JP7083159B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技者に遊技上の利益を付与するか否かを抽選により決定する遊技機に関する。
遊技機としてのスロットマシンでは、遊技の進行に際し、遊技者の有利度合い(遊技利益)を異にする複数の遊技状態や演出状態が設けられている。例えば、ボーナス役に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に表示することで、通常遊技状態より、遊技者がメダルを獲得し易いボーナス遊技状態に移行する仕様を採用しているスロットマシンがある。
また、スロットマシンにおいては、スタートスイッチの操作等、所定の契機に基づく抽選により遊技利益が決定される。例えば、抽選対象それぞれに置数を定め、乱数値に、抽選対象ごとの置数を順次加算(減算)し、オーバーフローした場合、当該抽選対象に当選したとする技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2015-119773号公報
特許文献1のように、抽選テーブルにおいて、複数の当選領域ごとに置数を設け、抽選により0~255の間で乱数が決定されると、抽選テーブルにおける複数の当選領域を所定の順に参照して置数を取得し、その置数を乱数から減算して減算後の値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた抽選対象を抽選結果とすることがある。
また、抽選対象として所定の遊技利益の当選または不当選の二択を準備した場合において、遊技の進行により、所定の遊技利益に100%当選する仕様を設けることがある。これは、乱数の範囲が1バイト(0~255)である場合に、当選に対応する当選領域の置数を256以上とすることで(乱数から置数を減算した値が必ず0未満となるので)実現することができる。
しかし、256以上の数値を置数として設定するには、2バイト以上のデータ長を要し、メモリの容量を圧迫しかねない。特に、抽選処理の単純化のため、抽選テーブルの複数の当選領域における置数のデータ長を統一(共通化)すると、データ長を長い方に合わせなければならなくなるため、他の置数のデータ長も不要に長くなり(2バイトになり)、メモリにおける占有領域がより増加することとなる。
本発明は、このような課題に鑑み、抽選対象に100%当選する仕様を設けた場合であっても、メモリにおける占有領域の増加を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、所定の総数の範囲から乱数を生成する乱数生成手段と、当選領域が割り当てられた抽選テーブルにおいて、前記当選領域の当選範囲を示す数値である置数を参照して前記置数の範囲に前記乱数が含まれるか否か判定し、前記乱数に対応する当選領域を決定する当選領域決定手段と、を備え、前記抽選テーブルには、所定の遊技利益の不当選を示す当選領域および置数が割り当てられ、前記所定の遊技利益には当選領域および置数が割り当てられておらず、前記当選領域決定手段は、前記所定の遊技利益の不当選を示す当選領域に対応付けられた置数の範囲に前記乱数が含まれていなければ、前記乱数に関する判定を行うことなく、所定の遊技利益の当選を決定する。
前記当選領域決定手段は、特定の契機においては、前記抽選テーブルを参照することなく、前記所定の遊技利益の不当選を決定してもよい。
本発明によれば、抽選対象に100%当選する仕様を設けた場合であっても、メモリにおける占有領域の増加を抑制することが可能となる。
スロットマシンの概略的な機械的構成を説明するための外観図である。 スロットマシンの概略的な機械的構成を説明するための前面扉を開いた状態での外観図である。 リールの図柄配列および有効ラインを示す図である。 スロットマシンの概略的な電気的構成を示したブロック図である。 当選役を説明するための説明図である。 当選種別抽選テーブルを示す図である。 当選種別抽選テーブルを示す図である。 主制御基板における遊技状態の遷移を説明するための説明図である。 演出状態の遷移を説明するための説明図である。 演出状態抽選テーブルを示す図である。 演出状態抽選テーブルを示す図である。 主制御基板のメイン処理を示したフローチャートである。 抽選処理を示したフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および図2の外観図に示すように、遊技機としてのスロットマシン100は、前面が開口した筐体102と、筐体102の前面一端に回動可能に上下に並んで配置される前面上扉104および前面下扉106とが設けられている。前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓108が設けられており、筐体102内の図柄表示窓108に対応する位置には、3つのリール110(左リール110a、中リール110b、右リール110c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられている。左リール110a、中リール110b、右リール110cには、図3(a)の図柄配列に示すように、20に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列されており、遊技者は、図柄表示窓108を通じて、上段、中段、下段に位置する、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの3つの連続する合計9個の図柄を視認することができる。
前面下扉106の上部には操作部設置台112が形成され、操作部設置台112には、メダル投入部114、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120、演出スイッチ122等が設けられている。メダル投入部114は、メダル投入口114aを通じて遊技媒体としてのメダルの投入を受け付ける。ベットスイッチ116は、スロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)されているメダルのうち、1遊技で必要とされる規定数のメダルを投入(ベット)する。
スタートスイッチ118は、例えば傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による遊技の開始操作を検出する。ストップスイッチ120(ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120c)は、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに対応して設けられており、遊技者の停止操作を検出する。演出スイッチ122は、例えば、押圧スイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な画像を表示する液晶表示部124が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ126が設けられる。また、前面上扉104の裏面における液晶表示部124の左右位置や前面下扉106の裏面における左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ128が設けられている。
操作部設置台112には、メインクレジット表示部130およびメイン払出表示部132が設けられている。また、図柄表示窓108と操作部設置台112との間には、サブクレジット表示部134およびサブ払出表示部136が設けられている。これらメインクレジット表示部130およびサブクレジット表示部134にはクレジットされているメダルの枚数(クレジット枚数)が表示され、メイン払出表示部132およびサブ払出表示部136にはメダルの払出枚数が表示される。
筐体102内におけるリール110の下方には、メダル排出口140aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)142が設けられている。また、前面下扉106の前面下部には、メダル排出口140aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部140が設けられている。また、筐体102内には、電源スイッチ144が設けられている。電源スイッチ144は、スロットマシン100を管理する管理者が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
スロットマシン100では、遊技が開始可能となり、規定数のメダルがベットされると、有効ラインAが有効化するとともに、スタートスイッチ118に対する操作が有効となる。ここで、ベットは、ベットスイッチ116の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部114を通じてメダルを投入する場合と、詳しくは後述するリプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。また、有効ラインAは、当選役の入賞を判定するためのラインであり、本実施形態では1本である。有効ラインAは、図3(b)に示すように、図柄表示窓108に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、左リール110aの中段、中リール110bの中段、右リール110cの中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインに設定されている。無効ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示する、当選役の入賞判定には用いられない有効ラインA以外のラインであり、本実施形態では、図3(b)に示す4つの無効ラインB1、B2、C1、C2を想定している。
そして、遊技者によりスタートスイッチ118が操作されると、遊技が開始され、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転されるとともに、当選種別抽選等が実行される。その後、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cをそれぞれ停止させる。そして、当選種別抽選の抽選結果および有効ラインAに表示された図柄の組み合わせによって、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合にはメダルの払い出しが実行され、メダルの払い出しを受け得る当選種別に非当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合には左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって、遊技が終了する。
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部114を通じたメダルの投入、ベットスイッチ116の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転制御されるとともに当選種別抽選が実行され、当選種別抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、操作されたストップスイッチ120a、120b、120cに対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選種別に非当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ118の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。
(スロットマシン100の電気的構成)
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、遊技の進行を制御する主制御基板200と、遊技の進行に応じた演出を制御する副制御基板202とを含む制御基板が設けられている。また、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。なお、メインRAM200cは、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてRAMクリアが実行されない限り、データが消去されることなく保持される。
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314、コマンド送信手段316等の機能部を有する。
主制御基板200では、メダル投入口114aへのメダルの投入を検出する投入メダル検出部114b、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118およびストップスイッチ120a、120b、120cから各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、メインCPU200aが種々の処理を実行する。
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118の操作に基づき、詳しくは後述するように、当選役の当否、より詳しくは、当選役が含まれる当選種別の当否を決定する当選種別抽選を行う。
リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転制御し、回転している左リール110a、中リール110b、右リール110cにそれぞれ対応したストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cを停止制御する。
また、主制御基板200には、リール駆動制御部150が接続されている。このリール駆動制御部150は、スタートスイッチ118の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ152を駆動する。また、リール駆動制御部150は、ストップスイッチ120の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路154の検出信号に基づいて、ステッピングモータ152の駆動を停止する。
判定手段308は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたか否か判定する。ここで、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたこと(入賞したこと)に基づいて、当該当選役に対応する数だけメダルを払い出す。また、主制御基板200には、メダル払出装置142が接続されており、払出制御手段310は、メダルの払出枚数を計数しながらメダルを排出する。
遊技状態制御手段312は、当選種別抽選の結果や判定手段308の判定結果を参照し、複数種類の遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させる。また、演出状態制御手段314は、当選種別抽選の結果、判定手段308の判定結果、遊技状態の遷移情報を参照し、複数種類の演出状態のいずれかに演出状態を移行させる。
コマンド送信手段316は、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定し、決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。
また、主制御基板200には、乱数発生器(乱数生成手段)200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定の数値範囲内でループさせ、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数(以下、当選種別抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選種別抽選手段304が当選種別を決定するために用いられる。
(副制御基板202)
また、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器(乱数生成手段)202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
また、副制御基板202では、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、演出制御手段334等の機能部を有する。
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段334は、演出スイッチ122から検出信号を受信するとともに、受信されたコマンドに基づいて液晶表示部124、スピーカ128、演出用ランプ126の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出制御手段334は、液晶表示部124に表示される画像データや、演出用ランプ126、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ128から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。そして、演出制御手段334は、決定した遊技の演出を実行する。なお、演出には、補助演出も含まれる。補助演出は、当選種別抽選において、遊技利益が大きい当選役(以下、選択当選役という)と他の当選役とが重複した当選種別(以下、選択当選種別という)に当選したときに、その選択当選役の入賞条件となるストップスイッチ120a、120b、120cの操作態様(以下、正解操作態様という)を報知する演出である。かかる補助演出により、遊技者は、当該選択当選役に対応する図柄組み合わせを、遊技者が有効ラインA上に容易に表示させることができる。かかる補助演出を実行する演出状態をAT(アシストタイム)演出状態という。また、AT演出状態とリプレイ役の当選確率が高いRT(リプレイタイム)遊技状態が並行して進行される所謂ART遊技状態を用いることもある。
(主制御基板200で用いられるテーブル)
図5は、当選役を説明するための説明図であり、図6および図7は、当選種別抽選テーブルを説明するための説明図である。
スロットマシン100においては、詳しくは後述するように、複数種類の遊技状態および演出状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態および演出状態が移行される。そして、主制御基板200では、遊技状態制御手段312により管理、制御される遊技状態に対応する複数の当選種別抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選種別抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の設定値(遊技利益を得る容易性を段階的に示したもの)と現在の遊技状態に応じて、対応する当選種別抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選種別抽選テーブルに基づき、スタートスイッチ118の操作信号に応じて取得された当選種別抽選乱数が当選種別抽選テーブル内のいずれの当選種別に対応するか判定する。
ここで、当選種別抽選テーブルで抽出される当選種別を構成する当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役が含まれる。リプレイ役は、リプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度遊技を実行できる役である。小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、遊技状態制御手段312により管理される遊技状態をボーナス遊技状態に移行させることができる役である。
本実施形態における当選役は、図5に示すように、リプレイ役として、当選役「移行リプレイ1」~「移行リプレイ4」、「通常リプレイ1」~「通常リプレイ3」、「チェリーリプレイ1」、「チェリーリプレイ2」、「BAR煽りリプレイ」、「BAR揃いリプレイ」、「チャンスリプレイ」(以下、かかる12個のリプレイ役を単に当選役「リプレイ」と略す場合がある)が設けられている。
また、小役として、当選役「1枚役1」~「1枚役16」(以下、かかる16個の小役を単に当選役「1枚役」と略す場合がある)、当選役「ベル1」~「ベル5」(以下、かかる5個の小役を単に当選役「ベル」と略す場合がある)、当選役「チェリー」、当選役「スイカ1」~「スイカ4」(以下、かかる4個の小役を単に当選役「スイカ」と略す場合がある)、当選役「リーチ目1」~「リーチ目3」(以下、かかる3個の小役を単に当選役「リーチ目」と略す場合がある)が設けられている。
また、ボーナス役として、当選役「RBB1」、「RBB2」、「CBB1」、「CBB2」(以下、かかる4個のボーナス役を単に当選役「BB」と略す場合がある)が設けられている。図5では、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに、各当選役を構成する1または複数の図柄が対応付けられている。なお、図5中「ANY」は、対応する有効ラインA上にいずれの図柄が停止してもよいことを示す。また、当選役「チェリーリプレイ1」、「チェリーリプレイ2」、「チャンスリプレイ」、「チェリー」、「スイカ」は、当選役「BB」を除く他の当選役よりも得られる特典(遊技利益)が高くなるように設定される所謂レア役である。
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、リール110の回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、入賞可能な当選役に対応する図柄がリール110中に複数あり、いずれもリール110の引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ120が押圧操作されたときに、入賞可能な当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別に含まれる当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、リール制御手段306は、遊技者の操作態様に応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能に停止制御する。
そして、例えば、当選役「移行リプレイ1」~「移行リプレイ4」、当選役「通常リプレイ1」~「通常リプレイ3」、当選役「ベル1」~「ベル5」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている。このような当選役をPB=1と表す場合がある。一方、例えば、当選役「チェリー」、当選役「スイカ」、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ずしも有効ラインA上に表示可能なように配列されていないので、所謂とりこぼしが発生する場合がある。このような当選役をPB≠1と表す場合がある。
図6および図7に示すように、当選種別抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、各遊技状態によって抽選の対象となる当選種別が異なったり、ハズレ(不当選)の有無が異なったりする。図6および図7では、各遊技状態(RT0遊技状態(RT0)、RT1遊技状態(RT1)、RT2遊技状態(RT2)、RT3遊技状態(RT3)、RT4遊技状態(RT4)、内部中遊技状態(内部中)、当選役「RBB1」が入賞したボーナス遊技状態(RBB1)、当選役「RBB2」が入賞したボーナス遊技状態(RBB2)、当選役「CBB」が入賞したボーナス遊技状態(CBB1)、当選役「CBB2」が入賞したボーナス遊技状態(CBB2))毎に割り当てられた当選領域(当選種別)を「○」や「●」で表しているが、実際には、複数の遊技状態それぞれに対応する当選種別抽選テーブルがメインROM200bに記憶されている。なお、「○」はその当選種別の当選確率に設定差(設定値毎の差)が無い設定差無当選種別であることを示し、「●」はその当選種別の当選確率に設定差が有る設定差有当選種別であることを示している。当選種別抽選テーブルでは、区画化された各当選領域にはそれぞれ当選範囲を示す数値である所定の置数(当選範囲値)と当選種別が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の置数を合計すると当選種別抽選乱数の総数(65536)となる。したがって、当選種別それぞれが決定される確率は、当選領域に対応付けられた置数を当選種別抽選乱数の総数で除算した値となる。当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域のうち番号の高い方から、順次、置数を取得し、その置数を当選種別抽選乱数から減算して、減算後の値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を当選種別抽選の抽選結果としている。
図6および図7の当選種別抽選テーブルによれば、例えば当選領域1には、当選種別「ハズレ」が対応付けられており、かかる当選種別に当選すると、図5に示したいずれの当選役に対応する図柄組み合わせも有効ラインA上に表示されることはなく、メダルの払い出し等が行われることはない。ただし、後述するように、BB内部当選フラグが次遊技に持ち越されている場合、当選種別「ハズレ」の当選により、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。
また、当選領域2~26には、1のリプレイ役が単独で、または、複数のリプレイ役が重複して対応付けられている。そして、複数の当選役が重複して含まれる当選種別に当選した場合には、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作される順番が設定されている。
以下の説明において、左リール110a、中リール110b、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順1」とし、左リール110a、右リール110c、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順2」とし、中リール110b、左リール110a、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順3」とし、中リール110b、右リール110c、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順4」とし、右リール110c、左リール110a、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順5」とし、右リール110c、中リール110b、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順6」とする。
例えば、RT1遊技状態において、当選種別「移行リプレイ1」に当選し、打順1による操作が行われた場合、RT2遊技状態への移行を示す当選役「移行リプレイ2」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、打順2~打順6による操作が行われた場合、RT3遊技状態への移行を示す当選役「移行リプレイ3」、「移行リプレイ4」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。
また、当選領域28~39には、当選役「ベル」と当選役「1枚役」とが重複して含まれる当選種別「打順ベル左1」~「打順ベル右4」(以下、かかる12個の当選種別を単に当選種別「打順ベル」と略す場合がある)がそれぞれ対応付けられている。なお、当選領域28~39の当選確率(置数の数)は等しくなるように設定されている。遊技者は、通常、いずれの当選種別に当選しているのかを知ることができないため、上記のような当選領域28~39を設けることにより、当選役「ベル」を入賞させにくくしている。また、当選役「1枚役」が優先的に表示される打順でストップスイッチ120a、120b、120cが操作されても、必ずしも当選役「1枚役」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させられるとは限らないので、その操作態様によっては、とりこぼしが発生することがある(PB≠1)。また、当選領域40~42には、当選役「ベル2」と当選役「ベル3」とが重複して含まれる当選種別「打順ベル左中」~「打順ベル中右」(以下、かかる3個の当選種別を単に当選種別「補助打順ベル」と略す場合がある)がそれぞれ対応付けられている。なお、当選領域40~42の当選確率(置数の数)は等しくなるように設定されている。
また、当選領域50~53には、当選役「RBB1」が含まれる当選種別「RBB1」、「RBB2」、「RBB3」、「RBB4」が対応付けられており、当選領域54~57には、当選役「RBB2」が含まれる当選種別「RBB5」、「RBB6」、「RBB7」、「RBB8」が対応付けられており、当選領域58~61には、当選役「CBB1」が含まれる当選種別「CBB1」、「CBB2」、「CBB3」、「CBB4」が対応付けられており、当選領域62~65には、当選役「CBB2」が含まれる当選種別「CBB5」、「CBB6」、「CBB7」、「CBB8」が対応付けられている。なお、以下では、当選種別「RBB1」、「RBB2」、「RBB3」、「RBB4」、「RBB5」、「RBB6」、「RBB7」、「RBB8」、「CBB1」、「CBB2」、「CBB3」、「CBB4」、「CBB5」、「CBB6」、「CBB7」、「CBB8」を単に当選種別「BB」と略す場合がある。
なお、上述したいずれかの当選種別に当選すると、それぞれの当選種別に対応する内部当選フラグが成立(オン)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、各リール110の停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選種別に当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該遊技の終了後に内部当選フラグがオフされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選種別に当選した遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。これに対して、当選役「BB」が含まれる当選種別に当選した場合には、BB内部当選フラグが成立(オン)するとともに、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、BB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。なお、リプレイ役である当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選種別に含まれる当選役「リプレイ」のうちのいずれかの当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがオフされる。
(遊技状態の遷移)
ここで、図8を用い、上記ボーナス遊技状態を含む遊技状態の遷移について説明する。ここでは、RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態(後述するART遊技状態となる場合あり)、RT3遊技状態、RT4遊技状態、内部中遊技状態、ボーナス遊技状態といった複数の遊技状態が準備されている。RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態は、それぞれリプレイ役の当選確率が設定された(RT0遊技状態=1/7.3、RT1遊技状態=1/1.4、RT2遊技状態=1/1.4、RT3遊技状態=1/7.3、RT4遊技状態=1/7.3)、所謂、RT遊技状態であり、後述するように、所定の当選役が有効ラインA上に表示されることで、あるいは、ボーナス役の当選に関連してRT遊技状態が遷移する。ここでは、RT1遊技状態およびRT2遊技状態のリプレイ役の当選確率が比較的高く設定されており、遊技者はRT1遊技状態やRT2遊技状態に移行することで、遊技を有利に進行することができる。
通常遊技状態におけるRT0遊技状態は、複数の遊技状態における初期状態に相当する遊技状態である。RT0遊技状態において、当選種別「打順ベル」に当選し、いずれの小役(当選役「ベル」、「1枚役」)に対応する図柄の組み合わせも有効ラインA上に表示されなかった場合に表示されるブランク図柄組み合わせに対応する図柄の組み合わせが有効ラインA上に表示された場合に、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRT1遊技状態に移行させる(1)。
また、RT1遊技状態において、当選種別「移行リプレイ1」~「移行リプレイ6」のいずれかに当選し、かつ、当選役「移行リプレイ2」に対応する図柄組み合わせが表示された場合に、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRT2遊技状態に移行させる(2)。かかるRT2遊技状態では、所定の条件下で補助演出を行う、所謂、ATを並行して実行すること(AT演出状態)を想定しており、本実施形態においては、RT2遊技状態と並行してATを実行している状態をART遊技状態という。
また、RT2遊技状態において、当選種別「移行リプレイ13」~「移行リプレイ15」のいずれかに当選し、かつ、当選役「移行リプレイ1」に対応する図柄組み合わせが表示された場合、また、当選種別「打順ベル」に当選し、いずれの小役(当選役「ベル」、「1枚役」)に対応する図柄の組み合わせも有効ラインA上に表示されなかった場合、つまり、ブランク図柄組み合わせに対応する図柄の組み合わせが有効ラインA上に表示された場合に、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRT1遊技状態に移行させる(3)。
また、RT1遊技状態において、当選種別「移行リプレイ1」~「移行リプレイ12」のいずれかに当選し、かつ、当選役「移行リプレイ3」または当選役「移行リプレイ4」に対応する図柄組み合わせが表示された場合に、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRT3遊技状態に移行させる(4)。また、RT0遊技状態において、当選種別「移行リプレイ7」~「移行リプレイ12」のいずれかに当選し、かつ、当選役「移行リプレイ3」または当選役「移行リプレイ4」に対応する図柄組み合わせが表示された場合に、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRT3遊技状態に移行させる(5)。また、遊技状態制御手段312は、RT3遊技状態において、当選種別「BB」に当選することなく、所定の遊技数(例えば、16遊技)が経過すると、遊技状態をRT0遊技状態に移行させる(6)。
また、RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態のいずれかの遊技状態での当選種別抽選において、ボーナス役を含む当選種別のいずれかに当選し、BB内部当選フラグが成立すると、遊技状態制御手段312は、遊技状態をボーナス遊技状態の準備状態に相当する内部中遊技状態に移行する(7)。このとき、ボーナス役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、そのままBB内部当選フラグが次遊技に持ち越され(内部中遊技状態が維持され)、次回以降の遊技においてもボーナス役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。内部中遊技状態では、その前段(直前)の遊技状態よりリプレイ役(例えば、当選種別「通常リプレイ1」)の当選確率が高く(例えば、1/3.0)設定されるので、メダルの消費を抑えつつ、ボーナス役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させるように狙うことができる。そして、遊技者が、ボーナス役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させると、遊技状態制御手段312は、遊技状態を、内部中遊技状態からボーナス遊技状態に移行する(8)。なお、本実施形態におけるボーナス役のうち、当選役「RBB1」は、後に示すシフトRB仕様の1種ビッグボーナスRBBである。かかるボーナス役は後程詳述する。また、ボーナス遊技状態において、それぞれのボーナス役に対応付けられた所定枚数を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段312は、ボーナス役を含む当選種別が決定されたときの遊技状態に拘わらず、遊技状態を、ボーナス遊技状態からRT4遊技状態に移行する(9)。したがって、ボーナス役に当選すると、RT0遊技状態~RT3遊技状態に移行する前に、必ず、RT4遊技状態を経由することとなる。
そして、RT4遊技状態において、当選種別「打順ベル」に当選し、いずれの小役(当選役「ベル」、「1枚役」)に対応する図柄の組み合わせも有効ラインA上に表示されなかった場合に、ブランク図柄組み合わせに対応する図柄の組み合わせが有効ラインA上に表示されて、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRT1遊技状態に移行させる(10)。
(演出状態の遷移)
図9は、主制御基板200における演出状態の遷移を説明するための説明図である。以下、主制御基板200において演出状態制御手段314により遷移される演出状態(非AT演出状態、AT演出状態)について詳述する。
(非AT演出状態)
非AT演出状態は、通常演出状態とチャンス演出状態(チャンスゾーン)とが設けられている。非AT演出状態が実行される際、補助演出の実行頻度がAT演出状態より極めて低く、補助演出がほぼ行われないので、獲得できるメダルの枚数が制限される。通常演出状態は、副制御基板202で管理される複数の演出状態のうち、初期状態に相当する遊技状態である。
演出状態制御手段314は、通常演出状態における所定の契機で遊技状態をチャンス演出状態に移行し(1)、チャンス演出状態のまま所定の条件が満たされると、例えば、所定の遊技数が消化されると、通常演出状態に戻す(2)。また、演出状態制御手段314は、通常演出状態およびチャンス演出状態において、演出状態をAT演出状態に移行することができる(3)。ただし、チャンス演出状態の方が通常演出状態よりAT演出状態に移行し易いように設定されている。例えば、通常演出状態およびチャンス演出状態のいずれの遊技状態においても、当選種別抽選により決定された当選種別に基づいてAT演出状態へ移行するか否かが抽選(演出状態抽選)により決定される場合に、当選種別毎に対応付けられたAT演出状態へ移行する確率が通常演出状態よりチャンス演出状態の方が高くなっている。したがって、遊技者は、通常演出状態より、チャンス演出状態に滞在することを望むこととなる。また、AT演出状態に移行することなく非AT演出状態で所定の遊技数が消化されると(所謂、天井到達)、演出状態制御手段314は、遊技状態をAT演出状態へ移行する。
(AT演出状態)
AT演出状態では、補助演出によって正解操作態様が報知されることで、メダルの消費を抑えつつ、多くのメダルを獲得することが可能となる。したがって、遊技者は、AT演出状態において、非AT演出状態と比べ、遊技を有利に進行することができる。
また、AT演出状態では、通常AT演出状態、チャンスAT演出状態(特化ゾーン)といった2つのAT演出状態が設けられている。通常AT演出状態は、所定の継続遊技数(例えば、50遊技)を1セットとしてセット数管理により遊技が進行する。演出状態制御手段314は、演出状態が通常AT演出状態に設定されると、ストック(保持)されているセット数を1減算するとともに、継続遊技数を50遊技に設定する。そして、継続遊技数の遊技が終了すると、演出状態制御手段314は、セット数が0であるか(セット数がストックされているか)判定し、セット数が0でない場合には、ストックされているセット数を1減算して、通常AT演出状態を継続させる(4)。ただし、通常AT演出状態の継続時の継続遊技数は30遊技以上の所定の遊技数となる。一方、ストックされているセット数が0である場合には、演出状態制御手段314は、通常AT演出状態を終了し、演出状態をチャンス演出状態へ移行する(5)。また、演出状態制御手段314は、通常AT演出状態において所定条件を満たすと、演出状態をチャンスAT演出状態に移行することができる(6)。
チャンスAT演出状態は、所定の遊技数が経過するまで継続し、その間に、通常AT演出状態のセット数を上乗せする。そして、所定の遊技数が終了すると、演出状態制御手段314は、演出状態を通常AT演出状態に移行する(7)。
なお、遊技状態および演出状態のいずれにおいても、所定の当選役の入賞または取りこぼしを移行条件とする場合、移行条件を満たすまでの準備状態を経由して(例えば、非AT演出状態から通常AT演出状態(3)、通常AT演出状態からチャンス演出状態(5))、移行先の遊技状態や演出状態に移行する場合がある。
このような演出状態を管理するために、メインROM200bには、さらに、複数の演出状態抽選テーブルが格納されている。演出状態制御手段(当選領域決定手段)314は、現在の演出状態に基づいて対応する演出状態抽選テーブルをメインROM200bから抽出するとともに、抽出した演出状態抽選テーブルを参照し、スタートスイッチ118の操作に基づき、複数の演出状態のうち、いずれか1の演出状態を演出状態抽選によって決定する。
図10は、演出状態抽選テーブルを示す図であり、図10(a)は、通常演出状態に用いられ、図10(b)は、チャンス演出状態に用いられ、図10(c)は、通常AT演出状態に用いられ、図10(d)は、チャンスAT演出状態に用いられる。各演出状態抽選テーブルでは、1または複数の当選領域が区画されており、区画化された各当選領域にはそれぞれ置数と、抽選対象としての演出状態が対応付けられている。それぞれの当選領域に当選する確率は、当選領域に対応付けられた置数を、当選種別抽選乱数の下位1バイトに相当する乱数(以下、演出状態乱数という)の総数(ここでは256)で除算した値となる。例えば、図10(a)の通常演出状態用演出状態抽選テーブルでは、2つの当選領域が区画されており、それぞれ、チャンス演出状態、通常AT演出状態が割り当てられ、当選領域毎の置数に応じて、各演出状態への移行確率が、それぞれ2/256、1/256となる。そして、演出状態乱数が、チャンス演出状態、通常AT演出状態のいずれにも該当ない場合、不当選(ハズレ)が決定される。
具体的に、演出状態制御手段314は、その時点の演出状態に基づいて、演出状態抽選テーブルにおける1または複数の当選領域のうち番号の高い方から、順次、置数を取得し、その置数を演出状態乱数から減算して、減算後の値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を抽選結果とする。ただし、複数の当選領域に対応付けられた置数の範囲のいずれにも乱数が含まれていないと判断すると、すなわち、当選領域のうち番号が最も低い当選領域1に対応付けられた置数を取得し、その置数を、演出状態乱数または前回の減算後の値から減算し、その減算後の値が0以上であれば、演出状態制御手段314は、当該当選種別抽選の結果として不当選を決定する。
例えば、演出状態が通常演出状態である場合に、当選種別抽選乱数として「7730(1E32h)」を生成したとする。なお、「h」はその数値が16進であることを示している。そうすると、演出状態乱数は、当選種別抽選乱数(1E32h)の下位1バイト、すなわち、「50(32h)」となる。演出状態制御手段314は、図10(a)に示す通常演出状態用演出状態抽選テーブルに対応付けられている当選領域の番号が高い方、すなわち、当選領域2から順に置数を取得する。したがって、演出状態制御手段314は、まず、当選領域2の通常AT演出状態の置数である「1」を取得し、その置数「1」を演出状態乱数「50」から減算して減算後の値「49」を導出する。かかる減算後の値は0未満ではないので、演出状態制御手段314は、引き続き、当選領域の番号が次に高い、当選領域1のチャンス演出状態の置数である「2」を取得し、その置数「2」を減算後の値「49」から減算し、さらに減算後の値「47」を導出する。このように、全ての当選領域を参照しても(対応付けられている最後の当選領域を参照しても)、減算後の値が0以上であれば、演出状態制御手段314は、当該演出状態抽選の結果として不当選を決定することとなる。
また、他の演出状態抽選テーブルについても同様に演出状態抽選が実行される。例えば、演出状態がチャンス演出状態であれば、演出状態制御手段314は、図10(b)に示したチャンス演出状態用演出状態抽選テーブルを参照し、演出状態乱数が「0」~「25」の範囲内であれば、置数「26」を減算した値が0未満となるので、演出状態抽選の結果として通常AT演出状態を決定し、「26」~「255」の範囲内であれば、減算後の値が0以上となるので、演出状態抽選の結果として不当選を決定する。また、演出状態が通常AT演出状態であれば、演出状態制御手段314は、図10(c)に示した通常AT演出状態用演出状態抽選テーブルを参照し、演出状態乱数が「0」または「1」であれば、置数「2」を減算した値が0未満となるので、演出状態抽選の結果としてチャンスAT演出状態を決定し、「2」~「255」の範囲内であれば、減算後の値が0以上となるので、演出状態抽選の結果として不当選を決定する。演出状態がチャンスAT演出状態であれば、演出状態制御手段314は、図10(d)に示したチャンスAT演出状態用演出状態抽選テーブルを参照し、演出状態乱数が「0」~「127」の範囲内であれば、置数「128」を減算した値が0未満となるので、演出状態抽選の結果として通常AT演出状態のセット数の上乗せを決定し、「128」~「255」の範囲内であれば、減算後の値が0以上となるので、演出状態抽選の結果として不当選を決定する。
このように、演出状態制御手段314が、複数の当選領域に対応付けられた置数の範囲のいずれにも乱数が含まれていなければ不当選を決定する構成を採用することで、演出状態抽選テーブルに対応付けられた当選領域全ての置数の合計を置数の総数(256)未満としさえすれば、置数の合計と総数とを同一にする必要がなくなる。ここで、複数の当選領域に対応付けられた置数の範囲のいずれにも乱数が含まれていない場合の不当選の置数は、総数から演出状態抽選テーブルに対応付けられた当選領域全ての置数の合計を減算した値に相当することとなる。したがって、各当選領域の置数を変更した場合に、その変更を他の置数に反映しなくとも、不当選に相当する置数が自動的に変更されることとなるので、不当選の置数を計算する必要がなくなり、設計やデバッグの負荷を抑制することが可能となる。また、このような構成により、不当選という当選領域自体を設けなくてもよくなるので、メモリ容量の増大を抑制することもできる。
なお、ここでは、図10(d)のチャンスAT演出状態用演出状態抽選テーブルを用い、抽選対象としてのセット数の上乗せが当選確率128/256(50%)で決定され、セット数の上乗せが決定されなかった場合、すなわち、128/256(50%)で不当選が決定される例を挙げて説明した。しかし、このような抽選対象として何らかの遊技利益の当選、または、遊技利益の不当選の二択を準備した場合において、遊技の進行により、所定の契機で抽選対象に100%当選する仕様を設けることがある。例えば、チャンスAT演出状態に移行した後、所定の遊技数が経過するまでの所定の契機(例えば、所定の当選種別の当選)に応じ、100%の当選確率でセット数の上乗せを行うといった仕様にすることが考えられる。
図11は、演出状態抽選テーブルを示す図である。所定の契機において、100%の確率でセット数の上乗せを行うためには、その置数を256以上に設定すればよい。具体的に、演出状態制御手段314は、図11(a)に示すチャンスAT演出状態用演出状態抽選テーブルに対応付けられている当選領域の番号が高い方、すなわち、当選領域1から順に(ここでは、当選領域1のみ)置数を取得する。したがって、演出状態制御手段314は、まず、当選領域1のセット数の上乗せの置数である「256」を取得し、その置数「256」を演出状態乱数から減算して減算後の値を導出する。ここで、演出状態乱数は「0」~「255」の値をとるので、減算後の値は必ず0未満となる。そうすると、演出状態制御手段314は、その時点の当選領域に対応付けられたセット数の上乗せを演出状態抽選の結果として決定する。このように、乱数の範囲が1バイト(0~255)である場合に、当選に対応する当選領域の置数を256以上とすることで(乱数から置数を減算した値が必ず0未満となるので)、所定の遊技利益に100%当選させることができる。
しかし、256以上の数値は16進数で2バイト以上のデータ長を有する。したがって、256以上の数値を置数として設定するには、メインROM200bにおいて2バイト以上の占有領域を要することとなる。この場合、同一の演出状態抽選テーブルにおいて1バイトの置数と2バイトの置数が混在することとなり、抽選処理の単純化のため、演出状態抽選テーブルの全ての当選領域における置数のデータ長を2バイトに統一(共通化)しなければならなくなり、メインROM200bにおける占有領域がより増加することとなる。また、このようなデータ長の統一を行わないとしても、演出状態制御手段314が置数を取得する際に、1つのアドレスに記載された1バイトの置数を取得するのか、2つのアドレスに跨がる2バイトの置数を取得するのかを識別する処理が必要となり、やはり、メインROM200bにおける占有領域が増大してしまう。特に、本実施形態のように主制御基板200の演出状態制御手段314によって演出状態も制御する場合、このようなメインROM200bにおける占有領域の圧迫により、他のプログラムが制限される結果を招く。そこで、本実施形態では、抽選対象に100%当選する仕様を設けた場合であっても、メインROM200bにおける占有領域の増加を抑制する。
具体的に、図11(b)に示すように、チャンスAT演出状態用演出状態抽選テーブルにおいて、当選領域1に、遊技利益であるセット数の上乗せを対応付ける代わりに、不当選を対応付ける。そして、その不当選の置数を「0」とする。ここで、演出状態制御手段314は、例えば、当選種別抽選により当選種別「強チェリーリプレイ」に当選した等、所定の契機に応じて、図11(b)に示すチャンスAT演出状態用演出状態抽選テーブルに対応付けられている当選領域の番号が高い当選領域1の置数を取得する。したがって、演出状態制御手段314は、まず、当選領域1の不当選の置数である「0」を取得し、その置数「0」を演出状態乱数から減算して減算後の値を導出する。ここで、演出状態乱数は「0」~「255」の値をとるので、減算後の値は必ず0以上となる。このように、全ての当選領域を参照しても、減算後の値が0以上であれば、演出状態制御手段314は、当該演出状態抽選の結果としてセット数の上乗せを決定する。
ここでは、0%の当選確率で不当選を決定することで、裏返しに、100%の当選確率で所定の遊技利益(セット数の上乗せ)を決定している。こうして、当選領域に対応付けられた置数の範囲のいずれにも乱数が含まれていなければ、何らかの抽選結果を決定するといった従来から構築してきた抽選手順を変更することなく、所定の遊技利益に100%当選させることを実現しつつ、置数を「0」とすることで、そのデータ長を1バイトで表すことができる。こうして、メインROM200bにおける占有領域の増加を抑制することが可能となる。
また、このように、所定の遊技利益に100%当選させることを実現しつつ、抽選結果として不当選も含むように、すなわち、所定の遊技利益に、100%以外の所定の当選確率で当選させる遊技性を実現することもできる。例えば、図11(c)のチャンスAT演出状態用演出状態抽選テーブルにおいては、当選領域1に、置数を「128」とする不当選が対応付けられている。そうすると、演出状態制御手段314は、例えば、当選種別抽選により当選種別「スイカ」に当選した等、所定の契機に応じて、図11(c)に示すチャンスAT演出状態用演出状態抽選テーブルに対応付けられている当選領域の番号が高い当選領域1の置数を取得する。したがって、演出状態制御手段314は、当選領域1の不当選の置数である「128」を取得し、その置数「128」を演出状態乱数から減算して減算後の値を導出する。ここで、演出状態乱数は「0」~「255」の値をとるので、減算後の値は128/256の確率で0未満となる。そうすると、結果的に、演出状態制御手段314は、当該演出状態抽選の結果として128/256の確率でセット数の上乗せを決定し、128/256の確率で不当選を決定することとなる。同様に、図11(d)のチャンスAT演出状態用演出状態抽選テーブルにおいては、当選領域1に、置数を「250」とする不当選が対応付けられている。そうすると、演出状態制御手段314は、例えば、当選種別抽選により当選種別「共通ベル」に当選した等、所定の契機に応じて、図11(d)に示すチャンスAT演出状態用演出状態抽選テーブルに対応付けられている当選領域の番号が高い当選領域1の置数を取得する。したがって、演出状態制御手段314は、当選領域1の不当選の置数である「250」を取得し、その置数「250」を演出状態乱数から減算して減算後の値を導出する。ここで、演出状態乱数は「0」~「255」の値をとるので、減算後の値は250/256の確率で0未満となる。そうすると、結果的に、演出状態制御手段314は、当該演出状態抽選の結果として6/256の確率でセット数の上乗せを決定し、250/256の確率で不当選を決定することとなる。
こうして、例えば、相異なる契機に応じ、所定の遊技利益に100%当選させる遊技性と、所定の遊技利益に、100%以外の所定の当選確率で当選させる遊技性を混在させることが可能となる。
また、かかる構成により、例えば、100%当選する当選領域を設定するために、通常、置数が2バイトの値(「256」)になってしまうところ、不当選に相当する1バイトの値(「0」)で表すことができるので、全ての当選領域の置数を1バイトに共通化することができる。すなわち、同一の抽選テーブルに1バイトの置数と2バイトの置数とが混在する状態を回避でき、また、置数を取得する際に1つのアドレスに記載された1バイトの置数を取得するのか、2つのアドレスに跨がる2バイトの置数を取得するのかを識別する処理も不要となるので、メインROM200bにおける占有領域を圧迫することがない。
なお、ここでは、所定の契機(例えば、当選種別の当選)に応じてチャンスAT演出状態用演出状態抽選テーブルを決定し、置数を取得する例を挙げて説明したが、図11(b)~図11(d)に示すように、当選領域1の置数のみが異なる場合、所定の契機に応じ、チャンスAT演出状態用演出状態抽選テーブルを参照することなく、置数(例えば、0、128、250)のみを参照してもよい。また、例えば、図6、図7に示した当選種別抽選テーブルの各当選種別を複数のグループに分け、そのグループ毎に置数(例えば、0、128、250)を割り当てるとしてもよい。かかる構成により、所定の遊技利益に100%当選させる遊技性を実現しつつ、所定の遊技利益の抽選処理負荷を軽減することが可能となる。
ただし、かかる構成において100%不当選となる遊技性を採用しようとすると、図11(a)を用いて説明した100%当選となる遊技性を採用した場合と同等の問題が生じる。すなわち、100%不当選としようとすると、図11(b)~図11(d)の当選領域1の置数を256とする必要が生じ、やはり、そのデータ長として2バイトを要することになる。そこで、ここでは、100%不当選となる遊技性を採用する場合に限って、上述した乱数から置数を減算して減算後の値が0未満であるか否か判定する構成を省略し、強制的に不当選を決定することとする。例えば、当選種別抽選により当選種別「通常リプレイ1」に当選した等、特定の契機において、演出状態制御手段314は、図11(b)~図11(d)のようなチャンスAT演出状態用演出状態抽選テーブルを参照することなく、強制的に、不当選を決定する。ここで、100%不当選の場合に、チャンスAT演出状態用演出状態抽選テーブルを参照することなく、強制的に、不当選を決定するロジックを用い、100%当選の場合、上述したように、0%の当選確率で不当選を決定することで、100%の当選確率で所定の遊技利益を決定するロジックを用いるのは以下の理由による。すなわち、100%当選の場合にも抽選テーブルを参照することなく、強制的に、当選を決定するロジックを設定した場合、仮に開発途中に設計変更があり、100%当選となっていた遊技利益が100%当選ではなくなると、改めて、ロジック自体を変更し、抽選テーブル、当選領域、置数を設定しなければならないからである。ここでは、0%の当選確率で不当選を決定することで、100%の当選確率で所定の遊技利益を決定するロジックを用いているので、仮に、設計変更があった場合においても、その不当選の置数を変更するだけで足り、設計負荷を軽減することができる。
なお、ここでは、図11(b)に示したように、置数を「0」とする当選領域を1つのみ設ける例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、置数を「0」とする当選領域を複数設けてもよい。例えば、所定の遊技利益が複数存在する場合において、そのうちの1の遊技利益(例えば、セット数の上乗せ)を100%当選させる場合、チャンスAT演出状態用演出状態抽選テーブルの各当選領域に、置数を「0」とする不当選に加え、置数を「0」とする複数の遊技利益のうち1の遊技利益と異なる他の遊技利益(例えば、遊技数の上乗せ)を設定する。この場合、演出状態制御手段314は、まず、当選領域2の不当選の置数である「0」を取得し、その置数「0」を演出状態乱数から減算して減算後の値を導出する。続いて、演出状態制御手段314は、当選領域1の他の遊技利益の置数である「0」を取得し、その置数「0」を演出状態乱数から減算して減算後の値を導出する。ここで、演出状態乱数は「0」~「255」の値をとるので、減算後の値は必ず0以上となる。このように、全ての当選領域を参照しても、減算後の値が0以上であれば、演出状態制御手段314は、当該演出状態抽選の結果として1の遊技利益の当選を決定する。
また、ここでは、当選領域を参照する順は、その番号が高い順(高→低)に限られず、番号が低い順(低→高)を採用してもよい。この場合、各種抽選テーブルに対応する当選領域のうち、番号が最大となる当選領域の置数を減算しても、その減算後の値が0以上であれば、演出状態制御手段314は、抽選結果として所定の遊技利益を決定する。
また、ここでは、演出状態制御手段314が、その時点の演出状態に基づいて、演出状態抽選テーブルにおける複数の当選領域から、順次、置数を取得し、その置数を、演出状態乱数(初回)から、または、前回の減算後の値(初回以外)から減算して、その減算後の値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた抽選対象を抽選結果とする例を挙げて説明したが、減算に限らず、加算(積算)を利用する手法を用いてもよい。例えば、演出状態制御手段314は、その時点の演出状態に基づいて、演出状態抽選テーブルにおける複数の当選領域から、順次、置数を取得し、その置数を順次加算し、毎回、同一の演出状態乱数から減算して、その減算後の値が0未満の場合に、その時点の当選領域に対応付けられた抽選対象を抽選結果としてもよい。また、ここでは、乱数から置数を減算し、その減算後の値が0未満であるか否か判定しているが、プログラム言語(例えばZ80)における比較命令(CP命令)を行い、乱数の方が大きい場合(FレジスタのCフラグが立っていれば)、その時点の当選領域を抽選結果としてもよい。
また、ここでは、乱数が1バイト(0~255)の例を挙げて説明したが、2バイト以上であってもよい。例えば、乱数が2バイト(0~65536)であった場合でも、抽選テーブルにおいて置数が「0」である当選領域を割り当て、演出状態制御手段314は、当選領域に対応付けられた置数の範囲のいずれにも乱数が含まれていないことをもって、所定の遊技利益の当選を示す抽選結果を決定する。
また、ここでは、抽選対象として、所定の遊技利益(例えば、セット数の上乗せ)と不当選の2つを挙げて説明したが、必ずしも一方を不当選としなくてもよく、例えば、所定の第1遊技利益と、第1遊技利益と異なる所定の第2遊技利益とを抽選対象とすることができる。この場合、一方を置数0として当選領域に割り当てることで他方に100%当選させることが可能となる。
また、ここでは、当選領域決定手段として、セット数の上乗せ等の遊技利益を抽選により決定する演出状態制御手段314を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、当選種別抽選手段304、遊技状態制御手段312、演出制御手段334等、遊技利益や演出を抽選により決定する様々な他の手段にも適用できる。
以下、主制御基板200、副制御基板202における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
(主制御基板200のメイン処理)
図12は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、まず、主制御基板200のメイン処理に沿って、初期化後の1遊技の概略を説明し、その後、各処理の詳細について説明する。また、ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。また、詳細な説明は省略するが、各処理が遂行される際、各処理において用いられるスイッチ(ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120a、120b、120c)は、処理の開始時に有効化され、処理の終了時に無効化される。
(ステップS100)
電源スイッチ144を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段300は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段300は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、リール110の回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各リール110が回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cの初期化(RAMクリア)は行われない。
(ステップS200)
続いて、遊技者によるベットスイッチ116の操作、または、メダル投入部114へのメダルの投入を通じ、ベット手段302がメダルをベットする。また、コマンド送信手段316は、その操作がなされたことを示す投入コマンドを生成し、生成された投入コマンドを副制御基板202に送信する。
(ステップS300)
次に、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ118の操作待ち状態に移行する。ここで、当選種別抽選手段304は、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された当選種別抽選乱数から、スタートスイッチ118が操作された時点における1の当選種別抽選乱数を取得する。そして、当選種別抽選手段304は、図6、図7に示した当選種別抽選テーブルから、現在設定されている遊技状態に対応する1の当選種別抽選テーブルを決定するとともに、取得した当選種別抽選乱数が、決定した当選種別抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選種別または不当選を抽選結果として決定する。かかる抽選処理S300は後程詳述する。
また、コマンド送信手段316は、スタートスイッチ118の操作に応じて抽選結果が決定された後、当選種別抽選の抽選結果(当選種別または不当選)や遊技状態に関する情報等を含む当選種別コマンドを生成し、生成された当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。
(ステップS400)
スタートスイッチ118が操作されると、リール制御手段306は、ステッピングモータ152を駆動して左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転を開始し、左リール110a、中リール110b、右リール110cの全てが定速回転となったところで、ステップS500に処理を移す。
(ステップS500)
続いて、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cを有効化し、遊技者によるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を受け付けると、その操作に対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cのいずれかを停止制御する。
また、コマンド送信手段316は、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかの操作がなされると、操作がなされたストップスイッチ120a、120b、120cの情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、生成された停止コマンドを順次、副制御基板202に送信する。
(ステップS600)
次に、判定手段308は、図3(b)に示した有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するかを判定し、その図柄組み合わせに応じて遊技状態の変更やリプレイに際して要求される種々の処理を実行する。また、コマンド送信手段316は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせや、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、生成された入賞コマンドを副制御基板202に送信する。
(ステップS700)
続いて、払出制御手段310は、ステップS600における判定結果に基づき、例えば、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行し、有効ラインA上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、遊技状態制御手段312は、ボーナス遊技状態においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態をボーナス遊技状態からRT4遊技状態に移行する。このように、払出制御手段310は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせに対応して種々の処理を遂行し、当該1遊技を終了する。また、コマンド送信手段316は、メダルの払出処理がなされた場合、払出処理がなされたことを示す払出コマンドを生成し、生成された払出コマンドを副制御基板202に送信する。
ステップS200からステップS700までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS700までを繰り返すこととなる。
(抽選処理S300)
図13は、上記ステップS300の抽選処理を示したフローチャートである。ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理、特に、チャンスAT演出状態における図11(b)~図11(d)に対応する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
(ステップS301)
まず、演出状態制御手段314は、チャンスAT演出状態における特定の契機、例えば、当選種別抽選により当選種別「通常リプレイ1」が当選したか否か判定する。その結果、特定の契機であれば、ステップS302に移行し、特定の契機でなければ、ステップS303に移行する。
(ステップS302)
上記ステップS301において、特定の契機であると判定されれば、演出状態制御手段314は、図11(b)~図11(d)のようなチャンスAT演出状態用演出状態抽選テーブルを参照することなく、強制的に、不当選を決定し、当該抽選処理S300を終了する。こうして、特定の契機では、100%不当選としている。
(ステップS303)
上記ステップS301において、特定の契機ではないと判定されれば、演出状態制御手段314は、当選種別抽選により決定された当選種別に対応するチャンスAT演出状態用演出状態抽選テーブルを参照し、その当選領域1の置数を取得する。例えば、当選種別抽選により当選種別「強チェリーリプレイ」が決定されていれば、図11(b)に示すチャンスAT演出状態用演出状態抽選テーブルを参照し、当選領域1から置数「0」を取得する。また、当選種別抽選により当選種別「スイカ」が決定されていれば、図11(c)に示すチャンスAT演出状態用演出状態抽選テーブルを参照し、当選領域1から置数「128」を取得する。また、当選種別抽選により当選種別「共通ベル」が決定されていれば、図11(d)に示すチャンスAT演出状態用演出状態抽選テーブルを参照し、当選領域1から置数「250」を取得する。
(ステップS304)
次に、演出状態制御手段314は、当選種別抽選乱数の下位1バイトに相当する乱数(演出状態乱数)から置数を減算して減算後の値を導出する。
(ステップS305)
続いて、演出状態制御手段314は、減算後の値が0以上であるか否か判定する。その結果、減算後の値が0以上であれば、ステップS306に移行し、減算後の値が0未満であれば、ステップS302に移行する。
(ステップS306)
上記ステップS305において、減算後の値が0以上であると判定されれば、演出状態制御手段314は、所定の遊技利益、ここでは、セット数の上乗せの当選を決定し、当該抽選処理S300を終了する。ここでは、図11(b)のように当選領域1に置数「0」が設定されている場合、演出状態乱数は「0」~「255」の値をとるので、減算後の値は必ず0以上となる。そうすると、演出状態制御手段314は、当該演出状態抽選の結果として必ずセット数の上乗せを決定することとなる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、主制御基板200と副制御基板202とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配したが、主制御基板200の機能部を副制御基板202に配しても、副制御基板202の機能部を主制御基板200に配してもよく、また、全ての機能部を1の制御基板に纏めて配することもできる。
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
100 スロットマシン(遊技機)
200d 乱数発生器(乱数生成手段)
202d 乱数発生器(乱数生成手段)
304 当選種別抽選手段(当選領域決定手段)
312 遊技状態制御手段(当選領域決定手段)
314 演出状態制御手段(当選領域決定手段)
334 演出制御手段(当選領域決定手段)

Claims (2)

  1. 所定の総数の範囲から乱数を生成する乱数生成手段と、
    当選領域が割り当てられた抽選テーブルにおいて、前記当選領域の当選範囲を示す数値である置数を参照して前記置数の範囲に前記乱数が含まれるか否か判定し、前記乱数に対応する当選領域を決定する当選領域決定手段と、
    を備え、
    前記抽選テーブルには、所定の遊技利益の不当選を示す当選領域および置数が割り当てられ、前記所定の遊技利益には当選領域および置数が割り当てられておらず、
    前記当選領域決定手段は、前記所定の遊技利益の不当選を示す当選領域に対応付けられた置数の範囲に前記乱数が含まれていなければ、前記乱数に関する判定を行うことなく、所定の遊技利益の当選を決定する遊技機。
  2. 前記当選領域決定手段は、特定の契機においては、前記抽選テーブルを参照することなく、前記所定の遊技利益の不当選を決定する請求項1に記載の遊技機。
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