以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。便宜上、実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
図1は、一実施形態に係る業績予測装置を含む業績予測システムの概念図である。業績予測システムは、移動端末10と、業績予測装置30とを含んでいる。移動端末10及び業績予測装置30は、基地局が接続された移動体通信ネットワーク等の通信ネットワーク3に接続されている。
移動端末10は、ユーザによって携帯される装置であり、通信ネットワーク3を構成する基地局に接続して無線通信を行う機能を有している。例えば、移動端末10は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)などであってよい。移動端末10は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、通信モジュール、ディスプレイ、スピーカなどのハードウェアから構成されている。通信ネットワーク3には複数の移動端末10が同時に接続可能となっている。一例として、移動端末10は、ユーザが勤務する企業が契約者となっている法人契約に基づいて利用される端末である。そのため、移動端末では、サービス提供者と契約されたサービス(契約サービス)を利用することができる。以下、「ユーザ」を「従業員」と言い換える場合がある。
図2は、業績予測装置の構成を示すブロック図である。業績予測装置30は、機能的な構成要素として、利用情報取得部31、勤務分類判定部32、勤務分類格納部33、予測モデル生成部35、企業名入力部36、及び業績情報予測部37を含んで構成されている。以下、各構成要素について説明する。
利用情報取得部31は、移動端末10の利用情報を取得する。利用情報は、移動端末10に対するサービスの提供に関連して生成される種々の情報を含む。図示の利用情報取得部31は、それぞれの移動端末10の位置情報を格納する位置情報データベース31Aと、それぞれの移動端末10の運用情報を格納する運用情報データベース31Bとを含む。すなわち、移動端末10の利用情報は、移動端末10の位置情報及び運用情報を含む。なお、移動端末10の利用情報を取得するにあたっては、利用情報の取得及び利用に関する許諾を当該企業から事前に得ているものとする。
位置情報データベース31Aは、ユーザが携帯する移動端末10の位置を示す位置情報の履歴を格納する部分である。位置情報は、例えば基地局測位に基づいて移動端末10の位置情報を取得する専用サーバによって取得される。また、位置情報は、GPS等の測位に基づいて移動端末10によって取得されてもよい。この場合、業績予測装置30は、移動端末10から位置情報を取得してもよい。図3は、位置情報データベース31Aの格納データの一例を示すテーブルである。位置情報は、移動端末10を識別するためのユーザIDなどの端末識別子と関連付けられている。位置情報は、例えば、移動端末10の位置を示す緯度及び経度の情報を含む。また、位置情報は、当該位置情報が生成された日時、すなわち緯度及び経度の情報が取得された日時の情報を含む。
運用情報データベース31Bは、ユーザが携帯する移動端末10の契約情報、使用情報等といった運用情報を格納する部分である。図4は、運用情報データベース31Bの格納データの一例を示すテーブルである。契約情報には、移動端末10の契約者である企業名(契約者名)、移動端末10に係る契約サービス、企業の契約住所などが含まれ得る。さらに、契約情報には、企業の支店、工場等のような本社以外の情報が含まれてもよい。契約情報は、例えば移動端末10の法人契約がなされる際に企業から提供された情報に基づいて入力されてもよい。使用情報は、移動端末10がユーザによって使用された場合における、使用状況に関連する情報である。使用情報には、移動端末10に係るサービス提供者によって提供されるサービスに係る提供回数、提供時間等が含まれ得る。使用情報は、例えば一ヶ月の利用時間のように、所定の期間ごとに集計された情報として格納されていてよい。使用情報は、一例としてサービス提供者のサーバ等によって取得され得る。この場合、使用情報は、サービス提供者のサーバ等から運用情報データベース31Bに入力されてもよい。
勤務分類判定部32は、移動端末10のユーザである従業員(勤務者)の企業内における勤務分類を判定する部分である。勤務分類(カテゴリの一例)は、企業内における従業員の役割に関連する分類であり、一例として職種による複数の分類であってもよい。本実施形態では、勤務分類判定部32は、移動端末10のユーザである従業員が企業の内勤者であるか外勤者であるかを判定する。なお、内勤者とはいわゆる事務職のように主として社内で業務を行う従業員をいい、外勤者とは配達、営業などのように主として社外で業務を行う従業員をいう。
例えば、勤務分類判定部32は、勤務時間内における従業員の移動状況(例えば外出時間、外出回数)に基づいて、従業員が内勤者であるか外勤者であるかの判定を行う。勤務分類判定部32による内勤者と外勤者との分類方法の一例について説明する。
勤務分類判定部32は、運用情報データベース31Bから移動端末10の契約住所の情報を取得する。取得された契約住所の情報は、ジオコーディングによって緯度及び経度の情報に変換される。勤務分類判定部32では、この緯度及び経度によって特定される位置を企業の所在地として推定する。なお、企業の所在地は、緯度及び経度によって特定される位置を含む所定の範囲であってもよい。さらに、勤務分類判定部32は、位置情報データベース31Aから移動端末10の位置情報の履歴を取得する。勤務分類判定部32は、1日のうちで移動端末10の位置情報が企業の所在地に最初に観測された時刻を勤務開始時刻として推定する。また、勤務分類判定部32は、1日のうちで移動端末10の位置情報が企業の所在地に最後に観測された時刻を勤務終了時刻として推定する。これにより、勤務分類判定部32は、勤務開始時刻から勤務終了時刻までの間を勤務時間帯として推定する。次いで、勤務分類判定部32は、勤務時間帯のうちで、企業の所在地から離れた位置で位置情報が観測されていた時間の合計を外出時間として推定する。勤務分類判定部32による外出時間の推定は、企業の法人契約によるすべての移動端末10について実行される。
図5は、外出時間に基づいて従業員を内勤者と外勤者とに分類する手法を説明するための図である。図5の(a)~(c)は、横軸に一ヶ月間における外出時間、縦軸に人数をとったヒストグラムである。一例では、このヒストグラムに基づいて、外出時間の少ないグループを内勤者として分類し、外出時間の多いグループを外勤者として分類する。より具体的には、まず、外勤者の外出時間の平均時間μoの初期値、及び、内勤者の外出時間の平均時間μiの初期値を、μo>μiとなるように任意に決定する。例えば、図5の(a)では、μo=85、μi=55として設定されている。続いて、各従業員の外出時間をμo及びμiと比較し、μoに近ければ暫定的に外勤者とし、μiに近ければ暫定的に内勤者とする。図5の(b)に示すように、この例では、外出時間が70時間以上のグループが暫定的に外勤者として分類され、外出時間が70時間未満のグループが暫定的に内勤者として分類される。次いで、暫定的に分類された外勤者の外出時間の平均を新たなμoとし、暫定的に分類された内勤者の外出時間の平均を新たなμiとする。例えば図5の(c)に示すように、図5の(b)で暫定的に分類された場合、新たなμoは、例えば85時間となり、新たなμiは例えば35時間となる。再び、各従業員の外出時間をμo及びμiと比較し、暫定的に外勤者と内勤者とを決める工程に戻り、以降、上記工程をμo及びμiが収束するまで繰り返す。収束したμo及びμiの平均値が内勤者と外勤者との境界値として設定されることで、従業員を内勤者と外勤者とに分類することができる。
勤務分類格納部33は、勤務分類判定部32によって分類された勤務分類を格納する部分である。例えば、勤務分類格納部33は、ユーザIDなどの端末識別子と関連付けて、移動端末10を使用する従業員が内勤者であるか外勤者であるかの判定結果の情報を格納する。
予測モデル生成部35は、企業の過去の業績を示す業績情報と各従業員の利用する移動端末10の利用情報とに基づいて、利用情報から業績情報を予測する予測モデルを生成する。一例として、予測モデル生成部35は、説明変数作成部35A、説明変数格納部35B、企業情報データベース35C及び回帰式作成部35Dを含んでいる。
説明変数作成部35Aは、回帰式作成部35Dで利用される説明変数を作成する。一例として、説明変数作成部35Aでは、説明変数を作成するために、各企業の内勤者、外勤者ごとに、以下の処理を実施する。すなわち、説明変数作成部35Aは、運用情報データベース31Bから契約情報及び使用情報を取得し、位置情報データベース31Aから位置情報を取得する。説明変数作成部35Aは、取得された各情報を入力として、当該入力の合計値、平均値等の集計値、前月分との変化があった項目数などを説明変数の候補として出力する。例えば、取得された運用情報に基づいて説明変数を作成する場合、利用されたサービスの利用回数等の従業員の業務分類ごとの合計値、平均値等を説明変数の候補として算出してもよい。また、変化があった項目数には、契約サービスの変更数などが含まれてもよい。
取得された位置情報に基づいて説明変数を作成する場合、説明変数作成部35Aは、位置情報に基づいて導出される従業員の業務分類ごとの勤務時間、外出時間、外出頻度、支店来訪頻度、営業先来訪頻度などを説明変数としてもよい。支店来訪頻度は、例えば、移動端末10の位置情報が従業員の勤務先企業の支店に該当する位置で観測された回数であってもよい。なお、企業の支店の位置は、運用情報データベース31Bの情報に基づいて取得されてもよい。また、営業先来訪頻度は、例えば、移動端末10の位置情報が営業先に該当する位置で観測された回数であってもよい。例えば、位置情報の長期間にわたる履歴に基づいて、来訪頻度の高いエリアを営業先とみなしてもよい。
説明変数格納部35Bは、説明変数作成部35Aによって作成された説明変数を格納する部分である。例えば、説明変数格納部35Bは、内勤者の説明変数と外勤者の説明変数とを、位置情報及び利用情報の履歴又は取得時期と関連づけて格納してもよい。
企業情報データベース(業績情報取得部)35Cは、企業ごとの過去の業績を示す業績情報を取得し、業績情報を企業ごとに格納する部分である。図6は、企業情報データベースの格納データの一例を示すテーブルである。格納される業績情報は、企業の業績を直接的又は間接的に示す情報であり、例えば、営業収益、営業利益、株価、販売数量等が含まれ得る。企業情報データベース35Cでは、例えば過去数年分の業績情報が所定期間(年単位、月単位)ごとに蓄積されている。
回帰式作成部35Dは、企業情報データベース35Cに格納された業績情報、及び、説明変数格納部35Bに格納された説明変数に基づいて、利用情報から業績情報を予測するための回帰式を作成する。本実施形態では、回帰式作成部35Dは、例えば業績予測装置30の利用者によって「企業名」及び「予測したい業績情報」が入力された後に回帰式を導出する。
例えば、回帰式作成部35Dでは、予測の対象となる業績情報に応じて、使用される説明変数が決定される。回帰式作成部35Dは、説明変数格納部35Bから、対象となる企業の内勤者、外勤者ごとにすべての説明変数を取得する。次いで、回帰式作成部35Dは、説明変数のそれぞれと、予測の対象となる業績情報との相関係数を算出する。そして、所定の値よりも高い相関係数を有する説明変数が、回帰式の作成に使用される説明変数として決定される。使用される説明変数が決定されると、当該説明変数を用いて回帰式が生成される。
例えば、回帰式は、目的変数を説明変数と係数との積の総和とする数式であってよい。一例として、回帰式は、使用される説明変数に応じて、目的変数=(第1の係数×外勤者の第1の説明変数)+(第2の係数×外勤者の第2の説明変数)+(第3の係数×内勤者の第3の説明変数)+(第4の係数×内勤者の第4の説明変数)、のように作成されてもよい。また、回帰式は、内勤者の説明係数と係数との積の総和と外勤者の説明変数と係数との積の総和との積を目的変数とする式でもよい。すなわち、一例の回帰式は、目的変数=(第1の係数×外勤者の第1の説明変数+第2の係数×外勤者の第2の説明変数)×(第3の係数×内勤者の第3の説明変数+第4の係数×内勤者の第4の説明変数)、のように内勤者に関する項と外勤者に関する項とを乗算する式であってもよい。
次いで、生成された回帰式に対して、過去の業績情報と当該過去の業績情報が得られた期間における説明変数の値とを当てはめて、最適な係数を導出する。過去の複数の期間の業績情報及び説明変数を用いることによって、算出される業績情報と実際の業績情報との誤差が最小となる最適な係数が導出され得る。これにより、係数が特定された回帰式が作成される。
業績情報予測部37は、企業の業績情報の予測結果(将来業績)を出力する。例えば、業績情報予測部37は、回帰式作成部35Dによって係数が特定された回帰式に直近の説明変数を当てはめることによって、目的変数である業績情報を取得する。直近の説明変数は、説明変数格納部35Bから取得され得る。
企業名入力部36では、業績情報を予測する対象となる企業名が入力される。また、企業名入力部36では、予測の対象となる業績情報が特定されてもよい。業績予測装置30を利用する場合、企業名入力部36で入力された企業名及び業績情報に基づいて、回帰式作成部35Dで回帰式が作成されてもよい。
続いて、業績予測装置の動作(業績予測方法の一例)について説明する。図7は、業績予測装置の動作フローを示す流れ図である。図8は、業績予測装置による業績情報の予測のイメージを示す。この例では、説明の簡単のために、移動端末10を利用する内勤者の数が2人であり、移動端末10を利用する外勤者の数が2又は3人となっている。
業績予測装置30によって業績情報の予測が実行される場合、まず利用者によって予測の対象となる企業名および業績情報が企業名入力部36に入力される(ステップS1)。図示例では、業績情報として営業利益が特定される。そこで、業績予測装置30では、回帰式作成部35Dが過去の営業利益の情報を企業情報データベース35Cから取得する(ステップS2)。続いて、説明変数作成部35Aは位置情報データベース31A及び運用情報データベース31Bから利用情報を取得し、説明変数を作成する(ステップS3)。作成された説明変数は説明変数格納部35Bに格納される。このステップS3は、事前に行われていてもよい。続いて、業績予測装置30では、回帰式作成部35Dが予測モデルである回帰式を生成する(ステップS4)。すなわち、回帰式作成部35Dが説明変数格納部35Bから内勤者、外勤者ごとに説明変数を取得する。回帰式作成部35Dは、取得された説明変数の中から過去の業績情報との相関係数が大きい説明変数を用いて回帰式を作成する。
図示例では、営業利益との相関係数が高い説明変数として外出回数が取得されている。回帰式作成部35Dは、取得された過去の同一時期の業績情報と説明変数とにもとづいて回帰式の係数を特定する。図示例では、営業利益が7600万円であった一ヶ月間における内勤者の外出回数と外勤者の外出回数とが示されている。複数の期間における営業利益及び説明変数(図示例では外出回数)が参照されることによって、実際の営業利益と予測される営業利益との誤差が最小となる係数が特定される。図示例では、営業利益をy、内勤者の外出回数をi、外勤者の外出回数をoとした場合に、回帰式が以下の式で導出されている。内勤者の外出回数に対する係数xiとして「1」が導出され、外勤者の外出回数に対する係数xoとして「200,000」が導出されている。
y=xiΣi×xoΣo
業績情報予測部37は、係数が特定された回帰式に基づいて直近の一ヶ月の業績情報を予測する。すなわち、直近の一ヶ月における内勤者の外出回数と、外勤者の外出回数とが回帰式に代入される。図示例では、内勤者が2人であり、それぞれの外出回数が5回と10回である。また、外勤者は、過去から1人増えて3人になっており、それぞれの外出回数は20回、18回、22回である。図示のように、これらの説明変数が回帰式に代入されることによって、直近の営業利益は1億8000万円であると予測される(ステップS5)。
また、図9は、業績予測装置による業績情報の予測の他のイメージを示す。この例では、法人契約に基づいて使用される移動端末10だけでなく、個人契約に基づいて使用される移動端末10の利用情報も説明変数として利用され得る。そのため、位置情報データベースには、個人契約による移動端末の位置情報も格納されている。また、運用情報データベースには、個人契約による移動端末10の契約情報、使用情報等も格納されている。
業績予測装置30によって業績情報の予測が実行される場合、まず利用者によって予測の対象となる企業名および業績情報が企業名入力部36によって入力される(ステップS1)。図示例では、業績情報として営業利益が特定される。そこで、業績予測装置30では、回帰式作成部35Dが過去の営業利益の情報を企業情報データベース35Cから取得する(ステップS2)。続いて、説明変数作成部35Aは位置情報データベース31A及び運用情報データベース31Bから利用情報を取得し、説明変数を作成する(ステップS3)。続いて、業績予測装置30では、回帰式作成部35Dが予測モデルである回帰式を生成する(ステップS4)。すなわち、回帰式作成部35Dが説明変数格納部35Bから説明変数を取得する。回帰式作成部35Dは、取得された説明変数の中から過去の業績情報との相関係数が大きい説明変数を用いて回帰式を作成する。
図示例では、営業利益との相関係数が高い説明変数として内勤者、外勤者ごとの勤務時間が取得されている。また、営業利益との相関係数が高い説明変数として、対象企業を訪れた個人契約者数が取得されている。個人契約者数は、いわゆる来店者数であり、対象企業に該当する位置において個人契約による移動端末10の位置情報が観測された回数であってよい。なお、図9の例では、説明変数作成部35Aによって、企業の来店者数が作成されている。この場合、対象企業の従業員が来店者としてカウントされないように、長時間かつ高頻度で位置情報が観測される個人契約の移動端末10を従業員の私物とみなし、カウントから除外してもよい。
回帰式作成部35Dは、取得された過去の同一時期の業績情報と説明変数とに基づいて回帰式の係数を特定する。図示例では、営業利益が4000万円であった一ヶ月間における内勤者の勤務時間と外勤者の勤務時間と個人契約者数とが示されている。複数の期間における営業利益及び説明変数が参照されることによって、最も誤差が小さくなる係数が特定される。図示例では、営業利益をy、内勤者の勤務時間をi、外勤者の勤務時間をo、個人契約者数をcとした場合に、回帰式が以下の式で導出されている。内勤者の勤務時間に対する係数xiとして「1」が導出され、外勤者の勤務時間に対する係数xoとして「3」が導出され、個人契約者数に対する係数xcとして「400」が導出されている。
y=(xiΣi+xoΣo)×xcC
業績情報予測部37は、導出された回帰式に基づいて直近の一ヶ月の業績情報を予測する。すなわち、直近の一ヶ月における内勤者の勤務時間と、外勤者の勤務時間と、個人契約者数とが回帰式に代入される。図示のように、これらの説明変数が回帰式に代入されることによって、直近の営業利益は8000万円であると予測される(ステップS5)。
一般に、企業の業績を予測しようとした場合、業績に直接的に反映されやすい指標を用いることが考えられる。一例として、売り上げ等に直接に関係する直接部門に属する従業員の行動に基づく指標を用いて業績を予測することが考えられる。しかしながら、企業は直接部門のみで成立するものではなく、その他の要因が業績に与える影響は小さくない。実施形態に係る業績予測方法では、企業の法人契約がなされた移動端末10の利用情報に基づいて当該企業の業績が予測される。この場合、いわゆる直接部門の従業員のみならず間接部門の従業員の移動端末の利用情報も業績の予測に反映され得る。よって、業績の予測に用いられる情報が限定的になり難くなるため、予測精度を向上させることができる。一方で、説明変数の作成に使用される情報は全ての移動端末に係る利用情報ではなく、予測の対象となる企業によって法人契約がなされた移動端末の利用情報であるため、予測の際の演算量を抑制することができる。
予測モデルを生成するステップS4では、取得された利用情報に基づいて従業員を複数のカテゴリに分類し、カテゴリごとに取得される利用情報に基づいてカテゴリごとに説明変数を生成している。利用情報に基づいて分類された従業員のカテゴリには、従業員の職務等が反映されやすい。すなわち、カテゴリごとの説明変数は、職務ごとの説明変数に対応し得る。説明変数が職務ごとに分類されることによって、業績情報の予測精度が向上し得る。
予測モデルを生成するステップS4では、位置情報に基づいて従業員を複数のカテゴリに分類している。特に、当該ステップS4では、位置情報に基づいて従業員の移動状況を推定し、推定された移動状況に基づいて従業員を複数のカテゴリに分類している。上述の例では、複数のカテゴリは、企業の内勤者が分類されるカテゴリと企業の外勤者が分類されるカテゴリとを含んでいる。直接部門になりやすい外勤者と間接部門になりやすい内勤者とを別々に分類することによって、業績情報の予測精度が向上し得る。また、位置情報に基づいて従業員を分類しているので、内勤者と外勤者とを精度よく分類することができる。
予測モデルを生成するステップでは、内勤者が分類されたカテゴリにおいて作成された説明変数に係る項と外勤者が分類されたカテゴリにおいて作成された説明変数に係る項との乗算によって目的変数が求まる回帰式として予測モデルが生成されてもよい。この構成では、内勤者の説明変数に係る項を外勤者の全ての説明変数の項に影響させることができる。一例として、内勤者によって単価の増減、利益率の改善などが行われた場合に、これを業績予測に効果的に反映させることができる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成は上記実施形態に限られない。
また、法人契約がなされた移動端末10の利用情報に基づいて企業の業績を予測する例を示したが、これに限定されない。すなわち、企業の従業員が使用する移動端末の利用情報に基づいて当該企業の業績が予測されればよく、移動端末は、例えば企業の従業員の個人契約によるものであってもよい。例えば、移動端末の位置情報の履歴に基づいて、移動端末のユーザが企業の所在地において長期間にわたって高頻度で滞在していることが推定できる場合には、当該移動端末のユーザを当該企業の従業員であると推定してもよい。
業績情報として、営業収益、営業利益、株価、販売数量等を予測する技術について例示したがこれに限定されない。例えば、企業の業務量を一旦予測して、その予測された業務量に基づいて業績情報を予測してもよい。この場合、業務量とは、企業が取り扱う商品及び役務の量であり、例えば物流業界では貨物取扱量、自動車メーカーでは自動車生産台数などに相当する。業務量を目的変数として回帰式を作成することによって、直近の業務量を予測することができる。
また、移動端末の位置情報に基づいて推定される外出回数、勤務時間等を説明変数として例示したが、これに限定されない。例えば、移動端末の使用度合を説明変数としてもよい。
また、勤務分類判定部において契約住所を企業の位置とする例を示したがこれに限定されない。例えば、同じ企業が法人契約をしている移動端末が長期間にわたって高頻度に滞在する場所を事業所などの勤務場所の位置としてもよい。例えば、本社名義で通信端末を法人契約した場合に、支社、支店の従業員の勤務地が契約住所と一致しないという不具合を解消できる。
内勤者と外勤者とを分類する手法として、外出時間に対して、GMM(GaussianMixture Models)などの機械学習によるクラスタリングアルゴリズムを用いてもよい。また、外出時間についての閾値を予め設定しておき、当該閾値と各従業員の外出時間との比較に基づいて内勤者と外勤者との分類を行ってもよい。さらに、外出時間に代えてサービス提供者から提供されるサービスの利用状況などに関する指標を用いてもよい。また、サービスの利用状況等の複数の指標の数組み合わせに基づいて、内勤者と外勤者とを分類してもよい。
また、ある企業についての業績を予測する場合、当該企業だけでなく、他の企業の運用情報を利用してもよい。例えば、業界が同一で規模が同程度の企業群を抽出し、この企業群が契約する移動端末について一括して内勤者と外勤者との分類を実行してもよい。この場合、移動端末の使用者が外勤者及び内勤者の一方に偏る企業について勤務分類判定を実行する際にも、内勤者と外勤者とを精度良く分類できる。
また、勤務分類は、内勤者及び外勤者に限定されない。例えば、外勤者は、契約住所の位置に近い場所への外出頻度が高い近距離外勤者と、契約住所の位置から遠い場所への外出頻度が高い長距離外勤とに更に分類されてもよい。一例として、配送事業者において、顧客向け配送を行う従業員と、拠点間配送を行う従業員とを分類することができ、回帰式の精度を高められ得る。
また、内勤者、外勤者ごとに適した移動端末のハードウェア種類、契約サービス等が用意されている場合には、移動端末のハードウェア種類、移動端末ごとの契約サービスが勤務分類の指標であってもよい。
また、勤務分類判定部によって内勤者と外勤者との分類ができない場合には、当該企業の移動端末を使用する従業員を一律で内勤者もしくは外勤者とみなしてもよい。
また、説明変数作成部が移動端末から取得される運用情報に基づいて説明変数を作成する例を示したが、これのみに限定されない。例えば、説明変数作成部は、他の情報に基づく説明変数を更に作成してもよい。一例として、マクロ的な経済指標や統計情報、対象企業の業界の経済指標や統計情報、対象企業の事業所が所在する所定エリアの統計情報、対象企業に関する報道数、SNS(social networking service)での投稿数などを説明変数に加えてもよい。
また、予測モデル生成部では、少なくとも利用情報を含む情報から業績情報を予測できればよい。例えば、SVR(Support Vector Regression)、ランダムフォレスト等の他の機械学習による手法を用いてもよく、線形、非線形のいずれの予測モデルを用いてもよい。
また、いわゆる来店者数を説明変数として作成する例を示したが、この場合、個人契約の移動端末を性別、年代別、居住エリア別などで分計し、それぞれを説明変数としてもよい。性別、年代、居住エリアなどは、契約者情報に基づいて取得されてもよい。また、企業が製造する商品を販売する店舗を対象に、来店者数を集計してもよい。この場合、例えば、対象企業の従業員が頻繁に来訪する場所を対象企業の商品を販売する店舗とみなしてもよい。係る店舗の顧客数は当該企業の商品の販売数と相関があり、業績情報とも相関があることが期待される。
また、対象となる企業に係る情報のみならず、他企業における法人契約の移動端末の利用情報を説明変数に追加してもよい。例えば、対象企業に該当する位置において物流企業の法人契約による移動端末10の位置情報が観測された回数は、企業の仕入れ及び出荷と大きく関連すると推察されため、業績情報の予測精度の向上につながり得る。
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施の形態における業績予測装置30は、本開示の業績予測方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図10は、本開示の一実施の形態に係る業績予測装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の業績予測装置30は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。業績予測装置30のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
業績予測装置30における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の勤務分類判定部32、説明変数作成部35A、回帰式作成部35D、業績情報予測部37などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、業績予測装置30は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る業績予測方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、業績予測装置30は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
図11は、本実施形態に係る業績予測プログラムの構成を示す図である。業績予測プログラムPR1は、メインモジュールPR10、利用情報取得モジュールPR15、勤務分類判定モジュールPR16、予測モデル生成モジュールPR17及び業績情報予測モジュールPR18を備えている。
メインモジュールPR10は、業績予測処理を統括的に制御する部分である。メインモジュールPR10、利用情報取得モジュールPR15、勤務分類判定モジュールPR16、予測モデル生成モジュールPR17及び業績情報予測モジュールPR18を実行することにより実現される機能は、それぞれ利用情報取得部31、勤務分類判定部32、予測モデル生成部35、及び業績情報予測部37の機能と同様である。なお、予測モデル生成モジュールPR17は、企業情報データベースの機能を実現するための企業情報格納モジュールPR171を含む。
業績予測プログラムPR1は、例えば、CD-ROM、DVDもしくはROM等の記録媒体または半導体メモリによって提供される。また、業績予測プログラムPR1は、搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号としてネットワークを介して提供されてもよい。
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。