略する。
外輪110の外側面113とは反対側の側面である内側面115側には、外側面113に向かう凹部が設けられる。凹部には、車輪4の車輪回転軸Aと同一の回転軸を有し、外輪110と一体的に回転する外輪歯車116が配置される(図11及び図14参照)。
また、外輪110の外側面113側には、後述のアーム120の回動範囲を制限する第1ストッパ117及び第2ストッパ118が設けられる。第1ストッパ117は、閉じ回転位置において、アーム120の第2円弧壁部126に接触する。第1ストッパ117は、アーム120が閉じ回転位置より正回転方向R1に回転しないようにアーム120の正回転方向R1の回転範囲を制限する。第2ストッパ118は、展開回転位置において、アーム120の直壁部127に接触する。第2ストッパ118は、アーム120が展開回転位置より逆回転方向R2に回転しないようにアーム120の逆回転方向R2の回転範囲を制限する。第1ストッパ117及び第2ストッパ118は、第4実施形態において、外輪110の外側面113から突出して設けられる軸部材である。
アーム120は、第4実施形態において、1つの車輪4に対して3つ設けられる。それぞれのアーム120は、軸孔121に挿通されるアーム支持部114によって、アーム回転軸A回りに回動可能に支持される(図10及び図13参照)。アーム120は、図9、図10及び図11に示す閉じ回転位置と、図12、図13及び図14に示す展開回転位置との間で、アーム回転軸A回りに回動可能である。アーム120は、基端部122と、爪部123と、を含む。また、1つのアーム120は、車輪回転軸A方向視において、歯車部124と、第1円弧壁部125と、第2円弧壁部126と、直壁部127と、によって外周面が形成される。
基端部122は、軸孔121を有するアーム120の回動の中心付近の部分である。爪部123は、基端部122の径方向に突出して設けられる。爪部123は、閉じ回転位置では、外輪110の外周面111より径方向内側に収容される。爪部123は、展開回転位置では、先端部128が外輪110の外周面111より径方向外側に突出する。歯車部124は、第4実施形態において、基端部122の外側面側に固定される。なお、歯車部124は、基端部122と一体的に形成されてもよい。歯車部124は、後述のアーム駆動歯車130と噛み合う歯部を外周の一部に有する。
第1円弧壁部125は、爪部123の外周面の一部であって、凸状の円弧形状である。第1円弧壁部125の正回転方向R1側の端部は、爪部123の先端部128である。第2円弧壁部126は、爪部123の外周面の一部であって、凹状の円弧形状である。第2円弧壁部126の一端は、爪部123の先端部128である。第2円弧壁部126は、先端部128を介して第1円弧壁部125に隣接する。第2円弧壁部126の他端は、基端部122に接続する。第2円弧壁部126は、第1円弧壁部125と同方向に湾曲する。第2円弧壁部126は、閉じ回転位置において、第1ストッパ117に接触する。アーム120は、第2円弧壁部126が第1ストッパ117に接触する閉じ回転位置よりも正回転方向R1に回転しないように正回転方向R1の回転範囲が制限される。
直壁部127の一端は、基端部122に接続する。直壁部127の他端は、第1円弧壁部125の逆回転方向R2側の端部に隣接する。直壁部127は、展開回転位置において、第2ストッパ118に接触する。アーム120は、直壁部127が第2ストッパ118に接触する展開回転位置よりも逆回転方向R2に回転しないように逆回転方向R2の回転範囲が制限される。
先端部128は、第1円弧壁部125と第2円弧壁部126との間に形成される。アーム120は、基端部122側から爪部123の先端部128へ漸次細くなる形状に形成される。先端部128には、車輪回転軸A及びアーム回転軸Aと平行な回転軸回りに回動可能に支持される小車輪129が取り付けられている。小車輪129の外周面の一部は、爪部123の外周面より小車輪129の径方向外側に位置する。
アーム駆動歯車130は、図11及び図14に示すように、車輪4の車輪回転軸Aと同軸の回転軸を有する外歯車である。アーム駆動歯車130は、3つのアーム120のそれぞれの歯車部124の歯部に噛み合う。
アーム駆動歯車130は、アーム駆動軸131と一体的に回転する。アーム駆動歯車130は、第4実施形態において、アーム駆動軸131と一体的に設けられるが、アーム駆動軸131と別体に設けられて、アーム駆動軸131に固定されてもよい。アーム駆動軸131は、車輪4の車輪回転軸Aと同軸の回転軸を有する軸部材である。アーム駆動軸131は、外輪110の中心に形成された孔に挿通される。アーム駆動歯車130及びアーム駆動軸131は、外輪110と独立して回転する。アーム駆動軸131は、アーム用減速機134を介して、アーム用アクチュエータ135の出力軸に接続する。アーム用減速機134は、アーム用アクチュエータ135の出力軸の回転を減速し、かつトルクを増幅させて、アーム駆動軸131に伝達する。アーム用アクチュエータ135は、第1実施形態のアーム用アクチュエータ35と同様の構成及び機能を有するため、説明を省略する。
外輪駆動歯車150は、図11及び図14に示すように、車輪4の車輪回転軸A及び外輪歯車116の回転軸と平行な外輪駆動回転軸Aを回転軸とする外歯車である。外輪駆動回転軸Aは、アーム回転軸Aの1つと同軸であってもよいし、全てのアーム回転軸Aと異なる軸であってもよい。外輪駆動歯車150は、外輪110の内側面115側に設けられた凹部に配置される。外輪駆動歯車150は、外輪歯車116に噛み合う。外輪駆動歯車150は、外輪歯車116の回転方向と反対方向に回転する。
外輪駆動歯車150は、外輪駆動軸151と一体的に回転する。外輪駆動歯車150は、第4実施形態において、外輪駆動軸151と一体的に設けられるが、外輪駆動軸151と別体に設けられて、外輪駆動軸151に固定されてもよい。外輪駆動軸151は、外輪駆動回転軸Aを回転軸とする軸部材である。外輪駆動軸151は、外輪用減速機154を介して、外輪用アクチュエータ155の出力軸に接続する。外輪用減速機154は、外輪用アクチュエータ155の出力軸の回転を減速し、かつトルクを増幅させて、外輪駆動軸151に伝達する。外輪用アクチュエータ155は、第1実施形態の外輪用アクチュエータ55と同様の構成及び機能を有するため、説明を省略する。
カバー180は、車輪4の外側面側を覆う蓋部材である。カバー180は、アーム120が展開回転位置に突出するための開口部181を外周に有する。支持部190は、第1実施形態の支持部90と同様の構成及び機能を有するため、説明を省略する。
次に、第4実施形態の車輪4の作動について説明する。第4実施形態の車輪4の作動は、第1実施形態の車輪1の作動と比較して、アーム120及び外輪110の駆動にアーム用減速機134及び外輪用減速機154を介す点を除いて同様である。
すなわち、第4実施形態の車輪4は、アーム120が閉じ回転位置(図9、図10及び図11に示す位置参照)にある場合、アーム120の爪部123の先端部128が外輪110の外周面111より径方向内側に収容されている。この場合、車輪4は、円形を保ち、通常の車輪と同様の走行が可能である。車輪4は、アーム120が展開回転位置(図12、図13及び図14に示す位置参照)にある場合、アーム120の爪部123の先端部128が外輪110の外周面111より径方向外側に突出する。この場合、車輪4は、アーム120の爪部123を段差(後述の図16参照)に引っ掛けることによって、段差の走破が可能である。
[適用形態]
次に、車輪1、2、3の適用例としての車両200の構成について、図15を参照して説明する。図15は、第1実施形態に係る車輪1を搭載する適用例としての車両200の構成例を模式的に示す斜視図である。
適用形態の車両200は、車両200の車体201と、4つの車輪1と、を備える台車である。車体201には、例えば、アーム用アクチュエータ35及び外輪用アクチュエータ55に供給する電力の電源、進行方向の段差を検出する検出装置、アーム用アクチュエータ35及び外輪用アクチュエータ55の回転方向及び回転速度を制御する制御装置等(不図示)が搭載される。
4つの車輪1は、支持部90を介して車体201に固定される。4つの車輪1は、車体201の左右前後に配置される。これにより、車輪1の車輪回転軸Aが車体201に固定される。車輪1は、適用形態において、支持部90の上端部が、車体201の下面に固体される。車両200は、適用形態において、4つの車輪1が左右前後に配置されるが、車輪1を自走車に適用する場合、3つ以上の車輪1を備えればよい。車両200の左右方向への旋回は、操舵にステアリング装置を用いるのではなく、右側の車輪1と左側の車輪1との回転速度差を用いる。
次に、車両200の動作について、図16を参照して説明する。図16は、図15に示す車両200による段差乗り越え動作を説明するための説明図である。図16に示すように、車両200は、車輪1が正回転方向R1に回転する方向に移動しているものとし、進行方向に段差があるものとする。また、1段の段差は、車輪1の半径より高く車輪1の直径より低いものを想定する。
図16のステップST1に示すように、車両200が段差に到達せず、平地走行中においては、アーム駆動歯車30と外輪10とを同回転方向かつ同回転速度で回転させるよう、アーム用アクチュエータ35及び外輪用アクチュエータ55の出力軸の回転方向及び回転速度を制御することにより、アーム20の閉じ回転位置を維持させる。これにより、車輪1は、円形を維持し、外輪10の外周面11(図1参照)と、アーム20の第1円弧壁部25(図1参照)とが車輪1の転動周面を構成する。
図16のステップST2に示すように、車両200が段差に接近した場合、又は前輪側の車輪1が段差に到達した場合、前輪側の車輪1の外輪用アクチュエータ55の出力軸の回転を停止させ、アーム用アクチュエータ35のみを駆動させることによって、アーム20を展開回転位置に展開させる。これにより、前輪側の車輪1は、アーム20の爪部23の先端部28(図2参照)が外輪10の外周面11より径方向外側に突出することによって変形する。
前輪側の車輪1のアーム20を展開回転位置まで展開させた後、再びアーム駆動歯車30及び外輪10を同回転方向かつ同回転速度で回転させるようにアーム用アクチュエータ35及び外輪用アクチュエータ55を制御することにより、アーム20の展開回転位置を維持させる。前輪側の車輪1が段差に到達すると、前輪側の車輪1は、アーム20の爪部23(図2参照)が段差に引っ掛かることによって、段差に乗りあげる。
図16のステップST3示すように、前輪側の車輪1が1段目の段差に乗り上げると、前輪側の車輪1は、2段目の段差も同様に、アーム20の爪部23が段差に引っ掛かることによって、段差に乗りあげる。この際、後輪側の車輪1は、アーム20が閉じ回転位置を維持した状態である。
図16のステップST4示すように、後輪側の車輪1が段差に接近した場合、後輪側の車輪1の外輪用アクチュエータ55の出力軸の回転を停止させ、アーム用アクチュエータ35のみを駆動させることによって、アーム20を展開回転位置に展開させる。これにより、後輪側の車輪1は、アーム20の爪部23の先端部28が外輪10の外周面11より径方向外側に突出することによって変形する。
後輪側の車輪1のアーム20を展開回転位置まで展開させた後、再びアーム駆動歯車30及び外輪10を同回転方向かつ同回転速度で回転させるようにアーム用アクチュエータ35及び外輪用アクチュエータ55を制御することにより、アーム20の展開回転位置を維持させる。
図16のステップST5示すように、後輪側の車輪1が段差に到達すると、後輪側の車輪1は、アーム20の爪部23が段差に引っ掛かることによって、段差に乗りあげる。この際、前輪側の車輪1は、3段目の段差にアーム20の爪部23を引っ掛けることによって、段差に乗りあげる。
段差を通過し、平地走行に移行する時は、前輪側の車輪1のアーム用アクチュエータ35の出力軸の回転を停止させ、外輪用アクチュエータ55のみを駆動させることによって、アーム20を閉じ回転位置に閉じさせる。これにより、前輪側の車輪1は、アーム20の爪部23の先端部28が外輪10の外周面11より径方向内側に収容される。
以上説明したように、適用形態の車両200は、車輪1と、車輪1の車輪回転軸Aが固定される車体201と、を備える。車輪1は、平地走行時にはアーム20を外輪10の外周面11より径方向内側に収容することによって外輪10が転動する。平地走行時には変形しない外輪10が転動する車輪1を備えるので、車両200は、平地走行時の安定性を維持することができる。また、車両200は、段差走行時には車輪1のアーム20を外輪10の外周面11より径方向外側に突出することによってアーム20が段差を捕えて走破することができる。車輪1のアーム20は、外輪10とアーム駆動歯車30とを相対回転させるという単純な構造で、展開及び収容することができる。
実施形態の車輪1、2、3及び車両200は適宜変更してもよい。例えば、アーム20、120の数及び形状は、実施形態に限定されない。また、アーム20は、基端側壁部27及び止め部29(図2参照)によって回転量に制限を設けており、アーム120は、第1ストッパ117及び第2ストッパ118(図10及び図13参照)によって回転量に制限を設けているが、別途設けるリミッタ部品によるものでもよい。
また、車輪1、2、3、4に各種センサを取り付け、車輪1、2、3、4の各種作動を制御できるように構成することが好ましい。また、アーム用アクチュエータ35、135及び外輪用アクチュエータ55、155の制御によって、アーム20、120の突出量を調整可能なように構成してもよい。例えば、段差走行する場合よりも少ない突出量になるようにアーム20、120を突出させることで、段差走行のみならず、雪道等の平地の悪路走行にも対応できる。
1、2、3、4 車輪
10、110 外輪
11、111 外周面
12、112 タイヤ部
13、113 外側面
14、114 アーム支持部
15、115 内側面
16、116 外輪歯車
117 第1ストッパ
118 第2ストッパ
20、120 アーム
21、121 軸孔
22 基端円形部
23 爪部
24 歯部
25 第1円弧壁部
26 第2円弧壁部
27 基端側壁部(第1ストッパ)
28 先端部
29 止め部(第2ストッパ)
122 基端部
123 爪部
124 歯車部
125 第1円弧壁部
126 第2円弧壁部
127 直壁部
128 先端部
129 小車輪
30、130 アーム駆動歯車
31、131 アーム駆動軸
32 外端部
33 内端部
134 アーム用減速機
35、135 アーム用アクチュエータ
50、150 外輪駆動歯車
51、151 外輪駆動軸
52 外端部
53 内端部
154 外輪用減速機
55、155 外輪用アクチュエータ
70 電磁クラッチ
71 ロータ
72 ステータ
73 アーマチュア
74 外側面
75 内側面
180 カバー
181 開口部
90、190 支持部
200 車両
201 車体
車輪回転軸
アーム回転軸
外輪駆動回転軸
R1 正回転方向
R2 逆回転方向
ST1、ST2、ST3、ST4、ST5 ステップ

Claims (6)

  1. 車輪回転軸回りに回転する外輪と、
    前記車輪回転軸と同軸の回転軸を有し前記外輪の中心に形成された孔に挿通されるアーム駆動軸と、
    前記アーム駆動軸に設けられ前記外輪と独立して前記車輪回転軸回りに回転するアーム駆動歯車と、
    前記外輪に固定されるアーム回転軸回りに回動可能であって、前記外輪に対して相対的に前記アーム駆動歯車が一方向に回転すると前記外輪の外周面より径方向外側に一部が突出し、前記外輪に対して相対的に前記アーム駆動歯車が前記一方向とは反対の他方向に回転すると前記外輪の外周面より径方向内側に収容されるアームと、
    前記アーム駆動軸を介して前記アーム駆動歯車を駆動するアーム用アクチュエータと、
    前記車輪回転軸回りに前記外輪と一体的に回転する外輪歯車と、
    前記外輪歯車と噛み合い、前記車輪回転軸と平行な外輪駆動回転軸回りに回転する外輪駆動歯車と、
    前記アーム用アクチュエータと独立して駆動し、前記外輪駆動歯車を駆動する外輪用アクチュエータと、
    を備え
    前記アームが前記外輪の外周面より径方向内側に収容されている状態において、前記アーム駆動歯車が前記一方向へ回転するとともに前記外輪の回転が停止するように前記アーム用アクチュエータ及び前記外輪用アクチュエータが制御された場合、前記アームが前記外輪の外周面より径方向外側に一部が突出し、
    前記アームが前記外輪の外周面より径方向外側に一部が突出している状態において、前記アーム駆動歯車の回転が停止するとともに前記外輪が前記一方向へ回転するように前記アーム用アクチュエータ及び前記外輪用アクチュエータが制御された場合、前記アームが前記外輪の外周面より径方向内側に収容され、
    前記アーム駆動歯車と前記外輪とを同回転方向かつ同回転速度で回転させるよう、前記アーム用アクチュエータ及び前記外輪用アクチュエータの出力軸の回転方向及び回転速度が制御された場合、前記アームが突出した状態又は収容された状態を維持する車輪。
  2. 前記アームは、前記アーム駆動歯車と噛み合う歯部を含み、前記外輪に対して相対的に前記アーム駆動歯車が前記一方向に向けて回転すると前記他方向に向けて回転し、前記外輪に対して相対的に前記アーム駆動歯車が前記他方向に回転すると前記一方向に回転する、
    請求項1に記載の車輪。
  3. 前記アームは、前記外輪の外周面より径方向内側に収容される状態で曲率中心が前記外輪と同一、かつ曲率半径が前記外輪と同一である凸状の第1円弧壁部を外周面の一部に含む、
    請求項1又は2に記載の車輪。
  4. 前記アームは、前記外輪の外周面より径方向外側に一部が突出している状態で、前記外輪の外周面より径方向外側に一部が突出する凹状の第2円弧壁部を外周面の一部に含む、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の車輪。
  5. 前記アームの一方向への回転範囲を制限する一方向の第1ストッパと、
    前記アームの他方向への回転範囲を制限する他方向の第2ストッパと、
    を備える、請求項1からのいずれか1項に記載の車輪。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載の車輪と、
    前記車輪の前記車輪回転軸が固定される車体と、
    を備える車両。
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