以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の電子機器(表示制御装置)の一例としてのデジタルカメラ100(デジタルビデオカメラ)の外観図である。図1(a)はデジタルカメラ100を一方の側面から見た図であり、図1(b)はデジタルカメラ100を他方の側面から見た図である。デジタルカメラ100は、前面側に、バリア101と、撮影レンズ102とを有する。また、デジタルカメラ100は、背面側に、表示部28としてのビューファインダを有する。また、デジタルカメラ100は、本体部の側方に、操作デバイスとしてのシーソー型のズームキー104(グリップズームキー)を備える。アサインボタン1(1001),2(1002),3(1003),4(1004)は、ユーザーが各ボタンに複数の機能のうちいずれかを割り当てることのできるカスタマイズキーである。
図1(c)は、ズームキー104を拡大した図である。ズームキー104は、ユーザーによる押し込み動作によって操作される。デジタルカメラ100は、ズームキー104が基準位置から押し込まれたときの押し込み量(操作量、押下量)に応じたズーム速度(機能)が割り当てられている。ズームキー104は、第1操作部分105aと第2操作部分105bとを有する。第1操作部分105aはユーザーが望遠側(テレ側)にズームする指示操作を行うときに操作する部分である。第2操作部分105bはユーザーが広角側(ワイド側)にズームする指示操作を行うときに操作する部分である。ユーザーが第1操作部分105aを押し込むことにより押し込み量に割り当てられたズーム速度でズームインされる。一方、ユーザーが第2操作部分105bを押し込むことにより押し込み量に割り当てられたズーム速度でズームアウトされる。なお、ズームキー104は、ユーザーが第1操作部分105aまたは第2操作部分105bの押し込みを解除することで基準位置(初期位置)に戻るように構成される。
図2は、デジタルカメラ100の構成の一例を示すブロック図である。
撮影レンズ102は、ズームレンズ、フォーカスレンズを含むレンズ群である。ズームレンズは、焦点距離を変化させることによってズーム倍率を変化させる。ズームレンズは、ズーム制御部201によって制御される。フォーカスレンズはピント合わせを行うレンズである。フォーカスレンズは、測距制御部202によって制御される。
撮像部203は、光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像センサーである。A/D変換器204は、撮像部203から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。バリア101は、デジタルカメラ100の撮影レンズ102を含む撮像系を覆うことにより撮像系の汚れや破損を防止する。
画像処理部205は、A/D変換器204からの画像データまたはメモリ制御部206からの画像データに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部205は、撮像された画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。更に、画像処理部205は、撮像された画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
A/D変換器204からの画像データは、画像処理部205およびメモリ制御部206を介して、または、メモリ制御部206を介してメモリ207に直接書き込まれる。メモリ207は、撮像部203によって得られA/D変換器204によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ207は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備える。また、メモリ207は記録媒体200から読み出した画像データやOSD(On Screen Display)データを表示部28に表示するときの画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。
D/A変換器209は、メモリ207に格納されている画像表示用の画像データをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。したがって、メモリ207に書き込まれた表示用の画像データは、D/A変換器209を介して表示部28により表示される。表示部28は、LCD等の表示器上にD/A変換器209からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器204によって一度A/D変換されメモリ207に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器209においてアナログ変換し、表示部28に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダとして機能し、ライブビュー画像が表示される。本実施形態の表示部28は、液晶ディスプレイであるが、有機EL(Organic Electroluminescence)ディスプレイ等の他の方式のディスプレイであってもよい。また、本実施形態の表示部28は、電子ビューファインダであるが、小型(例えば3.5インチ)の液晶モニタであってもよく、HDMI(登録商標)やSDI等の外部出力であってもよい。更に、表示部28は、これらの表示出力系を複数備えていてもよい。
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能な記録媒体としてのメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。このプログラムは、本実施形態の後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムである。
システム制御部50はデジタルカメラ100全体を制御する少なくとも1つのプロセッサー又は/及び少なくとも1つの回路である。システム制御部50が不揮発性メモリ56に記憶されたプログラムを実行することで、本実施形態の後述する各処理を実現する。また、システム制御部50は、メモリ207、D/A変換器209、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。
システムメモリ52は、例えばRAMが用いられる。システムメモリ52は、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等が記憶される。システムタイマー212は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
操作部70は、システム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。操作部70は、メニューボタン、キャンセルボタン、十字キー(上方向キー、下方向キー、左方向キー、右方向キー)、SETボタン、AF/MF切替ボタンを有する。また、メニュー設定で機能を割り当て可能なアサインボタン1(1001),2(1002),3(1003),4(1004)を含む。例えば、メニューボタンが押下されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。ユーザーは表示部28に表示されたメニュー画面と、十字キーやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
モード切替スイッチ214は、システム制御部50の動作モードを動画記録モード、再生モード等の何れかのモードに切替える。
電源スイッチ215は、電源オン、電源オフを切替えるための押しボタンである。
ズームキー104は、操作部70に含まれ、シーソー型の操作部材であって、押し込まれることで操作される。システム制御部50はズームキー104の第1操作部分105aまたは第2操作部分105bの押し込み量を検知し、押し込み量に割り当てられたズーム速度になるように、ズーム制御部201を制御して撮影レンズ102の位置を変化させる。本実施形態のズームキー104は押し込み量が大きいほど電圧変化量が大きくなる。したがって、システム制御部50はズームキー104が出力する電圧を検知することで押し込み量を検知する。
電源制御部216は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部216は、検出結果およびシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部に供給する。
電源部217は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。記録媒体I/F218は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は撮像された画像の画像ファイルを記録するための記録媒体であり、メモリーカードなどの半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
ズーム速度は動画の映像表現手法として重要なファクターである。例えば、速いズーム速度でズームインすると、遠くの被写体を素早く拡大することができ、動画の視聴者にはスピード感を感じさせることができるが、一方で、落ち着きのない乱雑なカメラワークであるという印象を与える可能性がある。ごく低速のズーム速度でズームインすると、ただ話しているだけの動きの少ない被写体(役者など)を撮影している場合でも、視聴者に退屈な印象を与えることを低減することができるとともに、ズームインの中央にいる被写体により注目させることができる。しかし、遠くの被写体を短い時間内に十分な大きさまで拡大することはできない。また、一定のズーム速度でズームを行ったり、最初はゆっくりズームし、続いて速い速度でズームするといったズーム操作が求められることもある。このように、どのようなズーム速度が好適かは、ズームを行う状況や映像作成者の意図によって異なる。従って、撮影者の意図通りのズーム速度を操作性良く使い分けられることが求められる。
本実施形態のデジタルカメラ100においては、ズームキー104に対する操作によって行われるズームにおいて、様々なズーム速度を操作性良く使い分けて使用することができる。デジタルカメラ100では、ズームキー104に対する操作に応じたズームの種別として少なくとも、固定速ズーム、可変速ズーム、ユーザー設定の3つのうち何れかを選択して設定することができる。各種別の内容については後述する。また、少なくとも3種類の、ズームキー104の押下レベル毎のズーム速度のプリセットパターンを用いることができる。更に、プリセットパターンをベースにして、押下レベル毎のズーム速度をユーザーが変更してカスタマイズしたパターンを登録して使用することができる。すなわち、プリセットパターンが割り当てられた状態から、複数の押下レベルのそれぞれ割り当てられたズーム速度をユーザー操作に基づいて調整可能である。以下、ズームキー104に対する操作に応じたズーム制御を中心に説明する。
本実施形態では、システム制御部50はズームキー104が押下されたときに検知した電圧を変換することで、押下量(押し込み量)を示す-127~+127の範囲の数値を取得する。ズームキー104が押下されていない場合には数値0が取得される。第1操作部分105aが押下された場合(ズームキー104の支点を中心に時計回り方向に押下された場合)には1~127の数値が取得され、テレ側(望遠側)へのズーム操作が行われていることを示す。第2操作部分105bが押下された場合(ズームキー104の支点を中心に反時計回り方向に押下された場合)には-1~-127の数値が取得され、ワイド側(至近側)へのズーム操作が行われていることを示す。それぞれ、絶対値が大きい方が強く押下された(より深く押し込まれた)ことを示しており、正負の符号はズーム方向を示す。デジタルカメラ100では、1~127、-1~-127で取得される数値をそれぞれ5段階のレベルに区切り(分類し)、それぞれのレベルに対してズーム速度を割り当てて管理される。すなわち、操作量の5段階の段階別にズーム速度を割り当てて管理される。本実施形態で操作量を5段階に区切った例を説明するが、2段階以上または3段階以上の他の段数でもよい。本実施形態の5段階では例えば、システム制御部50は、1~25のいずれかの数値を取得した場合に、テレ側への押下レベル1とし、押下レベル1に対応付けられたズーム速度でテレ側にズームを行うように制御する。また、26~50のいずれかの数値を取得した場合に、テレ側への押下レベル2とし、押下レベル2に対応付けられたズーム速度でテレ側にズームを行うように制御する。同様に、51~75、76~100、101~127がそれぞれ押下レベル3、4、5となる。すなわち、押下レベル1~4の各レベルの数値範囲は25、最大の押下レベルである押下レベル5だけ数値範囲は27である。押下レベル1~4では、押圧力を上げれば更に高い押下レベルにすることができるが、押下レベル5より上は無い。すなわち、押下レベル5を除いて、押下量を25上げる毎に押下レベルが1つ上がるという比例関係となっている。また、-25~-1のいずれかの数値を取得した場合に、ワイド側への押下レベル1(あるいは、押下レベル-1)とし、ワイド側への押下レベル1に対応付けられたズーム速度でワイド側にズームを行うように制御する。また、-50~-26のいずれかの数値を取得した場合に、ワイド側への押下レベル2(あるいは、押下レベル-2)とし、ワイド側への押下レベル2に対応付けられたズーム速度でワイド側にズームを行うように制御する。本実施形態では、押下レベルの絶対値が同じであれば(例えば押下レベル1と-1)、テレ側でもワイド側でもズーム速度の絶対値は同じものとするが、それぞれ異なる絶対値のズーム速度を割り当てられるようにしてもよい。電圧、数値および押下レベルとの対応は、予め不揮発性メモリ56に関連付けて記憶されている。また、ユーザーがカスタマイズすることもできる。なお、片側5段階の押下量と押下レベルの関係は上述の数値範囲に限るものではなく、各レベルの数値範囲幅が均等であってもよく、段階によって重み付けされていてもよい。段階によって重み付けする場合とは、例えば、押下レベル1と押下レベル5に対応する数値の範囲を、他の押下レベルよりも広くすることである。このような数値範囲をすれば、最小の押下レベル(最低速度のズーム速度)と、最大の押下レベル(最高速度のズーム速度)を利用しやすくすることができる。なお、押下レベルは片側5段階の例を説明したが、これに限るものでなく、より多段階や、少ない段階に分けてもよい。
本実施形態のデジタルカメラ100では、ズームキー104の上述の押下レベル毎に、0~16の17段階のズーム速度(ズーム機能の制御値、設定値である)のいずれかが割り当てられる。なお、各押下レベルに割り当てられるズーム速度は17段階以外であってもよく、数値とは異なる「遅い、普通、速い」等の表現であってもよい。例えば、押下レベル1にズーム速度3が割り当たっている場合、ユーザーがズームキー104を押下レベル1(押下量1~25のいずれか)で押し込んでいる状態では、ズーム位置がテレ端(望遠端)に達していなければズーム速度3でテレ側にズームされる。
なお、本実施形態のデジタルカメラは、後述するズーム速度のユーザー設定(ユーザーカスタマイズ)の他に、全体のズーム速度をハイ、ミドル、ローのいずれかに設定可能である。すなわち、各押下レベルに設定した「0~16」のズーム速度が、ハイ、ミドル、ローの設定に応じて変更される。
図3に、デジタルカメラ100における撮影モード処理のフローチャートを示す。なお、図3を含む後述する各フローチャートの処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを、システムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することにより実現する。デジタルカメラ100が撮影モードで起動されると図3の処理を開始する。
S301では、システム制御部50は、撮像部203でのLV画像の撮像を開始し、LV画像を含む撮影待機画面を表示する。
S302では、システム制御部50は、ズーム速度設定簡易表示処理を行う。ズーム速度設定簡易表示処理については、図9を用いて後述する。この処理によって、ズーム速度の種別がユーザー設定(ユーザーカスタマイズ)に設定されていた場合には、ユーザーによってカスタマイズされたズームキー104の押下レベル毎のズーム速度の相対関係を示すズーム速度バーがLV画像に重畳して表示される。
S303では、システム制御部50は、操作部70に含まれるメニューボタンが押下されたか否か(メニュー表示指示があったか否か)を判定する。メニューボタンが押下された場合はS311に進み、そうでない場合にはS304に進む。
S304では、システム制御部50は、ズームキー104が押下されたか否かを判定する。ズームキー104が押下された場合はS305に進み、そうでない場合にはS306に進む。S305では、ズームキーの押下量に従ったズーム速度でのズーム処理を行う。ズーム処理については図7を用いて後述する。
S306では、システム制御部50は、操作部70に含まれるRECボタン(撮影指示キー)が押下されたか否かを判定する。RECボタンが押下された場合はS307に進み、そうだない場合はS310に進む。S307では、システム制御部50は、動画の記録中であるか否かを判定する。動画の記録中であった場合にはS309に進み、そうでない場合(記録停止中、記録待機中)にはS308に進む。S308では、撮像部203で撮像された動画を動画ファイルとして記録媒体200に記録する記録処理(本撮影処理、REC)を開始する。S309では、システム制御部50は、記録中の動画を停止し、記録されていた動画ファイルのクローズ処理を行う。これによって記録待機中となる。すなわち、システム制御部50は、動画記録の待機中(停止中、STBY)にRECボタンが押下されるとRECを開始し、REC中にRECボタンが押下されると動画の記録を停止する。
S310では、システム制御部50は、撮影モード処理の終了イベントが発生したか否かを判定する。終了イベントには、電源スイッチ215の押下による電源オフ、電源電圧低下による電源オフ、再生モードへの移行、などが含まれる。終了イベントが発生すると撮影モード処理を終了し、そうでない場合にはS303に戻って処理を繰り返す。
S311では、システム制御部50は、表示部28に、メニュー画面を表示する。メニュー画面は、それぞれデジタルカメラ100に関する各種設定を行うための複数のメニュー項目を含むメニューを表示する画面である。メニュー画面は、スクロール、あるいはタブ切り替えにより、1画面に収まらない複数のメニュー項目のうち一部のメニュー項目を表示させることができる。
図4(a)に、メニュー画面の表示例を示す。図4(a)は、カメラ設定に関するメニューのうち、ズーム速度の種別を設定するメニュー項目403と、ズーム速度カスタマイズのユーザー設定番号を選択するためのメニュー項目404を含む部分を表示した表示例である。メニュー画面は、LV画像400に記録可能時間401a、記録状態401b、記録可能時間401cが重畳して表示された撮影待機画面に重畳して表示される。メニュー項目403(「グリップズームスピード」)は、ズームキー104が操作された場合にどのようなズーム速度の割当パターンに基づいてズーム駆動するかを設定する項目である。選択肢として、「ユーザー」(ユーザー設定、ユーザーカスタマイズ)、可変速ズーム、固定速ズームがあり、いずれかに設定可能である。「ユーザー」(ユーザー設定、ユーザーカスタマイズ)は、ズームキー104の押下量(押し込み量、押し込み具合、圧力、押圧量)毎にユーザーが設定したズーム速度、あるいはプリセットされたズーム速度でズーム駆動する種別である。ユーザーは、押下量毎に異なるズーム速度となるように設定することも可能であるし、押下量に関わらず同じズーム速度でズーム駆動するように設定することも可能である。可変速ズームは、ズームキー104の押し込み量に対して予め割り当てられた、押し込み量毎に異なるズーム速度でズーム駆動する種別である。固定速ズームは、ズームキー104の押し込み量に関わらず、ズームキー104が押下されている場合に一定のズーム速度でズーム駆動する種別である。すなわち、固定速ズームは、ズームキー104の押し込み量に対して、どの押し込み量にも予め同じズーム速度が割り当てられた、どの押し込み量でも同じズーム速度でズーム駆動する種別である。メニュー項目404(「ユーザー設定」)は、ズーム速度の種別が「ユーザー」である場合に、複数の設定パターン(ユーザーが設定したパターン、またはプリセットされたパターン)のうちいずれのパターンとするかを設定する項目である。本実施形態では、ユーザー1、ユーザー2、ユーザー3の3つの選択肢(ユーザー設定番号1~3)のうち何れかに設定できるものとする。すなわち、本実施形態では、ユーザーは、ズームキーの押下量毎のズーム速度のパターンを3つ登録することができる。メニュー項目404は、メニュー項目403で「ユーザー」に設定されている場合に選択可能となる。その他の場合(可変速ズームまたは固定速ズームに設定されている場合)にはグレーアウトして選択不可能になっているものとする。
S312では、システム制御部50は、ズーム速度の種別の変更指示があったか否かを判定する。前述のとおり、ズーム速度の種別は、メニュー項目403を選択することで行うことができる。具体的には、メニュー項目403に選択カーソルをあてた状態で操作部70に含まれる右キーまたは左キ―(以下、総称して左右キーと称する)を押下することによって変更することができる。ズーム速度の種別の変更指示があった場合にはS313に進み、そうでない場合にはS314に進む。S313では、システム制御部50は、ズーム速度の種別変更指示に基づいて、「ユーザー」(ユーザー設定、ユーザーカスタマイズ)、可変速ズーム、固定速ズームのいずれかに設定する。
S314では、システム制御部50は、現在のズーム速度の種別がユーザー設定(「ユーザー」)に設定されているか否かを判定する。ユーザー設定に設定されている場合にはS315に進み、そうでない場合にはS316へ進む。S315では、システム制御部50は、「ユーザー設定」の項目(メニュー項目404)が選択された状態(選択カーソルが当たっている状態)で操作部70に含まれるセットボタンが押下されたか否かを判定する。ユーザー設定の項目が選択された状態でセットボタンが押下された場合はS319に進み、そうでない場合にはS316へ進む。
S316では、システム制御部50は、その他の操作が行われたか否かを判定する。その他の操作とは、メニュー項目を選択するための選択カーソルの移動操作(操作部70に含まれる上下キー操作)、その他のメニュー項目を選択した状態での設定操作が含まれる。S317では、システム制御部50は、その他の操作に応じた処理を行う。例えば、下キーの1回の操作に応じて選択カーソルを1つ下のメニュー項目を選択するように移動させる。
S318では、システム制御部50は、メニュー画面を終了する指示(メニュークリア操作)があったか否かを判定する。メニュー画面を終了する指示があった場合にはメニュー画面を非表示とし、S301に戻って撮影滝画面を表示する。メニュー画面を終了する指示が無い場合にはS312に戻って処理を繰り返す。
S319では、システム制御部50は、不揮発性メモリ56から、現在メニュー項目404で設定されているユーザー設定番号におけるズームキー104の押下量毎(押下レベル毎)のズーム速度の設定値(登録されている設定パターン)を読み出す。
S320では、システム制御部50は、ズーム速度設定詳細表示処理を行う。ズーム速度設定詳細表示処理については図5を用いて後述する。
S321では、システム制御部50は、表示部28に、ユーザー設定確認画面を表示する。図4(c1)、図4(d1)、図4(e1)に、ユーザー設定確認画面の表示例を示す。図4(c1)、図4(d1)、図4(e1)は、それぞれ、「ユーザー設定1」、「ユーザー設定2」、「ユーザー設定3」に登録されているズームキー104の押下レベル毎のズーム速度の設定パターンの確認画面の表示例である。図4(c1)、図4(d1)、図4(e1)において、ユーザー設定番号405は、現在表示している設定パターンの識別番号であるユーザー設定番号である。OKボタン406は、現在表示している設定パターンに設定を変更し、確認画面を終了させるための選択肢である表示アイテムである。編集ボタン407は、現在表示している設定パターンを編集する画面(押下レベル毎のズーム速度の設定を変更する画面)へ遷移するための選択肢である表示アイテムである。ユーザーは、ユーザー設定番号405、OKボタン406、編集ボタン407のいずれかを選択カーソルを移動させて選択することが可能である。また、背景に、LV画像400、記録可能時間401a、記録状態401b、記録可能時間401cが表示される。また、現在のズーム位置を示すズームバー408を、ズームキー104の操作開始に応じて表示し、操作終了後所定時間経過するまで表示する。ズームバー408のうち左端がワイド端、右端がテレ端に対応し、縦長の指標の位置によって、現在のズーム位置を示している。ズームキー104への操作によって光学ズームが行われると、指標の位置がズーム位置に応じて移動する。
図4(c1)、図4(d1)、図4(e1)において、ズーム速度バー表示領域410には、ズームキー104を各押下レベルで押下した場合のズーム速度の設定値を、それぞれのバー状の矩形の高さで示した表示要素であるズーム速度バーが表示される。「ズーム速度バー」のそれぞれは表示要素(表示アイテム)の1つであり、以下、「ズーム速度バー」を単に「速度バー」と称することもある。なお、ズーム速度バー表示領域410を示す図中の点線は便宜上図示したものであって、表示部28に表示されるものでは無い。また、以後、ズームキー104をワイド側に押下レベル1~5で押下した場合を、それぞれ押下レベル1~-5とも称する。押下レベル1~-5は、ズームキー104をテレ側に押下した場合の押下レベル1~5とそれぞれ同じ押下量(圧力、押下度合い、操作度合い)の絶対値に対応する。そして、ズーム駆動の指示方向がテレ側と逆のワイド側(押下位置が第1操作部分105aではなく第2操作部分105b)となる。
図4(c1)、図4(d1)、図4(e1)において、ズーム速度数値表示領域430には、ズームキー104を各押下レベルで押下した場合のズーム速度の設定値を数値(0~16の17段階)で表示する。ズーム速度数値表示領域430に表示される各数値は、ズーム速度バー表示領域410に表示された各ズーム速度バーと対応づけて、各ズーム速度バーの下に表示される。なお、ズーム速度数値表示領域430を示す図中の点線は便宜上図示したものであって、表示部28に表示されるものでは無い。
このようなユーザー設定確認画面によって、ユーザーは、ズームキー104をどの程度押下すると、どの程度のズーム速度でズームが行われるのかを確認することができる。ズーム速度バー表示領域410、ズーム速度数値表示領域430内の各表示要素の詳細については、図6を用いて後述する。
デジタルカメラ100は工場出荷時にプリセットパターンを3つ、ユーザー設定番号1~3に対応づけて不揮発性メモリ56に記憶している。プリセットパターンは、各ユーザー設定番号の設定パターンを編集する前に各ユーザー設定番号を設定するか、各ユーザー設定番号の編集においてリセットの操作を行うことで呼び出すことができる。従って編集(カスタマイズ)の操作を一度も行っていない場合、あるいは各ユーザー設定番号についてリセットされた場合には、ユーザー設定確認画面には、ユーザー設定番号毎に予め記憶されたプリセットパターンが表示される。編集された場合、対象のユーザー設定番号に登録される設定パターンは変更されプリセットパターンではなくなるが、不揮発性メモリ56におけるプリセットパターンの記憶は保持されており、リセットすることで再度プリセットパターンを登録することができる。
S322では、システム制御部50は、ユーザー設定番号の切替指示があったか否かを判定する。ユーザー設定番号の切替指示は、ユーザー設定番号405を選択カーソルで選択した状態で左右キーを押下する操作によって行える。ユーザー設定番号の切替操作があった場合はS323に進み、そうでない場合にはS324に進む。S323では、システム制御部50は、S322で行われた切替操作に応じてユーザー設定番号を切り替える。例えばユーザー設定1が設定されていた場合に左キーによる切替操作が行われた場合にはユーザー設定3に切り替え、右キーによる切替操作が行われた場合にはユーザー設定2に切り替える。ユーザー設定番号を切り替えると、S319に進んで、切替後のユーザー設定番号に登録された設定パターンを読み出し、読み出した設定パターンに基づいてS320、S321の処理を行い、ユーザー設定確認画面を更新する。
S324では、システム制御部50は、設定パターンの編集指示があったか否かを判定する。編集指示は、編集ボタン407を選択カーソルで選択した状態で操作部70に含まれるセットボタンを押下する操作によって行える。編集指示があった場合はS325に進み、そうでない場合にはS326に進む。S325では、システム制御部50は、現在表示されている設定パターンをベースにユーザー設定編集処理(カスタマイズ処理)を行う。ユーザー設定編集処理については図8を用いて後述する。
S326では、システム制御部50は、ズームキー104が押下されたか否かを判定する。ズームキー104が押下された場合はS327に進み、そうでない場合にはS328に進む。S327では、ズームキー104の押下量に従ったズーム速度でのズーム処理を行う。ズーム処理については図7を用いて後述する。
S328では、OKボタン406の指示操作(選択カーソルで選択した状態で操作部70に含まれるセットボタンを押下する操作)があったか否かを判定する。OKボタン406の指示操作があった場合にはS329に進み、そうでない場合にはS322に戻って処理を繰り返す。S329では、システム制御部50は、ユーザー設定確認画面で最後に表示されていたユーザー設定番号を現在の設定として確定し、不揮発性メモリ56に記録する。続いて、ユーザー設定確認画面を非表示としてメニュー画面へ戻る(S311へ進む)。また、図3では省略したが、ユーザー設定確認画面において、システム制御部50は、操作部70に含まれる上キーまたは下キーへの操作に応じて、ユーザー設定番号405、OKボタン406、編集ボタン407のいずれかに選択カーソルを移動させる。また、静止画の撮影ができてもよい。
図4(c1)、図4(d1)、図4(e1)に示す、各プリセットパターンについて詳述する。
図4(c1)に示すプリセットパターン(プリセットパターン1)は、押下レベル1~5に対してそれぞれ「1」、「5」、「9」、「13」、「16」のズーム速度を割り当てるパターンである。押下レベルー1~-5は、押下レベル1~5と同じズーム速度で逆向きにズームするパターンである。押下レベルの最低値(押下レベル1)に対して、ズーム駆動可能な最低速度(1)が割り当てられており、押下レベルの最大値(押下レベル5)に対してズーム駆動可能な最高速度(16)が割り当てられている。その他の押下レベルについては、押下レベルの増加量とズーム速度の増加量が略比例関係となるように設定されている(隣接するレベル間の速度差は4または3となっており、なるべく同じ数値としている)。このようなプリセットパターン1によれば、ズームキー104を軽く押下すれば遅い速度でズームされ、強く押下すれば速い速度でズームされ、中程度の力で押下すれば中程度の速度でズームされる。ズーム速度の変化量は押下する力に略比例するため、ユーザーはズーム速度と押下力の関係が理解しやすい。従って、低速から高速までのズーム速度を場面に応じて頻繁に切り替えて利用したいユーザーにとって使いやすいプリセットパターンである。
図4(d1)に示すプリセットパターン(プリセットパターン2)は、押下レベル1~5に対してそれぞれ「3」、「3」、「3」、「3」、「16」のズーム速度を割り当てるパターンである。押下レベルー1~-5は、押下レベル1~5と同じズーム速度で逆向きにズームするパターンである。押下レベル1~4では比較的低速(3)の同じズーム速度が割り当てられており、押下レベルの最大値(押下レベル5)ではズーム駆動可能な最高速度(16)が割り当てられている。このようなプリセットパターン2によれば、ズームキー104を押し込みきるまで押下すれば最高速でズームされ、ズームキーを押し込みきることのない押下レベル4以下の強さで押下すれば、比較的低速の一定の速度でズームされる。最後まで押し込みきらずに押下することで、容易に比較的低速の一定の速度でのズームが行えるため、ズーム速度が頻繁に変化してしまい、映像が見難くなってしまうことを防止することができる。また、急いでズームしたい場合だけ、ズームキー104を最後まで押し込むことで高速のズームも行えるため、基本的には一定速度のズームを行いたいが、状況に応じて素早くズームすることも必要である場合に好適なプリセットパターンである。例えば、動画の撮影中(記録中)には記録される動画の品位を保つために一定速のズームを行い、動画の記録停止中(撮影待機中)に素早くズームして次の撮影に備える、といった使用方法に適している。なお、比較的低速な速度の例として3を説明したが、設定可能な最大値(16)の半分(8)以下であれば他の値でもよい。
図4(e1)に示すプリセットパターン(プリセットパターン3)は、押下レベル1~5に対してそれぞれ「3」、「7」、「7」、「7」、「16」のズーム速度を割り当てるパターンである。押下レベル-1~-5は、押下レベル1~5と同じズーム速度で逆向きにズームするパターンである。最小段階の押下レベル1では、比較的低速のズーム速度(3)が割り当てられている。押下レベル2~4には、中速の同じズーム速度(7)が割り当てられている。押下レベルの最大段階(押下レベル5)には、ズーム駆動可能な最高速度(16)が割り当てられている。このようなプリセットパターン3によれば、ズームキー104を押し込みきるまで押下すれば最高速でズームされ、ズームキーをごく軽く押下すれば比較的低速でズームされる。それらの中間の押下レベルの広い範囲のいずれかで押下している場合は、ズーム速度は変わらないため、一定速のズームも行いやすい。このようなプリセットパターン3は、基本的にはプリセットパターン2と同じような場面で用いると好適であるが、低速(3)と、それよりやや速いズーム速度(7)の使い分けぐらいは行いたい場合に特に好適である。低速よりもやや速いズーム速度は、割当可能な最高速度のズーム速度16の半分以下であり、動画の記録中に低速とそれよりやや速い速度とを使い分けたとしても動画が見難くならない程度のズーム速度となっている。なお、プリセットパターン3として「3、7、7、7、16」を例に挙げたが、「1、5、5、5、16」や「0、7、7、7、16」でもよいものとする。「1、7、7、7、16」の場合は、押下量が最小の時にはゼロではない最低速(最小値の速度)で動作し、「0、7、7、7、16」の場合は、押下量が最小の時には動作しない。「0、7、7、7、16」のような設定を用意することで、最初の押し込み(押しこみ量1~25)を不感帯として扱うことができ、軽くズームキー104に触れただけで不用意にズームが行われてしまうことを防止することができる。
なお、ユーザー設定確認画面は、図4(c1)、図4(d1)、図4(e1)に図示した例に限らず、3つのユーザー設定を同一画面に表示した、図4(b)のような表示としてもよい。ユーザー1~3とそれぞれの設定状況を示すズーム速度バーを同一画面に表示し、左側の三角のカーソルを上下に移動することでいずれかのユーザー設定を選択する。そして、操作部70に含まれるセットボタンを押下することによって選択したユーザー設定の編集画面を表示する。
図5に、図3のS320のズーム速度設定詳細表示処理の詳細フローチャートを示す。この処理は、前述のズーム速度バー表示領域410とズーム速度数値表示領域430における各表示要素を表示する処理である。
S501では、システム制御部50は、不揮発性メモリ56に記憶された設定情報を参照し、ズーム速度の種別がユーザー設定(「ユーザー」)に設定されているか否かを判定する。ズーム速度の種別がユーザー設定である場合にはS502に進み、そうでない場合には処理を終了する。すなわち、前述のズーム速度バー表示領域410とズーム速度数値表示領域430は、ズーム速度の種別がユーザー設定に設定されていない場合は表示しない。
S502では、各押下レベルのカウンタとして用いる変数iを1に初期化する。
S503では、システム制御部50は、押下レベルiに割り当てられている速度V(i)が0であるか否かを判定する。V(i)が0である場合にはS504に進み、そうでない場合にはS506に進む。
S504では、システム制御部50は、ズーム速度数値表示領域430のうち、押下レベルi、押下レベル-iに対応する位置に、速度数値0を表示する。
S505では、システム制御部50は、ズーム速度バー表示領域410のうち、押下レベルi、押下レベル-iに対応する位置に、高さをH0としたバー状の矩形(速度バー)を表示する。H0とは、例えば7ピクセルである。
S506では、システム制御部50は、ズーム速度数値表示領域430のうち、押下レベルi、押下レベル-iに対応する位置に、V(i)の数値を表示する。
S507では、システム制御部50は、ズーム速度バー表示領域410のうち、押下レベルi、押下レベル-iに対応する位置に、高さを、V(i)*H2としたバー状の矩形を表示する。H2は前述のH0よりも大きいものとし、例えば20ピクセルである。例えば、押下レベルiに割り当てられたズーム速度V(i)が3である場合には、3*20=60ピクセルの高さのバー状の矩形が表示される。
S508では、システム制御部50は、変数iが押下レベルの最大値である5に達したか否かを判定する。5に達していない場合にはS509で変数iを1インクリメントしてS503からの処理を繰り返す。変数iが5に達した場合は、全ての押下レベルの速度数値と速度バーを表示したため、処理を終了する。こうして、図4(c1)、図4(d1)、図4(e1)に示したようなズーム速度バー表示領域410の各速度バーとズーム速度数値表示領域430の各速度数値が表示される。
図6(a)~図6(e)を用いて、ズームキー104の押下に応じた、ズームキー104の押下量を示す指標の表示と速度バーの表示の遷移を説明する。図6(a)~図6(e)の各図は、図4で説明したズーム速度バー表示領域410と、ズーム速度数値表示領域430の部分だけを抜き出して図示したものであり、LV画像などの図示は省略している。アイコン416は、右側の速度バー411~415、数値領域431~435がテレ側への操作に対応するものであることを示すガイド表示である。アイコン426は左側の速度バー421~425、数値領域441~445がワイド側への操作に対応するものであることを示すガイド表示である。速度バー411~415はそれぞれ、テレ側への押下レベル1~5に対応している。速度バー421~425はそれぞれ、ワイド側への押下である押下レベル-1~-5に対応している。数値領域431~435はそれぞれ、テレ側への押下レベル1~5に対応している。数値領域441~445はそれぞれ、ワイド側への押下である押下レベル-1~-5に対応している。指標420は、左右方向の位置によって、その時点でのズームキー104の押下量を、押下レベルよりも細かい単位で示している。
図6(a)と図6(b)は、押下レベル1~5に、それぞれズーム速度2,4,6,12,16を割り当てた例である。このような割当状況で、テレ側へ押下レベル2となる押下量でズームキー104を押下した場合(第1操作部分105aを押下した場合)、図6(a)のように表示される。図6(a)において、指標420が押下レベル2に対応する速度バー412の内部に表示されており、かつ、速度バー412のなかでも中央より左側に表示されている。これによって、現在の押下量は押下レベル2であり、かつ、押下量は押下レベル2の中でも弱めである(押下レベル2での中央値より弱い)ことがわかる。これによって押下量をこれ以上弱めると押下レベル1に変化してズーム速度が遅くなり、逆に押下量を多少強めても押下レベル3まではまだ余裕があるためズーム速度を保持しやすいことがわかる。また、押下レベル2に対応する速度バー412の表示形態が他の速度バーと異なり強調して表示されているため、現在は速度バー412に対応するズーム速度で制御されていることをユーザーが認識可能である。例えば、速度バー412は強調表示としてオレンジ色で表示され、他の速度バーは通常表示として白色で表示される。
ズームキー104を、ワイド側へ押下レベル-5となる押下量で押下した場合(第2操作部分105bを押下した場合)は、図6(b)のように表示される。指標420が押下レベル-5に対応する速度バー425の内部に表示されており、かつ、速度バー425のなかでも中央より右側に表示されている。これによって、現在の押下量は押下レベル-5であり、かつ、押下量は押下レベル-5の中でも弱めである(押下レベル-5での中央値より弱い)ことがわかる。これによって押下量をこれ以上弱めると押下レベル4に変化してズーム速度が遅くなることがわかる。また、押下レベル-5に対応する速度バー425の表示形態が他の速度バーと異なり強調して表示されているため、現在は速度バー425に対応するズーム速度で制御されていることをユーザーが認識できる。
図6(c)は、押下レベル1~5に、それぞれズーム速度2,6,6,12,16を割り当てた例である。すなわち、押下レベル2と押下レベル3には同じズーム速度が割り当てられている。このような割当状況で、テレ側へ押下レベル2となる押下量でズームキー104を押下した場合、図6(c)のように表示される。図6(c)において、指標420が押下レベル2に対応する速度バー412の内部に表示されており、かつ、速度バー412のなかでも中央より右側に表示されている。これによって、現在の押下量は押下レベル2であり、かつ、押下量は押下レベル2の中でも強めである(押下レベル2での中央値より強い)ことがわかる。また、押下レベル2に対応する速度バー412の表示形態が他の速度バーと異なり強調して表示されている。さらに、押下レベル2と同じズーム速度が割り当てられている押下レベル3に対応する速度バー413の表示形態も速度バー412と同様の表示形態となり、他の速度バーと異なり強調して表示されている。このように、現在の押下量に対応する押下レベルだけでなく、同じズーム速度が割り当てられている他の押下レベルに対応する速度バーも強調表示する。このような表示によってユーザーは、現在の押下量に対応する押下レベルがどれであるか、及び、同じズーム速度が割り当てられた他の押下レベルを認識することができる。本実施形態のように、押下レベルの低い方から高い方に向かって(すなわち操作量の段階順に)ズーム速度が昇順で並ぶ場合には、同じ設定値(ズーム速度)となっている範囲(押下レベル2~3の範囲)を容易に確認可能となる。また、異なる設定値となる変化点(押下レベル1から2へ変化する点、及び、押下レベル3から4へ変化する点)を容易に識別可能となる。図6(c)のように現在の押下量に対応する押下レベルが複数であることが分かった場合には、現在のズーム速度を保った一定速度のズームを行う場合に、押下量が多少変動しても問題が無いことが認識できる。例えば図6(c)の状況であれば、次の押下レベルまで押下量を上げてもズーム速度が変わらないことが認識でき、ズーム速度を保持したい場合にさほど慎重に操作しなくても良いことが分かる。より詳しくは、ズーム速度を保持したい場合に、押下量を少し上げて次の押下レベルに達しても問題無いため、押下量を下げないようにだけ気を付けて押下量を保持すればよいことがわかり、ズーム速度を保持するような操作を行いやすい。逆に、ズーム速度を上げたいのであれば押下量を現在の押下レベルから2段階分上げなければならないことがわかる。図6(a)のように、現在の押下量に対応する押下レベルが1つであることが分かった場合には、現在のズーム速度を保った一定速度のズームを行うのであれば、押下量を慎重に現在のレベルに保つ必要があることが認識できる。
図6(d)は、押下レベル1~5に、それぞれズーム速度0,0,6,12,16を割り当てた例である。すなわち、押下レベル1と押下レベル2には同じズーム速度「0」が割り当てられている。このような割当状況で、テレ側へ押下レベル1となる押下量でズームキー104を押下した場合、図6(d)のように表示される。図6(d)において、指標420が押下レベル1に対応する速度バー411の内部に表示されている。これによって、現在の押下量は押下レベル1であることがわかり、ズーム駆動はされないがズームキー104を押下する操作はデジタルカメラ100に正しく受け付けられていることがわかる。ただし、押下レベル1に対応する速度バー411の表示形態は他の速度バーと同じ表示形態であり、強調表示はされない。さらに、押下レベル1と同じズーム速度が割り当てられている押下レベル2に対応する速度バー413の表示形態も強調表示されない。これは、割り当てられているズーム速度が0であり、ズームキー104が押下されているものの、ズーム駆動は行われないためである。仮にこの場合に速度バー411を強調表示すると、ユーザーは速度バー411の高さに対応する速度でズーム駆動が行われるはずであるが、行われていないため、デジタルカメラ100が故障などの異常状態であると誤認識してしまう可能性がある。しかし速度バーの強調表示をしないため、ズーム駆動が起こらないのは異常ではなく正常な応答であることを認識することができる。また、速度0の割り当たっている押下レベル1,2に対応する速度バーも、表示の高さを0としないことで、押下レベル1,2の対応位置が空白となってしまうことを防止し、押下レベル1,2の対応位置を明確に示すことができる。また、指標420の表示位置は押下量に応じて変わるため、押下したこと自体は装置によって正常に検知されていることをユーザーが認識することができる。
図6(e)は、図6(d)と同じ割当状況で、ズームキー104が押下されていない場合の表示例である。指標420がどの速度バーの内部でもない左右中央位置に表示されているため、現在はズームキー104の押下は検知されていない(押下量0である)ことがわかる。
図7に、前述した図3のS305、S327、後述する図8のS803で行われるズーム処理の詳細フローチャートを示す。この処理は、ズームキー104が押下された場合に、押下量に応じたズーム速度でズーム駆動するとともに、検知している押下量、対応する押下レベルを表示部28に表示する処理であり、ユーザー操作への応答処理である。この処理によって、図6(a)~図6(e)で説明した表示が実現される。なお、S305のタイミングでのズームキー104の押下によるズーム処理では、後述する速度バーと指標に関する表示は、後述するズーム速度バーの簡易表示に対して行われる。S327、後述する図8のS803のタイミングでのズームキー104の押下によるズーム処理では、後述する速度バーと指標に関する表示は、前述の詳細表示に対して行われ、前述の図6(a)~図6(e)で説明した表示形態となる。後述する図7の各ステップに対応する表示例は、詳細表示の際の対応例である。図7の処理は、動画の記録中であっても停止中(待機中)であっても行われる。
S701では、システム制御部50は、検知しているズームキー104の押下量に対応する左右位置に、その押下量に対応する速度バーと同じ高さで、現在の押下量(押下度合い)を示す指標(インジケーター)を表示する。これによって、前述の図6(a)~図6(d)で説明したように指標420が表示される。
S702では、システム制御部50は、検知しているズームキー104の押下量に対応する押下レベルNに割り当てられた設定速度V(N)が0であるか否かを判定する。V(N)が0である場合には、ズームキー104への押下を検知していたとしてもズーム駆動は行わず、また、速度バーの強調表示(識別表示)も行わずに、S711に進む。V(N)が0でない場合にはS703へ進む。
S703では、システム制御部50は、ズーム速度V(N)でズーム駆動を行うように、ズーム制御部201を制御する。ズームの方向は、検知された押下量に対応する押下レベルNが+であればテレ側(ズームイン)、-であればワイド側(ズームアウト)となる。なお、ズーム位置が既にテレ端(望遠端)に達していた場合にズームキー104のテレ側への操作を検知しても、ズーム駆動は行わない。また、ズームキー104のテレ側への操作に応じたズーム駆動途中でテレ端(望遠端)に達した場合にはそこでズームを停止する。また、ズーム位置が既にワイド端(広角端)に達していた場合にズームキー104のワイド側への操作を検知しても、ズーム駆動は行わない。また、ズームキー104のワイド側への操作に応じたズーム駆動途中でワイド端(広角端)に達した場合にはそこでズームを停止する。
S704では、システム制御部50は、各押下レベルのカウンタとして用いる変数iを-5に初期化する。
S705では、システム制御部50は、押下レベルi(操作量のi段階目)に割り当てられたズーム速度V(i)が、現在検知している押下レベルN(操作量のN段階目)に割り当てられたズーム速度V(N)と同じであるか否かを判定する。速度が同じか否かは、速度の符号も加味して判定する。すなわち、絶対値が同じだが、ズーム方向がそれぞれワイド側とテレ側となり異なる場合には、S705では同じズーム速度と判定しない。V(i)とV(N)同じであればS706に進み、そうでない場合にはS707に進む。
S706では、システム制御部50は、押下レベルiの速度バーを識別表示(強調表示)する。識別表示とは、例えば、識別表示しない速度バーを白で表示している場合に、異なる色であるオレンジで表示する処理である。また、色の変更に限るものではなく、太枠(太い枠線)で表示する、形状を変更する、矢印で示す等でも良い。識別表示は、押下レベルiが、現在検知している押下レベルNと同じ押下レベルであっても、異なる押下レベルであっても行われる。これによって、前述の図6(a)の速度バー412、図6(b)の速度バー425、図6(c)の速度バー412と413のような識別表示が行われる。
S707では、システム制御部50は、変数iが-1に達したか否かを判定する。i=-1になった場合(ワイド側の全押下レベルについて確認が終了した場合)には、S708に進んで変数iに1をセットし(すなわち0をスキップしてテレ側の押下レベルの確認に進む)、S705からの処理を繰り返す。S709では、システム制御部50は、変数iが5に達したか否かを判定する。変数iが5になっていない場合にはS710に進んで変数iを1つインクリメントし、S705からの処理繰り返す。変数iが5に達した場合(ワイド側に続いてテレ側の全押下レベルについても確認が終了した場合)にはS711に進む。
S711では、ズームキー104の押下が解除された(押下量が0になった)か否かを判定する。ズームキー104の押下が解除されていない場合にはS701に進んで所定の周期で処理を繰り返す。これは、ズームキー104の押下が継続している間は、ズームキー104の押下量が変わる可能性があるためである。すなわち、S701~S710の処理によるズーム駆動と表示は、ズームキー104への押下量の変動に追従して動的に変化する。ズームキー104の押下が解除されるとS712に進む。
S712では、システム制御部50は、ズーム駆動を停止する。なお、既にテレ端かワイド端に達してズーム駆動が停止していた場合には何もしない。
S713では、システム制御部50は、各表示状態をズームキー104の非押下状態に戻す。具体的には、指標の表示位置を、ワイド側の速度バーとテレ側の速度バーの中央の位置に表示し、ズームキー104が押下されていない状態であることを示すようにする。また、S706で行った速度バーの識別表示を解除する。これによって、前述の図6(e)のような表示が行われる。
図8に、前述した図3のS325で行われるユーザー設定編集処理の詳細フローチャートを示す。この処理は、押下レベル毎に割り当てられるズーム速度を、ユーザーの操作に基づいてカスタマイズする処理である。この処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開し、システム制御部50が実行することにより実現する。
S801では、編集画面(ユーザー設定編集画面)を表示部28に表示する。編集画面は、ユーザー設定編集処理に遷移する直前に表示していたユーザー設定確認画面で示されていた押下レベル毎のズーム速度の割当パターンをベースに表示される。すなわち、ユーザー設定確認画面として前述の図4(c1)が表示されていた場合には編集画面として図4(c2)が表示される。ユーザー設定確認画面として前述の図4(d1)が表示されていた場合には編集画面として図4(d2)が表示される。ユーザー設定確認画面として前述の図4(e1)が表示されていた場合には編集画面として図4(e2)が表示される。各編集画面においては、ワイド側に対応する速度バーとテレ側に対応する速度バーを含むズーム速度バー表示領域410が表示される。なお、ズーム速度バー表示領域410を示す点線枠は便宜上図示したものであり、表示されるものではない。各押下レベルに対応するズーム速度の数値領域はテレ側の分のみ(押下レベル1~5に対応する分)のみが表示される。ワイド側を表示しないのは、本実施形態ではテレ側を設定するとワイド側も対象関係となるように、符号が逆で絶対値が同じ速度レベル対して、自動的に同じ絶対値のズーム速度(符号、すなわちズーム方向は逆)が設定されるためである。数値領域451~455はそれぞれ、押下レベル1~5に対応する。リセットボタン450は、ユーザーのカスタマイズをクリアし、全押下レベルに割り当てるズーム速度を、上述のプリセット1~3のうちユーザー設定番号に対応するプリセットに戻す指示を受け付ける表示アイテムである。SETアイコン456は、ユーザー設定編集処理を確定して終了する指示を受け付ける表示アイテムである。また、他の表示例で説明したものと同じものには同じ符号をふっているため説明を省略する。
リセットボタン450、数値領域451~455、SETアイコン456のいずれか1つを左右キーの操作に応じてカーソルを移動することで選択することができる。図4(c2)、図4(d2)、図4(e2)はそれぞれ、数値領域451が選択された状態を示している。数値領域451~455のいずれかが選択された状態で操作部70に含まれる上下キーを押下することで、対応する押下レベルに割り当てるズーム速度を増減して変更することができる。
S802では、システム制御部50は、ズームキー104が押下されたか否かを判定する。ズームキー104が押下されたと判定するとS803に進み、図7で前述したズーム処理を行う。すなわち、編集画面であってもズームキー104が押下されると、図6、図7で説明したような押下量に応じたズーム駆動、検知している押下量を示す指標の表示、対応するズーム速度が割り当てられた押下レベルの速度バーの識別表示が行われる。この処理は、編集処理が確定される前であっても、その時点で数値領域451~455に表示されている数値のズーム速度で行われる。これによって、ユーザーは、編集途中のカスタマイズ状況でどのようなズーム処理が行われるのかを確認しながらズーム速度のカスタマイズを行うことができる。
S804では、システム制御部50は、操作部70に含まれる右左キーの押下(すなわち、カーソルの移動指示、選択項目の変更指示)があったか否かを判定する。右左キーの押下があった場合にはS805に進み、そうでない場合にはS806に進む。S805では、システム制御部50は、左右キー操作に応じてカーソルを移動し、リセットボタン450、数値領域451~455、SETアイコン456のいずれか1つを選択状態にする。
S806では、システム制御部50は、操作部70に含まれる上キーまたは下キーの押下(すなわち、割当速度の変更指示)があったか否かを判定する。上下キーの押下があった場合にはS807に進み、そうでない場合にはS808に進む。
S807では、上キーまたは下キーの操作に応じて、現在選択状態となっている(現在カーソルのある)数値領域の数値を増加または減少させる。本実施形態では、0~16のいずれかに設定できる。これによって、現在選択状態となっている数値領域に対応する押下レベルに割り当てられるズーム速度が変更される。なお、数値領域が選択状態となっていない場合(リセットボタン450またはSETアイコン456が選択されている場合)はこの処理は行われない。
なお、システム制御部50は、テレ側の各押下レベルに割り当てられるズーム速度を、1つ下の押下レベルの値以上、かつ、1つ上の押下レベルの値以下となるように制御する。例えば、押下レベル4に割り当てられるズーム速度は、押下レベル3に割り当てられているズーム速度未満とならないようにシステム制御部50が制御する。より具体的には、押下レベル3に割り当てられているズーム速度が7である状態において、押下レベル4に割り当てられるズーム速度を9から8に減少させる操作があったとする。この操作に応じて、押下レベル3に割り当てられたズーム速度を変更することなく、押下レベル4に割り当てられたズーム速度を8に変更する。また、押下レベル4のズーム速度を7から6(押下レベル3に割り当てられているズーム速度未満)に変更する操作に応じて、押下レベル4に割り当てられるズーム速度を6に変更する。なおかつ、押下レベル3に割り当てられているズーム速度も押下レベル4に割り当てられたズーム速度と同じ6に変更する。
押下レベル3のズーム速度を押下レベル4に合わせて変更するタイミングは、押下レベル4のズーム速度の増減操作に連動させてもよいが、押下レベル4のズーム速度が確定したと想定できるタイミングとするとより好適である。例えば、左右キーに応じてカーソルを押下レベル4から別の箇所に移動したタイミングで、次に記述する処理を行うとよい。押下レベル4に割り当てられたズーム速度が押下レベル3に割り当てられたズーム速度を下回っていたら、押下レベル3のズーム速度を押下レベル4に割り当てられたズーム速度と同じズーム速度に変更する。同時に、変更後の押下レベル3のズーム速度が押下レベル2のズーム速度を下回るのであれば、押下レベル2に割り当てられたズーム速度も押下レベル3、4のズーム速度と同じズーム速度に変更する。同様に、押下レベル1のズーム速度も押下レベル2のズーム速度を超えないように必要に応じて調整する。逆に、押下レベル4のズーム速度が押下レベル5に割り当てられたズーム速度を超えていたら、押下レベル5に割り当てられたズーム速度を、押下レベル4に割り当てられたズーム速度と同じズーム速度に変更する。
なお、上述ようにするのではなく、割り当てるズーム速度の調整中に、1つ下の押下レベルのズーム速度を下回らないよう、また、1つ上の押下レベルのズーム速度を上回らないように制限しても良い。例えば、押下レベル3に割り当てられているズーム速度が7である状態において、押下レベル4に割り当てられるズーム速度を減少させる操作(下キー押下)があった場合に押下レベル4のズーム速度を7未満には変更できないように制限する。
このようにすることで、高い押下レベルに割当れられたズーム速度は、低い押下レベルに割り当てられたズーム速度以上であるという関係が成り立つような設定とする。すなわち、ズームキー104を押下する力を強めた場合にズーム速度が低下するようなことがないようにする。
S808では、システム制御部50は、リセットボタン450が選択された状態で、操作部70に含まれるセットボタンが押下された(すなわちリセット指示があった)か否かを判定する。リセット指示があった場合はS809に進み、そうでない場合はS810に進む。
S809では、システム制御部50は、ユーザーにカスタマイズされた各押下レベルのズーム速度をすべてクリアし、現在編集中のユーザー設定番号に対応するプリセットパターンにリセットする。プリセットパターンは、不揮発性メモリ56に記憶されている。すなわち、ユーザー設定番号1の編集中であればプリセットパターン1に、ユーザー設定番号2の編集中であればプリセットパターン2に、ユーザー設定番号3の編集中であればプリセットパターン3に設定する。
S810では、システム制御部50は、SETアイコン456が選択された状態で、操作部70に含まれるセットボタンが押下された(すなわち確定指示があった)か否かを判定する。確定指示があった場合は処理を終了してユーザー設定確認画面に戻り、そうでない場合はS802に戻って処理を繰り返す。
図9に、図3のS302で前述したズーム速度設定簡易表示処理の詳細フローチャートを示す。この処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することにより実現する。撮影待機画面では被写体を確認しながら動画の撮影を行うため、ユーザー設定確認画面、ユーザー設定編集画面のように各速度バーをLV画像に重畳して大きく表示してしまうと、被写体視認の妨げとなってしまう。そのため、ズーム速度設定簡易表示処理では、少なくとも同一の設定状況において、図5を用いて説明したズーム速度設定詳細表示処理よりも、各速度バーの表示面積を小さくして表示する。また、全速度バーの総面積もズーム速度設定詳細表示処理よりも小さくなる。ただし、ユーザー設定確認画面、ユーザー設定編集画面で説明した速度バー群を単に縮小して表示するのでは、各速度バーが小さくて視認性が悪くなる。より具体的には、各速度バー間の高さの差が小さくなるため、速度バーの高さから速度差を判別しにくくなる。そこで本実施形態では、各押下レベルのうち、片側隣の押下レベルと割り当てられたズーム速度に差分があるものの数に基づいて、各速度バーの相対的な速度差を識別しやすくした簡易的な表示を行う。
S901では、システム制御部50は、ズーム速度の種別がユーザー設定(「ユーザー」)であるか否かを判定する。ユーザー設定である場合にはS902に進み、そうでない場合には処理を終了する。すなわち、本実施形態ではズーム速度の種別がユーザー設定でない場合には、そもそもズーム速度設定の簡易表示は行わない。ただし、ズーム速度の種別に関わらず表示するようにしてもよい。
S902では、システム制御部50は、不揮発性メモリ56から、現在設定されているユーザー設定番号に登録されたズームキー104の押下量毎(押下レベル毎)のズーム速度の設定値(各押下レベルに割り当てられたズーム速度の設定パターン)を読み出す。
S903では、システム制御部50は、各押下レベルのうち、片側隣の押下レベルに割り当てられたズーム速度と当該押下レベルに割り当てられたズーム速度とに差分があるものの数をカウントするカウンタとして用いる変数bを0に初期化する。また、各押下レベルのカウンタとして用いる変数iを1に初期化する。
S904では、システム制御部50は、押下レベルiに割り当てられている速度V(i)と、その隣の押下レベルである押下レベル(i+1)に割り当てられている速度V(i+1)とに差があるか否かを判定する。より詳しくは、速度V(i)-速度V(i+1)がゼロであるか否かを判定する。速度V(i)-速度V(i+1)がゼロでない場合(差がある場合)には、S905に進み、変数bに1を加算してS906に進む。この場合、押下レベルiには、押下レベルが上側の1つ隣の押下レベルと異なるズーム速度が設定されている。速度V(i)-速度V(i+1)がゼロである場合(差が無い場合)には、変数bを加算することなくS906に進む。この場合、押下レベルiには、押下レベルが上側の一つ隣の押下レベルと同じズーム速度が設定されている。
S906では、システム制御部50は、変数iが押下レベルの最大値より1つ小さい4(上側のひとつ隣の押下レベルが存在する押下レベルの最大値)に達したか否かを判定する。4に達していない場合にはS907で変数iを1インクリメントしてS904からの処理を繰り返す。S904~S907の処理を繰り返すことにより、bの値が定まり、各押下レベルに割り当てられたズーム速度の設定値の中で異なる設置値の数(片側隣の押下レベルに割り当てられたズーム速度と異なるズーム速度が割り当てられた押下レベルの数)がわかる。変数iが4に達した場合は、設定されたズーム速度について隣の押下レベルと差があるか、について全て確認が終了したため、S908に進む。
S908では、システム制御部50は、各押下レベルのカウンタとして用いる変数iを1に初期化する。
S909では、システム制御部50は、押下レベルiに割り当てられている速度V(i)がゼロであるか否かを判定する。ゼロである場合にはS910に進み、そうでない場合にはS911に進む。
S910では、システム制御部50は、押下レベルi、-iの速度バーとして、高さh0(例えば7ピクセル)のグレーのバー状の矩形を表示する。h0とは、前述のS505で説明したH0以下の数値であるものとする。このように、簡易表示においても、速度0の割り当たっている押下レベルに対応する速度バーを、表示の高さを0とせずにh0の高さで表示することで、速度0の割り当たっている押下レベルの対応位置を空白とせずに示すことができる。また、グレーで表示するため、無効な状態、すなわち、この押下レベルではズームが行われない(ズーム速度0が割り当たっている)ことをユーザーに認識させることができる。
S911では、システム制御部50は、変数iが1であるか否かを判定する。変数iが1である場合、すなわち押下レベル1についての処理である場合にはS912に進み、そうでない場合はS913に進む。
S912では、システム制御部50は、押下レベルi、-iの速度バー(ここでは、押下レベル1、-1の速度バー)として、高さh1(>h0、例えば14ピクセル)の白色(通常表示形態)のバー状の矩形を表示する。h1とは、前述のS910で説明したh0よりも大きい数値であり、前述のH2よりも小さい数値であるものとする。前述した通り、高い押下レベルに割当てられたズーム速度は、低い押下レベルに割り当てられたズーム速度以上である。すなわち、最も低い押下レベルである押下レベル1には、他の押下レベルの中で最も低いズーム速度が割り当てられている。また、S909でNoと判定されているため、割り当てられたズーム速度は0よりも大きい。ズーム速度設定簡易表示処理では、押下レベル1に割り当てられたズーム速度が0より大きければ、その大小に関わらず、押下レベル1の速度バーは固定値のh1の高さで表示する。そして、押下レベル1よりも大きい押下レベルの速度バーは、押下レベル1の速度バーとの相対的な大小関係がわかるように表示する。このようにすることで、各押下レベルに割り当てられたズーム速度が全体的に大きい場合でも、速度バーの表示面積(高さ)を小さく抑えることができ、背景のLVの視認性の妨げを低減することができる。
S913では、システム制御部50は、押下レベルi、-iの速度バー(押下レベル2以上、押下レベル-2未満の速度バー)として、押下レベル(i―1)の速度バー(押下レベルが1つ下の速度バー)の高さよりも(k*h2)だけ高い矩形を表示する。ここで、h2は所定値であり、例えば4ピクセルである。ここで、大小関係はh2<h1<H2を満たすものとする。kは、前述のS904~S907の処理でカウントした変数bと、現在処理対象となっている押下レベルと1つ下の押下レベルとに割り当てられたズーム速度の差である{V(i)-V(i-1)}に基づく段数である。図11に、変数bと{V(i)-V(i-1)}によって決まる段数の対応関係を示す表を図示する。図11に示す関係は予め不揮発性メモリ56に記録されており、システム制御部50は、変数b、{V(i)-V(i-1)}、不揮発性メモリ56に記録された図11のような関係を示す情報に基づいて、段数kを取得する。例えば、押下レベル1~5に割り当てられたズーム速度が全て異なる場合には、b=4となる。そして、S913でi=3であり、押下レベル3に割り当てられたズーム速度が9、押下レベル2に割り当てられたズーム速度が6である場合には、{V(i)-V(i-1)}={9-6}=3となる。従って、図11より、k=1が得られる。この場合、押下レベル3の速度バーの高さが、押下レベル2の速度バーの高さよりも、(k*h2)=h2の分だけ大きい高さと決定し、押下レベル3の速度バーを表示する。また、例えば押下レベル1~5に割り当てられたズーム速度がそれぞれ1,2,2,2、16である場合(図10(b2)に図示するケース)で、i=2である場合は、変数b=2、{V(i)-V(i-1)}=1となる。従って、図11より、k=1が得られる。この場合、押下レベル2の速度バーの高さが、押下レベル1の速度バーの高さ(この高さは、V(1)=1であるためh1、すなわち14ピクセル)よりも、(k*h2)=h2ピクセル大きい高さと決定する。すなわち、速度レベル2の速度バーの高さは、h1+h2=14+4=18ピクセルとなる。また、同じ割当状況でのi=3の処理では、変数b=2、{V(i)-V(i-1)}=0となる。従って、図11より、k=0が得られる。この場合、押下レベル2の速度バーよりも、(k*h2)=0ピクセル大きい高さと決定する。すなわち、速度レベル3の速度バーの高さは、速度レベル2の速度バーと同じ18ピクセルとなる。さらに、同じ割当状況でのi=5の処理では、変数b=2、{V(i)-V(i-1)}=14となる。従って、図11より、k=3が得られる。この場合、押下レベル2の速度バーの高さが、押下レベル4の速度バーの高さ(V(4)=V(2)であるため、押下レベル2の速度バーと同じ高さの18ピクセル)よりも、(k*h2)=12ピクセル大きい高さと決定する。すなわち、速度レベル5の速度バーの高さは、18+12=30ピクセルとなる。簡易表示であるため各押下レベルの速度バーの高さは、それぞれに割り当てられたズーム速度に一意に対応しているわけではないため、速度バーの高さだけから割り当てられた正確な速度を知ることはできない。しかしこのように表示された速度バーを見ることで、ユーザーは、速度レベル1と2のズーム速度の差(=1)よりも、速度レベル4と5のズーム速度の差(=14)の方がかなり大きいことが分かる。
S914では、システム制御部50は、変数iが5に達したか否かを判定する。変数iが5に達していない場合には、次の押下レベルの速度バーの表示処理を行うべく、S915に進み、変数iを1インクリメントしてS909へ進む。変数iが5に達した場合には全ての速度バーの表示処理が終了したため、S916に進む。
S916では、システム制御部50は、ズーム速度設定簡易表示処理で表示すべきその他の表示要素(例えば、後述するアイコン476、486)を表示し処理を終了する。なお、本実施形態のズーム速度設定簡易表示処理では、ズーム速度数値表示領域は表示しないものとする(各速度レベルに割り当てられたズーム速度の数値は表示しない)が、表示しても良い。
図10(a1)~(a3),図10(b1)~(b3)を用いて、3つの割当パターンについて、ズーム速度設定詳細表示処理(図5で前述した処理)と、ズーム速度設定簡易表示処理(図9で説明した処理)とでそれぞれ表示した場合の表示例を説明する。図10(a1)~(a3)は、ズーム速度設定詳細表示処理(図5で前述した処理)で表示した場合の表示例である。図10(b1)~(b3)は、ズーム速度設定簡易表示処理(図9で説明した処理)で表示した場合の表示例である。図10(a1)と図10(b1)は同じ設定パターン(押下レベル1~5に割り当てられたズーム速度がそれぞれ1,5,9,12,16)における表示例である。図10(a2)と図10(b2)は同じ設定パターン(押下レベル1~5に割り当てられたズーム速度がそれぞれ1,2,2,2,16)における表示例である。図10(a3)と図10(b3)は同じ設定パターン(押下レベル1~5に割り当てられたズーム速度がそれぞれ0,5,9,12,16)における表示例である。図4で前述した表示要素と同じ表示要素には同じ符号を付している。図10(b1)~(b3)の速度バー471~475はそれぞれ、テレ側への押下レベル1~5に対応する速度バーである。アイコン476は、右側の速度バー471~475がテレ側への操作に対応するものであることを示すガイド表示である。速度バー481~485はそれぞれ、ワイド側への押下である押下レベル-1~-5に対応する速度バーである。アイコン486は、左側の速度バー481~485がテレ側への操作に対応するものであることを示すガイド表示である。表示アイテム1010は、動画に記録される音声の録音レベルを示すオーディオレベルメーターであり、ズーム速度設定詳細表示処理が行われるユーザー設定確認画面、ユーザー設定編集画面では表示されない表示アイテムである。表示アイテム1010のように、撮影待機画面では、ズーム速度に関する表示要素以外の撮影に関する表示要素も表示する必要がある。それらの表示スペースも確保する必要があるため、撮影待機画面では、ズーム速度設定詳細表示処理が行われるユーザー設定確認画面、ユーザー設定編集画面に比べて、ズーム速度に関する情報である速度バーの表示に使える表示スペースは少ない。この意味でも、撮影待機画面ではズーム速度設定は簡易的な表示にする必要がある。
ズーム速度設定詳細表示処理では、図10(a1)~(a3)に示すように、5個(M個、M段階)の各押下レベルに割り当て可能なズーム速度である0~16のそれぞれに一意に対応する17段階(nより大きいL段階)の高さで各速度バーを表示する。これに対し、ズーム速度設定簡易表示処理では、図10(b1)~(b3)に示すように、5個(M個)の各押下レベルに割り当て可能なズーム速度である0~16のそれぞれに一意に対応しない、5段階(Lより小さいn段階)の高さで各速度バーを表示する。これは、速度バーの最大の高さを詳細表示の際よりも低く抑えるとともに、1段階の高さの違いを確実に認識できるように表示するためである。1段階の高さの違いを小さくし過ぎる(例えば1ピクセルとする)と、ユーザーが速度バーの高さの違いを認識できず、異なる押下レベルに割り当てられたズーム速度に差異があるのに、差異が無いと誤認してしまう可能性がある。このような誤認を抑止するために、1段階の高さの違いをある程度確保する(本実施形態では、前述のh2=4ピクセルを確保する)。従って、詳細表示の速度バーを単に縮小するのではなく、最大値の高さを低くするとともに、全体の段階数を17段階(N段階)から5段階(n段階)と少なくしている。
また、段階数を減らしてはいるが、ズーム速度の設定値0~3を1段階目、4~6を2段階目、7~9を3段階目、10~12を4段階目、13~16を5段階目の高さに対応付ける、というように単に数値を丸めた表現とはしていない。仮に、このように単に丸めた表示としてしまうと、押下レベル1にズーム速度1が、押下レベル2にズーム速度2が割り当てられている場合に、速度バーの高さが同じ高さとなってしまい、押下レベル1と2に速度差があることがわからなくなってしまう。このようなことを防ぐために、図9で前述したように、片側隣の押下レベルに割り当てられたズーム速度と差分のある押下レベルの数(前述の変数b)に応じて各速度バーの高さを決めている。すなわち、各速度バーの高さは、各々に対応する速度だけでは決定されず、他の速度バーに対応する速度も考慮して決定される。より詳しくは、各速度バーの高さは変数bに基づいて決まるが、図9で説明した通り、変数bはV(i)-V(i+1)がゼロで無かった数に基づいて決まる。すなわち変数bは、i=1~5について、V(i)-V(i+1)を考慮した数値である。言い換えれば、各速度バーの高さ(表す段階)は、複数の押下レベルのうち、当該速度バーに対応するズーム速度以外の複数の押下レベルのズーム速度に応じて異なる。例えば、押下レベル1、2、3、4、5に割り当てられたズーム速度がそれぞれ1、5、9、12、16の場合(図10(b1)の場合)の押下レベル3の速度バー高さは前述の22ピクセルとなる。一方、押下レベル1、2、3、4、5に割り当てられたズーム速度がそれぞれ1、2、9、9、9の場合は、b=2となり、押下レベル3に同じく「9」が割り当たっていても、押下レベル3の速度バーの高さは26ピクセルとなる。また、押下レベル1、2、3、4、5に割り当てられたズーム速度がそれぞれ1、1、9、9、9の場合は、b=1となり、押下レベル3に同じく「9」が割り当たっていても、押下レベル3の速度バーの高さは26ピクセルとなる。また、複数の速度バーのうち最大値、最小値だけに基づいて縮小幅を決めるといった手法でもなく、最大値以外かつ最小値以外の値も考慮して決まる。このようにすることで、例えば図10の(b2)のように、速度バー471と速度バー472の高さの違いをユーザーが認識でき、それぞれの押下レベルに割り当てられたズーム速度に差分があることを認識できるようにしている。このように、本実施形態のズーム速度設定簡易表示処理によれば、設定可能なズーム速度の設定値の段階数(17)よりも少ない段階数(5)で、各押下レベルに割り当てられたズーム速度の違いをより的確にユーザーに認識させることが可能となる。
なお、図10(b1)~(b3)のような簡易的な速度バーの表示を行っている場合に、ユーザーから詳細な速度バーの表示に切り替える指示操作があった場合に、図10(a1)~(a3)のような17段階の詳細な速度バーの表示に切り替えてもよい。
また、簡易的な速度バーの高さの決定要素として、昇順または降順における片側隣の押下レベルに割り当てられたズーム速度と差分のある押下レベルの数(前述の変数b)に応じて各速度バーの高さを決める例を説明したが、これに限るものではない。例えば、押下レベル1~5のうち、同一のズーム速度が割り当てられた群の数(変数c)に基づいて各速度バーの高さを決めても、上述と同様の効果を得られる。例えば、図10(a1)、図10(b1)の設定パターン(押下レベル1~5に割り当てられたズーム速度がそれぞれ1,5,9,12,16)は、同一のズーム速度が割り当てられた群の数はc=5である。図10(a2)と図10(b2)の設定パターン(押下レベル1~5に割り当てられたズーム速度がそれぞれ1,2,2,2,16)は、同一のズーム速度が割り当てられた群(1の群、2の群、16の群)の数はc=3である。5つの押下レベルにおける変数cの取りうる値は1~5である。前述の図11における変数bの0~5を、それぞれ変数cの1~5に置き換えたとしても、同じ表示結果が得られる。
図9、図10(b1)~(b3)で説明したような、複数の値(上述の例では押下レベル1~5の値)について、多段階の数値(17段階のズーム速度)を、少段階(5段階)で簡略化して表示する手法は、ズーム速度に関わらず適用可能である。例えば、本体メモリ/メモリーカードA/メモリーカードBなどの複数の記録媒体の残容量を表示する際や、複数の電池の電池残量を表示する際、複数の音声出力デバイスの出力音量を表示する際、複数チャンネルの出力音量を表示する際などに適用可能である。また、段階を表現する表示として、各距離バーの高さで表現する例を説明したが、高さで無くとも、数字、文字列、表示面積、高さ、幅、明るさ、色の少なくともいずれかによって対応する段階を表示するものとしてもよい。
以上説明した本実施形態によれば、複数段階の操作量(押下レベル)で操作可能な操作部材を用いて、より操作性良くズーム操作を行うことができる。
なお、上述の実施形態において、ズームキー104に対する操作について説明した処理は、ズームキー104に限らず、複数段階の操作量で操作可能な操作部材に対する操作にも適用可能である。例えば、複数段階の押下量を検知可能な押しボタン、感圧操作デバイス(感圧タッチパネルなど)、複数段階の回転量を検知可能な回転操作部材、複数段階の傾け角度を検知可能なジョイスティックなどにも適用可能である。
さらに、上述の実施形態では、設定値として各操作レベル(押下レベル)に登録する設定値(処理内容)としてズーム速度の例を説明したが、これに限るものではなく、他の設定項目の設定値に適用することも可能である。これは、カメラの機能に限るものではない。例えば、通知音や動画の音声などの音の出力レベル(音量)を操作部材の各操作レベル(押下レベル)に登録する場合などにも適用可能である。
なお、図6(a)~(e)を用いて説明した、ズームキー104の押下量に対応した押下レベルの表示は、図6(a)~(e)で説明したような押下レベル毎の速度バーを用いた表示でなくてもよい。例えば、図12に示すような、各押下レベルと、割り当てられたズーム速度とを文字列で表した表示において、ズームキー104の押下量に対応した押下レベルの表示を行っても良い。図12において、指標1201は、図6(a)~(e)で説明した指標420に対応するものであり、ズームキー104の押下量に応じた上下位置に表示位置が移動する。下線1202と下線1203が、図6(a)~(e)で説明した強調表示に対応する。このような表示でも、図6(c)で説明した例と同様に、ユーザーは、現在の押下量に対応する押下レベルがどれであるか、及び、同じズーム速度が割り当てられた他の押下レベルを認識することができる。図12の例では、現在の押下量に対応する押下レベルが押し込み量4(すなわち押下レベル4)、同じズーム速度が割り当てられた他の押下レベルとして押し込み量3(押下レベル3)があることがわかる。
図6(c)では、特定の操作部材(ズームキー104)に対する現在の押下量に対応する押下レベルと、同じズーム速度が割り当てられている他の速度レベルとを強調表示する例を説明した。しかし、同一の操作部材に対する操作量(押下レベル)毎の割当設定値(ズーム速度)の表示に限らず、適用可能である。例えば、複数の操作部材にそれぞれ異なる設定値や機能を割り当て可能である場合に、複数の操作部材に同一の設定値または機能が割り当てられていることをユーザーに示す際にも好適である。
図13に、アサインボタン1(1001)~アサインボタン4(1004)のそれぞれにユーザーが所望の機能を割り当てた設定状況を示す設定確認画面1351の表示部28における表示例を示す。アサインボタン1(1001)~アサインボタン4(1004)のそれぞれには、複数の機能のうちユーザーが選択した機能を割り当てることができ、各アサインボタンを押下すると、割り当てられた機能が実行される。図13において、数字1352~1355(1~4)は、アサインボタンの番号を示している。機能名1356~1359には、数字1352~1355に対応付けて、各アサインボタンに割り当てられた機能名が表示されている。図示の例では、アサインボタン1(1001)にWB変更(ホワイトバランスの変更)が、アサインボタン2(1002)にAF/MF切り換えが割り当てられている。また、アサインボタン3(1003)にメニューを開く機能が、アサインボタン4(1004)にWB変更が割り当てられている。アサインボタン1(1001)~4(1004)のいずれかが押下されると、数字1352~1355(1~4)のうち、押下されたアサインボタンの番号が強調表示(例えば太い黒文字で表示)され、その他のアサインボタンの番号はグレーアウトして表示される。これによって、ユーザーは、押下したアサインボタンが何であるかと、押下したアサインボタンに割り当てられた機能が何であるかを認識することができる。図示の例では、アサインボタン4(1004)が押下され、数字1355(4)が強調表示され、その他の数字がグレーアウトしている。また、押下されたアサインボタンに割り当てられた機能には下線が表示され、機能名が強調される。さらに、押下されたアサインボタンに割り当てられた機能と同じ機能が割り当てられた他のアサインボタンについても、機能名に下線が表示され、機能名が強調される。図示の例では、押下されたアサインボタン4に対応する機能名「WB変更」に下線1361が表示されるとともに、押下されたアサインボタンとは異なるアサインボタン1に対応する機能名「WB変更」にも下線1360が表示される。これによってユーザーは、「WB変更」という機能を実行したいのであれば、現在押下しているアサインボタン4ではなく、アサインボタン1を押下しても実行できることを認識することができる。従って、ユーザーが敢えて2つのアサインボタンに同じ機能を割り当てている場合には、正しく意図通りに設定出来ていることを認識ことができる。また、誤って2つのアサインボタンに同じ機能を割り当ててしまった場合にもそのことを認識でき、必要に応じて片方のアサインボタンに別の機能を割り当てるといった修正を行うことができる。同様に、十字キーやジョイスティックのように、複数の操作位置あるいは操作方向別に異なる機能を割り当て可能な操作部材にも適用かのうである。すなわち、このような操作部材が操作された場合に、操作された操作位置あるいは操作方向、あるいはそこに割り当てられた処理内容を識別表示するとともに、同じ処理内容が割り当てられた他の操作位置または操作方向を識別表示してもよい。総じて言えば、複数の操作方法別に処理内容を設定可能であり、いずれかの操作方法で操作された場合に、操作された操作方法またはその操作方法に割り当てられた処理内容を識別表示する。それとともに、操作された操作方法に割り当てられた処理内容と同じ処理内容を指示可能な他の操作方法またはその他の操作方法に割り当てられた処理内容を識別表示する。その差異、異なる処理内容が割り当てられた操作方法とは識別可能に表示する。
なお、システム制御部50が行うものとして説明した上述の各種制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェア(例えば、複数のプロセッサーや回路)が処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
また、上述した実施形態においては、本発明を撮像装置であるデジタルカメラ100に適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されなし。ユーザー操作に応じて操作部材に設定値や機能を割当可能な電子機器、あるいは、操作部材の操作量毎に異なるパラメータで制御することが可能な電子機器であれば適用可能である。すなわち、本発明はパーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ディスプレイを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダー、家電、車載装置などに適用可能である。
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。