[実施例1]
[全体構成]
本実施例に係る光電変換装置を説明する。光電変換装置は、例えば、撮像装置である。図1は、光電変換装置の構成を模式的に示す。光電変換装置は、複数の画素100、および、複数の画素100から信号を読み出すための読み出し回路110を備える。
画素100は、光電変換部と画素回路を含む。光電変換部は、入射光を信号電荷に変換する。光電変換部には、シリコン基板に形成されたフォトダイオード、半導体基板の上に積層された有機光電変換膜などが用いられる。画素回路は、光電変換部で生じた電荷に基づく信号を画素から出力するための回路である。本実施例の画素回路は、アナログデジタル変換回路(以下、ADC回路)を含む。典型的には、ADC回路は差動対を含む比較器を含む。つまり、本実施例の画素回路は、差動対を構成するトランジスタを含んでいる。
読み出し回路110は、画素100に接続された複数の制御線に制御信号(TX1~4、OFG1~4、RES1~4)を供給する走査回路である。画素100は制御信号に応じて動作し、画素100から光電変換部で生じた電荷に基づく信号が出力される。なお、読み出し回路110は、画素100から出力された信号を処理する信号処理回路であってもよい。
[画素構成]
図2は、画素100の構成を模式的に示すブロック図である。画素100の画素回路は、機能的に、複数の回路ブロックにより構成される。信号電荷処理回路10は、光電変換部で生じた信号電荷の蓄積、転送、排出を行う。差動対回路11は、差動対を構成するトランジスタ、および、差動対に電流を供給する電流源を含む。ランプ信号発生回路12は、ADC回路にランプ信号を供給する。カレントミラー回路13は差動対回路11に流れる電流を制御する。差動対回路11およびカレントミラー回路13は、ADC回路の比較器を構成する。さらに、画素100の画素回路は、正帰還回路14(Positive FeedBack回路)、レベルシフタ回路250、メモリ回路260を含む。正帰還回路14は、比較器の出力の反転を高速化する。換言すると、正帰還回路14は、比較器の出力が反転を開始したことに応じて、立ち上がり(または立ち下がり)のより速いパルスを生成する。レベルシフタ回路250は、正帰還回路14を介して比較器から出力されるラッチ信号の振幅を小さくする。メモリ回路260は、比較器の出力するラッチ信号に基づいて、デジタル信号を保持する。典型的には、差動対回路11、カレントミラー回路13、および、メモリ回路260が、ADC回路を構成する。なお、本実施例において、画素100の画素回路は、1つの半導体基板に形成される。
[画素回路]
各回路ブロックの詳細な構成を説明する。図3は、画素100の等価回路を示す図である。ただし、メモリ回路260の構成は別の図を用いて説明するため、メモリ回路260はブロックで示されている。また、ランプ信号発生回路12は、画素100ごと、あるいは、複数の画素100を含む行ごと、あるいは、全ての画素100に対して共通に設けられる。そのため、図3は、ランプ信号発生回路12を示していない。
信号電荷処理回路10は、電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、および、リセットトランジスタ150を含む。電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、および、リセットトランジスタ150は、それぞれ、Nチャネル型のMOSトランジスタである。回路図では、ゲートに白丸を付すことでPチャネル型のMOSトランジスタであることを示す。一方、ゲートに白丸をつけないことでNチャネル型のMOSトランジスタであることを示す。
電荷排出トランジスタ120は、光電変換部130に接続される。電荷排出トランジスタ120は、制御信号RESに応じて光電変換部130で生じた信号電荷を排出する。転送トランジスタ140は、光電変換部130および差動対回路11の入力ノードに接続される。転送トランジスタ140は、制御信号TXに応じて光電変換部130で生じた信号電荷を差動対回路11の入力ノードに転送する。リセットトランジスタ150は、差動対回路11の入力ノードに接続される。リセットトランジスタ150は、差動対回路11の入力ノードの電圧を初期値にリセットする。本実施例では、リセットトランジスタ150のドレインは、差動対回路11の入力トランジスタ160のドレインに接続されている。本実施例の変形例では、リセットトランジスタ150のドレインは、リセット電源を供給するノードに接続される。
差動対回路11は、入力トランジスタ160および参照トランジスタ170を含む。入力トランジスタ160および参照トランジスタ170は、いずれもNチャネル型のMOSトランジスタである。入力トランジスタ160のソース、および、参照トランジスタ170のソースは、共通に、電流源180に接続される。このような接続により、入力トランジスタ160および参照トランジスタ170は差動対を構成する。入力トランジスタ160は、光電変換部130で生じた信号電荷に基づく信号を受ける。つまり、入力トランジスタ160のゲートが、差動対回路11の入力ノードである。参照トランジスタ170のゲートには、不図示のランプ信号発生回路12がランプ信号を供給する。
カレントミラー回路13は、トランジスタ200およびトランジスタ210を含む。トランジスタ200およびトランジスタ210は、いずれもPチャネル型のMOSトランジスタである。トランジスタ200のゲートとトランジスタ210のゲートは互いに接続されている。トランジスタ200のドレインは参照トランジスタ170に、そして、トランジスタ210のドレインは入力トランジスタ160にそれぞれ接続される。また、トランジスタ200のゲートとドレインとが接続される。
図3に示す接続により、差動対回路11およびカレントミラー回路13は、比較器を構成する。入力トランジスタ160のゲートの電位と、参照トランジスタ170のゲートの電位との大小関係が反転すると、比較器の出力ノード(トランジスタ210のドレイン)の電位が変化する。入力トランジスタ160のゲートの電位が参照トランジスタ170のゲートの電位より高いときは、比較器の出力ノードの電位は低いレベルである。一方、入力トランジスタ160のゲートの電位が参照トランジスタ170のゲートの電位より低いときは、比較器の出力ノードの電位は高いレベルである。
ランプ信号発生回路12の供給するランプ信号は、高い電圧から低い電圧へ変化する。そのため、ある時点で比較器の出力ノードの電位は高いレベルから低いレベルへ変化する。入力トランジスタ160のゲートの電位の高さ、つまり、光電変換部130で生じた電荷に基づく信号のレベルに応じて、ランプ信号が変化を開始してから比較器の出力ノードの電位が変化するまでの時間が決まる。当該時間をカウントすることにより、光電変換部130で生じた電荷に基づく信号をデジタル信号に変換することができる。
リセットトランジスタ150がオン状態のときは、差動対回路11およびカレントミラー回路13はボルテージフォロア回路として機能する。そのため、入力トランジスタ160のゲートの電位を、ランプ信号の電位に応じた任意の値にリセットすることができる。
正帰還回路14は、4つのトランジスタ220、230、235、240を含む。トランジスタ220およびトランジスタ240は、それぞれ、Nチャネル型のMOSトランジスタである。トランジスタ230およびトランジスタ235は、それぞれ、Pチャネル型のMOSトランジスタである。
比較器の出力ノードが、トランジスタ220のドレイン、および、トランジスタ230のゲートに接続される。トランジスタ220のソースは接地される。トランジスタ230のソースは電源ノードに接続される。トランジスタ230のドレインは、トランジスタ235を介して、トランジスタ220のゲートに接続される。トランジスタ240のドレインが、トランジスタ220のゲート、および、トランジスタ235に接続される。トランジスタ235のゲート、および、トランジスタ240のゲートに、初期化信号INIが供給される。トランジスタ220のゲート、および、トランジスタ240のドレインに接続されたノードが、正帰還回路14の出力ノードである。
正帰還回路14の機能を説明する。正帰還回路14を動作させる前、すなわち、アナログデジタル変換(AD変換)を開始する前に、初期化信号INIがハイレベルからローレベルに遷移する。そのため、トランジスタ235はオン状態になり、一方、トランジスタ240はオフ状態になる。初期化信号INIがハイレベルの時には、トランジスタ240がオンであるため、正帰還回路14の出力ノードは低い電位(ほぼ接地電位)となっている。
AD変換の開始時には、ランプ信号の電位が入力トランジスタ160のゲートの電位(光電変換部130の電荷に基づく信号のレベル)より高い。そのため、比較器の出力ノード(トランジスタ210のドレイン)の電位は高いレベルである。そのため、トランジスタ230はオフ状態である。また、前述の通り、正帰還回路14の出力ノード(トランジスタ220のゲート)はほぼ接地電位であるため、トランジスタ220はオフ状態である。
比較器の出力ノードの電位が高いレベルから低いレベルへ変化すると、トランジスタ230のゲート・ソース間の電圧が大きくなる。これにより、トランジスタ230がオン状態になる。電源ノードからトランジスタ220のゲートまでが導通するため、トランジスタ220のゲートの電位が高くなる。トランジスタ220がオン状態になり、比較器の出力ノードからトランジスタ220を介して接地ノードまで電流が生じるため、比較器の出力ノードの電位の低下が加速される。比較器の出力ノードの電位の低下により、トランジスタ230のゲート・ソース間の電圧はさらに大きくなるため、ランジスタ220のゲートの電位の上昇が加速される。このように、正帰還回路14により比較器の出力ノードの電位の変化が正帰還される。結果として、入力トランジスタ160のゲートの電位と参照トランジスタ170のゲートの電位(ランプ信号)との大小関係が反転したときに、正帰還回路14の出力ノードの電位を高速に変化させることができる。
AD変換が終了した後、初期化信号INIがローレベルからハイレベルに遷移する。これにより、正帰還回路14の出力ノードの電位が接地電位にリセットされる。初期化信号INIがハイレベルである間、トランジスタ235はオフしている。そのため、正帰還回路14の電源ノードから接地ノードへ流れる貫通電流を低減することができる。トランジスタ235がない場合、トランジスタ230のゲートの電位に応じた貫通電流が生じうる。しかし、消費電力の制限が緩い場合は、トランジスタ235は省略してもよい。トランジスタ235が省略される場合、トランジスタ230のドレインが直にトランジスタ220のゲートに接続される。そのため正帰還回路14による高速化の効果が高くなる。
本実施例では、カレントミラー回路13のトランジスタ210が、電流制限トランジスタ190を介して、入力トランジスタ160に接続される。電流制限トランジスタ190は、Pチャネル型のMOSトランジスタである。電流制限トランジスタ190のゲートは、正帰還回路14の出力に接続されている。
電流制限トランジスタ190が設けられていない場合、比較器の出力信号が反転した後、カレントミラー回路13のトランジスタ210から正帰還回路14のトランジスタ220に大きい電流が流れたままの状態となる。
電流制限トランジスタ190をトランジスタ210と入力トランジスタ160との間に挿入することで、トランジスタ210から正帰還回路14のトランジスタ220に流れる電流を制限することができる。
なお、正帰還回路14は必要に応じて設けられるものであり、省略されてもよい。正帰還回路14が省略された場合、比較器の出力ノードがレベルシフタ回路250に接続される。また、正帰還回路14が省略された場合、電流制限トランジスタ190も省略してよい。
比較器の出力ノードの信号、ならびに、正帰還回路14の出力ノードの信号は、ラッチ信号として用いられる。ラッチ信号に基づいて、メモリ回路260はカウント値を保持する。ラッチ信号をメモリ回路260に伝達するため、レベルシフタ回路250が用いられる。レベルシフタ回路250は、Nチャネル型のトランジスタおよびPチャネル型のトランジスタによって構成されたインバータ回路である。レベルシフタ回路250に供給される電源電圧に応じて、レベルシフタ回路250の出力するラッチ信号の振幅が変化する。後段のデジタル回路を高速で動作させるため、本実施例では、レベルシフタ回路250がラッチ信号の振幅を小さくしている。つまり、レベルシフタ回路250に供給される電源電圧が、比較器(差動対回路11およびカレントミラー回路13)や正帰還回路14に供給される電源電圧より低い。
なお、レベルシフタ回路250は必要に応じて設けられるものであり、省略されてもよい。レベルシフタ回路250が省略された場合、正帰還回路14の出力ノードが、メモリ回路260に接続される。あるいは、レベルシフタ回路250が波形整形のためのインバータ回路の機能のみを担ってもよい。この場合、レベルシフタ回路250はラッチ信号の振幅を変更しない。
[画素回路(メモリ部)]
次に、メモリ回路260の構成を説明する。図4(a)は、メモリ回路260の構成をビットごとに示したブロック図である。また、図4(b)はラッチ回路およびメモリセルの等価回路図である。図4では、3ビットのメモリ回路260を示しているが、ビット数はこれに限られない。
メモリ回路260は、ラッチ回路151、カウンタ回路152、メモリセル153を含む。カウンタ回路152は3ビットのカウント信号を出力する。ビット数に応じて複数のラッチ回路151が設けられる。ラッチ回路151は、カウンタ回路152の各ビットの出力線に接続される。また、ビット数に応じて複数のメモリセル153が設けられる。メモリセル153は、ラッチ回路151の出力ノードに接続される。
ラッチ回路151は、ラッチ信号に応じて、カウンタ回路152から出力されているカウント信号を保持する。また、転送信号に応じて、ラッチ回路151が保持している信号が、メモリセル153に転送される。ラッチ回路151、および、メモリセル153は、それぞれ、図4(b)に示されるように、複数のPチャネル型のトランジスタおよび複数のNチャネル型のトランジスタにより構成される。
[画素回路(カウンタ回路)]
図5はカウンタ回路152の論理回路図である。図5では、3ビットのグレイコードを出力するカウンタ回路152の例を示している。図5が示す通り、カウンタ回路152は、ビット数に応じた数のフリップフロップを含む。また、カウンタ回路152は、複数のANDゲート、および、複数のORゲートを含む。詳細な等価回路の説明は省略するが、フリップフロップ、ANDゲート、ORゲートは、それぞれ、トランジスタを含んで構成される。このような構成により、カウンタ回路152は、クロック信号CLKに応じて、カウント信号を出力する。
[動作]
続いて、本実施例の光電変換装置の動作を説明する。図6は、光電変換装置の動作を説明するためのタイミングチャートを示す。図6は、制御信号OFG、制御信号RES、制御信号TX、ランプ信号RAMP、および、初期化信号INIを示している。符号の末尾の数字は、図1の行番号に対応している。
時刻t1から時刻t2の期間に、全行の光電変換部130の電荷の排出(リセット)を同時に行う。その後、光電変換部130は、入射光によって生じた信号電荷を蓄積する。続いて、時刻t9から時刻t10の期間に、全ての行において、入力トランジスタ160のゲート(比較器の入力ノード)の電位をリセットする。
時刻t11に、ランプ信号RAMPのレベルを上げて、比較器の出力ノード(トランジスタ210のドレイン)の電位を電源電圧に振り切らせる。これにより、トランジスタ230がオフ状態になる。
その後、時刻t12で初期化信号INIをローレベルにする。トランジスタ230がオンの状態で初期化信号INIをローレベルにすると、初期化信号INIがローレベルになった直後にトランジスタ220がオンする。そのため、ランジスタ230がオフの状態で初期化信号INIをローレベルにすることが好ましい。時刻t12には、ランプ信号RAMPの電位の変化、つまり、スロープ動作が開始される。
時刻t12から時刻t13の間のいずれかのタイミングで、比較器の出力ノードの電位、つまり、ラッチ信号が反転する。このときの動作は、図3で説明した通りである。ラッチ信号の反転に応じて、メモリ回路260はリセットレベル信号を保持する。リセットレベル信号は、画素100がリセットされた状態での比較器の入力ノードの電位に対応するデジタル信号である。
時刻t14から時刻t15に、光電変換部130から入力トランジスタ160のゲートへ、信号電荷が転送される。すなわち、入力トランジスタ160のゲートに、光電変換部で生じた信号電荷に基づく信号が入力される。この信号電荷の転送はすべての行で同時に行われる。時刻t2から時刻t15までが露光期間あるいは蓄積期間である。
時刻t16から時刻t17の期間で、光電変換部130で生じた信号電荷に基づく信号に対してAD変換が行われる。時刻t16から時刻t17の間のいずれかのタイミングで、比較器の出力ノードの電位、つまり、ラッチ信号が反転する。ラッチ信号の反転に応じて、メモリ回路260は光レベル信号を保持する。光レベル信号は、光電変換部130で生じた信号電荷に基づく信号に対応するデジタル信号である。
メモリ回路260に保持されたリセットレベル信号は、時刻t13から時刻t16の間に、後段の処理部(不図示)へ転送される。また、時刻t17以降に、光レベル信号が処理部へ転送される。その後、処理部は、リセットレベル信号と光レベル信号との差分処理を行い、差分信号を外部に出力する。メモリ回路260から処理部へのデジタル信号の転送は、行順次に行われても良いし、全画素で同時に行われてもよい。
以上に説明した動作では、すべての行の電荷排出トランジスタ120が互いに同期して動作し、そして、すべての行の転送トランジスタ140が互いに同期して動作する。そのため、すべての行で露光期間が一致する。いわゆる、グローバル電子シャッタ動作が行われる。
[トランジスタのサイズ1]
本実施例においては、画素100の画素回路が入力トランジスタ160を含む。入力トランジスタ160は、光電変換部130で生じた信号電荷に基づく信号を受け、かつ、参照トランジスタ170と差動対を構成している。画素100の画素回路は、さらに、入力トランジスタ160とは別のトランジスタを含んでいる。また、図1の読み出し回路110はトランジスタを含んで構成される。ここで、入力トランジスタ160のサイズは、画素100の画素回路、または、読み出し回路110に含まれる、いずれかのトランジスタのサイズと異なっている。以下、便宜的に、互いに異なるサイズの2つのトランジスタを、トランジスタA、および、トランジスタBと呼ぶ。
図7(a)は、トランジスタAおよびトランジスタBの断面構造を模式的に示す図である。図7(b)は、トランジスタAおよびトランジスタBの平面構造を模式的に示す図である。平面構造とは、半導体基板の表面に垂直な方向に沿って見たときの構造である。
半導体基板には、LOCOS、STI、DTIなどの分離部105が配される。分離部105が、トランジスタAおよびトランジスタBが配置される活性領域106を規定する。トランジスタAおよびトランジスタBのソース領域101およびドレイン領域102が、活性領域106に形成される。Nチャネル型の場合、ソース領域101およびドレイン領域102はそれぞれn型の半導体領域である。Pチャネル型の場合、ソース領域101およびドレイン領域102はそれぞれp型の半導体領域である。半導体基板の上に、ゲート絶縁膜104を介してゲート電極103が形成される。ゲート絶縁膜104は、シリコン酸化膜などの絶縁体で形成される。ゲート電極103はポリシリコンなどの導体で形成される。
トランジスタAおよびトランジスタBのサイズは、ゲート絶縁膜104の膜厚tox、チャネル長L、チャネル幅W、あるいは、チャネル幅Wとチャネル長Lとの比W/Lのいずれかである。図7(a)では、ゲート絶縁膜104の膜厚toxが矢印で示されている。図7(b)では、チャネル長Lおよびチャネル幅Wが矢印でそれぞれ示されている。チャネル長Lは、例えば、ゲート電極103の端から端までの距離で規定される。チャネル幅Wは、例えば、ゲート電極103に覆われた活性領域106の幅で規定される。換言すると、チャネル幅Wは分離部105の端によって規定される。
図7(a)および図7(b)は、トランジスタAとトランジスタBとの間で、チャネル長Lおよびチャネル幅Wがそれぞれ異なる例を示している。一方、トランジスタAのW/Lおよびゲート絶縁膜104の膜厚toxは、トランジスタBのそれらと同じである。図7(b)が示すように、トランジスタAのチャネル長Lおよびチャネル幅Wが、それぞれ、トランジスタBのチャネル長Lおよびチャネル長Wより大きい。つまり、トランジスタAのサイズが、トランジスタBのサイズより大きい。
[差動対]
サイズの異なる2つのトランジスタの組み合わせには、いくつかのバリエーションがある。ひとつの例では、参照トランジスタ170にトランジスタAが用いられ、入力トランジスタ160にトランジスタBが用いられる。すなわち、参照トランジスタ170のチャネル長Lおよびチャネル幅Wが、それぞれ、入力トランジスタ160のチャネル長Lおよびチャネル幅Wより大きい。この構成によりS/N比を向上させることが可能である。
光電変換部130で生じた電荷を受けるトランジスタが、長いチャネル長L、および、長いチャネル幅Wを有する場合、当該トランジスタのゲートの寄生容量が大きくなる。これにより、電荷電圧変換係数が小さくなり、結果として、信号レベルが低下する。そこで、入力トランジスタ160のゲート電極のサイズを小さくすることで、S/N比を向上させることができる。
一方、参照トランジスタ170のゲート電極には、電荷電圧変換係数の向上のためのサイズの制限は適用されない。一般に、ゲート電極のサイズを大きくすることで、1/fノイズや閾値電圧のばらつきを低下させることができる。そこで、参照トランジスタ170のサイズを大きくすることで、フリッカノイズなどの1/fノイズを低減することができる。また、閾値電圧のばらつきが小さいことで、比較器の入力ノード(入力トランジスタ160のゲート)の電位をリセットするとき、リセット電圧のばらつきを低減することができる。
このように、参照トランジスタ170のチャネル長Lおよびチャネル幅Wが、それぞれ、入力トランジスタ160のチャネル長Lおよびチャネル幅Wより大きい構成によれば、S/N比を向上させることが可能である。なお、参照トランジスタ170のチャネル長Lだけが、入力トランジスタ160のチャネル長Lより大きい場合にも、同様の効果が得られる。また、参照トランジスタ170のチャネル幅Wだけが、入力トランジスタ160のチャネル幅Wより大きい場合にも、同様の効果が得られる。特に断りがないかぎり、この点は以降に述べる例でも同様である。
また、参照トランジスタ170のチャネル長Lが、入力トランジスタ160のチャネル長Lより長いという構成により、熱雑音による電流ノイズを低下させることができる。
典型的に、MOSトランジスタの熱雑音による電流ノイズは、相互コンダクタンスgmの平方根(√gm)に比例する。差動対を構成する入力トランジスタ160および参照トランジスタ170で生じる電流ノイズを、比較器の入力ノード(入力トランジスタ160のゲート)における電圧ノイズVnに換算すると、電圧ノイズVnは式(1)で表される。
式(1)が示すように、入力トランジスタ160の相互コンダクタンスgm1が大きくなると、電圧ノイズVnは小さくなる。一方、参照トランジスタ170の相互コンダクタンスgm2が小さくなると、電圧ノイズVnは小さくなる。参照トランジスタ170で生じた電流ノイズは、差動対の相手である入力トランジスタ160の電流変化を生む。そのため、参照トランジスタ170の電流ノイズと、入力トランジスタ160のゲートの電圧ノイズVnとが、比例関係を有する。
ここで、相互コンダクタンスgmは以下の式(2)で表される。μはチャネル中の電荷の移動度を、εoxはゲート絶縁膜の誘電率を、Idはドレイン電流を、それぞれ表している。ゲート絶縁膜104の膜厚toxは、チャネル長L、および、チャネル幅Wは、図7に示されている。
入力トランジスタ160のチャネル長Lが短いため、入力トランジスタ160の相互コンダクタンスgm1を大きくすることができる。一方、参照トランジスタ170のチャネル長Lが長いため、参照トランジスタ170の相互コンダクタンスgm2を小さくすることができる。結果として、熱雑音によるノイズを低下させることができる。このとき、2つのトランジスタのチャネル幅Wは、どのような関係であってもよい。
変形例として、入力トランジスタ160のチャネル幅Wが、参照トランジスタ170のチャネル幅Wより大きいことにより、熱雑音による電流ノイズを低下させることができる。この効果については、上述の式(1)および式(2)で説明した通りである。
このとき、2つのトランジスタのチャネル長Lは、どのような関係であってもよい。電荷電圧変換係数の向上の観点からは、入力トランジスタ160のチャネル長Lは参照トランジスタ170のチャネル長Lより短く、一方、入力トランジスタ160のチャネル幅Wは参照トランジスタ170のチャネル幅Wより大きいことが好ましい。入力トランジスタ160のチャネル長Lが短いことにより、電荷電圧変換係数を大きくすることができる。結果として、チャネル長Lの関係により信号レベルを上げ、かつ、チャネル幅Wの関係によりノイズを低減することが可能になる。
入力トランジスタ160のサイズと参照トランジスタ170のサイズとが互いに異なる場合も、オフセットキャンセルは可能である。リセットトランジスタ150をオンして比較器の入力ノード(入力トランジスタ160のゲート)の電位をリセットする際、ランプ信号RAMPを所定のリセット電位Vrにする。その時の入力トランジスタ160のゲートの電位は、Vr-Vgs(170)+Vgs(160)で表される。このとき、Vgs(170)およびVgs(160)には、それぞれ、入力トランジスタ160の閾値電圧Vthおよび参照トランジスタ170の閾値電圧Vthが反映される。そのため、オフセットキャンセルを行うことが可能である。換言すると、画素100ごとに入力トランジスタ160および参照トランジスタ170の閾値電圧Vthが異なっていても、いずれの画素100においてもランプ信号VRMPのレベルがリセット電位Vrになった時に比較器の出力が反転する。
以上に説明した通り、入力トランジスタ160のサイズと、参照トランジスタ170のサイズとが異なることにより、電気的特性を向上させることが可能である。
[入力トランジスタとリセットトランジスタ]
他の例では、リセットトランジスタ150にトランジスタAが用いられ、入力トランジスタ160にトランジスタBが用いられる。すなわち、リセットトランジスタ150のチャネル長Lおよびチャネル幅Wが、それぞれ、入力トランジスタ160のチャネル長Lおよびチャネル幅Wより大きい。
前述の通り、入力トランジスタ160のゲートのサイズが小さいことにより、電荷電圧変換係数を大きくすることができる。また、リセットトランジスタ150のサイズが大きいことで、リセットトランジスタ150の閾値電圧Vthのばらつきを小さくすることができる。結果として、リセット時の電圧のばらつきを小さくすることができる。
[入力トランジスタとデジタル回路]
他の例では、入力トランジスタ160にトランジスタAが用いられ、メモリ回路260のトランジスタ(図4(b)および図5)にトランジスタBが用いられる。すなわち、入力トランジスタ160のチャネル長Lおよびチャネル幅Wが、それぞれ、メモリ回路260のトランジスタのチャネル長Lおよびチャネル幅Wより大きい。
差動対回路11などアナログ回路に使われるトランジスタは、大きい相互コンダクタンスgmを持つことが好ましい。そのため、入力トランジスタ160のサイズを大きくする。一方、メモリ回路260などのデジタル回路では、トランジスタのサイズを小さくすることで、高速に動作することが好ましい。つまり、入力トランジスタ160のサイズが、メモリ回路260のトランジスタのサイズより大きいことで、結果として、ノイズを低減しつつ、かつ、高速な動作を行うことが可能となる。
他の例では、入力トランジスタ160にトランジスタAが用いられ、読み出し回路110のトランジスタにトランジスタBが用いられる。すなわち、入力トランジスタ160のチャネル長Lおよびチャネル幅Wが、それぞれ、読み出し回路110のトランジスタのチャネル長Lおよびチャネル幅Wより大きい。
読み出し回路110は、典型的には、論理ゲートやフリップフロップなどのロジック回路により構成される。そのため、トランジスタのサイズを小さくすることで、高速に動作することが好ましい。先ほどの例と同様に、入力トランジスタ160のサイズが、メモリ回路260のトランジスタのサイズより大きいことで、結果として、ノイズを低減しつつ、かつ、高速な動作を行うことが可能となる。
[トランジスタのサイズ2]
次に、トランジスタA、および、トランジスタBが、互いに異なる膜厚toxのゲート絶縁膜104を有する例を説明する。図8(a)は、トランジスタAおよびトランジスタBの断面構造を模式的に示す図である。図8(b)は、トランジスタAおよびトランジスタBの平面構造を模式的に示す図である。図7と同じ部分には同じ符号を付している。
図8(a)が示すように、トランジスタAのゲート絶縁膜104の膜厚toxが、トランジスタBのゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きい。一方、図8(b)が示すように、トランジスタAのチャネル長Lおよびチャネル幅Wは、それぞれ、トランジスタBのチャネル長Lおよびチャネル幅Wと等しい。
異なる膜厚toxのゲート絶縁膜104を持つ2つのトランジスタの組み合わせには、いくつかのバリエーションがある。ひとつの例では、参照トランジスタ170にトランジスタAが用いられ、入力トランジスタ160にトランジスタBが用いられる。すなわち、参照トランジスタ170のゲート絶縁膜104の膜厚toxが、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きい。この構成により熱雑音によるノイズを低下させることが可能である。
前述の式(1)が表す通り、入力トランジスタ160の相互コンダクタンスgm1が大きくなると、電圧ノイズVnは小さくなる。一方、参照トランジスタ170の相互コンダクタンスgm2が小さくなると、電圧ノイズVnは小さくなる。そして、式(2)が表す通り、ゲート絶縁膜104の膜厚toxが小さいほど、相互コンダクタンスgmは大きくなる。
この例では、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxが小さいため、入力トランジスタ160の相互コンダクタンスgm1を大きくすることができる。一方、参照トランジスタ170のゲート絶縁膜104の膜厚toxが大きいため、参照トランジスタ170の相互コンダクタンスgm2を小さくすることができる。結果として、熱雑音によるノイズを低下させることができる。
なお、ノイズをさらに低下させるためには、入力トランジスタ160のチャネル長Lは参照トランジスタ170のチャネル長Lより短く、かつ、入力トランジスタ160のチャネル幅Wは参照トランジスタ170のチャネル幅Wより大きいことが好ましい。
他の例では、入力トランジスタ160にトランジスタAが用いられ、メモリ回路260のトランジスタ(図4(b)および図5)にトランジスタBが用いられる。すなわち、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxが、メモリ回路260のトランジスタのゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きい。
差動対回路11などアナログ回路に使われるトランジスタには、比較的高い電源電圧が供給される。そのため、高い耐圧が得られるように、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxを大きくすることが好ましい。一方、メモリ回路260などのデジタル回路は、アナログ回路に対して相対的に高速に動作することが多い。また、典型的には、アナログ回路の電源電圧より低い電源電圧が供給される。そのため、ゲート絶縁膜104の膜厚toxを小さくすることで、トランジスタが高速に動作することが好ましい。つまり、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxが、メモリ回路260のトランジスタのゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きいことで、結果として、信頼性を向上しつつ、かつ、高速な動作を行うことが可能となる。
他の例では、入力トランジスタ160にトランジスタAが用いられ、読み出し回路110のトランジスタにトランジスタBが用いられる。すなわち、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxが、読み出し回路110のトランジスタのゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きい。
読み出し回路110は、典型的には、論理ゲートやフリップフロップなどのロジック回路により構成される。そのため、トランジスタのサイズを小さくすることで、高速に動作することが好ましい。先ほどの例と同様に、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxが、メモリ回路260のトランジスタのゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きいことで、結果として、信頼性を向上しつつ、かつ、高速な動作を行うことが可能となる。
[トランジスタのサイズ3]
次に、さらに別の変形例を説明する。図9(a)は、トランジスタAおよびトランジスタBの断面構造を模式的に示す図である。図9(b)は、トランジスタAおよびトランジスタBの平面構造を模式的に示す図である。図7あるいは図8と同じ部分には同じ符号を付している。
図9(a)が示すように、トランジスタAのゲート絶縁膜104の膜厚toxが、トランジスタBのゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きい。そして、図9(b)が示すように、トランジスタAのチャネル長Lおよびチャネル幅Wが、それぞれ、トランジスタBのチャネル長Lおよびチャネル長Wより大きい。
図7および図8の例と同様に、入力トランジスタ160にトランジスタAおよびトランジスタBの一方を適用し、他のトランジスタにトランジスタAおよびトランジスタBの他方を適用することで、電気的特性の向上の効果を得ることができる。
例えば、参照トランジスタ170にトランジスタAが用いられ、入力トランジスタ160にトランジスタBが用いられる。すなわち、参照トランジスタ170のチャネル長Lおよびチャネル幅Wが、それぞれ、入力トランジスタ160のチャネル長Lおよびチャネル幅Wより大きい。さらに、参照トランジスタ170のゲート絶縁膜104の膜厚toxが、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きい。
このような構成により、まず、比較器の入力ノード(入力トランジスタ160のゲート)の電荷電圧変換係数を大きくすることができる。さらに、参照トランジスタ170において、1/fノイズを低減することができる。加えて、差動対で生じる熱雑音によるノイズを低減することができる。
なお、図9では、ゲート絶縁膜104の膜厚tox、チャネル長L、および、チャネル幅Wの各観点において、トランジスタAのサイズがトランジスタBのサイズより大きい。しかし、一部の観点において、サイズの関係が逆であってもよい。
相互コンダクタンスgmを最適化するためには、参照トランジスタ170のゲート絶縁膜104の膜厚toxが、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きいことが好ましい。また、参照トランジスタ170のチャネル長Lが、入力トランジスタ160のチャネル長Lより大きいことが好ましい。一方で、参照トランジスタ170のチャネル幅Wは、入力トランジスタ160のチャネル幅Wより小さいことが好ましい。
[まとめ]
以上に説明した通り、画素100は、入力トランジスタ160は、光電変換部130で生じた信号電荷に基づく信号を受け、かつ、参照トランジスタ170と差動対を構成する入力トランジスタ160を含む。そして、入力トランジスタ160のサイズは、画素回路の他のいずれかのトランジスタ、または、読み出し回路のトランジスタのサイズと異なっている。このような構成により、電気的特性を向上させることができる。
チャネル幅Wが大きいことにより、1/fノイズの低減、閾値電圧のばらつきの低減、入力トランジスタ160として用いられたときの熱雑音によるノイズの低減(相互コンダクタンスgmの増加)などの効果が得られる。
一方、チャネル幅Wが小さいことにより、高速動作、入力トランジスタ160として用いられたときの電荷電圧変換係数の向上、参照トランジスタ170として用いられたときのノイズの低減(相互コンダクタンスgmの低下)などの効果が得られる。
チャネル長Lが大きいことにより、1/fノイズの低減、閾値電圧のばらつきの低減、参照トランジスタ170として用いたときのノイズの低減(相互コンダクタンスgmの低下)などの効果が得られる。
一方、チャネル長Lが小さいことにより、高速動作、入力トランジスタ160として用いられたときの電荷電圧変換係数の向上、および、熱雑音によるノイズの低減(相互コンダクタンスgmの増加)などの効果が得られる。
ゲート絶縁膜104の膜厚toxが大きいことにより、耐圧の向上、参照トランジスタ170として用いたときのノイズの低減(相互コンダクタンスgmの低下)などの効果が得られる。
一方、ゲート絶縁膜104の膜厚toxが小さいことにより、高速動作、入力トランジスタ160として用いられたときの熱雑音によるノイズの低減(相互コンダクタンスgmの増加)などの効果が得られる。
これらの効果を得るために、上述した組み合わせの例の他にも、サイズの異なるトランジスタの組み合わせが選択されうる。
[実施例2]
本実施例に係る光電変換装置を説明する。本実施例の光電変換装置は、1つの画素100の回路が、2つの半導体基板に分かれて配置される。それ以外の構成は、実施例1と同じである。以下では、実施例1と異なる点を説明し、実施例1と同じ部分は説明を省略する。
本実施例の光電変換装置の全体構成、および、画素100の機能ブロックは、実施例1と同じである。つまり、図1は、光電変換装置の構成を模式的に示す。また、図2は、画素100の構成を模式的に示すブロック図である。これらの図面の説明は実施例1と同じであるため、説明を省略する。
図10は、画素100の等価回路を示す図である。ただし、メモリ回路260はブロックで示されている。図10が示すように、本実施例の画素100の等価回路は、実施例1(図3)と同じである。そのため、各回路ブロックの機能についての説明は省略する。
実施例1との差異は、本実施例の画素100の画素回路は、第1の半導体基板301および第2の半導体基板302に分かれて配置されることである。
具体的に、光電変換部130は、第1の半導体基板301に配される。電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、および、リセットトランジスタ150を含む信号電荷処理回路10は、第1の半導体基板301に配される。入力トランジスタ160、参照トランジスタ170、および、電流源180を含む差動対回路11は、第1の半導体基板301に配される。
これに対して、トランジスタ200およびトランジスタ210を含むカレントミラー回路13は、第2の半導体基板301に配される。4つのトランジスタ220、230、235、240を含む正帰還回路14は、第2の半導体基板301に配される。レベルシフタ回路250ならびにメモリ回路260は、第2の半導体基板301に配される。また、図1の読み出し回路110、および、図2のランプ信号発生回路12は、それぞれ、第2の半導体基板302に配置される。
2つの半導体基板の相対的な配置を説明する。本実施例では、光電変換部130を含む第1の半導体基板301と、画素回路の一部を含む第2の半導体基板302とが、積層される。第1の半導体基板301の表面に垂直な方向に沿って光電変換部130を第2の半導体基板302に射影したとき、光電変換部130の射影に、画素回路の少なくとも一部のトランジスタが重なる。具体的には、カレントミラー回路13、正帰還回路14、レベルシフタ回路250、メモリ回路260に含まれるトランジスタのいずれか、または、全部が、光電変換部130の射影と重なる位置に配置される。
第1の半導体基板301においては、光電変換部130、信号電荷処理回路10、および、差動対回路11を1つの単位とする複数の画素回路が、行列を成すように二次元状に配列される。第2の半導体基板302においては、カレントミラー回路13、正帰還回路14、レベルシフタ回路250、および、メモリ回路260を1つの単位とする複数の画素回路が、行列を成すように二次元状に配列される。
[トランジスタのサイズ1]
本実施例の1つの側面は、第1の半導体基板301に配されたトランジスタのサイズと、第2の半導体基板302に配されたトランジスタのサイズが異なることである。トランジスタのサイズは、ゲート絶縁膜104の膜厚tox、チャネル長L、チャネル幅W、あるいは、チャネル幅Wとチャネル長Lとの比W/Lのいずれかである。すなわち、図7乃至図9が、本実施例における異なるサイズを有する2つのトランジスタ(トランジスタAおよびトランジスタB)を示している。図7乃至図9に示された構造の説明は、実施例1と同様であるため、省略する。
サイズの異なる2つのトランジスタの組み合わせには、いくつかのバリエーションがある。ひとつの例では、第1の半導体基板301のトランジスタに図8のトランジスタAが用いられ、第2の半導体基板302のトランジスタに図8のトランジスタBが用いられる。
信号電荷処理回路10および差動対回路11などアナログ回路に使われるトランジスタには、比較的高い電源電圧が供給される。そのため、高い耐圧が得られるように、トランジスタのゲート絶縁膜104の膜厚toxは大きいことが好ましい。
一方、メモリ回路260などのデジタル回路は、アナログ回路に対して相対的に高速に動作することが多い。また、典型的には、アナログ回路の電源電圧より低い電源電圧が供給される。そのため、トランジスタが高速に動作できるように、ゲート絶縁膜104の膜厚toxは小さいことが好ましい。
このように、第1の半導体基板301のトランジスタのゲート絶縁膜104の膜厚toxが、第2の半導体基板302のトランジスタのゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きいことで、結果として、信頼性を向上しつつ、高速な動作を行うことが可能となる。
また、製造プロセスの最適化のために、第1の半導体基板301に配されたトランジスタのサイズと、第2の半導体基板302に配されたトランジスタのサイズが異なっていてもよい。例えば、第1の半導体基板301のトランジスタに図8のトランジスタAが用いられ、第2の半導体基板302のトランジスタに図8のトランジスタBが用いられる。すなわち、チャネル幅W、チャネル長L、および、ゲート絶縁膜104の膜厚toxのそれぞれの観点で、第1の半導体基板301のトランジスタのサイズが、第2の半導体基板302のトランジスタのサイズより大きい。
第1の半導体基板301に比べて、第2の半導体基板302には多くの素子が配置される。そのため、第2の半導体基板302のトランジスタを製造するためにより微細なデザインルールが適用される。しかし、デザインルールが小さいプロセスほど、配線ショートなどによる歩留まり低下の課題が大きい。そこで、第1の半導体基板301には、より条件の緩いデザインルールを適用することで、歩留まりの低下を抑えることができる。結果として、画素100を小型化、ひいては、光電変換装置を小型化しつつ、高い生産性を維持することができる。
[トランジスタのサイズ2]
本実施例の別の側面としては、実施例1と同様に、入力トランジスタ160のサイズが、画素100の画素回路、または、読み出し回路110に含まれる、いずれかのトランジスタのサイズと異なっている。この場合、入力トランジスタ160とはサイズの異なるトランジスタは、第1の半導体基板301に配されたトランジスタであってもよいし、あるいは、第2の半導体基板302に配されたトランジスタであってもよい。
サイズの異なる2つのトランジスタの組み合わせには、いくつかのバリエーションがあり、実施例1で説明したすべての組み合わせが適用される。具体的な組み合わせ、および、その時に得られる効果は、実施例1と同じである。そのため、実施例1の説明を援用し、繰り返しの説明は適宜、省略する。
1つの例では、入力トランジスタ160のサイズと、参照トランジスタ170のサイズとが異なることにより、電気的特性を向上させることが可能である。参照トランジスタ170のチャネル長Lおよびチャネル幅Wが、それぞれ、入力トランジスタ160のチャネル長Lおよびチャネル幅Wより大きい。この構成によりS/N比を向上させることが可能である。あるいは、参照トランジスタ170のチャネル長Lが、入力トランジスタ160のチャネル長Lより長いという構成により、熱雑音による電流ノイズを低下させることができる。
別の例では、リセットトランジスタ150のチャネル長Lおよびチャネル幅Wが、それぞれ、入力トランジスタ160のチャネル長Lおよびチャネル幅Wより大きい。このような構成により、リセット時の電圧のばらつきを小さくすることができる。
このように、2つの半導体基板に分かれて画素回路が配置される場合に、同じ半導体基板に配された2つのトランジスタが互いに異なるサイズを持っていてもよい。また、実施例1と同様に、2つのトランジスタが、互いに異なる膜厚toxを有するゲート絶縁膜104を含んでいてもよい。
以上に説明した通り、画素100の画素回路は、第1の半導体基板301と第の半導体基板302に分かれて配置される。第1の半導体基板301のいずれかのトランジスタのサイズは、第2の半導体基板302のいずれかトランジスタのサイズと異なっている。このような構成により、電気的特性を向上させることができる。
[実施例3]
本実施例に係る光電変換装置を説明する。本実施例の光電変換装置は、1つの画素100の回路が、2つの半導体基板に分かれて配置される。それ以外の構成は、実施例1と同じである。また、実施例2では、参照トランジスタ170が第1の半導体基板301に配置されていたのに対し、本実施例では、参照トランジスタ170が第2の半導体基板302に配置される。以下では、実施例1および実施例2と異なる点を説明し、実施例1あるいは実施例2と同じ部分は説明を省略する。
本実施例の光電変換装置の全体構成、および、画素100の機能ブロックは、実施例1と同じである。つまり、図1は、光電変換装置の構成を模式的に示す。また、図2は、画素100の構成を模式的に示すブロック図である。これらの図面の説明は実施例1と同じであるため、説明を省略する。
図11は、画素100の等価回路を示す図である。ただし、メモリ回路260はブロックで示されている。図10が示すように、本実施例の画素100の等価回路は、実施例1(図3)と同じである。そのため、各回路ブロックの機能についての説明は省略する。
実施例1との差異は、本実施例の画素100の画素回路は、第1の半導体基板301および第2の半導体基板302に分かれて配置されることである。
具体的に、光電変換部130は、第1の半導体基板301に配される。電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、および、リセットトランジスタ150を含む信号電荷処理回路10は、第1の半導体基板301に配される。
差動対回路11の入力トランジスタ160、および、電流源180は、第1の半導体基板301に配される。これに対して、差動対回路11の参照トランジスタ170は、第2の半導体基板302に配される。本実施例は、この点で、実施例2と相違している。
他は、実施例2と同様に、トランジスタ200およびトランジスタ210を含むカレントミラー回路13は、第2の半導体基板301に配される。4つのトランジスタ220、230、235、240を含む正帰還回路14は、第2の半導体基板301に配される。レベルシフタ回路250ならびにメモリ回路260は、第2の半導体基板301に配される。また、図1の読み出し回路110、および、図2のランプ信号発生回路12は、それぞれ、第2の半導体基板302に配置される。
2つの半導体基板の相対的な配置を説明する。本実施例では、光電変換部130を含む第1の半導体基板301と、画素回路の一部を含む第2の半導体基板302とが、積層される。第1の半導体基板301の表面に垂直な方向に沿って光電変換部130を第2の半導体基板302に射影したとき、光電変換部130の射影に、画素回路の少なくとも一部のトランジスタが重なる。具体的には、カレントミラー回路13、正帰還回路14、レベルシフタ回路250、メモリ回路260に含まれるトランジスタ、ならびに、参照トランジスタ170のいずれか、または、全部が、光電変換部130の射影と重なる位置に配置される。
第1の半導体基板301においては、光電変換部130、信号電荷処理回路10、および、差動対回路11(入力トランジスタ160と電流源180)を1つの単位とする複数の画素回路が、行列を成すように二次元状に配列される。第2の半導体基板302においては、参照トランジスタ170、カレントミラー回路13、正帰還回路14、レベルシフタ回路250、および、メモリ回路260を1つの単位とする複数の画素回路が、行列を成すように二次元状に配列される。
本実施例の1つの側面は、実施例2と同様に、第1の半導体基板301に配されたトランジスタのサイズと、第2の半導体基板302に配されたトランジスタのサイズが異なることである。トランジスタのサイズは、ゲート絶縁膜104の膜厚tox、チャネル長L、チャネル幅W、あるいは、チャネル幅Wとチャネル長Lとの比W/Lのいずれかである。すなわち、図7乃至図9が、本実施例における異なるサイズを有する2つのトランジスタ(トランジスタAおよびトランジスタB)を示している。この構成により得られる効果は、実施例2と同じであるため、説明は省略する。
本実施例では、入力トランジスタ160が第1の半導体基板301に配される。そして、参照トランジスタ170が第2の半導体基板302に配される。すなわち、差動対に含まれる入力トランジスタ160と参照トランジスタ170とが、異なる半導体基板に配置される。このような構成により、簡単な製造プロセスで、両者のゲート絶縁膜104の膜厚toxを変えることが可能である。
1つの半導体基板に配された2つのトランジスタの間で、ゲート絶縁膜104の厚さを変える場合、いわゆるデュアルゲートプロセスが用いられるなど、製造プロセスが複雑になりうる。例えば、一方のトランジスタのゲート絶縁膜104を成膜する工程と、他方のトランジスタのゲート絶縁膜104を成膜する工程とを別々に実施する。あるいは、半導体基板の全面に厚いゲート絶縁膜104を形成する工程の後に、当該ゲート絶縁膜の一部を薄く加工する工程を追加する。したがって、入力トランジスタ160および参照トランジスタ170が1つの半導体基板に配される場合、両者のゲート絶縁膜104の膜厚toxを異ならせるため、製造プロセスが複雑になる。
これに対して、積層された2つの半導体基板を含む光電変換装置を製造する際には、もともと、それぞれの半導体基板のトランジスタを形成するための工程がある。したがって、工程を追加することなく、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxと、参照トランジスタ170のゲート絶縁膜104の膜厚toxとを変えることが可能である。結果として、簡易な製造プロセスで製造された光電変換装置において、電気的特性を向上させることができる。
差動対を構成する2つのトランジスタが、互いに異なるサイズを有することで向上させることのできる電気的特性は、実施例1で説明した通りである。例えば、参照トランジスタ170のゲート絶縁膜104の膜厚toxが、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きい。この構成により熱雑音によるノイズを低下させることが可能である。
また、チャネル長Lあるいはチャネル幅Wの異なる2つのトランジスタを形成する場合も、製造プロセスを別にすることが好ましい。そのため、本実施例によれば、参照トランジスタ170のチャネル長L、または、チャネル幅Wが、入力トランジスタ160のそれらと異なる構成を有する光電変換装置を、より簡易な製造プロセスで製造することができる。
以上に説明した通り、入力トランジスタ160が第1の半導体基板301に配される。そして、参照トランジスタ170が第2の半導体基板302に配される。第1の半導体基板301のいずれかのトランジスタのサイズは、第2の半導体基板302のいずれかトランジスタのサイズと異なっている。このような構成により、電気的特性を向上させることができる。
また、本実施例の別の側面としては、第1の半導体基板301の入力トランジスタ160のサイズが、第2の半導体基板302の参照トランジスタ170のサイズと異なっている。このような構成により、簡易な製造プロセスで製造された光電変換装置において、電気的特性を向上させることができる。
[実施例4]
本実施例は、上述の実施例1乃至実施例3の変形例である。そのため、実施例1乃至実施例3と異なる点を説明する。
本実施例では、カレントミラー回路13を構成するトランジスタ200とトランジスタ210とが、互いに異なるサイズを有する。トランジスタ200とトランジスタ210は、図3、図10、または、図11に示されている。そのほかの構成は、実施例1乃至実施例3のいずれかと同じである。
トランジスタ200のチャネル長Lに対して、相対的にトランジスタ210のチャネル長Lを小さくすることで、参照トランジスタ170に流れる電流よりも入力トランジスタ160に流れる電流を大きくすることが可能となる。これにより、入力トランジスタ160の相互コンダクタンスgm1が増加する。一方、参照トランジスタ170の相互コンダクタンスgm2が低下する。結果として、式(1)が表す通り、熱雑音によるノイズを低減することができる。
別の例として、トランジスタ200のチャネル幅Wに対して、相対的にトランジスタ210のチャネル幅Wを大きくすることで、参照トランジスタ170に流れる電流よりも入力トランジスタ160に流れる電流を大きくすることが可能となる。これにより、入力トランジスタ160の相互コンダクタンスgm1が増加する。一方、参照トランジスタ170の相互コンダクタンスgm2が低下する。結果として、式(1)が表す通り、熱雑音によるノイズを低減することができる。
別の例では、トランジスタ200のゲート絶縁膜104の膜厚toxに対して、相対的にトランジスタ210のゲート絶縁膜104の膜厚toxが小さい。このような構成により、参照トランジスタ170に流れる電流よりも入力トランジスタ160に流れる電流を大きくすることが可能となる。これにより、入力トランジスタ160の相互コンダクタンスgm1が増加する。一方、参照トランジスタ170の相互コンダクタンスgm2が低下する。結果として、式(1)が表す通り、熱雑音によるノイズを低減することができる。
また、上述の効果を得るために、入力トランジスタ160のサイズと参照トランジスタ170のサイズとの関係に制約はない。ただ、参照トランジスタ170に流れる電流が小さくなると、参照トランジスタ170の1/fノイズが増加する可能性がある。そこで、参照トランジスタ170のチャネル長L、および、チャネル幅Wが、それぞれ、入力トランジスタ160のチャネル長L、および、チャネル幅Wより大きい構成が用いられてもよい。このような構成によれば、参照トランジスタ170のゲート電極の面積を大きくすることができ、結果として、1/fノイズの増加を抑制することができる。
トランジスタ200とトランジスタ210とは、同じ半導体基板に配されることが、ばらつき抑制の観点からは望ましい。実施例2あるいは実施例2の変形例として、実施例の構成を採用する場合、トランジスタ200およびトランジスタ210はいずれも第の半導体基板302に配されることが好ましい。
本実施例では、トランジスタ200とトランジスタ210とが、互いに異なるサイズを有する。そのため、トランジスタ200およびトランジスタ210の少なくとも一方のサイズは、入力トランジスタ160のサイズと異なる。また、トランジスタ200とトランジスタ210が第2の半導体基板302に配された場合、トランジスタ200およびトランジスタ210の少なくとも一方のサイズは、第1の半導体基板301に配されたトランジスタのサイズと異なる。
以上に説明した通り、本実施例では、カレントミラー回路13を構成するトランジスタ200とトランジスタ210とが、互いに異なるサイズを有する。この構成によれば、比較器で生じる熱雑音によるノイズを低減することができる。
[実施例5]
本実施例は、上述の実施例1乃至実施例4の変形例である。そのため、実施例1乃至実施例4と異なる点を説明する。
図12は、画素100の等価回路を示す図である。実施例1乃至実施例4では、カレントミラー回路13のトランジスタ210が差動対回路11の入力トランジスタ160に接続されている(図3)。これに対して、本実施例では、カレントミラー回路13のトランジスタ200が差動対回路11の入力トランジスタ160に接続されている。また、実施例1乃至実施例4では、カレントミラー回路13のトランジスタ200が差動対回路11の参照トランジスタ170に接続されている(図3)。これに対して、本実施例では、カレントミラー回路13のトランジスタ210が差動対回路11の参照トランジスタ170に接続されている。つまり、光電変換部130で生じた電荷に基づく信号が入力されるノードと、ランプ信号RAMPが入力されるノードとが入れ替わっている。
加えて、比較器の入力ノード(入力トランジスタ160のゲート)の電位をリセットするリセットトランジスタ150は、リセット電圧を供給するノードに接続される。そのため、リセット時のリセット電圧のばらつきを低減することができる。なお、この構成は、リセットトランジスタ150の変形例として、実施例1乃至実施例4に適用されてもよい。
ランプ信号RAMPは、クランプ容量156を介して、参照トランジスタ170のゲートに入力される。参照トランジスタ170のゲートの電位を初期化するため、第2のリセットトランジスタ155が配される。第2のリセットトランジスタ155は、参照トランジスタ170のゲートとドレインとの間に接続される。
そのほかの回路の構成は、実施例1乃至実施例4と同じである。なお、図12においては、レベルシフタ回路250をインバータの回路記号で示している。
本実施例の1つの側面としては、実施例1と同様に、入力トランジスタ160のサイズが、画素100の画素回路、または、読み出し回路110に含まれる、いずれかのトランジスタのサイズと異なっている。サイズの異なる2つのトランジスタの組み合わせには、いくつかのバリエーションがあり、実施例1で説明したすべての組み合わせが適用される。具体的な組み合わせ、および、その時に得られる効果は、実施例1と同じである。そのため、実施例1の説明を援用し、繰り返しの説明は適宜、省略する。
本実施例の別の側面は、第1の半導体基板301に配されたトランジスタのサイズと、第2の半導体基板302に配されたトランジスタのサイズが異なることである。実施例2あるいは実施例3のように、画素100の画素回路が、第1の半導体基板301と第2の半導体基板302に分かれて配置されてもよい。
例えば、入力トランジスタ160および参照トランジスタ170が、第1の半導体基板301に配される(図10)。この場合、第2のリセットトランジスタ155、および、クランプ容量156は、第1の半導体基板301に配されることが好ましい。別の例としては、入力トランジスタ160が第1の半導体基板301に配され、一方、参照トランジスタ170が第2の半導体基板302に配される(図11)。この場合、第2のリセットトランジスタ155、および、クランプ容量156は、第2の半導体基板302に配されることが好ましい。
サイズの異なる2つのトランジスタの組み合わせには、いくつかのバリエーションがあり、実施例2および実施例3で説明したすべての組み合わせが適用される。具体的な組み合わせ、および、その時に得られる効果は、実施例2あるいは実施例3と同じである。そのため、実施例2および実施例3の説明を援用し、繰り返しの説明は省略する。
本実施例において、トランジスタのサイズは、ゲート絶縁膜104の膜厚tox、チャネル長L、チャネル幅W、あるいは、チャネル幅Wとチャネル長Lとの比W/Lのいずれかである。すなわち、図7乃至図9が、本実施例における異なるサイズを有する2つのトランジスタ(トランジスタAおよびトランジスタB)を示している。図7乃至図9に示された構造の説明は、実施例1と同様であるため、省略する。
以上に説明した通り、画素100の画素回路は、サイズの異なる2つのトランジスタを含む。このような構成により、電気的特性を向上させることができる。
[実施例6]
別の実施例について説明する。本実施例は、複数の画素100が参照トランジスタ170を共有する点で、実施例1乃至実施例5と異なっている。実施例1乃至実施例5と異なる点を主として説明する。
[全体構成]
図13は、本実施例の光電変換装置の全体構成を模式的に示すブロック図である。複数の画素100が、画素アレイを構成する。画素アレイは、複数の画素行と複数の画素列とを含む。垂直走査回路110は、複数の画素100からの信号を読み出すために、複数の画素100を制御する。複数の画素100からの信号は、例えば、画素行ごとに読み出される。
比較回路135は、画素100の信号と参照信号とを比較する。ランプ信号発生回路12によって発生されたランプ信号が、参照信号として、比較回路135へ入力される。比較回路135による比較の結果に基づく制御信号が、出力回路136を介して、カウンタ回路152へ出力される。当該比較の結果に基づく制御信号が、カウンタ回路152のカウント期間を制御する。カウンタ回路152は制御信号を受けたタイミングに対応したカウント値をメモリセル153へ出力する。メモリセル153へ出力されたカウント値が、画素100の信号をアナログデジタル変換(以下、AD変換)された結果のデジタル信号として保持される。メモリセル153に保持されたデジタル信号は水平走査回路108により、順次、光電変換装置から出力される。
また、出力回路136は、画素100の信号に基づく信号を、フィードバック信号として、比較回路135へ出力する。比較回路135はフィードバック信号を保持することが可能である。
[画素構成]
図14は、光電変換装置の画素100、比較回路135、および、出力回路136の等価回路を示している。説明を簡略にするため、図14は2つの画素100のみを示している。
画素100は、光電変換部130、リセットトランジスタ150、転送トランジスタ140、入力トランジスタ160、および、選択トランジスタ157を含む。リセットトランジスタ150のゲートには制御信号φRES、転送トランジスタ140のゲートには制御信号φTX、選択トランジスタ157のゲートには制御信号φSELがそれぞれ入力される。
入力トランジスタ160のゲートはフローティングディフュージョンノード(以下、FDノード)に接続されている。光電変換部130で生じた電荷は、転送トランジスタ140によって、FDノードに転送される。つまり、入力トランジスタ160のゲートに、光電変換部130で生じた電荷に基づく信号が入力される。リセットトランジスタ150は、入力トランジスタ160のゲートの電圧をリセットする。なお、入力トランジスタ160のゲートがFDノードに接続されているので、本明細書においては、入力トランジスタ160のゲートをFDノードと呼ぶことがある。
[差動対(比較回路)の説明]
比較回路135は、参照トランジスタ170を含む。参照トランジスタ170のゲートには、ランプ信号RAMPが入力される。ランプ信号RAMPは、例えば、時間と共にその電圧が変化する信号である。入力トランジスタ160および参照トランジスタ170は、電流源180に接続されることで、差動対を構成している。図14において、電流源180は、例えば、ゲートに所定のバイアス電圧を印加したNチャネル型のMOSトランジスタが用いられうる。入力トランジスタ160および参照トランジスタ170は、同じ導電型である。本実施例では、入力トランジスタ160および参照トランジスタ170は、いずれも、Nチャネル型のMOSトランジスタである。
比較回路135は、参照トランジスタ170のゲートの電圧を、所定の電圧にクランプするクランプ回路を含む。クランプ回路は、例えば、クランプスイッチ素子SW1およびクランプ容量素子C1を含む。クランプスイッチ素子SW1は、参照トランジスタ170のゲートに接続される。クランプスイッチ素子SW1は、制御信号φCLMPによって制御される。クランプスイッチ素子SW1がオフすることで、参照トランジスタ170のゲートは電気的にフローティングになる。これにより、参照トランジスタ170のゲートの電圧を所定の電圧にクランプすることができる。クランプ容量素子C1の一方の端子は、参照トランジスタ170のゲートに接続される。クランプ容量素子C1の他方の端子に、ランプ信号RAMPが入力される。この構成により、ランプ信号RAMPの交流成分が、クランプ容量素子C1を介して、参照トランジスタ170のゲートに入力される。
1つの画素列に含まれる複数の画素100(図14の2つの画素100)に対して、図14に示された1つの比較回路135が配される。具体的には、複数の画素100の選択トランジスタ157のソースが、互いに接続され、かつ、電流源180に接続される。また、複数の画素100の画素トランジスタのドレインが互いに接続される。そして、1つの参照トランジスタ170が、1つの画素列に含まれる複数の画素100のそれぞれの入力トランジスタ160と差動対を構成する。撮像用の光電変換装置、つまり、撮像装置は、画素列と比較回路135の組を複数備える。
[出力回路の説明]
出力ノード310を有する出力回路136が、参照トランジスタ170に電気的に接続される。出力ノード310は、入力トランジスタ160のソースおよびドレイン、ならびに、参照トランジスタ170のソースおよびドレインとは別のノードである。
出力回路136は、入力トランジスタ160のゲートの電圧に基づく電圧を参照トランジスタ170のゲートに出力する第1動作を行う。また、出力回路136は、参照トランジスタ170からの電流を受けて、入力トランジスタ160のゲートの電圧と参照トランジスタ170のゲートの電圧との比較の結果に基づく信号を出力ノード310に出力する第2動作を行う。図14において、「フィードバック信号」が入力トランジスタ160のゲートの電圧に基づく電圧を表し、「制御信号」が比較の結果に基づく信号を表している。
第1動作において、出力回路136は、参照トランジスタ170に電流を供給する電流源として動作してもよい。このとき、出力回路136は入力トランジスタ160および参照トランジスタ170による差動対が構成する演算増幅器の負荷となる。したがって、参照トランジスタ170のゲートとドレインとがショートされると、出力回路136は入力トランジスタ160のゲートの電圧に基づく電圧を参照トランジスタ170のゲートに出力する。
クランプスイッチ素子SW1をオフにすることで、クランプ回路は参照トランジスタ170のゲートに出力された電圧を保持する。つまり、クランプ回路は、参照トランジスタ170のゲートの電圧を、入力トランジスタ160のゲートの電圧に基づく電圧にクランプする。入力トランジスタ160のゲートの電圧に基づく電圧とは、例えば、入力トランジスタ160のゲートの電圧と実質的に等しい電圧を含む。トランジスタの特性の差、温度の差、熱ノイズなどがあるため、両者は厳密に等しい電圧でなくてもよい。
第2動作において、出力回路136は、参照トランジスタ170の電流を検出する電流検出回路として動作してもよい。電流検出回路は、参照トランジスタ170の電流の変化を、別の信号として、参照トランジスタ170のドレインとは別の出力ノード310に出力する。この機能により、出力回路136は、入力トランジスタ160のゲートの電圧と参照トランジスタ170のゲートの電圧との比較の結果に基づく信号を出力ノード310に出力する。
例えば、参照トランジスタ170のゲートの電圧のほうが入力トランジスタ160のゲートの電圧より高い場合に、出力回路136は出力ノード310に第1の電圧を出力する。一方、参照トランジスタ170のゲートの電圧のほうが入力トランジスタ160のゲートの電圧より低い場合に、出力回路136は出力ノード310に第1の電圧とは異なる第2の電圧を出力する。
上述の説明では、電流源180が接続された配線の寄生抵抗を無視している。配線の寄生抵抗は、入力トランジスタ160と参照トランジスタ170による差動対が構成する演算増幅器のオフセットとなりうる。
[制御部(電圧変動低減部)の説明]
出力回路136は、上述の第2動作における参照トランジスタ170のドレインの電圧の変化量を、出力ノード310の電圧の変化量よりも小さくする制御部を含む。制御部は、特に、入力トランジスタ160のゲートの電圧の大きさと参照トランジスタ170のゲートの電圧の大きさとの関係が逆転するときの参照トランジスタ170のドレインの電圧の変化量を、出力ノード310の電圧の変化量よりも小さくする。このときの出力ノード310の電圧の変化量とは、上述の第1の電圧と第2の電圧との差である。
制御部は、カレントミラー回路を含みうる。カレントミラー回路は、それぞれが他方のゲートに接続されたゲートを有する2つのトランジスタを少なくとも含む。当該2つのトランジスタの一方のドレインが、参照トランジスタ170に電気的に接続される。
また、制御部は、当該2つのトランジスタの他方のゲートとドレインとを接続するスイッチ素子を含みうる。当該スイッチ素子によって、上述の第1動作および第2動作を切り替えることができる。
[カレントミラー回路]
出力回路136の制御部は、Pチャネル型のMOSトランジスタM6およびPチャネル型のMOSトランジスタM7を含むカレントミラー回路を含む。トランジスタM6のドレインは、参照トランジスタ170のドレインに電気的に接続される。トランジスタM6のゲートとトランジスタM7のゲートとが互いに接続される。
トランジスタM6およびM7が構成するカレントミラー回路は、出力回路136が第1動作を行うときに、トランジスタM7の電流をトランジスタM6へミラーする。また、出力回路136が第2動作を行うときに、カレントミラー回路は、トランジスタM6の電流をトランジスタM7へミラーする。
本実施例では、第1動作において、カレントミラー回路は、トランジスタM6から参照トランジスタ170へ電流を供給する電流源として動作している。そして、第2動作において、カレントミラー回路は、参照トランジスタ170からトランジスタM6に入力される電流を、トランジスタM7へミラーする電流検出回路として動作する。
出力回路136の制御部は、容量素子C2を含む。容量素子C2は、トランジスタM6のドレインに電気的に接続された第1端子、および、トランジスタM6のゲートに電気的に接続された第2端子を有する。容量素子C2により、トランジスタM6のドレインとゲートとが交流的に結合し、トランジスタM6の電流をトランジスタM7にミラーすることができる。
出力回路136の制御部は、第1スイッチ素子SW2を含む。第1スイッチ素子SW2は、トランジスタM7のゲートとドレインとを接続する。第1スイッチ素子SW2がオンすることによって、カレントミラー回路は、トランジスタM7の電流をトランジスタM6へミラーすることができる。第1スイッチ素子SW2をオフすることによって、カレントミラー回路は、トランジスタM6の電流をトランジスタM7にミラーすることができる。つまり、第1スイッチ素子SW2が、出力回路136の第1動作と第2動作とを切り替えている。
なお、容量素子C2の容量値は、第1スイッチ素子SW2がオフしているときの第1スイッチ素子SW2の両端の間の結合容量の容量値より大きい。第1スイッチ素子SW2がMOSトランジスタの場合、第1スイッチ素子SW2の両端は、当該MOSトランジスタのソースとドレインである。このような構成によれば、カレントミラー回路の動作を安定させることができる。
クランプスイッチ素子SW1と第1スイッチ素子SW2とが互いに同相で動作することが好ましい。本実施形態では、クランプスイッチ素子SW1と第1スイッチ素子SW2とを共通の制御信号φCLMPによって制御することで、クランプスイッチ素子SW1と第1スイッチ素子SW2とが互いに同相で動作する。
本実施例の出力回路136は、出力ノード310に接続された参照電流源IS2を備える。参照電流源IS2は、トランジスタM7へ参照電流を出力する。また、出力ノード310には、インバータ回路が接続される。
[動作]
本実施例の光電変換装置は、図15で示された駆動信号によって駆動される。図15は、光電変換装置の駆動信号のタイミングチャートを模式的に示す図である。図15は、1回の水平走査期間(1H期間)、すなわち、1つの画素行の信号を読み出すための駆動信号を示している。駆動信号がハイレベルのとき、当該駆動信号の供給されるトランジスタはオンする。駆動信号がローレベルのとき、当該駆動信号の供給されるトランジスタはオフする。ハイレベルおよびローレベルの具体的な電圧は、トランジスタの導電型に応じて定まる。
本実施形態においては、制御信号φCLMPがハイレベルのときに、出力回路136は電流源として動作する。制御信号φCLMPがローレベルのときに、出力回路136は電流検知回路として動作する。
最初に制御信号φRESおよび制御信号φCLMPをハイレベルとする。これにより、リセットトランジスタ150およびクランプスイッチ素子SW1が導通状態になる、つまり、オンする。FDノードの電圧は、電源電圧VDDなどの所定の電圧(以下、リセットレベル)にリセットされる。同時に、出力回路136はFDノードの電圧に基づく電圧(以下、クランプレベル)を、参照トランジスタ170のゲートおよびクランプ容量素子C1に出力する。つまり、出力回路136は、入力トランジスタ160のゲートの電圧に基づく電圧を参照トランジスタ170のゲートに出力する第1動作を行う。
制御信号φCLMPがハイレベルの期間は、クランプスイッチ素子SW1と第1スイッチ素子SW2がオンする。参照電流源IS2からの参照電流が、トランジスタM6およびM7で構成したカレントミラーにより、参照トランジスタ170へ出力される。すなわち、トランジスタM6が参照トランジスタ170へ電流を供給する電流源として動作する。
クランプスイッチ素子SW1は参照トランジスタ170のゲートとドレインとを接続している。そのため、入力トランジスタ160、参照トランジスタ170、電流源180は、トランジスタM6による電流源を負荷とし、ボルテージフォロワとして動作する。これにより、FDノードの電圧が、参照トランジスタ170のゲート、および、クランプ容量素子C1に出力される。換言すると、出力回路136が、入力トランジスタ160のゲートの電圧に基づく電圧を参照トランジスタ170のゲートに出力する第1動作を行う。
その後、制御信号φRESと制御信号φCLMPを順次ローレベルとする。これにより、リセットレベルがFDノードに保持され、クランプレベルがクランプ容量素子C1にそれぞれ保持される。クランプスイッチ素子SW1より先にリセットトランジスタ150をオフにすることで、リセットトランジスタ150によって生じる熱ノイズが、クランプレベルに反映されうる。クランプスイッチ素子SW1がオフした直後は、FDノード、つまり、入力トランジスタ160のゲートの電圧と、参照トランジスタ170のゲートの電圧とはほぼ等しい。
続いて、ランプ信号RAMPをより高い電圧へ変化させる。これにより、参照トランジスタ170のゲートの電圧が、入力トランジスタ160のゲートの電圧より高くなる。入力トランジスタ160および参照トランジスタ170は差動対を構成しているため、電流源180の電流の大半が参照トランジスタ170に流れる。
次にランプ信号RAMPのランプダウンを開始する。ランプダウンとは、ランプ信号RAMPの電圧を下げていくことである。あるタイミングで入力トランジスタ160のゲートの電圧の大きさと参照トランジスタ170のゲートの電圧の大きさとの関係が反転する。当該関係が反転した後は、電流源180の電流の大半は入力トランジスタ160に流れる。一方、参照トランジスタ170の電流は小さくなる。
出力回路136は参照トランジスタ170の電流の変化を検出する。具体的には、参照トランジスタ170の電流が小さくなったタイミングで、出力回路136は当該電流の変化が生じたことを示す信号を、制御信号として、出力ノード310に出力する。言い換えると、出力回路136は、入力トランジスタ160のゲートの電圧と参照トランジスタ170のゲートの電圧との比較の結果に基づく信号を出力ノード310に出力する第2動作を行う。
制御信号φCLMPがローレベルになると、クランプスイッチ素子SW1と第1スイッチ素子SW2はオフする。その後、出力回路136は、入力トランジスタ160のゲートの電圧と参照トランジスタ170のゲートの電圧とを比較する第2動作を行う。
上述の通り、トランジスタM6のゲートとドレインとが容量素子C2により交流的に結合している。そのため、参照トランジスタ170を流れる電流が、トランジスタM6からトランジスタM7へミラーされる。ミラーされた電流の大きさと参照電流源IS2からの参照電流との大きさの関係によって、出力ノード310の電圧が変化する。つまり、出力ノード310に比較の結果に基づく信号が出力される。
図14の光電変換装置においては、制御信号がカウンタ回路152を制御することにより、ランプダウンの開始から電圧の大きさの関係の反転までの時間を計測している。ランプダウンの開始から所定の時間が経過した後に、リセットレベルのAD変換を終了する。リセットレベルのAD変換を行っている期間は、図15においてN_ADと表記されている。
この後、ランプ信号RAMPをリセットする。制御信号φTXをハイレベルとすることにより、転送トランジスタ140がオンし、光電変換部130で発生した電荷がFDノードに転送される。
制御信号φTXをローレベルとした後、ランプ信号RAMPのランプダウンを開始する。その後、リセットレベルのAD変換と同様に、光信号レベルのAD変換を行う。光信号レベルのAD変換を行っている期間は、図15においてS_ADと表記した。
詳細な説明は割愛するが、光電変換装置においては、光信号レベルをAD変換したコード値からリセットレベルをAD変換したコード値を減算するデジタルCDS(Correlated Double Sampling)を行ってもよい。
ここで、各部の数値例を説明する。例えば、カレントミラー回路を構成するトランジスタM6およびM7のサイズはほぼ等しい。また、電流源180の電流量I_IS1と、参照電流源IS2の電流量I_IS2とが、I_IS1=2×I_IS2の関係をほぼ満たしている。
この条件において、第1動作においては、入力トランジスタ160および参照トランジスタ170のそれぞれに、電流源180の電流量I_IS1をほぼ等分した量の電流、すなわち、電流量I_IS2にほぼ等しい量の電流が流れる。第2動作においては、参照トランジスタ170のゲートの電圧が、入力トランジスタ160のゲートの電圧より高いときは、電流源180の電流の大半は参照トランジスタ170に流れる。一方、入力トランジスタ160の電流はほぼ0になる。そのため、トランジスタM7にはほぼ電流源180と同じ量の電流が流れる。その結果、トランジスタM7のドレイン、つまり、出力ノード310の電圧は電源電圧VDDに近い電圧となる。
参照信号がランプダウンすると、参照トランジスタ170のゲートの電圧が、入力トランジスタ160のゲートの電圧より低くなる。この時は、電流源180の電流の大半は入力トランジスタ160に流れる。一方、参照トランジスタ170の電流はほぼ0になる。したがって、トランジスタM7の電流もほぼ0となる。その結果、トランジスタM7のドレイン、つまり、出力ノード310の電圧は接地電圧に近い電圧となる。
このように、出力回路136は、参照トランジスタ170の電流の変化を検出している。このとき、トランジスタM6がカレントミラー回路の入力である。参照トランジスタ170のドレインの電流が変化しても、トランジスタM6のドレインの電圧は大きく変化しない。言い換えると、カレントミラー回路が、参照トランジスタ170のドレインの電圧の変化量を、出力ノードの電圧の変化量より小さくしている。そのため、ランプ信号RAMPの電圧変動を低減することができる。結果として、本実施例によれば、光電変換装置が出力する信号の精度を向上させることができる。
比較例として、特許文献1に記載の光電変換装置では、クランプ動作が終了した後も、PMOSトランジスタ203が定電流源として動作する。そして、差動トランジスタ201のドレインの電圧が、出力として読み出される。そのため電圧の関係が反転したときに、差動トランジスタ201のドレイン電圧が大きく変化する。この電圧の変動が、参照信号の電圧を変動させ、結果として、画質の低下の原因になる可能性がある。
[トランジスタサイズ]
本実施例においては、画素100の画素回路が入力トランジスタ160を含む。入力トランジスタ160は、光電変換部130で生じた信号電荷に基づく信号を受け、かつ、参照トランジスタ170と差動対を構成している。画素100の画素回路は、さらに、入力トランジスタ160とは別のトランジスタを含んでいる。
本実施例の読み出し回路は、ランプ信号発生回路12、比較回路135、出力回路136、カウンタ回路152、メモリセル153、垂直走査回路110、および、水平走査回路108を含んで構成される。これらの回路は、それぞれ、トランジスタを含んで構成される。
ここで、入力トランジスタ160のサイズは、画素100の画素回路、または、読み出し回路に含まれる、いずれかのトランジスタのサイズと異なっている。トランジスタのサイズは、ゲート絶縁膜104の膜厚tox、チャネル長L、チャネル幅W、あるいは、チャネル幅Wとチャネル長Lとの比W/Lのいずれかである。以下、便宜的に、互いに異なるサイズの2つのトランジスタを、トランジスタA、および、トランジスタBと呼ぶ。
図7(a)および図7(b)は、本実施例において、トランジスタAとトランジスタBとの間で、チャネル長Lおよびチャネル幅Wがそれぞれ異なる例を示している。一方、トランジスタAのW/Lおよびゲート絶縁膜104の膜厚toxは、トランジスタBのそれらと同じである。図7(b)が示すように、トランジスタAのチャネル長Lおよびチャネル幅Wが、それぞれ、トランジスタBのチャネル長Lおよびチャネル長Wより大きい。つまり、トランジスタAのサイズが、トランジスタBのサイズより大きい。図7についての説明は、実施例1と同じであるため、繰り返しの説明は省略する。
サイズの異なる2つのトランジスタの組み合わせには、いくつかのバリエーションがある。ひとつの例では、参照トランジスタ170にトランジスタAが用いられ、入力トランジスタ160にトランジスタBが用いられる。すなわち、参照トランジスタ170のチャネル長Lおよびチャネル幅Wが、それぞれ、入力トランジスタ160のチャネル長Lおよびチャネル幅Wより大きい。この構成によりS/N比を向上させることが可能である。この効果については、実施例1と同じであるため、繰り返しの説明を省略する。
なお、参照トランジスタ170のチャネル長Lだけが、入力トランジスタ160のチャネル長Lより大きい場合にも、同様の効果が得られる。また、参照トランジスタ170のチャネル幅Wだけが、入力トランジスタ160のチャネル幅Wより大きい場合にも、同様の効果が得られる。特に断りがないかぎり、この点は以降に述べる例でも同様である。
また、参照トランジスタ170のチャネル長Lが、入力トランジスタ160のチャネル長Lより長いという構成により、熱雑音による電流ノイズを低下させることができる。この効果についても実施例1と同じである。
入力トランジスタ160のチャネル長Lが短いため、入力トランジスタ160の相互コンダクタンスgm1を大きくすることができる。一方、参照トランジスタ170のチャネル長Lが長いため、参照トランジスタ170の相互コンダクタンスgm2を小さくすることができる。結果として、式(1)にしたがって、熱雑音によるノイズを低下させることができる。なお、このとき、2つのトランジスタのチャネル幅Wは、どのような関係であってもよい。
変形例として、入力トランジスタ160のチャネル幅Wが、参照トランジスタ170のチャネル幅Wより大きいことにより、熱雑音による電流ノイズを低下させることができる。この効果については、実施例1と同様である。
このとき、2つのトランジスタのチャネル長Lは、どのような関係であってもよい。電荷電圧変換係数の向上の観点からは、入力トランジスタ160のチャネル長Lは参照トランジスタ170のチャネル長Lより短く、一方、入力トランジスタ160のチャネル幅Wは参照トランジスタ170のチャネル幅Wより大きいことが好ましい。入力トランジスタ160のチャネル長Lが短いことにより、電荷電圧変換係数を大きくすることができる。結果として、チャネル長Lの関係により信号レベルを上げ、かつ、チャネル幅Wの関係によりノイズを低減することが可能になる。
入力トランジスタ160のサイズと参照トランジスタ170のサイズとが互いに異なる場合も、オフセットキャンセルは可能である。リセットトランジスタ150をオンして比較器の入力ノード(入力トランジスタ160のゲート)の電位をリセットする際、ランプ信号RAMPを所定のリセット電位Vrにする。その時の入力トランジスタ160のゲートの電位は、Vr-Vgs(170)+Vgs(160)で表される。このとき、Vgs(170)およびVgs(160)には、それぞれ、入力トランジスタ160の閾値電圧Vthおよび参照トランジスタ170の閾値電圧Vthが反映される。そのため、オフセットキャンセルを行うことが可能である。換言すると、画素100ごとに入力トランジスタ160および参照トランジスタ170の閾値電圧Vthが異なっていても、いずれの画素100においてもランプ信号VRMPのレベルがリセット電位Vrになった時に比較器の出力が反転する。
以上に説明した通り、入力トランジスタ160のサイズと、参照トランジスタ170のサイズとが異なることにより、電気的特性を向上させることが可能である。
他の例では、リセットトランジスタ150にトランジスタAが用いられ、入力トランジスタ160にトランジスタBが用いられる。すなわち、リセットトランジスタ150のチャネル長Lおよびチャネル幅Wが、それぞれ、入力トランジスタ160のチャネル長Lおよびチャネル幅Wより大きい。
前述の通り、入力トランジスタ160のゲートのサイズが小さいことにより、電荷電圧変換係数を大きくすることができる。また、リセットトランジスタ150のサイズが大きいことで、リセットトランジスタ150の閾値電圧Vthのばらつきを小さくすることができる。結果として、リセット時の電圧のばらつきを小さくすることができる。
他の例では、入力トランジスタ160にトランジスタAが用いられ、カウンタ回路152、または、メモリセル153のトランジスタにトランジスタBが用いられる。すなわち、入力トランジスタ160のチャネル長Lおよびチャネル幅Wが、それぞれ、カウンタ回路152、または、メモリセル153のトランジスタのチャネル長Lおよびチャネル幅Wより大きい。
差動対回路11などアナログ回路に使われるトランジスタは、大きい相互コンダクタンスgmを持つことが好ましい。そのため、入力トランジスタ160のサイズを大きくする。一方、カウンタ回路152、および、メモリセル153などのデジタル回路では、トランジスタのサイズを小さくすることで、高速に動作することが好ましい。つまり、入力トランジスタ160のサイズが、カウンタ回路152、または、メモリセル153のトランジスタのサイズより大きいことで、結果として、ノイズを低減しつつ、かつ、高速な動作を行うことが可能となる。
他の例では、入力トランジスタ160にトランジスタAが用いられ、垂直走査回路110または水平走査回路108のトランジスタにトランジスタBが用いられる。すなわち、入力トランジスタ160のチャネル長Lおよびチャネル幅Wが、それぞれ、垂直走査回路110または水平走査回路108のトランジスタのチャネル長Lおよびチャネル幅Wより大きい。
垂直走査回路110または水平走査回路108は、典型的には、論理ゲートやフリップフロップなどのロジック回路により構成される。そのため、トランジスタのサイズを小さくすることで、高速に動作することが好ましい。先ほどの例と同様に、入力トランジスタ160のサイズが、メモリ回路260のトランジスタのサイズより大きいことで、結果として、ノイズを低減しつつ、かつ、高速な動作を行うことが可能となる。
次に、トランジスタA、および、トランジスタBが、互いに異なる膜厚toxのゲート絶縁膜104を有する例を説明する。図8(a)が示すように、トランジスタAのゲート絶縁膜104の膜厚toxが、トランジスタBのゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きい。一方、図8(b)が示すように、トランジスタAのチャネル長Lおよびチャネル幅Wは、それぞれ、トランジスタBのチャネル長Lおよびチャネル幅Wと等しい。図8の説明は実施例1と同じであるため、繰り返しの説明は省略する。
異なる膜厚toxのゲート絶縁膜104を持つ2つのトランジスタの組み合わせには、いくつかのバリエーションがある。ひとつの例では、参照トランジスタ170にトランジスタAが用いられ、入力トランジスタ160にトランジスタBが用いられる。すなわち、参照トランジスタ170のゲート絶縁膜104の膜厚toxが、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きい。この構成により熱雑音によるノイズを低下させることが可能である。
前述の式(1)が表す通り、入力トランジスタ160の相互コンダクタンスgm1が大きくなると、電圧ノイズVnは小さくなる。一方、参照トランジスタ170の相互コンダクタンスgm2が小さくなると、電圧ノイズVnは小さくなる。そして、式(2)が表す通り、ゲート絶縁膜104の膜厚toxが小さいほど、相互コンダクタンスgmは大きくなる。
この例では、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxが小さいため、入力トランジスタ160の相互コンダクタンスgm1を大きくすることができる。一方、参照トランジスタ170のゲート絶縁膜104の膜厚toxが大きいため、参照トランジスタ170の相互コンダクタンスgm2を小さくすることができる。結果として、熱雑音によるノイズを低下させることができる。
なお、ノイズをさらに低下させるためには、入力トランジスタ160のチャネル長Lは参照トランジスタ170のチャネル長Lより短く、かつ、入力トランジスタ160のチャネル幅Wは参照トランジスタ170のチャネル幅Wより大きいことが好ましい。
他の例では、入力トランジスタ160にトランジスタAが用いられ、カウンタ回路152、または、メモリセル153のトランジスタにトランジスタBが用いられる。すなわち、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxが、カウンタ回路152、または、メモリセル153のトランジスタのゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きい。
差動対回路11などアナログ回路に使われるトランジスタには、比較的高い電源電圧が供給される。そのため、高い耐圧が得られるように、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxを大きくすることが好ましい。一方、カウンタ回路152、および、メモリセル153などのデジタル回路は、アナログ回路に対して相対的に高速に動作することが多い。また、典型的には、アナログ回路の電源電圧より低い電源電圧が供給される。そのため、ゲート絶縁膜104の膜厚toxを小さくすることで、トランジスタが高速に動作することが好ましい。つまり、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxが、カウンタ回路152またはメモリセル153のトランジスタのゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きいことで、信頼性を向上しつつ、かつ、高速な動作を行うことが可能となる。
他の例では、入力トランジスタ160にトランジスタAが用いられ、垂直走査回路110または水平走査回路108のトランジスタにトランジスタBが用いられる。すなわち、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxが、垂直走査回路110または水平走査回路108のトランジスタのゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きい。
垂直走査回路110および水平走査回路108は、典型的には、論理ゲートやフリップフロップなどのロジック回路により構成される。そのため、トランジスタのサイズを小さくすることで、高速に動作することが好ましい。入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxが、垂直走査回路110または水平走査回路108のトランジスタのゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きいことで、信頼性を向上しつつ、かつ、高速な動作を行うことが可能となる。
次に、さらに別の変形例を説明する。図9(a)が示すように、トランジスタAのゲート絶縁膜104の膜厚toxが、トランジスタBのゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きい。そして、図9(b)が示すように、トランジスタAのチャネル長Lおよびチャネル幅Wが、それぞれ、トランジスタBのチャネル長Lおよびチャネル長Wより大きい。
図7および図8の例と同様に、入力トランジスタ160にトランジスタAおよびトランジスタBの一方を適用し、他のトランジスタにトランジスタAおよびトランジスタBの他方を適用することで、電気的特性の向上の効果を得ることができる。
例えば、参照トランジスタ170にトランジスタAが用いられ、入力トランジスタ160にトランジスタBが用いられる。すなわち、参照トランジスタ170のチャネル長Lおよびチャネル幅Wが、それぞれ、入力トランジスタ160のチャネル長Lおよびチャネル幅Wより大きい。さらに、参照トランジスタ170のゲート絶縁膜104の膜厚toxが、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きい。
このような構成により、まず、比較器の入力ノード(入力トランジスタ160のゲート)の電荷電圧変換係数を大きくすることができる。さらに、参照トランジスタ170において、1/fノイズを低減することができる。加えて、差動対で生じる熱雑音によるノイズを低減することができる。
なお、図9では、ゲート絶縁膜104の膜厚tox、チャネル長L、および、チャネル幅Wの各観点において、トランジスタAのサイズがトランジスタBのサイズより大きい。しかし、一部の観点において、サイズの関係が逆であってもよい。
相互コンダクタンスgmを最適化するためには、参照トランジスタ170のゲート絶縁膜104の膜厚toxが、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きいことが好ましい。また、参照トランジスタ170のチャネル長Lが、入力トランジスタ160のチャネル長Lより大きいことが好ましい。一方で、参照トランジスタ170のチャネル幅Wは、入力トランジスタ160のチャネル幅Wより小さいことが好ましい。
以上に説明した通り、画素100は、入力トランジスタ160は、光電変換部130で生じた信号電荷に基づく信号を受け、かつ、参照トランジスタ170と差動対を構成する入力トランジスタ160を含む。そして、入力トランジスタ160のサイズは、画素回路の他のいずれかのトランジスタ、または、読み出し回路のトランジスタのサイズと異なっている。このような構成により、電気的特性を向上させることができる。
チャネル幅Wが大きいことにより、1/fノイズの低減、閾値電圧のばらつきの低減、入力トランジスタ160として用いられたときの熱雑音によるノイズの低減(相互コンダクタンスgmの増加)などの効果が得られる。
一方、チャネル幅Wが小さいことにより、高速動作、入力トランジスタ160として用いられたときの電荷電圧変換係数の向上、参照トランジスタ170として用いられたときのノイズの低減(相互コンダクタンスgmの低下)などの効果が得られる。
チャネル長Lが大きいことにより、1/fノイズの低減、閾値電圧のばらつきの低減、参照トランジスタ170として用いたときのノイズの低減(相互コンダクタンスgmの低下)などの効果が得られる。
一方、チャネル長Lが小さいことにより、高速動作、入力トランジスタ160として用いられたときの電荷電圧変換係数の向上、および、熱雑音によるノイズの低減(相互コンダクタンスgmの増加)などの効果が得られる。
ゲート絶縁膜104の膜厚toxが大きいことにより、耐圧の向上、参照トランジスタ170として用いたときのノイズの低減(相互コンダクタンスgmの低下)などの効果が得られる。
一方、ゲート絶縁膜104の膜厚toxが小さいことにより、高速動作、入力トランジスタ160として用いられたときの熱雑音によるノイズの低減(相互コンダクタンスgmの増加)などの効果が得られる。
これらの効果を得るために、上述した組み合わせの例の他にも、サイズの異なるトランジスタの組み合わせが選択されうる。
[変形例1]
本実施例の変形例について説明する。図14に示された回路は、1つの半導体基板に配されている。変形例として、本実施例の回路が、第1の半導体基板301と第2の半導体基板302に分かれて配置される。図15に変形例の等価回路を示す。
画素100は第1の半導体基板301に配される。具体的に、光電変換部130、転送トランジスタ140、リセットトランジスタ150、および、入力トランジスタ160は、第1の半導体基板301に配される。
これに対して、参照トランジスタ170および電流源180、ならびに、クランプ回路(クランプ容量素子C1およびクランプスイッチ素子SW1)を含む比較回路135は、第2の半導体基板302に配される。また、出力回路136は、第2の半導体基板302に配される。
すなわち、図16に示された例は、実施例3と同様に、差動対を構成する入力トランジスタ160と参照トランジスタ170とが、異なる半導体基板に配置される。
画素100を駆動するための垂直走査回路110は、第1の半導体基板301に配される。一方、ランプ信号発生回路12、カウンタ回路152、メモリセル153、および、水平走査回路108は、第2の半導体基板302に配される。なお、垂直走査回路110が、第2の半導体基板302に配され、画素100のみが第1の半導体基板301に配されていてもよい。
第1の半導体基板301のトランジスタのサイズが、第2の半導体基板302のトランジスタのサイズと異なる点は、実施例2、および、実施例3と同じである。実施例2および実施例3で説明したすべての組み合わせが、本実施例にも適用される。
特に、図16の例では、第1の半導体基板301の入力トランジスタ160のサイズが、第2の半導体基板302の参照トランジスタ170のサイズと異なっている。このような構成により、簡易な製造プロセスで製造された光電変換装置において、電気的特性を向上させることができる。
また、画素100のトランジスタ(例えば入力トランジスタ160)のサイズと、出力回路136のトランジスタのサイズが異なっていてもよい。
[変形例2]
本実施例のさらに別の変形例について説明する。図17に変形例の等価回路を示す。本実施例の回路が、第1の半導体基板301と第2の半導体基板302に分かれて配置される。参照トランジスタ170、電流源180、および、クランプ回路(クランプ容量素子C1およびクランプスイッチ素子SW1)を含む比較回路135が、第1の半導体基板302に配される点で、図17の例は、図16の例と異なっている。これに伴って、ランプ信号発生回路12が、第1の半導体基板301に配されてもよい。
この変形例においても、第1の半導体基板301のトランジスタのサイズが、第2の半導体基板302のトランジスタのサイズと異なる点は、実施例2、および、実施例3と同じである。実施例2および実施例3で説明したすべての組み合わせが、本実施例にも適用される。
[実施例7]
別の実施例を説明する。本実施例は、画素100がオペアンプ159を用いた増幅回路を含む点が、実施例1乃至実施例6と異なる。
図18は画素100の等価回路を示す。図3と同じ機能を有する素子には、図3と同じ符号を付してある。本実施例の画素100は、オペアンプ159を含む、オペアンプ159は、非反転入力ノードと、反転入力ノードを有する。オペアンプ159の出力ノードとオペアンプ159の反転入力ノードとはフィードバック容量によって接続される。オペアンプ159の非反転入力ノードには、転送トランジスタ140とリセットトランジスタ150が接続される。光電変換部130で生じた信号電荷に基づく信号は、オペアンプ159の非反転入力ノードに入力される。
オペアンプ159は、不図示の、入力トランジスタと参照トランジスタを含む。入力トランジスタと参照トランジスタは差動対を構成している。入力トランジスタのゲートがオペアンプ159の非反転入力ノードである。参照トランジスタのゲートがオペアンプ159の反転入力ノードである。
本実施例において、オペアンプ159に含まれる入力トランジスタのサイズが、他のトランジスタのサイズと異なる。このような構成により、電気的特性の向上の効果を得ることができる。サイズの異なる2つのトランジスタの組み合わせは、実施例1乃至実施例6で説明した組み合わせが適宜適用される。サイズの異なる2つのトランジスタの構造は、図7乃至図9に示されている。
[実施例8]
別の実施例を説明する。画素100の画素回路が3つの半導体基板に分かれて配置されることが、本実施例と実施例1乃至実施例7との相違点である。
図19は、画素100の構成を模式的に示すブロック図である。画素100の画素回路は、機能的に、複数の回路ブロックにより構成される。信号電荷処理回路10は、光電変換部で生じた信号電荷の蓄積、転送、排出を行う。差動対回路11は、差動対を構成するトランジスタ、および、差動対に電流を供給する電流源を含む。カレントミラー回路13は差動対回路11に流れる電流を制御する。差動対回路11およびカレントミラー回路13は、ADC回路の比較器を構成する。さらに、画素100の画素回路は、レベルシフタ回路250、メモリ回路260を含む。レベルシフタ回路250は、比較器から出力されるラッチ信号の振幅を小さくする。メモリ回路260は、比較器の出力するラッチ信号に基づいて、デジタル信号を保持する。典型的には、差動対回路11、カレントミラー回路13、および、メモリ回路260が、ADC回路を構成する。
各回路ブロックの詳細な構成は、実施例1と同じである。すなわち、図3が本実施例の画素100の等価回路図を示している。なお、不図示のランプ信号発生回路12が、ADC回路にランプ信号を供給する。また、本実施例の画素100は、正帰還回路14を含まない。そのため、比較器の出力ノードが、直接、レベルシフタ回路250に接続される。なお、実施例1のように、画素100が正帰還回路14を含んでもよい。正帰還回路14は、比較器の出力の反転を高速化する。換言すると、正帰還回路14は、比較器の出力が反転を開始したことに応じて、立ち上がり(または立ち下がり)のより速いパルスを生成する。
図19が示すように、光電変換部130、信号電荷処理回路10、および、差動対回路11が第1の半導体基板301(上部基板)に配される。カレントミラー回路13、および、レベルシフタ回路250が、第2の半導体基板302(中間基板)に配される。メモリ回路260は、第3の半導体基板303(下部基板)に配される。光源(被写体)に近い側から順に、第1の半導体基板301、第2の半導体基板302、および、第3の半導体基板303が積層される。
本実施例においては、入力トランジスタ160のサイズが、メモリ回路260のトランジスタのサイズと異なっている。それに加えて、レベルシフタ回路250のトランジスタのサイズが、メモリ回路260のトランジスタのサイズと異なっている。すなわち、第1の半導体基板301に配されたトランジスタのサイズと、第3の半導体基板303に配されたトランジスタのサイズが異なっている。さらに、第2の半導体基板302に配されたトランジスタのサイズと、第3の半導体基板303に配されたトランジスタのサイズが異なっている。サイズの異なる2つのトランジスタは、図7乃至図9に示されている。このような構成により、高い信頼性と高速動作の両立が可能である。
例えば、入力トランジスタ160のゲート絶縁膜104の膜厚toxが、メモリ回路260のトランジスタのゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きい。加えて、レベルシフタ回路250のトランジスタのゲート絶縁膜104の膜厚toxが、メモリ回路260のトランジスタのゲート絶縁膜104の膜厚toxより大きい。
差動対回路11やレベルシフタ回路250はアナログ回路であり、比較的高い電源電圧が供給される。そのため、高い耐圧が得られるように、トランジスタのゲート絶縁膜104の膜厚toxが大きいことが好ましい。一方、メモリ回路260などのデジタル回路は、アナログ回路に対して相対的に高速に動作することが多い。また、典型的には、アナログ回路の電源電圧より低い電源電圧が供給される。そのため、ゲート絶縁膜104の膜厚toxを小さくすることで、トランジスタが高速に動作することが好ましい。
このように、本実施例では、レベルシフタ回路250までの回路のトランジスタと、レベルシフタ回路250より後段の回路のトランジスタとが、異なる膜厚tozのゲート絶縁膜104を含む。そのため、高い信頼性と高速動作の両立が可能である。
さらに、入力トランジスタ160のサイズが、レベルシフタ回路250のトランジスタのサイズと異なっていてもよい。3つの半導体基板に分かれて画素回路が配置された場合、各半導体基板のトランジスタは、独立した製造プロセスにより形成される。したがって、3つの半導体基板のトランジスタが、互いに異なるサイズを有することにより、各半導体基板に対して最適なデザインルールを適用することができる。
以上に説明した通り、入力トランジスタ160のサイズが、メモリ回路260のトランジスタのサイズと異なっている。加えて、レベルシフタ回路250のトランジスタのサイズが、メモリ回路260のトランジスタのサイズと異なっている。このような構成により、高い信頼性と高速動作の両立が可能である。
もちろん、実施例1乃至実施例8の構成を、適宜、本実施例に組み合わせることで、実施例1乃至実施例8で説明した効果を得ることができる。
[実施例9]
サイズの異なる2つのトランジスタの組み合わせについて、他の例を説明する。本実施例の説明は、実施例1乃至実施例8のそれぞれに対して、変形例として適用される。
図20は、トランジスタAのサイズとトランジスタBのサイズとの関係を示す図である。チャネル長L、チャネル幅W、および、ゲート絶縁膜104の膜厚toxの関係が示されている。例えば、図20(a)の表は、トランジスタAのチャネル長Lが、トランジスタBのチャネル長Lよりも大きいことを意味している。また、空欄は、任意の関係であることを意味している。サイズの異なるサイズの2つのトランジスタの構造は、図7から図9に例示される。
1つの例では、図20(a)から図20(m)の各表において、トランジスタAが入力トランジスタ160である。この場合、トランジスタBは、電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、リセットトランジスタ150、参照トランジスタ170、および、電流源180を構成するトランジスタから選ばれるいずれかである。あるいは、トランジスタBは、ランプ信号発生回路12を構成するトランジスタ、カレントミラー回路13を構成するトランジスタ、正帰還回路14を構成するトランジスタ、または、レベルシフタ回路250を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、ラッチ回路151を構成するトランジスタ、カウンタ回路152を構成するトランジスタ、メモリセル153を構成するトランジスタ、または、読み出し回路110を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、水平走査回路108を構成するトランジスタ、比較回路135を構成するトランジスタ、出力回路136を構成するトランジスタ、または、オペアンプ159を構成するトランジスタである。ここで、上述のトランジスタおよび回路は、いずれも、実施例1乃至実施例8において同じ符号が付されたトランジスタおよび回路である。
別の例では、図20(a)から図20(m)の各表において、トランジスタAが電荷排出トランジスタ120である。この場合、トランジスタBは、転送トランジスタ140、リセットトランジスタ150、入力トランジスタ160、参照トランジスタ170、および、電流源180を構成するトランジスタから選ばれるいずれかである。あるいは、トランジスタBは、ランプ信号発生回路12を構成するトランジスタ、カレントミラー回路13を構成するトランジスタ、正帰還回路14を構成するトランジスタ、または、レベルシフタ回路250を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、ラッチ回路151を構成するトランジスタ、カウンタ回路152を構成するトランジスタ、メモリセル153を構成するトランジスタ、または、読み出し回路110を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、水平走査回路108を構成するトランジスタ、比較回路135を構成するトランジスタ、出力回路136を構成するトランジスタ、または、オペアンプ159を構成するトランジスタである。ここで、上述のトランジスタおよび回路は、いずれも、実施例1乃至実施例8において同じ符号が付されたトランジスタおよび回路である。
別の例では、図20(a)から図20(m)の各表において、トランジスタAが転送トランジスタ140である。この場合、トランジスタBは、電荷排出トランジスタ120、リセットトランジスタ150、入力トランジスタ160、参照トランジスタ170、および、電流源180を構成するトランジスタから選ばれるいずれかである。あるいは、トランジスタBは、ランプ信号発生回路12を構成するトランジスタ、カレントミラー回路13を構成するトランジスタ、正帰還回路14を構成するトランジスタ、または、レベルシフタ回路250を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、ラッチ回路151を構成するトランジスタ、カウンタ回路152を構成するトランジスタ、メモリセル153を構成するトランジスタ、または、読み出し回路110を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、水平走査回路108を構成するトランジスタ、比較回路135を構成するトランジスタ、出力回路136を構成するトランジスタ、または、オペアンプ159を構成するトランジスタである。ここで、上述のトランジスタおよび回路は、いずれも、実施例1乃至実施例8において同じ符号が付されたトランジスタおよび回路である。
別の例では、図20(a)から図20(m)の各表において、トランジスタAがリセットトランジスタ150である。この場合、トランジスタBは、電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、入力トランジスタ160、参照トランジスタ170、および、電流源180を構成するトランジスタから選ばれるいずれかである。あるいは、トランジスタBは、ランプ信号発生回路12を構成するトランジスタ、カレントミラー回路13を構成するトランジスタ、正帰還回路14を構成するトランジスタ、または、レベルシフタ回路250を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、ラッチ回路151を構成するトランジスタ、カウンタ回路152を構成するトランジスタ、メモリセル153を構成するトランジスタ、または、読み出し回路110を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、水平走査回路108を構成するトランジスタ、比較回路135を構成するトランジスタ、出力回路136を構成するトランジスタ、または、オペアンプ159を構成するトランジスタである。ここで、上述のトランジスタおよび回路は、いずれも、実施例1乃至実施例8において同じ符号が付されたトランジスタおよび回路である。
別の例では、図20(a)から図20(m)の各表において、トランジスタAが参照トランジスタ170である。この場合、トランジスタBは、電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、リセットトランジスタ150、入力トランジスタ160、および、電流源180を構成するトランジスタから選ばれるいずれかである。あるいは、トランジスタBは、ランプ信号発生回路12を構成するトランジスタ、カレントミラー回路13を構成するトランジスタ、正帰還回路14を構成するトランジスタ、または、レベルシフタ回路250を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、ラッチ回路151を構成するトランジスタ、カウンタ回路152を構成するトランジスタ、メモリセル153を構成するトランジスタ、または、読み出し回路110を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、水平走査回路108を構成するトランジスタ、比較回路135を構成するトランジスタ、出力回路136を構成するトランジスタ、または、オペアンプ159を構成するトランジスタである。ここで、上述のトランジスタおよび回路は、いずれも、実施例1乃至実施例8において同じ符号が付されたトランジスタおよび回路である。
別の例では、図20(a)から図20(m)の各表において、トランジスタAが電流源180を構成するトランジスタである。この場合、トランジスタBは、電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、リセットトランジスタ150、入力トランジスタ160、および、参照トランジスタ170から選ばれるいずれかである。あるいは、トランジスタBは、ランプ信号発生回路12を構成するトランジスタ、カレントミラー回路13を構成するトランジスタ、正帰還回路14を構成するトランジスタ、または、レベルシフタ回路250を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、ラッチ回路151を構成するトランジスタ、カウンタ回路152を構成するトランジスタ、メモリセル153を構成するトランジスタ、または、読み出し回路110を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、水平走査回路108を構成するトランジスタ、比較回路135を構成するトランジスタ、出力回路136を構成するトランジスタ、または、オペアンプ159を構成するトランジスタである。ここで、上述のトランジスタおよび回路は、いずれも、実施例1乃至実施例8において同じ符号が付されたトランジスタおよび回路である。
別の例では、図20(a)から図20(m)の各表において、トランジスタAがランプ信号発生回路12を構成するトランジスタである。この場合、トランジスタBは、電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、リセットトランジスタ150、入力トランジスタ160、参照トランジスタ170、および、電流源180を構成するトランジスタから選ばれるいずれかである。あるいは、トランジスタBは、カレントミラー回路13を構成するトランジスタ、正帰還回路14を構成するトランジスタ、または、レベルシフタ回路250を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、ラッチ回路151を構成するトランジスタ、カウンタ回路152を構成するトランジスタ、メモリセル153を構成するトランジスタ、または、読み出し回路110を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、水平走査回路108を構成するトランジスタ、比較回路135を構成するトランジスタ、出力回路136を構成するトランジスタ、または、オペアンプ159を構成するトランジスタである。ここで、上述のトランジスタおよび回路は、いずれも、実施例1乃至実施例8において同じ符号が付されたトランジスタおよび回路である。
別の例では、図20(a)から図20(m)の各表において、トランジスタAがカレントミラー回路13を構成するトランジスタである。この場合、トランジスタBは、電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、リセットトランジスタ150、入力トランジスタ160、参照トランジスタ170、および、電流源180を構成するトランジスタから選ばれるいずれかである。あるいは、トランジスタBは、ランプ信号発生回路12を構成するトランジスタ、正帰還回路14を構成するトランジスタ、または、レベルシフタ回路250を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、ラッチ回路151を構成するトランジスタ、カウンタ回路152を構成するトランジスタ、メモリセル153を構成するトランジスタ、または、読み出し回路110を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、水平走査回路108を構成するトランジスタ、比較回路135を構成するトランジスタ、出力回路136を構成するトランジスタ、または、オペアンプ159を構成するトランジスタである。ここで、上述のトランジスタおよび回路は、いずれも、実施例1乃至実施例8において同じ符号が付されたトランジスタおよび回路である。
別の例では、図20(a)から図20(m)の各表において、トランジスタAが正帰還回路14を構成するトランジスタである。この場合、トランジスタBは、電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、リセットトランジスタ150、入力トランジスタ160、参照トランジスタ170、および、電流源180を構成するトランジスタから選ばれるいずれかである。あるいは、トランジスタBは、ランプ信号発生回路12を構成するトランジスタ、カレントミラー回路13を構成するトランジスタ、または、レベルシフタ回路250を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、ラッチ回路151を構成するトランジスタ、カウンタ回路152を構成するトランジスタ、メモリセル153を構成するトランジスタ、または、読み出し回路110を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、水平走査回路108を構成するトランジスタ、比較回路135を構成するトランジスタ、出力回路136を構成するトランジスタ、または、オペアンプ159を構成するトランジスタである。ここで、上述のトランジスタおよび回路は、いずれも、実施例1乃至実施例8において同じ符号が付されたトランジスタおよび回路である。
別の例では、図20(a)から図20(m)の各表において、トランジスタAがレベルシフタ回路250を構成するトランジスタである。この場合、トランジスタBは、電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、リセットトランジスタ150、入力トランジスタ160、参照トランジスタ170、および、電流源180を構成するトランジスタから選ばれるいずれかである。あるいは、トランジスタBは、ランプ信号発生回路12を構成するトランジスタ、カレントミラー回路13を構成するトランジスタ、または、正帰還回路14を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、ラッチ回路151を構成するトランジスタ、カウンタ回路152を構成するトランジスタ、メモリセル153を構成するトランジスタ、または、読み出し回路110を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、水平走査回路108を構成するトランジスタ、比較回路135を構成するトランジスタ、出力回路136を構成するトランジスタ、または、オペアンプ159を構成するトランジスタである。ここで、上述のトランジスタおよび回路は、いずれも、実施例1乃至実施例8において同じ符号が付されたトランジスタおよび回路である。
別の例では、図20(a)から図20(m)の各表において、トランジスタAがラッチ回路151を構成するトランジスタである。この場合、トランジスタBは、電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、リセットトランジスタ150、入力トランジスタ160、参照トランジスタ170、および、電流源180を構成するトランジスタから選ばれるいずれかである。あるいは、トランジスタBは、ランプ信号発生回路12を構成するトランジスタ、カレントミラー回路13を構成するトランジスタ、正帰還回路14を構成するトランジスタ、または、レベルシフタ回路250を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、カウンタ回路152を構成するトランジスタ、メモリセル153を構成するトランジスタ、または、読み出し回路110を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、水平走査回路108を構成するトランジスタ、比較回路135を構成するトランジスタ、出力回路136を構成するトランジスタ、または、オペアンプ159を構成するトランジスタである。ここで、上述のトランジスタおよび回路は、いずれも、実施例1乃至実施例8において同じ符号が付されたトランジスタおよび回路である。
別の例では、図20(a)から図20(m)の各表において、トランジスタAがカウンタ回路152を構成するトランジスタである。この場合、トランジスタBは、電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、リセットトランジスタ150、入力トランジスタ160、参照トランジスタ170、および、電流源180を構成するトランジスタから選ばれるいずれかである。あるいは、トランジスタBは、ランプ信号発生回路12を構成するトランジスタ、カレントミラー回路13を構成するトランジスタ、正帰還回路14を構成するトランジスタ、または、レベルシフタ回路250を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、ラッチ回路151を構成するトランジスタ、メモリセル153を構成するトランジスタ、または、読み出し回路110を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、水平走査回路108を構成するトランジスタ、比較回路135を構成するトランジスタ、出力回路136を構成するトランジスタ、または、オペアンプ159を構成するトランジスタである。ここで、上述のトランジスタおよび回路は、いずれも、実施例1乃至実施例8において同じ符号が付されたトランジスタおよび回路である。
別の例では、図20(a)から図20(m)の各表において、トランジスタAがメモリセル153を構成するトランジスタである。この場合、トランジスタBは、電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、リセットトランジスタ150、入力トランジスタ160、参照トランジスタ170、および、電流源180を構成するトランジスタから選ばれるいずれかである。あるいは、トランジスタBは、ランプ信号発生回路12を構成するトランジスタ、カレントミラー回路13を構成するトランジスタ、正帰還回路14を構成するトランジスタ、または、レベルシフタ回路250を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、ラッチ回路151を構成するトランジスタ、カウンタ回路152を構成するトランジスタ、または、読み出し回路110を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、水平走査回路108を構成するトランジスタ、比較回路135を構成するトランジスタ、出力回路136を構成するトランジスタ、または、オペアンプ159を構成するトランジスタである。ここで、上述のトランジスタおよび回路は、いずれも、実施例1乃至実施例8において同じ符号が付されたトランジスタおよび回路である。
別の例では、図20(a)から図20(m)の各表において、トランジスタAが読み出し回路110を構成するトランジスタである。この場合、トランジスタBは、電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、リセットトランジスタ150、入力トランジスタ160、参照トランジスタ170、および、電流源180を構成するトランジスタから選ばれるいずれかである。あるいは、トランジスタBは、ランプ信号発生回路12を構成するトランジスタ、カレントミラー回路13を構成するトランジスタ、正帰還回路14を構成するトランジスタ、または、レベルシフタ回路250を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、ラッチ回路151を構成するトランジスタ、カウンタ回路152を構成するトランジスタ、または、メモリセル153を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、水平走査回路108を構成するトランジスタ、比較回路135を構成するトランジスタ、出力回路136を構成するトランジスタ、または、オペアンプ159を構成するトランジスタである。ここで、上述のトランジスタおよび回路は、いずれも、実施例1乃至実施例8において同じ符号が付されたトランジスタおよび回路である。
別の例では、図20(a)から図20(m)の各表において、トランジスタAが水平走査回路108を構成するトランジスタである。この場合、トランジスタBは、電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、リセットトランジスタ150、入力トランジスタ160、参照トランジスタ170、および、電流源180を構成するトランジスタから選ばれるいずれかである。あるいは、トランジスタBは、ランプ信号発生回路12を構成するトランジスタ、カレントミラー回路13を構成するトランジスタ、正帰還回路14を構成するトランジスタ、または、レベルシフタ回路250を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、ラッチ回路151を構成するトランジスタ、カウンタ回路152を構成するトランジスタ、メモリセル153を構成するトランジスタ、または、読み出し回路110を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、比較回路135を構成するトランジスタ、出力回路136を構成するトランジスタ、または、オペアンプ159を構成するトランジスタである。ここで、上述のトランジスタおよび回路は、いずれも、実施例1乃至実施例8において同じ符号が付されたトランジスタおよび回路である。
別の例では、図20(a)から図20(m)の各表において、トランジスタAが比較回路135を構成するトランジスタである。この場合、トランジスタBは、電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、リセットトランジスタ150、入力トランジスタ160、参照トランジスタ170、および、電流源180を構成するトランジスタから選ばれるいずれかである。あるいは、トランジスタBは、ランプ信号発生回路12を構成するトランジスタ、カレントミラー回路13を構成するトランジスタ、正帰還回路14を構成するトランジスタ、または、レベルシフタ回路250を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、ラッチ回路151を構成するトランジスタ、カウンタ回路152を構成するトランジスタ、メモリセル153を構成するトランジスタ、または、読み出し回路110を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、水平走査回路108を構成するトランジスタ、出力回路136を構成するトランジスタ、または、オペアンプ159を構成するトランジスタである。ここで、上述のトランジスタおよび回路は、いずれも、実施例1乃至実施例8において同じ符号が付されたトランジスタおよび回路である。
別の例では、図20(a)から図20(m)の各表において、トランジスタAが出力回路136を構成するトランジスタである。この場合、トランジスタBは、電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、リセットトランジスタ150、入力トランジスタ160、参照トランジスタ170、および、電流源180を構成するトランジスタから選ばれるいずれかである。あるいは、トランジスタBは、ランプ信号発生回路12を構成するトランジスタ、カレントミラー回路13を構成するトランジスタ、正帰還回路14を構成するトランジスタ、または、レベルシフタ回路250を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、ラッチ回路151を構成するトランジスタ、カウンタ回路152を構成するトランジスタ、メモリセル153を構成するトランジスタ、または、読み出し回路110を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、水平走査回路108を構成するトランジスタ、比較回路135を構成するトランジスタ、または、オペアンプ159を構成するトランジスタである。ここで、上述のトランジスタおよび回路は、いずれも、実施例1乃至実施例8において同じ符号が付されたトランジスタおよび回路である。
別の例では、図20(a)から図20(m)の各表において、トランジスタAが、オペアンプ159を構成するトランジスタである。この場合、トランジスタBは、電荷排出トランジスタ120、転送トランジスタ140、リセットトランジスタ150、入力トランジスタ160、参照トランジスタ170、および、電流源180を構成するトランジスタから選ばれるいずれかである。あるいは、トランジスタBは、ランプ信号発生回路12を構成するトランジスタ、カレントミラー回路13を構成するトランジスタ、正帰還回路14を構成するトランジスタ、または、レベルシフタ回路250を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、ラッチ回路151を構成するトランジスタ、カウンタ回路152を構成するトランジスタ、メモリセル153を構成するトランジスタ、または、読み出し回路110を構成するトランジスタである。あるいは、トランジスタBは、水平走査回路108を構成するトランジスタ、比較回路135を構成するトランジスタ、または、出力回路136を構成するトランジスタである。ここで、上述のトランジスタおよび回路は、いずれも、実施例1乃至実施例8において同じ符号が付されたトランジスタおよび回路である。
上述の各例において、実施例1のように、トランジスタAとトランジスタBとは同じ半導体基板に形成されてもよい。あるいは、上述の各例において、トランジスタAとトランジスタBとは、互いに異なる半導体基板に形成されてもよい。
トランジスタのサイズが異なることによって、次の効果を得ることができる。チャネル幅Wが大きいことにより、1/fノイズの低減、閾値電圧のばらつきの低減、入力トランジスタ160として用いられたときの熱雑音によるノイズの低減(相互コンダクタンスgmの増加)などの効果が得られる。
一方、チャネル幅Wが小さいことにより、高速動作、入力トランジスタ160として用いられたときの電荷電圧変換係数の向上、参照トランジスタ170として用いられたときのノイズの低減(相互コンダクタンスgmの低下)などの効果が得られる。
チャネル長Lが大きいことにより、1/fノイズの低減、閾値電圧のばらつきの低減、参照トランジスタ170として用いたときのノイズの低減(相互コンダクタンスgmの低下)などの効果が得られる。
一方、チャネル長Lが小さいことにより、高速動作、入力トランジスタ160として用いられたときの電荷電圧変換係数の向上、および、熱雑音によるノイズの低減(相互コンダクタンスgmの増加)などの効果が得られる。
ゲート絶縁膜104の膜厚toxが大きいことにより、耐圧の向上、参照トランジスタ170として用いたときのノイズの低減(相互コンダクタンスgmの低下)などの効果が得られる。
一方、ゲート絶縁膜104の膜厚toxが小さいことにより、高速動作、入力トランジスタ160として用いられたときの熱雑音によるノイズの低減(相互コンダクタンスgmの増加)などの効果が得られる。
[実施例10]
撮像システムの実施例について説明する。撮像システムとして、デジタルスチルカメラ、デジタルカムコーダ、カメラヘッド、複写機、ファックス、携帯電話、スマートフォン、車載カメラ、観測衛星などがあげられる。図21に、撮像システムの例としてデジタルスチルカメラのブロック図を示す。
図21において、1001はレンズの保護のためのバリアである。1002は被写体の光学像を撮像装置1004に結像させるレンズである。1003はレンズ1002を通った光量を可変するための絞りである。撮像装置1004には、上述の実施例1乃至実施例4のいずれかで説明した撮像装置が用いられる。
1007は撮像装置1004より出力された画素信号に対して、補正やデータ圧縮などの処理を行い、画像信号を取得する信号処理部である。そして、図21において、1008は撮像装置1004および信号処理部1007に、各種タイミング信号を出力するタイミング発生部、1009はデジタルスチルカメラ全体を制御する全体制御部である。1010は画像データを一時的に記憶する為のフレームメモリ部である。1011は記録媒体に記録または読み出しを行うためのインターフェース部である。1012は撮像データの記録または読み出しを行う為の半導体メモリ等の着脱可能な記録媒体である。1013は外部コンピュータ等と通信する為のインターフェース部である。
なお、撮像システムは少なくとも撮像装置1004と、撮像装置1004から出力された画素信号を処理する信号処理部1007とを有すればよい。その場合、他の構成はシステムの外部に配される。
以上に説明した通り、撮像システムの実施例において、撮像装置1004には、実施例1乃至実施例9のいずれかの光電変換装置が用いられる。このような構成によれば、撮像システムの電気的特性を向上させることができる。
[実施例11]
移動体の実施例について説明する。本実施例の移動体は、車載カメラを備えた自動車である。図22(a)は、自動車2100の外観と主な内部構造を模式的に示している。自動車2100は、撮像装置2102、撮像システム用集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)2103、警報装置2112、主制御部2113を備える。
撮像装置2102には、上述の各実施例で説明した撮像装置が用いられる。警報装置2112は、撮像システム、車両センサ、制御ユニットなどから異常を示す信号を受けたときに、運転手へ向けて警告を行う。主制御部2113は、撮像システム、車両センサ、制御ユニットなどの動作を統括的に制御する。なお、自動車2100が主制御部2113を備えていなくてもよい。この場合、撮像システム、車両センサ、制御ユニットが個別に通信インターフェースを有して、それぞれが通信ネットワークを介して制御信号の送受を行う(例えばCAN規格)。
図22(b)は、自動車2100のシステム構成を示すブロック図である。自動車2100は、第1の撮像装置2102と第2の撮像装置2102を含む。つまり、本実施例の車載カメラはステレオカメラである。撮像装置2102には、光学部2114により被写体像が結像される。撮像装置2102から出力された画素信号は、画像前処理部2115によって処理され、そして、撮像システム用集積回路2103に伝達される。画像前処理部2115は、S-N演算や、同期信号付加などの処理を行う。
撮像システム用集積回路2103は、画像処理部2104、メモリ2105、光学測距部2106、視差演算部2107、物体認知部2108、異常検出部2109、および、外部インターフェース(I/F)部2116を備える。画像処理部2104は、画素信号を処理して画像信号を生成する。また、画像処理部2104は、画像信号の補正や異常画素の補完を行う。メモリ2105は、画像信号を一時的に保持する。また、メモリ2105は、既知の撮像装置2102の異常画素の位置を記憶していてもよい。光学測距部2106は、画像信号を用いて被写体の合焦または測距を行う。視差演算部2107は、視差画像の被写体照合(ステレオマッチング)を行う。物体認知部2108は、画像信号を解析して、自動車、人物、標識、道路などの被写体の認知を行う。異常検出部2109は、撮像装置2102の故障、あるいは、誤動作を検知する。異常検出部2109は、故障や誤動作を検知した場合には、主制御部2113へ異常を検知したことを示す信号を送る。外部I/F部2116は、撮像システム用集積回路2103の各部と、主制御部2113あるいは種々の制御ユニット等との間での情報の授受を仲介する。
自動車2100は、車両情報取得部2110および運転支援部2111を含む。車両情報取得部2110は、速度・加速度センサ、角速度センサ、舵角センサ、測距レーダ、圧力センサなどの車両センサを含む。
運転支援部2111は、衝突判定部を含む。衝突判定部は、光学測距部2106、視差演算部2107、物体認知部2108からの情報に基づいて、物体との衝突可能性があるか否かを判定する。光学測距部2106や視差演算部2107は、対象物までの距離情報を取得する距離情報取得手段の一例である。すなわち、距離情報とは、視差、デフォーカス量、対象物までの距離等に関する情報である。衝突判定部はこれらの距離情報のいずれかを用いて、衝突可能性を判定してもよい。距離情報取得手段は、専用に設計されたハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアモジュールによって実現されてもよい。
運転支援部2111が他の物体と衝突しないように自動車2100を制御する例を説明したが、他の車両に追従して自動運転する制御や、車線からはみ出さないように自動運転する制御などにも適用可能である。
自動車2100は、さらに、エアバッグ、アクセル、ブレーキ、ステアリング、トランスミッション等の走行に用いられる駆動部を具備する。また、自動車2100は、それらの制御ユニットを含む。制御ユニットは、主制御部2113の制御信号に基づいて、対応する駆動部を制御する。
本実施例に用いられた撮像システムは、自動車に限らず、例えば、船舶、航空機あるいは産業用ロボットなどの移動体(移動装置)に適用することができる。加えて、移動体に限らず、高度道路交通システム(ITS)等、広く物体認識を利用する機器に適用することができる。
以上に説明した通り、自動車の実施例において、撮像装置2102には、実施例1乃至実施例9のいずれかの光電変換装置が用いられる。このような構成によれば、撮像装置を備えた移動体において、撮像装置の電気的特性を向上させることができる。