以下に、実施の形態にかかるコンテンツ譲渡装置、コンテンツ譲渡システムおよびコンテンツ譲渡方法を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかるコンテンツ譲渡システムの構成例を示す図である。本実施の形態のコンテンツ譲渡システム100は、コンテンツ譲渡装置1および撮影装置2を備える。撮影装置2は、イベントを撮影する。イベントは、例えば、野球、サッカー、バレーボール、バスケットボール、格闘技、ボートレース、競馬、競輪などのスポーツであるが、これらに限定されない。
撮影装置2によって撮影された映像は、配信映像として、ユーザ端末4-1~4-Nへ配信される。Nは2以上の整数である。ユーザ端末4-1~4-Nは、ユーザが操作可能な端末であり、スマートフォンなどであってもよいし、コンピュータゲームのゲーム機、テレビなどであってもよい。以下、ユーザ端末4-1~4-Nを個別に区別せずに示すときには、ユーザ端末4と記載する。なお、図1では図示を省略しているが、ユーザ端末4-1以外のユーザ端末4も、ユーザ端末4-1と同様の構成を有する。また、ユーザ端末4-1以外のユーザ端末4にも配信映像が配信される。なお、ユーザ端末4-1~4-Nは、コンテンツ譲渡システム100に含まれてもよい。
図1では、配信映像が撮影装置2からユーザ端末4へ配信されているが、これに限らず、配信映像は、撮影装置2からユーザ端末4へ1つ以上の他の装置を介して配信されてもよい。
コンテンツ譲渡装置1は、撮影装置2から配信映像を取得し、ユーザによる投票に基づいて、配信映像のなかから譲渡対象とするコンテンツである譲渡対象コンテンツを抽出する。譲渡対象コンテンツはデジタルコンテンツであり、例えば、配信映像から、注目シーンに対応する部分が抽出されたものである。注目シーンは、例えば、クライマックスシーン、ハイライトシーンなどと呼ばれるシーンであるが、これらに限定されない。注目シーンの詳細については後述する。コンテンツ譲渡装置1は、譲渡対象コンテンツを示す情報をユーザ端末4へ送信する。譲渡対象コンテンツの譲渡を要求するユーザ、すなわち譲渡対象コンテンツを購入したいユーザは、ユーザ端末4を操作することで、ユーザ端末4に譲渡対象コンテンツの購入を要求することを示す譲渡要求情報をコンテンツ譲渡装置1へ送信させる。コンテンツ譲渡装置1は、ユーザ端末4から受信した譲渡要求情報を用いて、譲渡対象コンテンツごとに譲渡対象のユーザを決定する。ユーザへの譲渡対象コンテンツの譲渡は、オークションにより行われてもよいし、あらかじめ定められた販売額での販売により行われてもよい。また、コンテンツ譲渡装置1は、譲渡対象コンテンツに対応する所有証明の発行を、所有証明発行システム3へ依頼し、所有証明発行システム3から所有証明を示す証明情報を取得し、証明情報と譲渡対象コンテンツとを用いて所有証明付の譲渡対象コンテンツ(以下、所有証明付コンテンツという)を生成し、所有証明付コンテンツを、譲渡対象のユーザに対応するユーザ端末4へ送信する。
これにより、本実施の形態のコンテンツ譲渡システム100は、イベントにおけるシーンに対応するデジタルコンテンツのユーザへの適切な譲渡を支援することができる。また、本実施の形態のコンテンツ譲渡システム100は、ユーザの投票によって譲渡対象コンテンツを決定しているため、映像配信の事業者などにおけるオペレータが、譲渡対象のシーンすなわち譲渡対象コンテンツを決定する場合に比べて、譲渡対象コンテンツの選定にユーザの意思が反映されやすくなるという効果を奏する。
次に、本実施の形態の所有証明について説明する。これまで、デジタルコンテンツは複製が容易であるためコンテンツの所有者の証明は困難であったが、近年、NFT(Non-Fungible Token)などの偽造不可な鑑定書および所有証明書を用いることで、デジタルコンテンツの所有者を証明することが可能になっている。本実施の形態のコンテンツ譲渡装置1は、所有証明に、このような偽造不可な鑑定書および所有証明書を用い、所有証明付コンテンツをユーザへ譲渡する。なお、所有証明付コンテンツを購入したユーザは、所有している所有証明付コンテンツを、他者へ譲渡すなわち売却することが可能である。この場合、コンテンツ譲渡装置1は、所有証明付コンテンツの所有者の書き換えを所有証明発行システム3へ依頼する。以下、所有証明発行システム3が発行する所有証明書は、NFTに限定されないが、偽造不可なものであることが好ましい。
コンテンツ譲渡装置1は、例えば、譲渡対象コンテンツの所有証明書の発行を依頼する際に、譲渡対象コンテンツの識別情報および電子データ名を示す情報を所有証明発行システム3へ通知する。所有証明発行システム3は、発行の依頼のあった電子データに関する所有証明書を発行し、発行した所有証明書を示す証明情報をコンテンツ譲渡装置1へ送信する。
次に、本実施の形態の各装置の構成例について説明する。コンテンツ譲渡装置1は、図1に示すように、シーン選定部11、譲渡調整部12、配信映像取得部13および配信映像記憶部14を備える。シーン選定部11は、投票情報取得部15およびシーン抽出部16を備える。譲渡調整部12は、譲渡対象出力部17、譲渡要求取得部18、譲渡条件決定部19、所有証明付コンテンツ譲渡部20、売却要求取得部21、コンテンツ記憶部22、発行要求部23および証明書取得部24を備える。
配信映像取得部13は、撮影装置2から配信映像を受信することで配信映像を取得し、取得した配信映像を配信映像記憶部14へ格納する。配信映像記憶部14は、配信映像を記憶する。
シーン選定部11は、配信映像に含まれるシーンが譲渡に適しているか否かを示す情報の一例である投票情報を取得し、取得した投票情報を用いて、譲渡対象のコンテンツである譲渡対象コンテンツを、配信映像から抽出する。投票情報は、ユーザが注目したシーンを示す情報、すなわち配信映像を視聴するユーザが注目した配信映像における位置を示す情報である。投票情報の詳細については後述する。
シーン選定部11の投票情報取得部15は、ユーザ端末4から投票情報を受信することで投票情報を取得し、取得した投票情報をシーン抽出部16へ出力する。シーン抽出部16は、投票情報取得部15から受け取った投票情報を用いて、配信映像における譲渡対象のシーンに対応する時間帯を決定する。シーン抽出部16は、配信映像記憶部14に格納されている配信映像から、決定した時間帯に対応する部分を譲渡対象コンテンツとして抽出し、譲渡対象コンテンツに当該譲渡対象コンテンツの識別情報を付与し、譲渡対象コンテンツを識別情報とともに譲渡調整部12のコンテンツ記憶部22へ格納する。
コンテンツ記憶部22は、譲渡対象コンテンツを識別情報とともに記憶する。譲渡対象出力部17は、譲渡対象コンテンツの識別情報を含む譲渡対象情報を出力する。詳細には、譲渡対象出力部17は、コンテンツ記憶部22に記憶されている、識別情報および譲渡対象コンテンツを用いて、譲渡対象のコンテンツの一覧を示す譲渡対象情報を生成し、生成した譲渡対象情報をユーザ端末4へ送信する。譲渡対象情報は、譲渡対象コンテンツの識別情報と、当該識別情報に対応する譲渡対象コンテンツの内容を示す情報とを含む。譲渡対象コンテンツの内容を示す情報は、譲渡対象コンテンツ自体であってもよいし、譲渡対象コンテンツの一部が抽出されたものまたは譲渡対象コンテンツの解像度を変更したものなどであってもよい。または、譲渡対象コンテンツの内容を示す情報は、「Y年M月D日のA選手の5回表のホームランシーン」、「Y年M月D日前半T分のB選手のゴールシーン」などといったように譲渡対象コンテンツの内容を説明したテキストであってもよい。また、オークションにより譲渡が行われる場合には、譲渡対象情報にオークションの初期額、即決額などが含まれてもよい。初期額、即決額は、譲渡対象情報とは別にコンテンツ譲渡装置1からユーザ端末4へ送信されてもよい。また、各譲渡対象コンテンツはそれぞれ複数名に譲渡されてもよい。譲渡対象情報に、各譲渡対象コンテンツの譲渡対象人数が含まれていてもよい。また、あらかじめ定められた販売額で各譲渡対象コンテンツが販売される場合には、譲渡対象情報に各譲渡対象コンテンツの価格が含まれる。
譲渡要求取得部18は、ユーザ端末4から譲渡要求情報を受信することで譲渡要求情報を取得し、取得した譲渡要求情報を譲渡条件決定部19へ出力する。譲渡要求情報には、譲渡対象コンテンツの購入を要求するすなわち譲渡を要求するユーザの識別情報と、当該ユーザが購入したい譲渡対象コンテンツの識別情報とが含まれる。ユーザの識別情報は、例えば、コンテンツ譲渡システム100を利用するためのユーザ登録時に決定される。オークションにより譲渡が行われる場合には、譲渡要求情報に入札額が含まれる。以下では、オークションが、公開の競り上げ方式のオークション(イングリッシュオークション)である例を説明するが、オークションの方式はこれに限定されない。他のオークションの方式が用いられる場合、譲渡調整部12は、当該他のオークションの方式に従って譲渡対象者を決定すればよい。
譲渡条件決定部19は、譲渡要求取得部18から受け取った譲渡要求情報に基づき、譲渡対象コンテンツの譲渡先のユーザである譲渡対象者を決定する。詳細には、譲渡条件決定部19は、オークションにより譲渡が行われる場合、譲渡対象コンテンツごとに、例えば、各ユーザが提示した入札額のうちの最高額、すなわちユーザ端末4から受信した譲渡要求情報から抽出された入札額のうちの最高額を、譲渡対象コンテンツの識別情報とともに譲渡対象出力部17へ出力する。譲渡対象出力部17は、譲渡条件決定部19から受け取った最高額をユーザ端末4へ送信する。例えば、譲渡対象出力部17は、譲渡要求情報に最新の最高額を追加してユーザ端末4へ送信する。また、譲渡対象出力部17は、Webサイトに譲渡要求情報を公開することで譲渡要求情報をユーザ端末4へ送信してもよく、この場合にはWebサイトにおいて公開している譲渡要求情報に、譲渡対象コンテンツごとの最高入札額を含めておき、譲渡要求情報における最高入札額を譲渡条件決定部19から受け取った最高額で更新すればよい。
譲渡条件決定部19は、オークションの締め切り時刻までに受信した譲渡要求情報を用いて、譲渡条件を決定する。譲渡条件は、譲渡対象コンテンツの識別情報と譲渡対象者であるユーザの識別情報と譲渡額とを含む。例えば、1つの譲渡対象コンテンツを一名に譲渡する場合、譲渡条件決定部19は、譲渡対象コンテンツごとに、オークションの締め切り時刻までに受信した譲渡要求情報に含まれる入札額のうちの最高額を求め、最高額に対応するユーザを譲渡対象者に決定し、当該最高額を譲渡額とする。譲渡条件決定部19は、譲渡対象コンテンツの識別情報と譲渡対象者のユーザ識別情報とを対応付けて発行要求部23へ通知する。
なお、オークションにより1つの譲渡対象コンテンツを複数名に譲渡する場合、譲渡対象の人数をM(Mは2以上の整数)名とすると、譲渡条件決定部19は、ユーザが提示した入札額のM番目に高い金額を譲渡対象出力部17へ通知し、譲渡対象出力部17は、最高入札額の代わりにM番目に高い金額をユーザ端末4へ送信する。この場合、譲渡条件決定部19は、オークションの締め切り時刻までに受信した譲渡要求情報に含まれる入札額のうち、高い順に1番目からM番目までの入札額に対応するM名のユーザを譲渡対象者とし、各ユーザに対応する入札額を譲渡額とする。または、譲渡条件決定部19は、M番目に高い金額を譲渡対象出力部17へ通知する代わりに各ユーザの入札額が何番目の価格であるかを示す情報を譲渡対象出力部17へ通知し、譲渡対象出力部17は、何番目の価格であるかを示す情報を、対応するユーザ端末4へ送信するようにしてもよい。この場合、ユーザは、入札額が何番目の価格であるかを示す情報と、何名に譲渡するかの情報とに基づいて、次の入札額を決定することができる。
譲渡対象コンテンツがあらかじめ定められた販売額で販売される場合には、譲渡条件決定部19は、譲渡対象コンテンツごとに、購入の締め切り時刻までに受信した譲渡要求情報に基づいて譲渡対象者となるユーザを決定する。詳細には、例えば、譲渡条件決定部19は、譲渡対象コンテンツごとに譲渡を要求するユーザの数が譲渡対象の人数以下であるか否かを判断する。譲渡対象コンテンツがあらかじめ定められた販売額で販売される場合、販売額が定められているため、譲渡条件決定部19が決定する譲渡条件には譲渡額は含まれなくてもよい。譲渡を要求するユーザの数が譲渡対象の人数以下である場合には、譲渡条件決定部19は、購入を要求する全ユーザを譲渡対象者とする。また、譲渡を要求するユーザの数が譲渡対象の人数を上回る場合には、譲渡条件決定部19は、あらかじめ定められた方法によって譲渡対象者となるユーザを決定する。あらかじめ定められた方法は、抽選であってもよいし、最も早く譲渡要求情報を送信したユーザを譲渡対象者と決定する方法であってもよいし、他の方法であってもよい。譲渡条件決定部19は、譲渡対象コンテンツの識別情報と譲渡対象者のユーザの識別情報と対応付けて発行要求部23へ通知する。
発行要求部23は、譲渡対象者に対応するユーザの識別情報であるユーザ識別情報を用いて、対応する譲渡対象コンテンツの所有証明の発行を要求する。詳細には、発行要求部23は、譲渡条件決定部19から通知された譲渡対象コンテンツの識別情報と譲渡対象者のユーザ識別情報とを用いて、所有証明の発行を依頼する発行要求情報を生成し、生成した発行要求情報を所有証明発行システム3へ送信する。
証明書取得部24は、譲渡対象コンテンツの所有者が譲渡条件決定部19により決定された譲渡対象者であることを示す証明情報を取得する。詳細には、証明書取得部24は、所有証明発行システム3から証明情報を受信することで証明情報を取得し、取得した証明情報を所有証明付コンテンツ譲渡部20へ出力する。
所有証明付コンテンツ譲渡部20は、証明情報と対応する譲渡対象コンテンツとを用いて所有証明付コンテンツを生成し、所有証明付コンテンツを、当該所有証明付コンテンツの譲渡先のユーザである譲渡対象者のユーザ端末4へ送信する。詳細には、所有証明付コンテンツ譲渡部20は、証明情報に対応する譲渡対象コンテンツをコンテンツ記憶部22から読み出し、読みだした譲渡対象コンテンツと証明情報とを用いて所有証明付コンテンツを生成し、生成した所有証明付コンテンツを、対応するユーザ端末4へ送信する。また、コンテンツ譲渡装置1は、所有証明書を示す証明情報をユーザに送信せずに例えばコンテンツ記憶部22に保持し、対応するコンテンツ(譲渡対象コンテンツ)だけをユーザ端末4へ送信してもよい。この場合、証明情報はコンテンツ譲渡装置1に保持されているもののユーザ端末4に送信されるコンテンツは証明書が発行されているコンテンツではあるため、ユーザ端末4に送信されるコンテンツを所有証明付コンテンツとみなすことができる。
売却要求取得部21は、ユーザ端末4から売却要求情報を受信することで売却要求情報を取得し、取得した売却要求情報を譲渡対象出力部17へ出力する。売却要求情報は、ユーザが、所有している所有証明付コンテンツを売却することを希望することを示す情報であり、ユーザからの入力に基づいてユーザ端末4が生成する情報である。売却要求情報は、売却を希望する所有証明付コンテンツの識別情報を含む。本実施の形態では、ユーザは、譲渡された所有証明付コンテンツを、コンテンツ譲渡システム100を介して売却することが可能である。すなわち、所有証明付コンテンツは複数回譲渡が行われることがある。所有証明付コンテンツの2回目以降の譲渡については後述する。
ユーザ端末4は、図1に示すように、配信映像受信部41、投票出力部42、譲渡対象取得部43、譲渡要求出力部44、所有証明付コンテンツ取得部45、売却要求出力部46、出力部47、入力部48およびコンテンツ記憶部49を備える。
配信映像受信部41は、撮影装置2から配信映像を受信し、受信した配信映像を出力部47へ出力する。なお、上述したように、ユーザ端末4は、撮影装置2から送信された配信映像を他の装置を介して受信してもよい。出力部47は、少なくとも、表示機能を有し、配信映像受信部41から受け取った配信映像、譲渡対象取得部43から受け取った譲渡対象情報などを表示する。また、出力部47は、スピーカとしての機能も有し、配信映像に付加されている音データを音として出力してもよい。入力部48は、ユーザからの入力を受付ける。なお、以下では、ユーザ端末4の出力部47が配信映像を表示する例を説明するが、これに限らず、ユーザ端末4とは別に、配信映像などを表示する出力装置を設けてもよい。この場合、出力部47が配信映像を当該出力装置へ送信し、出力装置が配信映像を表示する。また、出力装置はスピーカを備え、配信映像に付加されている音データを音として出力してもよい。
投票出力部42は、入力部48を介して、ユーザから投票の意思を示す入力を受付けると、入力を受付けた時刻を示す時間情報を含む投票情報をコンテンツ譲渡装置1へ送信する。
譲渡対象取得部43は、コンテンツ譲渡装置1から譲渡対象情報を受信することで譲渡対象情報を取得し、取得した譲渡対象情報を出力部47に出力する。譲渡要求出力部44は、入力部48を介して、ユーザから、譲渡を要求する譲渡対象コンテンツの識別情報を含む譲渡要求情報の入力を受付けると、受付けた譲渡要求情報にユーザ識別情報を付加し、ユーザ識別情報を含む譲渡要求情報をコンテンツ譲渡装置1へ送信する。
所有証明付コンテンツ取得部45は、コンテンツ譲渡装置1から所有証明付コンテンツを受信することで所有証明付コンテンツを取得し、取得した所有証明付コンテンツをコンテンツ記憶部49に格納する。コンテンツ記憶部49は、所有証明付コンテンツを記憶する。なお、上述したように、証明情報はコンテンツ譲渡装置1において保持されてもよく、この場合、所有証明付コンテンツ取得部45はコンテンツ(譲渡対象コンテンツ)を取得し、取得したコンテンツをコンテンツ記憶部49に格納する。
売却要求出力部46は、入力部48を介して、ユーザから、ユーザが所有しているコンテンツ、すなわちコンテンツ記憶部49に格納されている所有証明付コンテンツのうち、売却を希望するコンテンツの識別情報を含む売却要求情報の入力を受付けると、受付けた売却要求情報をコンテンツ譲渡装置1へ送信する。
また、ここでは、ユーザが所有する所有証明付コンテンツがユーザ端末4に格納される例を説明するが、ユーザが所有する所有証明付コンテンツが、コンテンツ譲渡装置1または他の装置に格納されてもよい。この場合、ユーザは、ユーザ端末4を用いてWebサイトへアクセスすることで所有証明付コンテンツを視聴する、またはユーザ端末4にインストールされたアプリケーションソフトウェアを用いて所有証明付コンテンツを視聴する。また、ユーザが、ユーザ端末4を用いてWebサイトへアクセスすると、ユーザが所有している所有証明付コンテンツの一覧が表示されてもよい。また、この一覧の表示画面において、売却を要求する所有証明付コンテンツの選択を受付けるための入力欄が設けられていてもよい。
所有証明発行システム3は、図1に示すように、発行要求取得部31、証明書発行部32および証明書出力部33を備える。発行要求取得部31は、コンテンツ譲渡装置1から発行要求情報を受信することで発行要求情報を取得し、取得した発行要求情報を証明書発行部32へ出力する。証明書発行部32は、発行要求取得部31から受け取った発行要求情報に基づいて、所有証明書を発行し、所有証明書を示す電子データである証明情報を証明書出力部33へ出力する。所有証明書は、例えば、所有証明書として、NFTを用いることができるが、上述したように所有証明書はこれに限定されない。証明書出力部33は、証明書発行部32から受け取った証明情報をコンテンツ譲渡装置1へ送信する。
次に、本実施の形態の動作について説明する。図2は、本実施の形態のコンテンツ譲渡システム100における譲渡対象コンテンツの決定処理の一例を示すシーケンス図である。図2に示すように、撮影装置2は、配信映像を各ユーザ端末4へ送信する(ステップS1)。これにより、各ユーザ端末4は、受信した配信映像を表示する。上述したように、ユーザ端末4は、撮影装置2から送信された配信映像を他の装置を介して受信してもよい。
各ユーザ端末4は、ユーザからの投票を受付ける(ステップS2)。詳細には、ユーザは、表示された配信映像の視聴中に、気に入ったシーン、感動したシーン、興味を持ったシーン、応援に熱がはいったシーン、もう一度みたいシーンなどの注目シーンがあった場合、ユーザ端末4に投票の意思を示す特定の操作を行う。例えば、出力部47は、配信映像とともに、「投票」、「いいね!」、「Good」、「すばらしい」などと表示されたボタン(以下、投票ボタンと呼ぶ)を表示する。配信映像を視聴しているユーザは、注目シーンがあった場合に、投票ボタンを押下する。入力部48は、投票ボタンの押下を検出すると、ユーザから投票の意思を示す入力があったことを、投票出力部42へ通知する。特定の操作は、上述したように、例えば、配信映像とともに表示される投票ボタンを押下する操作であるが、特定の操作はあらかじめ定められていればよくこの例に限定されない。例えば、特定の操作は、ユーザ端末4の入力部48があらかじめ有する入力手段における特定のボタンが押下される操作であってもよいし、特定の文字が入力される操作などであってもよい。
注目シーンは、以下を例示することができる。なお、注目シーンは、エラーシーン、アクシデントのシーンなどであってもよい。注目シーンはユーザが任意に選択できるものであり、これらに限定されない。
イベントが野球である場合:ホームランシーン、ヒット(安打)シーン、三振シーンなど
イベントがサッカー、バスケットボールである場合:ゴールシーン、セーブシーンなど
イベントがバレーボールである場合:アタックシーン、ブロックシーン、レシーブシーン、サーブシーンなど
イベントが陸上競技、水泳である場合:ゴールシーン、スタートシーン、順位入れ替えシーンなど
イベントが体操競技である場合:着地シーン、技実行シーンなど
イベントが競馬、競輪、ボートである場合:ゴールシーン、順位入れ替えシーンなど
次に、各ユーザ端末4は、投票情報をコンテンツ譲渡装置1へ送信する(ステップS3)。詳細には、ユーザ端末4の投票出力部42は、入力部48から、ユーザから投票の意思を示す入力があったことを通知されると、通知された時刻を示す時間情報を含む投票情報を生成する。ユーザが投票の意思を示す入力の操作を行ってから投票出力部42へ通知されるまでの時間は極めて小さいことから、通知された時刻は、ユーザがユーザ端末4に特定の操作を行った時刻であると考えることができる。このため、時間情報は、ユーザが注目したシーンすなわち配信映像におけるユーザが注目した位置を示すことになる。投票出力部42は、生成した投票情報をコンテンツ譲渡装置1へ送信する。なお、図1では図示を省略しているが、配信映像は、配信が終了するまでは、ステップS3の実行中も送信されている。配信映像の視聴中に、ユーザが投票の意思を示す回数は1回に限定されず、ユーザは、複数のタイミングで投票の意思を示してもよく、この場合、ユーザ端末4は、それぞれのタイミングにおいて投票情報を送信する。なお、1ユーザの1回の配信映像の視聴に関して投票回数の上限値を定めておき、上限値の範囲内でユーザが、各シーンに対して投票の意思を示すようにしてもよい。
次に、コンテンツ譲渡装置1は、配信映像の配信が終了すると、投票情報に基づき配信映像から譲渡対象のシーン(譲渡対象コンテンツ)を抽出する(ステップS4)。具体的には、コンテンツ譲渡装置1の投票情報取得部15は、各ユーザ端末4から投票情報を受信し、受信した投票情報をシーン抽出部16へ出力する。シーン抽出部16は、受け取った投票情報に含まれる時間情報を用いて譲渡対象のシーンを決定し、決定したシーンに対応する部分を配信映像から譲渡対象コンテンツとして抽出し、譲渡対象コンテンツを当譲渡対象コンテンツの識別情報とともにコンテンツ記憶部22に格納する。譲渡対象のシーンの抽出方法の詳細については後述する。
次に、コンテンツ譲渡装置1は、譲渡対象コンテンツの識別情報を含む譲渡対象情報を生成する(ステップS5)。具体的には、譲渡対象出力部17が、コンテンツ記憶部22に格納されている、識別情報および譲渡対象コンテンツを用いて、譲渡対象のコンテンツの一覧を示す譲渡対象情報を生成する。譲渡対象情報は、上述したように、譲渡対象コンテンツの識別情報と、当該識別情報に対応する譲渡対象コンテンツの内容を示す情報とを含む。譲渡対象コンテンツの内容を示す情報は、譲渡対象コンテンツ自体であってもよいし、譲渡対象コンテンツの一部が抽出されたものなどであってもよい。また、オークションにより譲渡が行われる場合には、譲渡対象情報にオークションの初期額、即決額などが含まれ、1つの譲渡対象コンテンツが複数名に譲渡される場合には譲渡対象の人数も含まれる。また、あらかじめ定められた販売額で各譲渡対象コンテンツが販売される場合には、譲渡対象情報に各譲渡対象コンテンツの販売額が含まれる。なお、オークションの初期額、即決額、譲渡対象の人数、販売額などの情報は、譲渡対象情報とは別に、コンテンツ譲渡装置1からユーザ端末4に送信されてもよい。
次に、コンテンツ譲渡装置1は、譲渡対象情報を各ユーザ端末4に送信する(ステップS6)。具体的には、譲渡対象出力部17が、譲渡対象情報を各ユーザ端末4に送信する。各ユーザ端末4は、譲渡対象情報を受信すると譲渡対象情報を表示する。これにより、ユーザは、どのようなコンテンツが譲渡対象であるかを確認することができる。
なお、配信映像を受信するユーザ端末4と、譲渡対象情報を受信するユーザ端末4とは異なっていてもよい。すなわち、配信映像を視聴して投票を行うユーザと、配信映像の配信の終了後に、譲渡対象コンテンツの譲渡を要求するユーザとは同一でなくてもよい。したがって、図1では、ユーザ端末4が、配信映像を受信し投票情報を送信する機能と、譲渡対象コンテンツの譲渡に関する処理を行う機能との両方を備える例を示しているが、各ユーザ端末4はこれらのうち少なくとも一方の機能を備えればよい。投票を行うユーザは、配信映像を視聴しているユーザであり、配信映像を視聴しているユーザの全てが譲渡対象コンテンツの譲渡を希望するとは限らない。また、配信映像は視聴していないものの譲渡対象コンテンツの譲渡を希望するユーザも存在する。このため、配信映像を視聴し投票を行い、譲渡対象コンテンツの譲渡を希望しないユーザのユーザ端末4は、配信映像を受信し投票情報を送信する機能を少なくとも備えればよい。また、配信映像を視聴せず譲渡対象コンテンツの譲渡を希望するユーザのユーザ端末4は、譲渡対象コンテンツの譲渡に関する処理を行う機能を少なくとも備えればよい。
次に、譲渡対象のシーンの抽出方法について説明する。図3は、本実施の形態のシーン抽出部16における譲渡対象のシーンの抽出処理手順の一例を示すフローチャートである。図3に示すように、シーン抽出部16は、配信映像の配信開始時刻から配信終了時刻までを区間に分割する(ステップS11)。例えば、リアルタイムまたは準リアルタイムに配信が行われることを仮定すると、配信映像の配信開始時刻および配信終了時刻は、配信映像としてイベントが撮影される時間帯の開始時刻および終了時刻にそれぞれ対応する。詳細には、シーン抽出部16は、例えば、配信映像の配信開始時刻および配信終了時刻を配信映像記憶部14に格納されている配信映像のプロパティ情報に基づいて取得する。プロパティ情報は、配信映像が配信映像記憶部14に電子データとして格納される際に、当該電子データに付加される情報である。なお、配信開始時刻および配信終了時刻は、オペレータにより入力されてもよい。シーン抽出部16は、配信開始時刻から配信終了時刻を、例えば、1分などの定められた時間長ごとの区間に分割する。なお、1分は例示であり、区間の長さは、1分に限定されない。
次に、シーン抽出部16は、区間ごとの投票数を集計する(ステップS12)。詳細には、シーン抽出部16は、ステップS11で分割した区間ごとに、投票情報取得部15から受け取った投票情報に含まれる時間情報が当該区間内の時刻となる投票情報の数を計数する。図4は、本実施の形態における区間の一例を模式的に示す図である。図4において、横軸は時間を示し、縦軸は投票数を示している。図4に示した例では、区間#1から区間#3までの3つの区間を示している。図4に示した例では投票数は、例えば、1秒などの時間単位ごとの投票数を示している。シーン抽出部16は、例えば、区間#1内の投票数の合計値を、区間#1の投票数として算出し、区間#2内の投票数の合計値を、区間#2の投票数として算出するといったように、区間ごとの投票数を集計する。なお、図4は、投票数を模式的に示したものであり、分割される区間の数、配信開始時刻から配信終了時刻までの時間などは図4に示した例に限定されない。
次に、シーン抽出部16は、投票数が定められた条件を満たす区間を選択する(ステップS13)。詳細には、シーン抽出部16は、ステップS12で集計した区間ごとの投票数のうち、定められた条件を満たす投票数に対応する区間を選択する。定められた条件は、例えば、各区間の投票数を投票数の多い順に並べた場合の順位が1位からあらかじめ定められた順位までの範囲内であるという条件、投票数があらかじめ定めた閾値以上であるという条件である。定められた条件は、投票数が多い区間が選択されるような条件であればよく、これらの条件に限定されない。
次に、シーン抽出部16は、選択した区間に対応するシーンを配信映像から抽出する(ステップS14)。詳細には、シーン抽出部16は、配信映像記憶部14に記憶されている配信映像を読み出し、ステップS13で選択した区間ごとに、当該区間に対応する部分である譲渡対象のシーンを配信映像から抽出する。
次に、シーン抽出部16は、抽出したシーンを譲渡対象コンテンツとして格納する(ステップS15)。詳細には、シーン抽出部16は、選択した区間ごとに、ステップS14で抽出した譲渡対象のシーンである譲渡対象コンテンツに識別情報を付与し、譲渡対象コンテンツを識別情報とともにコンテンツ記憶部22へ格納する。
以上の処理により、配信映像から譲渡対象コンテンツが抽出され、譲渡対象コンテンツがコンテンツ記憶部22に格納される。本実施の形態では、このように、ユーザの投票により、譲渡対象コンテンツを決定するため、映像配信の事業者などにおけるオペレータが譲渡対象コンテンツを決定する場合に比べて、譲渡対象コンテンツの選定にユーザの意思が反映されやすくなるという効果を奏する。
なお、上述した例では、定められた区間を単位として譲渡対象コンテンツが抽出されるため、抽出された譲渡対象コンテンツが、多くのユーザが注目すると考えられる一連の動作の途中までの映像となったり、余分な部分を多く含んでいたりといったことが生じる可能性がある。例えば、イベントが野球である場合に、ステップS14で抽出された譲渡対象のシーン(譲渡対象コンテンツ)が、ホームランの後に選手が走り始めたシーンから開始される映像であったとする。ユーザが、ホームランシーンを確認してから投票の操作を行うまでには若干の遅れがあると想定される。例えば、選手がホームランを打った直後から投票数が徐々に増加しはじめることが予想される。したがって、ホームランを打った直後を含む区間は、ステップS13で選択される区間となる可能性が高いが、この区間の開始時刻はホームランを打つ動作の開始時刻と一致しているとは限らない。したがって、コンテンツ譲渡装置1のシーン抽出部16が、図示しない表示部にステップS14で抽出された譲渡対象コンテンツを表示させることで、オペレータに譲渡対象コンテンツの確認を求めてもよい。この場合、オペレータは、譲渡対象コンテンツごとに、表示された譲渡対象コンテンツを確認し、調整が必要と判断した場合には、抽出する区間を変更するようにコンテンツ譲渡装置1へ指示する。例えば、オペレータは、図示しないコンテンツ譲渡装置1の入力部を操作することで、シーン抽出部16に、譲渡対象コンテンツとして抽出する区間を、前または後ろにずらすように指示したり、不要な部分を抽出対象から除くように指示したりすることで、譲渡対象コンテンツとして抽出される区間の調整を行ってもよい。
図3に示した例では、シーン抽出部16は、配信開始時刻から配信終了時刻までを区間に分割し、投票数の多い区間を選択し、配信映像のうち選択した区間に対応する部分を譲渡対象コンテンツとしたが、これに限らず、投票数の分布に基づいて譲渡対象コンテンツを決定してもよい。
図5は、本実施の形態のシーン抽出部16における譲渡対象のシーンの抽出処理手順の別の一例を示すフローチャートである。図5に示す例では、投票数の分布に基づいて、配信映像から、投票数の多い時刻を含む時間帯の部分を譲渡対象コンテンツとして抽出する。具体的には、まず、図5に示すように、シーン抽出部16は、配信映像の配信開始時刻から配信終了時刻までの単位時間ごとの投票数を集計する(ステップS16)。詳細には、シーン抽出部16は、投票情報取得部15から受け取った投票情報に含まれる時間情報を用いて、配信開始時刻から配信終了時刻までの単位時間ごとの投票情報の数を計数する。単位時間は、例えば1秒であるが、これに限定されない。例えば、単位時間が1秒であり、時間情報が1/100秒単位で示される場合、時間情報が15時10分21.00秒から15時10分21.99秒までの間の値を示す投票情報は、15時10分21秒に対応する投票情報として集計される。
次に、シーン抽出部16は、単位時間ごとの投票数を用いて、定められた条件を満たす時刻を選択する(ステップS17)。定められた条件は、例えば、投票数の多い順に並べた場合の順位が1位からあらかじめ定められた順位までの範囲内であるという条件、投票数があらかじめ定めた閾値以上であるという条件である。また、定められた条件は、連続する複数の単位時間における投票数の合計値、平均値が、値の大きい順に並べた場合の順位が1位からあらかじめ定められた順位までの範囲内であるという条件、連続する複数の単位時間における投票数の合計値、平均値があらかじめ定めた閾値以上であるという条件であってもよい。例えば、シーン抽出部16は、単位時間が1秒であり、前後1秒を含む3秒間の合計値が閾値以上である場合に、当該時刻を選択するようにしてもよい。定められた条件は、投票数が多い時刻が選択されるような条件であればよく、これらの条件に限定されない。
図6は、本実施の形態のシーン抽出部16により選択された時刻の一例を模式的に示す図である。図6において、横軸は時間を示し、縦軸は投票数を示している。縦軸の投票数は単位時間ごとの投票数を示している。図6に示した例では、ステップS17において、投票数の多い順に並べた場合の順位が1位から2位までの範囲の時刻が選択される例を示しており、投票数が最も多い時刻#2と次に多い時刻#1とが選択されている。なお、図6は、投票数を模式的に示したものであり、投票数の分布、配信開始時刻から配信終了時刻までの時間などは図6に示した例に限定されない。
図5の説明に戻る。次に、シーン抽出部16は、選択した時刻に基づいて抽出するシーンに対応する時間帯である抽出期間を決定する(ステップS18)。例えば、シーン抽出部16は、選択した時刻よりT1秒前からT2秒後までの時間帯を抽出期間に決定する。図6では、時刻#1に対応する抽出期間#1、時刻#2に対応する抽出期間#2を例示している。通常、ホームラン、ゴールなどの動作が行われると、ホームラン、ゴールと判明した後に、多くのユーザが投票を行う。このため、投票数が多くなる時刻より、例えば1秒から数秒前に、注目する場面に対応する動作の開始が開示されることが多い。一般には、例えばホームランシーン、ゴールシーンなどの映像を譲渡対象コンテンツとして抽出する場合には、対応する動作の開始から映像に含まれるように抽出されることが望ましい。このため、上述したT1はT2より大きい値とすることが好ましく、例えば、T1=10、T2=5などと設定することができる。なお、T1,T2は、イベントであるスポーツの種類によっても適切な値は異なる場合があり、T1,T2の値はこの例に限定されず、イベントの種類などに応じて適宜決定されればよい。
次に、シーン抽出部16は、抽出期間に対応するシーンを配信映像から抽出する(ステップS19)。詳細には、シーン抽出部16は、配信映像記憶部14に記憶されている配信映像を読み出し、ステップS18で決定した抽出期間ごとに、当該抽出期間に対応する部分である譲渡対象のシーンを配信映像から抽出する。ステップS19の後のステップS15は、図3に示した例と同様である。
以上、図3および図5の2つの例を説明したが、シーン抽出部16は、投票情報に基づいて譲渡対象コンテンツを決定すればよく、具体的な決定方法はこれらの例に限定されない。
次に、譲渡対象コンテンツの譲渡方法について説明する。図7は、本実施の形態のコンテンツ譲渡装置1における譲渡対象コンテンツの譲渡方法の一例を示すシーケンス図である。図7に示した動作が行われる前に、図2に示した動作が行われ、コンテンツ譲渡装置1は、譲渡対象情報をユーザ端末4に送信済であるとする。
図7に示すように、ユーザ端末4は、譲渡を要求する譲渡対象コンテンツの識別情報を含む譲渡要求情報の入力を受付ける(ステップS21)。詳細には、入力部48が、ユーザから譲渡要求情報の入力を受付け、受付けた譲渡要求情報を譲渡要求出力部44へ出力する。オークションにより譲渡が行われる場合には、譲渡要求情報には入札額が含まれる。
ユーザ端末4は、譲渡要求情報をコンテンツ譲渡装置1へ送信する(ステップS22)。詳細には、譲渡要求出力部44が、譲渡要求情報をコンテンツ譲渡装置1へ送信する。譲渡要求情報には、ユーザが譲渡を希望する譲渡対象コンテンツの識別情報とユーザ識別情報とが含まれる。ユーザ識別情報は、上述したように、例えば、コンテンツ譲渡システム100を利用するためのユーザ登録時に決定され、図示しないユーザ端末4内の記憶部に格納されており、ユーザ端末4の各部は記憶部からユーザ識別情報を取得することができる。また、ユーザ識別情報は、配信映像を視聴する際に、ユーザから入力されてもよい。
コンテンツ譲渡装置1は、譲渡対象コンテンツごとに、1つ以上の譲渡要求情報に基づき、譲渡条件を決定する(ステップS23)。詳細には、譲渡要求取得部18が、ユーザ端末4から譲渡要求情報を取得し、取得した譲渡要求情報を譲渡条件決定部19へ出力する。譲渡条件決定部19は、譲渡要求取得部18から受け取った譲渡要求情報を用いて譲渡対象者を決定する。オークションにより譲渡が行われる場合、譲渡対象コンテンツごとに、オークションの締め切り時刻までに受け取った譲渡要求情報内の入札額に基づいて、上述したように、譲渡対象者のユーザおよび譲渡額を決定する。あらかじめ定められた販売額により販売されることで譲渡が行われる場合、譲渡条件決定部19は、譲渡対象コンテンツごとに、受け取った譲渡要求情報の数が譲渡対象コンテンツの譲渡対象の人数以下であれば、譲渡要求情報に対応する全ユーザに譲渡すると決定する。一方、譲渡条件決定部19は、譲渡対象コンテンツの譲渡対象の人数を超える数の譲渡要求情報を受け取った場合には、抽選などの定められた方法で譲渡対象のユーザを決定する。譲渡条件決定部19は、譲渡対象コンテンツの識別情報と譲渡対象者のユーザ識別情報とを対応付けて発行要求部23へ通知する。なお、譲渡条件決定部19は、譲渡対象者を決定すると、譲渡対象者が決定された譲渡対象コンテンツの識別情報を譲渡対象出力部17へ通知し、譲渡対象出力部17は、譲渡対象者が決定された譲渡対象コンテンツの識別情報を削除することで譲渡対象情報を更新し、更新した譲渡対象情報をユーザ端末4へ送信してもよい。
次に、コンテンツ譲渡装置1は、所有証明の発行要求情報を所有証明発行システム3へ送信する(ステップS24)。詳細には、発行要求部23が、譲渡条件決定部19から通知された譲渡対象コンテンツの識別情報と譲渡対象者のユーザ識別情報とを用いて、所有証明の発行を依頼する発行要求情報を生成し、生成した発行要求情報を所有証明発行システム3へ送信する。
次に、所有証明発行システム3は、所有証明の発行処理を行う(ステップS25)。詳細には、発行要求取得部31が、コンテンツ譲渡装置1から発行要求情報を取得し、取得した発行要求情報を証明書発行部32へ出力する。証明書発行部32は、発行要求取得部31から受け取った発行要求情報に基づいて、電子的な所有証明書を発行し、電子的な所有証明書を示す証明情報を証明書出力部33へ出力する。所有証明書は、上述したように、例えば、NFTなどの偽造不可な鑑定書および所有証明書である。
次に、所有証明発行システム3は、証明情報をコンテンツ譲渡装置1へ送信する(ステップS26)。詳細には、証明書出力部33が、証明書発行部32から受け取った証明情報をコンテンツ譲渡装置1へ送信する。
次に、コンテンツ譲渡装置1は、所有証明付コンテンツを、対応するユーザ端末4へ送信する(ステップS27)。詳細には、証明書取得部24が、所有証明発行システム3から証明情報を取得し、取得した証明情報を所有証明付コンテンツ譲渡部20へ出力する。所有証明付コンテンツ譲渡部20は、証明情報に対応する譲渡対象コンテンツをコンテンツ記憶部22から読み出し、読みだした譲渡対象コンテンツと証明情報とを用いて所有証明付コンテンツを生成する。所有証明付コンテンツ譲渡部20は、生成した所有証明付コンテンツを、当該所有証明付コンテンツに対応する譲渡対象者であるユーザのユーザ端末4へ送信する。なお、上述したように、証明情報はコンテンツ譲渡装置1が保持してもよい。
以上の処理により、コンテンツ譲渡装置1は、譲渡対象コンテンツの適切なユーザへの譲渡を支援することができる。なお、図7では、図示を省略しているが、譲渡対象のユーザは所有証明付コンテンツの代金を支払う。この代金の支払いに関する決済処理は、コンテンツ譲渡装置1によって行われてもよいし、図示しない決済システムにより行われてもよい。決定処理は、どのような方法で行われてもよく、詳細な説明は省略する。
また、上述したように、ユーザは、所有する所有証明付コンテンツを譲渡することができる。2回目以降の譲渡を、以下、再譲渡とも呼ぶ。図8は、本実施の形態の再譲渡方法の一例を示すシーケンス図である。図8に示すように、ユーザ端末4は、ユーザが所有しているコンテンツのうち売却を希望するコンテンツの識別情報を含む売却要求情報の入力を受付ける(ステップS31)。詳細には、入力部48が、ユーザから売却要求情報の入力を受付け、受付けた譲渡要求情報を売却要求出力部46へ出力する。
次に、ユーザ端末4は、売却要求情報をコンテンツ譲渡装置1へ送信する(ステップS32)。詳細には、売却要求出力部46が、売却要求情報をコンテンツ譲渡装置1へ送信する。
次に、コンテンツ譲渡装置1は、譲渡対象コンテンツにユーザが売却を希望するコンテンツを追加する(ステップS33)。詳細には、売却要求取得部21が、ユーザ端末4から売却要求情報を取得し、取得した売却要求情報を譲渡対象出力部17へ出力する。譲渡対象出力部17は、売却要求取得部21から売却要求情報を受け取ると、売却要求情報に含まれる識別情報に対応する所有証明付コンテンツを、譲渡対象コンテンツに追加し、譲渡対象情報に譲渡対象コンテンツの追加を反映することで譲渡対象情報を更新する。
次に、コンテンツ譲渡装置1は、図2のステップS6と同様に、譲渡対象情報を各ユーザ端末4へ送信する(ステップS6)。詳細には、譲渡対象出力部17は、ステップS33で更新した譲渡対象情報を各ユーザ端末4へ送信する。
以降、図7に示した処理と同様により、譲渡対象コンテンツの譲渡が行われる。なお、譲渡対象コンテンツがユーザから売却要求のあった所有証明付コンテンツである場合、すなわち再譲渡の場合、譲渡条件決定部19は、ステップS23では、所有証明付コンテンツである譲渡対象コンテンツに関して、初回の譲渡と同様に、譲渡要求取得部18から受け取った譲渡要求情報を用いて譲渡対象者および譲渡額を決定し、譲渡対象コンテンツの識別情報と譲渡対象者のユーザ識別情報とを対応付けて発行要求部23へ通知する。ステップS24では、発行要求部23は、譲渡対象コンテンツの識別情報と譲渡対象者のユーザ識別情報とを用いて、所有者が新たな譲渡対象者に変更された所有証明書の発行を所有証明発行システム3へ依頼する。このような所有者の変更処理が行われると、変更前の所有者に関する所有証明は無効になる。したがって、所有証明付コンテンツを売却したユーザ端末4に所有証明付コンテンツが記憶されているままであったとしても、当該所有証明付コンテンツにおける所有証明は無効になる。
2回目以降の譲渡も、オークションにより行われてもよいし、あらかじめ定められた販売額で販売されることで行われてもよい。2回目以降の譲渡がオークションにより行われる場合には、売却要求情報にオークションの初期額、即決額などが含まれていてもよい。また、ユーザ端末4は、売却される所有証明付コンテンツを売却要求情報とともに送信してもよい。2回目以降の譲渡があらかじめ定められた販売額で販売されることにより行われる場合、販売額は1回目の譲渡と同じであってもよいし異なっていてもよい。また、1回目の譲渡があらかじめ定められた販売額での販売により行われ、2回目以降の譲渡がオークションにより行われるといったように、1回目の譲渡と2回目以降の譲渡とで譲渡方法が異なっていてもよい。
次に、本実施の形態のコンテンツ譲渡装置1のハードウェア構成について説明する。本実施の形態のコンテンツ譲渡装置1は、コンピュータシステム上で、コンテンツ譲渡装置1における処理が記述されたコンピュータプログラムであるプログラムが実行されることにより、コンピュータシステムがコンテンツ譲渡装置1として機能する。図9は、本実施の形態のコンテンツ譲渡装置1を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図である。図9に示すように、このコンピュータシステムは、制御部101と入力部102と記憶部103と表示部104と通信部105と出力部106とを備え、これらはシステムバス107を介して接続されている。
図9において、制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、本実施の形態のコンテンツ譲渡装置1における処理が記述されたプログラムを実行する。なお、制御部101の一部が、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用ハードウェアにより実現されてもよい。入力部102は、たとえばキーボード、マウスなどで構成され、コンピュータシステムの使用者が、各種情報の入力を行うために使用する。記憶部103は、RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)などの各種メモリおよびハードディスクなどのストレージデバイスを含み、上記制御部101が実行すべきプログラム、処理の過程で得られた必要なデータ、などを記憶する。また、記憶部103は、プログラムの一時的な記憶領域としても使用される。表示部104は、ディスプレイ、LCD(液晶表示パネル)などで構成され、コンピュータシステムの使用者に対して各種画面を表示する。通信部105は、通信処理を実施する受信機および送信機である。出力部106は、プリンタ、スピーカなどである。なお、図9は、一例であり、コンピュータシステムの構成は図9の例に限定されない。
ここで、本実施の形態のプログラムが実行可能な状態になるまでのコンピュータシステムの動作例について説明する。上述した構成をとるコンピュータシステムには、たとえば、図示しないCD(Compact Disc)-ROMドライブまたはDVD(Digital Versatile Disc)-ROMドライブにセットされたCD-ROMまたはDVD-ROMから、コンピュータプログラムが記憶部103にインストールされる。そして、プログラムの実行時に、記憶部103から読み出されたプログラムが記憶部103の主記憶領域に格納される。この状態で、制御部101は、記憶部103に格納されたプログラムに従って、本実施の形態のコンテンツ譲渡装置1としての処理を実行する。
なお、上記の説明においては、CD-ROMまたはDVD-ROMを記録媒体として、コンテンツ譲渡装置1における処理を記述したプログラムを提供しているが、これに限らず、コンピュータシステムの構成、提供するプログラムの容量などに応じて、たとえば、通信部105を経由してインターネットなどの伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。
図1に示したシーン抽出部16、譲渡条件決定部19および所有証明付コンテンツ譲渡部20は、図9に示した記憶部103に記憶されたコンピュータプログラムが図9に示した制御部101により実行されることにより実現される。図1に示したシーン抽出部16、譲渡条件決定部19および所有証明付コンテンツ譲渡部20の実現には、図9に示した記憶部103も用いられる。図1に示した配信映像記憶部14およびコンテンツ記憶部22は、図9に示した記憶部103の一部である。図1に示した配信映像取得部13、投票情報取得部15、譲渡対象出力部17、譲渡要求取得部18、売却要求取得部21、発行要求部23および証明書取得部24は、図9に示した通信部105により実現される。配信映像取得部13、投票情報取得部15、譲渡対象出力部17、譲渡要求取得部18、売却要求取得部21、発行要求部23および証明書取得部24の実現には制御部101も用いられる。また、コンテンツ譲渡装置1は複数のコンピュータシステムにより実現されてもよい。例えば、コンテンツ譲渡装置1は、クラウドコンピュータシステムにより実現されてもよい。
所有証明発行システム3も、同様に、例えば、図9に示した構成のコンピュータシステムにより実現される。ユーザ端末4も、同様に、例えば、図9に示した構成のコンピュータシステムにより実現される。図1に示した配信映像受信部41、投票出力部42、譲渡対象取得部43、譲渡要求出力部44、所有証明付コンテンツ取得部45および売却要求出力部46は、図9に示した通信部105により実現される。配信映像受信部41、投票出力部42、譲渡対象取得部43、譲渡要求出力部44、所有証明付コンテンツ取得部45および売却要求出力部46の実現には、制御部101も用いられる。図1に示したコンテンツ記憶部49は、図9に示した記憶部103の一部である。図1に示した入力部48は、図9に示した入力部102により実現される。図1に示した出力部47は、図9に示した表示部104および、スピーカである出力部106により実現される。
<変形例1>
次に、本実施の形態における変形例1のコンテンツ譲渡システムについて説明する。図10は、本実施の形態における変形例1のコンテンツ譲渡システムの構成例を示す図である。図10に示したように、本実施の形態における変形例1のコンテンツ譲渡システム100aは、コンテンツ譲渡装置1の代わりにコンテンツ譲渡装置1aを備え、データ取得装置5が追加される以外は、図1に示したコンテンツ譲渡システム100と同様である。図1に示したコンテンツ譲渡システム100と同様の機能を有する構成要素は図1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、図1に示した例と異なる点を主に説明する。
コンテンツ譲渡装置1aは、シーン選定部11の代わりにシーン選定部11aを備え、他コンテンツ取得部25および他コンテンツ記憶部26が追加される以外は、図1に示したコンテンツ譲渡装置1と同様である。シーン選定部11aは、シーン抽出部16の代わりにシーン抽出部16aを備える以外は、図1に示したシーン選定部11と同様である。
本実施の形態の変形例1では、他コンテンツ取得装置であるデータ取得装置5が、イベントに関するコンテンツであって、配信映像以外のコンテンツである他コンテンツを取得する。データ取得装置5は、他コンテンツとして、イベントが行われている間に、すなわち配信映像が撮影されている間に、例えば3次元点群データを取得する。すなわち、他コンテンツの一例である3次元点群データは、配信映像と同時に取得されており、取得された時間をもとに配信映像との対応付けが可能である。コンテンツ譲渡装置1aは、データ取得装置5から3次元点群データを取得し、他コンテンツである3次元点群データから譲渡対象コンテンツを抽出する。譲渡対象コンテンツの決定方法、譲渡方法は図1に示したコンテンツ譲渡装置1と同様である。ユーザ端末4は、所有証明付コンテンツとして3次元点群データを取得する。これにより、ユーザは、例えば、3次元点群データを用いて3Dプリンタ(立体印刷機)により、選手のフィギュアなどを作成することができる。
他コンテンツ取得部25は、データ取得装置5から3次元点群データを受信することで3次元点群データを取得し、3次元点群データを他コンテンツとして他コンテンツ記憶部26に格納する。シーン抽出部16aは、図2に示したステップS4の譲渡対象コンテンツの抽出の際に、投票情報に基づいて、他コンテンツ記憶部26に格納されている3次元点群データから譲渡対象コンテンツを抽出する。例えば、図3に示した処理が行われる場合には、ステップS14において、シーン抽出部16aは、選択した区間に対応する時間帯の部分を3次元点群データから抽出する。図5に示した処理が行われる場合には、ステップS19において、シーン抽出部16aは、抽出期間に対応する時間帯の部分を3次元点群データから抽出する。このように、本実施の形態の変形例1では、ユーザは配信映像を視聴して投票を行うが、譲渡対象となるものは、配信映像に対応する時間に取得された他コンテンツである。例えば、他コンテンツの一例である3次元点群データは、そのまま視聴することはできないが、ユーザが配信映像を用いて投票を行うことで、3次元点群データを譲渡対象とする場合にも、譲渡対象コンテンツの選択にユーザの意向を反映することができる。なお、ここでは、譲渡対象コンテンツを3次元点群データとしたが、配信映像と3次元点群データとの両方を譲渡対象コンテンツとしてもよい。配信映像と3次元点群データとの両方をセットとして譲渡対象としてもよいし、配信映像と3次元点群データとをそれぞれ個別に譲渡対象としてもよい。
このように、本実施の形態の変形例1では、シーン選定部11aが、ユーザ端末4から投票情報を取得し、取得した投票情報を用いて、譲渡対象コンテンツを配信映像と同時に取得された他コンテンツから抽出する。したがって、譲渡対象コンテンツは、配信映像または配信映像と同時に取得された他コンテンツである取得コンテンツ、から抽出されるものであり、図1に示した例では、取得コンテンツは配信映像であり、図10に示した変形例1では取得コンテンツは他コンテンツである。
また、上記の例では、データ取得装置5から3次元点群データを取得したが、データ取得装置5は、自由視点映像を作成するための撮影を行う複数の自由視点カメラであってもよい。この場合、他コンテンツ取得部25は、データ取得装置5から自由視点カメラで取得された複数の映像を他コンテンツとして取得し、他コンテンツ記憶部26に格納する。シーン抽出部16aは、図2に示したステップS4の譲渡対象コンテンツの抽出の際に、投票情報に基づいて、他コンテンツ記憶部26に格納されている自由視点カメラで取得された複数の映像から譲渡対象コンテンツを抽出する。自由視点カメラで取得された複数の映像は、通常の配信映像に比べてデータ量が多く、受信するユーザ端末4が限られる場合がある。自由視点カメラで取得された複数の映像を配信映像として用いて投票情報を受付けてもよいが、この場合、自由視点カメラで取得された複数の映像を受信するユーザ端末4が限られる可能性がある。このため、ユーザが通常の配信映像を用いて投票を行い、他コンテンツとして自由視点カメラで取得された複数の映像を譲渡対象コンテンツとすると、譲渡対象コンテンツの選択に多くのユーザの意向を反映することができる。なお、ここでは、譲渡対象コンテンツを自由視点カメラで取得された複数の映像としたが、配信映像と自由視点カメラで取得された複数の映像との両方を譲渡対象コンテンツとしてもよい。配信映像と自由視点カメラで取得された複数の映像との両方をセットとして譲渡対象としてもよいし、配信映像と自由視点カメラで取得された複数の映像とをそれぞれ個別に譲渡対象としてもよい。
なお、自由視点カメラで取得された複数の映像は、配信映像として配信されてもよい。すなわち、ユーザ端末4のうち少なくとも一部が、自由視点カメラで取得された複数の映像を配信映像として受信してもよい。
また、コンテンツ譲渡装置1aは、自由視点カメラで取得された複数の映像から作成された3次元データを他コンテンツとしてもよい。この場合、自由視点カメラで取得された複数の映像を用いた3次元データの生成はコンテンツ譲渡装置1aが行ってもよいし、図示しない他の装置が行ってもよい。この場合も、配信映像と3次元データとの両方を譲渡対象コンテンツとしてもよい。
以上述べたように、本実施の形態では、コンテンツ譲渡装置1,1aは、イベントを撮影した配信映像を視聴するユーザのユーザ端末4から受信する投票情報を用いて、譲渡対象コンテンツを決定し、ユーザ端末4から譲渡を要求する譲渡要求情報を受信すると、譲渡要求情報を用いて譲渡対象コンテンツの譲渡対象となるユーザを決定するようにした。そして、コンテンツ譲渡装置1,1aは、譲渡対象コンテンツを所有証明付のコンテンツとしてユーザ端末4へ送信するようにした。このため、コンテンツ譲渡装置1,1aは、イベントにおけるシーンに対応するデジタルコンテンツのユーザへの適切な譲渡を支援することができる。
実施の形態2.
図11は、実施の形態2にかかるコンテンツ譲渡システムの構成例を示す図である。本実施の形態のコンテンツ譲渡システム100bは、コンテンツ譲渡装置1bおよび撮影装置2を備える。コンテンツ譲渡装置1bは、シーン選定部11の代わりにシーン選定部11bを備える以外は、実施の形態1のコンテンツ譲渡装置1と同様である。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は実施の形態1と同一の符号を付し重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
本実施の形態の所有証明発行システム3は実施の形態1と同様であり、本実施の形態のユーザ端末4a-1~4a-Nは、投票出力部42を備えない点以外は、それぞれユーザ端末4-1~4-Nと同様である。ユーザ端末4a-1~4a-Nを個別に区別せずに示すときはユーザ端末4aと記載する。
実施の形態1では、ユーザの投票によって譲渡対象コンテンツを決定したが、本実施の形態では、入力される映像から映像に含まれるシーンが譲渡に適しているか否かを推論するための機械学習による学習済モデルを用いて譲渡対象コンテンツを決定する。すなわち、本実施の形態では、配信映像に含まれるシーンが譲渡に適しているか否かを示す情報は、入力される映像から映像に含まれるシーンが譲渡に適しているか否かを推論するための学習済モデルである。シーン選定部11bは、学習済モデルに配信映像を入力して得られる推論結果を用いて配信映像から譲渡対象コンテンツを抽出する。
図12は、本実施の形態のシーン選定部11bの構成例を示す図である。図12に示すように、本実施の形態のシーン選定部11bは、学習済モデル生成部111、学習済モデル記憶部112および推論部113を備える。
推論部113は、学習済モデル記憶部112に格納されている学習済モデルを読み出し、読み出した学習済モデルに、配信映像記憶部14から読み出した配信映像を入力することで、適切な譲渡対象のシーンを推定する。学習済モデルは、イベントの映像の提供の開始前に、学習済モデル生成部111によって、例えば、以下のように生成される。
学習済モデル生成部111は、イベントを撮影した映像と、対応する正解データである譲渡対象コンテンツとを含む学習用データセットを複数用いて学習済モデルを生成し、生成した学習済モデルを学習済モデル記憶部112に格納する。イベントを撮影した映像は、過去に撮影装置2によって撮影された配信映像であってもよいし、他の撮影装置によって撮影された映像であってもよい。正解データは、対応する映像から抽出された譲渡対象コンテンツ、すなわち対応する映像から抽出された注目シーンの映像である。正解データである譲渡対象コンテンツは、オペレータが映像を確認して決定したものであってもよいし、過去に実施の形態1で述べた投票情報に基づいて決定されたものであってもよいし、他の方法によって決定されたものであってもよい。
学習済モデル生成部111における学習済モデルの生成は、例えば、教師あり学習により行われる。教師あり学習のアルゴリズムとしては、どのようなものを用いてもよいが、例えば、ニューラルネットワークモデルを用いることもできる。ニューラルネットワークは、複数のニューロンからなる入力層、複数のニューロンからなる中間層(隠れ層)、および複数のニューロンからなる出力層で構成される。中間層は、1層、又は2層以上でもよい。
図13は、ニューラルネットワークの一例を示す模式図である。例えば、図13に示すような3層のニューラルネットワークであれば、複数の入力が入力層(X1-X3)に入力されると、その値に重みW1(w11-w16)を掛けて中間層(Y1-Y2)に入力され、その結果にさらに重みW2(w21-w26)を掛けて出力層(Z1-Z3)から出力される。この出力結果は、重みW1の値と重みW2の値とによって変わる。
本実施の形態においては、映像が入力されたときの出力層からの出力が、適切な譲渡対象コンテンツとなるように、重みW1と重みW2とを調整することで、映像と正解データである譲渡対象コンテンツとの関係が学習される。なお、機械学習のアルゴリズムはニューラルネットワークに限定されない。
なお、図12に示した例では、シーン選定部11bが、学習済モデル生成部111を備えているが、コンテンツ譲渡装置1bとは別に学習済モデルを生成する学習装置を設け、学習装置が学習済モデル生成部111を備えてもよい。この場合、シーン選定部11bは学習済モデル生成部111を備えなくてよく、学習装置の学習済モデル生成部111が、上記と同様に学習済モデルを生成する。そして、学習装置によって生成された学習済モデルが、シーン選定部11bの学習済モデル記憶部112に格納される。
本実施の形態では、実施の形態1の図2に示したステップS4の代わりに、推論部113が、上述した学習済モデルを読み出し、配信映像記憶部14から読み出した配信映像を入力することで、適切な譲渡対象のシーンを推定する処理が行われる。本実施の形態のコンテンツ譲渡システム100bにおけるその他の動作は、実施の形態1と同様である。
なお、上述した例では、配信映像全体を入力とする学習済モデルを用いる例を説明したが、配信映像を分割して入力する学習済モデルを用いてもよい。この場合には、例えば、学習済モデル生成部111は、定められた時間長分の映像と、当該映像が譲渡対象コンテンツであるか否かの判定結果とを含む学習用データセットを複数用いて学習済モデルを生成する。なお、この学習済モデルを用いた場合も判定結果を用いて譲渡対象コンテンツに適した映像を推論できるため、この学習済モデルは、入力される映像から映像に含まれるシーンが譲渡に適しているか否かを推論するための学習済モデルである。学習用データセットとして入力される映像は、例えば、過去に譲渡対象コンテンツとして選択された映像であってもよいし別の撮影装置によって撮影されたホームランシーン、ゴールシーンなどの注目シーンの映像であってもよい。また、入力される映像が譲渡コンテンツに適した映像である場合には当該映像に対応する正解データである判定結果は譲渡対象コンテンツであることを示す値として与えられる。学習済モデル生成部111には、学習用データセットの映像として譲渡コンテンツに適していないシーンも入力され、この場合には正解データである判定結果として譲渡対象コンテンツではないことを示す値が与えられる。
定められた時間長分の映像を入力として判定結果を得る学習済モデルが用いられる場合、推論部113は、配信映像記憶部14に格納されている配信映像のうち、定められた時間長分の映像を入力映像として読み出し、入力映像を学習済モデルに入力して入力映像が適切な譲渡対象のシーンであるか否か、すなわち譲渡対象コンテンツであるか否かの判定結果を得る。推論部113は、配信映像のうち入力映像として読み出す位置(時間)、すなわち配信映像から抽出する入力映像の位置を変更し、変更後の入力映像を学習済モデルに入力して判定結果を得る動作を繰り返す。例えば、定められた時間長が10秒であるとすると、推論部113は、まず、配信映像の配信開始時刻から配信開始の10秒後までを入力映像として学習済モデルに入力して判定結果を得る。次に、推論部113は、配信映像の配信開始時刻の1秒後から配信開始の11秒後までを入力映像として学習済モデルに入力して判定結果を得る。このように、推論部113は、入力映像に対応する時刻を順次変更して学習済モデルに入力して判定結果を得る動作を、配信映像の最後(配信終了時刻に対応する部分)を含む入力映像の処理を終了するまで繰り返す。これにより、入力映像ごとに、譲渡対象コンテンツであるか否かの判定が行われる。推論部113は、譲渡対象コンテンツであると判定された入力映像を譲渡対象コンテンツとしてコンテンツ記憶部22に格納する。この場合、同一の注目シーンが連続する複数の入力映像に含まれることがあるため、オペレータが、譲渡対象コンテンツを確認し、不要な譲渡対象コンテンツを除去してもよい。また、オペレータが試合の進行状況を入力し、入力された情報に基づいて自動的に譲渡コンテンツの選択が実施されてもよい。例えば、勝ち越しを決めたホームランと、負けチームのホームランとの譲渡対象コンテンツがある場合、チームの勝敗の結果をオペレータが入力することで、勝ち越しのホームランに対応する譲渡対象コンテンツが選択されるようにしてもよい。なお、定められた時間長、および配信映像から抽出する入力映像の位置を変更する際の変更量は上述した例に限定されない。
また、上記の例では、定められた時間長より短い変更量で入力映像の位置を変更したが、これに限らず、推論部113は、実施の形態1で区間に分割する例と同様に、配信映像を定められた時間長で分割し、分割した映像を入力映像として学習済モデルに入力してもよい。この場合、注目シーンが2つの入力映像に分かれる可能性があるため、実施の形態1で述べたように、オペレータが譲渡対象コンテンツを確認して、配信映像から抽出する位置を調整してもよい。また、上記の例では、判定結果を、譲渡対象コンテンツであるか否かの2値としたが、これに限らず、譲渡対象コンテンツとしての価値の高さを示す複数段階の値である評価値を判定結果としてもよい。
例えば、価値の高さを10段階に分け、価値の高さが高いほど判定結果(評価値)を大きな値に設定する。学習済モデルの生成時には、最も価値が高いと思われる映像に対応する正解データとして10を与える。同様に、学習用データセットにおける映像の価値の高さを正解データとして与えることで、学習済モデル生成部111は、複数段階の判定結果を出力する学習用データセットを生成することができる。推論部113は、上記の例と同様に、配信映像から抽出した入力映像を、位置を変更して順次入力し、各入力映像に対する判定結果を得る。推論部113は、判定結果があらかじめ定められた閾値以上となる入力映像を譲渡対象コンテンツとしてコンテンツ記憶部22に格納する。譲渡対象コンテンツの数を多くしたいときには閾値を低めの値に設定し、譲渡対象コンテンツの数を少なくしたいときには閾値を高めの値に設定することで、譲渡対象コンテンツの数を調整することが可能となる。また、評価値の値毎に学習済モデルを生成してもよい。
また、ホームランシーン、ヒットシーン、三振シーンなどのシーンの種類と適切な譲渡対象コンテンツである否かの情報である判定結果とを、正解データとして用いて学習済モデルを生成してもよい。この場合、学習済モデルの生成時には、例えば、学習用データセットにおけるホームランシーンの映像に対応する正解データとして、当該映像がホームランシーンであることを示す情報と当該映像が譲渡対象コンテンツであることを示す情報とが与えられる。推論部113は、配信映像から抽出した入力映像を学習済モデルに入力することで、シーンの種類と譲渡対象コンテンツであるか否かとの判定結果を得ることができる。この場合、推論結果を用いて譲渡対象コンテンツとして選択するシーンの種類を、オペレータからの指定などによって指定することで、譲渡対象コンテンツとして選択するシーンの種類をイベントにより変更することができる。
また、配信映像全体を入力する場合と定められた時間長分の映像を入力する場合とのいずれについても、映像だけでなくイベントに関する音声データも用いて学習済モデルが生成されてもよい。例えば、映像が配信される際のアナウンスの音声データも映像とともに入力されて学習済モデルが生成され、推論時にも、配信映像とともに配信される音声データが学習済モデルに入力されてもよい。これにより、例えば、イベントが野球であればアナウンサーの「ホームラン!!」「三振!」といった音声、サッカーであれば「ゴール!」といった音声が学習される。
また、配信映像全体を入力する場合に、「スイングを始めてから打球を打って振り切るまでの2,3秒」、「パスを受けてからシュートするまでの2,3秒」などの映像(または映像および音声データ)を正解データとして入力することで、学習済モデル生成部111が、抽出する譲渡コンテンツの長さも含めて出力される譲渡コンテンツが正解データに近づくような学習済モデルを生成するようにしてもよい。
また、定められた時間長分の映像を入力する場合、学習時にシーンの判定結果とは別に正解データとの類似度を示す値を正解データとして与えておき、推論部113は、判定結果を用いて譲渡対象コンテンツの候補を選択した後に、選択された譲渡コンテンツの候補から一部を切り出し、切り出しの開始位置と長さとを順次変更して学習済モデルへ入力することで類似度を得て、類似度が高い切り出し位置を選択することで、長さも含めて適切な譲渡コンテンツを選択するようにしてもよい。また、推論時に出力の信頼度を示す情報が得られる場合には、推論部113は、譲渡対象コンテンツの候補を選択した後に、選択された譲渡コンテンツの候補から一部を切り出し、切り出し開始位置と長さとを順次変更して学習済モデルへ入力することで信頼度を示す情報を得て、信頼度示す情報を用いて、長さも含めて適切な譲渡コンテンツを選択するようにしてもよい。
また、野球、サッカー、バレーボール、競馬といったイベントの種類ごとに、学習済モデルを生成し、推論部113は、譲渡対象コンテンツの決定対象のイベントの種類に応じて使用する学習済モデルを選択するようにしてもよい。
なお、実施の形態1の変形例1と同様に、3次元点群データ、3次元データなどの他コンテンツを譲渡対象コンテンツとする場合に、同様に、シーン選定部11bが、学習済モデルを用いて他コンテンツである譲渡対象コンテンツを決定してもよい。この場合、学習済モデル生成部111は、学習時に、上記と同様に配信映像と同等の映像を用いて学習を行ってもよいし、映像の代わりに他コンテンツである3次元点群データ、3次元データなどを用いて同様の学習を行ってもよい。映像を用いた学習が行われた場合に、推論部113は、推論時すなわち譲渡対象コンテンツを決定する際に、配信映像を学習済モデルに入力し配信映像から譲渡対象コンテンツとして適切な区間(時間)を推論することになる。そして、推論部113は、学習済モデルを用いて求めた区間に対応する他コンテンツを譲渡対象コンテンツに決定する。他コンテンツを用いた学習が行われた場合には、推論部113は、他コンテンツである3次元点群データ、3次元データなどを学習済モデルに入力することで譲渡対象コンテンツを決定する。
<変形例1>
次に、本実施の形態における変形例1のコンテンツ譲渡システムについて説明する。図14は、本実施の形態における変形例1のコンテンツ譲渡システムの構成例を示す図である。図14に示したように、本実施の形態における変形例1のコンテンツ譲渡システム100cは、コンテンツ譲渡装置1cおよび撮影装置2を備える。本実施の形態における変形例1のコンテンツ譲渡システム100cは、図11に示したコンテンツ譲渡システム100bと実施の形態1とを組み合わせたものである。コンテンツ譲渡装置1cは、シーン選定部11の代わりにシーン選定部11cを備える以外は、実施の形態1のコンテンツ譲渡装置1と同様である。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は実施の形態1と同一の符号を付し重複する説明を省略する。
図14に示したユーザ端末4-1~4-Nおよび所有証明発行システム3は実施の形態1のユーザ端末4-1~4-Nおよび所有証明発行システム3と同様である。
シーン選定部11cは、上述したシーン選定部11bと同様に学習済モデルに配信映像を入力して推論結果を得る。また、シーン選定部11cは、実施の形態1のシーン選定部11と同様に投票情報を取得する。そして、シーン選定部11cは、推論結果を用いて配信映像から譲渡対象コンテンツの候補である譲渡対象コンテンツ候補を抽出し、譲渡対象コンテンツ候補のなかから投票情報を用いて譲渡対象コンテンツを決定する。
シーン選定部11cは、図12に示したシーン選定部11bと同様に、学習済モデル生成部111、学習済モデル記憶部112および推論部113を備える。シーン選定部11cは、さらに、実施の形態1と同様の投票情報取得部15と、シーン抽出部16bとを備える。学習済モデル生成部111、学習済モデル記憶部112および推論部113の動作は、図11および図12に示した例と同様である。ただし、推論部113は、学習済モデルを用いて求めた譲渡対象コンテンツを譲渡対象コンテンツ候補としてシーン抽出部16bへ出力する。投票情報取得部15は、実施の形態1と同様にユーザ端末4から投票情報を取得し、取得した投票情報をシーン抽出部16bへ出力する。シーン抽出部16bは、推論部113から譲渡対象コンテンツ候補を受け取り、譲渡対象コンテンツ候補ごとに、譲渡対象コンテンツ候補に対応する期間における投票数を集計する。そして、シーン抽出部16bは、投票数が定められた条件を満たす譲渡対象コンテンツ候補を、譲渡対象コンテンツとして決定し、決定した譲渡対象コンテンツをコンテンツ記憶部22に格納する。定められた条件は、例えば、譲渡対象コンテンツ候補に対応する各期間の投票数を投票数の多い順に並べた場合の順位が1位からあらかじめ定められた順位までの範囲内であるという条件、投票数があらかじめ定めた閾値以上であるという条件である。定められた条件は、投票数が多い譲渡対象コンテンツ候補が選択されるような条件であればよく、これらの条件に限定されない。
また、図11に示したコンテンツ譲渡システム100bと実施の形態1の変形例1を組み合わせてもよい。例えば、他コンテンツである譲渡対象コンテンツ候補が機械学習を用いて決定され、投票情報を用いて譲渡対象コンテンツ候補から譲渡対象コンテンツが選択されてもよい。この場合、上述したように、学習時には、配信映像と同等の映像を用いて学習を行ってもよいし、映像の代わりに他コンテンツである3次元点群データ、3次元データなどを用いて同様の学習を行ってもよい。
<変形例2>
次に、本実施の形態における変形例2のコンテンツ譲渡システムについて説明する。図15は、本実施の形態における変形例2のコンテンツ譲渡システムの構成例を示す図である。図15に示したように、本実施の形態における変形例2のコンテンツ譲渡システム100dは、コンテンツ譲渡装置1dおよび撮影装置2を備える。本実施の形態の変形例2のコンテンツ譲渡装置1dは、選手映像抽出部27および選手情報記憶部28を追加し、シーン選定部11bの代わりにシーン選定部11dを備える以外は、図11に示したコンテンツ譲渡装置1bと同様である。図11に示したコンテンツ譲渡システム100bと同様の機能を有する構成要素は図11と同一の符号を付し重複する説明を省略する。
図15に示したユーザ端末4a-1~4a-Nおよび所有証明発行システム3は、図11に示したユーザ端末4a-1~4a-Nおよび所有証明発行システム3と同様である。
選手情報記憶部28は、イベントに出場する各選手の注目度に関する情報である注目度情報と選手の画像とを記憶する。注目度情報は、例えば、打率、防御率、本塁打数、取得得点およびオッズのうちの少なくとも1つであるが、これらに限定されない。注目度情報はオペレータから入力されてもよいし、他の装置から送信されてもよい。また、注目度情報は、値が更新されるごとに、または定められた周期で、更新される。選手映像抽出部27は、配信映像記憶部14から配信映像を読み出し、選手情報記憶部28から選手の画像を読み出し、選手ごとに、選手の画像を用いて配信映像のうち当該選手が写っている映像である選手映像を抽出する。また、選手映像抽出部27は、選手ごとに、選手映像と当該選手の注目度情報とをシーン選定部11dへ出力する。
シーン選定部11dは、学習済モデル生成部111a、学習済モデル記憶部112および推論部113aを備える。学習済モデル生成部111aは、映像と当該映像に対応する注目度情報と、正解データとを含む学習用データセットを複数用いて学習済モデルを生成する。入力される映像が1つの配信映像分である場合には、例えば、正解データは、図11および図12に示した例と同様に、抽出された譲渡対象コンテンツ自体であり、入力される映像が定められた時間長の映像である場合には、譲渡対象コンテンツであるか否かの判定結果であってもよいし映像の価値の高さを段階的に示した判定結果(評価値)であってもよい。学習済モデル生成部111aにおける学習アルゴリズムは図12に示した学習済モデル生成部111における学習アルゴリズムと同様である。学習済モデル生成部111aは、生成した学習済モデルを学習済モデル記憶部112に格納する。
推論部113aは、学習済モデル記憶部112から読み出した学習済モデルに、選手映像抽出部27から受け取った選手映像と当該選手の注目度情報とを入力することで、譲渡対象コンテンツまたは判定結果を得る。例えば、学習済モデルが1つの配信映像分の映像を入力として生成されている場合には、推論部113aは、選手映像抽出部27から受け取った選手映像と注目度情報とをそのまま学習済モデルに入力し、学習済モデルの出力として譲渡対象コンテンツを得る。例えば、学習済モデルが定められた時間長の映像を入力として生成されている場合には、推論部113aは、選手映像抽出部27から受け取った選手映像から図12に示した例と同様に入力画像を抽出し入力画像と注目度情報とを学習済モデルに入力し、学習済モデルの出力と判定結果を得る。そして、推論部113aは、図12に示した例と同様に入力映像を順次変更して各入力画像に対応する判定結果を取得し、判定結果を用いて譲渡対象コンテンツを決定し、決定した譲渡対象コンテンツをコンテンツ記憶部22に格納する。
このように、本実施の形態の変形例2では、学習済モデルは、映像と当該映像に写っている選手の注目度を示す注目度情報とを用いて配信映像に含まれるシーンが譲渡に適しているか否かを推論するための学習済モデルである。そして、シーン選定部11dは、学習済モデルに、選手映像と選手映像に対応する選手の注目度情報を入力して得られる推論結果を用いて配信映像から譲渡対象コンテンツを抽出する。
以上述べた以外のコンテンツ譲渡システム100dの動作は、図11に示したコンテンツ譲渡システム100bと同様である。
例えば、本塁打数が高く、本塁打数争いをしている出場選手のホームランシーンは注目度が高くなる。また、オッズの高い出場選手のゴールシーンは注目度が高くなる。出場選手の注目度が高い場合、多くのユーザの当該選手に関するシーンへの興味も高くなる。このため、注目度が高い選手に関するホームランシーン、ゴールシーンなどのシーンは譲渡対象コンテンツとして優先して選択されることが好ましい。本実施の形態の変形例2のコンテンツ譲渡装置1dは、注目度情報を用いて学習を行うことで、譲渡対象コンテンツの決定をより適切に行うことができる。
<変形例3>
次に、本実施の形態における変形例3のコンテンツ譲渡システムについて説明する。図16は、本実施の形態における変形例3のコンテンツ譲渡システムの構成例を示す図である。図16に示したように、本実施の形態における変形例3のコンテンツ譲渡システム100eは、コンテンツ譲渡装置1eおよび撮影装置2を備える。本実施の形態の変形例3のコンテンツ譲渡装置1eは、選手映像抽出部27aおよびシーン指定部29を追加し、シーン選定部11bの代わりにシーン選定部11eを備える以外は、図11に示したコンテンツ譲渡装置1bと同様である。図11に示したコンテンツ譲渡システム100bと同様の機能を有する構成要素は図11と同一の符号を付し重複する説明を省略する。
図16に示したユーザ端末4a-1~4a-Nおよび所有証明発行システム3は、図11に示したユーザ端末4a-1~4a-Nおよび所有証明発行システム3と同様である。
シーン指定部29は、例えば、図9に示した入力部102により実現され、イベントにおける特定のシーンが注目される可能性がある場合に、オペレータからの、特定のシーンを指定するシーン情報の入力を受付ける。オペレータは、対象となるイベントにおいて、1000本安打、2000本安打などの記念となる安打数が達成されたり、リーグ記録の更新、歴代記録の更新などが達成されたりといった注目すべきシーンが生じた場合、シーン情報として、該当する選手とシーンの種類とを入力する。シーンの種類は、例えば、イベントが野球の場合には、ホームランシーン、ヒットシーン、盗塁シーン、三振シーンなどであり、イベントがサッカーであればゴールシーン、セーブシーンである。例えば、A選手が2000本安打を達成したイベントの場合、内野安打などであったとしても2000本安打目はもちろんのことその前後の安打も注目される可能性があることから、オペレータはシーン情報としてA選手のヒットシーンという情報を入力する。
シーン指定部29は、入力されたシーン情報を選手映像抽出部27aへ出力する。選手映像抽出部27aは、選手ごとの画像を保持しており、配信映像記憶部14から配信映像を読み出し、シーン情報で指定された選手の画像を読み出し、当該選手の画像を用いて配信映像のうち当該選手が撮影されている映像である選手映像を抽出する。選手映像抽出部27aは、選手映像とシーン情報で指定されたシーンの種類とをシーン選定部11eへ出力する。
シーン選定部11eは、学習済モデル生成部111b、学習済モデル記憶部112および推論部113bを備える。学習済モデル生成部111bは、図12に示した学習済モデル生成部111が生成する学習済モデルと同様の学習済モデルである第1学習済モデルを生成するとともに、シーンの種類を判定するための学習済モデルである第2学習済モデルを生成する。学習済モデル生成部111bは、生成した第1学習済モデルおよびシーンの種類ごとの第2学習済モデルを学習済モデル記憶部112へ格納する。学習済モデル生成部111bは、例えば、定められた時間長の映像と、当該映像に正解データであるシーンの種類とを含む学習用データセットを複数用いて第2学習済モデルを生成する。
推論部113bは、図12に示した推論部113と同様に、学習済モデル記憶部112から読み出した第1学習済モデルに配信映像を入力することで、譲渡対象コンテンツを決定し、決定した譲渡対象コンテンツをコンテンツ記憶部22に格納する。さらに、推論部113bは、選手映像抽出部27aから受け取った選手映像から定められた時間長の入力画像を抽出し、学習済モデル記憶部112から読み出した第2学習済モデルに入力画像を入力することで、入力画像のシーンの種類を推論する。推論部113bは、選出画像から入力画像を抽出する位置(時間)を順次変更して、入力画像ごとのシーンの種類の推論結果を得る。そして、推論部113bは、推論結果が選手映像抽出部27aから受け取ったシーンの種類と一致する入力画像を、譲渡対象コンテンツとして、さらにコンテンツ記憶部22に格納する。これにより、第1学習済モデルを用いた譲渡対象コンテンツの抽出では抽出されないシーンであっても、特別な意味を持つシーンである場合に、当該シーンが譲渡対象コンテンツとして抽出されることになる。
なお、上述した例では、シーン情報がイベントの後に入力されたが、シーン情報はイベントの開催前または開催中に入力されてもよい。この場合、オペレータは、各選手のヒット(安打)数、ホームラン数、盗塁数、ゴール数などの成績を示す情報を元に、イベントにおいて、注目すべきシーンが生じる可能性があると判断した場合に、同様にシーン情報を入力すればよい。
<変形例4>
次に、本実施の形態における変形例4のコンテンツ譲渡システムについて説明する。図17は、本実施の形態における変形例4のコンテンツ譲渡システムの構成例を示す図である。図17に示したように、本実施の形態における変形例4のコンテンツ譲渡システム100fは、コンテンツ譲渡装置1fおよび撮影装置2を備える。本実施の形態の変形例4のコンテンツ譲渡装置1fは、イベント注目度指定部30を追加し、シーン選定部11bの代わりにシーン選定部11fを備える以外は、図11に示したコンテンツ譲渡装置1bと同様である。図11に示したコンテンツ譲渡システム100bと同様の機能を有する構成要素は図11と同一の符号を付し重複する説明を省略する。
図17に示したユーザ端末4a-1~4a-Nおよび所有証明発行システム3は、図11に示したユーザ端末4a-1~4a-Nおよび所有証明発行システム3と同様である。
イベント注目度指定部30は、例えば、図9に示した入力部102により実現され、オペレータからイベントの注目度を示すイベント注目度情報の入力を受付ける。例えば、優勝決定戦、リーグ入替戦、競艇、競馬などのクラスの高いレースなどは注目度が高い。このため、イベント注目度情報を、例えば値が大きいほど注目度が高い数値として定義しておき、オペレータはイベントに応じたイベント注目度情報をコンテンツ譲渡装置1fへ入力する。
イベント注目度指定部30は、受付けたイベント注目度情報をシーン選定部11fへ通知する。シーン選定部11fは、学習済モデル生成部111c、学習済モデル記憶部112および推論部113cを備える。学習済モデル生成部111cは、映像と、当該映像に対応するイベント注目度情報と、当該映像に対応する正解データである譲渡対象コンテンツとを含む学習用データセットを複数用いて学習済モデルを生成し、生成した学習済モデルを学習済モデル記憶部112に格納する。学習済モデル生成部111cの学習済モデルの生成処理は、学習時の学習用データセットにイベント注目度情報が追加される以外は、図12に示した学習済モデル生成部111における学習済モデルの生成処理と同様である。
推論部113cは、学習済モデル記憶部112から読み出した学習済モデルに、配信映像記憶部14から読み出した配信映像と、イベント注目度指定部30から通知されたイベント注目度情報とを入力することで、譲渡対象コンテンツを決定し、決定した譲渡対象コンテンツをコンテンツ記憶部22に格納する。
このように、本実施の形態の変形例4では、学習済モデルは、配信映像とイベントの注目度を示すイベント注目度情報とを用いて配信映像に含まれるシーンが譲渡に適しているか否かを推論するための学習済モデルである。シーン選定部11fは、学習済モデルに、配信映像と配信映像に対応するイベント注目度情報を入力して得られる推論結果を用いて配信映像から譲渡対象コンテンツを抽出する。
本実施の形態の変形例4のコンテンツ譲渡装置1fは、イベント注目度情報に応じて譲渡対象コンテンツを決定する。このため、注目度の高いイベントでは多くの譲渡対象コンテンツが抽出されるといったように、イベントの注目度に応じて適切に譲渡対象コンテンツを決定することができる。なお、注目度ごとに、すなわちイベント注目度情報の値ごとに、学習済モデルが生成されてもよく、この場合、推論部113cは、イベント注目度指定部30から通知された注目度情報の値に応じて使用する学習済モデルを切替える。
<変形例5>
次に、本実施の形態における変形例5のコンテンツ譲渡システムについて説明する。図18は、本実施の形態における変形例5のコンテンツ譲渡システムの構成例を示す図である。図18に示したように、本実施の形態における変形例5のコンテンツ譲渡システム100gは、コンテンツ譲渡装置1gおよび撮影装置2を備える。本実施の形態の変形例5のコンテンツ譲渡装置1gは、シーン選定部11bの代わりにシーン選定部11gを備える以外は、図11に示したコンテンツ譲渡装置1bと同様である。図11に示したコンテンツ譲渡システム100bと同様の機能を有する構成要素は図11と同一の符号を付し重複する説明を省略する。
図18に示したユーザ端末4a-1~4a-Nおよび所有証明発行システム3は、図11に示したユーザ端末4a-1~4a-Nおよび所有証明発行システム3と同様である。
ここでは、譲渡がオークションにより行われるとし、オークションによって決定された譲渡額を学習にフィードバックする。具体的には、譲渡条件決定部19は、決定した譲渡条件をシーン選定部11gへ通知する。
シーン選定部11gは、学習済モデル生成部111d、学習済モデル記憶部112および推論部113を備える。学習済モデル生成部111dは、図12に示した学習済モデル生成部111と同様に、映像と正解データとを含む学習用データセットを複数用いて学習済モデルを生成する。なお、本実施の形態の変形例5では、例えば、映像は定められた時間長の映像であるとし、正解データとしては、価値の高さすなわち譲渡に適している度合いを、複数段階の値(評価値)で示した判定結果が与えられるとする。また、学習済モデル生成部111dは、譲渡条件決定部19から譲渡条件が入力された場合、譲渡条件に含まれる譲渡対象コンテンツの識別情報に対応する譲渡対象コンテンツをコンテンツ記憶部22から読み出すとともに、譲渡条件に含まれる譲渡額を用いて評価値を決定する。例えば、学習済モデル生成部111dは、譲渡額と評価値との対応を定めた対応情報を保持する。対応情報は、例えば、譲渡額がX1円以上であれば評価値を10とし、譲渡額がX2円以上X1円未満で評価値を9とするといったように、譲渡額に対応する評価値を定めた情報である。なお、対応情報は、譲渡額の全体的な変化などに応じて適宜更新されてもよい。また、学習済モデル生成部111dは、コンテンツ記憶部22から譲渡対象コンテンツを読み出す代わりに、配信映像記憶部14から対応する配信映像を読み出し、配信映像から当該譲渡対象コンテンツに対応する部分を抽出してもよい。
推論部113は、図12に示した推論部113と同様に、学習済モデル記憶部112に格納されている学習済モデルに、配信映像を入力することで、譲渡対象コンテンツを決定する。なお、本実施の変形例5では、推論部113は、配信映像から抽出した定められた時間長分の入力映像を、位置を変更して順次入力し、各入力映像に対する判定結果を得る。推論部113は、判定結果があらかじめ定められた閾値以上となる入力映像を譲渡対象コンテンツとしてコンテンツ記憶部22に格納する。閾値は、イベントごとに設定されてもよい。
このように、本実施の形態の変形例5では、学習済モデルは、映像から映像に含まれるシーンが譲渡に適している度合いを示す評価値を推論するためのモデルであり、シーン選定部11gは、学習済モデルを用いて得られる評価値を用いて配信映像から譲渡対象コンテンツを抽出する。そして、譲渡条件決定部19によって決定された譲渡額を用いて対応する評価値を算出し、算出した評価値と対応する譲渡対象コンテンツとを学習用データセットとして用いて学習済モデルを更新する。
本実施の形態の変形例5では、推論部113は、オークションにおける譲渡額が反映された評価値を用いて譲渡対象コンテンツを決定するため、譲渡額が高い譲渡対象コンテンツに類似するシーンの映像を優先して譲渡対象コンテンツに含めることになる。これにより、高い譲渡額となる可能性の高いシーンを譲渡対象コンテンツに含めることができる。
以上述べた本実施の形態の図11に示したコンテンツ譲渡装置1bおよび変形例1から変形例5のコンテンツ譲渡装置1c,1d,1e,1f,1gについても、実施の形態1のコンテンツ譲渡装置1と同様にコンピュータシステムにより実現される。また、コンテンツ譲渡装置1b,1c,1d,1e,1f,1gは複数のコンピュータシステムにより実現されてもよい。例えば、コンテンツ譲渡装置1b,1c,1d,1e,1f,1gは、クラウドコンピュータシステムにより実現されてもよい。
また、本実施の形態の変形例2から変形例5についても、実施の形態1と組み合わせて、コンテンツ譲渡装置1d,1e,1f,1gが、機械学習により譲渡対象コンテンツ候補を決定し、決定した譲渡対象コンテンツ候補に対応する区間の投票数に基づいて譲渡対象コンテンツを決定してもよい。また、本実施の形態の変形例同士を組み合わせてもよい。また、本実施の形態の変形例2から変形例5についても、実施の形態1の変形例1で記載したように、3次元点群データ、3次元データなどの他コンテンツを譲渡対象コンテンツとする場合に、同様に、学習済モデルを用いて他コンテンツである譲渡対象コンテンツを決定してもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。