JP7082417B2 - 食品組成物 - Google Patents
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Description
水と接触して水素を発生する金属酸化物含有粉末(成分A)と金属酸化物粉末及び/又は金属塩(成分B)とを含む食品組成物であって、
前記成分Aは、Cuよりも標準電極電位が小さい少なくとも2種の金属の酸化物を含み、
前記成分Bにおける金属酸化物は遷移金属及び第12族元素からなる群から選ばれる1種以上の金属の酸化物であり、
前記成分Bにおける金属塩は遷移金属及び第12族元素からなる群から選ばれる1種以上の金属の塩である食品組成物である。
以下、遷移金属及び第12族元素からなる群から選ばれる1種以上の金属を「遷移金属等」という。
本発明における成分Aは、水と接触して水素を発生する金属酸化物粉末であって、Cuよりも標準電極電位が小さい少なくとも2種の金属の酸化物を含む。
但し、金属Xの粉末を完全に酸化させてしまうと水素が発生し難いので、完全には酸化しないことが好ましい(以下、完全には酸化しないことを部分酸化という)。
好適な製造方法を以下に例示する。
成分AにおけるCuの標準電極電位(以下「VCu」ともいう)よりも標準電極電位が小さい少なくとも2種の金属Xとしては、成分Aの水との接触による水素の発生性(以下「水素発生性」という)の観点から、VCuよりも標準電極電位が小さい好ましくは3種以上、より好ましくは4種以上、更に好ましくは5種以上、更に好ましくは7種以上、更に好ましくは10種以上、更に好ましくは12種以上の金属であることであり、更に好ましくはこれらの金属にCuを組合わせることである。
標準電極電位が-2.000以下の金属から選ばれる1種以上の金属X1、
標準電極電位が-2.000超0.600以下から選ばれる1種以上の金属X2、
標準電極電位が-0.600超VCu未満の1種以上の金属X3のそれぞれから選ばれた金属の組合せであること(例えば、2種の場合は金属X1及びX2の組合せ、金属X1及びX3の組合せ又は金属X2及びX3の組合せ、3種の場合は金属X1、X2及びX3の組合せ)が好ましく、これらの組合せにさらにCuを組合わせることがより好ましい。
金属X2は好ましくは10~25重量部、より好ましくは15~20重量部である。
金属X1100重量部に対して、
金属X2は好ましくは10~25重量部、より好ましくは15~20重量部、
金属X3は好ましくは1~6.25重量部、より好ましくは1.5~5重量部である。
K、Ca、Na、Mg、Mn、Cr、Zn、Fe、Mo及びCoからなる群から選ばれる少なくとも2種以上、好ましくは3種以上、より好ましくは4種以上の金属であることがより好ましく、これらの組合せにさらにCuを組合わせることが更に好ましい。
Mg、Zn及びFeからなる群から選ばれる少なくとも2種以上、好ましくは3種の金属であることが好ましく、
K、Mg、Zn及びFeからなる群から選ばれる少なくとも2種以上、好ましくは3種以上、より好ましくは4種の金属であることがより好ましく、
K、Ca、Na、Mg、Al、Zn及びFeからなる群から選ばれる少なくとも2種以上、好ましくは3種以上、より好ましくは4種以上の金属であることが更に好ましく、
少なくともMg及びZnを含むことが更に好ましく、
これらの組合せにCuを組合わせることが更に好ましい。
金属X(又はさらにCuの組合せ)に、さらに、V、Se及びPからなる群から選ばれる1種以上、好ましくは2種以上、更に好ましくは3種の元素を組合わせて部分酸化することが好ましい。
金属Xの粉末は、アトマイズ法、遠心力アトマイズ法、プラズマ・アトマイズ法、回転電極法、機械的プロセス法、化学的プロセス法等を用いて、所望のメッシュに相当する寸法で製造できる。
xメッシュ以上の篩を通過する粉末の寸法を「xメッシュ以上」という。
好ましくは80メッシュ以上、より好ましくは100メッシュ以上、更に好ましくは500メッシュ以上、更に好ましくは1000メッシュ以上の粉末であり、
長時間の水素発生性の観点から、
好ましくは100~3000メッシュの混合粉末であり、
より好ましくは100~500メッシュの混合粉末と1000~3000メッシュの混合粉末の混合粉末であり、
更に好ましくは100~200メッシュの混合粉末と1000~2000メッシュの混合粉末の混合粉末である。
100~500メッシュの混合粉末又は100~200メッシュの混合粉末を構成する金属Xに含まれる金属100重量部に対して、
1000~3000メッシュの混合粉末又は1000~2000メッシュの混合粉末50を構成する金属Xに含まれる金属は、好ましくは50±15重量部、より好ましくは50±10重量部、更に好ましくは50±5重量部である。
K、Mg、Zn及びFeからなる群から選ばれる少なくとも2種以上、好ましくは3種以上、より好ましくは4種の金属であることがより好ましく、
K、Ca、Na、Mg、Al、Zn及びFeからなる群から選ばれる少なくとも2種以上、好ましくは3種以上、より好ましくは4種以上の金属であることが更に好ましく、
少なくともMg及びZnを含むことが更に好ましく、
1000~3000メッシュの混合粉末の混合粉末又は2000~3000メッシュの 混合粉末にはCuが組み合わされていることが更に好ましい。
上記した金属Xの粉末を、例えば、強電解酸性水(強酸性電解水ともいう)中に、
好ましくは10~50℃で10~240分、
より好ましくは15~40℃で15~120分、
更に好ましくは20~30℃で30~90分浸漬して部分酸化する。
好ましくは80~200℃、より好ましくは90~180℃、更に好ましくは110~150℃で、好ましくは1~36時間、より好ましくは3~24時間、更に好ましくは6~12時間静置して乾燥した金属Xが部分酸化された金属酸化物含有粉末(以下「金属酸化物含有粉末1」ともいう)を得る。
食品組成物として大気環境下で水素発生性を長時間安定して維持する(以下「安定性」という)の観点から、金属酸化物含有粉末1に以下のような加工を施すことが好ましい。
好ましくは50~99重量部、より好ましく70~95重量部、更に好ましくは80~90重量部の有機キレート化合物と、
好ましくは1~50重量部、より好ましくは5~30重量部、更に好ましくは10~20重量部の電解質とを加えて攪拌混合して金属酸化物含有粉末2を得る。
好ましくは、クエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、マロン酸、EDTAからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の有機酸を含み、
より好ましくはクエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、マロン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の有機酸を含み、、
更に好ましくはクエン酸及び/又はアスコルビン酸を含むことである。
好ましくは、例えばNaClのように、水に溶解してNa+、K+、Ca2+、Mg2+、Cl-、PO4 3-、HCO3 -からなる群から選ばれる少なくとも1種以上のイオンを解離する無機・有機塩電解質である。
後述する金属酸化物含有粉末4を得るまでの過程の金属酸化物含有粉末2及び3と有機キレート化合物、電解質及び水との反応に対する耐久性の観点から、
好ましくは貴金属、ステンレス鋼、アルミ合金、チタン合金及びニッケル合金からなる群から選ばれる1種以上の金属であり、経済性の観点を考慮すると、より好ましくはステンレス鋼、アルミ合金、チタン合金及びニッケル合金からなる群から選ばれる1種以上の金属であり、更に好ましくはステンレスである。
幅が、好ましくは20~500mm、より好ましくは30~300mm、更に好ましくは50~150mm、
長さが、好ましくは100~1000mm、より好ましくは200~700mm、更に好ましくは300~500mm、
深さが好ましくは1~20mm、より好ましくは2~15mm、更に好ましくは3~10mmで、型枠2の深さが型枠1の深さの好ましくは30~100%、より好ましくは50~90%、更に好ましくは60~80%である。
温度が、好ましくは25±4℃、より好ましくは25±2℃、更に好ましくは25±1℃で、
相対湿度が、好ましくは80~100%、より好ましくは90~100%、更に好ましくはで95~100%で、
好ましくは7~30日間、より好ましくは10~20日間、更に好ましくは14~16日間静置して膨潤した金属酸化物含有粉末3を得る。
プレート1側とプレート2側の両側から加熱プレスしたまま、
好ましくは50~200℃で15分~6時間、より好ましくは60~150℃で30分~4時間、更に好ましくは70~100℃で1~2時間静置した後、
加熱をせずにプレスをしたまま、
好ましくは25±4℃、より好ましくは25±2℃、更に好ましくは25±1℃で、
好ましくは12~36時間、より好ましくは16~32時間、更に好ましくは20~28時間静置して、合金板状の金属酸化物含有粉末4を得る。
型枠Bを脱型して取り出した合金板状の金属酸化物含有粉末4を、乾燥室内で、
温度が好ましくは25±4℃、より好ましくは25±2℃、更に好ましくは25±1℃、
相対湿度が好ましくは30~70%、より好ましくは35~65%、更に好ましくは40~55%で、
好ましくは1~12時間、より好ましくは2~6時間、更に好ましくは3~5時間静置した後、
合金板状の金属酸化物含有粉末4を、平面視で、好ましくは1~30mm、より好ましくは3~20mm、更に好ましくは5~15mm四方に切断してタイル状にして、
室内環境で、更に、好ましくは3時間~20日間、より好ましくは1~10日間、更に好ましくは2~5日間静置して(切断面が黒ずむまで静置することが更に好ましい)、タイル状の金属酸化物含有粉末5を得る。
好ましくは100±50メッシュ、より好ましくは100±30メッシュ、より好ましくは100±10メッシュの粉末1、
好ましくは300±100メッシュ、より好ましくは300±50メッシュ、より好ましくは300±30メッシュの粉末2、
好ましくは700±300メッシュ、より好ましくは700±250メッシュ、より好ましくは700±200メッシュの粉末3、
好ましくは2000±1000メッシュ、より好ましくは2000±500メッシュ、より好ましくは2000±200メッシュの粉末4を、
重量比(粉末1/粉末2/粉末3/粉末4)が、
好ましくは2~20/20~40/20~40/20~40、より好ましくは5~15/25~35/25~35/25~35となるように混合する。
成分Bは、体内でスーパーオキシドアニオンを迅速に失活させるSODに必要とされる遷移金属等を供給できる遷移金属等酸化物又は遷移金属等塩である。
成分Bは、水と接触して水素を発生する態様の金属酸化物ではない。
好ましくは、体内でミネラルとして存在する遷移金属等の酸化物及び/又は塩であり、
より好ましくは、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe,Co、Ni、Cu及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の遷移金属等の酸化物及び/又は塩であり、
更に好ましくは、Mn、Fe、Cu及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の遷移金属等の酸化物及び/又は塩である。
遷移金属等塩としては、珪酸塩及び/又は炭酸塩が好ましい。
遷移金属等酸化物は、水又は有機酸と接触すると多種類のミネラルを溶出する火成岩及び/又は接触変成岩に多く含まれており、これらの火成岩及び/又は接触変成岩を粉砕して微粉末化することで遷移金属等酸化物及び/又は遷移金属等塩の粉末(形態B1)である成分Bとすることができる。
遷移金属等元素含有溶液を塩基性溶液と接触させて得た遷移金属等酸化物及び/又は遷移金属等塩含有スラリーから液分を分離乾燥して、得られた遷移金属等水酸化物等からなる乾燥物を焼成して製造した遷移金属等酸化物を粉砕して粉末状(形態B2)の成分Bを得ることができる。
遷移金属等元素含有溶液を塩基性溶液と接触させて得た遷移金属等及び/又は遷移金属等塩含有スラリー(形態B3)をそのまま成分Bとして使用できる。
形態B1は、具体的には、火成岩及び/又は接触変成岩を含む原土又は岩石を掘削して、掘削した原土又は岩石を、例えば粉砕等し、篩別して、又は分級等を行い、火成岩及び/又は接触変成岩を選別し、選別された火成岩及び/又は接触変成岩を粉砕し、JIS Z 8801-1に基づく公称目開きで、好ましくは38~850μmの篩を通過する程度、より好ましくは38~500μmの篩を通過する程度、更に好ましくは38~250μmの篩を通過する程度、更に好ましくは38~125μmの篩を通過する程度、更に好ましくは38~63μmの篩を通過する程度、更に好ましくは38~53μmの篩を通過する程度まで粉末化する。
石灰岩が接触変成作用を受けて変化してできた、大理石を代表とする結晶質石灰岩、
マグマが石灰岩に接触し、マグマの成分(ケイ素,鉄,アルミニウムなど)が石灰岩の成分(カルシウム)と反応してできた,カルシウムやケイ素などを主成分とするスカルン、
石灰岩以外の岩石が接触変成作用を受けて変化したホルンフェルス等を使用できる。
(1)SiO2が、好ましくは55~85質量%、より好ましくは60~75質量%、更に好ましくは65~75質量%;
(2)Al2O2が、好ましくは5~25質量%、より好ましくは10~20質量%;
(3)Fe2O2が、好ましくは1~10質量%、より好ましくは1~5質量%;
(4)TiO2が、好ましくは0.1~2質量%、より好ましくは0.1~1質量%;
(5)CaOが、好ましくは1~10質量%、より好ましくは1~5質量%;
(6)MgOが、好ましくは1~10質量%、より好ましくは1~5質量%;
(7)Na2Oが、好ましくは1~10質量%、より好ましくは2~6質量%;
(8)K2Oが、好ましくは1~10質量%、より好ましくは1~5質量%;
(9)MnOが、好ましくは0.01~1質量%、より好ましくは0.01~0.1質量%;
(10)強熱減量(Ig.Loss)が、好ましくは1~5質量%、より好ましくは1~3質量%。
後述する有機酸によって溶出される人体に有用と考えられるミネラルの種類の多さの観点と低溶出ウラン量(安全性)から、好ましくは砂岩ホルンフェルスが、より好ましくは我が国の四万十帯地層を構成する海洋底堆積岩由来の砂岩ホルンフェルス、更に好ましくは大分県又は南九州(好ましくは鹿児島県又は宮崎県)、より好ましくは大分県又は宮崎県で採取される砂岩ホルンフェルスである。
形態B1の製造方法で製造した火成岩及び/又は接触変成岩の粉末をそのまま粉末を、食品添加物として使用できる有機酸又はその水溶液に浸漬して溶出したミネラルを含む溶出水溶液混合物(以下「成分B含有水溶液」ともいう)を形態B2として、さらにその濃縮乾燥物を粉砕した粉末を形態B3とすることができる。
2015年12月1日現在の厚生労働省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/index.html)によれば、厚生労働省は「指定添加物」、「既存添加物」、「天然香料」及び「一般飲食物添加物」(約100品目)を食品添加物として使用を認めている。
厚生労働省が定める指定添加物リスト(規則別表第1)(平成27年9月18日改正)には、
アジピン酸、L-アスコルビン酸(別名ビタミンC)、安息香酸、エリソルビン酸(別名イソアスコルビン酸)、クエン酸、グルコン酸、L-グルタミン酸、コハク酸、脂肪酸類、シュウ酸、DL-酒石酸(別名dl-酒石酸)、L-酒石酸(別名d-酒石酸)、ソルビン酸、ニコチン酸(別名ナイアシン)、乳酸、氷酢酸、フマル酸、プロピオン酸、へキサン酸(別名カプロン酸)、葉酸、酪酸、DL-リンゴ酸(別名dl-リンゴ酸)等が挙げられ、
既存添加物名簿には、L-アスパラギン酸、5’-アデニル酸、アルギン酸、イソアルファー苦味酸、イタコン酸、オリゴガラクチュロン酸、高級脂肪酸、5’-シチジル酸、ヒアルロン酸、フィチン酸、フェルラ酸、没食子酸、メバロン酸等が挙げられている。
好ましくはクエン酸、L-酒石酸、フマル酸、DL-リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸、グルコン酸及びL-アスコルビン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
より好ましくはクエン酸、酢酸及びL-アスコルビン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
更に好ましくはクエン酸である。
本発明は、成分Aと成分Bとを含む食品組成物であり、味、香り、色等の五感特性、保存安定性、pH、粘度、比重、表面張力、硬度等の水溶液特性等を調整するための食品添加物を添加剤として加えることができる。
本発明は、成分A及び成分Bの形態に応じて以下のような実施態様が挙げられる。
成分Aが粉末(キット成分A)であり、成分Bが粉末又は溶液(キット成分B)であり、キット成分A及びキット成分Bを含むキットである食品組成物。
(1)容器A及び容器Bから成分A及び成分Bをそれぞれ適量分取してそのまま体内に摂取する;又は、
(2)必要に応じて、水又は食品添加物として使用できる有機酸若しくはその水溶液とともに体内に流し込んで食する。
粉末状の成分Aを充填した水溶性カプセルAと粉末状の成分Bを充填した水溶性カプセルBを含む食品組成物キット。
水溶性カプセルA適量数と水溶性カプセルB適量数を、水又は食品添加物として使用できる有機酸若しくはその水溶液とともに体内に流し込んで食する。
粉末状の成分Aと粉末状(好ましくは形態1又は3)の成分Bの重量比(A/B)が好ましくは20/80~80/20、より好ましくは30/70~40/60、更に好ましくは35/65~45/55の成分Aと成分Bの混合粉末を水溶性カプセルに封入してなる食品組成物。
成分Aが体内で水に接触して気泡径の小さい水素が発生し、体内に存在する活性酸素(スーパーオキシドアニオン(O2 -)、一重項酸素(1O2)、過酸化水素(H2O2)、ヒドロキシルラジカル(・OH)))のうち、特に、ヒドロキシルラジカルを失活させる一助となり、
成分Bが水に接触して遷移金属等が水中に流出して、遷移金属等の存在下でスーパーオキシドアニオンを迅速に失活させるスーパーオキシドアニオン消去酵素(superoxide dismutase(SOD))の機能がより活性化されることが期待できる。
成分Aが粉末(キット成分A)であり、成分Bが粉末又は溶液(キット成分B)であり、キット成分A及びキット成分Bを含むキットである食品組成物が体内に摂取後に溶液状態になった態様を想定して、本発明の食品組成物の効果を検証した。
(1)成分A
(1-1)金属粉末
100メッシュのカリウム、銅、カルシウムをそれぞれ2g;
100メッシュのモリブデン・バナジウム・ニッケル・マンガン・セレニウム・ナトリウム・コバルト・リチウム・リン・クロムの粉体をそれぞれ1g
の計13種類の金属粉体をボウルロール粉砕機にかけ、1000~3000メッシュに粉砕して金属粉末を得る。
100メッシュのマグネシウム70g、亜鉛12g及び鉄2g並びに上記金属粉末をブレンダーで混合した後、超酸化水で殺菌を兼ねて酸化し、その後、水分を除去する。なお、本実施例で用いた超酸性水は、pH2.8、ORPが1000mV以上(vs.Ag/AgCl)であり、株式会社工進製の強酸性水生成器(製品名:サントロン)を用いて生成した。
クエン酸85gと天然塩7.5gをブレンダーで混合し、そこに、上記(1-3)で殺菌・酸化した金属粉を加え、更にブレンダーで混合してイオン化混合体とする。
その塩はカルシウム、ビタミン等をキレート結合することが知られている。
ステンレス製の型枠1(縦×横×高さ=100mm×400mm×7mm)1枚、
型枠2(110mm×420mm×5mm)1枚、
ステンレス板3(130mm×440mm×1~3mm)2枚を準備する。
ステンレス板3の表面に霧吹き等で水を散布し、その上に型枠1を載せる。その状態で、イオン化混合体を型枠1に入れ、該イオン化混合体の表面に霧吹き等で水を散布し、そのまま24時間放置する。これにより、イオン化混合体に含まれるクエン酸と塩が水分を吸収することでマグネシウム粉が反応し、該マグネシウム粉が溶解する。このとき、熱と水素ガスを発しながら溶解マグネシウムは他の15種類の金属粉を包み込むように接合し、合金板となる。なお、熱と水素ガスの発生により合金板の内部には気泡が生じ、膨張するため、型枠1よりも大きいサイズの型枠2に差し替える。
合金板の上にもう一枚のステンレス板3を載せ、100℃~200℃程度の熱を合金板及びステンレス板3の上下から加えながら約1時間ほどプレスする。これにより、合金板内の気泡がほとんど無くなった状態となる。この後、加熱を止め、プレスしたまま24時間ほど放置すると、水素ガスの発生と共に合金板内の各金属粉の間で電子のやり取り、すなわち酸化還元反応が起こる。
水素ガスの発生が終わる頃には水分もほとんど無くなった状態となり、比較的軟らかい合金板が得られる。これを乾燥室に入れて3~4時間程度乾燥させる。
乾燥室から取り出した合金板を10mm角程度にカットし、更に3日間ほど放置して酸化反応を進める。
3日間程放置した10mm角の合金板を粉砕機で細かく粉砕し、100メッシュ程度の粉にする。これを篩にかけて、全体の10%程度の100メッシュの粉を取り出し、残りの粉を更に粉砕し、300メッシュ程度の粉にする。これを篩にかけて全体の30%程度の300メッシュの粉を取り出し、残りの粉を更に粉砕し、900メッシュ程度の粉にする。これを篩に掛けて全体の30%程度の900メッシュの粉を取り出し、残りの粉をボウルロール粉砕機で1000~3000メッシュにする。その後、これら大きさの異なる粉体をブレンダーで混ぜ合わせ、混合粉体を得る。
得られた混合粉体を引き続き放置して酸化を進め、成分Aとする
純水(和光純薬社製、CAS No.7732-18-5)100mlにクエン酸(キシダ化学社製、食品添加物)5gを溶かし、これに成分Aを3g溶かす。
30分後に透明液になったのち、容器の底に残る黒い沈殿はそのままで上澄み液を成分A溶液原液とする。
成分A溶液原液とその純水による希釈液を試験サンプルAとした。
(3-1-1)接触変成岩:表3記載の化学組成を有する砂岩ホルンフェルス粉末(オンリー社製、公称目開き45μm(325メッシュ)篩通過品)
(3-1-2)有機酸:くえん酸一水和物(キシダ化学社製、食品添加物級)
(3-1-3)水:純水
(3-1-4)有機酸水溶液:有機酸50gに水500gを加えて9.1質量%、pH=1.7の有機酸水溶液を調製した。
1000mlビーカー内に有機酸水溶液(500ml)を充填し、砂岩ホルンフェルス粉末100gを加え、80℃まで昇温させ、撹拌棒を使用して10~20rpmで撹拌しながら、大気圧下で24時間、80℃の条件で溶出して得た溶液を成分B溶液原液とした。
成分A溶液原液と成分B原液原液を重量比1:1の割合で混合して成分A/B混合溶液原液とする。
成分A水溶液原液とその純水による希釈液を試験サンプルA/Bとした。
(1)SOD様活性作用
スーパーオキシドアニオン(O2-)消去能をスーパーオキシドディスムターゼ(Superoxide dismutase,SOD)様活性として測定する。
O2-消去能の測定はSOD Assay Kit-WST(Cat No. S311, Dojindo,Japan)を用いた。
O2 -残存率(%)=(S-SB)/(C-CB)×100
O2 -消去率(%)={(C-CB)-(S-SB)}/(C-CB)×100=SOD様活性率(%)
C :対照のOD450
CB :対照のブランクOD450
S :被験品のOD450
SB :被験品のブランクOD450
過酸化水素から生成する・OHに対する被験品のラジカル消去作用を測定する。
OHラジカル残存率(%)=(S-SB)/(C-CB)×100
OHラジカル消去率(%)={(C-CB)-(S-SB)}/(C-CB)×100
C :対照のOD727
CB :対照のブランクOD727
S :被験品のOD727
SB :被験品のブランクOD727
不飽和脂肪酸の1つであるリノール酸が酸化して生成される共役ジエンを測定する。
(3-4)プレートシールにより紫外線透過型96ウェルプレートを密封し、50℃で90分間インキュベートした。
(3-5)90分後、紫外線透過型96ウェルプレートを270rpmで30秒間振とうした後、マイクロプレートリーダーを用いてOD233を測定した。
(3-6)被験品、対照のOD233から被験品の過酸化脂質生成率および過酸化脂質生成抑制率を次式により算出した。
過酸化脂質生成率(%)=(S-SB)/(C-CB)×100
過酸化脂質生成抑制率(%)={(C-CB)-(S-SB)}/(C-CB)×100
C :対照のOD233
CB :対照のブランクOD233
S :被験品のOD233
SB :被験品のブランクOD233
試験ごとに、対照と被験品添加群を対応のあるt検定で有意差検定を実施した。検定はいずれも両側で有意水準を5%未満とした(P<0.05, P<0.01, P<0.001)。
(1)試験サンプルA
成分A溶液原液を純水で0.1%、0.2%、1%、10%、20%、100%(成分A溶液原液)に希釈したものを試験サンプルAとした。
成分A/B溶液原液を純水で0.1%、0.2%、1%、10%、20%、100%(成分A溶液原液)に希釈したものを試験サンプルA/Bとした。
(1)表4~9に示される結果を図1~6において比較した。
図1は、試験サンプルAのO2 -(スーパーオキシドアニオン)の残存率、
図2は、試験サンプルA/BのO2 -(スーパーオキシドアニオン)の残存率、
図3は、試験サンプルAのOHラジカルの残存率、
図4は、試験サンプルA/BのOHラジカルの残存率、
図5は、試験サンプルAの過酸化脂質生成率、
図6は、試験サンプルA/Bの過酸化脂質生成率である。
成分Aの水溶液である試験サンプルAは、O2 -(スーパーオキシドアニオン)の消去能(残存率の小ささ)を原液10%、20%、100%の濃度で有意に発現しているが、
本発明(成分A及びBを含む食品組成物)の水溶液である試験サンプルA/Bは、原液0.1%、0.2%.1%、2%、10%、20%、100%の濃度で、O2 -(スーパーオキシドアニオン)の消去能を有意に発現し、
当該消去能は上記濃度で、試験サンプルAに比べて各段に向上している。
成分Aの水溶液である試験サンプルAは、
原液0.1~20%の濃度で一定のOHラジカルの消去能(残存率の小ささ)を有意に発現し、原液100%で特に良好なOHラジカルの消去能を発現するが、
本発明(成分A及びBを含む食品組成物)の水溶液である試験サンプルA/Bは、
原液0.1%、0.2%.1%、2%、10%、20%、100%の濃度でOHラジカルの消去能(残存率の小ささ)を有意に発現し、
当該消去能は各原液の上記濃度で、格段に向上している。
成分Aの水溶液である試験サンプルAは、
原液0.2~2%の濃度で一定の過酸化脂質抑制能(生成率の小ささ)を有意に発現し、原液10~100%で特に良好な過酸化脂質抑制能を発現するが、
本発明(成分A及びBを含む食品組成物)の水溶液である試験サンプルA/Bは、
原液0.1%、0.2%.1%、2%、10%、20%の濃度で過酸化脂質抑制能を有意に発現し、
当該抑制能は各原液の上記濃度で、格段に向上している。
・OH+H2=H2O+・H
において、成分Aにより水に還元されるため、過酸化脂質の生成が抑制されると考えられる。
Claims (5)
- 水と接触して水素を発生する金属酸化物含有粉末(成分A)と金属酸化物粉末及び/又は金属塩(成分B)(但し、水と接触して水素を発生する金属酸化物粉及びは金属塩は除く)とを含む食品組成物であって、
前記成分Aは、Cuよりも標準電極電位が小さい少なくとも2種の金属の酸化物を含み、
前記成分Bにおける金属酸化物は遷移金属及び第12族元素からなる群から選ばれる1種以上の金属の酸化物であり、
前記成分Bにおける金属塩は遷移金属及び第12族元素からなる群から選ばれる1種以上の金属の塩であり、
前記成分Bは、
火成岩及び/又は接触変成岩の粉末、
前記火成岩及び/又は接触変成岩の粉末を、食品添加物として使用できる有機酸又はその水溶液に浸漬して得られた遷移金属酸化物及び/又は遷移金属塩含有スラリー、又は、
前記スラリーの乾燥物を焼成して得られた粉末である食品組成物。 - 前記成分Aが、水と接触して水素を発生する金属の粉末を酸化して得られる請求項1記載の食品組成物。
- 前記成分Aが粉末(キット成分A)であり、前記成分Bが粉末又は溶液(キット成分B)であり、前記キット成分A及び前記キット成分Bを含むキットである請求項1又は2記載の食品組成物。
- 前記成分Bが粉末である請求項1又は2記載の食品組成物。
- 前記成分Aと前記成分Bの重量比A/Bが20/80~80/20の前記成分Aと前記成分Bの混合粉末を水溶性カプセルに封入してなる請求項4記載の食品組成物。
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