以下、この発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。なお、図1~図4に関連して説明した従来の構成と同様である部分については、説明を省略する場合がある。
[実施例1]
図5は、本発明の実施例1に係るウェーハ搬送装置101の概略図である。とくに、図5(a)にウェーハ搬送装置101の構成を示し、図5(b)にアライメントユニット501の構成を示す。
図5(a)に示すように、ウェーハ搬送装置101は、従来技術と同様に、搬送ロボット201と、搬送ロボット201を移動させる移動機構(第一の移動機構)とを備える。搬送ロボット201は、ウェーハ401を搬送するロボットである。第一の移動機構は、搬送ロボット201を、ウェーハ搬送装置101に対して(より厳密には、たとえばウェーハ搬送装置101の壁面または床面に対して)移動させる。
第一の移動機構の具体的構成は、当業者が適宜設計可能であるが、たとえばロボット走行軸202と、搬送ロボット201に取り付けられるモータとを用いて構成することができる。ロボット走行軸202は、たとえばウェーハ搬送装置101の床面に固定されるガイドレールとして形成することができる。
ウェーハ搬送装置101は、従来のアライメントユニット搭載部301とは異なるアライメントユニット搭載部604と、従来のアライメントユニット302とは異なるアライメントユニット501を備える。
図5(b)に示すように、アライメントユニット501は、ラインセンサ502およびアライメント機構部503を備える。ラインセンサ502は、アライメント用センサ部の例であり、アライメント用に用いられるセンサであればラインセンサ以外のセンサであってもよい。アライメント機構部503は、アライメント動作を実行するための機構部であり、ウェーハ401を保持した状態で、ウェーハ401を回転および平行移動させることができる。本実施例では、アライメントユニット501は必要最低限の要素のみから構成されているが、他の構成要素を追加してもよい。
図6は、アライメントユニット搭載部604の概略図である。アライメントユニット搭載部604は、搬送ロボット201に関連して配置される。アライメントユニット搭載部604は、アライメント機構部503を移動させる移動機構(第二の移動機構)を備える。第二の移動機構は、アライメント機構部503を、ウェーハ搬送装置101に対して(より厳密には、たとえばウェーハ搬送装置101の壁面または床面に対して)移動させる。
図6の例では、第二の移動機構は、直動ガイド601およびボールねじ602によって構成される直動機構と、アライメントユニット固定部605と、直動機構を駆動するモータ603とを備える。モータ603が駆動されるとボールねじ602が回転し、これによってアライメントユニット固定部605が直動ガイド601に沿って移動する。アライメントユニット固定部605にはアライメントユニット501およびアライメント機構部503が固定されており、アライメントユニット固定部605が移動するとこれに伴ってアライメントユニット501およびアライメント機構部503も移動する(矢印606)。この移動は、たとえば水平方向の移動である。
第一の移動機構および第二の移動機構の動作は、たとえば装置制御部304によって制御される。
アライメントユニット搭載部604は、たとえば図5(a)に示すようにウェーハ搬送装置101の装置内部の壁面に沿って配置される。アライメントユニット搭載部604は、アライメント機構部503を、ロボット走行軸202と平行な方向に平行移動させてもよい。ウェーハ搬送装置101内においてアライメントユニット搭載部604が配置される位置は、たとえば装置内後方の壁面に沿った位置であるが、装置内前方の壁面に沿った位置であってもよく、装置内側方の壁面に沿った位置であってもよく、壁面に沿わない位置であってもよい。
図7は、ウェーハ搬送装置101の動作に係る領域および位置の例を示す図である。図7(a)に、搬送ロボット201の可動領域701と、アライメントユニット501の可動領域702とを示す。可動領域とは、各装置が移動することによって各装置が通過または専有する空間が存在する領域を意味する。これらの可動領域は、図示のように互いに干渉していてもよい。
図7(a)では、アライメントユニット501は所定の待機位置にある。この待機位置は、たとえば特定の座標系における原点位置であってもよい。待機位置は、搬送ロボット201の可動領域701と干渉しない位置である。すなわち、アライメントユニット501がこの待機位置にある状態では、搬送ロボット201はアライメントユニット501と接触その他の干渉を発生させずに移動することができる。なお、アライメントユニット501は、待機位置にある場合にはアライメント動作が実行できないものであってもよい。
図7(b)に、アライメントユニット501がアライメント動作を行う際の、ウェーハ回転領域704を示す。図7(b)では、アライメントユニット501は所定のアライメント位置にある。図7(a)と比較すると、アライメントユニット501は太矢印の向きに移動した位置となっている。この位置において、アライメントユニット501はアライメント動作を実行することができる。この位置は、搬送ロボット201の可動領域701と干渉する位置であってもよい。また、ウェーハ回転領域704が搬送ロボット201の可動領域701と干渉してもよい。
図7(b)に示す搬送ロボット201の位置は、所定のアライメント受渡位置に対応する。アライメント受渡位置は、アライメントユニット501にウェーハを受け渡すための位置である。すなわち、搬送ロボット201がアライメント受渡位置にあり、かつ、アライメントユニット501がアライメント位置にある場合に、搬送ロボット201はアライメントユニット501にウェーハを受け渡すことができる。なお当然ながら、搬送ロボット201がアライメント受渡位置にあり、アライメントユニット501がアライメント位置にある場合には、これらは互いに干渉しない(ただしウェーハ401の受け渡しに必要な連携動作に係る場合を除く)。
このように、アライメントユニット501が複数の位置の間で移動可能なので、アライメント動作を実行していない間は、搬送ロボット201がより広い領域を移動することができる。言い換えると、搬送ロボット201の可動領域701の広さを維持しつつ、ウェーハ搬送装置101全体の寸法を抑えることができる。
図8は、ウェーハ搬送装置101(とくに搬送ロボット201およびアライメントユニット501)の動作を示したフロー図である。以下、ウェーハ搬送装置101内の搬送ロボット201、アライメントユニット501、アライメントユニット搭載部604、等の動作について説明する。このような動作は、たとえば装置制御部304の制御に基づいて実現される。
アライメント動作を行う際、まずウェーハ搬送装置101は、アライメントユニット501が待機位置にあるか否かを判定する(ステップS1)。アライメントユニット501が待機位置にない場合には、第二の移動機構が、アライメントユニット501を待機位置に移動させる(ステップS2)。
アライメントユニット501が待機位置にある場合に、または待機位置まで移動した後に、第一の移動機構が、搬送ロボット201をFOUP203の位置まで移動させる(ステップS3)。すなわち、アライメントユニット501が待機位置にない状態では、搬送ロボット201は移動しない。このステップS3において搬送ロボット201はFOUP203からウェーハ401を取り出す。
次に、ウェーハ搬送装置101は、搬送ロボット201がアライメント受渡位置にあるか否かを判定する(ステップS4)。搬送ロボット201がアライメント受渡位置にない場合には、第一の移動機構が、搬送ロボット201をアライメント受渡位置に移動させる(ステップS5)。
搬送ロボット201がアライメント受渡位置にある場合に、またはアライメント受渡位置まで移動した後に、第二の移動機構が、アライメントユニット501をアライメント位置に移動させる(ステップS6)。すなわち、搬送ロボット201がアライメント受渡位置にない状態では、アライメントユニット501は移動しない。なお、本実施例ではアライメントユニット501にアライメント機構部503が固定されているので、これらは一体に移動する。このように、本実施例に係るウェーハ搬送装置101は、搬送ロボット201の位置に応じてアライメント機構部503を移動させる機能を備えている。
アライメントユニット501がアライメント位置に移動した後、搬送ロボット201はアライメントユニット501にウェーハ401を受け渡し、アライメントユニット501はアライメント動作を実行する(ステップS7)。その後、搬送ロボット201はアライメントユニット501からウェーハ401を受け取る(ステップS8)。
その後、アライメントユニット501は待機位置へ移動する(ステップS9)。その後、搬送ロボット201は上位検査装置402にウェーハ401を搬送する(ステップS10)。
このように、実施例1に係るウェーハ搬送装置101は、搬送ロボット201の位置に応じてアライメントユニット501(アライメント機構部503を含む)を移動させるので、装置内部のスペースをより効率的に利用でき、装置全体の寸法を抑制することができる。このため、装置フットプリントの縮小が可能となる。また、たとえば、装置設置エリアが同じ面積であっても、装置設置台数が増加する。
[実施例2]
実施例2は、実施例1において、アライメントユニットの移動方向を変更するものである。以下、実施例1との相違を説明する。
図9は、実施例2に係るアライメントユニット901およびアライメントユニット搭載部902の概略図である。アライメントユニット搭載部902は、搬送ロボット201に関連して配置される。アライメントユニット搭載部902は、アライメント機構部503を移動させる移動機構(第二の移動機構)を備える。第二の移動機構は、アライメント機構部503を、ウェーハ搬送装置101に対して(より厳密には、たとえばウェーハ搬送装置101の壁面または床面に対して)移動させる。
図9の例では、第二の移動機構は、アライメントユニット固定部904と、アライメントユニット固定部904を駆動するモータ603とを備える。モータ603が駆動されるとアライメントユニット固定部904が回転移動し(矢印903)、これによってアライメント機構部503が移動する。第二の移動機構の動作は、たとえば装置制御部304によって制御される。
アライメントユニット搭載部902は、たとえばウェーハ搬送装置101の装置内部の壁面に沿って配置される。アライメントユニット搭載部902は、アライメント機構部503を、モータ603の軸の周りに回転移動させてもよい。ウェーハ搬送装置101内においてアライメントユニット搭載部902が配置される位置は、たとえば装置内後方の壁面に沿った位置であるが、装置内前方の壁面に沿った位置であってもよく、装置内側方の壁面に沿った位置であってもよく、壁面に沿わない位置であってもよい。
図10は、実施例2に係るウェーハ搬送装置101の動作に係る領域および位置の例を示す図である。実施例2に係るウェーハ搬送装置101は、図9に示すアライメントユニット901およびアライメントユニット搭載部902を搭載している。図10(a)に、搬送ロボット201の可動領域701と、アライメントユニット901の可動領域1001とを示す。
図10(b)に、アライメントユニット901がアライメント動作を行う際の、ウェーハ回転領域704を示す。図10(b)では、アライメントユニット901は所定のアライメント位置にある。図10(a)と比較すると、アライメントユニット901は太矢印の向きに移動した位置となっている。この位置において、アライメントユニット901はアライメント動作を実行することができる。この位置は、搬送ロボット201の可動領域701と干渉する位置であってもよい。また、ウェーハ回転領域704が搬送ロボット201の可動領域701と干渉してもよい。なお当然ながら、実施例1と同様に、搬送ロボット201がアライメント受渡位置にあり、アライメントユニット901がアライメント位置にある場合には、これらは互いに干渉しない(ただしウェーハ401の受け渡しに必要な連携動作に係る場合を除く)。
実施例2に係るウェーハ搬送装置101も、図8と同様のフロー図に基づいて動作することができる。このような動作は、たとえば装置制御部304の制御に基づいて実現される。
このように、実施例2においても、アライメントユニット901が複数の位置の間で移動可能なので、アライメント動作を実行していない間は、搬送ロボット201がより広い領域を移動することができる。言い換えると、搬送ロボット201の可動領域701の広さを維持しつつ、ウェーハ搬送装置101全体の寸法を抑えることができる。
[実施例3]
実施例3は、実施例1または2において、アライメントユニットの移動方向を変更するものである。以下、実施例1および2との相違を説明する。
図11は、実施例3に係るアライメントユニット1101およびアライメントユニット搭載部1102の概略図である。アライメントユニット搭載部1102は、搬送ロボット201に関連して配置される。アライメントユニット搭載部1102は、アライメント機構部503を移動させる移動機構(第二の移動機構)を備える。第二の移動機構は、アライメント機構部503を、ウェーハ搬送装置101に対して(より厳密には、たとえばウェーハ搬送装置101の壁面または床面に対して)移動させる。
図11の例では、第二の移動機構は、直動ガイド601およびボールねじ602によって構成される直動機構と、アライメントユニット固定部605と、直動機構を駆動するモータ603とを備える。モータ603が駆動されるとボールねじ602が回転し、これによってアライメントユニット固定部605が直動ガイド601に沿って移動する。アライメントユニット固定部605にはアライメントユニット1101およびアライメント機構部503が固定されており、アライメントユニット固定部605が移動するとこれに伴ってアライメントユニット1101およびアライメント機構部503も移動する(矢印1103)。この移動は、たとえば鉛直方向の昇降移動である。第二の移動機構の動作は、たとえば装置制御部304によって制御される。
アライメントユニット搭載部1102は、たとえばウェーハ搬送装置101の装置内部の壁面に沿って配置される。アライメントユニット搭載部1102は、アライメント機構部503を、鉛直方向に平行移動させてもよい。ウェーハ搬送装置101内においてアライメントユニット搭載部1102が配置される位置は、たとえば装置内後方の壁面に沿った位置であるが、装置内前方の壁面に沿った位置であってもよく、装置内側方の壁面に沿った位置であってもよく、壁面に沿わない位置であってもよい。
図12は、実施例3に係るウェーハ搬送装置101の動作に係る領域および位置の例を示す図である。実施例3に係るウェーハ搬送装置101は、図11に示すアライメントユニット1101およびアライメントユニット搭載部1102を搭載している。図12(a)に、搬送ロボット201の可動領域701と、アライメントユニット1101の可動領域1201とを示す。
図12(b)に、アライメントユニット1101がアライメント動作を行う際の、ウェーハ回転領域704を示す(この図ではウェーハ回転領域704が線分として表現されている)。図12(b)では、アライメントユニット1101は所定のアライメント位置にある。図12(a)と比較すると、アライメントユニット1101は太矢印の向きに移動した位置となっている。この位置において、アライメントユニット1101はアライメント動作を実行することができる。この位置は、搬送ロボット201の可動領域701と干渉する位置であってもよい。また、ウェーハ回転領域704が搬送ロボット201の可動領域701と干渉してもよい。なお当然ながら、実施例1および2と同様に、搬送ロボット201がアライメント受渡位置にあり、アライメントユニット1101がアライメント位置にある場合には、これらは互いに干渉しない(ただしウェーハ401の受け渡しに必要な連携動作に係る場合を除く)。
実施例3に係るウェーハ搬送装置101も、図8と同様のフロー図に基づいて動作することができる。このような動作は、たとえば装置制御部304の制御に基づいて実現される。
このように、実施例3においても、アライメントユニット1101が複数の位置の間で移動可能なので、アライメント動作を実行していない間は、搬送ロボット201がより広い領域を移動することができる。言い換えると、搬送ロボット201の可動領域701の広さを維持しつつ、ウェーハ搬送装置101全体の寸法を抑えることができる。
[実施例4]
実施例4は、実施例1~3のいずれかにおいて、アライメントユニット501,901,1101を分散配置としたものである。以下、実施例1~3との相違を説明する。
実施例1~3ではラインセンサ502およびアライメント機構部503はアライメントユニット501,901,1101に設けられ、アライメントユニット501,901,1101と一体に移動するが、実施例4では、ラインセンサはウェーハ搬送装置101に固定されて設けられる。すなわち、実施例4では、アライメント機構部はアライメントユニットと一体に移動するが、ラインセンサはアライメントユニットの位置に関わらず固定されている。
図13は、実施例4に係る搬送ロボット201の概略図である。実施例4では、搬送ロボット201は、1つ以上のハンド1307と、アライメントユニット搭載部1303とを備える。ハンド1307は、たとえば従来のハンドまたは実施例1~3に係るハンドと同様の構成を備え、ウェーハ401を保持および搬送することができる。
実施例4では、第一の移動機構は、搬送ロボット201に対してハンド1307を移動させるものである。「ハンド1307を移動させる」とは、ハンド1307を構成する部品(アーム等)の位置または向きを変更することにより、ハンド1307の姿勢を変更することを含む。なお、実施例4では、第一の移動機構は、ハンド1307を移動させる機能に加え、実施例1~3と同様に搬送ロボット201全体を移動させる機能を備えてもよい。
実施例4では、搬送ロボット201にアライメントユニット搭載部1303が取り付けられる。また、搬送ロボット201に、アライメントユニット搭載部1303を介して、アライメント機構部1301が取り付けられる。アライメントユニット搭載部1303は、アライメント機構部1301を移動させる移動機構(第二の移動機構)を備える。第二の移動機構は、アライメント機構部1301を、搬送ロボット201に対して移動させる(より厳密には、搬送ロボット201本体に対して、すなわち搬送ロボット201のうちアライメント機構部1301を除く部分に対して、移動させる)。図13の例では、第二の移動機構は昇降機構として構成され、アライメント機構部1301を移動させる(矢印1304)。この移動は、たとえば鉛直方向の昇降移動である。なお、アライメント機構部1301は、ウェーハ回転ユニット1302を備えてもよい。
実施例4に係る第二の移動機構の具体的構造はとくに図示しないが、たとえば図11のアライメントユニット搭載部1102と同様に、直動ガイド601およびボールねじ602によって構成される直動機構と、アライメントユニット固定部と、直動機構を駆動するモータとを備えてもよい。第二の移動機構の動作は、たとえば装置制御部304によって制御される。
また、実施例4では、アライメントユニット搭載部1303は搬送ロボット201と連結されているため、搬送ロボット201と共に移動する。アライメントユニット搭載部1303が設けられる位置は、たとえば搬送ロボット201の側面であってもよいし、搬送ロボット201の前面であってもよいし、搬送ロボット201の後面であってもよいし、搬送ロボット201の他の部分であってもよい。
図13および図14に、実施例4に係るウェーハ搬送装置101の動作に係る領域および位置の例を示す。図13に、搬送ロボット201に対してハンド1307が旋回する領域であるハンド旋回領域1305と、アライメント機構部1301の可動領域1306とを示す。また、図14に、アライメント機構部1301およびラインセンサ1401がアライメント動作を行う際の、ウェーハ回転領域1402を示す。このように、実施例4では、ウェーハ搬送装置101は、搬送ロボット201とは分離して設けられるラインセンサ1401(アライメント用センサ部)を備える。
図13では、アライメント機構部1301は待機位置にある。この位置では、アライメント機構部1301はハンド旋回領域1305と干渉しない。
図14では、搬送ロボット201(ハンド1307を含む)およびアライメント機構部1301は所定のアライメント位置にある。この位置において、アライメント機構部1301およびラインセンサ1401はアライメント動作を実行することができる。アライメント動作時のアライメント機構部1301の位置は、ハンド旋回領域1305と干渉する位置であってもよい。また、アライメント動作時のウェーハ回転領域1402は、ハンド旋回領域1305と干渉してもよい。なお当然ながら、実施例1~3と同様に、搬送ロボット201(ハンド1307を含む)、アライメント機構部1301、およびアライメント機構部1301がアライメント位置にある場合には、これらは互いに干渉しない(ただしウェーハ401の受け渡しに必要な連携動作に係る場合を除く)。
ラインセンサ1401は、たとえばウェーハ搬送装置101の装置内部の壁面に沿って配置される。ウェーハ搬送装置101内においてラインセンサ1401が配置される位置は、たとえば装置内後方の壁面に沿った位置であるが、装置内前方の壁面に沿った位置であってもよく、装置内側方の壁面に沿った位置であってもよく、壁面に沿わない位置であってもよい。
図15は、搬送ロボット201のハンド1307からアライメント機構部1301へのウェーハ受渡し動作を示す概略図である。この図では、ハンド1307のうち1つ(ハンド1307a)はウェーハ401を受け渡すためのウェーハ受渡位置にあり、アライメント機構部1301はウェーハ401を受け取るためのウェーハ受取位置にある。
図16は、実施例4に係る搬送ロボット201の動作を示したフロー図である。以下、ウェーハ搬送装置101内の搬送ロボット201の動作(ハンド1307およびアライメント機構部1301の動作を含む)について説明する。このような動作は、たとえば装置制御部304の制御に基づいて実現される。
アライメント動作を行う際、まずウェーハ搬送装置101は、アライメント機構部1301が待機位置にあるか否かを判定する(ステップS21)。アライメント機構部1301が待機位置にない場合には、第二の移動機構が、アライメント機構部1301を待機位置に移動させる(ステップS22)。
アライメント機構部1301が待機位置にある場合に、または待機位置まで移動した後に、搬送ロボット201はFOUP203の位置まで移動する(ステップS23)。すなわち、アライメント機構部1301が待機位置にない状態では、搬送ロボット201は移動しない。このステップS23において搬送ロボット201はFOUP203からウェーハ401を取り出す。この動作は、たとえばハンド1307によって行われ、ハンド1307のウェーハ保持はOFFからONとなる。なお、実施例4において、搬送ロボット201の移動は、第一の移動機構によって行われてもよいし、他の移動機構によって行われてもよい。
次に、ウェーハ搬送装置101は、ハンド1307がウェーハ受渡位置にあるか否かを判定する(ステップS24)。ハンド1307がウェーハ受渡位置にない場合には、第一の移動機構が、ハンド1307をウェーハ受渡位置に移動させる(ステップS25)。
ハンド1307がウェーハ受渡位置にある場合に、またはウェーハ受渡位置まで移動した後に、第二の移動機構が、アライメント機構部1301をウェーハ受取位置に移動させる(ステップS26)。すなわち、ハンド1307がウェーハ受渡位置にない状態では、アライメント機構部1301は移動しない。このように、本実施例に係るウェーハ搬送装置101は、搬送ロボット201のハンド1307の位置に応じてアライメント機構部1301を移動させる機能を備えている。
アライメント機構部1301がウェーハ受取位置に移動した後、ハンド1307はアライメント機構部1301にウェーハ401を受け渡す(ステップS27)。この際、ハンド1307のウェーハ保持はONからOFFとなり、アライメント機構部1301のウェーハ保持はOFFからONとなる。
その後、搬送ロボット201およびハンド1307がアライメント位置に移動し、ラインセンサ1401と連携してアライメント動作を実行する(ステップS28)。このアライメント位置とは、アライメント機構部1301に保持されたウェーハ401と、ラインセンサ1401とが所定の位置関係となり、アライメント動作が実行可能となる位置をいう。アライメント動作において、アライメント機構部1301が(たとえばウェーハ回転ユニット1302を介して)ウェーハ401を回転させ、ラインセンサ1401が偏芯量とノッチ位置を検出し、検出結果に基づいてウェーハ401がアライメントされる。
アライメント動作が終了すると、ウェーハ搬送装置101は、ハンド1307がウェーハ受取位置にあるか否かを判定する(ステップS29)。ウェーハ受取位置は、ウェーハ受渡位置と同じ位置であってもよいし、異なる位置であってもよい。ハンド1307がウェーハ受取位置にない場合には、第一の移動機構が、ハンド1307をウェーハ受取位置に移動させる(ステップS30)。
とくに図示しないが、ステップS30の後に、第二の移動機構が、アライメント機構部1301をウェーハ受渡位置に移動させてもよい。ウェーハ受渡位置は、ウェーハ受取位置と同じ位置であってもよいし、異なる位置であってもよい。
ハンド1307がウェーハ受取位置にある場合に、またはウェーハ受取位置まで移動した後に、ハンド1307は、アライメント機構部1301からウェーハ401を受け取る(ステップS31)。この際、ハンド1307のウェーハ保持はOFFからONとなり、アライメント機構部1301のウェーハ保持はONからOFFとなる。
次に、ウェーハ搬送装置101は、アライメント機構部1301が待機位置にあるか否かを判定する(ステップS32)。アライメント機構部1301が待機位置にない場合には、第二の移動機構が、アライメント機構部1301を待機位置に移動させる(ステップS33)。これによって、アライメント機構部1301はハンド旋回領域1305と干渉しない位置へと移動する。
アライメント機構部1301が待機位置にある場合に、または待機位置まで移動した後に、搬送ロボット201は上位検査装置402にウェーハ401を搬送する(ステップS34)。
実施例4に示すラインセンサ1401およびアライメント機構部1301において、ウェーハ受渡位置、ウェーハ受取位置およびアライメント位置における、ラインセンサ1401とアライメント機構部1301との相対的位置関係を可変としてもよい。たとえば、装置制御部304がウェーハのサイズを取得し、取得されたサイズに応じて、アライメント位置を変更してもよい。このようにすると、様々なサイズのウェーハを1台のウェーハ搬送装置101によって扱うことができる。
このように、実施例4に係るウェーハ搬送装置101は、搬送ロボット201のハンド1307の位置に応じてアライメント機構部1301を移動させるので、装置内部のスペースをより効率的に利用でき、装置全体の寸法を抑制することができる。このため、装置フットプリントの縮小が可能となる。また、たとえば、装置設置エリアが同じ面積であっても、装置設置台数が増加する。
[実施例5]
実施例5は実施例3において、アライメントユニット搭載部の設置位置を変更するものである。以下、実施例3との相違を説明する。
実施例5ではアライメントユニット搭載部1102が、搬送ロボット201に取り付けられる。また、搬送ロボット201に、アライメントユニット搭載部1102を介して、アライメントユニット1101が取り付けられる。アライメントユニット搭載部1102は、アライメントユニット1101を移動させる移動機構(第二の移動機構)を備える。第二の移動機構は、アライメント機構部503を、搬送ロボット201に対して移動させる(より厳密には、搬送ロボット201本体に対して移動させる。「搬送ロボット201本体」とは、本実施例では、たとえば搬送ロボット201のうちアライメントユニット1101を除く部分または搬送ロボット201のうちアライメント機構部503を除く部分をいう)。
なお、アライメント機構部503はアライメントユニット1101に対して固定されていてもよいし、第二の移動機構がさらにアライメントユニット1101に対してアライメント機構部503を移動させてもよい。以下では、アライメント機構部503がアライメントユニット1101に対して固定され、したがってアライメントユニット1101と一体に移動する構成を例に説明する。
実施例5では、ラインセンサ502は搬送ロボット201に設けられる。図17の例では、ラインセンサ502はアライメントユニット1101に対して固定され、アライメントユニット1101と一体に移動する。したがって、第二の移動機構は、ラインセンサ502を、搬送ロボット201に対して移動させる(より厳密には、搬送ロボット201本体に対して、または搬送ロボット201のうちアライメントユニット1101を除く部分に対して、移動させる)。なお、変形例として、ラインセンサ502は、アライメントユニット1101とは独立して搬送ロボット201に固定されてもよい。
また、実施例5では、アライメントユニット搭載部1102、アライメントユニット1101およびアライメント機構部503は搬送ロボット201と連結されているため、搬送ロボット201と共に移動する。アライメントユニット搭載部1102が設けられる位置は、たとえば搬送ロボット201の側面であってもよいし、搬送ロボット201の前面であってもよいし、搬送ロボット201の後面であってもよいし、搬送ロボット201の他の部分であってもよい。
図17および図18に、実施例5に係るウェーハ搬送装置101の動作に係る領域および位置の例を示す。図17に、搬送ロボット201に対してハンド1307が旋回する領域であるハンド旋回領域1305と、アライメントユニットの可動領域1201を示す。また、図18に、アライメントユニット1101がアライメント動作を行う際の、ウェーハ回転領域704を示す。
図17では、アライメントユニット1101は待機位置にある。この位置では、アライメントユニット搭載部1102およびアライメント機構部503はハンド旋回領域1305と干渉しない。
実施例5に係るウェーハ搬送装置101は、3つのFOUP203を備える。図18では、これらのFOUP203はそれぞれFOUP203a,203b,203cとして示される。実施例5に係るウェーハ搬送装置101において、搬送ロボット201について、FOUP203a,203b,203cから取り出したウェーハ401に対して、それぞれ所定のアライメント可能位置がある。各アライメント可能位置はウェーハ回転領域704が搬送ロボットの可動領域701内に収まる位置である。図18では、搬送ロボット201(ハンド1307を含む)およびアライメントユニット1101は、FOUP203cから取り出したウェーハに対してのアライメント可能位置にある。この位置において、アライメントユニット1101はアライメント動作を実行することができる。アライメント動作時のアライメントユニット1101(アライメント機構部503を含む。以下同じ)の位置は、ハンド旋回領域1305と干渉する位置であってもよい。また、アライメント動作時のウェーハ回転領域704は、ハンド旋回領域1305と干渉してもよい。なお当然ながら、実施例1~4と同様に、搬送ロボット201(ハンド1307を含む)およびアライメントユニット1101がアライメント可能位置にある場合には、これらは互いに干渉しない(ただしウェーハ401の受け渡しに必要な連携動作に係る場合を除く)。
図19は、搬送ロボット201のハンド1307からアライメントユニット1101(とくにアライメント機構部503)へのウェーハ受渡し動作を示す概略図である。この図では、ハンド1307のうち1つ(ハンド1307a)はウェーハ401を受け渡すためのウェーハ受渡位置にあり、アライメントユニット1101はウェーハ401を受け取るためのウェーハ受取位置にある。
図20は、実施例5に係る搬送ロボット201の動作を示したフロー図である。以下、ウェーハ搬送装置101内の搬送ロボット201の動作(ハンド1307およびアライメントユニット1101の動作を含む)について説明する。このような動作は、たとえば装置制御部304の制御に基づいて実現される。
アライメント動作を行う際、まずウェーハ搬送装置101は、アライメントユニット1101が待機位置にあるか否かを判定する(ステップS35)。アライメントユニット1101が待機位置にない場合には、第二の移動機構が、アライメントユニット1101を待機位置に移動させる(ステップS36)。
アライメントユニット1101が待機位置にある場合に、または待機位置まで移動した後に、搬送ロボット201は、FOUP203a~203cのうちいずれかの位置まで移動する(ステップS37)。すなわち、アライメントユニット1101が待機位置にない状態では、搬送ロボット201は移動しない。ここで移動先となったFOUP203を、以下では「対象のFOUP203」と表記する。このステップS37において搬送ロボット201はFOUP203からウェーハ401を取り出す。この動作は、たとえばハンド1307によって行われ、ハンド1307のウェーハ保持はOFFからONとなる。なお、実施例5において、搬送ロボット201の移動は、第一の移動機構によって行われてもよいし、他の移動機構によって行われてもよい。
次に、ウェーハ搬送装置101は、搬送ロボット201が、対象のFOUP203のアライメント可能位置にあるか否かを判定する(ステップS38)。搬送ロボット201が対象のFOUP203のアライメント可能位置にない場合には、第一の移動機構または他の移動機構が、搬送ロボット201を対象のFOUP203のアライメント可能位置に移動させる(ステップS39)。
搬送ロボット201が対象のFOUP203のアライメント可能位置にある場合に、または対象のFOUP203のアライメント可能位置まで移動した後に、第一の移動機構が、ハンド1307をウェーハ受渡位置に移動させる(ステップS40)。すなわち、搬送ロボット201が対象のFOUP203のアライメント可能位置にない状態では、ハンド1307は移動しない。
ハンド1307がウェーハ受渡位置にあることを確認した後に、第二の移動機構が、アライメントユニット1101をウェーハ受取位置に移動させる(ステップS41)。すなわち、ハンド1307がウェーハ受渡位置にない状態では、アライメントユニット1101は移動しない。このように、本実施例に係るウェーハ搬送装置101は、搬送ロボット201のハンド1307の位置に応じてアライメントユニット1101を移動させる機能を備えている。
アライメントユニット1101がウェーハ受取位置に移動した後、ハンド1307はアライメントユニット1101にウェーハ401を受け渡す(ステップS42)。この際、ハンド1307のウェーハ保持はONからOFFとなり、アライメントユニット1101のウェーハ保持はOFFからONとなる。
その後、アライメントユニット1101がアライメント動作を実行する(ステップS43)。アライメント動作が終了すると、ウェーハ搬送装置101は、ハンド1307がウェーハ受取位置にあるか否かを判定する(ステップS44)。ウェーハ受取位置は、ウェーハ受渡位置と同じ位置であってもよいし、異なる位置であってもよい。ハンド1307がウェーハ受取位置にない場合には、第一の移動機構が、ハンド1307をウェーハ受取位置に移動させる(ステップS45)。
とくに図示しないが、ステップS45の後に、第二の移動機構が、アライメントユニット1101をウェーハ受渡位置に移動させてもよい。ウェーハ受渡位置は、ウェーハ受取位置と同じ位置であってもよいし、異なる位置であってもよい。
ハンド1307がウェーハ受取位置にある場合に、またはウェーハ受取位置まで移動した後に、ハンド1307は、アライメントユニット1101からウェーハ401を受け取る(ステップS46)。この際、ハンド1307のウェーハ保持はOFFからONとなり、アライメントユニット1101のウェーハ保持はONからOFFとなる。
次に、ウェーハ搬送装置101は、アライメントユニット1101が待機位置にあるか否かを判定する(ステップS47)。アライメントユニット1101が待機位置にない場合には、第二の移動機構が、アライメントユニット1101を待機位置に移動させる(ステップS48)。これによって、アライメントユニット1101はハンド旋回領域1305と干渉しない位置へと移動する。
アライメントユニット1101が待機位置にある場合に、または待機位置まで移動した後に、搬送ロボット201は上位検査装置402にウェーハ401を搬送する(ステップS49)。
このように、実施例5に係るウェーハ搬送装置101は、搬送ロボット201のハンド1307の位置に応じてアライメントユニット1101を移動させるので、装置内部のスペースをより効率的に利用でき、装置全体の寸法を抑制することができる。このため、装置フットプリントの縮小が可能となる。また、たとえば、装置設置エリアが同じ面積であっても、装置設置台数が増加する。
上述の実施例1~3のいずれかと、実施例4または5とを組み合わせてもよい。その場合には、第一の移動機構は、搬送ロボット201およびハンド1307の双方を移動させるよう構成されてもよい。
また、実施例1~5において、アライメント機構部503および1301を移動させるための、搬送ロボット201およびハンド1307の位置に関する条件は任意に設計可能である。ウェーハ搬送装置101の内部構造と、搬送ロボット201およびハンド1307の様々な位置とに応じ、アライメント機構部503および1301の位置を適切に制御することにより、装置内部のスペースをさらに効率的に利用でき、装置全体の寸法をさらに抑制することができる。