JP2017118862A - 飲料水組成物の製造方法及び飲料水組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、火成岩及び/又は接触変成岩の粉末からミネラルを溶出する工程において、ミネラルの溶出効率が向上し、食品衛生上の制約が小さく生産性が改善された飲料水組成物の製造方法と、含有するミネラルの種類が豊富でより安全な飲料水組成物を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、〔1〕火成岩及び/又は接触変成岩の粉末から、食品添加物として使用できる有機酸又はその水溶液でミネラルを溶出する工程を有する飲料水組成物の製造方法、及び、〔2〕前項〔1〕記載の製造方法で得ることができる飲料水組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、火成岩及び/又は接触変成岩の粉末から溶出されたミネラルを含む飲料水組成物の製造方法及び飲料水組成物に関する。
特許文献1に、花崗岩(黒雲母)を含む鉱物の細粒を、特定の無機酸、特定のアルカリ金属又は特定のアルカリ土類金属の水溶液に入れて得た、ミネラル由来の多種類のイオンを含む溶液を、水で薄めて濾過して、さらに可溶性キトサンを混ぜ合わせた多種類のミネラルを含む飲料水が開示されている。
特許文献2に、SGE鉱石の粒状体を、透水性の中袋に袋詰めしたものを、市販のペットボトル内に飲料用水とともに投入した飲料用水混合物が開示されている。
WO2013−073644号公報 特開2010−253402号公報
しかし、特許文献1に開示されている飲料水は、花崗岩からミネラルを溶出する過程で使用される無機酸が硫酸、塩酸又は硝酸の強酸であり、アルカリ金属水溶液又はアルカリ土類金属水溶液が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化カルシウムの強アルカリの水溶液であることから、食品衛生上、最終食品の完成前に中和又は除去すること等が要請されるため、生産性及び品質管理の観点から工業的生産に好適とはいえない。
また、特許文献2に開示されている飲料用水混合物は、SGE鉱石が飲料用水に接触しているだけなので、ミネラルの溶出効率が低い。
本発明は、火成岩及び/又は接触変成岩の粉末からミネラルを溶出する工程において、ミネラルの溶出効率が向上し、食品衛生上の制約が小さく生産性が改善された飲料水組成物の製造方法と、含有するミネラルの種類が豊富でより安全な飲料水組成物を提供することを課題とする。
本発明は、
〔1〕火成岩及び/又は接触変成岩の粉末から、食品添加物として使用できる有機酸又はその水溶液でミネラルを溶出する工程を有する飲料水組成物の製造方法(以下、本発明1ともいう)、及び、
〔2〕前項〔1〕記載の製造方法で得ることができる飲料水組成物(以下、本発明2ともいう)である。
本発明によれば、火成岩及び/又は接触変成岩の粉末からミネラルを溶出する工程において、ミネラルの溶出効率が向上し、食品衛生上の制約が小さく生産性が改善された飲料水組成物の製造方法と、含有するミネラルの種類が豊富でより安全な飲料水組成物を提供するこができる。
本発明1の実施形態の1例である。 実施例1による本発明1の溶出工程における溶出系の導電率の経時変化である。 実施例1及び実施例2による本発明1の溶出工程における溶出系の導電率の経時変化である。 本発明1のスケールアップした場合の溶出工程における溶出系の導電率の経時変化である。
〔飲料水組成物の製造方法〕
本発明1は、火成岩及び/又は接触変成岩の粉末から、食品添加物として使用できる有機酸又はその水溶液でミネラルを溶出する工程(以下、溶出工程ともいう)を有する。
(火成岩)
本発明1において、火成岩はマグマが冷却固化した岩石であり、
マグマが短期間に冷却したコマチアイト、玄武岩、安山岩、デイサイト、流紋岩、ひん岩、石英斑岩、花崗斑岩等の火山岩、及び、
マグマが長期間に冷却したかんらん岩、斑れい岩、閃緑岩、花崗閃緑岩、花崗岩等の深成岩を使用できるが、
後述する有機酸によって溶出される人体に有用と考えられるミネラルの種類の多さの観点から、好ましくは深成岩であり、より好ましくはかんらん岩、斑れい岩、閃緑岩、花崗閃緑岩及び花崗岩からなる群から選ばれる少なくとも1種の岩石であり、更に好ましくは花崗岩である。
(接触変成岩)
本発明1における接触変成岩は、マグマの熱によって既存の岩石が変成したものであり、石灰岩が接触変成作用を受けて変化してできた、大理石を代表とする結晶質石灰岩、
マグマが石灰岩に接触し、マグマの成分(ケイ素,鉄,アルミニウムなど)が石灰岩の成分(カルシウム)と反応してできた,カルシウムやケイ素などを主成分とするスカルン、石灰岩以外の岩石が接触変成作用を受けて変化したホルンフェルス等を使用できる。
後述する有機酸によって溶出される人体に有用と考えられるミネラルの種類の多さと低溶出ウラン量(安全性)の観点から、接触変成岩の中ではホルンフェルスが好ましい。
本発明1及び本発明2において、ホルンフェルスは、以下の化学組成を有する接触変成岩である:
(1)SiO
好ましくは55〜85質量%、より好ましくは60〜75質量%、更に好ましくは65〜75質量%;
(2)Al
好ましくは5〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%;
(3)Fe
好ましくは1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%;
(4)TiO
好ましくは0.1〜2質量%、より好ましくは0.1〜1質量%;
(5)CaO
好ましくは1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%;
(6)MgO
好ましくは1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%;
(7)Na
好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜6質量%;
(8)K
好ましくは1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%;
(9)MnO
好ましくは0.01〜1質量%、より好ましくは0.01〜0.1質量%;
(10)強熱減量(Ig.Loss)
好ましくは1〜5質量%、より好ましくは1〜3質量%。
ホルンフェルスとしては、泥岩が接触変性した泥質ホルンフェルス、チャートが接触変性したケイ質ホルンフェルス、砂岩が接触変性した砂岩ホルンフェルス等が挙げられるが、後述する有機酸によって溶出される人体に有用と考えられるミネラルの種類の多さの観点と低溶出ウラン量(安全性)から、好ましくは砂岩ホルンフェルスが、より好ましくは我が国の四万十帯地層を構成する海洋底堆積岩由来の砂岩ホルンフェルス、更に好ましくは大分県又は南九州(好ましくは鹿児島県又は宮崎県)、より好ましくは大分県又は宮崎県で採取される砂岩ホルンフェルスである。
例えば、大分県と宮崎県の県境で採取される砂岩ホルンフェルスは、人体に有用なミネラルのうち、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化第二鉄、酸化カリウム等の主要ミネラル元素含有化合物の他に、他の岩石では採取の困難なバナジウム、ルビジウム、チタン、ジルコニウム等の微量金属元素及びウラン、トリウム、ランタン、ルテチウム、エルビニウム等の放射性の希土類元素を含有する。
例えば、大分県産業科学技術センターによる分析結果によると、大分県と宮崎県の県境で採取した砂岩ホルンフェルスは表1のような組成となる。
(火成岩及び/又は接触変成岩の粉末)
溶出工程において、豊富なミネラルを含む飲料水組成物の溶出効率(以下、溶出効率ともいう)の観点から、火成岩及び/又は接触変成岩は粉末として使用する。
火成岩及び/又は接触変成岩の粉末の粒子径は、溶出効率の観点から、JIS Z 8801−1に基づく公称目開きで、好ましくは38〜850μmの篩を通過する程度、より好ましくは38〜500μmの篩を通過する程度、更に好ましくは38〜250μmの篩を通過する程度、更に好ましくは38〜125μmの篩を通過する程度、更に好ましくは38〜63μmの篩を通過する程度、更に好ましくは38〜53μmの篩を通過する程度である。
(有機酸)
本発明1において、溶剤として使用する有機酸は酢酸のような食品又は食品添加物として使用できるものが好ましい。
食品添加物として使用できる有機酸は、例えば、日本国の食品添加物の安全性を管理する官庁が使用を認めた食品添加物としての有機酸である。
2015年12月1日現在の厚生労働省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/index.html)によれば、厚生労働省は「指定添加物」、「既存添加物」、「天然香料」及び「一般飲食物添加物」(約100品目)を食品添加物として使用を認めている。
食品添加物として使用を認められた有機酸として、例えば、
厚生労働省が定める指定添加物リスト(規則別表第1)(平成27年9月18日改正)には、
アジピン酸、L−アスコルビン酸(別名ビタミンC)、安息香酸、エリソルビン酸(別名イソアスコルビン酸)、クエン酸、グルコン酸、L−グルタミン酸、コハク酸、脂肪酸類、シュウ酸、DL−酒石酸(別名dl−酒石酸)、L−酒石酸(別名d−酒石酸)、ソルビン酸、ニコチン酸(別名ナイアシン)、乳酸、氷酢酸、フマル酸、プロピオン酸、へキサン酸(別名カプロン酸)、葉酸、酪酸、DL−リンゴ酸(別名dl−リンゴ酸)等が挙げられ、
既存添加物名簿には、L−アスパラギン酸、5’−アデニル酸、アルギン酸、イソアルファー苦味酸、イタコン酸、オリゴガラクチュロン酸、高級脂肪酸、5’−シチジル酸、ヒアルロン酸、フィチン酸、フェルラ酸、没食子酸、メバロン酸等が挙げられている。
本発明1における有機酸は、これらの食品添加物として使用を認められた有機酸が好ましく使用できるが、溶出効率及び飲料水組成物の味の観点から、
好ましくはクエン酸、L−酒石酸、フマル酸、DL−リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸、グルコン酸及びL−アスコルビン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
より好ましくはクエン酸、酢酸及びL−アスコルビン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
更に好ましくはクエン酸である。
なお、本発明1では、水への溶解容易性の観点から、クエン酸はクエン酸水和物(好ましくは一水和物)を使用することが好ましい。
(溶出条件)
溶出工程では、上述の火成岩及び/又は接触変成岩の粉末を、溶剤として上述の有機酸又はその水溶液を使用して溶出して溶出水溶液混合物を得る。
溶剤のpHは、溶出効率の観点から、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2である。
有機酸は液状であればそのものを使用できるが、溶出効率及びpH管理の容易性の観点から、有機酸の水溶液を使用することが好ましい。
有機酸水溶液のpHは、水による希釈の程度により調整したり、別途、有機酸を添加して調整したりすることができる。
有機酸の水溶液を使用する際の希釈水は、水道水、蒸留水、イオン交換水等が使用できるが、溶出効率及び水質管理の容易性の観点から、水道水の硬度は、好ましくは0〜120mg/L、より好ましくは1〜110mg/L、更に好ましくは10〜100mg/L、更に好ましくは20〜90mg/L、更に好ましくは30〜80mg/Lである。
有機酸の水溶液を使用する際の希釈水は、溶出効率及び水質管理の容易性の観点から蒸留水及び/又はイオン交換水を使用することが好ましい。
溶剤の温度は、溶出効率の観点から、好ましくは10〜90℃、より好ましくは20〜90℃、更に好ましくは40〜90℃、更に好ましくは60〜90℃、更に好ましくは70〜90℃である。
溶出時間は、十分な量のミネラルを溶出する観点から、好ましくは0.5〜24時間、より好ましくは1〜18時間、更に好ましくは2〜10時間、更に好ましくは2〜6時間であり、溶剤の温度が高いほど溶出時間を低減できる。接触変成岩の粉末と溶剤とを含む溶出系の好適溶出時間は前記の範囲が好ましい。
溶出時間は、火成岩の粉末と溶剤とを含む溶出系では、十分な量のミネラルを溶出する観点から、好ましくは0.5〜24時間、より好ましくは5〜24時間、更に好ましくは10〜24時間、更に好ましくは15〜24時間であり、溶剤の温度が高いほど溶出時間を低減できる。
火成岩及び/又は接触変成岩の粉末と溶剤とを含む溶出系において、溶剤の量は、火成岩及び/又は接触変成岩の粉末100質量部に対して、好ましくは100〜10000質量部、より好ましくは200〜5000質量部、更に好ましくは300〜3000質量部、更に好ましくは300〜1500質量部、更に好ましくは500〜1500質量部、更に好ましくは500〜1000質量部である。
溶出系は、溶出効率の観点から、撹拌されていることが好ましく、例えば、撹拌翼を回転して撹拌させる場合、好ましくは1〜100rpm、より好ましくは5〜60rpm、更に好ましくは10〜30rpmである。
(飲料水組成物の製造方法)
本発明1の飲料水組成物の製造方法は、溶出工程に特徴を有し、溶出工程を必須として含むが、さらに必要に応じて、図1に示すように以下の(1)〜(2)及び(4)〜(9)の各工程のいずれかを1つ以上備える。
(1)粉末原料製造工程
本発明1において、火成岩及び/又は接触変成岩の粉末は、ラボレベルから小規模の飲料水組成物の製造であれば市販品を購入して使用できるが、大規模の飲料水組成物の製造の場合は、粉末原料製造工程を備えることが好ましい。
粉末原料製造工程としては、例えば、火成岩及び/又は接触変成岩を含む原土又は岩石を掘削して、掘削した原土又は岩石を、例えば粉砕等し、篩別して、又は分級等を行い、火成岩及び/又は接触変成岩を選別し、選別された火成岩及び/又は接触変成岩を粉砕して粉末原料を得る工程からなる。
(2)溶剤製造工程
本発明1において、溶剤は、ラボレベルから小規模の飲料水組成物の製造であれば市販品の有機酸を購入してそのまま又は水溶液にして使用できるが、大規模の飲料水組成物の製造の場合は、例えば、有機酸を有機酸貯蔵タンクに貯蔵し、貯蔵された有機酸を有機酸希釈槽において水で希釈し、必要に応じてpHを調整し、得られた有機酸水溶液を溶出槽に充填する溶剤製造工程を備えることが好ましい。
(3)溶出工程
本発明1において、溶出工程は、ラボレベルから小規模の飲料水組成物の製造の場合は、ラボレベルの設備で実施できるが、大規模の飲料水組成物の製造の場合は、例えば、粉末原料製造工程で得られた火成岩及び/又は接触変成岩の粉末を、予め溶出槽に充填し、そこに溶剤製造工程で得られた有機酸水溶液を充填し、必要に応じて温度調整をして溶出水溶液混合物を得る工程を備えることが好ましい。
溶出水溶液混合物は、好ましくは中継槽に貯蔵される。
(4)分級工程
本発明1において、必要に応じて、溶出水溶液混合物を分級して、溶出水溶液混合物中の粗大固形分を除去する分級工程を備えることが好ましい。
(5)濾過工程
本発明1において、例えば、溶出水溶液混合物を(好ましくは分級工程を経由して)フィルターを通して、不溶性分等の不純物を除去して濾液を得る濾過工程を備えることが好ましい。
濾液は、好ましくは濾過槽に貯蔵される。
なお、濾過工程の前及び/又は後で、不純物を凝集除去するために凝集剤を添加してもよい。
(6)滅菌工程
本発明1において、必要に応じて、好ましくは濾液を加熱、紫外線照射等による滅菌、より好ましくは加熱による滅菌をする滅菌工程を備える。
(7)添加剤混合工程
本発明1において、必要に応じて、濾液の味、香り、色等の五感特性、保存安定性、pH、粘度、比重、表面張力、硬度等の水溶液特性等を調整するための食品添加物を添加剤として加える添加剤混合工程を備えることが好ましい。
(8)ボトル詰め工程
本発明1において、例えば、濾液(必要に応じて、滅菌工程及び/又は添加剤混合工程経由した濾液)を、飲料水用の缶、ビン、ペットボトル等のボトルに充填し、必要に応じて各ボトルに必要な情報を記載したラベル等を貼付するボトル詰め工程を備えることが好ましい。
(9)製品格納工程
本発明1において、例えば、ボトル詰め工程でボトル詰めされた濾液は、そのまま、あるいは包装されて倉庫等に格納されてもよく、濾液(必要に応じて、滅菌工程及び/又は添加剤混合工程経由した濾液)を、製品貯蔵槽に貯蔵し、製品貯蔵槽に格納してもよい。
例えば、上記の格納されたボトル内又は製品貯蔵槽内の濾液が、本発明の飲料水組成物である。
製品貯蔵槽内の濾液を飲料水組成物の濃縮液として製品化してもよいし、製品貯蔵槽内の濾液の酸味を調整するために、製品貯蔵槽内の濾液を好ましくは2〜10000倍、より好ましくは10〜1000倍、更に好ましく10〜100倍に希釈して製品化してもよい。
製品化された飲料水組成物は、製品貯蔵槽内の濾液を基準にしたときに好ましくは2〜10000倍、より好ましくは10〜1000倍、更に好ましく10〜100倍に希釈して需要者に提供することができる。
格納された飲料水組成物は、例えば、ボトル詰めの状態で出荷されてもよい。
製品貯蔵槽に格納された飲料水組成物は、製品貯蔵槽からボトル詰め工程に供給してもよく、製品貯蔵槽からタンクローリーに詰め替えて需要者に搬送してもよい。
本発明1で製造された飲料水組成物は、本発明2の飲料水組成物として好適である。
〔飲料水組成物〕
本発明2は、本発明1の製造目的物であり、本発明1の製造方法で得ることができる飲料水組成物である。
本発明2は、本発明1において、溶剤として食品用又は食品添加物として使用される有機酸を使用していることから、溶剤として無機酸、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を使用する溶出液に比べてより安全であり、無機酸、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を中和する工程もないので、これらの中和剤由来の化合物の混入もないため、味が損なわれず、更に安全であり、生産性も改善される。
本発明2は、火成岩及び/又は接触変成岩の粉末を、食品用又は食品添加物として使用できる有機酸又はその水溶液で溶出しているため、花崗岩(黒雲母)を含む鉱物の細粒を、特定の無機酸、特定のアルカリ金属又は特定のアルカリ土類金属の水溶液で溶出して得られた飲料水や、SGE鉱石の粒状体を水で溶出して得られた飲料水に比べて、含有するミネラルの種類が豊富で、酸味が付与されている。
本発明2は、例えば、以下のミネラルを含むことが好ましい:
(a)アルミニウム(Al)
好ましくは100〜10000mg/L、より好ましくは500〜5000mg/L、更に好ましくは1000〜3000mg/L;
(b)バリウム(Ba)
好ましくは0.1〜100mg/L、より好ましくは0.2〜50mg/L、更に好ましくは0.5〜20mg/L、更に好ましくは1〜10mg/L;
(c)カルシウム(Ca)
好ましくは10〜5000mg/L、より好ましくは50〜3000mg/L、更に好ましくは100〜2000mg/L、更に好ましくは200〜1500mg/L;
(d)クロム(Cr)
好ましくは0.1〜100mg/L、より好ましくは0.2〜50mg/L、更に好ましくは0.5〜20mg/L、更に好ましくは1〜10mg/L;
(e)鉄(Fe)
好ましくは100〜10000mg/L、より好ましくは500〜7000mg/L、更に好ましくは1000〜5000mg/L、更に好ましくは1500〜3000mg/L;
(f)カリウム(K)
好ましくは100〜5000mg/L、より好ましくは150〜4000mg/L、更に好ましくは200〜3000mg/L、更に好ましくは300〜1500mg/L;
(g)リチウム(Li)
好ましくは0.1〜100mg/L、より好ましくは0.2〜50mg/L、更に好ましくは0.5〜20mg/L、更に好ましくは1〜10mg/L;
(h)マグネシウム(Mg)
好ましくは100〜5000mg/L、より好ましくは150〜4000mg/L、更に好ましくは200〜3000mg/L、更に好ましくは300〜1500mg/L;
(i)マンガン(Mn)
好ましくは1〜1000mg/L、より好ましくは5〜500mg/L、更に好ましくは10〜200mg/L、更に好ましくは20〜100mg/L;
(j)ナトリウム(Na)
好ましくは1〜1000mg/L、より好ましくは10〜500mg/L、更に好ましくは20〜300mg/L、更に好ましくは50〜200mg/L;
(k)ニッケル(Ni)
好ましくは0.1〜100mg/L、より好ましくは0.2〜50mg/L、更に好ましくは0.5〜20mg/L、更に好ましくは0.5〜10mg/L;
(l)ストロンチウム(Sr)
好ましくは0.1〜100mg/L、より好ましくは0.2〜50mg/L、更に好ましくは0.5〜20mg/L、更に好ましくは1〜10mg/L;
(m)チタン(Ti)
好ましくは1〜1000mg/L、より好ましくは10〜500mg/L、更に好ましくは20〜300mg/L、更に好ましくは50〜200mg/L;
(n)バナジウム(V)
好ましくは0.1〜100mg/L、より好ましくは0.2〜50mg/L、更に好ましくは0.5〜20mg/L、更に好ましくは1〜10mg/L;
(o)亜鉛(Zn)
好ましくは0.1〜100mg/L、より好ましくは0.2〜50mg/L、更に好ましくは0.5〜20mg/L、更に好ましくは1〜10mg/Lである。
本発明2は、ミネラルの他に以下の化合物を含むことが好ましい。
(p)リン(P)
好ましくは1〜1000mg/L、より好ましくは5〜500mg/L、更に好ましくは10〜200mg/L、更に好ましくは20〜100mg/L;
(q)シリコン(Si)
好ましくは10〜5000mg/L、より好ましくは50〜3000mg/L、更に好ましくは1002000mg/L、更に好ましくは200〜1500mg/Lである。
本発明2は、安全性の観点から、
少なくともウランの含有量が、好ましくは30μg/L未満、より好ましくは25μg/L以下であり、更には、トリウムの含有量が、好ましくは1000μg/L以下、より好ましくは700μg/L以下、更に好ましくは500μg/L以下である。
本発明2のpHは、適度の酸味の観点から、好ましくは2〜6、より好ましくは2〜5、更に好ましくは2〜4、更に好ましくは2〜3である。
本発明2は、必要に応じて、味、香り、色等の五感特性、保存安定性、pH、粘度、比重、表面張力、硬度等の水溶液特性を調整するための食品添加物を配合することができる。
本発明2は、以上のように、従来のミネラル含有飲料水に比べて、含有するミネラルの種類が豊富でより安全で、適度の酸味を有しうるので、健康食品、サプリメントとして好適である。
さらに、第2次世界大戦後の農法、例えば、化学肥料を中心にした農法の変化により、1950年以降、例えばホウレンソウ中の微量ミネラルである鉄や、ビタミンCが激減しているように、食物からのミネラルの補給を補うことの重要性が高まっていることから、本発明2の必要性はさらに高まるものと考えられる。
〔原材料〕
(1)接触変成岩:表1記載の化学組成を有する砂岩ホルンフェルス粉末(オンリー社製、公称目開き45μm(325メッシュ)篩通過品)
(2)火成岩:表3記載の化学組成を有する花崗岩(シマニシ科研社製腐食花崗岩)を乳鉢で粉砕して、公称目開き45μm(325メッシュ)篩通過の粉末として得た。
(3)有機酸:くえん酸一水和物(昭和化学社製、1級)
(4)水:イオン交換水
(5)有機酸水溶液:有機酸50gに水500gを加えて9.1質量%、pH=1.7の有機酸水溶液を作製した。
〔溶出条件〕
(実施例1)砂岩ホルンフェルスと溶剤(有機酸水溶液)の組合せ
1000mlビーカー内に有機酸水溶液(500ml)を充填し、砂岩ホルンフェルス粉末100gを加え、80℃まで昇温させ、撹拌棒を使用して10〜20rpmで撹拌しながら、大気圧下で24時間、80℃の条件で溶出した。
(実施例2)花崗岩と溶剤(有機酸水溶液)の組合せ
1000mlビーカー内に有機酸水溶液(500ml)を充填し、花崗岩粉末100gを加え、80℃まで昇温させ、撹拌棒を使用して10〜20rpmで撹拌しながら、大気圧下で24時間、80℃の条件で溶出した。
(実施例3)砂岩ホルンフェルスと溶剤(有機酸水溶液)の組合せのスケールアップ試験
ステンレス容器内に有機酸水溶液を10000ml充填し、砂岩ホルンフェルス粉末2000gを加え、80℃まで昇温させ、撹拌棒を使用して10〜20rpmで撹拌しながら、大気圧下で24時間、80℃の条件で溶出した。
導電率測定器(東亜ディーケーケー社製CM−31P)を使用して、
実施例1の溶剤と砂岩ホルンフェルス粉末とからなる溶出系、
実施例2の溶剤と花崗岩粉末とからなる溶出系
実施例3の溶剤と砂岩ホルンフェルス粉末とからなる溶出系の導電率の経時変化を測定した(図2〜4参照)。
図3には砂岩ホルンフェルスと水の溶出系の導電率のデータを示した。
図4には、図2の結果(a)に対するスケールアップ系の結果(b)を示した。
実施例によれば、代表的な火成岩の花崗岩粉末でも、代表的な接触変成岩の砂岩ホルンフェルス粉末でも(相対的には後者の方が)、代表的な食用有機酸のクエン酸によるミネラルの溶出が良好で(図2及び3)、その効果はスケールアップしても維持された(図4)。
〔濾過条件〕
溶出後の組成物を、室温(20〜25℃)で3時間静置し、上澄みを濾液とみなして採水し、本発明2の実施飲料水組成物を得た。
なお、溶出後の組成物の冷却は、工業的には、例えば組成物の貯蔵槽を0.5〜1.5時間水冷して室温にすることが好ましい。
本発明2の実施飲料水組成物のpHは2.5だった。
〔分析〕
実施例1で得られた本発明2の実施飲料水組成物について、株式会社日立パワーソリューションズにて、以下の装置を使用し、65元素について定性分析を行い、定性分析で検出された17元素について定量分析を行い、ウラン及びトリウムについて別途定量分析を行った。
(1)65元素の定性分析:高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)(パーキンエルマー社製OPTOMA8300型)
(2)ナトリウム及びカリウムの定量分析:原子吸光高度法(日立ハイテクノロジーズ社製Z2010型)
(3)ナトリウム及びカリウム以外の15元素の定量分析:高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)(パーキンエルマー社製OPTOMA8300型)
(4)ウラン及びトリウムの定量分析:高周波誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)(アジレント・テクノロジー社製Agilent8800x型)
実施例1で得られた本発明2の実施飲料水組成物に含まれる17元素並びにウラン及びトリウムの定量分析結果を表2に示す。
〔官能試験〕
実施例1で得られた本発明2を10ml飲んだところ、やや強い酸味を有する味わいの良好な飲料水として使用できることを確認した。

Claims (5)

  1. 火成岩及び/又は接触変成岩の粉末から、食品添加物として使用できる有機酸又はその水溶液でミネラルを溶出する工程を有する飲料水組成物の製造方法。
  2. 前記有機酸が、クエン酸、L−酒石酸、フマル酸、DL−リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸、グルコン酸及びL−アスコルビン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1記載の飲料水組成物の製造方法。
  3. pHが2〜6である請求項1又は2記載の飲料水組成物の製造方法。
  4. 前記飲料水組成物中、ウランが30μg/L未満である請求項1〜3のいずれか1項記載の飲料水組成物の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の飲料水組成物の製造方法で得ることができる飲料水組成物。
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