JP7085081B1 - 複合部材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
これらに記載の方法は、レーザーで対象部材の表面に溝を形成するため、局所的な発熱があり、接合部材の熱膨張に起因する変形を生じることがあった。また樹脂にレーザー加工した場合、樹脂の炭化物が接合面に残り経時での接合性を劣化させる場合があるという課題があった。
それに対し特許文献3では、無機材料からなる層を有する技術が提案されている。
本発明の目的は、樹脂同士、または樹脂と金属やガラス、無機材料といった異種材料とを生産性高く複合化した複合部材の新たな製造方法を提供することにある。
1. 基材上に無機粒子からなる層を有する第1部材と、エラストマからなる第2部材、とを無機粒子からなる層を介して接合してなる複合部材であって、該無機粒子からなる層が、平均粒径1nm以上20nm未満の無機粒子を配置した面を有する層であり、該面の少なくとも一部が構造色を有する複合部材。
2. 基材上に無機粒子からなる層を有する第1部材と、エラストマからなる第2部材、とを無機粒子からなる層を介して接合してなる複合部材の製造方法であって、該無機粒子からなる層が、平均粒径1nm以上20nm未満の無機粒子を0.1質量%以上15質量%未満の濃度で溶媒中に分散した分散液を使用して形成したものである、複合部材の製造方法。
3. 前記基材が、樹脂またはエラストマからなる前記2に記載の複合部材の製造方法。
4. 前記無機粒子を分散する分散液の溶媒が、沸点100℃以下の有機溶媒である前記2または3記載の複合部材の製造方法。
5. 前記基材上の無機粒子からなる層が、移流集積法により形成されたものである前記1~4いずれかに記載の複合部材の製造方法。
6. 前記第1部材と第2部材との接合方法が、溶着または射出成形である前記2~5いずれかに記載の製造方法。
7. 前記第1部材と第2部材の接合が、溶着または射出成形である前記1記載の複合部材。
本発明の複合部材の製造方法一態様は、基材上に無機粒子からなる層を有する第1部材と、エラストマからなる第2部材、とを無機粒子からなる層を介して接合してなる複合部材の製造方法であって、該無機粒子からなる層が、平均粒径1nm以上20nm未満の無機粒子を0.1質量%以上15質量%未満の濃度で分散した分散液を使用し、移流集積法により形成したものであることを特徴とする。
本発明の第1部材上の無機粒子からなる層(以下、単に粒子層ともいう)は、平均粒径1nm以上20nm未満の無機粒子からなるものである。また、層の厚さは1~500nmであることが好ましい。この層は、最密充填した無機粒子からなる層であることが好ましい。そしてこの無機粒子からなる層は、0.1質量%以上15質量%未満の濃度で分散した分散液を使用し、移流集積法等によって形成されたものである。
〔平均粒径(比表面積径)〕
b有機溶媒に分散した無機粒子の乾燥後、BET法による比表面積S(m2/g)を測定し、以下の換算式(1)にて、平均粒径d(nm)を求めた。
[数1]
d(nm)=6000/[ρ(g/cm3)×S(m2/g)](1)
(式中、dは平均粒径、ρは密度、Sは比表面積をあらわす。シリカでは、密度は2.2(g/cm3)を採用した。)。
本発明の粒子層を形成するための基材は、移流集積法を適用することができる素材からなる基材であれば制限はない。例えば、金属、ガラス、セラミック、樹脂等が挙げられるが、より接合力の強い最密構造を均一に形成させるためには、基材の熱伝導率が500W/m・K以下の素材であることが好ましく、400W/m・K以下の素材であることがより好ましい。基材の熱伝導率は、射出成型時、溶着時の樹脂の固化速度の観点から、この範囲とすることが好ましい。
本発明の粒子層を形成する基材の表面は、表面粗さが、Rmax≧Rz≧Rmax-10%、かつRmax=1~10μmであることが好ましい。より好ましいRzはRz≧Rmax-5%である。また、Rmaxは1.5~8μmであることがより好ましく、2~5μmであることがさらに好ましい。このような面粗さとすることで、無機粒子の充填性を向上させることができる。
本発明の第2部材は、エラストマからなる。エラストマとしては、収縮率sh(%)と弾性率E(MPa)が、E≦100000×exp(-2.64×sh)の関係を満足するエラストマ、エラストマを含む樹脂組成物であることが好ましい。エラストマを含む樹脂組成物の母材樹脂としては、第1部材の基材として挙げた樹脂を使用することができる。
≪第1部材の製造方法≫
本発明では、基材が樹脂である場合、基材表面の層を構成する無機粒子を、イソプロピルアルコール、メタノール、酢酸エチル、ベンゼン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン等の溶媒中に分散させた分散液に、基材を浸漬して引き上げることで、いわゆる移流集積法により基材表面に無機粒子層が形成された第1部材を製造することができる。
移流集積時の溶媒揮発による無機粒子ハンドリングの観点で、沸点は室温以上であることが好ましく、溶媒が揮発するまでの時間での無機粒子が凝集し結晶化の観点から、沸点は100℃以下であることが好ましい。
本発明では、第1部材の無機粒子層の上に、第2部材を構成する樹脂組成物を溶融状態で接触させた上で、当該樹脂組成物を冷却固化させることで、第2部材の接合を行う。接合方法は特に限定されず、例えば、無機粒子層を有する第1部材を、第2部材成形用の金型中に配置し、第2部材を構成する樹脂組成物を、第1部材の無機粒子層上に射出成形(いわゆるインサート成形)することで、第2部材の接合を行うこともできるし、あらかじめ成形しておいた第2部材の表面のうち、接合に用いる領域を加熱溶融させた状態で、第1部材の無機粒子層と接触させて加圧(いわゆる溶着)することで接合を行うこともできる。
<基材の調製>
POM樹脂組成物1:ポリプラスチックス株式会社製ポリアセタール樹脂組成物:ジュラコン(登録商標)M90-40、(収縮率2.0%、弾性率2500MPa)、シリンダ温度200℃、金型温度80℃、射出速度50mm/sec、保圧力60MPaにて基材を射出成形した。
イソプロピルアルコール(IPA、表面張力値20.8mN/m)またはメタノール(MTA、表面張力値22.6mN/m)中に平均粒径12nmのシリカ粒子を表に示した濃度に調整した液体中に、上述の基材を浸してから段差の接合面が液面に対し垂直になるように引き上げる操作(ディップ)を1回行うことで、基材の接合面に対しシリカ粒子を移流集積法により塗布し、23℃で乾燥させてイソプロピルアルコールを揮発させ、基材表面に無機粒子層を形成して第1部材を製造した。
比較用として、無機粒子の平均粒径25nm、平均粒径45nmを使用した。
第1部材の無機粒子層形成面の一部と、第2部材を形成するための上記試験片のキャビティの一部がオーバーラップするように設計された、複合部材成形用の金型内部に、第1部材を設置し、第2部材を構成する樹脂組成物を射出成形することで図2に示すような複合部材をインサート成形により製造した。
前記第1部材と第2部材の組み合わせにて、上述の方法で調整した複合部材について、まず第1部材と第2部材との接触面の周囲のバリを除去した後、試験片固定用治具に第1部材を固定した。次いで、島津製作所製 オートグラブAG-20kNXDplusを用い、引張速度500mm/minで、第1部材と第2部材とを剥離させた時の接合強度(MPa)を測定した。第2部材の射出条件も変化させた結果も含め、表1~3に示す。
<良品率>
上記複合部材を、10ショットインサート成形し、離型時に第1部材と第2部材が剥がれず、サンプルが取れたものを良品数としてカウントし、良品率を算出した(例えば、10個中3個剥がれず採取できれば、3/10×100=30%とする。)。結果を表1~3に示す。
Claims (7)
- 基材上に無機粒子からなる層を有する第1部材と、エラストマからなる第2部材、とを無機粒子からなる層を介して接合してなる複合部材であって、該無機粒子からなる層が、平均粒径1nm以上20nm未満の無機粒子を配置した面を有する層であり、該面の少なくとも一部が該無機粒子の配置により発現した構造色を有する複合部材。
- 基材上に無機粒子からなる層を有する第1部材と、エラストマからなる第2部材、とを無機粒子からなる層を介して接合してなり、該無機粒子からなる層が、平均粒径1nm以上20nm未満の無機粒子を配置した面を有する層であり、該面の少なくとも一部が該無機粒子の配置により発現した構造色を有する複合部材の製造方法であって、該無機粒子からなる層が、該平均粒径1nm以上20nm未満の無機粒子を0.1質量%以上15質量%未満の濃度で溶媒中に分散した分散液を使用して形成したものである、複合部材の製造方法。
- 前記基材が、樹脂またはエラストマからなる請求項2に記載の複合部材の製造方法。
- 前記無機粒子を分散する分散液の溶媒が、沸点100℃以下の有機溶媒である請求項2または3記載の複合部材の製造方法。
- 前記基材上の無機粒子からなる層が、移流集積法により形成されたものである請求項2~4いずれかに記載の複合部材の製造方法。
- 前記第1部材と第2部材との接合方法が、溶着または射出成形である請求項2~5いずれかに記載の製造方法。
- 前記第1部材と第2部材の接合が、溶着または射出成形である請求項1記載の複合部材。
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