JP7087675B2 - 情報処理装置、ロボット作業決定方法及びロボット作業決定プログラム - Google Patents

情報処理装置、ロボット作業決定方法及びロボット作業決定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、情報処理装置、ロボット作業決定方法及びロボット作業決定プログラムに関する。
従来、製品の組立を行う組立ラインの各工程へ作業を割当てる作業編成においては、各工程における作業順序の遵守や作業量の平準化などを考慮して最適化を行っている。この最適化処理は、手作業では困難なことから、作業編成の考慮点に関する情報をオペレータに提供する技術や、様々なアルゴリズムを用いた技術が提案されている。
組立ラインに作業ロボットが実施する工程が含まれている場合、作業ロボットに動作を教示するためのロボットプログラムを、3階層構成のロボット動作テンプレートを利用して生成する技術が知られている。
特開2016-132086号公報 特開2014-104529号公報
3階層構成のロボット動作テンプレートを利用することでロボットの動作を記述することができる一方、ロボットの動作の記述のみでは作業状況の変化に追従できないため、ロボットの作業成功率が低下するおそれがある。このため、実際のロボットプログラムにおいては、ロボットへのセンサ入力やセンサ情報に基づく判断を含むセンシング作業も記述する必要がある。
しかしながら、センシング作業を追加すればするほどロボットの作業時間は長くなる。このため、作業時間があまり長くならず、作業成功率が所定以上となるように適度にセンシング作業が行われるようにする必要があるが、そのようなセンシング作業の追加は容易ではなく、手間がかかる。
1つの側面では、本発明は、ロボットにセンシング作業を適切に実行させることが可能な情報処理装置、ロボット作業決定方法及びロボット作業決定プログラムを提供することを目的とする。
一つの態様では、情報処理装置は、組み付け部品を組み付け先部品に対して組み付ける作業をセンシングに関する作業要素を含む複数の作業要素で定義した作業情報を取得する取得部と、前記組み付け部品及び前記組み付け先部品の公差情報と、前記組み付け先部品の配置精度と、前記組み付ける作業を実行するロボットの精度情報と、に基づいて前記組み付ける作業の成功率を算出する算出部と、前記ロボットが複数の組み付ける作業を実行する場合に、前記算出部が算出した前記成功率が最小の組み付ける作業を特定し、特定した前記組み付ける作業に含まれる前記センシングに関する作業要素の1つを前記ロボットに実行させることを決定する決定部と、を備え、前記センシングに関する作業要素は、実行した場合に特定した前記組み付ける作業の所要時間を長くする作業要素であり、かつ、実行した場合に特定した前記組み付ける作業の成功率を向上させる作業要素である。
ロボットにセンシング作業を適切に実行させることができる。
一実施形態に係る情報処理装置の構成を概略的に示す図である。 情報処理装置の機能ブロック図である。 作業情報DBに格納されている作業情報の一例を示す図である。 図4(a)は、設計情報DBのデータ構造の一例を示す図であり、図4(b)は、設備情報DBのデータ構造の一例を示す図である。 図4(a)、図4(b)の各情報を説明するための図である。 成功率算出部及びセンシングモジュール活性化処理部の処理を示すフローチャートである。 作業1~作業4の概要を示す図である。 工程1に作業1、作業4を割り振り、ロボット工程に作業2、作業3を割り振った場合の負荷表を示す図である。 ロボット工程に割り振られた作業2、作業3の概要を示す図である。 ステップS13、S14を説明するための図である。 センシングモジュールを活性化した場合の負荷表を示す図である。
以下、情報処理装置の一実施形態について、図1~図11に基づいて詳細に説明する。
図1には、一実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成が示されている。本実施形態の情報処理装置10は、例えばPC(Personal Computer)などであり、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)90、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)94、記憶部(ここではHDD(Hard Disk Drive))96、ネットワークインタフェース97、及び可搬型記憶媒体用ドライブ99、表示部93、入力部95等を備えている。表示部93は液晶ディスプレイ等を含み、入力部95は、キーボードやマウス、タッチパネル等を含む。これら情報処理装置10の構成各部は、バス98に接続されている。情報処理装置10では、ROM92あるいはHDD96に格納されているプログラム(ロボット作業決定プログラムを含む)、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ99が可搬型記憶媒体91から読み取ったプログラム(ロボット作業決定プログラムを含む)をCPU90が実行することにより、図2に示す各部の機能が実現される。なお、図2には、情報処理装置10のHDD96等に格納されている作業情報DB(database)21、設計情報DB22、設備情報DB23についても図示されている。なお、可搬型記憶媒体91は、例えば、CD-ROMやDVDディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記憶媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリなどである。
図2は、情報処理装置10の機能ブロック図である。情報処理装置10では、CPU90がプログラムを実行することにより、図2に示すように、入力部11と、工程計画策定部12と、取得部及び算出部としての成功率算出部13と、決定部としてのセンシングモジュール活性化処理部14と、ロボットプログラム生成部15と、を備える。なお、図2の各部の機能は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
情報処理装置10は、組立ライン(製造ライン)の立ち上げ時や、生産変動やリソース変動などにより組立ラインの編成を行う必要が生じたときに、各DB21,22,23のデータをもとに、各工程に対して作業を割当てる(割り振る)。また、情報処理装置10は、ロボットが配置されている工程に割り当てた作業をロボットに実行させるためのロボットプログラムを生成し、ロボットに対して出力する。
本実施形態において、組立ラインは、ベルトコンベア(不図示)などにより製品を工程から工程へ搬送する。組立ラインの各工程には、人又はロボットが配置される。各工程に配置された人又はロボットは、組立ラインにおいて搬送される製品に対して工程計画により割り当てられた作業を実施して製品を製造する。なお、人やロボットの数は任意である。したがって、ロボットは、1つであってもよいし、複数であってもよい。
以下、図2に示す情報処理装置10の各部の機能について説明する。
入力部11は、管理者からの入力を受け付け、入力に基づいて、作業情報DB21から作業情報を読み出し、工程計画策定部12に送信する。ここで、作業情報DB21には、図3に示すような作業情報が格納されているものとする。図3は、作業情報の一例として、組み付け作業の情報を示す図である。図3の例では、組み付け作業の情報には、組み付け部品の情報と、組み付け先部品の情報と、作業主体が人の場合の作業内容に関する情報と、作業主体がロボットの場合の作業内容に関する情報と、が含まれている。
組み付け部品の情報は、人又はロボットが組み付け作業において組み付ける部品が何であるかを示す情報である。また、組み付け先部品の情報は、人又はロボットが組み付け作業において組み付け部品を組み付ける対象が何であるかを示す情報である。
作業主体が人の場合の作業内容に関する情報には、作業「組み付け作業」に、要素作業「把持」、「嵌合」が含まれることが記述されている。また、要素作業「把持」、「嵌合」それぞれを実施するのに2秒ずつ掛かることが記述されている。
作業主体がロボットの場合の作業内容に関する情報には、作業モジュール「組み付け作業」に、要素作業モジュール「Move」、「Pick_sp」、「TransferN」、「Sense_image」、「Place_sp」、「MoveN」が含まれることが記述されている。また、各要素作業モジュールには、時間(作業時間MT)と動作モジュールが記述されている。また、作業主体がロボットの場合の作業内容に関する情報には、作業主体のロボットの情報が記述されている(「設備」の欄参照)。本実施形態では、作業モジュールが、要素作業モジュールを有しており、要素作業モジュールが動作モジュールを有している、という3階層構成となっている。なお、作業内容に関する情報には、使用する工具の情報など、その他の情報が含まれていてもよい。
図2に戻り、工程計画策定部12は、入力部11から受信した作業情報に基づいて、各作業を各工程に割り振る。具体的には、工程計画策定部12は、人やロボットの作業性に関するパラメータなどの複数のパラメータを考慮して、タブーサーチや焼きなまし法などの局所探索法により、各工程に配置される人やロボットに作業を割り当てる。パラメータには、例えば、各工程間の時間ばらつき、同一工具を特定の工程に集約できているか否かなどのパラメータが含まれる。工程計画策定部12は各工程に割り振った作業の情報を成功率算出部13に送信する。
成功率算出部13は、ロボットに割り振られた各作業の情報を取得し、各作業の作業成功率(ロボット作業成功率)を算出するとともに、ロボットに割り当てられた全工程の作業成功率(ロボット工程作業成功率)を算出する。成功率算出部13は、算出の際に、設計情報DB22及び設備情報DB23を参照する。
ここで、設計情報DB22は、図4(a)に示すように、組み付け部品のバラツキ情報と、組み付け先部品のバラツキ情報とを含む。組み付け部品のバラツキ情報には、「組み付け部品名」と「外形公差」の情報が関連付けて格納されている。また、組み付け先部品のバラツキ情報には、「組み付け先部品名」、「設置位置バラツキ」、「組み付け部の寸法公差」、「組み付け部の形状公差」の情報が格納されている。例えば、図5に示すように組み付け部品がParts_Aである場合を想定して、組み付け部品のバラツキ情報には、組み付け部品Parts_Aの外形公差「σa」が格納されている。なお、「外形公差」は、組み付け部品の所定方向(図5では幅方向)の寸法の公差を意味する。また、図5に示すように組み付け先部品がParts_Bである場合を想定して、組み付け先部品のバラツキ情報には、組み付け先部品Parts_Bの設置位置バラツキ「σb」や、組み付け部の寸法公差「σpbh」や、組み付け部の形状公差「σbh」が格納されている。なお、「設置位置バラツキ」は、ベルトコンベアに載って搬送されてくる組み付け先部品が設置される位置のバラツキを意味する。また、「組み付け部の寸法公差」は、組み付け先部品の外縁部と、組み付け部品が組み付けられる部分の中心点との間の距離の公差を意味し、「組み付け部の形状公差」は、組み付け部品が組み付けられる部分の幅方向の寸法の公差を意味する。
設備情報DB23には、図4(b)に示すように、ロボットのバラツキ情報が格納されている。ロボットのバラツキ情報には、図4(b)に示すように、「ロボット名」、「搬送位置バラツキ」、「組み付け部品の把持ズレバラツキ」の情報が含まれる。例えば、図5に示すようなロボット(Robot_A)が利用される場合を想定して、ロボットのバラツキ情報として、図4(b)に示すようにRobot_Aの搬送位置バラツキ「σr」や、組み付け部品の把持ズレバラツキ「σpr」が格納されている。なお、「搬送位置バラツキ」は、ロボットが組み付け部品を搬送する場合の目標位置からのバラツキを意味する。また、「組み付け部品の把持ズレバラツキ」は、ロボットが組み付け部品を把持する場合における、ロボットの中心と組み付け部品の中心との間のズレのバラツキ量を意味する。
なお、成功率算出部13による、ロボット作業成功率やロボット工程作業成功率の具体的な算出方法については、後述する。
図2に戻り、センシングモジュール活性化処理部14は、ロボットに割り振られた各作業に含まれるセンシングモジュールを非活性の状態から活性化する処理を実行する。センシングモジュール活性化処理部14は、処理結果をロボットプログラム生成部15に送信する。
ロボットプログラム生成部15は、センシングモジュール活性化処理部14の処理結果に基づいて、ロボットプログラムを生成し、作業が割り振られたロボットに対して送信する。
(情報処理装置10の処理について)
次に、情報処理装置10の成功率算出部13及びセンシングモジュール活性化処理部14の処理について、図6のフローチャートに沿って、その他図面を参照しつつ詳細に説明する。
図6には、成功率算出部13及びセンシングモジュール活性化処理部14の処理がフローチャートにて示されている。
図6の処理が実行される前提として、組立ラインでは、図7に示す作業1、作業2、作業3、作業4を実施するものとし、工程計画策定部12は、作業情報DB21に格納されている作業情報に基づいて、各作業を各工程に割り振ったものとする。この結果、図8に示すように、人が作業を実施する工程1に作業1、4が割り振られ、ロボットが作業を実施する工程に作業2、3が割り振られたものとする。
図9には、ロボット工程で実施する作業2、3が示されている。各作業に含まれるセンシングモジュールは、図6の処理が開始される段階では、非活性の状態(実施しない状態)となっている。図6の処理は、ロボット工程作業成功率が所定の基準を満たす(目標値以上となる)ように、非活性のセンシングモジュールを適切に活性化するための処理である。
図6の処理では、まずステップS10において、成功率算出部13が、設計情報DB22及び設備情報DB23から情報を取得して、ロボット工程に属する各作業のロボット作業成功率を算出する。また、成功率算出部13は、算出した各作業のロボット作業成功率を用いてロボット工程全体の成功率(ロボット工程作業成功率)を算出する。以下、ロボット作業成功率の算出方法について説明する。
(ロボット作業成功率の算出方法)
まず、成功率算出部13は、組み付け部品、組み付け先部品、及びロボットを特定する。図9の作業2の例では、組み付け部品としてParts_Aが特定され、組み付け先部品としてParts_Bが特定され、ロボットとしてRobot_Aが特定されたとする。
次いで、成功率算出部13は、設計情報DB22(図4(a))から、組み付け部品(Parts_A)の情報としてParts_Aの外形公差「σa」を取得するとともに、組み付け先部品(Parts_B)の情報としてParts_Bの設置位置バラツキ「σb」、組み付け部の寸法公差「σpbh」、組み付け部の形状公差「σbh」を取得する。また、成功率算出部13は、設備情報DB23(図4(b))から、ロボット(Robot_A)の情報として、搬送位置バラツキ「σr」、組み付け部品の把持ズレバラツキ「σpr」を取得する。
この場合、Parts_AをParts_Bに組み付けるときの総バラツキ量「σ」は、上述した各公差及び各バラツキ量の二乗和であるため、成功率算出部13は、σを次式(1)に基づいて算出する。
Figure 0007087675000001
ここで、図5に示すように、Parts_AがParts_Bの中心に組み付けられたときのParts_AとParts_Bとの間の隙間Tは、Parts_Aの幅方向の寸法をWa、Parts_Bの組み付け部の幅方向の寸法をWbhとすると、次式(2)で表される。
T=(Wbh-Wa)/2 …(2)
したがって、総バラツキ量σが正規分布であると仮定すると、確率変数zは、次式(3)で表される。
z=3T/σ …(3)
このため、成功率算出部13は、標準正規累積分布式に基づいて、Parts_Bの組み付け部内(隙間T)にParts_Aが収まる確率、すなわちロボット作業成功率yieldを次式(4)から算出する。
Figure 0007087675000002
以上のように、成功率算出部13が、ロボット工程に割り振られた各作業(作業2、3)のロボット作業成功率を算出した後は、作業2のロボット作業成功率(90%)と、作業3のロボット作業成功率(77%)との積(69.3%)を算出して、ロボット工程作業成功率とする。その後は、ステップS11に移行する。
ステップS11に移行すると、センシングモジュール活性化処理部14が、ステップS10で算出されたロボット工程作業成功率と、予め定められている目標値とを比較する。
次いで、ステップS12では、センシングモジュール活性化処理部14が、ロボット工程作業成功率が目標値よりも小さいか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、図6の全処理を終了するが、肯定された場合には、ステップS13に移行する。
ステップS13に移行すると、センシングモジュール活性化処理部14は、非活性のセンシングモジュールが含まれる作業モジュールの中からロボット作業成功率が最も低い作業モジュールを選択する。例えば作業2のロボット作業成功率が90%であり、作業3のロボット作業成功率が72%であったとすると、ロボット作業成功率が最も低い作業モジュールとして作業3が選択される(図10の一点鎖線枠参照)。
次いで、ステップS14では、センシングモジュール活性化処理部14が、選択したセンシングモジュールの中からMT(作業時間)が最小のセンシングモジュールを選択する。例えば、作業3に含まれる2つのセンシングモジュールのうち、左側に表示されているセンシングモジュールの方がMTが小さい場合には、左側のセンシングモジュールが選択される(図10の破線枠参照)。
次いで、ステップS16では、センシングモジュール活性化処理部14が、選択したセンシングモジュールの作業時間(MT)を選択した作業モジュールの総ロボット作業時間(ΣMT)に加算する。
次いで、ステップS18では、センシングモジュール活性化処理部14が、選択したセンシングモジュールの作業成功寄与率を選択した作業モジュールのロボット作業成功率に加算する。例えば、選択したセンシングモジュールの作業成功寄与率が5%であったとすると、センシングモジュール活性化処理部14は、選択した作業モジュールのロボット作業成功率72%に加算して、ロボット作業成功率を77%とする。
次いで、ステップS20では、センシングモジュール活性化処理部14が、ロボット工程全体の作業時間(MCT)とロボット工程作業成功率を再計算する。すなわち、センシングモジュール活性化処理部14は、作業2の総ロボット作業時間(ΣMT)と、ステップS16で算出された作業3の総ロボット作業時間(ΣMT)との和を算出して、ロボット工程全体の作業時間(MCT)とする。また、センシングモジュール活性化処理部14は、作業2のロボット作業成功率(90%)と、ステップS18で算出された作業3のロボット作業成功率(77%)との積(69.3%)をロボット工程作業成功率とする。
次いで、ステップS22では、センシングモジュール活性化処理部14が、ロボット工程全体の作業時間(MCT)と、人が実行する工程のうち最も長い作業時間(サイクルタイム:CT)とを比較する。この場合、図11に示すように、図8の作業3にセンシングモジュールのMTを追加した場合のMCTと、CTとを比較することになる。
次いで、ステップS24では、センシングモジュール活性化処理部14が、MCTがCTよりも小さいか否かを判断する。このステップS24の判断が否定された場合、すなわち、CTよりもMCTの方が大きい場合には、人の手が空く時間があり適切でないため、図6の全処理を終了する。この場合、センシングモジュール活性化処理部14は、その旨を表示部93等に出力してもよいし、工程計画策定部12に工程計画の策定(各工程への作業の割り振り)をやり直させてもよい。一方、ステップS24の判断が肯定された場合には、ステップS26に移行する。
ステップS26に移行すると、センシングモジュール活性化処理部14は、選択したセンシングモジュールを活性化し、ΣMTとロボット作業成功率を更新する。
次いで、ステップS28では、センシングモジュール活性化処理部14が、ロボット工程全体のMCTとロボット工程作業成功率を更新する。その後は、ステップS11に戻る。
ステップS11に戻ると、センシングモジュール活性化処理部14は、ステップS28で更新したロボット工程作業成功率と、予め定められている目標値とを比較する。
次いで、ステップS12では、センシングモジュール活性化処理部14が、ロボット工程作業成功率が目標値よりも小さいか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、それ以上センシングモジュールを活性しなくてもよいため、センシングモジュール活性化処理部14は、図6の全処理を終了する。この場合、センシングモジュール活性化処理部14は、活性化したセンシングモジュールの情報を含む、ロボット工程に割り当てられた作業モジュールの情報をロボットプログラム生成部15に送信する。ロボットプログラム生成部15では、受信した情報に基づいてロボットプログラムを生成し、ロボット工程を実行するロボットに対して生成したロボットプログラムを送信する。
一方、ステップS12の判断が肯定された場合には、ステップS13に移行する。これ以降は、センシングモジュール活性化処理部14は、ステップS24の判断が否定されるまで、又はステップS12の判断が否定されるまで、ステップS11~S28の処理・判断を繰り返す。すなわち、非活性のセンシングモジュールを含む作業モジュールのうち最もロボット作業成功率が低い作業モジュールを選択し、選択した作業モジュールに含まれる非活性かつMTが最小のセンシングモジュールを活性化対象とする。そして、活性化対象のセンシングモジュールを活性化した場合に、MCTがCT以上にならず、ロボット工程作業成功率が目標値以上になると、ステップS12の判断が否定され、図6の全処理が終了する。この場合、ロボットプログラム生成部15が、センシングモジュール活性化処理部14から受信した情報に基づいてロボットプログラムを生成し、ロボットに対して送信する。一方、ロボット工程作業成功率が目標値に達する前にMCTがCT以上になると、ロボット工程作業成功率が目標値を満足するようにセンシングモジュールを活性化することができないため、ステップS24の判断が否定された後、図6の全処理が終了する。この場合、センシングモジュール活性化処理部14は、その旨を表示部93等に出力したり、工程計画策定部12に工程計画の策定(各工程への作業の割り振り)をやり直させる。
以上のようにして、非活性のセンシングモジュールを活性化することで、ロボット工程作業成功率を目標値以上とするのに必要十分な程度にセンシングモジュールを活性化することができる。
以上詳細に説明したように、本実施形態によると、成功率算出部13は、組み付け部品を組み付け先部品に対して組み付ける作業を複数の作業要素モジュール(非活性のセンシングモジュールを含む)で定義した作業情報を取得する。そして、成功率算出部13は、設計情報DB22及び設備情報DB23から取得した情報に基づいて組み付ける作業それぞれの成功率(ロボット作業成功率)を算出する。また、センシングモジュール活性化処理部14は、算出したロボット作業成功率が最も低い作業モジュールを選択し、選択した作業モジュールに含まれる非活性のセンシングモジュールを活性化するか否かを決定する。これにより、本実施形態では、ロボット作業成功率が最も低い作業のセンシングモジュールを活性化するため、ロボット工程作業成功率を上げるのに適切なセンシングモジュールを活性化することができる。
また、本実施形態によると、センシングモジュール活性化処理部14は、センシングモジュールを活性化する場合における組み付ける作業に要する時間(MCT)の増加分(MT)が最小のセンシングモジュールを活性化対象とする(S14)。これにより、MCTをあまり増加させない適切なセンシングモジュールを活性化することができる。
また、本実施形態によると、センシングモジュール活性化処理部14は、MCTがCTを超えない範囲で、ロボット工程の作業全体の成功率(ロボット工程作業成功率)が目標値を満足するまで処理を繰り返す(徐々に活性化するセンシングモジュールを増やす)。これにより、センシングモジュールを適度に活性化することができる。
なお、上記実施形態では、ステップS14において、選択した作業モジュールの中から非活性でMTが最も小さいセンシングモジュールを活性化対象とする場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、選択した作業モジュールの中から非活性で作業成功寄与率が最も大きいセンシングモジュールを活性化対象とすることとしてもよい。
なお、上記実施形態では、ロボット工程作業成功率が目標値以上になった場合に、図6の全処理を終了する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、MCTがCT未満である間は、活性化するセンシングモジュールを極力増やすようにステップS13以降の処理を繰り返すようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、ロボット工程作業成功率が目標値以上でない場合に、センシングモジュールを活性化する処理を実行する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、ロボット作業成功率が所定の基準値に到達していない作業がある場合に、当該作業に含まれるセンシングモジュールのいずれかを活性化するようにしてもよい。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体(ただし、搬送波は除く)に記録しておくことができる。
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記憶媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記憶媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記憶媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
なお、以上の実施形態の説明に関して、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 組み付け部品を組み付け先部品に対して組み付ける作業をセンシングに関する作業要素を含む複数の作業要素で定義した作業情報を取得する取得部と、
前記組み付け部品及び前記組み付け先部品の公差情報と、前記組み付け先部品の配置精度と、前記組み付ける作業を実行するロボットの精度情報と、に基づいて前記組み付ける作業の成功率を算出する算出部と、
前記ロボットが複数の組み付ける作業を実行する場合に、前記算出部が算出した前記成功率が最小の組み付ける作業を特定し、特定した前記組み付ける作業に含まれる前記センシングに関する作業要素を前記ロボットに実行させることを決定する決定部と、
を備える情報処理装置。
(付記2) 前記決定部は、特定した前記組み付ける作業が前記センシングに関する作業要素を複数含む場合に、各センシングに関する作業要素を実行するのに必要な時間に基づいて、実行させる前記センシングに関する作業要素を決定する、ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
(付記3) 前記決定部は、特定した前記組み付ける作業が前記センシングに関する作業要素を複数含む場合に、各センシングに関する作業要素を実行した場合の前記成功率の増加に対する寄与分に基づいて、実行させる前記センシングに関する作業要素を決定する、ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
(付記4) 前記決定部は、複数の前記組み付ける作業全体の成功率が所定の基準を満たすまで、又は複数の前記組み付ける作業の所要時間が所定時間未満の間、決定する処理を繰り返す、ことを特徴とする付記1~3のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記5) 組み付け部品を組み付け先部品に対して組み付ける作業をセンシングに関する作業要素を含む複数の作業要素で定義した情報を取得し、
前記組み付け部品及び前記組み付け先部品の公差情報と、前記組み付け先部品の配置精度と、前記組み付ける作業を実行するロボットの精度情報と、に基づいて前記組み付ける作業の成功率を算出し、
前記ロボットが複数の組み付ける作業を実行する場合に、算出した前記成功率が最小の組み付ける作業を特定し、特定した前記組み付ける作業に含まれる前記センシングに関する作業要素を前記ロボットに実行させることを決定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とするロボット作業決定方法。
(付記6) 前記決定する処理では、特定した前記組み付ける作業が前記センシングに関する作業要素を複数含む場合に、各センシングに関する作業要素を実行するのに必要な時間に基づいて、実行させる前記センシングに関する作業要素を決定する、ことを特徴とする付記5に記載のロボット作業決定方法。
(付記7) 前記決定する処理では、特定した前記組み付ける作業が前記センシングに関する作業要素を複数含む場合に、各センシングに関する作業要素を実行した場合の前記成功率の増加に対する寄与分に基づいて、実行させる前記センシングに関する作業要素を決定する、ことを特徴とする付記5に記載のロボット作業決定方法。
(付記8) 前記決定する処理では、複数の前記組み付ける作業全体の成功率が所定の基準を満たすまで、又は複数の前記組み付ける作業の所要時間が所定時間未満の間、決定する処理を繰り返す、ことを特徴とする付記5~7のいずれかに記載のロボット作業決定方法。
(付記9) 組み付け部品を組み付け先部品に対して組み付ける作業を、センシングに関する作業要素を含む複数の作業要素で定義した情報を取得し、
前記組み付け部品及び前記組み付け先部品の公差情報と、前記組み付け先部品の配置精度と、前記組み付ける作業を実行するロボットの精度情報と、に基づいて前記組み付ける作業の成功率を算出し、
前記ロボットが複数の組み付ける作業を実行する場合に、算出した前記成功率が最小の組み付ける作業を特定し、特定した前記組み付ける作業に含まれる前記センシングに関する作業要素を前記ロボットに実行させることを決定する、
処理をコンピュータに実行させるためのロボット作業決定プログラム。
10 情報処理装置
13 成功率算出部(取得部、算出部)
14 センシングモジュール活性化処理部(決定部)

Claims (6)

  1. 組み付け部品を組み付け先部品に対して組み付ける作業をセンシングに関する作業要素を含む複数の作業要素で定義した作業情報を取得する取得部と、
    前記組み付け部品及び前記組み付け先部品の公差情報と、前記組み付け先部品の配置精度と、前記組み付ける作業を実行するロボットの精度情報と、に基づいて前記組み付ける作業の成功率を算出する算出部と、
    前記ロボットが複数の組み付ける作業を実行する場合に、前記算出部が算出した前記成功率が最小の組み付ける作業を特定し、特定した前記組み付ける作業に含まれる前記センシングに関する作業要素の1つを前記ロボットに実行させることを決定する決定部と、
    を備え
    前記センシングに関する作業要素は、実行した場合に特定した前記組み付ける作業の所要時間を長くする作業要素であり、かつ、実行した場合に特定した前記組み付ける作業の成功率を向上させる作業要素である、
    ことを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記決定部は、特定した前記組み付ける作業が前記センシングに関する作業要素を複数含む場合に、各センシングに関する作業要素を実行するのに必要な時間に基づいて、実行させる前記センシングに関する作業要素の1つを決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記決定部は、特定した前記組み付ける作業が前記センシングに関する作業要素を複数含む場合に、各センシングに関する作業要素を実行した場合の前記組み付ける作業の成功率の向上に対する寄与分に基づいて、実行させる前記センシングに関する作業要素の1つを決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 前記決定部は、複数の前記組み付ける作業全体の成功率が所定の基準を満たすまで、又は複数の前記組み付ける作業全体の所要時間が所定時間未満の間、決定する処理を繰り返す、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  5. 組み付け部品を組み付け先部品に対して組み付ける作業をセンシングに関する作業要素を含む複数の作業要素で定義した情報を取得し、
    前記組み付け部品及び前記組み付け先部品の公差情報と、前記組み付け先部品の配置精度と、前記組み付ける作業を実行するロボットの精度情報と、に基づいて前記組み付ける作業の成功率を算出し、
    前記ロボットが複数の組み付ける作業を実行する場合に、算出した前記成功率が最小の組み付ける作業を特定し、特定した前記組み付ける作業に含まれる前記センシングに関する作業要素の1つを前記ロボットに実行させることを決定する、
    処理をコンピュータが実行し、
    前記センシングに関する作業要素は、実行した場合に特定した前記組み付ける作業の所要時間を長くする作業要素であり、かつ、実行した場合に特定した前記組み付ける作業の成功率を向上させる作業要素である、
    ことを特徴とするロボット作業決定方法。
  6. 組み付け部品を組み付け先部品に対して組み付ける作業を、センシングに関する作業要素を含む複数の作業要素で定義した情報を取得し、
    前記組み付け部品及び前記組み付け先部品の公差情報と、前記組み付け先部品の配置精度と、前記組み付ける作業を実行するロボットの精度情報と、に基づいて前記組み付ける作業の成功率を算出し、
    前記ロボットが複数の組み付ける作業を実行する場合に、算出した前記成功率が最小の組み付ける作業を特定し、特定した前記組み付ける作業に含まれる前記センシングに関する作業要素の1つを前記ロボットに実行させることを決定する、
    処理をコンピュータに実行させ
    前記センシングに関する作業要素は、実行した場合に特定した前記組み付ける作業の所要時間を長くする作業要素であり、かつ、実行した場合に特定した前記組み付ける作業の成功率を向上させる作業要素である、
    ことを特徴とするロボット作業決定プログラム。
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