JP7081992B2 - 既存建物への太陽電池モジュールの取付け方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、バルコニーに立設された各支柱の側面に形成された溝に、各太陽電池パネルが嵌挿されて支持されるとともに、各支柱の上端にネジ止めされる手摺りにて各太陽電池パネルが設置固定された太陽電池パネル取付構造が示されている。
本発明は、既存建物に太陽電池モジュールを取り付けることを開発することを目的とする。
また、工場にて太陽電池パネルと枠部材とが一体化された太陽電池モジュールを製作し、この太陽電池モジュールを現場に搬入して取り付けるので、施工品質にばらつきが少なく、施工精度を確保できる。
また、屋内側から太陽電池モジュールを後付けできるため、建物外部に太陽電池モジュールを取り付けるための足場や揚重機が不要となり、太陽電池モジュールを低コストで取り付けできる。
また、既存の板ガラスやサッシ枠の取り外しを行うことなく、屋内側から太陽電池モジュールを取り付けできるため、施工時に建物外壁面を傷つけないから、建物外壁から漏水するリスクを低減できる。
そこで、本発明によれば、太陽電池モジュールの枠部材とサッシ枠との隙間をシーリング材で閉塞したので、屋内空気が空気層に流入するのを防止して、板ガラスや太陽電池パネルに結露が生じるのを抑制できる。また、空気層内の空気が外気と同様の水蒸気分圧となるので、仮に、湿気を含む屋内空気が空気層に流入した場合でも、この湿気は屋外から換気孔を通って空気層に流入した外気によって希釈されるから、結露を抑制できる。
そこで、本発明によれば、枠部材の上下に、空気層と建物外部とを連通する換気孔を形成した。この換気孔を通して、空気層と建物外部との間で換気が行われるので、空気層が高温となるのを抑制して、太陽電池パネルの発電効率が低下するのを抑制できる。
このように、換気孔を通して、屋外風圧の変動や屋外との水蒸気分圧差に伴って、空気層と建物外部との間で換気が行われるので、冬季には結露を抑制でき、夏季には空気層の高温化を防いで、太陽電池パネルの発電が低下するのを抑制できる。
この発明によれば、枠部材の下枠に建物外部と屋内とを連通する排水孔を形成したので、太陽電池パネル表面の結露水が枠部材の下枠表面に落ちても、この結露水は排水孔を通って建物外部に排出される。
この発明によれば、太陽電池モジュールの枠部材の屋内側に断熱材を設けたので、屋内の空調熱が建物外部に太陽電池パネルを介して排熱されるのを防止でき、屋内の空調負荷を低減できる。
本発明によれば、太陽電池パネルを既存建物内に設置することで太陽電池パネル表面のガラスを薄くでき、太陽電池パネルの重量を軽減できる。
また、本発明によれば、既存建物に太陽電池モジュールを取り付けることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュール1が取り付けられた建具としての窓2を屋内側から視た図である。図2は、図1のA-A断面図である。図3(a)は、図1のB-B断面図であり、図3(b)は、図1のC-C断面図である。
太陽電池モジュール1は、窓2の屋内側に取り付けられている。1つの窓2につき、2つの太陽電池モジュール1が取り付けられている。
この窓2は、既存建物の外壁面に取り付けられた外部窓である。窓2は、矩形枠状のサッシ枠10と、サッシ枠10に取り付けられた矩形状の板ガラス11と、を備える。
枠部材30は、サッシ枠10で囲まれた内側に取り付けられており、太陽電池パネル31は、板ガラス11の屋内側に配置されている。板ガラス11と太陽電池パネル31との間には、空気層32が形成されている。
枠部材30は、板状の基部33と、この基部33に立設されて板ガラス11の屋内側の面を支持する第1支持部34と、この基部33に立設されて板ガラス11の屋外側の面を支持する第2支持部35と、を備える。
枠部材30の下枠を構成する基部33には、太陽電池パネル31の屋内側の位置に、結露水を排水するための排水孔36が形成されている(図3(b)参照)。
ゴム板40Aは、枠部材30の下枠とサッシ枠10の下枠との間に配置され、ゴム板40Bは、枠部材30の上枠とサッシ枠10の上枠との間に配置される。さらに、太陽電池モジュール1の枠部材30と窓2のサッシ枠10との隙間でかつゴム板40A、40Bの屋内側は、バックアップ材41を挿入した後にシーリング材42を打設することで、閉塞されている。
太陽電池モジュール1の枠部材30の縦枠と窓2のサッシ枠10の縦枠との隙間、および、隣り合う太陽電池モジュール1の枠部材30の縦枠同士の隙間は、ゴム板を挿入することなく、バックアップ材41を挿入した後にシーリング材42を打設することで、閉塞されている。
ゴム板40A、40Bの屋外側の辺縁には、換気孔としての切り欠き部43が形成されており、この切り欠き部43により、空気層32とサッシ枠10の内部とが連通している。空気層32内の空気は、図4(a)中矢印で示すように、ゴム板40Aの切り欠き部43およびサッシ枠10の内部を通って、サッシ枠10下面の屋外側から建物外部に流出あるいは流入する。
ゴム板40Aの屋内側の辺縁には、切り欠き部44が形成されている。枠部材30表面に溜まった結露水は、図4(b)中矢印で示すように、枠部材30の排水孔36、ゴム板40Aの切り欠き部44およびサッシ枠10の内部を通って、サッシ枠10下面の屋外側から建物外部に排水される。
また、枠部材30の屋内側には、断熱材37が設けられている(図2参照)。
ステップS1では、図6(a)に示すように、板ガラス11に当接してゴム部材45を設置し、さらに、サッシ枠10の下枠の上にゴム板40Aを設置する。
ステップS2では、図6(b)に示すように、ゴム板40Aの上に太陽電池モジュール1を配置する。具体的には、太陽電池モジュール1の枠部材30の屋外側の面をゴム部材45に当接させつつ、この枠部材30をゴム板40Aの上に載せる。
ステップS3では、図6(b)に示すように、残りのゴム板40Bを、太陽電池モジュール1の枠部材30と窓2のサッシ枠10の上枠との隙間に挿入する。このようにしても、ゴム板40Bと枠部材30との間に隙間ができる場合には、この隙間にさらに金属製のライナーを打ち込んで閉塞する。
ステップS4では、太陽電池モジュール1の枠部材30をサッシ枠10にテックスビス51で固定する。
ステップS5では、太陽電池モジュール1の枠部材30と窓2のサッシ枠10との隙間にバックアップ材41を挿入してシーリング材42を打設する。
(1)既存建物の外壁面に設けられた窓2の屋内側に太陽電池モジュール1を配置したので、太陽電池パネル31に風圧が直接作用することはなく、太陽電池パネル31が損傷するのを防止できる。また、太陽電池モジュール1が窓2で覆われるので、太陽電池パネル31のガラスを厚くする必要がなく、太陽電池パネルを低コストで製造できるうえに、太陽電池パネルを軽量化できる。
また、工場にて太陽電池パネル31と枠部材30とが一体化された太陽電池モジュール1を製作し、この太陽電池モジュール1を現場に搬入して取り付けるので、施工品質にばらつきが少なく、施工精度を確保できる。
また、既存の板ガラス11やサッシ枠10の取り外しを行うことなく、屋内側から太陽電池モジュール1を取り付けできるため、施工時に建物外壁面を傷つけないから、建物外壁から漏水するリスクを低減できる。
例えば、冬季の降雨時に、屋外が気温5.0℃、相対湿度100%で、室内が温度22℃、相対湿度50%であって、空気層に室内空気が流入した場合、空気層内の空気の露点湿度が11.1℃となるのに対し、ガラスの空気層側表面温度は7.4℃となるから、ガラスの空気層側表面で結露が発生する。しかし、本発明によれば、空気層が外気と連通しているので、空気層の空気の絶対湿度が外気とほぼ同等になるから、空気層内の空気の露点温度が5.0℃となる。すると、ガラスの空気層側表面温度が7.4℃、太陽電池パネルの空気層側表面温度が6.6℃であるので、結露が発生しない。
例えば、夏季の晴天日には、最高気温35℃、全天日射量900W/m2の場合、南向き窓の空気層内の気温は50℃を超える。しかし、本発明によれば、空気層と建物外部との間で換気が行われるので、南向き窓の空気層内の空気温度を35℃~40℃程度にできる。
例えば、上述の実施形態では、屋内側から太陽電池モジュール1を窓2に屋内側から取り付けたが、これに限らず、屋外側から取り付けてもよい。この場合、屋外に設置した足場を利用して板ガラス11を取り外し、この状態で、太陽電池モジュール1を取り付けて、板ガラス11を再度取り付ける。このようにしても、上述の(1)、(3)~(6)と同様の効果がある。
20…溝 21…ガスケット 22…セッティングブロック
23…バックアップ材 24…シーリング材
30…枠部材 31…太陽電池パネル 32…空気層 33…基部
34…第1支持部 35…第2支持部 36…排水孔 37…断熱材
40A、40B…ゴム板(弾性部材) 41…バックアップ材
42…シーリング材 43…切り欠き部(換気孔) 44…切り欠き部
45…ゴム部材
50…ワッシャ 51…テックスビス
Claims (1)
- 枠部材および当該枠部材に取り付けられた太陽電池パネルを備える太陽電池モジュールを既存建物に取り付ける太陽電池モジュールの取付け方法であって、
既存建物の外壁面には、サッシ枠と、当該サッシ枠に取り付けられた板ガラスと、を備える建具が取り付けられ、
前記サッシ枠の下枠の上に弾性部材を設置する工程と、
当該弾性部材の上に前記太陽電池モジュールを配置する工程と、
当該太陽電池モジュールの枠部材と前記サッシ枠の上枠との隙間に、弾性部材を挿入する工程と、
当該太陽電池モジュールの枠部材を前記サッシ枠にビスで固定する工程と、
前記枠部材と前記サッシ枠との隙間をシーリング材で閉塞する工程と、を備えることを特徴とする太陽電池モジュールの取付け方法。
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