以下、添付図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本開示に係るユーザ分析システムは、サービスの顧客になり得るユーザのセグメントを推定するコンピュータシステムである。サービスとは、人に対して価値、効用、または満足を提供する無形財のことをいう。サービスにおいて有形財の提供が付加されてもよい。ユーザ分析システムによって管理されるサービスの種類は限定されず、例えば、ユーザ分析システムは家事代行、宅配、介護、または見守りに関するサービスを管理してもよい。顧客とはサービスを受ける人のことをいい、ユーザとはその顧客になる可能性がある人のことをいう。顧客およびユーザはいずれも、一人でもよいし、複数人から成るグループでもよい。セグメントとは、サービスの利用に関する価値観または行動が似ているユーザの集団のことをいう。セグメントはユーザの生活水準を反映してもよい。「ユーザのセグメントを推定する」とはユーザがどのセグメントに属するかを推定することを意味する。「ユーザのセグメント」は「ユーザが属するセグメント」と言い換えることができる。
一般に、サービスの提供においては、顧客は所与の複数のサービスから所望のサービスを選択するか、または該所与の複数のサービスから提供者によって提案されたサービスを選択して、そのサービスを享受する。顧客に合ったサービスを提供するためには、その顧客のセグメントを把握することが望ましい。例えば、顧客のセグメントを把握することで、顧客の実際のもしくは潜在的な要望、顧客の状況などに合ったサービスを提供することが可能になる。ユーザ分析システムはユーザのセグメントを推定することで、顧客に合ったサービスの提供に直接にまたは間接的に貢献し得る。例えば、サービス提供者はユーザ分析システムによって推定されたユーザのセグメントを参考にして、そのユーザに提供することが望ましいサービスを選択および提案することができる。
図1は実施形態に係るユーザ分析システム1の構成の一例を示す図である。ユーザ分析システム1は、ユーザのセグメントを推定するコンピュータであるサーバ10を備える。サーバ10は通信ネットワークを介してデータベース群20にアクセスすることができる。通信ネットワークの構成は限定されず、任意の方針で設計されてよい。例えば、通信ネットワークは移動体通信網、インターネット、イントラネット、WAN(Wide Area Network)のうちの少なくとも一つを含んで構成されてもよい。
サーバ10は機能要素としてユーザ取得部11、推定部12、および出力部13を備える。ユーザ取得部11は、セグメントを推定する対象となるユーザを特定する機能要素である。推定部12は特定されたユーザのセグメントを推定する機能要素であり、第1評価部121および第2評価部122を備える。第1評価部121はユーザの不動産情報に基づく評価値を居住評価値として算出する機能要素である。第2評価部122はユーザの行動履歴に基づく評価値を行動評価値として算出する機能要素である。出力部13は推定部12による推定結果を出力する機能要素である。
不動産情報に基づく評価値、すなわち居住評価値とは、不動産情報に所与のルールを適用することで得られる指数のことをいう。ユーザの行動履歴に基づく評価値、すなわち行動評価値とは、行動履歴から推定されるユーザの滞在状況に所与のルールを適用することで得られる指数のことをいう。ユーザの滞在状況は、ユーザが或る地理的位置に居たか居ないかを少なくとも示し、ユーザが該地理的位置にどのくらいの時間居たかをさらに示してもよい。居住評価値および行動評価値はいずれもユーザのセグメントを推定するために用いられる。一例では、第1評価部121は、ユーザの住所に対応する地理的位置の不動産価格が高くなるにつれて、その住所に対応する居住評価値が高くなるように、居住評価値を算出する。一例では、第2評価部122は、不動産価格が高い地理的位置での滞在時間が長いほど行動評価値が高くなるように、行動評価値を算出する。このような例では、推定部12はユーザの生活水準に応じて該ユーザのセグメントを推定するということができる。
サーバ10は少なくとも一つのコンピュータを用いて構成される。複数のコンピュータが用いられる場合には、これらのコンピュータが通信ネットワークを介して相互に接続することで、論理的に一つのサーバ10が構築される。
データベース群20は、ユーザ分析システム1において必要なデータを記憶するデータベースの集合である。本実施形態では、データベース群20はユーザデータベース21、不動産データベース22、位置情報データベース23、および購買履歴データベース24を含む。それぞれのデータベースはユーザ分析システム1の一部として構築されてもよいし、ユーザ分析システム1とは別のコンピュータシステムに設けられてもよい。サーバ10は個々のデータベースにアクセスしてデータを読み取ったり書き込んだりすることができる。
ユーザデータベース21は、ユーザに関するユーザ情報を永続的に記憶する非一時的な記憶媒体または記憶装置である。ユーザ情報の個々のレコードは、ユーザを一意に特定する識別子であるユーザIDと、ユーザ属性を示す1以上のデータ項目とを含む。ユーザ属性とは、ユーザに関連する性質、特徴、または状態を示す情報のことをいう。ユーザ属性のデータ項目の例として、名前、住所、電話番号、メールアドレス、生年月日、性別、職業、および家族構成が挙げられるが、ユーザ属性はこれらに限定されない。所与の会員情報または契約者情報を記憶するデータベースがユーザデータベース21として用いられてもよく、例えば、移動体通信の契約者情報がユーザデータベース21として用いられてもよい。
不動産データベース22は、不動産に関する不動産情報を永続的に記憶する非一時的な記憶媒体または記憶装置である。不動産とは、土地、または土地に定着している物のことをいい、より具体的には、土地および建物のうちの少なくとも一方のことをいう。建物は、例えば、一戸建てでもよいし、集合住宅の一物件でもよい。一例では、或る一つの不動産についてのレコードは、不動産の地理的位置(例えば地番、住所、座標など)、建物名、建物の築年数、不動産価格などの各種のデータ項目を含むが、不動産に関するデータ項目はこれらに限定されない。不動産情報の個々のレコードは個々の不動産に対応して設定されてもよいし、都道府県、市町村などの所与の行政区域に対応して設定されてもよいし、個々の郵便番号に対応して設定されてもよい。それぞれの行政区域またはそれぞれの郵便番号について不動産情報を設定する場合には、不動産価格は区域内での統計値(例えば平均値、中央値、最頻値など)によって表現されてもよい。不動産価格は物件価格ともいうことができる。不動産価格は、土地単価、建物の価格、成約価格のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
位置情報データベース23は、ユーザの位置を示す位置情報を永続的に記憶する非一時的な記憶媒体または記憶装置である。一例では、ユーザが利用する携帯端末の現在の地理的位置を示す情報が位置情報として用いられる。この場合には、携帯端末の現在の地理的位置が全地球測位システム(GPS)または基地局情報によって定期的に取得および収集されることで位置情報が位置情報データベース23に蓄積される。一例では、位置情報の個々のレコードは、ユーザID、測定日時、および地理的位置を含む。測定日時とは、地理的位置が測定または取得された日時のことをいう。地理的位置の表現方法は限定されず、例えば地理的位置は座標で表されてもよいし、行政区域名によって表されてもよい。
位置情報データベース23は、ユーザの行動履歴を記憶する行動履歴データベースの一例である。行動履歴とは、時間の経過に伴うユーザの地理的位置の変化を示す情報のことをいう。この行動履歴を参照することで、ユーザ分析システム1はユーザの滞在状況を推定することができる。位置情報は時間の経過に伴うユーザの地理的位置の変化を示すので、位置情報はユーザの行動履歴の一例である。ユーザ分析システム1は位置情報を参照することで、それぞれのユーザが現実世界の中でどのように移動したかを推定することができる。すなわち、ユーザ分析システム1は位置情報に基づいて、それぞれのユーザの様々な地理的位置での滞在状況を推定することができる。
本開示において、地理的位置とは、現実世界に存在する位置または範囲のことをいう。地理的位置は点で示されてもよいし、2次元または3次元の範囲で示されてもよい。例えば、不動産、ユーザ、携帯端末などの様々な人または物について、その地理的位置は代表点の座標で示されてもよいし、行政区域などのような所与の範囲で示されてもよい。
購買履歴データベース24は、商品またはサービスを購入した記録である購買情報を永続的に記憶する非一時的な記憶媒体または記憶装置である。一例では、購買情報の個々のレコードは、購入された商品またはサービスを示す商品情報と、その商品またはサービスを販売した店舗情報と、決済情報と、購入日時とを含む。商品情報を構成するデータ項目は限定されず、例えば、商品情報は1以上の商品名についての名称、購入数、購入数量を含んでもよい。店舗情報を構成するデータ項目も限定されず、例えば、店舗情報は名称、所在地、電話番号、およびメールアドレスを含んでもよい。決済情報は、決済金額および決済方法(例えば、現金、クレジットカード、電子マネーなど)を含んでもよい。購買情報はユーザに限らず様々な人々の購入履歴を示し、したがって、ビッグデータの一種であるといえる。
個々のデータベースに格納される個々の情報のデータ構造は限定されず、任意の方針で設計されてよい。例えば、ユーザ情報、不動産情報、位置情報、および購買情報の少なくとも一つが任意の方針で正規化または非正規化されて一または複数のデータテーブル上に記憶されてもよい。
図2および図3を参照しながら、本実施形態に係るユーザ分析システム1(より具体的にはサーバ10)の動作の一例を説明する。図2はユーザ分析システム1の動作の一例を処理フローS1として示すフローチャートである。図3は合計評価値とセグメントとの対応表の一例を示す図である。
ステップS11では、ユーザ取得部11が処理対象のユーザを特定する。ユーザの特定方法は限定されない。例えば、ユーザ取得部11は、サービス提供者によって入力されたユーザIDを取得することで、あるいは所与のバッチ処理において選択されたユーザIDを取得することで、ユーザを特定してもよい。あるいは、ユーザ取得部11は所与の操作によってユーザの端末から送られてきたユーザIDを取得することでユーザを特定してもよい。
ステップS12では、第1評価部121が、特定されたユーザの住所に対応する不動産情報を取得する。第1評価部121はユーザデータベース21を参照することで、取得されたユーザIDを含むユーザ情報を特定し、そのユーザ情報で示される住所を取得する。そして、第1評価部121は不動産データベース22を参照することで、その住所に対応する不動産情報を取得する。住所に対応する不動産情報とは、不動産の地理的位置がその住所に対応する不動産情報のことをいい、より具体的には、不動産の地理的位置が住所と一致するかまたは該住所を含む不動産情報のことをいう。例えば、ユーザの住所が「東京都港区赤坂X−Y−ZマンションM301号室」であり、不動産情報で示される不動産の地理的位置が「東京都港区赤坂X−Y−ZマンションM301号室」、「東京都港区赤坂X−Y−ZマンションM」、「東京都港区赤坂X−Y−Z」、「東京都港区赤坂」、または「東京都港区」である場合には、この不動産情報はその住所に対応する。
ステップS13では、第1評価部121が、取得された不動産情報に基づいて居住評価値を算出する。例えば、第1評価部121はユーザの住所に対応する不動産価格に基づいて居住評価値を算出してもよい。居住評価値の具体的な計算方法は限定されない。
一例では、第1評価部121はユーザの住所が属する区域(例えば行政区域)に対応する不動産情報を不動産データベース22から読み出し、その不動産情報に基づいて、該区域内に存在する不動産の価格の統計値(例えば平均値、中央値、最頻値など)を得る。この例において、第1評価部121は取得された不動産情報に基づいてユーザの建物の築年数を特定し、次いで、該区域内に存在し且つ築年数がユーザの建物と一致または近似する建物の価格の統計値(例えば平均値、中央値、最頻値など)を得てもよい。第1評価部121は不動産価格の統計値に基づいて居住評価値を算出する。例えば、第1評価部121は、地理的位置に対応する所与の重みを、統計値に基づく値に乗ずることで居住評価値を算出してもよい。
別の例では、第1評価部121はユーザの住所で示される不動産の価格、すなわちユーザの不動産の価格を不動産情報から特定し、その不動産価格に基づいて居住評価値を算出してもよい。この例でも、第1評価部121は、地理的位置に対応する所与の重みを、不動産価格に基づく値に乗ずることで居住評価値を算出してもよい。
地理的位置に対応する重みを適用することで、個々の不動産情報を利用することで生じ得る地域差を少なくすることができる。例えば、統計値または不動産価格が4000万円であり、重みが1.5であると仮定する。この場合に、第1評価部121は居住評価値を4000×1.5=6000と計算する。
ステップS14では、第2評価部122が、特定されたユーザの行動履歴を取得する。第2評価部122は位置情報データベース23を参照することで、取得されたユーザIDを含む位置情報を行動履歴として取得する。第2評価部122は現時点から所与の時間だけ遡った時点までの限定された過去期間(例えば、直近の3ヶ月間)における行動履歴のみを取得してもよい。
ステップS15では、第2評価部122が、取得された行動履歴に基づいてユーザの滞在状況を推定する。一例では、第2評価部122は位置情報に基づいて、1以上の地理的位置のそれぞれでのユーザの滞在状況を推定する。具体的には、第2評価部122はそれぞれの地理的位置でのユーザの滞在時間を推定する。第2評価部122は、ユーザの自宅および職場以外の1以上の地理的位置のそれぞれに限って滞在状況(例えば滞在時間)を推定してもよい。第2評価部122は、滞在時間の降順に地理的位置をソートし、上位n個の地理的位置に限って滞在状況を取得してもよい。
ステップS16では、第2評価部122がユーザの滞在状況に基づいて行動評価値を算出する。例えば、第2評価部122は1以上の地理的位置のそれぞれでのユーザの滞在時間に基づいて行動評価値を算出してもよい。行動評価値の計算方法は限定されない。
一例では、第2評価部122は1以上の地理的位置のそれぞれについて、滞在時間と、該地理的位置の所与の基準評価値との積を算出し、その積の総和を行動評価値として設定してもよい。基準評価値の計算方法は限定されない。一例では、基準評価値は購買履歴データベース24内の購買情報に基づいて算出されてもよく、例えば、地理的位置に対応する店舗、商品、またはサービスに関する購入金額に基づいて算出されてもよい。算出された基準評価値は、行動評価値を計算するために予め所定のメモリ内に記憶される。
第2評価部122は以下の式によって行動評価値を計算してもよい。
行動評価値=(地理的位置1の基準評価値E1)×(地理的位置1の滞在時間T1)+(地理的位置2の基準評価値E2)×(地理的位置2の滞在時間T2)+…+(地理的位置nの基準評価値En)×(地理的位置nの滞在時間Tn)
具体例として、第2評価部122がユーザの滞在状況として、六本木、銀座、および麻布での滞在時間がそれぞれ12時間、5時間、および6時間であったと推定したとする。また、六本木、銀座、および麻布の基準評価値がそれぞれ300、450、および270であるとする。この場合、第2評価部122は行動評価値を300×12+450×5+270×6=7470と計算する。
ステップS17では、推定部12が居住評価値および行動評価値に基づいてユーザのセグメントを推定する。これら二つの評価値からセグメントを推定する方法は限定されない。例えば、推定部12は居住評価値と行動評価値との和を合計評価値として求め、この合計評価値に基づいてユーザのセグメントを推定してもよい。この処理のために、推定部12は合計評価値とセグメントとの対応表を参照して、合計値に対応するセグメントを特定する。図3はその対応表の一例を示す図である。図3に示す対応表を前提として、居住評価値が6000であり行動評価値が7470であれば合計評価値は13470であるので、推定部12はユーザがセグメントScに属すると推定する。
ステップS18では、出力部13が、推定されたユーザのセグメントを推定結果として出力する。推定結果の出力方法は限定されない。例えば、出力部13は推定結果を、表示装置上に表示してもよいし、データベースなどの記憶装置に格納してもよいし、他のコンピュータに送信してもよい。あるいは、出力部13はユーザ分析システム1における後続の処理のために、ユーザ分析システム1の他の機能要素(図示せず)に向けて推定結果を出力してもよい。例えば、ユーザ分析システム1が、ユーザのセグメントに合致するサービスの種類を推定するレコメンド部を備える場合に、出力部13はこのレコメンド部に向けて推定結果を出力してもよい。
ユーザ分析システム1は複数のユーザのそれぞれについてセグメントを推定してもよく、この場合にはユーザ分析システム1はそれぞれのユーザについて処理フローS1を実行する。
上述したように、ユーザ分析システム1は任意の種類のサービスについてユーザのセグメントを推定してよい。例えば、ユーザ分析システム1は家事代行サービスの顧客になり得るユーザのセグメントを推定してもよい。家事代行サービスとは、作業員が顧客の家を訪問し、顧客に代わって家事を行うサービスのことをいう。家事とは、家庭生活を営むための仕事のことをいう。家事の具体的な種類は限定されず、例えば、掃除、炊事、洗濯、育児、買い物、介護、送迎、荷物の受け渡しなどがある。
図4は、家事代行サービスの提供のためにユーザのセグメントを推定する一例を示す図である。この例では、ユーザ分析システム1はユーザUaがセグメントScに属し、ユーザUbがセグメントSaに属すると推定する。サービス提供者はこの推定結果に基づいてユーザUa,Ubのそれぞれに対して適切な家事代行サービスを提案することができる。図4の例では、サービス提供者はセグメントScのユーザUaには低料金で且つ簡易なシングルプランを提案し、セグメントSaのユーザUbにはシングルプランよりも料金が高くて且つより高級なメニューを有するハイランクプランを提案している。
図5は、家事代行サービスの提供のためにユーザのセグメントを推定する別の例を示す。この例では、ユーザ分析システム1は複数のユーザのそれぞれについてセグメントを推定する。この推定によって、サービス提供者は1以上のユーザが属するセグメント30を特定することができる。サービス提供者はそのセグメント30の個々のユーザに向けて家事代行サービスのプロモーションを行うことができる。図5の例では、サービス提供者はセグメント30の個々のユーザに、クーポンの配信とハイランクプランの案内とを含むプロモーションを行っている。
図5の例に関して、推定部12は上記のステップS17において、居住評価値および行動評価値に加えて、住所以外のユーザ属性(例えば年齢、家族構成など)にも基づいてユーザのセグメントを推定してもよい。すなわち、推定部12は不動産情報と、滞在状況と、住所以外のユーザ属性とに基づいてユーザのセグメントを推定してもよい。例えば、推定部12は居住評価値および行動評価値に基づく合計評価値とユーザ属性とに基づいて個々のユーザのセグメントを推定してもよい。この処理によって、合計評価値が所与の範囲に含まれ、且つ、年齢または家族構成(独身か否か、共働きか否か、など)が特定の条件を満たすユーザのみを含む特定のセグメントが特定される。別の例として、推定部12は位置情報に基づいて個々のユーザの1日当たりの在宅時間を算出し、合計評価値とその在宅時間とに基づいて個々のユーザのセグメントを推定してもよい。この処理によって、例えば、合計評価値が所与の範囲に含まれ、且つ、算出された在宅時間が所与の閾値以下であるユーザのみを含む特定のセグメントを特定できる。あるいは、推定部12は合計評価値、ユーザ属性、および在宅時間に基づいて個々のユーザのセグメントを推定してもよい。この処理によって、例えば、合計評価値が所与の範囲に含まれ、年齢または家族構成が特定の条件を満たし、且つ在宅時間が所与の閾値以下であるユーザのみを含む特定のセグメントを特定できる。
推定部12は上記のステップS17において、居住評価値および行動評価値に加えて、ユーザの同居者(例えばユーザの家族)の滞在状況にも基づいてユーザのセグメントを推定してもよい。すなわち、推定部12は不動産情報と、ユーザの滞在状況と、同居者の滞在状況とに基づいてユーザのセグメントを推定してもよい。あるいは、推定部12は不動産情報と、ユーザの滞在状況およびユーザ属性と、同居者の滞在状況とに基づいてユーザのセグメントを推定してもよい。一例では、推定部12はユーザ属性に基づいてユーザの同居者を特定し、その同居者の行動履歴を記憶する行動履歴データベースを参照することで、1以上の地理的位置のそれぞれでの同居者の滞在状況を推定する。例えば、推定部12はその同居者の1日当たりの在宅時間をユーザの在宅時間と同じ方法で算出する。そして、推定部12は、合計評価値と、ユーザの在宅時間と、同居者の在宅時間とに基づいてユーザのセグメントを推定する。この処理によって、例えば、合計評価値が所与の範囲に含まれ、ユーザの在宅時間が所与の第1閾値以下であり、且つ同居者の在宅時間が所与の第2閾値以下であるユーザのみを含む特定のセグメントを特定できる。あるいは、推定部12は、合計評価値と、ユーザの在宅時間およびユーザ属性と、同居者の在宅時間とに基づいてユーザのセグメントを推定してもよい。この処理によって、例えば、合計評価値が所与の範囲に含まれ、ユーザの在宅時間が所与の第1閾値以下であり、ユーザが特定のユーザ属性を有し、且つ同居者の在宅時間が所与の第2閾値以下であるユーザのみを含む特定のセグメントを特定できる。
ユーザ分析システム1は不動産情報だけでなくユーザの行動履歴も考慮してユーザのセグメントを推定する。したがって、サービス提供者はその推定結果を用いて、サービスの顧客になり得るユーザをより精度よく推定することができる。図4および図5に示すように、サービス提供者は潜在的なニーズを抱えると予想されるユーザに対して適切な家事代行サービスを紹介または提案することができる。これは家事代行サービスの市場の拡大、適切な作業員の適切な配置、プロモーション効率の向上、客単価の向上などの様々な効果につながり得る。
上記実施形態ではユーザ分析システム1は居住評価値および行動評価値に基づいてユーザのセグメントを推定するが、居住評価値および行動評価値は必須ではない。ユーザ分析システムは、居住評価値とは別の指標または条件を用いて、不動産情報に基づいてユーザのセグメントを推定してもよい。あるいは、ユーザ分析システムは、行動評価値とは別の指標または条件を用いて、ユーザの滞在状況に基づいて該ユーザのセグメントを推定してもよい。
上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)または送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施の形態におけるユーザ分析システム1またはサーバ10は、本開示の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図6は、ユーザ分析システム1またはサーバ10として機能するコンピュータ100のハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ100は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含んでもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。サーバ10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
サーバ10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、サーバ10の各機能要素は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカ、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、コンピュータ100は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
以上説明したように、本開示の一側面に係るユーザ分析システムは少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、ユーザ情報に基づいてユーザの住所を特定し、不動産情報を記憶する不動産データベースを参照することで、住所に対応する不動産情報を取得し、ユーザの行動履歴を記憶する行動履歴データベースを参照することで、1以上の地理的位置のそれぞれでのユーザの滞在状況を推定し、取得された不動産情報と推定された滞在状況とに基づいてユーザのセグメントを推定する。
このような側面においては、不動産情報だけでなくユーザの行動履歴も考慮されてユーザのセグメントが推定されるので、この推定結果を用いることで、サービスの顧客になり得るユーザをより精度良く推定することができる。
他の側面に係るユーザ分析システムでは、不動産情報が不動産価格を含み、少なくとも一つのプロセッサが、住所に対応する不動産価格に基づいて居住評価値を算出し、該居住評価値に基づいてセグメントを推定してもよい。不動産価格に基づいてユーザの居住地を評価し、その評価に基づいて該ユーザのセグメントを推定することで、ユーザの生活水準を反映したセグメントを推定することができる。
他の側面に係るユーザ分析システムでは、不動産情報が建物の築年数をさらに含んでもよい。少なくとも一つのプロセッサは、住所からユーザの建物の築年数を特定し、住所が属する区域内に存在し且つ築年数がユーザの建物と一致または近似する1以上の建物の価格の統計値を算出し、統計値に基づいて居住評価値を算出してもよい。ユーザが住む区域内に存在し且つユーザの建物と同じような築年数の建物の価格に基づいて居住評価値を求めることで、ユーザの生活水準をより正確に推定できるので、ユーザのセグメントをより精度良く推定することが可能になる。
他の側面に係るユーザ分析システムでは、滞在状況が滞在時間を含み、少なくとも一つのプロセッサが、1以上の地理的位置のそれぞれでの滞在時間に基づいて行動評価値を算出し、該行動評価値に基づいてセグメントを推定してもよい。それぞれの地理的位置での滞在時間に基づいてユーザの行動を評価し、その評価に基づいて該ユーザのセグメントを推定することで、ユーザの生活水準を反映したセグメントを推定することができる。
他の側面に係るユーザ分析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、1以上の地理的位置のそれぞれについて、該地理的位置の基準評価値と該地理的位置での滞在時間との積を算出し、1以上の積の総和を行動評価値として設定してもよい。このような計算方法によって、ユーザの生活水準をより正確に反映する行動評価値が得られるので、ユーザのセグメントをより精度良く推定することが可能になる。
他の側面に係るユーザ分析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、ユーザの同居者の行動履歴を記憶する行動履歴データベースを参照することで、1以上の地理的位置のそれぞれでの同居者の滞在状況を推定し、取得された不動産情報と、ユーザの推定された滞在状況と、同居者の推定された滞在状況とに基づいてユーザのセグメントを推定してもよい。ユーザの同居者の滞在状況をさらに考慮することで、ユーザのセグメントをより精度良く推定することが可能になる。
他の側面に係るユーザ分析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、ユーザへの家事代行サービスの提供のためにユーザのセグメントを推定してもよい。この場合には、家事代行サービスの顧客になり得るユーザをより精度良く推定することができる。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE−Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS−GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS−GW)であってもよい。
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、基地局が有する機能をユーザ端末が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、ユーザ端末が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。