JP7082956B2 - 信号データに応じた基準値に基づき生体信号の計数を行う生体信号処理装置、プログラム及び方法 - Google Patents
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Description
取り込まれたデータ値が1つ前の時点の値以下である場合、当該データ値を仮下基準値に決定し、次いで取り込まれたデータ値が、当該仮下基準値よりも大きい値である場合、当該仮下基準値を下基準値に決定して、次の上側閾値判定状態に移行する上昇局面検出状態と、
取り込まれたデータ値が、当該下基準値から見て、予め決定した上閾値分を超えて上回った値であるか否かを判定し、当該上回った値であるとの判定を行った際に、次の下降局面検出状態に移行する上側閾値判定状態と、
取り込まれたデータ値が、1つ前の時点の値以上である場合、当該データ値を仮上基準値に決定し、次いで取り込まれたデータ値が、当該仮上基準値よりも小さい値である場合、当該仮上基準値を上基準値に決定して、次の下側閾値判定状態に移行する下降局面検出状態と、
取り込まれたデータ値が、当該上基準値から見て、予め決定した下閾値分を超えて下回った値であるか否かを判定し、当該下回った値であるとの判定を行った際に、次の上昇局面検出状態に移行する下側閾値判定状態と
を有し、
信号計数手段は、当該上昇局面検出状態、当該上側閾値判定状態、当該下降局面検出状態、及び当該下側閾値判定状態からなる1つの組の処理が完了する毎に、当該生体信号の波数のカウントを行うことも好ましい。
周期的な生体信号を含み得る入力信号に係るデータ値を逐次取り込み、取り込んだデータ値に基づいて、当該データ値の極小値に対応する下基準値と当該データ値の極大値に対応する上基準値とを順次決定又は更新し、(a)当該下基準値とそれに次ぐ当該上基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該上基準値から見て所定条件を満たすより小さいデータ値が取り込まれた際に、または、(b)当該上基準値とそれに次ぐ当該下基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該下基準値から見て所定条件を満たすより大きいデータ値が取り込まれた際に、当該生体信号の波数のカウントを行う信号計数手段を有し、
この信号計数手段は、(a)取り込んだデータ値が当該上基準値から見て所定条件を満たすより小さいデータ値であるとの判断に係る時点が、または、(b)取り込んだデータ値が当該下基準値から見て所定条件を満たすより大きいデータ値であるとの判断に係る時点が、波数をカウントした直近の時点から見て未だ所定時間以上経過した時点ではない場合、波数のカウントをスキップする
ことを特徴とする生体信号処理装置が提供される。
周期的な生体信号を含み得る入力信号の加速度成分データを生成する加速度成分生成手段と、
当該加速度成分データにおける所定時間区間でのデータの偏り具合に係る代表値を算出する代表値算出手段と、
当該代表値を逐次取り込み、取り込んだ代表値に基づいて、当該代表値の極小値に対応する下基準値と当該代表値の極大値に対応する上基準値とを順次決定又は更新し、(a)当該下基準値とそれに次ぐ当該上基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該上基準値から見て所定条件を満たすより小さい代表値が取り込まれた際に、または、(b)当該上基準値とそれに次ぐ当該下基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該下基準値から見て所定条件を満たすより大きい代表値が取り込まれた際に、当該生体信号の波数のカウントを行う信号計数手段と
を有する生体信号処理装置が提供される。
周期的な生体信号を含み得る入力信号に係るデータ値を逐次取り込み、取り込んだデータ値に基づいて、当該データ値の極小値に対応する下基準値と当該データ値の極大値に対応する上基準値とを順次決定又は更新し、(a)当該下基準値とそれに次ぐ当該上基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該上基準値から見て所定条件を満たすより小さいデータ値が取り込まれた際に、または、(b)当該上基準値とそれに次ぐ当該下基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該下基準値から見て所定条件を満たすより大きいデータ値が取り込まれた際に、当該生体信号の波数のカウントを行う信号計数手段と、
当該入力信号に対し多重解像度解析処理を実施し、多重解像度解析処理後の信号振幅の時系列データが所定のヒステリシスを示す時間区間を、何らかの生体信号が発生した信号発生時間区間に決定する発生時間区間決定手段と
を有し、
上記の信号計数手段は、決定された当該信号発生時間区間において当該生体信号の波数のカウントを行う
ことを特徴とする生体信号処理装置が提供される。
当該入力信号に係るデータ値を逐次取り込み、取り込んだデータ値に基づいて、当該データ値の極小値に対応する下基準値と当該データ値の極大値に対応する上基準値とを順次決定又は更新し、(a)当該下基準値とそれに次ぐ当該上基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該上基準値から見て、予め決定した下閾値分を超えて下回ったデータ値が取り込まれた際に、または、(b)当該上基準値とそれに次ぐ当該下基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該下基準値から見て、予め決定した上閾値分を超えて上回ったデータ値が取り込まれた際に、当該生体信号の波数のカウントを行う信号計数手段としてコンピュータを機能させる生体信号処理プログラムが提供される。
当該入力信号に係るデータ値を逐次取り込み、取り込んだデータ値に基づいて、当該データ値の極小値に対応する下基準値と当該データ値の極大値に対応する上基準値とを順次決定又は更新するステップと、
(a)当該下基準値とそれに次ぐ当該上基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該上基準値から見て、予め決定した下閾値分を超えて下回ったデータ値が取り込まれた際に、または、(b)当該上基準値とそれに次ぐ当該下基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該下基準値から見て、予め決定した上閾値分を超えて上回ったデータ値が取り込まれた際に、当該生体信号の波数のカウントを行うステップと
を有する生体信号処理方法が提供される。
図1は、本発明による生体信号処理装置の一実施形態を示す模式図である。
(a)生体信号を取り込んで処理を行う部分である信号処理ボックス11を備えた、装置本体部としてのフレーム部と、
(b)頭部の皮膚に接触する位置であってフレーム部の重量の少なくとも一部を受け止め可能な位置に配された、生体信号を受信するための電極部としてのプラス電極パッド13及びマイナス電極パッド14と、
(c)プラス電極パッド13及びマイナス電極パッド14を介して受信された生体信号を信号処理ボックス11へ伝えるための導電路を備えた弾性支持部と、
(d)鼻の上部近傍に接触する位置に配され、生体信号受信の際のグランド(GND)電極又はノイズキャンセル用電極を備えた鼻パッド電極部15と
を有している。なお、上記(d)のノイズキャンセル用電極は、商用電源等に起因するコモンモードノイズを低減させるDRL(Driven Right Leg)電極であってもよい。
同じく図1によれば、信号処理ボックス11に含まれる生体信号処理部12は、生体信号を含み得る入力信号の処理部であって、その顕著な特徴として「信号計数部127」を備えており、周波数分析に頼ることなく、周期的生体信号の計数処理を実施することができる。
(A)周期的な生体信号を含み得る入力信号に係るデータ値を逐次取り込み、取り込んだデータ値に基づいて、データ値の極小値に対応する「下基準値」とデータ値の極大値に対応する「上基準値」とを順次決定又は更新し、
(B)「下基準値」とそれに次ぐ「上基準値」とが決定若しくは更新され、さらに「上基準値」から見て所定条件を満たす(例えば設定閾値分を超える)より小さいデータ値が取り込まれた際に、
(C)生体信号の波数のカウントを行うことを特徴とする。
(B’)「上基準値」とそれに次ぐ「下基準値」とが決定若しくは更新され、さらに「下基準値」から見て所定条件を満たす(例えば設定閾値分を超える)より大きいデータ値が取り込まれた際に、
を採用してもよい。いずれにしても、以上に述べたように「下基準値」及び「上基準値」を順次決定又は更新し適宜利用することによって、周波数分析に頼ることなく、周期的生体信号の計数処理を実施することができる。すなわち、多大な計算を要する周波数分析処理に比べてより処理負担の少ない処理で計数(カウント)を行うことができるのである。
(a)プラス電極パッド13と電気的に接続されたプラス(検出用)電極と、
(b)マイナス電極パッド14と電気的に接続されたマイナス(リファレンス)電極と
の電位差の交流成分を、
(c)鼻パッド電極15と電気的に接続されたGND電極
におけるGND電位との差動増幅によって増幅し、このアナログの生体信号を一定のサンプリング周波数でデジタル化する。ちなみに、この差動増幅は、商用電源等に起因するコモンモードノイズを軽減するためのDRL回路をもって実施されてもよい。
(1) y[n]=x[n]-x[n-1]+r*y[n-1]
のような差分方程式の下で機能する。ここで、nはサンプル位置(サンプル・インデックス)であり、x[n]及びy[n]はそれぞれ、サンプル位置nの入力信号及び出力信号である。また、係数rは0~1の値をとり、r=0の場合、このフィルタは次に説明する差分フィルタと等価になる。ちなみに、後に図3及び4を用いて説明する実施例では、r=0.9に設定されている。また、このLPF処理を施された後であっても、筋電信号としての交流信号は残留しているのである。
(2) y[n]=x[n]-x[n-1]
の通りとなる。上式(2)において、nはサンプル位置(サンプル・インデックス)であり、x[n]及びy[n]はそれぞれ、サンプル位置nの入力信号及び出力信号である。
(3) W=exp(1-len_th/obs)
によって規定されている。また、図2(A)ではobs=15であって、Len_th=15ならばW=1.0となる。さらに、len_thが大きくなるにつれて指数重みWは急激に減少し、ゼロに漸近する。実際、len_thがウィンドウ分析区間長(128サンプル)相当となると、指数重みWは概ねゼロとなる。
(4) W=1/((len_th-obs)/a+1)
によって規定される。ここで、aはobsを超える値(a>obs)をとって分母を正値にすることが好ましい。図2(B)の反比例重みWは、a=obs*obs(=225)の場合であり、Len_th=15ならばW=1.0となる。また、len_thが大きくなるにつれて反比例重みWは減少し、ゼロに近づく。
(5) SDW[k]=W[k]*SD[k]
によって代表値SDW[k]を算出する。ここで上式(5)において、kはウィンドウ位置(ウィンドウ・インデックス)であり、SDW[k]、W[k]及びSD[k]における[k]は、それぞれウィンドウ位置kでの値であることを示す。
(6) y[n]=a1*y[n-1]+a2*y[n-2]+b0*x[n]
によって実現される。上式(6)において、nはサンプル位置(サンプル・インデックス)であり、x[n]及びy[n]はそれぞれ、サンプル位置nの入力信号及び出力信号である。また、係数a1、a2及びb0は、次式
(7) a1=2*exp(-π*Q/fs)*cos(2π*f0/fs)
a2=-exp(-2π*Q/fs)
b0=1-a1-a2
をもって算出される。ここで、Qは共振度(Q>0)であり、fsはスライディング・ウィンドウ分析周波数(単位はHz)であって、f0は共振周波数(単位はHz)である。ちなみに、後に図3~6を用いて説明する実施例では、Q=1、f0=1/0.7=1.429(Hz)、及びfs=8(Hz)となっている。
(ア)取り込まれた代表値SDW(データ値)が1つ前の時点の値以下である場合、この代表値SDWを「仮下基準値」に決定し、
(イ)次いで取り込まれた代表値SDWが「仮下基準値」よりも大きい値である場合、「仮下基準値」を「下基準値」に決定して、次の上側閾値判定状態に移行する
検出状態となっている。
(ウ)取り込まれた代表値SDWが、「下基準値」から見て、予め決定した「上閾値」分を超えて上回った値であるか否かを判定し、真の判定、すなわち上回った値であるとの判定を行った際に、次の下降局面検出状態に移行する
判定状態となっている。
(エ)取り込まれた代表値SDWが、1つ前の時点の値以上である場合、この代表値SDWを「仮上基準値」に決定し、
(オ)次いで取り込まれた代表値SDWが「仮上基準値」よりも小さい値である場合、「仮上基準値」を「上基準値」に決定して、次の下側閾値判定状態に移行する
検出状態となっている。
(カ)取り込まれた代表値SDWが、「上基準値」から見て、予め決定した「下閾値」分を超えて下回った値であるか否かを判定し、真の判定、すなわち下回った値であるとの判定を行った際に、次の上昇局面検出状態に移行する
判定状態となっている。
(a)<上昇局面検出状態>で始まり<下側閾値判定状態>で終了する一連の処理、
(b)<上側閾値判定状態>で始まり<上昇局面検出状態>で終了する一連の処理、
(c)<下降局面検出状態>で始まり<上側閾値判定状態>で終了する一連の処理、又は
(d)<下側閾値判定状態>で始まり<下降局面検出状態>で終了する一連の処理
が完了する毎に、生体信号の波数を1だけ増分することができる。
以下、実際の生体信号(筋電信号)を含む入力信号を用い、本発明に係る生体信号処理をより詳細に説明する。
(a)高周波成分平均値が所定閾値thh_dwtを上回った時点と、その後この高周波成分平均値が所定閾値thl_dwtを下回った時点とを決定し、
(b)上記(a)で決定した両時点間の時間区間を、筋電信号の発生時間区間に決定している。
図6は、本発明による生体信号処理方法の一実施形態の概略を示すフローチャートである。
(S102)バッファリングされた入力信号に対し、商用電源に係る周期的ノイズを低減するノッチフィルタ処理を実施する。
(S103)ノッチフィルタ処理を施された入力信号に対し、LPF処理を実施する。
(S104)LPF処理を施された入力信号に対し、2階差分フィルタ処理を実施する。
(S106)ウィンドウ分析区間毎に重みWを算出する。
(S107)ウィンドウ分析区間毎に代表値SDWを算出する。
(S202)MRA処理後の高周波成分の時系列データが所定のヒステリシスを示す時間区間を生体信号発生時間区間に決定する。
(S321)一方、ステップS301において、取り込んだ代表値SDWが生体信号発生時間区間に係る値ではない場合、現時点では生体信号は発生していないと判断し、当該取り込んだ代表値SDWについて、またはこの後所定期間、本生体信号処理を終了する。
(S312)ステップS311で種別を判定された生体信号の計数処理(生体現象の生起数のカウント)を行う。この計数処理についても後に説明を行う。
(S401)今回取り込まれた代表値SDWが「仮下基準値」よりも大きいか否かを判定する。ここで、「仮下基準値」は、1つ前の時点(直前時点)の代表値SDW(であってステップS406又は図8のステップS708で決定された値)、又は(当初)予め設定された初期値とすることができる。
(S403)今回取り込まれた代表値SDWに係る時点情報、例えば代表値SDWの時間的位置であるサンプル番号を、状態サイクルの初期時点位置CPに決定する。
(S404)次回(1つ後の時点に)取り込まれる代表値SDWについては次の「状態2」へ移行することを決定する。
(S406)次回の「状態1」で使用する「仮下基準値」を、今回取り込まれた代表値SDWに更新する。
(S501)今回取り込まれた代表値SDWのサンプル番号と初期時点位置CPとの差、すなわち初期時点位置CPからの現時点のサンプル経過数(経過時間)が、所定のP長閾値(サンプル点数長閾値)ThPを超えた値であるか否かを判定する。
(8) SDW>「下基準値」+「上閾値」
が成り立つか否かを判定する。ここで、「上閾値」として、例えば過去所定期間での代表値SDWの分布における標準偏差のn倍(例えばn=2)の値を採用することができる。
(S506)次の「状態3」で使用する「仮上基準値」を、今回取り込まれた代表値SDWに決定・更新する。
(S601)今回取り込まれた代表値SDWのサンプル番号と初期時点位置CPとの差、すなわち初期時点位置CPからの現時点のサンプル経過数(経過時間)が、所定のP長閾値ThPを超えた値であるか否かを判定する。
(S604)次回取り込まれる代表値SDWについては次の「状態4」へ移行することを決定する。
(S606)次回の「状態3」で使用する「仮上基準値」を、今回取り込まれた代表値SDWに更新する。
(S701)今回取り込まれた代表値SDWのサンプル番号と初期時点位置CPとの差、すなわち初期時点位置CPからの現時点のサンプル経過数(経過時間)が、所定のP長閾値ThPを超えた値であるか否かを判定する。
(9) SDW<「上基準値」-「下閾値」
が成り立つか否かを判定する。ここで、「下閾値」として、例えば現時点での「上基準値」(ピーク値)の例えばピーク値のm倍(0<m<1,例えばm=0.9)の値を採用することができる。
(S704)ステップS703で偽の判定(CNT=0との判定)を行った場合、今回の計数処理は初回であるので、信号カウント数CNTを1だけ増分する。
(S707)次回(1つ後の時点に)取り込まれる代表値SDWについては次の「状態1」へ移行することを決定する。
(S708)次の「状態1」で使用する「仮下基準値」を、今回取り込まれた代表値SDWに決定・更新する。
(S713)当該信号の「谷」はなお検出されていないとして、次回取り込まれる代表値SDWについても「状態4」を継続することを決定する。
(a1)<上側閾値判定状態(状態2)>において、「第1基準時点(初期時点位置CP)」から所定時間が経過するまでの間に、代表値SDWが「仮下基準値」を上回った値であるとの判定を行わなかった場合、
(a2)<下降局面検出状態(状態3)>において、「第1基準時点(初期時点位置CP)」から所定時間が経過するまでの間に、「上基準値」を決定しなかった場合、または、
(a3)<下側閾値判定状態(状態4)>において、「第1基準時点(初期時点位置CP)」から所定時間が経過するまでの間に、代表値SDWが「仮上基準値」を下回った値であるとの判定を行わなかった場合に、
生体信号の波数のカウントを行わない又はリセットすることになっている。
(b1)<下側閾値判定状態(状態4)>において、「第2基準時点(初期時点位置CP)」から所定時間が経過するまでの間に、代表値SDWが「仮上基準値」を下回った値であるとの判定を行わなかった場合、
(b2)<上昇局面検出状態(状態1)>において、「第2基準時点(初期時点位置CP)」から所定時間が経過するまでの間に、「下基準値」を決定しなかった場合、または、
(b3)<上側閾値判定状態(状態2)>において、「第2基準時点(初期時点位置CP)」から所定時間が経過するまでの間に、代表値SDWが「仮下基準値」を上回った値であるとの判定を行わなかった場合に、
生体信号の波数のカウントを行わない又はリセットすることになるのである。
(a)取り込んだ代表値SDW(入力信号データ値)が「上基準値」から見て所定条件を満たすより小さいデータ値であるとの判断に係る時点が、波数をカウントした直近の時点から見て未だ所定時間以上経過した時点ではない場合に、波数のカウントをスキップする
となる。
(b)取り込んだ代表値SDW(入力信号データ値)が「下基準値」から見て所定条件を満たすより大きいデータ値であるとの判断に係る時点が、波数をカウントした直近の時点から見て未だ所定時間以上経過した時点ではない場合に、波数のカウントをスキップする
との処理が実施されるのである。
(a)取り込まれた代表値SDWが、「上端閾値」を下から横切って上回った時点と、
(b)それに次いで「下側閾値」を上から横切って下回った時点と
の組を生成して記憶し、この組の数を信号カウント数CNTの増分ΔCNTとしている。図9(A)の本比較例では、ΔCNT=3となっている。
(a)取り込まれた代表値SDWが、動的に決定した「下基準値」から見て、(同じく動的に決定した)「上閾値」分を超えて上回った値となった後に、さらに「上基準値」を決定・更新した時点と、
(b)それに次いで、取り込まれた代表値SDWが、上記の決定・更新した「上基準値」から見て、(同じく動的に決定した)「下閾値」分を超えて下回った値となった後に、さらに「下基準値」を決定・更新した時点と
の組を生成して記憶し、この組の数を信号カウント数CNTの増分ΔCNTとしている。
(a)MT(Mahalanobis Taguchi)法における単位空間、及びマハラノビス距離から算出される値、
(b)MTA(Mahalanobis-Taguchi Adjoint)法における単位空間、及びマハラノビス距離から算出される値、
(c)T法における単位空間、及び特性値から算出される値、又は
(d)RT(Recognition Taguchi)法における単位空間、及びRT距離から算出される値
を採用することができる。ちなみに、このような生体信号種別判定の方法が有効であることも、本願発明者が実験を通して見出したものである。
(ア)無表情状態及び口角上げ状態(を合わせた状態群)
(イ)無表情状態
(ウ)口角上げ状態
についての3つの単位空間を設計し、入力信号において、これらの単位空間からの離隔度合いをそれぞれ距離1、距離2及び距離3として算出して、(判定用距離)=(距離2)-(距離1)-(距離3)とすることによって、より好適な判定結果が得られることが分かっている。具体的には、このような判定用距離が所定閾値を超えている場合、発生している生体信号は口角上げ動作による筋電信号であると判定することができるのである。
(a)判定用距離(の推移を示す折れ線)が閾値Thhのラインを下方(値の小さい方)から横切って上方(値の大きい方)に向かう点をカウント開始点(丸印)とし、
(b)判定用距離(の推移を示す折れ線)が閾値Thl(<Thh)のラインを上方(値の大きい方)から横切って下方(値の小さい方)に向かう点をカウント終了点(三角印)として、
これらのカウント開始点とそれに次ぐカウント終了点との組毎に1だけカウントを増分する。
図11及び図12は、本発明による生体信号処理装置の他の実施形態を示す模式図である。
1’ ヘッドフォン(生体信号処理装置)
1’’ イヤホン(生体信号処理装置)
11 信号処理ボックス
12 生体信号処理部
121 信号変換部
122 前フィルタ処理部
122a ノッチフィルタ部
122b LPF部
123 加速度成分生成部
123a 2階差分フィルタ部
124 代表値算出部
125 共振器フィルタ処理部
126 発生時間区間決定部
127 信号計数部
128 生体信号判別部
129 信号インタフェース
13 プラス電極パッド
14 マイナス電極パッド
15 鼻パッド電極部
2 携帯端末
Claims (14)
- 周期的な生体信号を含み得る入力信号に係るデータ値を逐次取り込み、取り込んだデータ値に基づいて、当該データ値の極小値に対応する下基準値と当該データ値の極大値に対応する上基準値とを順次決定又は更新し、(a)当該下基準値とそれに次ぐ当該上基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該上基準値から見て、予め決定した下閾値分を超えて下回ったデータ値が取り込まれた際に、または、(b)当該上基準値とそれに次ぐ当該下基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該下基準値から見て、予め決定した上閾値分を超えて上回ったデータ値が取り込まれた際に、当該生体信号の波数のカウントを行う信号計数手段を有することを特徴とする生体信号処理装置。
- 前記信号計数手段における信号計数処理は、
取り込まれたデータ値が1つ前の時点の値以下である場合、当該データ値を仮下基準値に決定し、次いで取り込まれたデータ値が、当該仮下基準値よりも大きい値である場合、当該仮下基準値を下基準値に決定して、次の上側閾値判定状態に移行する上昇局面検出状態と、
取り込まれたデータ値が、当該下基準値から見て、予め決定した上閾値分を超えて上回った値であるか否かを判定し、当該上回った値であるとの判定を行った際に、次の下降局面検出状態に移行する上側閾値判定状態と、
取り込まれたデータ値が、1つ前の時点の値以上である場合、当該データ値を仮上基準値に決定し、次いで取り込まれたデータ値が、当該仮上基準値よりも小さい値である場合、当該仮上基準値を上基準値に決定して、次の下側閾値判定状態に移行する下降局面検出状態と、
取り込まれたデータ値が、当該上基準値から見て、予め決定した下閾値分を超えて下回った値であるか否かを判定し、当該下回った値であるとの判定を行った際に、次の上昇局面検出状態に移行する下側閾値判定状態と
を有し、
前記信号計数手段は、当該上昇局面検出状態、当該上側閾値判定状態、当該下降局面検出状態、及び当該下側閾値判定状態からなる1つの組の処理が完了する毎に、当該生体信号の波数のカウントを行うことを特徴とする請求項1に記載の生体信号処理装置。 - 当該上閾値は、所定期間の当該データ値の標準偏差に基づいて決定され、当該下閾値は、当該データ値から決定された上基準値に基づいて決定されることを特徴とする請求項2に記載の生体信号処理装置。
- 前記信号計数手段は、当該上昇局面検出状態から当該上側閾値判定状態への移行に係る時点を第1基準時点とし、(a1)当該上側閾値判定状態において、第1基準時点から所定時間が経過するまでの間に、当該超えた値であるとの判定を行わなかった場合、(a2)当該下降局面検出状態において、第1基準時点から所定時間が経過するまでの間に、当該上基準値を決定しなかった場合、若しくは(a3)当該下側閾値判定状態において、第1基準時点から所定時間が経過するまでの間に、当該下回った値であるとの判定を行わなかった場合に、または、当該下降局面検出状態から当該下側閾値判定状態への移行に係る時点を第2基準時点とし、(b1)当該下側閾値判定状態において、第2基準時点から所定時間が経過するまでの間に、当該下回った値であるとの判定を行わなかった場合、(b2)当該上昇局面検出状態において、第2基準時点から所定時間が経過するまでの間に、当該下基準値を決定しなかった場合、若しくは(b3)当該上側閾値判定状態において、第2基準時点から所定時間が経過するまでの間に、当該超えた値であるとの判定を行わなかった場合に、当該生体信号の波数のカウントを行わない又はリセットすることを特徴とする請求項2又は3に記載の生体信号処理装置。
- 前記信号計数手段は、当該上昇局面検出状態、当該上側閾値判定状態、当該下降局面検出状態、及び当該下側閾値判定状態の各々において、当該状態に留まっている時間が所定時間を超えた場合、当該生体信号の波数のカウントを行わない又はリセットすることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の生体信号処理装置。
- 周期的な生体信号を含み得る入力信号に係るデータ値を逐次取り込み、取り込んだデータ値に基づいて、当該データ値の極小値に対応する下基準値と当該データ値の極大値に対応する上基準値とを順次決定又は更新し、(a)当該下基準値とそれに次ぐ当該上基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該上基準値から見て所定条件を満たすより小さいデータ値が取り込まれた際に、または、(b)当該上基準値とそれに次ぐ当該下基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該下基準値から見て所定条件を満たすより大きいデータ値が取り込まれた際に、当該生体信号の波数のカウントを行う信号計数手段を有し、
前記信号計数手段は、(a)取り込んだデータ値が当該上基準値から見て所定条件を満たすより小さいデータ値であるとの判断に係る時点が、または、(b)取り込んだデータ値が当該下基準値から見て所定条件を満たすより大きいデータ値であるとの判断に係る時点が、波数をカウントした直近の時点から見て未だ所定時間以上経過した時点ではない場合、波数のカウントをスキップする
ことを特徴とする生体信号処理装置。 - 当該入力信号は生体の頭部から取得される信号であり、
前記信号計数手段は、当該周期的な生体信号としての咀嚼に係る筋電信号の波数のカウントを行う
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の生体信号処理装置。 - 周期的な生体信号を含み得る入力信号の加速度成分データを生成する加速度成分生成手段と、
当該加速度成分データにおける所定時間区間でのデータの偏り具合に係る代表値を算出する代表値算出手段と、
当該代表値を逐次取り込み、取り込んだ代表値に基づいて、当該代表値の極小値に対応する下基準値と当該代表値の極大値に対応する上基準値とを順次決定又は更新し、(a)当該下基準値とそれに次ぐ当該上基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該上基準値から見て所定条件を満たすより小さい代表値が取り込まれた際に、または、(b)当該上基準値とそれに次ぐ当該下基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該下基準値から見て所定条件を満たすより大きい代表値が取り込まれた際に、当該生体信号の波数のカウントを行う信号計数手段と
を有することを特徴とする生体信号処理装置。 - 前記代表値算出手段は、
当該所定時間区間における当該加速度成分データの加速度成分が所定範囲内に連続して留まっている時間区間の長さについて単調減少関数となる重みを算出し、
当該所定時間区間における当該加速度成分データの偏り具合に係る値を、当該重みによって重み付けした値を当該代表値とする
ことを特徴とする請求項8に記載の生体信号処理装置。 - 当該加速度成分データを生成する前の当該入力信号に対し、商用電源に係るノイズを低減する帯域除去フィルタ処理と、高周波ノイズを除去する低域通過フィルタ処理とを実施する前フィルタ処理手段を更に有することを特徴とする請求項8又は9に記載の生体信号処理装置。
- 周期的な生体信号を含み得る入力信号に係るデータ値を逐次取り込み、取り込んだデータ値に基づいて、当該データ値の極小値に対応する下基準値と当該データ値の極大値に対応する上基準値とを順次決定又は更新し、(a)当該下基準値とそれに次ぐ当該上基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該上基準値から見て所定条件を満たすより小さいデータ値が取り込まれた際に、または、(b)当該上基準値とそれに次ぐ当該下基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該下基準値から見て所定条件を満たすより大きいデータ値が取り込まれた際に、当該生体信号の波数のカウントを行う信号計数手段と、
当該入力信号に対し多重解像度解析処理を実施し、多重解像度解析処理後の信号振幅の時系列データが所定のヒステリシスを示す時間区間を、何らかの生体信号が発生した信号発生時間区間に決定する発生時間区間決定手段と
を有し、
前記信号計数手段は、決定された当該信号発生時間区間において当該生体信号の波数のカウントを行う
ことを特徴とする生体信号処理装置。 - 当該周期的な生体信号は、ユーザの頭部に付されたデバイスであって、リファレンス用電極が左(又は右)の耳介周辺から頬近傍の1つの皮膚位置に接し、検出用電極が右(又は左)の耳介周辺から頬近傍の1つの皮膚位置に接するような電極構成を有するデバイスによって取得された信号であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の生体信号処理装置。
- 周期的な生体信号を含み得る入力信号を処理する装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
当該入力信号に係るデータ値を逐次取り込み、取り込んだデータ値に基づいて、当該データ値の極小値に対応する下基準値と当該データ値の極大値に対応する上基準値とを順次決定又は更新し、(a)当該下基準値とそれに次ぐ当該上基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該上基準値から見て、予め決定した下閾値分を超えて下回ったデータ値が取り込まれた際に、または、(b)当該上基準値とそれに次ぐ当該下基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該下基準値から見て、予め決定した上閾値分を超えて上回ったデータ値が取り込まれた際に、当該生体信号の波数のカウントを行う信号計数手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする生体信号処理プログラム。 - 周期的な生体信号を含み得る入力信号を処理する装置に搭載されたコンピュータによる生体信号処理方法であって、
当該入力信号に係るデータ値を逐次取り込み、取り込んだデータ値に基づいて、当該データ値の極小値に対応する下基準値と当該データ値の極大値に対応する上基準値とを順次決定又は更新するステップと、
(a)当該下基準値とそれに次ぐ当該上基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該上基準値から見て、予め決定した下閾値分を超えて下回ったデータ値が取り込まれた際に、または、(b)当該上基準値とそれに次ぐ当該下基準値とが決定若しくは更新され、さらに当該下基準値から見て、予め決定した上閾値分を超えて上回ったデータ値が取り込まれた際に、当該生体信号の波数のカウントを行うステップと
を有することを特徴とする生体信号処理方法。
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