JP7084052B2 - 圧閉度処理装置、圧閉度制御装置、及び圧閉度制御システム - Google Patents

圧閉度処理装置、圧閉度制御装置、及び圧閉度制御システム Download PDF

Info

Publication number
JP7084052B2
JP7084052B2 JP2020145958A JP2020145958A JP7084052B2 JP 7084052 B2 JP7084052 B2 JP 7084052B2 JP 2020145958 A JP2020145958 A JP 2020145958A JP 2020145958 A JP2020145958 A JP 2020145958A JP 7084052 B2 JP7084052 B2 JP 7084052B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure closure
tube
unit
degree
imaging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020145958A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022040976A (ja
Inventor
智之 山家
泰之 白石
雄介 井上
昭博 山田
碧 深谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Original Assignee
Tohoku University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2020145958A priority Critical patent/JP7084052B2/ja
Publication of JP2022040976A publication Critical patent/JP2022040976A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7084052B2 publication Critical patent/JP7084052B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Reciprocating Pumps (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)

Description

特許法第30条第2項適用 令和1年9月1日に、一般社団法人 日本人工臓器学会 日本体外循環技術医学会 編集委員会、体外循環技術、46巻、3号、p310にて公開 令和1年10月5日に、第45回日本体外循環技術医学会大会にて発表 令和1年10月30日に、一般社団法人日本人工臓器学会、人工臓器、48巻、2号、pS-209にて公開 令和1年11月15日に、第57回日本人工臓器学会大会にて発表 令和2年5月25日に、第59回日本生体医工学会大会にて発表 令和2年8月5日に、公益社団法人日本生体医工学会、日本生体医工学、Annual58巻、Abstract号、第266頁にて公開
本発明は、圧閉度処理装置、圧閉度制御装置、及び圧閉度制御システムに関する。
体外循環装置等に用いられるローラーポンプ(チューブを備えたポンプ)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このローラーポンプの基本原理は、弾力性を有するチューブを、回転するローラーで連続的にしごき(圧閉し)、チューブ内部の流体を送り出すことである。
ローラーポンプは、ポンプチューブの一部が常にローラーにより圧閉されており、チューブ内部の流体が高圧側から低圧側に逆流せず、拍動ポンプのような弁機構を必要としないことに特徴を有する。
ローラーポンプのチューブの流出側の吐出力は、ポンプのローラーの回転力により発生する。一方、チューブの流入側には、ポンプチューブの復元力により吸引力も発生するため、ローラーポンプは、吸引ポンプとしても使用することができる。また、ポンプのローラーを逆回転させた場合、チューブ内の流体が逆方向へ吐出される。
ポンプのローラーの一回転当たりの吐出量は、ローラーにしごかれるポンプチューブの容積により規定される。つまり、ローラーポンプは、ローラーの回転数に正比例した流量の流体を吐出する。
一般的なローラーポンプでは、経験則だけの根拠に基づくマニュアルに従って、手動にて圧閉度が設定される。
圧閉度は、ローラーがポンプ周壁に対してポンプ用チューブを圧迫する度合である(後記非特許文献6参照)
ローラーポンプの圧閉度は高すぎても低すぎても溶血することが知られている(非特許文献1~4)。例えばローラーポンプの圧閉度の調整不足で溶血が生じた場合、溶血により腎不全などの虞がある。
圧閉度の一般的な設定方法(A)、(B)を説明する。
(A)ポンプチューブの遠位部に装着した点滴ラインの滴下の速度を観測し、毎分5~10滴等の規定の滴下となるように、体外循環のローラーとポンプチューブの圧閉度を、手動でオクルージョン調節ノブを操作して設定する(日本産業規格「JIS T1603」による圧閉度設定法)。
(B)送血回路に1m水柱圧をかけたときの回路液面の降下速度を観測し、液面が毎分1cm等の規定速度で降下するように、体外循環のローラーとポンプチューブの圧閉度を、手動でオクルージョン調節ノブを操作して設定する。
特開2003-113782号公報 特開2019-157653号公報
後藤和大,野川渚,長谷川静香,原季実子,林啓介,林裕樹、ガイドラインに準じた適正圧閉度調整における施行者による誤差の検討、体外循環技術、2010年03月、(0912-2664)第37巻、第1号、Page46-49 黒岩常泰、人工心肺による体外循環の臨床的研究,とくに名大VI型人工心肺装置の潅流成績ならびに適正潅流の考察、日本胸部外科学会雑誌、1966年、14、P.1153-1194 人工心肺装置の標準的接続方法およびそれに応じた安全教育等に関するガイドライン、日本心臓血管外科学会・日本胸部外科学会・日本人工臓器学会・日本体外循環技術医学会 許俊鋭,四津良平,冨澤康子,林裕樹,寺井大輔,百瀬直樹,又吉徹,関口敦,吉田譲,津藤保、人工心肺安全ガイドライン 第I部 「人工心肺装置の標準的接続方法およびそれに応じた安全教育等に関するガイドライン」 ガイドラインを読み解く重要ポイント(解説/特集)、Clinical Engineering (0916-460X)、別冊人工心肺安全ガイドライン、2007年11月、Page11-130 志水秀行,平原憲一,本村昇,宮田裕章,高本眞一、本邦における2015、2016年の心臓血管外科手術の現状 日本心臓血管外科手術データベースからの報告4.胸部大動脈手術(会議録)、日本心臓血管外科学会学術総会抄録集 49回、2019年2月、Page SP03-03 日本規格協会,「人工心肺用電動式血液ポンプ:JIST1603」,1995年
しかしながら、上述した圧閉度の設定方法では、ローラーポンプやポンプチューブごとにばらつきがあり再現性に乏しく、さらに、繰返し圧力負荷による耐久性低下でチューブの物性の変化があるという問題点があった(例えば非特許文献3,4参照)。つまり、体外循環中に圧閉度が変化し、溶血を増加させ、腎不全の危険にさらし、ひいては多臓器不全のリスクを増加させて、患者さんの生命の危機に直結させてしまうという問題点があった。
心臓外科手術後の合併症の発症は患者さんの命に直結する最重要問題の一つであり、例えば、最も重症である解離性大動脈瘤破裂後の救命のための緊急手術では、未だ18%前後の術後腎不全の発症があることが、最新の日本心臓外科学会データベースから判明している(非特許文献5)。
また、上述した設定方法では、体外循環中のローラーポンプの圧閉度設定が困難であり、理論的に考えても、技術的に鑑みても、再現性が低く、心臓外科手術後の患者さんの予後や生命に関わるという大きな問題が解決できなかった。これは、日本最大の心臓血管外科手術データベースでも示唆されている(非特許文献5)。
また、物理的な存在である以上、ポンプシステムに関しても消耗品のチューブに関しても、繰返し圧力負荷により、経年劣化が当然想定されるが、この分野の研究はなく、また、手術中にリアルタイムにモニターする方法がない。
また、特許文献2には、チューブ内腔の圧力を圧力検出手段で検出し、検出された圧力情報に基づいて、ローラーポンプの回転軸(第1の軸)とローラーとの距離を調整することで圧閉度を調整する技術が記載されているが、チューブ内の圧力検出だけでは圧閉度を高精度に検出、調整することが困難であり、また、上述したポンプチューブやローラーポンプごとの特性のばらつき、繰返し圧力負荷によるチューブの耐久性低下等に対処することができない。
本発明の圧閉度処理装置は、以下の構成を少なくとも具備するものである。
体外循環装置用のローラーポンプに用いられる可撓性のチューブの圧閉度に関する処理を行う圧閉度処理装置であって、
押圧部と、円弧状の面を備えた固定ガイド部と、撮像部と、圧閉度特定部とを有し、
前記押圧部は、前記固定ガイド部と前記押圧部の間に配置されたチューブを押圧し、
前記圧閉度特定部は、前記固定ガイド部と前記押圧部の間に配置された前記チューブにおいて、前記押圧部により押圧されたチューブの変形部分を、前記撮像部により撮像して得られた画像に基づいて、前記チューブの変形部分の形状を算出し、前記変形部分の形状に基づいて圧閉度を特定することを特徴とする。
また、本発明の圧閉度制御装置は、上記圧閉度処理装置を備え、体外循環装置用のローラーポンプの圧閉度を制御する圧閉度制御装置であって、
前記ローラーポンプの圧閉度を調整可能な圧閉度調整駆動部と、
前記圧閉度特定部により特定された圧閉度と、目標値との差に基づいて、前記圧閉度調整駆動部を駆動制御する圧閉度調整部とを有することを特徴とする。
また、本発明の圧閉度制御システムは、体外循環装置用ローラーポンプと、上記圧閉度制御装置とを有することを特徴とする。
本発明の実施形態に係る、チューブを備えたポンプの圧閉度処理装置の一例を示す全体概念図である。 ローラーポンプに設けられた検出手段としての撮像部の動作の一例を説明するための概念図である。(a)はローラーポンプの一例を示す全体斜視図である。(b)は透光性のチューブの押圧部分(変形部分)を撮像して得られた画像(不完全圧閉状態)の一例を示す図である。(c)は透光性のチューブの押圧部分(変形部分)を撮像して得られた画像(最適な圧閉状態)の一例を示す図である。 ローラーポンプのチューブの圧閉を説明するための概念図である。(a)は圧閉度が過度のときのローラーポンプの一例を示す概念図である。(b)は最適な圧閉のときのローラーポンプの一例を示す概念図である。(c)は不完全な圧閉のときのローラーポンプの一例を示す概念図である。 ローラーポンプのチューブの検出手段(撮像部等)を説明するための図である。(a)はローラーポンプの固定ガイド部(円弧状の面を有する)の内面に設けられた検出手段の一例を示す図である。(b)はローラーポンプの固定ガイド部の外壁に設けられた検出手段の一例を示す図である。(c)はチューブの上部に配置された検出手段の一例を示す図である。(d)はチューブと固定ガイド部の間に配置された検出手段の一例を示す図である。 図4(b)に示した検出手段の撮影部により撮影して得られた画像の一例を示す写真である。 圧閉度処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。 チューブの圧閉度を計測する計測装置(圧閉度処理装置)の一例を示す全体概念図である。 図7に示す計測装置(圧閉度処理装置)の動作の一例を説明するための図である。(a)は非押圧状態のチューブの一例を示す概念図である。(b)は押圧状態のチューブの一例を示す図である。 ローラーポンプの圧閉度の測定方法の一例を説明するためのフローチャートである。 チューブの押圧部分を撮像部により撮像して得られた画像及び画像処理を説明するための図である。(a)は赤色の流体が充填された透光性のチューブの押圧部分を撮像して得られたRGB画像(赤色濃淡画像)の一例を示す写真である。(b)は透明の液体(流体)が充填された透光性のチューブの押圧部分を撮像して得られたRGB画像の一例を示す写真である。(c)は(a)に示したRGB画像の緑色成分を抽出した濃淡画像(グレースケール)である。(d)は(b)に示したRGB画像の緑色成分を抽出した濃淡画像(グレースケール)である。(e)は(c)に示す濃淡画像と(d)に示す濃淡画像の差分である差分画像の一例を示す図である。 深度変換処理の一例を説明するための図である。(a)は2枚の透光性プレートの間の楔形隙間に赤色流体を充填させたキャリブレーション用部材を撮像して得られた画像の一例を示す図である。(b)は深度と濃度の関係の一例を示す図である。 押圧されたチューブ内の狭小流路(隙間)の3次元表示の一例を示す図である。 押圧されたチューブ内の狭小流路の隙間(撮像方向に沿った長さ)の一例を示す図である。 検出手段としてマイクロフォーカスCT装置を採用した圧閉度処理装置の一例を説明するための概念図である。(a)は検出手段としてマイクロフォーカスCT装置を採用した圧閉度処理装置の一例を示す概念図である。(b)はチューブの押圧部分の断面形状の一例を示す概念図である。 マイクロフォーカスX線CT装置により、体外循環時のチューブの変形を定量計測することを説明するための写真である。(a)はチューブの押圧部分のX線CT画像の一例を示す図である。(b)は押圧されたチューブ内の短軸方向の断面画像の一例を示す図である。(c)は押圧されたチューブ内の垂直長軸方向の断面画像の一例を示す図である。(d)は押圧されたチューブ内の水平長軸方向の断面画像の一例を示す図である。 体外循環用チューブの繰返し圧力負荷による物性変動の一例を示す図である。(a)はC=5.82μL/mmHgの場合の物性変動の一例を示すグラフである。(b)はC=4.63μL/mmHgの場合の物性変動の一例を示すグラフである。 ローラー部(押圧部)の押圧方向に直交する方向(チューブの短軸方向)からチューブを撮像して得られた画像である。(a)は赤色流体が充填された透光性チューブのローラー部(押圧部)により押圧された部分を撮像して得られた画像である。(b)は透明流体が充填された透光性のチューブのローラー部(押圧部)により押圧された部分を撮像して得られた画像である。(c)は背景に明暗パターンを配置した状態で、透明流体が充填された透光性のチューブのローラー部(押圧部)により押圧された部分を撮像して得られた画像である。(d)は背景に明暗パターンを配置した状態で、赤色流体が充填された透光性チューブのローラー部(押圧部)により押圧された部分を撮像して得られた画像である。 (a)は明暗パターンを透光性のチューブを介して撮像する撮像部(検出手段)の一例を説明するための図である。(b)は基線を有する明暗パターン(線状パターン)の一例を示す図である。(c)は明暗パターンとしての格子パターンの一例を示す図である。(d)は複数のドットが規定間隔離れて配置された明暗パターンの一例を示す図である。(e)は複数のドットがランダム配置された明暗パターンの一例を示す図である。 明暗パターンをチューブを介して撮像して得られた画像を説明するための図である。(a)は撮像して得られた画像の一例を示す図である。(b)は圧閉部の断面と圧閉度解析部位(狭小部)を説明するための図である。 明暗パターンをチューブを介して撮像して得られた画像と特徴点を説明するための図である。(a)は過度圧閉状態の一例を示す画像である。(b)は不完全圧閉状態の一例を示す画像である。 ローラー部(押圧部)の変位と特徴点(明暗パターン)の変位量(変化量)の関係の一例を説明するための図である。
本発明の実施形態に係る圧閉度処理装置は、体外循環装置用のローラーポンプに用いられる可撓性のチューブの圧閉度に関する処理を行う。この圧閉度処理装置は、押圧部と、円弧状の面を備えた固定ガイド部と、撮像部と、圧閉度特定部とを有し、押圧部は、固定ガイド部と押圧部の間に配置されたチューブを押圧し、圧閉度特定部は、固定ガイド部と押圧部の間に配置されたチューブにおいて、押圧部により押圧されたチューブの変形部分を、撮像部により撮像して得られた画像に基づいて、チューブの変形部分の形状を算出し、変形部分の形状に基づいて圧閉度を特定する。
また、本発明の実施形態に係る圧閉度制御装置は、体外循環装置用のローラーポンプの圧閉度を制御する圧閉度制御装置であって、上記圧閉度処理装置を備え、ローラーポンプの圧閉度を調整可能な圧閉度調整駆動部と、圧閉度特定部により特定された圧閉度と、目標値との差に基づいて、圧閉度調整駆動部を駆動制御する圧閉度調整部とを有する。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。なお、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部分省略する。
又、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法等を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1は本発明の実施形態に係る、チューブ24を備えたポンプ(ローラーポンプ20)の圧閉度処理装置100の一例を示す全体概念図である。図2はローラーポンプ20に設けられた検出手段としての撮像部12の動作の一例を説明するための概念図である。
本発明の実施形態に係る圧閉度処理装置100は、体外循環装置用のローラーポンプ20に用いられる。図1に示す例では、圧閉度処理装置100は、体外循環装置用のローラーポンプ20の圧閉度を制御する圧閉度制御装置として機能する。圧閉度制御システムは、圧閉度制御装置とローラーポンプを有する。
体外循環装置は、例えば人工心肺装置、人工透析装置等であり、少なくともローラーポンプ20を有する。
人工心肺装置は、例えば、送血ポンプ、ベントポンプ、人工肺装置、貯血槽、血液フィルタ、気泡センサーなどを有する。ローラーポンプは、送血ポンプ、ベントポンプ、術野の出血を吸引するポンプ等として用いられる。
ローラーポンプ20は、回転軸21を中心に回転するローラー22(押圧部)、ローラー22を回転駆動する駆動モーター23、可撓性(弾力性)を有するチューブ24、筐体26、固定ガイド部25を有する。図1、図2に示す例では、固定ガイド部25は筐体26に固定されている。
ローラー22は、回転軸21に対して所定距離だけ離れた位置を回転するように構成されている。ローラーポンプ20は、1つ又は2つ以上の複数個のローラー22を有する。本実施形態では、2つのローラー22がローラーポンプ20に設けられている。
筐体26の内部には、ローラー22やチューブ24を収容する収容空間25bが形成されている。固定ガイド部25は、円弧状の面25a(内壁)を有する。この円弧状の面25aに沿ってチューブ24が配置されている。チューブ24の流入側24aや流出側24bは、ローラーポンプ20の外部に配置されている。チューブ24内には、血液や模擬血液などの流体が充填される。また、ポンプのチューブ24に充填される流体は、赤色等の所定の色の色素(着色料等)を含有する流体であってもよい。
ローラー22と固定ガイド部25の間にチューブ24が配置され、ローラー22が回転軸21を中心として規定方向に回転することにより、ローラー22がチューブ24の側面を押圧して連続的にしごき、チューブ24内の流体を流出側24bへ送出する。
また、本実施形態では、ローラーポンプ20は、ローラー22により押圧されるチューブ24の圧閉度を調整する機構(圧閉度調整機構27)を有する。この圧閉度を調整する機構は、例えば回転軸21とローラー22の間の距離を長短調整可能な構造である。
なお、圧閉度を調整する機構は、固定ガイド部25の円弧状の面25a(内側面)の位置をずらすことにより、円弧状の面25a(内側面)と回転軸21の間の距離を長短調整可能な構造であってもよい。
圧閉度調整機構27は上述した実施形態に限られるものではなく、チューブの圧閉度を調整することができる機構であればよい。
図1に示す例では、圧閉度処理装置100(圧閉度制御装置)は、制御部11、検出手段としての撮像部12、操作表示部13、記憶部14、圧閉度調整駆動部15、第1流量検出部161、第2流量検出部162、第1内圧検出部171、第2内圧検出部172、圧力検出部18等を有する。
撮像部12(検出手段)は、例えば、ローラーポンプ20のチューブ24やチューブ24内の流体を撮像する。撮像部12は、例えば、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ、フォトダイオード(受光部)などの撮像装置である。詳細には、撮像部12は、固定ガイド部25とローラー22(押圧部)の間に配置されたチューブ24において、ローラー22(押圧部)により押圧されたチューブ24の変形部分やチューブ内の流体を撮像して得られた画像を出力する。
本実施形態では、撮像部12は、カラー画像(RGB画像)を生成することができる。
図1に示す例では、撮像部12は、固定ガイド部25に設けられている。詳細には、撮像部12は固定ガイド部25のチューブ24に当接する位置に配置されている。撮像部12の撮像方向は、チューブ24の長手方向に直交する方向であり、具体的にはローラー22と固定ガイド部25によりチューブ24を押圧した状態で、撮像部12からチューブ24の押圧部分を介してローラー22へ向かう方向である。
図1に示す例では、ローラーポンプ20には、検出手段として撮像部12の他に、LED等の光源121が設けられていてもよい。撮像部12は、光源121から出射された光が、チューブ24内の流体やチューブ24で反射し、反射光を撮像部12が受光してもよい。
また、撮像部12は、光源121から出射され、チューブ24やチューブ24内の流体を通った光を受光してもよい。
光源121は、例えば、白色光LED、赤色LED、緑色LED、又は青色LED等の所定の波長の光を出射する光源であってもよいし、ハロゲンランプ等であってもよいし、濃淡のある基線を投射してもよい。本実施形態では、光源121として白色LEDを採用した。
また、必要に応じて特定の波長の光を透過しそれ以外の波長を低減するフィルタを、光源121又は撮像部12に設けてもよい。
なお、撮像部12で受光する光のレベルが、圧閉度の特定や制御を行うのに充分なレベルであれば、光源121を設けなくともよい。
制御部11は、撮像部12からの信号に基づいて圧閉度を特定する処理を行う。
なお、検出手段としての撮像部12は、X線CT装置、又は超音波プローブを備えた超音波画像処理装置であってもよい。
操作表示部13は、操作者により操作可能なスイッチやボタン等の操作部132、制御部11の制御により所定の情報や画像等を表示する表示部131等を有する。また、操作表示部13は、タッチパネル付き表示装置であってもよい。
記憶部14は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD、着脱自在な記憶装置等であり、制御プログラム(プログラム)や所定のデータ等を記憶する。
圧閉度調整駆動部15は、ローラーポンプ20の圧閉度調整機構27を介して、ローラーポンプ20のチューブ24の圧閉度を調整可能である。圧閉度調整駆動部15は、例えばモーターやアクチュエーター、ロボットアーム等であり、制御部11により制御される。
第1流量検出部161は、ローラーポンプ20のチューブ24の流入側24aに設けられ、ローラーポンプ20のチューブ24に流入する流体の流量を検出し、検出結果を示す信号を制御部11へ出力する。
第2流量検出部162、ローラーポンプ20のチューブ24の流出側24bに設けられ、ローラーポンプ20のチューブ24からに流出する流体の流量を検出し、検出結果を示す信号を制御部11へ出力する。
第1内圧検出部171、ローラーポンプ20のチューブ24の流入側24aに設けられ、ローラーポンプ20のチューブ24の流入側の内圧を検出し、検出結果を示す信号を制御部11へ出力する。
第2内圧検出部172は、ローラーポンプ20のチューブ24の流出側24bに設けられ、ローラーポンプ20のチューブ24の流出側の内圧を検出し、検出結果を示す信号を制御部11へ出力する。
図1に示す例では、ローラーポンプ20は、ローラーポンプ20のローラー22がチューブ24を押圧する圧力を検出するロードセルなどの圧力検出部18を有する。圧力検出部18は、検出結果を示す信号を制御部11へ出力する。
また、制御部11は、圧閉度処理装置100やローラーポンプ20等の各構成要素を統括的に制御する。詳細には、制御部11は、例えば制御プログラム等を実行することにより、コンピュータに本発明に係る機能を実現する。なお、制御部11は、専用回路により本発明に係る機能を実現してもよい。
図1に示す例では、制御部11は、圧閉度特定部111、診断部112、圧閉度調整部113等を有する。
圧閉度特定部111は、固定ガイド部25とローラー22(押圧部)の間に配置されたチューブ24において、ローラー22(押圧部)により押圧されたチューブ24の変形部分を、検出手段としての撮像部12により撮像して得られた画像に基づいて、チューブ24の変形部分の形状を算出し、その変形部分の形状に基づいて圧閉度を特定する処理を行う。
また、圧閉度特定部111は、ローラー22(押圧部)により押圧されたチューブ24の変形部分及びチューブ24内に充填されている流体を、撮像部12により撮像して得られた画像の赤色度又は濃淡に基づいて、圧閉度を特定する処理を行ってもよい。
また、圧閉度特定部111は、撮像部12により撮像して得られた画像の赤色度又は濃淡に基づいて、ローラー22(押圧部)により押圧されたチューブ24の変形部分内の狭小流路の立体形状を算出する処理を行ってもよい。
また、圧閉度特定部111は、撮像部12により撮像して得られた画像の赤色度又は濃淡に基づいて、ローラー22(押圧部)により押圧されたチューブ24の変形部分内の狭小流路の撮像方向に沿った長さを算出し、当該長さに基づいて、圧閉度を特定する処理を行ってもよい。
なお、圧閉度特定部111は、上記画像と、さらに、第1流量検出部161からの流量を示す信号、第2流量検出部162からの流量を示す信号、第1内圧検出部171からのチューブ24の流入側の内圧を示す信号、第2内圧検出部172からのチューブ24の流出側の内圧を示す信号、圧力検出部18からのローラー22の圧力を示す信号のいずれか一つ以上に基づいて、圧閉度を特定する処理を行ってもよい。
また、圧閉度特定部111は、ローラー22により押圧されたチューブ24の変形部分及びチューブ24内に充填されている流体を、撮像部12により撮像して得られた画像の赤色度又は濃淡に基づいて、圧閉度を特定する処理を行ってもよい。
診断部112は、圧閉度特定部111により特定された圧閉度を記憶部14に記憶し、記憶部14に記憶されている圧閉度及び圧閉度の経時変化の値に基づいて、チューブ24又はローラーポンプ20の物性特性や劣化等を診断する。
なお、診断部112は、上記圧閉度及び圧閉度の経時変化の値と、さらに、第1流量検出部161からの流量を示す信号、第2流量検出部162からの流量を示す信号、第1内圧検出部171からのチューブ24の流入側の内圧を示す信号、第2内圧検出部172からのチューブ24の流出側の内圧を示す信号、圧力検出部18からのローラー22の圧力を示す信号のいずれか一つ以上に基づいて、チューブ24又はローラーポンプ20の物性特性や劣化などを診断してもよい。
圧閉度調整部113は、圧閉度特定部111により特定された圧閉度と、設定された目標値との差に基づいて、圧閉度調整駆動部15を駆動制御する。詳細には、圧閉度調整部113は、目標値と圧閉度特定部111により特定された圧閉度との差が小さくなるように駆動制御を行う。
例えば具体的には、圧閉度調整部113は、圧閉度特定部111により特定された圧閉度が目標値を中心とする所定範囲内となるように、圧閉度調整駆動部15を駆動制御する。
目標値は、予め記憶部に記憶されていてもよい。また、操作表示部13等の設定画面により目標値を設定してもよい。この目標値は、例えば最適な圧閉度である。
ローラーポンプ20やチューブ24の物理特性は、製品ごとに異なるものであり、また、ポンプ稼働により、経時変化するものであるが、圧閉度調整部113は、圧閉度特定部111により特定されたローラーポンプ20のチューブ24の圧閉度と、目標値との差が小さくなるように駆動制御を行うことで、容易に最適な圧閉度となるように制御することができる。
また、圧閉度調整部113はローラーポンプ稼働中に常時連続して、圧閉度を調整してもよいし、所定時間(1分~10分等)毎に圧閉度を調整してもよいし、チューブをローラーポンプにセットしたタイミングで、圧閉度を調整してもよい。
この圧閉度の調整のタイミングは、この実施形態に限られるものではなく、圧閉度制御装置や圧閉度制御システムの使用環境に応じて適宜規定されてもよい。
なお、圧閉度調整部113は、圧閉度特定部111により特定された圧閉度と、設定された目標値との差、さらに、第1流量検出部161からの流量を示す信号、第2流量検出部162からの流量を示す信号、第1内圧検出部171からのチューブ24の流入側の内圧を示す信号、第2内圧検出部172からのチューブ24の流出側の内圧を示す信号、圧力検出部18からのローラー22の圧力を示す信号のいずれか一つ以上に基づいて、最適な圧閉度となるように制御を行ってもよい。
図2(a)に示す例では、ローラーポンプ20に、検出手段として撮像部12や必要に応じて光源(不図示)等が設けられている。ローラーポンプ稼働時に、ローラー22が回転軸21を回転中心として所定方向に回転する。撮像部12は、固定ガイド部25の円弧状の面25a(内壁)に設けられ、ローラー22が撮像部12に最接近した時、又は常時、撮像を行う。
例えば、不完全圧閉状態の場合、透光性のチューブ24の押圧部分(変形部分)を撮像部12が撮像すると、図2(b)に示すように、チューブ24は全体的に濃い濃淡画像を取得する。
例えば、最適な圧閉状態の場合、透光性のチューブ24の押圧部分(変形部分)を撮像部12が撮像すると、図2(c)に示すように、チューブ24は局所領域(押圧部分)が淡い画像を取得する。
この制御部11の圧閉度特定部111は、チューブ24の押圧された部分である変形部分を、撮像部12で撮像して得られた画像に基づいて、画像の濃淡や変形部分の形状から、圧閉度を特定する処理を行う。
また、制御部11の圧閉度調整部113は、圧閉度特定部111により特定された圧閉度と、設定された目標値との差に基づいて、圧閉度調整駆動部15を駆動制御する。
また、制御部11の診断部112は、圧閉度特定部111により特定された圧閉度を記憶部14に記憶し、記憶部14に記憶されている圧閉度及び圧閉度の経時変化の値に基づいて、チューブ24又はローラーポンプ20を診断してもよい。
次に、圧閉度処理装置による、ローラーポンプのチューブの圧閉度の特定、圧閉度の制御について説明する。
図3(a)に示した例では、ローラー22によりチューブ24を過度に押圧した状態(過度圧閉)であり、溶血の虞がある。図3(b)に示した例では、ローラー22により押圧された部分が、最適な圧閉となっており、溶血が生じない。
図3(c)に示した例では、圧閉が不完全であり、流量が小さい、流体の逆流の発生、溶血が生じる虞がある。
圧閉度処理装置は、検出手段である撮像部12による画像に基づいて、圧閉度を特定し、その現在の圧閉度が目標値とずれていた場合(図3(a)や図3(c)に示す状態)、圧閉度調整機構27により、圧閉度が最適(目標値)となるように制御を行う(図3(b)に示す状態)。
検出手段としての撮像部12は、図1、図3、図4(a)等に示すように、固定ガイド部25の内面や、チューブ24に当接する位置、又はその近傍に配置されていたが、この実施形態に限られるものではない。
検出手段としての撮像部12は、例えば、図4(b)に示すように、ローラーポンプの透光性を有する固定ガイド部25の外壁(円弧状の面25aに対して反対側の部分)に配置されていてもよい。この撮像部12は、チューブ24やチューブ内の流体から、透光性の固定ガイド部25を透過した光を撮影する。図5に示す画像は、赤色の流体が充填されたチューブの押圧された部分を撮影して得られた画像であり、チューブ内流路の形状に応じた濃淡が示されている。
また、図4(c)に示すように、チューブ24の上部に撮像部12が配置されていてもよい。詳細には、例えば、チューブ24やローラー22の上部に配置される平板状の蓋部(不図示)に、撮像部12が配置されていてもよい。
また、図4(d)に示すように、チューブ24と固定ガイド部25の間に、撮像部12(検知手段)が配置されていてもよい。
なお、光源が必要な場合には、適宜所定の位置に光源を設けてもよい。
次に、圧閉度処理装置100の動作の一例を、図6、図1~3等を参照しながら説明する。
図6に示す、ステップST1において、チューブ24をローラーポンプ20にセットし、ローラー22を回転させ、現在の圧閉度を特定する。詳細には、制御部11の圧閉度特定部111は、固定ガイド部25とローラー22(押圧部)の間に配置されたチューブ24の変形部分を、撮像部12により撮像して画像を取得する。制御部11は、その画像の赤色度又は濃淡に基づいて、ローラー22により押圧されたチューブ24の変形部分の形状を特定する。詳細には、制御部11は、その画像の赤色度又は濃淡に基づいて、ローラー22により押圧されたチューブ24の変形部分内の狭小流路の撮像方向に沿った長さ(隙間)を算出し、当該長さ(隙間)に基づいて、圧閉度を特定する。
ステップST2において、制御部11は、検出手段の撮像部12により取得された画像に基づいて特定された圧閉度が、目標値(最適な圧閉度)と一致するか否かを判別し、一致している場合に、ステップST4の処理に進み、一致していない場合にステップST3の処理に進む。
ステップST3において、制御部11の圧閉度調整部113は、圧閉度特定部111により特定された圧閉度と、設定された目標値との差に基づいて、その差が小さくなるように、圧閉度調整駆動部15を駆動制御し、圧閉度調整機構27により、圧閉度を調整し、ステップST4の処理に進む。
ステップST4において、制御部11は、例えば、ローラーポンプのローラー22の回転を停止させるための操作ボタンや停止スイッチ、タッチパネル操作等が行われたか否かを検出し、停止操作が行われていない場合にステップST1の処理に進み、停止操作が行われたと判断した場合に、ローラーポンプの稼働を停止する処理を行う。
また、制御部11は、例えば、操作表示部13からの信号に基づいて、圧閉度の制御を停止させるための操作ボタンや制御停止スイッチ、タッチパネル操作等が行われたか否かを検出し、制御停止操作が行われていない場合にステップST1の処理に進み、制御停止操作が行われたと判断した場合に、圧閉度に関する制御を停止する処理を行ってもよい。
また、制御部11の診断部112は、圧閉度特定部111により特定された圧閉度を記憶部14に記憶し、記憶部14に記憶されている圧閉度及び圧閉度の経時変化の値に基づいて、チューブ24又はローラーポンプ20の劣化状態などを診断してもよい。
本願発明者は、図7に示すように、体外循環中のローラーポンプのチューブの圧閉度をシミュレーションして、圧閉度を計測する計測装置(圧閉度処理装置)を実際に作製し、高精度に定量的に圧閉度を特定した。
図7に示すように、本実施形態では、圧閉度処理装置(計測装置)は、制御部11、操作表示部13(表示部131、操作部132)、記憶部14、検出手段として撮像部12、光源121としてLED、押圧部としてのリニアアクチュエーター231、固定ガイド部25としてのレースウェイ、第1オーバーフロータンク31、第2オーバーフロータンク32、輸液セットの点滴筒160等を有する。リニアアクチュエーター231のロッド231Rdの先端には、圧力検出部としてのロードセル181、押圧部としてのローラー部22Aが設けられている。
制御部11は、ロードセル181からの信号によりローラー部22Aの圧力を検知することができる。
図7に示す例では、例えばアクリル樹脂製のローラー部22Aと、固定ガイド部25の間に、透光性のチューブ24(直径3/8インチの塩化ビニル製チューブ)を配置した。
チューブ24の両端部には、第1オーバーフロータンク31と、第2オーバーフロータンク32が接続され、チューブ24内に赤色の流体として、模擬血液粉末(赤色102号 京都科学製)を含有した水を充填した。第1オーバーフロータンク31の下流側には輸液セットとして、点滴筒160が設けられており、点滴筒160には、第1流量検出部161としての滴下センサー(発光部161a及び受光部161b)が設けられており、滴下数を検出することにより、制御部11は流量を取得することができる。
そして、図8(a)、図8(b)に示すように、リニアアクチュエーター231の駆動部231Mにより、ロッド231Rdの先端のローラー部22Aを降下させ(最小ストローク時10μm)、チューブ24を段階的に圧閉し、1m水柱圧をかけた状態での輸液セットの滴下数を10分間計測し、チューブの内部を流れる流体の流量を算出、チューブ24の変形部分(押圧された部分)、及びチューブ24内に充填されている赤色の流体を撮像部12により撮像した。
次に、図9~13を参照しながら、図7~8に示した可視化システムである圧閉度処理装置(計測装置)の動作の一例を説明する。詳細には、制御部11(圧閉度特定部111等)の動作を説明する。
ステップST11において、制御部11は、撮像部12(RGB撮像装置等)により、チューブ24の変形部分(押圧された部分)、及びチューブ24内に充填されている赤色の流体を撮像し、図10(a)に示すように画像(赤色濃淡画像)を取得する。
なお、予め図10(b)に示すように、透明の液体が充填されたチューブの変形部分(押圧された部分)を撮像して得られたRGBの画像を取得しておく。
ステップST12において、制御部11は、図10(a)に示した赤色濃淡画像から、緑色成分のみを抽出し、図10(c)に示す、グレースケールの画像(濃淡画像)を生成する。
緑色成分を抽出する処理を行う理由は、赤色濃淡のコントラストを上げて画像の解像度を高めるためである。詳細には、緑色は赤色(ヘモグロビン等)の吸光度が青色よりも高く、赤色濃淡のコントラストが良く映るため、緑色成分を抽出する。同様に、制御部11は、図10(b)に示した画像から、緑色成分を抽出し、図10(d)に示す、グレースケールの画像(濃淡画像)を生成する。
赤色(ヘモグロビン)の波長は660nm~940nm付近であるが、白色LEDは光のスペクトルが広く、幅広い赤色成分が検出できるため、本実施形態では、光源として白色LEDを採用している。
なお、撮像部とチューブの間に緑色の光のみを透過する光学フィルタを配置し、その光学フィルタ介して撮像部12によりチューブ24の押圧される部分を撮像してもよい。
ステップST13において、制御部11は、例えば図10(c)に示す画像から、図10(d)に示す画像を差分して、図10(e)に示す差分画像(濃淡画像)を生成する処理(差分処理)を行う。
ステップST14において、制御部11は、例えば図10(e)に示す濃淡画像に、深度変換処理を施す。
詳細には、予めキャリブレーションとして、図11(a)に示すように、2枚のスライドガラスを準備し、そのスライドガラス間の隙間を、一方の端部で0μm、他方の端部で200μmとなるように調整し、その隙間に模擬血液溶液を封入し、赤色の濃淡に対する液体の厚み(Depth)を計測しておく。
計測の結果、画像における、赤色の濃度(Concentration)と、赤色の濃淡に対する液体の厚み(Depth)は、図11(b)に示す線形の関係が得られた。制御部11は、この濃度と厚み(撮像方向の長さ)の関係を、記憶部14に記憶する。
制御部11は、記憶部14に記憶されている、この濃度と厚み(撮像方向の長さ)の関係に基づいて、図10(e)に示す濃淡画像に、深度変換処理を施し、例えば図12に示すように、立体的に3次元表現された画像(3D画像)を生成する。
3D画像では、ローラー(押圧部)による押圧方向、チューブ長手方向(長軸方向)、チューブ短手方向(短軸方向)が、図12に示すように規定されている。
ステップST15において、制御部11は、チューブの押圧された変形部分の流路の最も狭い部分を算出する。詳細には、例えば、図12に示す3D画像に基づいて、図12の点線で示した部分が、チューブ内の流路の最も狭い部分(狭小流路)であるので、この最も狭い部分を抽出する(例えば図13に示すような図を生成する)。
ステップST16において、制御部11は、チューブ内の流路の最も狭い部分の短軸断面形状を算出する。詳細には、制御部11は、例えば図13に示すように、チューブの短軸方向の有効範囲(矢印で示す範囲)内で、チューブ内の流路の最も狭い部分の短軸断面形状が特定される。この有効範囲はチューブ内の流路に対応する。
図12では、横軸がチューブの短軸方向の長さを示し、縦軸がチューブ内の間隙(詳細には、チューブ内の流路の撮像方向の長さ(間隙))を示している。
ステップST17において、制御部11は、チューブの圧閉度を算出する。詳細には、制御部11は、例えば図12に示す、有効範囲における、チューブの内部を流れる流体の流量で決まるチューブ内の流路の最も狭い部分の短軸断面積を圧閉度とする。なお、チューブの圧閉度は、図12に示す有効範囲における、チューブ内の間隙の平均値としてもよい。
そして、ローラー部を10μmずつ押圧方向に変位させた場合、チューブ内の間隙は、25.3、14.3、10.5、7.2、2.3、1.6μmであり、チューブの内部を流れる流体の流量は、1.345、0.345、0.081、0.015、0.010、0mL/minとなった。
つまり、制御部11は、この結果に基づいて、チューブの内部を流れる流体の流量で決まるチューブ内の流路の最も狭い部分の短軸断面積を圧閉度とする。
第1流量検出部や第2流量検出部の流量の計量により、チューブ内を流体が規定流量(ある程度の幅を有する範囲)で流れている場合に適正圧閉度であり、規定流量未満の場合に過度圧閉度であり、規定流量を超える場合に不完全圧閉度である。
上述した実施形態では、検出手段としてCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサなどの撮像部を採用したが、この実施形態に限られるものではない。
例えば、図14(a)に示すように、検出手段(撮像部)としてX線CT装置12C(マイクロフォーカスCT装置等)を採用してもよい。
図14に示す例では、圧閉度処理装置は、X線CT装置12Cを有する。
図14(a)、図14(b)に示すように、このX線CT装置12Cにより、ローラー22と固定ガイド部25の間に配置されたチューブ24が押圧された変形部分を撮像し、3次元画像再構成処理により、チューブ24の変形した形状を高精度に特定することができる。
図15はローラーポンプのチューブの変形を、マイクロフォーカスX線CT装置により撮像し、3次元画像再構成処理により得られたチューブの断層画像の例である。
詳細には、図15(a)はチューブの押圧部分のX線CT画像の一例を示す図である。
図15(b)は図15(a)に示した押圧されたチューブ内の短軸方向の断面画像の一例を示す図である。チューブを過度に圧閉した場合のチューブの断面画像の一例を示す図である。
図15(c)は図15(a)に示した押圧されたチューブ内の垂直長軸方向の断面画像の一例を示す図である。
図15(d)は図15(a)に示した押圧されたチューブ内の水平長軸方向の断面画像の一例を示す図である。
制御部11の診断部112は、このX線CT画像に基づいて、ローラーポンプ稼働時の圧閉されたチューブの断面形状やチューブ内の流路の断面積を定量的に算出することができる。
ローラーポンプに用いられるチューブは、内径、肉厚、コンプライアンス等が製品や製造ロットなどにより異なるが、圧閉度処理装置によれば、ローラーポンプ稼働時の圧閉されたチューブの断面形状やチューブ内の流路の断面積を定量的に算出することができる。
また、制御部11は、チューブの断面形状やチューブ内の流路の断面積に基づいて、圧閉度、せん断速度、せん断応力等を算出することができる。
また、体外循環中、ローラーポンプ稼働時に、消耗品であるローラーポンプのチューブ部分の物性は時々刻々変動する。
本願発明者は、繰返し圧力負荷後のチューブの特性の変化を、圧閉度処理装置により測定した。
詳細には、本願発明者は、コンプライアンスCが5.82μL/mmHgのチューブと、コンプライアンスCが4.63μL/mmHgのチューブを準備し、繰返し圧力負荷後のチューブの内部を流れる流体の流量を、図7に示す圧閉度処理装置により測定した。繰返し圧力負荷の回数は、2、64、4096回とした。
完全圧閉におけるローラー部とチューブの距離を基準変位としたときのチューブの内部を流れる流体の流量は、C=5.82μL/mmHgのチューブの場合、図16(a)に示すような結果となった。C=4.63μL/mmHgのチューブの場合、図16(b)に示すような結果となった。
繰返し圧力負荷回数が多いほど、C=5.82μL/mmHgのチューブでは、チューブの内部を流れる流体の流量は減少し、C=4.63μL/mmHgのチューブでは、チューブの内部を流れる流体の流量が増加する結果であった。
つまり、ローラーポンプ稼働中は経時的に圧閉度が変化することがあることが確認された。高分子材料は繰返し圧力負荷中の発熱現象や疲労によって内部微細構造の変化を伴うことがあり、こうした現象は多くの高分子材料に認められる。
つまり、図1に示した圧閉度処理装置は、ローラーポンプ稼働時、チューブが繰返し圧力負荷等により劣化又は物性特性が変化した場合や、ローラーポンプやチューブが製品や製造ロット毎に物性特性が異なる場合であっても、最適な圧閉度となるように圧閉度を制御することができる。
図17はローラー(押圧部)の押圧方向に直交する方向(チューブの短軸方向)からチューブを撮像して得られた画像である(図4(c)を参照)。
詳細には、図17(a)は赤色流体が充填された透光性チューブのローラー部(押圧部)により押圧された部分を撮像して得られた画像である。この画像は、チューブ内の流路、詳細には、チューブの押圧された部分の狭小流路の形状が明確に示している。
図17(b)は透明流体が充填された透光性のチューブのローラー部(押圧部)により押圧された部分を撮像して得られた画像である。
透光性のチューブの形状やチューブ内の流路形状等を明確にするために、図18(a)に示すように、背景に明暗パターンPTを配置してもよい。
詳細には、図18(a)に示すように、明暗パターンPTと撮像部12(検出手段)の間に、チューブ24、押圧部(ローラー22、ローラー部22A)、固定ガイド部25等を配置する。
明暗パターンPTを、透光性のチューブ24を介し撮像部12(検出手段)により撮像する。
明暗パターンPTは、暗部と明部により構成されている。明暗パターンは、例えば図18(b)に示すように線状パターンPT1(濃淡のある基線)であってもよいし、図18(c)に示すように格子状パターンPT2であってもよいし、図18(d)に示すように、ドットが所定間隔に配置されたドットパターンPT3であってもよいし、ドットがランダムな位置に配置されたランダムパターンPT4であってもよいし、その他の任意の明暗パターンであってもよい。
この明暗パターンPT(PT1~PT4)は、物体表面に印刷されていてもよいし、投影装置により物体表面(スクリーン等)に投影されてもよいし、液晶表示装置や有機ELディスプレイ等の表示装置で表示されていてもよい。
図17(c)は背景に明暗パターンを配置した状態で、透明流体が充填された透光性のチューブのローラー部(押圧部)により押圧された部分を撮像して得られた画像である。
図17(d)は背景に明暗パターンを配置した状態で、赤色流体が充填された透光性チューブのローラー部(押圧部)により押圧された部分を撮像して得られた画像である。
図17(c),図17(d)に示す例では、透光性のチューブ、透光性のローラー部、透光性のレースウェイ(固定ガイド部材)を採用した。
撮像部で得られる画像には、チューブの屈折率やチューブ内の流体の屈折率、チューブの変形形状、明暗パターンのある位置からチューブや流体を介して撮像部に至る光路等に応じて、明暗パターンにひずみが生じる。この明暗パターンのひずみは、押圧部(ローラー部)の押圧状態により変化する。
図19(a)に示すように、撮像部により得られた画像から、図19(b)に示すチューブの圧閉部断面に注目し、圧閉部断面から圧閉度の解析部位(狭小部)等の画像解析を行う。
詳細には、ローラー部(押圧部)とレースウェイ(固定ガイド部材)の距離を変化させて撮像部により撮影する。
撮像部により得られた画像から、図20(a)、図20(b)に示すように、チューブ及びチューブ内の流体を透過した部分(領域AR:例えば図20に示す略3角形領域)の明暗パターン(濃淡のある基線等)のひずみの変化量を、画像処理により算出する。領域ARとしては、ローラー部がレースウェイ(固定ガイド部材)に対して微小量だけ移動した場合に、チューブを透過した明暗パターンのひずみの変化(特徴点の変位等)が顕著に現れる領域、例えば、ローラー部(押圧部)とレースウェイ(固定ガイド部材)の間の狭小領域よりも、所定距離だけ長軸方向(チューブの長手方向)に離れた領域(ローラー部により押圧されている範囲における)とすることが好ましい。
具体的には、例えば領域ARの明暗パターンから特徴点Pを一つ又は複数特定し、その特徴点Pの変位量を算出する。
画像の特徴点Pは、明暗パターンに基づいて画像処理により自動的に特定してもよいし、明暗パターンの明部と暗部のエッジ部分に基づいて特徴点Pを特定してもよいし、明部と暗部の各領域の中央部分等を特徴点Pとしてもよい。
特徴点Pの変位量は、ある一つの特徴点の変位量であってもよいし、領域AR内の複数の特徴点Pの変位量の平均値等であってもよい。
なお、明暗パターンPTが例えばドットパターンPT3の場合には、ドットパターンPT3のドットを特徴点としてもよい。明暗パターンPTが例えば格子状パターンPT2の場合には、格子状パターンPT2の暗部の交差部分や明部の中央部分、明部と暗部のエッジ等を特徴点としてもよい。
図21では、横軸にローラー部の変位(0は完全圧閉基準)、詳細には、ローラー(押圧部)とレースウェイ(固定ガイド部材)の間の距離を示し、縦軸に特徴点Pの変位量を示している。
画像処理を行い、図21に示すように、ローラー部の変位と、明暗パターンの特徴点Pの変位量の相関関係が得られる。詳細には、図21に示す例では、ローラー部の変位が大きいほど、明暗パターンの特徴点Pの変位量が大きくなっている。
また、第1流量検出部や第2流量検出部の流量の計測により、チューブ内を流体が規定流量(ある程度の幅を有する範囲)で流れている場合に適正圧閉(適正圧閉度)とし、規定流量未満の場合に過度圧閉(過度圧閉度)とし、規定流量を超える場合に不完全圧閉(不完全圧閉度)としている。
圧閉度処理装置では、例えば図21に示すような、特徴点の変位量(又は明暗パターンの変化量)、ローラー部の変位、圧閉度(過度圧閉度、適正圧閉度、不完全圧閉度)が記憶部に関連付けて記憶される。
すなわち、圧閉度処理装置は、明暗パターンをチューブ24を介して撮像部12により撮像して得られた画像の明暗パターンの変化量、詳細には、チューブ24を介して撮像部12により撮像して得られた画像の明暗パターンの特徴点Pの変位量と、記憶部に記憶されている、図21に示すような、特徴点の変位量(又は明暗パターンの変化量)、ローラー部の変位、圧閉度(過度圧閉度、適正圧閉度、不完全圧閉度)の関係に基づいて、圧閉度を特定することができる。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る圧閉度処理装置は、体外循環装置用のローラーポンプ20に用いられる可撓性のチューブ24の圧閉度に関する処理を行う。この圧閉度処理装置は、押圧部(ローラー22、リニアアクチュエーター等)、円弧状の面を備えた固定ガイド部25、検出手段としての撮像部12と、圧閉度特定部(制御部11の圧閉度特定部111)等を有する。
押圧部(ローラー22、リニアアクチュエーター等)は、固定ガイド部25と押圧部の間に配置されたチューブ24を押圧する。圧閉度特定部111は、固定ガイド部25と押圧部(ローラー22、リニアアクチュエーター等)の間に配置されたチューブ24において、押圧部により押圧されたチューブ24の変形部分を、撮像部12により撮像して得られた画像に基づいて、チューブ24の変形部分の形状を算出し、その変形部分の形状に基づいて圧閉度を特定する処理を行う。
すなわち、簡単な構造で、体外循環装置に用いられるローラーポンプの圧閉度を高精度に特定することができる圧閉度処理装置(圧閉度診断装置)を提供することができる。
また、本発明の実施形態に係る圧閉度処理装置の押圧部(ローラー22、リニアアクチュエーター等)は、赤色又は透明の流体を充填した透光性のチューブ24を押圧する。圧閉度特定部111は、押圧部により押圧されたチューブ24の変形部分、及びチューブ24内に充填されている流体を、撮像部12により撮像して得られた画像の赤色度又は濃淡に基づいて、あるいは明暗パターンを前記チューブを介して前記撮像部により撮像して得られた画像の明暗パターンの変化量に基づいて、そのチューブ24の圧閉度を特定する処理を行う。
すなわち、撮像部12により得られた画像の赤色の濃淡に基づいて、容易にチューブ24の圧閉度を特定可能な圧閉度処理装置を提供することができる。
また、本発明の実施形態に係る圧閉度処理装置の圧閉度特定部111は、撮像部12により撮像して得られた画像の赤色度又は濃淡に基づいて、あるいは明暗パターンをチューブ24を介して撮像部12により撮像して得られた画像の明暗パターンの変化量に基づいて、押圧部により押圧されたチューブ24の変形部分内の狭小流路の立体形状を算出する。
すなわち、チューブ24の変形部分内の狭小流路の立体形状に基づいて、高精度に圧閉度を特定することが可能な圧閉度処理装置を提供することができる。
また、本発明の実施形態に係る圧閉度処理装置の圧閉度特定部111は、撮像部12により撮像して得られた画像の赤色度又は濃淡に基づいて、あるいは明暗パターンをチューブ24を介して撮像部12により撮像して得られた画像の明暗パターンの変化量に基づいて、押圧部(ローラー22、リニアアクチュエーター等)により押圧されたチューブ24の変形部分内の狭小流路の撮像方向に沿った長さを算出し、当該長さに基づいて圧閉度を特定する処理を行う。
すなわち、チューブ24の変形部分内の狭小流路の撮像方向に沿った長さに基づいて、高精度に圧閉度を特定する処理を行うことが可能な圧閉度処理装置を提供することができる。
また、本発明の実施形態に係る圧閉度処理装置の検出手段としての撮像部12は、固定ガイド部25においてチューブ24を撮像可能な位置に配置されている。又は撮像部12は、透光性の固定ガイド部25を介してチューブ24を撮像可能な位置に配置されている。
すなわち、簡単な構成で、検出手段としての撮像部12が、チューブ24の押圧された変形部分を撮像することができる、圧閉度処理装置を提供することができる。
また、撮像部12は、例えば、固定ガイド部25の当接面(チューブ24が当接する面)に設けられていてもよいし、チューブ24と撮像部12の間に固定ガイド部が位置するように撮像部12を配置し、撮像部12からチューブを撮像できるように、固定ガイド部25に透光部を設けてもよい。
また、本発明の実施形態に係る圧閉度処理装置の検出手段としての撮像部は、X線CT装置、又は超音波プローブを備えた超音波画像処理装置であってもよい。圧閉度特定部111は、そのX線CT装置、又は超音波画像処理装置によりチューブ24を撮像して得られた画像に基づいて、圧閉度を特定する処理を行ってもよい。
すなわち、押圧されたチューブの変形部分の形状を、X線CT装置、又は超音波画像処理装置により高精度に検出することができ、その形状に基づいて高精度に圧閉度を特定可能な圧閉度処理装置を提供することができる。
また、本発明の実施形態に係る圧閉度処理装置は、圧閉度特定部111により特定された圧閉度を記憶部14に記憶し、記憶部14に記憶されている圧閉度及び圧閉度の経時変化の値に基づいて、チューブ24又はローラーポンプ20を診断する診断部112を有する。
また、詳細には、ローラーポンプの稼働時に、圧閉度を複数回連続して検知し、又は所定間隔で複数回圧閉度を検知し、記憶部に順次圧閉度を記憶し、圧閉度の変化の値に基づいて、チューブの劣化を定量的に診断、評価することができる。
すなわち、簡単な構成で、ローラーポンプ20やチューブ24の劣化等を圧閉度及び圧閉度の経時変化の値から診断可能な圧閉度処理装置(圧閉度診断装置)を提供することができる。
また、本発明の実施形態に係る圧閉度制御装置は、上記圧閉度処理装置を備え、体外循環装置用のローラーポンプの圧閉度を制御する。この圧閉度制御装置は、上記圧閉度処理装置と、ローラーポンプの圧閉度を調整可能な圧閉度調整駆動部15と、圧閉度特定部111により特定された圧閉度と目標値との差に基づいて、前記圧閉度調整駆動部15を駆動制御する圧閉度調整部113等を有する。
すなわち、簡単な構成で、ローラーポンプのチューブの圧閉度を、目標値(最適な圧閉度)になるように調整することができる圧閉度制御装置を提供することができる。
また、本発明の実施形態に係る圧閉度制御装置は、回転軸を中心に回転自在な押圧部としてのローラー22と、円弧状の面を備えた固定ガイド部25と、ローラー22と固定ガイド部25の間に配置された可撓性のチューブ24とを備え、体外循環装置用のローラーポンプ20の圧閉度を制御する。この圧閉度制御装置は、固定ガイド部に設けられ、赤色又は透明の流体を充填した透光性のチューブ24を撮像する撮像部12と、ローラー22により押圧されたチューブ24の変形部分及びチューブ24内に充填されている流体を、撮像部12により撮像して得られた画像の赤色度又は濃淡に基づいて、あるいは明暗パターンをチューブ24を介して撮像部12により撮像して得られた画像の明暗パターンの変化量に基づいて、圧閉度を特定する圧閉度特定部111と、ローラーポンプ20のチューブ24の圧閉度を調整可能な圧閉度調整駆動部15と、圧閉度特定部111により特定された圧閉度と、目標値との差に基づいて、圧閉度調整駆動部15を駆動制御する圧閉度調整部113とを有する。
すなわち、簡単な構成でローラーポンプ20の圧閉度を最適に調整可能な圧閉度制御装置を提供することができる。
また、本発明の実施形態に係る圧閉度制御システムは、上記圧閉度制御装置と、体外循環装置用のローラーポンプ20とを有する。
すなわち、簡単な構成でローラーポンプ20の圧閉度を最適に調整可能な圧閉度制御システムを提供することができる。
また、本発明の実施形態に係る圧閉度処理装置、圧閉度制御装置によれば、体外循環中における血液ポンプのローラー部分において、圧閉度を高精度にリアルタイムで計測し、多臓器不全をきたさない最適のローラーチューブの圧閉度となるように高精度に制御を行うことができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
11…制御部
12…撮像部(検出手段)
14…記憶部
15…圧閉度調整駆動部
18…圧力検出部
20…ローラーポンプ(チューブを備えたポンプ)
21…回転軸
22…ローラー(押圧部)
23…駆動モーター(駆動部)
24…チューブ
25…固定ガイド部(レースウェイ等)
26…筐体
27…圧閉度調整機構
100…圧閉度処理装置
111…圧閉度特定部
112…診断部
113…圧閉度調整部
121…光源(LED等)
161…第1流量検出部
162…第2流量検出部
171…第1内圧検出部
172…第2内圧検出部

Claims (10)

  1. 体外循環装置用のローラーポンプに用いられる可撓性のチューブの圧閉度に関する処理を行う圧閉度処理装置であって、
    押圧部と、円弧状の面を備えた固定ガイド部と、撮像部と、圧閉度特定部とを有し、
    前記押圧部は、前記固定ガイド部と前記押圧部の間に配置されたチューブを押圧し、
    前記圧閉度特定部は、前記固定ガイド部と前記押圧部の間に配置された前記チューブにおいて、前記押圧部により押圧されたチューブの変形部分を、前記撮像部により撮像して得られた画像に基づいて、前記チューブの変形部分の形状を算出し、前記変形部分の形状に基づいて圧閉度を特定する
    ことを特徴とする圧閉度処理装置。
  2. 前記押圧部は、赤色又は透明の流体を充填した透光性の前記チューブを押圧し、
    前記圧閉度特定部は、前記押圧部により押圧された前記チューブの変形部分及び前記チューブ内に充填されている前記流体を、前記撮像部により撮像して得られた画像の赤色度又は濃淡に基づいて、あるいは明暗パターンを前記チューブを介して前記撮像部により撮像して得られた画像の明暗パターンの変化量に基づいて、前記圧閉度を特定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧閉度処理装置。
  3. 前記圧閉度特定部は、前記撮像部により撮像して得られた画像の赤色度又は濃淡に基づいて、あるいは明暗パターンを前記チューブを介して前記撮像部により撮像して得られた画像の明暗パターンの変化量に基づいて、前記押圧部により押圧された前記チューブの変形部分内の狭小流路の立体形状を算出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の圧閉度処理装置。
  4. 前記圧閉度特定部は、前記撮像部により撮像して得られた画像の赤色度又は濃淡に基づいて、あるいは明暗パターンを前記チューブを介して前記撮像部により撮像して得られた画像の明暗パターンの変化量に基づいて、前記押圧部により押圧された前記チューブの変形部分内の狭小流路の撮像方向に沿った長さを算出し、当該長さに基づいて、前記圧閉度を特定する
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の圧閉度処理装置。
  5. 前記撮像部は、前記固定ガイド部において前記チューブを撮像可能な位置に配置されている、又は透光性の前記固定ガイド部を介して前記チューブを撮像可能な位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の圧閉度処理装置。
  6. 前記撮像部は、X線CT装置、又は超音波プローブを備えた超音波画像処理装置であり、
    前記圧閉度特定部は、前記X線CT装置、又は前記超音波画像処理装置により前記チューブを撮像して得られた画像に基づいて、圧閉度を特定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧閉度処理装置。
  7. 前記圧閉度特定部により特定された圧閉度を記憶部に記憶し、前記記憶部に記憶されている圧閉度及び圧閉度の経時変化の値に基づいて、前記チューブ又はローラーポンプを診断する診断部を有する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の圧閉度処理装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の圧閉度処理装置を備え、体外循環装置用のローラーポンプの圧閉度を制御する圧閉度制御装置であって、
    前記ローラーポンプの圧閉度を調整可能な圧閉度調整駆動部と、
    前記圧閉度特定部により特定された圧閉度と、目標値との差に基づいて、前記圧閉度調整駆動部を駆動制御する圧閉度調整部とを有する
    ことを特徴とする圧閉度制御装置。
  9. 回転軸を中心に回転自在な押圧部としてのローラーと、円弧状の面を備えた固定ガイド部と、前記ローラーと前記固定ガイド部の間に配置された可撓性のチューブとを備えた体外循環装置用のローラーポンプの圧閉度を制御する圧閉度制御装置であって、
    前記固定ガイド部に設けられ、赤色又は透明の流体を充填した透光性の前記チューブを撮像する撮像部と、
    前記ローラーにより押圧された前記チューブの変形部分及び前記チューブ内に充填されている前記流体を、前記撮像部により撮像して得られた画像の赤色度又は濃淡に基づいて、あるいは明暗パターンを前記チューブを介して前記撮像部により撮像して得られた画像の明暗パターンの変化量に基づいて、圧閉度を特定する圧閉度特定部と、
    前記ローラーポンプのチューブの圧閉度を調整可能な圧閉度調整駆動部と、
    前記圧閉度特定部により特定された圧閉度と、目標値との差に基づいて、前記圧閉度調整駆動部を駆動制御する圧閉度調整部とを有する
    ことを特徴とする圧閉度制御装置。
  10. 請求項8又は9に記載の圧閉度制御装置と、体外循環装置用のローラーポンプとを有することを特徴とする圧閉度制御システム。
JP2020145958A 2020-08-31 2020-08-31 圧閉度処理装置、圧閉度制御装置、及び圧閉度制御システム Active JP7084052B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020145958A JP7084052B2 (ja) 2020-08-31 2020-08-31 圧閉度処理装置、圧閉度制御装置、及び圧閉度制御システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020145958A JP7084052B2 (ja) 2020-08-31 2020-08-31 圧閉度処理装置、圧閉度制御装置、及び圧閉度制御システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022040976A JP2022040976A (ja) 2022-03-11
JP7084052B2 true JP7084052B2 (ja) 2022-06-14

Family

ID=80500166

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020145958A Active JP7084052B2 (ja) 2020-08-31 2020-08-31 圧閉度処理装置、圧閉度制御装置、及び圧閉度制御システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7084052B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003113782A (ja) 2001-10-03 2003-04-18 Senko Medical Instr Mfg Co Ltd ローラーポンプ
JP2019157653A (ja) 2018-03-08 2019-09-19 ニプロ株式会社 ローラーポンプ及びその制御方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003113782A (ja) 2001-10-03 2003-04-18 Senko Medical Instr Mfg Co Ltd ローラーポンプ
JP2019157653A (ja) 2018-03-08 2019-09-19 ニプロ株式会社 ローラーポンプ及びその制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022040976A (ja) 2022-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6629900B2 (ja) 流体を注入するためのシステム装置
KR102220226B1 (ko) 컴퓨터 단층 촬영 장치 및 그에 따른 ct 영상 복원 방법
US10321826B2 (en) Optical dynamic imaging system
US20230148997A1 (en) Ultrasound system with automated wall tracing
JP5292581B2 (ja) 血管撮影装置
KR101775556B1 (ko) 단층 촬영 장치 및 그에 따른 단층 영상 처리 방법
KR101665513B1 (ko) 컴퓨터 단층 촬영 장치 및 그에 따른 ct 영상 복원 방법
KR20170088681A (ko) 단층 촬영 장치 및 그에 따른 단층 영상 복원 방법
KR20200095740A (ko) 의료 영상 장치 및 그 제어방법
KR101823532B1 (ko) X선 디텍터 장치 및 x선 디텍터 장치의 동작 방법
CN105899144B (zh) 图像处理装置、图像诊断系统、图像处理方法和存储介质
KR20180136063A (ko) 근적외선 기반 치아 진단 영상 획득 장치 및 방법
JP7084052B2 (ja) 圧閉度処理装置、圧閉度制御装置、及び圧閉度制御システム
JP2022552570A (ja) 血管機能を監視するためのシステム及び方法
JP2023522302A (ja) 発泡体乳房圧縮パドルの偏向を測定するためのシステムおよび方法
CN105899145B (zh) 图像处理装置、图像处理方法和存储介质
JP2023525742A (ja) リスク及び不確実性の定量化を介する医療超音波画像に対する機械学習予測のゲーティング
KR101473531B1 (ko) 적응형 센서유닛, 그를 이용한 x-선 촬영 장치 및 방법
TW201328672A (zh) 以超音波影像建立心血管功能參數之評估系統
KR102226406B1 (ko) 적외선 이미징 기반 무채혈 점도 측정 장치 및 방법
KR20160140189A (ko) 단층 촬영 장치 및 그에 따른 단층 촬영 방법
KR20180054020A (ko) 의료 영상 장치 및 의료 영상 처리 방법
JP2004329620A (ja) 撮像装置
JP7416312B1 (ja) 動態品質管理装置、品質管理方法、動態撮影能力の判定装置、及びプログラム
US20240099687A1 (en) Hemodynamic monitoring system implementing ultrasound imaging systems and machine learning-based image processing techniques

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20200930

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220526

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7084052

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150