しかしながら、特許文献1の包装箱は、ロック片を包装箱の外側方向へ折り返す際に、フラップ側のロック片の横幅よりも大になっている側板側のロック片の最大横幅を通過させるために、大きく弾性変形させなければならないため、引き倒すために強い力が必要となるという問題があった。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、より少ない力で折り倒すことができるとともに、フラップを折った状態で確実に保持できるロック片を有する包装箱を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の包装箱は、底部が閉塞された角筒状の胴部と、前記胴部を構成する一の側板の上端縁に折目線を介して連設されたフラップとを備える紙製の包装箱であって、前記側板及び前記フラップには前記折目線を挟んで線対称に、前記折目線からそれぞれ延びる第1切目線と、前記第1切目線から離間して前記折目線からそれぞれ延びる第2切目線と、前記第2切目線の先端から前記折目線に向かって凸状であるとともに前記折目線からの距離が前記第2切目線の先端以上となる位置まで前記第1切目線側に延びる一対の第3切目線とが形成されており、前記第3切目線は、前記フラップを前記折目線に沿って折り返して前記側板に重合させ、前記第3切目線の先端と前記第1切目線の先端との間を回動軸として、前記折目線と前記第1~第3の各切目線とで囲まれた領域を折り倒したときに切断されて、前記第3切目線によって形成される凹状の外縁が、前記領域が折り倒されたことにより前記側板及び前記フラップに形成される凸状の外縁で係止されるように形成されていることを特徴とする。
本発明の第1の包装箱において、前記側板及び前記フラップには、各切目線が、前記折目線を挟んで線対称に形成されている。
そのため、前記胴部を構成する一の側板の上端縁に折目線を介して連設されたフラップを該折目線で該側板の外側に折り返したとき、フラップ側に設けられた各切目線と、側板側に設けられた各切目線とはそれぞれ重なり合う。そして、包装箱は紙製であるため、先端が開放されている該第3切目線の先端と前記第1切目線の先端とを結ぶ仮想線を回動軸として、前記折目線と各切目線とで囲まれた領域を包装箱の外側または内側に折り倒すことができる。
したがって、本発明の第1の包装箱では、各切目線が前記折目線を挟んで線対称に形成されているため、より少ない力で、前記領域を包装箱の外側または内側に折り倒すことができる。
さらに、この第3切目線は、前記折目線に向かって凸状であるとともに、その先端は、前記折目線からの距離が前記第2切目線の先端以上となる位置にあるので、第3切目線及び第2切目線は、前記回動軸の延長線またはそれより包装箱の上方側(折目線側)に位置することになる。
そのため、前記囲まれた領域を包装箱の外側に折り倒した場合、前記囲まれた領域の下端部のうち第3切目線によって形成される凹状の外縁は、原則全て包装箱の外側に抜け出すとともに、該囲まれた領域自身が抜けたことによって前記側板及び前記フラップに形成される穴の下端部に生じる凸状の外縁で係止される。
また、第2切目線は前記折目線から離れる方向に延びているのに対し、反対に、該第3切目線は前記折目線に向かって延びているため、第2切目線の先端と第3切目線の基端との連接箇所は、前記折目線から離れる方向に凸状になっている。
そのため、前記囲まれた領域を包装箱の外側に折り倒した場合、前記囲まれた領域の下端部のうち第2切目線の先端部と第3切目線の基端部によって囲まれる凸状の外縁は原則全て包装箱の外側に抜け出すとともに、該囲まれた領域自身が抜けたことによって前記側板及び前記フラップに形成される穴の下端部に生じる凹状の外縁で係止される。
したがって、本発明の第1の包装箱では、前記折目線と各切目線とで囲まれた領域を折り倒したときに、第3切目線によって形成される凹凸で係止することができるとともに、第2切目線の先端部と第3切目線の基端部によって形成される凸凹で係止することができるため、フラップを胴部の外側に折り返した状態で確実に保持することができる。
また、本発明の第1の包装箱は、前記側板及び前記フラップには前記折目線を挟んで線対称に、前記第1切目線の先端に連接され、前記第1切目線の先端から前記第2切目線側に向かって、前記折目線に向かって凸状であるとともに前記折目線からの距離が前記第1切目線の先端以上となる位置まで延びる一対の第4の切目線が形成されており、前記第4切目線は、前記フラップを前記折目線に沿って折り返して前記側板に重合させ、前記第4切目線の先端と前記第2切目線の先端との間を回動軸として、前記折目線と前記第1~第4の各切目線とで囲まれた領域を折り倒したときに切断されて、前記第4切目線によって形成される凹状の外縁が、前記領域が折り倒されたことにより前記側板及び前記フラップに形成される凸状の外縁で係止されるように形成されていることが好ましい。
この構成を備える包装箱では、先端が開放されている該第3切目線の先端と前記第4切目線の先端とを結ぶ仮想線を回動軸として、前記折目線と各切目線とで囲まれた領域を包装箱の例えば外側に折り倒すことができる。
さらに、この第4切目線は、前記折目線に向かって凸状であるとともに、その先端は、前記折目線からの距離が前記第1切目線の先端以上となる位置にあるので、第4切目線及び第1切目線は、前記回動軸の延長線またはそれより包装箱の上方側(折目線側)に位置することになる。
そのため、前記囲まれた領域を包装箱の外側に折り倒した場合、前記囲まれた領域の下端部のうち第4切目線によって形成される凹状の外縁は、原則全て包装箱の外側に抜け出すとともに、該囲まれた領域自身が抜けたことによって前記側板及び前記フラップに形成される穴の下端部に生じる凸状の外縁で係止される。
また、第1切目線は前記折目線から離れる方向に延びているのに対し、反対に、該第4切目線は前記折目線に向かって延びているため、第1切目線の先端と第4切目線の基端との連接箇所は、前記折目線から離れる方向に凸状になっている。
そのため、前記囲まれた領域を包装箱の外側に折り倒した場合、前記囲まれた領域の下端部のうち第1切目線の先端部と第4切目線の基端部によって囲まれる凸状の外縁は原則全て包装箱の外側に抜け出すとともに、該囲まれた領域自身が抜けたことによって前記側板及び前記フラップに形成される穴の下端部に生じる凹状の外縁で係止される。
前記構成を備える包装箱では、前記折目線と各切目線とで囲まれた領域を折り倒したときに、第3切目線及び第4切目線によって形成される凹凸でそれぞれ係止することができるとともに、第2切目線の先端部と第3切目線の基端部によって形成される凸凹及び第1切目線の先端部と第4切目線の基端部によって形成される凸凹でそれぞれ係止することができるため、フラップを胴部の外側に折り返した状態で確実に保持することができる。
また、本発明の第2の包装箱は、底部が閉塞された角筒状の胴部と、前記胴部を構成する一の側板の上端縁に折目線を介して連設されたフラップとを備える紙製の包装箱であって、前記側板及び前記フラップには前記折目線を挟んで線対称に、前記折目線からそれぞれ延びる第1切目線と、前記第1切目線から離間して前記折目線からそれぞれ延びる第2切目線と、前記第1切目線の先端と該第1切目線の先端と隣接する前記第2切目線の先端とを結ぶ仮想線の中間部に両端を有し折目線に向かって凸状の一対の第3の切目線とが形成されていることを特徴とする。
本発明の第2の包装箱において、前記側板及び前記フラップには、各切目線が、前記折目線を挟んで線対称に形成されている。
そのため、前記胴部を構成する一の側板の上端縁に折目線を介して連設されたフラップを該折目線で該側板の外側に折り返したとき、フラップ側に設けられた各切目線と、側板側に設けられた各切目線とはそれぞれ重なり合う。
そして、包装箱は紙製であるため、先端が開放されている該第2切目線の先端と前記第1切目線の先端とを結ぶ仮想線を回動軸として、前記折目線と各切目線とで囲まれた領域を包装箱の外側または内側に折り倒すことができる。
したがって、本発明の第2の包装箱では、各切目線が前記折目線を挟んで線対称に形成されているため、より少ない力で、前記領域を包装箱の外側または内側に折り倒すことができる。
さらに、本発明の第3切目線は、前記回動軸に両端を有し、前記折目線に向かって凸状であるため、前記囲まれた領域を包装箱の外側に折り倒した場合、前記囲まれた領域の下端部のうち第3切目線によって形成される凹状の外縁は、原則全て包装箱の外側に抜け出すとともに、該囲まれた領域自身が抜けたことによって前記側板及び前記フラップに形成される穴の下端部に生じる凸状の外縁で係止される。
したがって、本発明の第2の包装箱では、前記折目線と各切目線とで囲まれた領域を折り倒したときに、第3切目線によって形成される凹凸で係止することができるため、フラップを胴部の外側に折り返した状態で確実に保持することができる。
さらに、本発明の第2の包装箱の第3切目線は、前記回動軸の中間部に両端を有しているため、前記囲まれた領域は、前記側板及び前記フラップに対して第3切目線を挟む両側で連結されていることになる。
したがって、本発明の第2の包装箱では、前記折目線と各切目線とで囲まれた領域を折り倒して第3切目線によって形成される凹凸で係止する際に、前記囲まれた領域が前記側板及び前記フラップに対して、予期せぬ方向に捩れてしまうことを防止できるため、フラップを胴部の外側に折り返した状態で確実に保持することができる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。第1実施形態の包装箱1は、図1に組立状態を示すように、四角筒状の胴部2と、該胴部2の上端を閉塞する天板3と、該胴部2の下端を閉塞する底板4(本発明の底部に相当)とによって直方体状に形成されている。
包装箱1は、図2に展開して示すように、一枚の段ボール板紙10から形成されている。なお、図2は、段ボール板紙10の裏面側を示している。段ボール板紙10は、右端の第1側板21と、第1側板21の左側縁に折目線L1を介して連設された第2側板22と、第2側板22の左側縁に折目線L2を介して連設された第3側板23と、第3側板23の左側縁に折目線L3を介して連設された第4側板24と、第4側板24の左側縁に折目線L4を介して連設された接着片25とを備えている。
第1側板21には、上端縁に折目線L5を介して天板内フラップ31が連接され、下端縁に折目線L9を介して底板内フラップ41が連接されている。
第2側板22には、上端縁に折目線L6を介して天板外フラップ32が連接され、下端縁に折目線L10を介して底板外フラップ42が連接されている。
第3側板23には、上端縁に折目線L7を介して天板内フラップ33が連接され、下端縁に折目線L11を介して底板内フラップ43が連接されている。
第4側板24には、上端縁に折目線L8を介して天板外フラップ34が連接され、下端縁に折目線L12を介して底板外フラップ44が連接されている。
後述するが、天板内フラップ31,33及び天板外フラップ32,34は、天板3を構成するものであり、底板内フラップ41,43及び底板外フラップ42,44は底板4を構成するものである。
図1及び図3に示すように、第2側板22及び天板外フラップ32には、ロック片5が形成されている。ロック片5は、折目線L6を挟んで第2側板22及び天板外フラップ32に対して線対称に設けられている。
第2側板22及び天板外フラップ32には、図3に示すように、折目線L6に直交し、該折目線L6から第2側板22側及び天板外フラップ32側にそれぞれ延びる第1切目線51が形成されている。また、第2側板22及び天板外フラップ32には、第1切目線51から所定距離を存して折目線L6に直交し、該折目線L6から第2側板22側及び天板外フラップ32側にそれぞれ延びる第2切目線52が形成されている。この第1切目線51及び第2切目線52の各端部は、互いに接近する方向に屈曲し、第1切目線51及び第2切目線52は、それぞれ概略倒U字状に形成されている。
また、第2側板22及び天板外フラップ32には、一対の第3切目線53a,53bがそれぞれ形成されている。各第3切目線53a,53bは、第2切目線52の先端にそれぞれ連接され、折目線L6に向かってV字状に延びている。
これにより、ロック片5側には凹形状のロック片凹部61a,61bが形成され、第2側板22及び天板外フラップ32のロック片5を除いた領域には凸形状の本体部凸部62a,62bが形成されている。
また、第2切目線52が折目線L6から離れる方向に延びているのに対し、各第3切目線53a,53bは、それぞれ折目線L6に向かって延びているため、第2切目線52の先端と第3切目線53の基端との連接箇所は、折目線L6から離れる方向にV字状になっている。これにより、ロック片5側には凸形状のロック片凸部63a,63bが形成され、第2側板22及び天板外フラップ32のロック片5を除いた領域には凹形状の本体部凹部64a,64bが形成されている。
また、第2側板22及び天板外フラップ32には、一対の第4切目線54a,54bがそれぞれ形成されている。各第4切目線54a,54bは、第1切目線51の先端にそれぞれ連接され、折目線L6に向かってV字状に延びている。これにより、ロック片5側には凹形状のロック片凹部65a,65bが形成され、第2側板22及び天板外フラップ32のロック片5を除いた領域には凸形状の本体部凸部66a,66bが形成されている。
また、第1切目線51は折目線L6から離れる方向に延びているのに対し、各第4切目線54a,54bは、それぞれ折目線L6に向かって延びているため、第1切目線51の先端と第4切目線54の基端との連接箇所は、折目線L6から離れる方向にV字状になっている。これにより、ロック片5側には凸形状のロック片凸部67a,67bが形成され、第2側板22及び天板外フラップ32のロック片5を除いた領域には凹形状の本体部凹部68a,68bが形成されている。
また、第2側板22及び天板外フラップ32には、一対の補助折目線55a,55bが形成されている。補助折目線55aと補助折目線55bとは、折目線L6を挟んで線対称形状である。補助折目線55aは、天板外フラップ32に形成された第3切目線53aの先端と第4切目線54aの先端とを結ぶものであり、補助折目線55bは、第2側板22に形成された第3切目線53bの先端と第4切目線54bの先端とを結ぶものである。
以上の各切目線51,52,53,54及び各補助折目線55で囲まれたロック片5のうち、折目線L6を境にフラップ側に形成された部分がフラップ側ロック片5aであり、第2側板22側に形成された部分が側板側ロック片5bである。
なお、第1実施形態では、さらに、第3切目線53の基端から該基端部の延長線上に補助切目線73a,73bが延設され、第4切目線54の基端から該基端部の延長線上に補助切目線74a,74bが延設されている。
図1に示す包装箱1は、図2に示す上記構成の段ボール板紙10から組み立てられる。
即ち、段ボール板紙10の第1側板21と第2側板22と第3側板23と第4側板24をそれぞれ折目線L1乃至L3に沿って同一方向に折り曲げ、次いで、第4側板24の左端縁に連設されている接着片25を折目線L4に沿って前記同一方向に折り曲げ、第1側板21の右端部の内側面に重合させて接着する。これにより、四角筒状の胴部2が形成される。
続いて、底板内フラップ41及び43をそれぞれ折目線L9及びL11沿って水平に折り曲げ、底板外フラップ42及び44をそれぞれ折目線L10及びL12に沿って水平に折り曲げて前記底板内フラップ41及び43の外側に重合させて、その重合部分を接着剤で接着することにより、底板4が形成される。
次いで、胴部2の内部に被包装物を入れ、その後、天板内フラップ31及び33をそれぞれ折目線L5及びL7に沿ってそれぞれ水平に折り曲げ、天板外フラップ32及び34を折目線L6及びL8に沿ってそれぞれ水平に折り曲げ、前記天板内フラップ31及び33の外側に重合させて、その重合部分を接着剤で接着することにより、天板3が形成され、図1に示すように、包装箱1が形成される。
次に、図4乃至図6を参照して、第1実施形態の包装箱1のロック片5で天板外フラップ32を折り返した状態で保持する作業を説明する。
まず、図4Aに示すように、天板外フラップ32を折目線L6で第2側板22の外側に折り返す。このとき、ロック片5は、天板外フラップ32側と第2側板22側とが折目線L6を挟んで線対称に設けられているため、各切目線51,52,53,54及び補助折目線55がいずれも重なり合う。
次に、図4B及び図5に示すように、ロック片5を把持して補助折目線55a,55bを回動軸に包装箱1の外側に折り倒していく。
このとき、図5及び図6に示すように、フラップ側ロック片5a及び側板側ロック片5bのいずれもが、それぞれ第1切目線51及び第2切目線52の両側縁の間から抜け出る。そして、フラップ側ロック片5aが抜け出た後、天板外フラップ32側における第1切目線51及び第2切目線52の両側縁の間を、側板側ロック片5bの両側縁が順次通過していく。
これと同時に、図6Bに示すように、天板外フラップ32からフラップ側ロック片5aのロック片凹部61a,65aが、天板外フラップ32側に本体部凸部62a,66aを残して抜け出し、第2側板22から側板側ロック片5bのロック片凹部61b,65bが、第2側板22側に本体部凸部62b,66bを残して抜け出る。そして、フラップ側ロック片5aが抜け出た後の本体部凸部62a,66aの上端を、側板側ロック片5bのロック片凹部61b,65bが通過する。この際、第1実施形態では、補助切目線73a,73b,74a,74bが形成されているため、本体部凸部62a,62b,66a,66bが、補助折目線55の端部と、これに隣接する第1切目線51または第2切目線52の端部とを結ぶ仮想線で折れ曲がることがなく、所望の形状に抜き出しやすくなっている。
同様に、図6Cに示すように、天板外フラップ32からフラップ側ロック片5aのロック片凸部63a,67aが、天板外フラップ32側に本体部凹部64a,68aを残して抜け出し、第2側板22から側板側ロック片5bのロック片凸部63b,67bが、第2側板22側に本体部凹部64b,68bを残して抜け出る。そして、フラップ側ロック片5aが抜け出た後の天板外フラップ32の本体部凹部64a,68aを、側板側ロック片5bのロック片凸部63b,67bの下端が順次通過していく。
最後に、把持していたロック片5を放すと、図4Aにおいて反時計回りに折り曲げられていた天板外フラップ32は、段ボールの復元力によって折目線L6を回動軸として時計回りに若干回動する。これにより、フラップ側ロック片5aの回動軸(補助折目線55a)は、側板側ロック片5bの回動軸(補助折目線55b)からみて図6Aで左上方向に、段ボールの厚さ分以上に離間する。
この結果、図4Aにおいて反時計回りに折り倒されていたロック片5が、段ボールの復元力によって補助折目線55a及び補助折目線55bを回動軸として時計回りに若干回動したときに、天板外フラップ32の本体部凸部62a,66aの上端部によって、ロック片5が側板側ロック片5bのロック片凹部61b,65bの外縁より若干内側で係止される。同様に、天板外フラップ32の本体部凹部64a,68aの外縁より若干内側によって、ロック片5が側板側ロック片5bのロック片凸部63b,67bの下端で係止される。
以上説明したとおり、第1実施形態のロック片5は、各切目線51,52,53,54が折目線L6を挟んで線対称に形成されているため、少ない力でロック片5を折り倒すことができる。また、各切目線51,52,53,54が折目線L6を挟んで線対称に形成されているため、ロック片5を包装箱の外側だけでなく内側に折り倒すことができる。
また、第1実施形態のロック片5は、天板外フラップ32に対して、ロック片凹部61b,65b及びロック片凸部63b,67bの計4箇所で係止される。これにより本実施形態の包装箱によれば、ロック片5により天板外フラップ32を折り返した状態で確実に保持することができる。
なお、以上説明した第1実施形態の包装箱は、例えば、胴部2の内部に被包装物を入れる際に、起立する各天板フラップのうち天板外フラップ32を折り返した状態で保持することで、被包装物を入れやすくするために用いることができる。
また、搬送後に被包装物を販売する際に、起立させた他の各天板フラップによって商品を積み上げるとともに、天板外フラップ32を折り返した状態で保持することで、商品が看者から見やすい状態にすることもできる。
[第1実施形態の変形例]
なお、第1実施形態では四角筒状の胴部を例として説明したが、胴部は五角筒状、六角筒状であってもよい。
また、第1実施形態ではA式段ボール包装箱を例として説明したが、本発明の包装箱は、B式段ボール包装箱としてもよい。
また、第1実施形態のロック片5は、天板外フラップ32及び第2側板22に1つだけ設けられているが、天板外フラップ34及び第4側板24にも設けられていてもよく、天板内フラップ31,33とそれに連接される第1側板21、第3側板23とに設けられてもよい。つまり、ロック片5の個数に限定はなく、一の側板に複数設けてもよい。
また、第1切目線51及び第2切目線52は、折目線L6を挟んで線対称であれば形状は直線に限定されず、曲線でもよく、屈曲点を有していてもよい。また、第1切目線51及び第2切目線52と折目線L6との交点は直交している必要はない。また、第1切目線51及び第2切目線52は、折目線L6を挟んで線対称であれば第1切目線51と第2切目線52とは相互に対称形状である必要はない。
また、第1実施形態では、第3切目線53及び第4切目線54が凸状を各々1個有しているが、各々複数個の凸状を有して例えばW字状であってもよく、波状であってもよい。
また、第1実施形態では、第3切目線53及び第4切目線54をV字状としているが、その先端が鋭角である必要はなく、U字状等の曲線であってもよく、半円状、であってもよく、屈曲点を有した倒「コ」の字状であってもよい。
また、第1実施形態では、第3切目線53及び第4切目線54を形成しているが、第4切目線54を省略し、第3切目線53のみ形成してもよい。この場合でも、側板側ロック片5bは、天板外フラップ32に対して、ロック片凹部61b及びロック片凸部63bの2箇所で係止される。これによりロック片5は、第3切目線53のみでも包装箱1の外側に突出した状態で十分保持される。
また、補助折目線55は省略してもよい。包装箱1は紙製であるため、補助折目線55がなくとも手で折り曲げることができる。さらに、補助折目線55は、折目線L6を挟んで線対称であれば該折目線L6と平行である必要はない。
また、補助切目線73a,73b,74a,74bは省略してもよい。他方、他の各切目線51,52,53,54から補助切目線が延設されていてもよい。例えば、第2切目線の先端から、延長線方向に補助切目線を設けることをもできる。この場合、補助切目線の先端までが第2切目線に相当するのではなく、第2切目線から分岐し折目線L6に向かって延びる第3切目線との交点が第2切目線の先端に相当することになる。
[第2実施形態]
また、本発明は上記形状のロック片5これに限られることなく、図7に示すようなロック片105であってもよい。以下、上記第1実施形態と同様である点の説明は省略し、その余について説明する。
第2実施形態に係る包装箱1の第2側板22及び天板外フラップ32には、ロック片105が形成されている。ロック片105は、折目線L6を挟んで第2側板22及び天板外フラップ32に対して線対称に設けられている。
図7に示すように、第2側板22及び天板外フラップ32には、折目線L6に直交し、該折目線L6から第2側板22側及び天板外フラップ32側にそれぞれ延びる第1切目線151が形成されている。また、第2側板22及び天板外フラップ32には、第1切目線151から所定距離を存して折目線L6に直交し、該折目線L6から第2側板22側及び天板外フラップ32側にそれぞれ延びる第2切目線152が形成されている。
また、第2側板22及び天板外フラップ32には、一対の第3切目線153a,153bがそれぞれ形成されている。各第3切目線153a,153bは、それぞれ折目線L6に向かってU字状に延びている。各第3切目線153a,153bの両端は、天板外フラップ32側の第1切目線151の先端と第2切目線152の先端とを結ぶ仮想線上の中間部にそれぞれ配置されている。すなわち、各第3切目線153a,153bの各端は、隣接する第1切目線151の各端及び隣接する第2切目線152の各端と所定距離離間している。
これにより、ロック片105には凹形状のロック片凹部161a,161bが形成され、第2側板22及び天板外フラップ32のロック片105を除いた領域には凸形状の本体部凸部162a,162bが形成されている。
また、第2側板22及び天板外フラップ32には、補助折目線155a,155bがそれぞれ形成されている。各補助折目線155a,155bは、各第3切目線153aの各端から隣接する第1切目線151の各端または隣接する第2切目線152の各端を結ぶ仮想線上に形成されることで、第2側板22及び天板外フラップ32のそれぞれに2つずつ合計4つ形成されている。この補助折目線155a,155aと補助折目線155b,155bとは、折目線L6を挟んで線対称形状に設けられている。また、第2実施形態の各補助折目線155a,155bは、折目線L6に対して平行に延びている。
以上の各切目線151,152,153及び各補助折目線155で囲まれたロック片105のうち、折目線L6を境にフラップ側に形成された部分がフラップ側ロック片105aであり、第2側板22側に形成された部分が側板側ロック片105bである。
次に、第2実施形態の包装箱1のロック片105で天板外フラップ32を折り返した状態で保持する作業を説明する。
まず、天板外フラップ32を折目線L6で第2側板22の外側に折り返す。このとき、ロック片105は、天板外フラップ32側と第2側板22側とが折目線L6を挟んで線対称に設けられているため、各切目線151,152,153及び補助折目線155がいずれも重なり合う。
次に、ロック片105を把持して補助折目線155a,155bを回動軸に包装箱1の外側に折り倒していく。
このとき、フラップ側ロック片105a及び側板側ロック片105bのいずれもが、それぞれ第1切目線151及び第2切目線152の両側縁の間から抜け出る。そして、フラップ側ロック片105aが抜け出た後、天板外フラップ32側における第1切目線151及び第2切目線152の両側縁の間を、側板側ロック片105bの両側縁が順次通過していく。
これと同時に、天板外フラップ32からフラップ側ロック片105aのロック片凹部61a,65aが、天板外フラップ32側に本体部凸部162aを残して抜け出し、第2側板22から側板側ロック片105bのロック片凹部161bが、第2側板22側に本体部凸部162bを残して抜け出る。そして、フラップ側ロック片105aが抜け出た後の本体部凸部162aの上端を、側板側ロック片105bのロック片凹部161bが通過する。
最後に、把持していたロック片105を放すと、反時計回りに折り曲げられていた天板外フラップ32は、段ボールの復元力によって折目線L6を回動軸として時計回りに若干回動する。これにより、フラップ側ロック片105aの回動軸(補助折目線155a)は、側板側ロック片105bの回動軸(補助折目線155b)からみて左上方向に、段ボールの厚さ分以上に離間する。
この結果、反時計回りに折り倒されていたロック片105が、段ボールの復元力によって補助折目線155a及び補助折目線155bを回動軸として時計回りに若干回動したときに、天板外フラップ32の本体部凸部162aの上端部によって、側板側ロック片105bのロック片凹部161bの外縁より若干内側で係止される。
以上説明したとおり、第2実施形態のロック片105は、各切目線151,152,153が折目線L6を挟んで線対称に形成されているため、少ない力でロック片105を折り倒すことができる。また、各切目線151,152,153が折目線L6を挟んで線対称に形成されているため、ロック片105を包装箱の外側だけでなく内側に折り倒すことができる。
さらに、第2実施形態のロック片105は、各第3切目線153a,155bの両側に補助折目線155を有しているため、折り倒す際に、第2側板22及び天板外フラップ32に対して、ロック片105が予期せぬ方向に捩れてしまうことを防止できる。これにより、側板側ロック片105bのロック片凹部161bが誤って天板外フラップ32の本体部凸部162aの上端部を乗り越えてしまい、ロック片105による係止が解除されることを低減させることができる。よって、第2本実施形態の包装箱によれば、ロック片105により天板外フラップ32を折り返した状態で確実に保持することができる。
[第2実施形態の変形例]
また、第2実施形態のロック片105は、天板外フラップ32及び第2側板22に1つだけ設けられているが、天板外フラップ34及び第4側板24にも設けられていてもよく、天板内フラップ31,33とそれに連接される第1側板21、第3側板23とに設けられてもよい。つまり、ロック片105の個数に限定はなく、一の側板に複数設けてもよい。
また、第1切目線151及び第2切目線152は、折目線L6を挟んで線対称であれば形状は直線に限定されず、曲線でもよく、屈曲点を有していてもよい。また、第1切目線151及び第2切目線152と折目線L6との交点は直交している必要はない。また、第1切目線151及び第2切目線152は、折目線L6を挟んで線対称であれば第1切目線151と第2切目線152とが相互に対称形状である必要はない。
また、第3切目線153は、半円状、V字状、屈曲点を有した倒「コ」の字状、複数個の凸状を有するW字状であってもよい。
また、本実施形態では、第3切目線153は、天板外フラップ32及び第2側板22に各1つ設けられているが、複数設けてその間を補助折目線155で繋ぐこともできる。
また、補助折目線155は省略してもよい。包装箱1は紙製であるため、補助折目線155がなくとも手で折り曲げることができる。さらに、補助折目線155は、折目線L6を挟んで線対称であれば該折目線L6と平行である必要はない。
他の各切目線151,152,153には、第1実施形態と同様に補助切目線が延設されていてもよい。
また、ロック片105は、第3切目線153の両端から、折目線L6から離間する方向に延びる補助切目線が設けられていてもよい。