JP7082765B2 - 締め付け治具 - Google Patents
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Description
ここで、特許文献1には接続部材として、雌ネジが内周に刻設されたナット部材と、ナット部材の外側に配置され、ナット部材にトルクを伝達する補助アダプターから成る締め付けナットが記載されている。当該締め付けナットはトルクを管理するトルク管理機構を備えており、所定以上のトルクで締め付けが行われた場合、締め付けナットが空転することにより部材の破損を防ぐとともに、所定トルクまで締め付けが成されたことを作業者に伝えることが可能となる。
回動操作に基づいて接続を行う接続部材に使用される締め付け治具であって、
使用者が回動操作を加える操作部と、
前記接続部材と係合する係合部と、
前記操作部の操作を前記係合部へと伝達するトルク伝達部を備え、
前記トルク伝達部は、可撓性を有する爪部と、爪部に向けて突設された凸部を有し、所定以上のトルクが加えられた場合に、前記操作部と前記係合部を空転させるトルク管理機構を有することを特徴とする締め付け治具。
前記複数の接続部材に対して係合可能となるよう、複数の係合部を備えることを特徴とする請求項1に記載の締め付け治具である。
対応する前記接続部材と前記係合部以外は係合不可能であることを特徴とする請求項2に記載の締め付け治具である。
回動操作の回転軸方向に対して可撓性を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の締め付け治具である。
操作部に対して所定以下のトルクが加えられた際には前記爪部と凸部が噛み合い、操作部と係合部が一体として回転するとともに、
操作部に対して所定以上のトルクが加えられた際には爪部が撓み、操作部のみが回転することを特徴とする請求項4に記載の締め付け治具である。
前記回転軸方向に対する位置決めが成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の締め付け治具である。
回動操作に基づいて接続を行う接続部材に使用される締め付け治具であって、
第一筒部と第二筒部とから構成し、
前記第一筒部に形成され、前記接続部材と係合する第一係合部と、
前記第二筒部に形成され、前記接続部材とは異なる接続部材と係合する第二係合部と、
使用者が回動操作を加える操作部と、
前記第一筒部と前記第二筒部との間に形成され、前記操作部の操作を前記第一係合部又は前記第二係合部へと伝達するトルク伝達部を備え、
前記トルク伝達部は、所定以上のトルクが加えられた場合に、前記操作部と前記第一係合部又は第二係合部とを空転させるトルク管理機構を有し、
前記第一係合部と第二係合部とがそれぞれ異なる接続部材に対して係合することで、複数の接続部材の締め付けに対応可能であることを特徴とする締め付け治具である。
請求項2に記載の本発明によれば、1つの部材で複数の接続部材に対応可能となるため、更に部材点数を削減することが可能となる。
請求項3に記載の本発明によれば、誤った係合部を使用して接続部材の締め付けを行うことを防止可能となり、施工ミスを防ぐことが可能となる。
請求項4及び請求項5に記載の本発明によれば、締め付け治具の横幅(径方向の幅)を抑えることが可能となる。
請求項6に記載の本発明によれば、爪部と凸部の位置決めが成されることにより、空転に至るトルクが変化してしまうことを防ぐことが可能となる。
第一係合部11は第一筒部10の一端より軸方向(図1乃至図3における上方)に向けて突設された突起であり、第一筒部10の端部全周において等間隔に8箇所形成されている。尚、当該第一係合部11は後述する浴槽排水栓100の内周に形成された第一被係合部101と係合可能となっている。
凸部12は第一筒部10の他端において第二筒部20へ向けて突設された、一方の面において傾斜面121を、他方には締め付け治具1の回転軸に対して略平行な面を有する側面視略三角形状の突起であり、第一筒部10他端の外周よりやや内側において環状に配置されている。尚、凸部12の傾斜面121は後述する接続部材の締め付け時において、締め付け治具1を接続部材の締め付け方向(この実施形態では右回り方向)に回転させた際に第二筒部20の爪部22と当接する。そして、接続部材を緩める方向(この実施形態では左回り方向)に回転させた際には、上記締め付け治具1の回転軸に対して略平行な面が爪部22と当接する。
嵌合部15は第一筒部10の他端に形成されており、第二筒部20の外周よりも大径であって、内側に突設された内鍔部151を有している。
孔部Hは第一筒部10の側面に形成された開口であり、第一筒部10の中心を介して対向する位置に2箇所形成されている。
ガイド部14は第一筒部10の他端中央から軸方向下方(第二筒部20側)に向けて延設された筒状であり、後述する第二筒部20に開口された被ガイド部24を貫通することで締め付け部材1の動作を補助する。
第二係合部21は第二筒部20の側面中程から一端にかけて形成された凹溝であり、第二係合部21は第二筒部20の側面全周において等間隔に4箇所形成されている。尚、当該第二係合部21は後述するオーバーフロー排水栓200の内周に形成された第二被係合部201と係合可能となっている。
爪部22は図4に示すように、第二筒部20の端部より第一筒部10に向けて軸方向に形成された立ち上がり部221と、立ち上がり部221の端部より周方向に向けて延設された可撓部222と、可撓部222の端部に形成された当接部223を有している。又、当接部223の反対側の面は締め付け治具1の回転軸に対して略平行となっている。又、爪部22は締め付け治具1の回転操作の回転軸方向(図4における上下方向)に対して可撓性を有している。尚、当接部223は接続部材の締め付け時において、締め付け治具1を接続部材の締め付け方向に回転させた際に第一筒部10の凸部12と当接する。
被嵌合部25は第二筒部20の他端に形成されており、第二筒部20上端より外側に向けて突設された外鍔部251を有している。
孔部Hは第二筒部20の側面に形成された開口であり、第二筒部20の中心を介して対向する位置に2箇所形成されている。
被ガイド部24は第二筒部20の他端中央に形成された開口であり、前記第一筒部10のガイド部14が貫通しており、第一筒部10と第二筒部20の中心軸を合致させている。
浴槽排水栓100及びオーバーフロー排水栓200は外側面に雄螺子が形成された筒状であって、浴槽排水栓100は第一係合部11と係合する第一被係合部101を有しており、オーバーフロー排水栓200は第二係合部21と係合する第二被係合部201を有している。
又、以下に図4乃至図7を用いてトルク伝達部30及びトルク管理機構40の動作を説明するが、当該図4は構造の理解を容易にするため、凸部12、爪部22を展開して記載している。
上記締め付けの際、締め付けに係るトルクが所定以下である場合、図4(a)に示すように、凸部12が当接部223に当接することによって第一操作部16からのトルクが伝達される。この時、傾斜面121と当接部223は互いに傾斜しており、第一操作部16から伝達されるトルクの一部は爪部22をオーバーフロー排水栓200側へと押し込む方向へと変換される。しかし、可撓部222の剛性が当該変換されたトルクを上回るため、爪部22は撓むことなくトルクが第二係合部21へと伝達されて、第一操作部16と第二係合部21が一体となって回転する。
ここで、オーバーフロー排水栓200の締め付け完了後も締め付けを行う等して、所定以上のトルクが締め付け治具1に付与されると、第一操作部16と第一係合部11が空転する。即ち、図4(b)に示すように、第一操作部16から付与されるトルクが所定以上となると、爪部22がオーバーフロー排水栓200側、即ち締め付け治具1の回転軸方向へと撓むことにより、爪部22(当接部223)が凸部12を乗り越え、第一操作部16のみが回転し、第二係合部21は回転しない。これにより、締め付けに使用するトルクを管理することが可能となり、所定以上のトルクによる締め付けを防ぐことができる。
尚、凸部12を乗り越えた爪部22は図4(c)に示すように、自身の復元力によって元の形状に復帰し、その後、他の凸部12と当接する。この時、作業者は当該復帰と凸部12との衝突音及び空転に伴う触感等により所定トルクでの締め付けが完了したことを確認できる。
上記締め付けに係るトルク伝達部30とトルク管理機構40の動きについては上記オーバーフロー排水栓200の締め付けの際と同様である為省略する。
又、本発明の締め付け治具はオーバーフロー排水栓や排水栓の内部に係合部を挿入し、締め付けを行う構造であるため、装置の締め付けを浴槽の表側より行うことが可能となるため、施工性が向上する。更に、本発明の締め付け治具は、爪部の撓みによってトルク管理機構を構成するが、当該撓み方向が締め付け治具の回転軸方向であるため、装置の横幅(径方向の幅)を抑えることが可能となる。これにより、締め付け治具を容易に排水栓やオーバーフロー排水栓の内部に挿入可能な形状とすることができる。即ち、従来の締め付けナットはトルク管理機構が装置の内側から外側に向けて、又は外側から内側に向けて撓む構造であったため、装置の横幅が大きくなってしまっていた。従って、従来の締め付けナットのトルク管理機構を締め付け治具に流用した場合、オーバーフロー排水栓や排水栓の内部に治具を挿入して使用することが困難となる。
又、本発明の締め付け治具はそれぞれの接続部材の被係合部に対応する係合部を備えている。そして、各係合部は異なる形状を成し、対応する接続部材の被係合部とのみ係合可能となっている。これにより、1つの締め付け治具によって複数の接続部材の締め付けに対応可能となることから、部材点数を削減することができる。
又、上記第一実施形態において、締め付け治具は浴槽の排水栓及びオーバーフロー排水栓の締め付けの際に使用されていたが、洗面ボウルやキッチンの排水栓の締め付けに使用されても良く、洗濯パンや浴槽用排水トラップのフランジ部材を締め付ける際に使用されても良いものであり、その用途が限定されるものではない。
又、上記第一実施形態に係る締め付け治具は第一係合部11と第二係合部21が異なる形状を成していたが、係合部の径(横幅)を相違させることによって、異なる内径を有する接続部材の締め付けに対応する等しても良い。
10 第一筒部
11 第一係合部
12 凸部
121 傾斜面
14 ガイド部
15 嵌合部
151 内鍔部
16 第一操作部
20 第二筒部
21 第二係合部
22 爪部
221 立ち上がり部
222 可撓部
223 当接部
24 被ガイド部
25 被嵌合部
251 外鍔部
26 第二操作部
30 トルク伝達部
40 トルク管理機構
H 孔部
B 浴槽
100 浴槽排水栓
101 第一被係合部
110 排水器
200 オーバーフロー排水栓
201 第二被係合部
210 エルボ部材
Claims (7)
- 回動操作に基づいて接続を行う接続部材に使用される締め付け治具であって、
使用者が回動操作を加える操作部と、
前記接続部材と係合する係合部と、
前記操作部の操作を前記係合部へと伝達するトルク伝達部を備え、
前記トルク伝達部は、可撓性を有する爪部と、爪部に向けて突設された凸部を有し、所定以上のトルクが加えられた場合に、前記操作部と前記係合部を空転させるトルク管理機構を有することを特徴とする締め付け治具。 - 【請求項2】
前記締め付け治具が、
複数の接続部材に対して係合可能となるよう、複数の係合部を備えることを特徴とする請求項1に記載の締め付け治具。
- 前記複数の係合部がそれぞれ異なる形状であり、
対応する前記接続部材と前記係合部以外は係合不可能であることを特徴とする請求項2に記載の締め付け治具。 - 前記爪部は、
回動操作の回転軸方向に対して可撓性を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の締め付け治具。 - 前記トルク管理機構は、
操作部に対して所定以下のトルクが加えられた際には前記爪部と凸部が噛み合い、操作部と係合部が一体として回転するとともに、
操作部に対して所定以上のトルクが加えられた際には爪部が撓み、操作部のみが回転することを特徴とする請求項4に記載の締め付け治具。 - 前記爪部と凸部は、
前記回転軸方向に対する位置決めが成されていることを特徴とする請求項4 又は請求項5に記載の締め付け治具。 - 回動操作に基づいて接続を行う接続部材に使用される締め付け治具であって、
第一筒部と第二筒部とから構成し、
前記第一筒部に形成され、前記接続部材と係合する第一係合部と、
前記第二筒部に形成され、前記接続部材とは異なる接続部材と係合する第二係合部と、
使用者が回動操作を加える操作部と、
前記第一筒部と前記第二筒部との間に形成され、前記操作部の操作を前記第一係合部又は前記第二係合部へと伝達するトルク伝達部を備え、
前記トルク伝達部は、所定以上のトルクが加えられた場合に、前記操作部と前記第一係合部又は第二係合部とを空転させるトルク管理機構を有し、
前記第一係合部と第二係合部とがそれぞれ異なる接続部材に対して係合することで、複数の接続部材の締め付けに対応可能であることを特徴とする締め付け治具。
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2017
- 2017-09-11 JP JP2017173624A patent/JP7082765B2/ja active Active
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