JP7079979B2 - 注水機能付き吸引装置 - Google Patents

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Description

本発明は、注水機能付き吸引装置に関し、詳細には外科脳手術等の医療分野に使用される注水機能付き吸引装置に関する。
脳または外傷等の外科手術等の際に、人体または動物の脳内、外傷内部等の患部にたまった血液、体液、髄液、骨片等を排出する作業と、前記患部に注水して患部を洗浄する作業が生じることがある。
前記外科手術等に使用される医療用機械器具として、注水機能付き吸引装置が使用されている。
前記注水機能付き吸引装置は、人体または動物の脳内、外傷内部等の患部にたまった血液等を排出する機能と、前記患部に注水して患部を洗浄する機能とを一つの本体に併せ持つ。
前記注水機能付き吸引装置を使えば、術者は、一方の手にメスまたは鉗子等の手術器具を持ち、他方の手に前記注水機能付き吸引装置を持って患部の洗浄と吸引を繰り返することができる。
特に難しい手術の際に、どの時点で患部の吸引を行い、どの時点で患部の洗浄を行うかの判断は、術者以外の補助者には難しい。
前記注水機能付き吸引装置であれば術者は自らの判断により、片手で前記注水機能付き吸引装置を操作できる。術者は補助者による吸引洗浄操作がない場合でも、前記注水機能付き吸引装置を使って円滑に患部の外科手術を実施できる。
上記の背景から、これまで多数の前記注水機能付き吸引装置が提案されている。
第一の先行技術は、トランペットバルブと呼ばれる、注水吸引経路の長手方向に対して垂直方向に複数のバルブが設置された注水機能付き吸引装置である(特許文献1)。前記トランペットバルブを指で押せば、注水機能と吸引機能とを切り替えることができる。
前記トランペットバルブを備えた注水機能付き吸引装置の場合、術者は注水操作と吸引操作とを切り替える際に、二本以上の指で上下にトランペットバルブを押す必要がある。
しかし前記トランペットバルブを指で上下に押す時に、前記注水吸引経路の先端が上下に動きやすくなる。このため前記トランペットバルブを備えた注水機能付き吸引装置では精密な手術が難しくなる問題があった。
第二の先行技術は、吸引管本体外部に注水経路を併設して前記吸引管本体の側孔に合流させ、前記吸引管本体の先端から注水と吸引とができる構造を持つ注水機能付き吸引装置である(特許文献2)。
前記注水機能付き吸引装置は、前記注水経路に接続された注水チューブを押しつぶすためのバルブが備えられている。また注水チューブは注水管から水が供給されていて、バルブを指で押せば注水チューブが押しつぶされて注水を中止でき、バルブを開けば注水を再開できる。
また前記注水機能付き吸引装置の吸引管本体は、大気につながる開孔部を有している。前記開孔部を指で塞いだり、指を離したりして前記注水機能付き吸引装置の吸引の調整が可能である。
しかし滅菌処理した注水チューブは押しつぶした際に、押しつぶされた部分が密着しやすく、押しつぶされた形状から元の形状に戻り難い問題があった。また繰り返し注水チューブを押しつぶす操作を繰り返すと注水チューブが破断し、手術中に前記注水機能付き吸引装置の修理、交換作業が発生する可能性もあった。
前記第一と第二の先行技術の問題に対応する第三の先行技術も提案されている(特許文献3および4)。
図20および図21は、第三の先行技術に係る注水機能付き吸引装置200の模式断面図である。
前記第三の先行技術に開示された注水機能付き吸引装置200は、吸引装置本体202を備える。この吸引装置本体202内部に吸引経路210と注水経路212が設置されている。
また前記吸引装置本体202に可撓管220が設置されている。前記可撓管220の先端222では吸引または注水が可能であり、患者の患部から血液等を除去したり、患者の患部を洗浄したりできる。
前記吸引装置本体202には、前記可撓管220に対して前記吸引経路210を接続するか、または前記可撓管220に対して前記注水経路212を接続するかを切り替えることができる回転バルブ230が設置されている。
前記吸引装置本体202の上部には回転レバー240が設置されている。前記回転レバー240は回転バルブ230との連動機構を有していて、前記回転レバー240を指で押せば、前記回転バルブ230が反時計回りに回転する(図21参照)。逆に前記回転レバー240を指で押するのをやめると、前記回転バルブ230は時計回りに回転して元の状態に戻る(図20参照)。
図20および図21から明らかなように、前記注水機能付き吸引装置200は同時には注水および吸引をしないゼロ点を経由して、注水機能又は吸引機能がそれぞれ達成される。
また前記回転レバー240にはフレキシブルチューブ232が接続されていて、凹状の吸引圧微調整孔234が設置されている。前記吸引圧微調整孔234を通じて前記引経路210は大気に開放されている。
前記吸引圧微調整孔234を指で塞いだり、指を離したりして吸引力の調整もできる。
前記第一と第二の先行技術では、それぞれの場合で注水機能付き吸引装置を使う際に同時に二箇所以上のバルブを制御することが求められた。
これに対して第三の先行技術の場合は、一つの回転レバー240を操作すれば吸引または注水を交互に切り替えることができるので使いやすい。
また前記可撓管220と前記吸引経路210に接続される吸引管(図示せず)とは直線状に連結されている。
このため前記可撓管から吸引した破骨等の固体は前記吸引管の内部を通って、前記吸引装置本体202の外側へ速やかに排出される。第三の先行技術の構造であれば、前記吸引装置本体202の内部に固体が滞留することが少なく、前記可撓管220から吸引した破骨等により前記吸引管内部が詰まることも防止できる。
特に図示していないが、前記第三の先行技術では、一つの回転バルブ230により注水と吸引とを切り替える技術以外にも、回転バルブ230とピストンバルブとを組み合わせて注水と吸引とを切り替える技術も開示されている。
さらに前記第三の先行技術では、前記吸引経路210と前記注水経路212とのそれぞれの長手方向に対して直交する方向に導通経路を設置し、ピストンバルブによりこの導通経路を上下させる技術も開示されている。
前記ピストンバルブの上下移動により、前記吸引経路210と前記注水経路212とが互いに連通すると注水可能となる。
逆に前記ピストンバルブの上下移動により前記導通経路が導通位置を離れ、前記吸引経路210と前記注水経路212とが遮断されると、注水が止まる。
このピストンバルブの動作に合わせて、吸引経路210側の吸引力を回転バルブ240により調整する機構も前記第三の先行技術に開示されている。
米国特許第9259519号公報 公開実用新案公報平2ー86560 特許公開公報特開2001-245967 特許第4330753号
本発明者らが前記第三の先行技術に代表される注水機能付き吸引装置を検討したところ、前記注水機能付き吸引装置を使用した際に、吸引装置本体から液漏れが生じる問題があることに気が付いた。
特に吸引装置本体から液漏れが連続して生じると、吸引時に漏れた液体が吸引経路を通って注水機能付き吸引装置外部へ排出されるため、準備した液体が予定使用量を超えて大幅に減少する。
本発明者らはこの液漏れ問題を解決するために、注水機能付き吸引装置の改良を検討したり、液体が漏れる部分にゴムパッキンを設置したりして液漏れ問題の解決に取り組んだ。
しかし改良のために相当の試行錯誤を重ねたが、残念ながら今日に至るまで前記液漏れ問題は、従来知られている注水機能付き吸引装置の構造では解決できていない。
本発明の目的は、液漏れのない注水機能付き吸引装置を提供することにある。
可動部分から液漏れがあれば、液漏れが生じている可動部分そのものに対して液漏れの対策を検討するのが通常である。
本発明者らが上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねたところ、逆転の発想により、注水機能付き吸引装置の注水経路の上流に閉塞弁を設置する点に気が付いた。ここで注水経路の上流とは、注水経路のうち、吸引装置本体に液体が流入してくる側を指す。
注水経路の上流に閉塞弁を設置すれば、注水経路が閉鎖されると、前記閉塞弁よりも下流にある吸引装置本体内の各機構に水圧が掛かることを防止できることを本発明者らは見出した。
加えて、吸引経路の挿通と閉鎖を切り替える第一の切替機構を第一の区画に設置し、
回転レバーの開閉運動を前記注水経路の長手方向に沿った直線運動に変換する変換機構を第二の区画に設置すれば、
前記注水経路と接する前記変換機構の動作中に仮に液漏れが生じたとしても第二の区画から第一の区画へ直接漏れた液が到達する経路を遮断できる。
これらの第一の区画と第二の区画に各機構を分けて設置すれば、液漏れが生じやすい前記変換機構から漏れた液が際限なく吸引経路側に吸い取られ続けることを防止できることを本発明者らは見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
[1]吸引装置本体と、
前記吸引装置本体に対して開閉可能に設置された回転レバーと、
前記吸引装置本体に設置された吸引経路と、
前記吸引装置本体に設置された注水経路と、
近位端が前記吸引装置本体に取りつけられ、かつ遠位端が患部に向けられるための一本の可撓管と、
前記吸引経路と前記可撓管とを連通させるか、または閉鎖させるかのいずれかに切り替える、回転弁を含む第一の切替機構と、
前記注水経路と前記可撓管とを連通させるか、または閉鎖させるかのいずれかに切り替える、閉塞弁を含む第二の切替機構と、
前記回転レバーの開閉運動を、回転ドラムの回転運動により、前記注水経路の長手方向に沿った直線運動に変換して前記閉塞弁を動作させる変換機構と、
を備え、
前記第一の切替機構により前記吸引経路と前記可撓管とが連通すると、前記第二の切替機構および前記変換機構により前記注水経路が閉鎖され、
前記第一の切替機構により前記吸引経路が閉鎖すると、前記第二の切替機構および前記変換機構により前記注水経路と前記可撓管とが連通され、
前記第一の切替機構が、前記吸引装置本体内の第一の区画に設置され、
前記第二の切替機構および前記変換機構が、前記吸引装置本体内の第二の区画に設置され、
前記変換機構に含まれる、前記注水経路の長手方向に沿って直線運動する部分が、前記注水経路内に設置され、
前記注水経路が、
前記注水経路の長手方向に沿った直線に対する垂直面を基準として、
前記第一の切替機構に含まれる回転弁および前記変換機構に含まれる回転ドラムの双方よりも前記可撓管側の位置で、前記吸引経路と接続し、
前記第二の切替機構に含まれる閉塞弁が、
前記注水経路の長手方向に沿った直線に対する垂直面を基準として、
前記第一の切替機構に含まれる回転弁および前記変換機構に含まれる回転ドラムの双方よりも、前記可撓管とは反対側の位置に配置されていることを特徴とする、注水機能付き吸引装置を提供するものである。
また、本発明の一つは、
[2]前記第二の切替機構により前記注水経路が閉鎖されると、大気との連絡通路が、前記変換機構に対して保持される、上記[1]に記載の注水機能付き吸引装置を提供するものである。
また、本発明の一つは、
[3]前記第二の切替機構が、
前記注水経路を閉鎖する閉塞弁と、
前記変換機構の動作に連動して、前記閉塞弁に対して前記注水経路の長手方向に沿って直線運動する注水経路内連結部材と、
を備え、
前記注水経路内連結部材の直線運動中に、前記閉塞弁の移動と停止を制御する機構を備えた、上記[1]または[2]に記載の注水機能付き吸引装置を提供するものである。
また、本発明の一つは、
[4]前記回転レバーに可動に連結された第一の開閉連結部材および第二の開閉連結部材と、
前記第一の開閉連結部材に可動に連結された第一の回転連結部材と、
前記第二の開閉連結部材に可動に連結された第二の回転連結部材と、
第一の回転連結部材に可動に連結された回転弁と、
第二の回転連結部材に可動に連結された回転ドラムと、
を備え、
前記注水経路内連結部材が、前記回転ドラムと可動に連結され、
前記第一の開閉連結部材による前記第一の区画内への挿入動作に連動して、前記回転弁が、回転して前記吸引経路を閉鎖し、
前記第二の開閉連結部材による前記第二の区画内への挿入動作に連動して、前記回転ドラムが、回転して前記注水経路を連通し、
前記吸引経路の閉鎖に続いて、前記注水経路が連通される機構と、
前記回転弁が、前記第一の開閉連結部材による前記第一の区画内からの引き抜き操作に連動して、回転して前記吸引経路を連通し、
前記回転ドラムが、前記第二の開閉連結部材による前記第二の区画内からの引き抜き操作に連動して、回転して前記注水経路を閉鎖し、
前記注水経路の閉鎖に続いて、前記吸引経路が連通される機構と、
を備えた、上記[1]~[3]のいずれかに記載の注水機能付き吸引装置を提供するものである。
また、本発明の一つは、
[5]前記注水経路内連結部材が、閉塞弁押出部と、閉塞弁引き戻し部とを備え、
前記閉塞弁が、閉塞部と、開孔側面と、注水経路内連結部材接触部と備え、
前記閉塞弁押出部と前記閉塞弁引き戻し部とが、互いに間隔をあけて前記注水経路内連結部材に設置され、
前記注水経路内連結部材が、前記吸引装置本体の可撓管設置側とは反対側に移動すると、
前記注水経路内連結部材の閉塞弁押出部が前記閉塞弁の注水経路内連結部材接触部に接触し、前記閉塞弁が前記吸引装置本体の可撓管設置側とは反対側に押し出されて、前記閉塞弁による前記注水経路に対する閉塞が解除され、前記閉塞弁の開孔側面が、前記吸引装置本体の可撓管設置側とは反対側の前記注水経路内に露出して、前記注水経路が連通し、
前記注水経路内連結部材が、前記吸引装置本体の可撓管設置側に移動すると、
前記注水経路内連結部材の閉塞弁引き戻し部が前記閉塞弁の注水経路内連結部材接触部に接触し、前記閉塞弁が前記吸引装置本体の可撓管設置側に引き戻されて、前記閉塞弁により前記注水経路が閉鎖される、上記[1]~[4]のいずれかに記載の注水機能付き吸引装置を提供するものである。
また、本発明の一つは、
[6]前記閉塞弁が、弾性体の反発力により、前記吸引装置本体の外部側から、前記吸引装置本体側へ押され、
前記注水経路内連結部材の直線運動中に、
前記注水経路内連結部材の閉塞弁押出部と、前記閉塞弁の注水経路内連結部材接触部との間に間隔があると、
前記閉塞弁が、前記注水経路を閉鎖した状態を保つ、上記[1]~[5]のいずれかに記載の注水機能付き吸引装置を提供するものである。
また、本発明の一つは、
[7]前記回転レバーが、窪み部と、調整孔と、回転レバーを連通する導通路とを有し、
前記調整孔が、前記回転レバーの外面の窪み部に設置され、
前記導通路の一端が、前記調整孔に接続され、
前記導通路の他端が、可撓管を介して前記吸引経路に接続された、上記[1]~[6]のいずれかに記載の注水機能付き吸引装置を提供するものである。
また、本発明の一つは、
[8]第一の開閉連結部材および第二の開閉連結部材のそれぞれが、
開閉連結部材本体部と、
前記開閉連結部材本体部の両端に設置された曲面部とを備え、
前記開閉連結部材本体部の長手方向に対する垂直断面を基準として、
前記曲面部のそれぞれの最大断面が、前記開閉連結部材本体部の最大断面よりも大きく、
前記開閉連結部材本体部の長手方向から観察した際に、
前記開閉連結部材本体部の最大断面が、前記曲面部のそれぞれの最大断面内にある、上記[4]に記載の注水機能付き吸引装置を提供するものである。
また、本発明の一つは、
[9]前記回転弁が、中空部と、前記回転弁の内部に設置された空洞と、前記空洞と前記回転弁の外部とを連通する通気孔とを有し、
前記空洞と前記通気孔とが、前記中空部と前記回転弁内部で連通せず、
前記通気孔が、前記吸引経路と前記可撓管とが閉鎖した際に、前記吸引経路に露出する、上記[1]または[4]に記載の注水機能付き吸引装置を提供するものである。
従来技術のように、吸引経路と可撓管との間の連通または閉鎖を制御する従来の切替機構と、注水経路と可撓管との間の連通または閉鎖を制御する従来の切替機構とが同じ区画に設置されると、注水経路と可撓管との間の連通または閉鎖を制御する従来の切替機構から液漏れが発生した場合に、際限なく漏れた液が吸引経路に連続的に吸い取られる。この結果、脳外科手術等に必要となる液剤の多大な浪費を招く。
これに対し、本発明の注水機能付き吸引装置の場合は、前記吸引経路と前記可撓管との間の連通または閉鎖を制御する切替機構に対して、
前記注水経路と前記可撓管との間の連通または閉鎖を制御する切替機構、ならびに前記回転レバーの開閉運動を前記注水経路の長手方向に沿った直線運動に変換する変換機構とを同じ区画に設置していない。
このため、前記注水経路と前記可撓管との間の連通または閉鎖を制御する切替機構に仮に液漏れが発生した場合でも、漏れた液が直接吸引経路に吸い取られることを防止できる。
また従来技術のように、回転バルブにより水圧が掛かる注水経路の連通と閉鎖とを制御したり、吸引経路と注水経路との間をピストンバルブにより導通路を上下させて、水圧が掛かる注水経路の連通と閉鎖とを制御する構造の場合、可動部材を水密構造にする必要がある。
ところが可動部材の工作精度を高めて可動部材の隙間を極限まで減らして水密構造にするか、または、漏水防止部材を前記可動部材の周囲に配置して水密構造にした場合には、前記可動部材の円滑な駆動動作が妨げられる。
そうすると任意の位置で回転レバーを止めて吸引量と注水量を術者が微調整することが極めて困難となる。
これに対して、本発明の注水機能付き吸引装置の場合は、水圧が掛かる注水経路の連通と閉鎖とを制御する第二の切替機構に含まれる閉塞弁が、注水経路上流、すなわち、前記吸引装置本体のうち、前記第一の切替機構および前記変換機構の双方よりも、前記可撓管とは反対側の位置に配置されている。
前記注水経路が閉鎖されるときには、前記第二の切替機構に含まれる閉塞弁が、前記注水経路上流で、第一の切替機構および前記変換機構に対する液流を遮断する。
この結果、前記注水経路が閉鎖されたときでも、第一の切替機構および前記変換機構に対して水圧がかかることを防止できる。
従って、前記注水経路が閉鎖されたときに、本発明における可動部材からの液漏れを防止できる。
また本発明の注水機能付き吸引装置の場合は、前記注水経路が前記吸引経路に対して、前記第一の切替機構および前記変換機構の双方よりも下流の位置で接続している。
前記注水経路と前記可撓管が連通されて、液体が流れる際は、液体は前記可撓管の一端側から外部へ排出されるから、過剰な水圧が、前記吸引経路にある第一の切替機構および前記変換機構に及ぶことを軽減でき、前記第一の切替機構からの液漏れを防止できる。
次に本発明の注水機能付き吸引装置は、前記吸引経路と前記可撓管が連通されて、前記注水経路が閉塞弁により閉鎖されると、前記閉塞弁から前記吸引経路の接続部を通って前記可撓管先端までの連絡通路が形成される。
前記可撓管先端は大気と通じているので、前記注水経路が閉塞弁により閉鎖された後は、前記注水経路と接する前記変換機構や第二の切替機構に水圧が掛かることが事実上なく、前記吸引装置本体からの液漏れを防止できる。
次に本発明の注水機能付き吸引装置は、前記注水経路内連結部材の直線運動中に、前記閉塞弁を移動させるか、または停止させるかのいずれかに切り替えることができる。
前記回転レバーの閉じる動作に合わせて前記注水経路内連結部材が前記注水経路内で直線運動をする場合でも、前記吸引経路が閉鎖されるまでは前記閉塞弁を前記注水経路が閉鎖される位置に保つことができる。
図1は、実施形態1に係る注水機能付き吸引装置100を説明するための模式斜視図である。 図2は、実施形態1に係る注水機能付き吸引装置100を説明するための模式側面図である。 図3は、実施形態1に係る注水機能付き吸引装置100を説明するための模式側面図である。 図4は、実施形態1に係る注水機能付き吸引装置100を説明するための模式部分正面図である。 図5は、実施形態1に係る注水機能付き吸引装置100を説明するための模式背面斜視図である。 図6は、吸引経路と可撓管とを連通させる第一の切替機構を説明するための模式部分断面図である。 図7は、吸引経路と可撓管とを閉鎖させる第一の切替機構を説明するための模式部分断面図である。 図8は、吸引装置本体を可撓管設置側から見た状態を示す模式斜視図である。 図9は、第一の開閉連結部材、第一の回転連結部材および回転弁との連動関係を説明するための模式部分図である。 図10は、第一の開閉連結部材、第一の回転連結部材および回転弁との連動関係を説明するための模式部分図である。 図11は、注水経路と可撓管とを閉鎖させた状態の第二の切替機構を説明するための模式部分断面図である。 図12は、注水経路と可撓管とを連通させた状態の第二の切替機構を説明するための模式部分断面図である。 図13は、吸引装置本体を可撓管設置側とは反対側から見た状態を示す模式斜視図である。 図14は、第二の開閉連結部材、第二の回転連結部材および回転ドラムとの連動関係を説明するための模式部分図である。 図15は、第二の開閉連結部材、第二の回転連結部材および回転ドラムとの連動関係を説明するための模式部分図である。 図16は、実施形態2の注水経路と可撓管とを閉鎖させた状態の第二の切替機構を説明するための模式断面図である。 図17は、実施形態2の注水経路と可撓管とを連通させた状態の第二の切替機構を説明するための模式断面図である。 図18は、実施形態3に係る注水機能付き吸引装置に使用される回転弁の模式斜視図である。 図19は、回転弁の機能を説明するための模式部分断面図である。 図20は、第三の先行技術に係る注水機能付き吸引装置の模式断面図である。 図21は、第三の先行技術に係る注水機能付き吸引装置の模式断面図である。
[発明の実施形態1]
以下に図面を参照しつつ、本発明の一つの実施形態について説明する。
図1は、実施形態1に係る注水機能付き吸引装置100を説明するための模式斜視図である。
また図2および図3は、実施形態1に係る注水機能付き吸引装置100を説明するための模式側面図である。
本発明の実施形態1に係る注水機能付き吸引装置100は、吸引装置本体10に回転レバー20が開閉接続部11により開閉可能に連結されている。前記吸引装置本体10と前記回転レバー20との間には、ねじりバネ等の弾性反発手段15(図5参照)が設置されていて、前記弾性反発手段15により、前記回転レバー20は開いた状態を維持することができる。
図1および図2は前記回転レバー20が開いた状態を示し、図3は、前記回転レバー20を指で押す等の外力を加える操作により、前記回転レバー20が閉じた状態を示す。
前記吸引装置本体10には、近位端31が前記吸引装置本体10側に取りつけられ、かつ遠位端32が患部に向けられるための一本の可撓管30が、接続管33を介して着脱可能に接続されている。
前記可撓管30は内部が空洞であり、液体、気体等がその内部を自由に通過できる。
また前記可撓管30は自由に曲げることができ、曲げられた状態により一定の形状を維持できる。なお図1~3に示した前記可撓管30は、遠位端32に開孔部が設置されているが、前記開孔部は前記可撓管30の側面に設置されてもよい。
また前記可撓管30は、管経が太いもの、細いもの等に、目的に応じて取り替えることができる。
前記吸引装置本体10には、前記注水機能付き吸引装置100を持つ際に指を添える場所として、窪み部12が設置されている。
前記窪み部12を設置することにより、前記注水機能付き吸引装置100を容易に保持できるようになり、前記可撓管30を一定の位置に保つことが容易となる。
前記吸引装置本体10には、注水管40および吸引管50が、それぞれ接続されている。
前記注水管40には、注水用フレキシブルチューブ(図示せず)を接続するための注水接続部40a,40bが設置されている。
前記注水用フレキシブルチューブおよび前記注水管40を通して、水、蒸留水、滅菌水、生理用食塩水、薬剤水溶液等の少なくとも一種の液体を、前記吸引装置本体10に導入できる。
前記吸引装置本体10に前記液体を導入する手段としては、例えば、前記注水用フレキシブルチューブが接続された液体容器を前記注水機能付き吸引装置100よりも高い位置に保持しておく手段、送液ポンプ等を用いて前記注水用フレキシブルチューブより送液する手段等が挙げられる。
同様に前記吸引管50には、吸引用フレキシブルチューブ(図示せず)を接続するための吸引接続部50a,50bが設置されている。
前記吸引装置本体10に吸引機能を導入する手段としては、例えば、前記吸引用フレキシブルチューブに吸引ポンプを接続する手段等が挙げられる。
前記回転レバー20には調整孔21を備えた窪み部22が設置されている。また前記回転レバー20は導通管23と前記調整孔21とを連通させる中空状の導通路が設置されている。
前記導通管23は、合成樹脂製の接続用フレキシブルチューブ52を通じて、前記吸引管50に設置された分岐管51に連通している。
前記回転レバー20が押されず、かつ前記調整孔21が指で塞がれていない状態では、前記調整孔21と前記吸引管50とが連通しているから、前記可撓管30の遠位端32側の吸引力を弱めることができる。
一方、指を前記窪み部22に置いて前記調整孔21を塞ぐと、前記可撓管30の遠位端32側の吸引力を強めることができる。
図4は、実施形態1に係る注水機能付き吸引装置100を説明するための模式部分正面図である。また図5は実施形態1に係る注水機能付き吸引装置100を説明するための模式背面斜視図である。
前記注水機能付き吸引装置100を可撓管30設置側から観察した様子を示した図が図4であり、前記注水機能付き吸引装置100を可撓管30設置側とは反対側から観察した様子を示した図が図5である。
前記回転レバー20に対して、それぞれ第一の開閉連結部材60および第二の開閉連結部材70が可動に連結されている。
前記回転レバー20が開閉すると、前記第一の開閉連結部材60および第二の開閉連結部材70はそれぞれ前記回転レバー20の開閉度に合わせて図1~図3に示されるように上下に動く。
前記回転レバー20には細長孔24を備えた突起部25が設置されている(図2参照)。前記突起部25を両側から挟むように第一の開閉連結部材60が設置されている。前記第一の開閉連結部材60および細長孔24を螺子26が貫通して、前記第一の開閉連結部材60および細長孔24が可動に連結されている。
前記第二の開閉連結部材70と前記回転レバー20との構造も同様である。
図5に示される通り、前記吸引装置本体10と前記回転レバー20とは連結長軸ピン14により可動に連結されている。
前記吸引装置本体10に設置された連結部13,13は、前記回転レバー20が閉じた際に、前記回転レバー20の溝部27,27に格納される。
図6および図7は、それぞれ吸引経路と前記可撓管とを連通させるか、または閉鎖させるかのいずれかに切り替える第一の切替機構を説明するための模式部分断面図である。
図8は、吸引装置本体を可撓管設置側から見た状態を示す模式斜視図である。
第一の切替機構600は、回転弁61を含む。前記回転弁61は筒状の中空部62を内蔵している。
前記回転弁61が回転することにより、前記吸引経路610と前記中空部62とを連通させたり、閉鎖させたりできる。
前記回転弁61は、前記吸引装置本体10内部に設置された中空キャビティ620の中空内面に略隙間なく回転可能に挿入されている。
ここで略隙間なくとの意味は、前記回転弁61を前記中空キャビティ620に挿入した際に、前記回転弁61と前記中空キャビティ620(図8参照)との接触界面から光の透過が肉眼で確認できないが、前記回転弁61が回転できる状態を意味する。
前記回転弁61の外周面の一部が、前記中空キャビティ620の中空内面と接触していれば好ましく、前記回転弁61の外周面の全部が、前記中空キャビティ620の中空内面と接触していればさらに好ましい。
前記回転弁61が前記中空キャビティ620内で回転することにより、回転弁61の中空部62と前記吸引経路610とを連通させたり、閉鎖させたりすることができる。
図6に示されるように、前記回転レバー20が開いた状態、すなわち前記回転レバー20に対して外力が加えられていない状態では、前記吸引装置本体10内の第一の区画640(図8参照)に設置された回転弁61の中空部62が吸引経路610と連通している。
前記吸引経路610は直線状に前記吸引装置本体10を貫通していて、前記吸引経路610の間に前記回転弁61が設置されている。
前記回転レバー20が術者の指等により押されると、前記第一の開閉連結部材60が押し下げられる。前記第一の開閉連結部材60には第一の回転連結部材63が可動に連結されている。
前記第一の開閉連結部材60が押し下げられるに伴って、前記第一の回転連結部材63が動く。その動きが第一の回転連結部材63から前記回転弁61に伝達され、前記回転弁61が回転して、前記回転弁61内部に設置された中空部62が閉鎖される。
逆に前記回転レバー20を押す力を緩めると、前記回転レバー20と前記吸引装置本体10がねじりバネ等の弾性反発手段15(図5参照)の働きにより開き、前記回転弁61が逆回転して、前記回転弁61内部に設置された中空部62が前記吸引経路610と連通される。
前記回転弁61内部の中空部62と、前記吸引経路610とは直線に配置されていて、両者の長手方向の断面は長手方向に一定かつ一致していることが好ましい。
前記回転弁61内部の中空部62と、前記吸引経路610が完全に連通した際には、前記回転弁61内部の中空部62と、前記吸引経路610とにより内部に凹凸のない一本の経路が形成されることが好ましい。
前記可撓管30から吸引された骨片等の異物は円滑に前記経路内を通り抜けるから、前記注水機能付き吸引装置100内部で、前記異物により前記吸引経路610内部が閉塞されることを防止できる。
前記回転弁61内部の中空部62と前記吸引経路610との長手方向に対して垂直方向の断面形状は、円や楕円等の滑らかな曲線で形成されていることが好ましく、円であればさらに好ましい。
図8に示す通り、前記吸引装置本体10には吸引経路610が前記吸引装置本体10を貫いて直線状に設置されている。前記吸引経路610の途中には、前記回転弁61を挿入するための前記中空キャビティ620が設置されている。
前記吸引装置本体10には、図8の上部から前記第一の開閉連結部材60を挿入するための第一の開閉連結部材挿入孔630が設置されている。
また前記吸引装置本体10には、第一の回転連結部材63を可動に格納するための第一の回転連結部材設置溝631も設置されている。
前記中空キャビティ620、前記第一の開閉連結部材挿入孔630および第一の開閉連結部材挿入溝631が第一の区画640を形成している。
前記第一の区画640に、前記第一の開閉連結部材60が図6および図7の上下方向に可動に挿入される。前記第一の開閉連結部材60は前記第一の回転連結部材63と可動に連結される。また前記第一の回転連結部材63は前記回転弁61と可動に連結される。
前記回転弁61の両側にOリング等の環状弾性体64,65が配置される(図4参照)。螺子部を備えた蓋体66(図示せず)が外側から前記中空キャビティ620内に設置された螺子溝621(図8参照)にねじ込まれる。
図4に示す通り、前記Oリング等の環状弾性体64,65は前記中空キャビティ620内の階段状に形成された開孔部に設置されていて、前記蓋体66が外側からOリング等の環状弾性体64,65を押した場合でも前記環状弾性体64,65は前記回転弁61の回転を阻害しない。
また前記吸引経路610を液体が通過する際も、Oリング等の環状弾性体64,65が前記回転弁61の両側を閉塞しているから、第一の開閉連結部材挿入孔630または第一の回転連結部材設置溝631から液体が外に漏れることを防止できる。
図9および図10は、第一の開閉連結部材、第一の回転連結部材および回転弁との連動関係を説明するための模式部分図である。
図9および図10に示されるように、前記第一の開閉連結部材60および前記第一の回転連結部材63の連結軸60xと、前記回転弁61の中心軸61xとを結ぶ直線(一点破線a-a)よりも、前記第一の開閉連結部材60に対して同じ側の位置に、前記第一の回転連結部材63と前記回転弁61とが可動に連結されている。
このように、前記第一の開閉連結部材60および前記第一の回転連結部材63の連結軸60xと、前記回転弁の中心軸61xとを結ぶ直線よりも、前記第一の開閉連結部材60に対して同じ側の位置で前記第一の回転連結部材63と前記回転弁61とを可動に連結することにより、前記第一の開閉連結部材60の上下運動が、円滑に前記回転弁61の回転運動に変換される。
前記第一の開閉連結部材60は開閉連結部材本体部60cと、前記開閉連結部材本体部60cの両端に設置された曲面部60a,60bとを備える。
前記開閉連結部材本体部60cの長手方向、すなわち図9および図10の上下方向に対する垂直断面を基準として、前記曲面部60a,60bのそれぞれの最大断面が、前記開閉連結部材本体部60cの最大断面よりも大きい。
なお前記断面が複数存在する場合は、複数存在する断面同士を外周が最短となるように結んだ外周内面の面積を基準に最大断面を計算する。
また前記断面に中空部が存在する場合には、外周内面の面積を基準に最大断面を計算する。以下、同様である。
前記開閉連結部材本体部60cの長手方向から観察した際に、前記開閉連結部材本体部60cの最大断面が、前記曲面部60a,60bのそれぞれの最大断面内にある。
前記曲面部60a,60bが存在すれば、前記吸引装置本体10内に設置された第一の開閉連結部材挿入孔630内部に沿って、前記第一の開閉連結部材60が円滑に動く。
図11および図12は、それぞれ注水経路と可撓管とを閉鎖させるか、または連通させるかのいずれかに切り替える第二の切替機構を説明するための模式断面図である。
図13は、吸引装置本体10を可撓管設置側とは反対側から見た状態を示す模式斜視図である。
本発明に使用される変換機構は、第二の開閉連結部材70、回転ドラム71、第二の回転連結部材73および注水経路内連結部材74を含む。
また本発明に使用される第二の切替機構は、閉塞弁80を含む。
前記閉塞弁80は、閉塞部81、開孔側面82、注水経路内連結部材接触部83とを少なくとも備える。
前記閉塞弁80は、前記回転レバー20の開閉運動を注水経路710の長手方向(図11および図12の左右方向)に沿った直線運動に変換する変換機構により、前記注水経路710内を前記注水経路710の長手方向に移動できる。
前記閉塞弁80の閉塞部81が、前記注水経路710内を前記注水経路710の長手方向に移動して、前記注水経路710の連通と閉鎖とを切り替えることができる。
図11に示されるように、前記回転レバー20が開いた状態、すなわち前記回転レバー20に対して外力が加えられていない状態では、前記閉塞弁80の開孔側面82が下流側に格納されて、前記閉塞弁80の閉塞部81とOリング等の環状弾性体84が注水経路710を閉鎖している。
前記閉塞弁80は、バネに例示される弾性反発手段90により注水接続部40a,40b側(図1~3参照)から押されている。前記弾性反発手段90により、前記閉塞弁80の開孔側面82が下流側に格納されて、前記閉塞弁80が前記注水経路710を閉じた状態に維持できる。
前記回転レバー20が術者の指等により押されると、図12に示した前記第二の開閉連結部材70が押し下げられる。前記第二の開閉連結部材70には第二の回転連結部材73が可動に連結されている。
前記第二の開閉連結部材70が押し下げられると、前記第二の回転連結部材73が動く。その動きが第二の回転連結部材73から回転ドラム71に伝達し、前記回転ドラム71が回転する。
前記回転ドラム71には、注水経路内連結部材74が可動に連結されている。前記回転ドラム71が回転すると、前記注水経路内連結部材74が前記注水経路710の長手方向に沿って直線運動する。
前記注水経路内連結部材74は、閉塞弁押出部74aと、閉塞弁引き戻し部74bとを備えている。
前記注水経路内連結部材74が、前記回転ドラム71の回転に伴って、前記注水経路710の上流、すなわち注水経路710のうち吸引装置本体10に液体が流入してくる側に向かって動く。
ただし前記注水経路内連結部材74が前記注水経路710の上流側に向かって動いても、前記閉塞弁80の閉塞部81は前記注水経路710の上流側には直ちには動かない。
前記注水経路内連結部材74の閉塞弁押出部74aと、前記閉塞弁80の注水経路内連結部材接触部83との間には間隔がある。この間隔が存在する間は、前記注水経路内連結部材74の閉塞弁押出部74aと前記閉塞弁80の注水経路内連結部材接触部83とは接触しないので、前記閉塞弁80は閉鎖状態を維持する。
前記注水経路内連結部材74が前記注水経路710の上流側に向かう動きに伴い、前記注水経路内連結部材74の閉塞弁押出部74aと前記閉塞弁80の注水経路内連結部材接触部83とが接触すると、以降は前記注水経路内連結部材74の閉塞弁押出部74aが前記閉塞弁80の注水経路内連結部材接触部83を押す。
前記注水経路内連結部材接触部83が押されると、前記注水経路710を閉鎖していた前記閉塞弁80の閉塞部81が前記注水経路710の閉鎖位置から離れる。
さらに前記注水経路内連結部材接触部83が押されると、前記注水経路710内に隙間なく密着していた前記閉塞弁80の開孔側面82が前記注水経路710内に露出する。
前記閉塞弁80の開孔側面82が前記注水経路710内に露出すると、前記注水経路710の閉塞部81を基準として上流側と下流側の双方に前記開孔側面82が連通する。
この結果、前記注水経路710の上流側から前記閉塞弁80の開孔側面82を通り、前記注水経路710の下流側に向かって、液体が流通可能となる。
上記の動作により、術者は前記可撓管30から注水を開始できる。
さらに前記注水経路内連結部材接触部83が押されると、前記注水経路710内における前記閉塞弁80の開孔側面82の露出する部分の割合が増え、前記注水経路710を流れる液体の流量を増加させることができる。
逆に前記回転レバー20を押す力を緩めると、前記回転レバー20と前記吸引装置本体10がねじりバネ等の弾性反発手段15(図5参照)の働きにより開き、前記回転ドラム71が逆回転する。
前記回転ドラム71が逆回転すると、前記閉塞弁80の閉塞部81が、バネ等の弾性反発手段90に押されて前記注水経路710の下流側に動く。
前記閉塞弁80の閉塞部81にゴムやシリコーン等で形成されたOリング等の環状弾性体84が設置されている。
前記閉塞弁80の閉塞部81が前記注水経路710の内部を閉鎖すると、前記注水経路内連結部材74の閉塞弁引き戻し部74bが、前記閉塞弁80の注水経路内連結部材接触部83を引き付けて前記環状弾性体84を変形させる。この際、前記閉塞弁80の開孔側面82は前記注水経路710の下流側に格納されて、前記閉塞弁80の閉塞部81と前記注水経路710の間の隙間が消失する。
前記閉塞弁80の閉塞部81と前記注水経路710との間の隙間が消失した状態では、前記吸引装置本体10内に流入する液体が上流で完全にせき止められる。
これにより前記可撓管30への注水を止めることができる。また前記閉塞弁80の閉塞部81より下流にある前記第一の切替機構および前記変換機構の双方に水圧が掛かることを防止できる。
従来の注水機能付き吸引装置の場合は、回転弁、ピストン弁等により水流を遮断する構造を持つ。この構造の場合は可動部分に直接水圧が掛かるため、回転弁、ピストン弁等の円滑な動作と、回転弁、ピストン弁の設置界面との隙間からの漏水の防止を両立させることが極めて困難である。
これに対して実施形態1に係る注水機能付き吸引装置100の場合は、前記閉塞弁80の閉鎖部81より下流にある前記第一の切替機構および前記変換機構の双方に水圧が掛からず、前記第一の切替機構およびそれらの設置界面ならびに前記変換機構およびそれらの設置界面との隙間からの漏水を防止できる。
先に説明した通り、前記注水経路内連結部材74が前記注水経路710の上流側に向かって動いても、直ちに前記閉塞部81は動き出さない。前記注水経路内連結部材74の閉塞弁押出部74aと前記閉塞弁80の注水経路内連結部材接触部83とが接触するまでは、前記閉塞部81は前記注水経路710を閉塞した状態を保つ。
前記注水経路内連結部材74の閉塞弁押出部74aと前記閉塞弁80の注水経路内連結部材接触部83との間隔を調整することにより、前記吸引経路610が閉鎖されると、前記注水経路710の連通を始めることができ、前記吸引経路610が連通されると、前記前記注水経路710を閉鎖する動作が制御可能となる。
前記吸引装置本体10の材料としては、例えば、ステンレス、チタン、アルミまたはこれらの合金等の金属材料、エンジニアリングプラスチック、熱硬化性樹脂等の有機材料、セラミック等の無機材料等を使用することができる。
操作性や耐久性の観点から、前記吸引装置本体10の材料は金属であることが好ましく、ステンレスであればさらに好ましい。前記吸引装置本体10以外の材料についても、可撓部を除き同様である。
また前記可撓管30については可撓ステンレスであれば好ましい。
図11~13に示す通り、前記吸引装置本体10には前記注水経路710が前記吸引経路610と平行に設置されている。前記注水経路710の途中には、前記回転ドラム71を挿入するための前記中空キャビティ720が設置されている。
前記注水経路710は、前記中空キャビティ720よりも下流側でL字状に折れ曲がり(図11および図12の参照符合710a)、前記吸引経路610に接続部711で連通している。
前記吸引装置本体10には、図11および図12の上部から前記第二の開閉連結部材70を挿入するための第二の開閉連結部材挿入孔730が設置されている。
また前記吸引装置本体10には、第二の回転連結部材73を可動に格納するための第二の開閉連結部材挿入溝731も設置されている。
前記中空キャビティ720、前記第二の開閉連結部材挿入孔730および第二の開閉連結部材挿入溝731が第二の区画740を形成している。
前記第二の区画740に、前記第二の開閉連結部材70が図14の上下方向に可動に挿入される。前記第二の開閉連結部材70は前記第二の回転連結部材73と可動に連結される。また前記第二の回転連結部材73は前記回転ドラム71と可動に連結される。
前記回転ドラム71にOリング等の環状弾性体75が配置される。螺子部を備えた蓋体76(図1~図3参照)が外側から前記中空キャビティ720内に設置された螺子溝721にねじ込まれる。
図11および図12における上下方向に対する垂直面、すなわち第二の開閉連結部材挿入孔730の長手方向に対する垂直面を基準として、前記注水経路710のうち、前記吸引経路610と平行な部分は、前記吸引経路610よりも下側、すなわち前記吸引装置本体10の底部側に設置されることが好ましい。
前記注水経路710のうち前記吸引経路610と平行な部分が、前記吸引経路610よりも下側に設置されることにより、前記第二の開閉連結部材70の上限運動を、前記注水経路710の長手方向に沿った前記閉塞弁80の前後運動により大きく変換できる。
前記第一の区画640も前記第二の区画740も、金属等の材料を切削工程等により、くり抜いて成形することができ、前記吸引装置本体10の前記中空キャビティ620,720間には隔壁部800が存在する。
このため前記注水経路710と接する前記第二の区画740で仮に液漏れが生じた場合でも、漏れた液が際限なく前記吸引経路610の上流側に吸い取られることを前記隔壁部800により防止できる。
図14および図15は、第二の開閉連結部材、第二の回転連結部材および回転ドラムとの連動関係を説明するための模式部分図である。
図14および図15に示されるように、前記第二の開閉連結部材70および前記第二の回転連結部材73の連結軸70xと、前記回転ドラム71の中心軸71xとを結ぶ直線(一点破線b-b)よりも、前記第二の開閉連結部材70に対して反対側の位置により、前記第二の回転連結部材73と前記回転ドラム71とが可動に連結されている。
このように、前記第二の開閉連結部材70および前記第二の回転連結部材73の連結軸70xと、前記回転ドラム71の中心軸71xとを結ぶ直線よりも、前記第二の開閉連結部材70に対して反対側の位置で前記第二の回転連結部材73と前記回転ドラム71とを可動に連結することにより、前記第二の開閉連結部材70の上下運動が、円滑に前記注水経路内連結部材74の直線運動に変換される。
前記第二の開閉連結部材70は開閉連結部材本体部70cと、前記連結部材本体部70cの両端に設置された曲面部70a,70bとを備える。
前記開閉連結部材本体部70cの長手方向、すなわち図14および図15の上下方向に対する垂直断面を基準として、前記曲面部70a,70bのそれぞれの最大断面が、前記開閉連結部材本体部70cの最大断面よりも大きい。
前記開閉連結部材本体部70cの長手方向から観察した際に、前記開閉連結部材本体部70cの最大断面が、前記曲面部70a,70bのそれぞれの最大断面内にある。
前記曲面部70a,70bが存在すれば、前記吸引装置本体10内に設置された第二の開閉連結部材挿入孔730内部に沿って、前記第二の開閉連結部材70が円滑に動く。
先に説明した通り、前記第一の区画640と前記第二の区画740とは、前記吸引装置本体10の内部で、前記注水経路710と前記吸引経路610との接続部711以外では連通していない。
また前記接続部711は、前記可撓管30を通じて大気と常時連通している。
このため前記注水経路710を閉鎖した場合でも、前記第一の区画640および前記第二の区画740に設置される各部品に過大な水圧が掛かることを防止できる。
このため前記閉塞弁80の閉塞部81より下流にある前記第一の切替機構および前記変換機構の双方に水圧が掛かることを防止できる。
本発明によれば、液漏れの防止と、前記注水機能付き吸引装置100の円滑な吸引動作と注水動作との切替を実現できる。
[発明の実施形態2]
次に本発明に係る実施形態1の変形例である、本発明に係る実施形態2について説明する。
実施形態2に係る注水機能付き吸引装置110は、回転レバー20の動作に連動して、可撓管30(図1~図3を参照)から注水される液量が多くなるように改良されている。
図16および図17は、実施形態2の注水機能付き吸引装置110について、それぞれ注水経路と可撓管とを閉鎖させるか、または連通させるかのいずれかに切り替える第二の切替機構の動作状況を説明するための模式断面図である。
図16および図17に示される閉塞弁80は、実施形態1に係る注水機能付き吸引装置100の場合と同様、バネに例示される弾性反発手段90により注水接続部40a,40b側(図1~3参照)から押されている。前記弾性反発手段90により、前記閉塞弁80の開孔側面82が下流側に格納されて、前記閉塞弁80が前記注水経路710を閉じた状態を維持できる。
前記回転レバー20が術者の指等により押されると、先に説明した実施形態1に係る注水機能付き吸引装置100の場合と同様の動作を経て、前記注水経路710内に隙間なく密着していた前記閉塞弁80の開孔側面82が前記注水経路710内に露出する。
この結果、前記注水経路710の上流側から前記閉塞弁80の開孔側面82を通り、前記注水経路710の下流側に向かって、液体が流通可能となる。前記実施形態1と同様、前記可撓管30への注水を開始できる。
実施形態2に係る注水機能付き吸引装置110の場合は、前記閉塞弁80の開孔側面82が、前記実施形態1に使用される閉塞弁の開孔側面に比較して大きい。
また前記注水経路710の長手方向に対する垂直断面を基準として、前記注水機能付き吸引装置110の注水経路710内の取水室部91の大きさは、前記注水経路710よりも大きい。
前記注水経路710の長手方向に沿った直線に対する垂直面を基準として、前記取水室部91は、前記第一の切替機構600に含まれる回転弁61および前記変換機構に含まれる回転ドラム71の双方よりも、前記可撓管30とは反対側の位置に配置されている。
加えて前記注水機能付き吸引装置100の注水経路内の取水室部と比較して大きい。
実施形態2に係る注水機能付き吸引装置110の場合では、円滑に大量の液体が前記閉塞弁80の開孔側面82を流れることができる。
逆に術者が前記回転レバー20を押す力を緩めると、前記実施形態1と同様、前記可撓管30への注水を止めることができる。
[発明の実施形態3]
次に本発明に係る実施形態1の変形例である、本発明に係る実施形態3について説明する。
図18は、実施形態3に係る注水機能付き吸引装置120に使用される回転弁900の模式斜視図である。
前記回転弁900は、回転弁本体910、回転軸920, 930、および回転弁円盤940を有する。
前記回転弁本体910には、前記回転軸920, 930の中心軸に対して垂直方向に、前記回転弁本体910を貫通する円筒形状の中空部62が設けられている。この中空部62を通じて、気体、液体等を吸引できる。
また前記回転弁本体910には、空洞950が設けられている。前記空洞950は、前記回転弁本体910内部にあり、前記回転弁本体910の外側面911と内側面912を貫通している。
前記空洞950は、前記回転弁本体910内部に設置されていればよく、その形状に限定はない。
前記空洞950は、前記回転弁本体910内部で前記中空部62を避けて設置されている。このため前記空洞950と前記中空部62との間で液体、気体等は移動することができない。
一方、前記回転弁本体910には、前記回転軸920, 930の中心軸に対して垂直方向に、前記回転弁本体910の外部から前記空洞950に通じる通気孔960が設けられている。
図18に示した前記回転弁900では、複数の円筒状の通気孔960が示されているが、前記通気孔960は、少なくとも一つの通気孔960が前記空洞950に通じていればよく、全ての通気孔960が前記空洞950に通じていればより好ましい。
また前記通気孔960の形状は円筒に限定されることはなく、例えば多角筒、楕円筒等の形状であってもよい。
図19は、回転弁900の機能を説明するための模式部分断面図である。図19は、前記実施形態1を説明した際に使用した図3および図7の場合と同様であり、前記回転レバー20が閉じられた状態を示している。
前記回転レバー20が閉じられた状態では、前記回転弁900の前記中空部62は閉じられていて、前記中空部62と前記吸引経路610とはつながっていない。
一方、前記通気孔960は、前記吸引経路610内部に露出している。前記吸引経路610内部は、前記通気孔960を通じて、前記空洞950とつながっている。
前記回転弁900を回転させることにより、前記中空部62と前記吸引経路610とがつながると、全ての前記通気孔960は閉じられる。
前記吸引経路610内部に露出する回転弁900の面積を基準に考えると、前記通気孔960および前記空洞950が存在しない場合と比較して、前記通気孔960および前記空洞950が存在する場合は、前記吸引経路610が減圧された際に、減圧を受ける表面積が大きくなる。
つまり、前記通気孔960および前記空洞950が存在すれば、前記通気孔960および前記空洞950の内側表面積が、前記通気孔960および前記空洞950が存在しない場合に比べて加算されるため、前記吸引経路610が減圧された場合でも前記回転弁本体910の単位面積当たりに加わる力が小さくなる。
前記回転弁900に前記通気孔960および前記空洞950が存在すれば、前記吸引経路610が強力に減圧された場合であっても、前記回転弁900に加わる力を分散することができるため、円滑に前記回転弁900を回転させることができ、回転レバーの開閉運動を円滑に保つことができる。
本発明に係る注水機能付き吸引装置は外科脳手術等の医療分野に使用される医療機械器具として広く利用できる。
また洗浄吸引操作が必要とされる清掃業、塗装業の他、古代遺物等の考古学的資料の復元作業、地層分析作業等にも広く利用することができる。
10,202 吸引装置本体
11 開閉接続部
12,22 窪み部
13 連結部
14 連結長軸ピン
15,90 弾性反発手段
20,240 回転レバー
21 調整孔
23 導通管
24 細長孔
25 突起部
26 螺子
27 溝部
30 可撓管
31 近位端
32 遠位端
33 接続管
40 注水管
40a,40b 注水接続部
50 吸引管
50a,50b 吸引接続部
51 分岐管
52 接続用フレキシブルチューブ
60 第一の開閉連結部材
60a,60b,70a,70b 曲面部
60c,70c 開閉連結部材本体部
60x,63x,70x,73x 連結軸
61,900 回転弁
61x,71x 中心軸
62 中空部
63 第一の回転連結部材
64,65 環状弾性体
66,76 蓋体
70 第二の開閉連結部材
71 回転ドラム
73 第二の回転連結部材
74 注水経路内連結部材
74a 閉塞弁押出部
74b 閉塞弁引き戻し部
80 閉塞弁
81 閉塞部
82 開孔側面
83 注水経路内連結部材接触部
84 環状弾性体
90 弾性反発手段
91 取水室部
100,110,120,200 注水機能付き吸引装置
210 吸引経路
212 注水経路
220 可撓管
222 先端
230 回転バルブ
232 フレキシブルチューブ
234 吸引圧微調整孔
600 第一の切替機構
610 吸引経路
620,720 中空キャビティ
621 螺子溝
630 第一の開閉連結部材挿入孔
631 第一の回転連結部材設置溝
640 第一の区画
710 注水経路
710a 注水経路のL字状折れ曲がり部
711 接続部
730 第二の開閉連結部材挿入孔
731 第二の回転連結部材設置溝
740 第二の区画
800 隔壁部
910 回転弁本体
911 外側面
912 内側面
920, 930 回転軸
940 回転弁円盤
950 空洞
960 通気孔

Claims (9)

  1. 吸引装置本体と、
    前記吸引装置本体に対して開閉可能に設置された回転レバーと、
    前記吸引装置本体に設置された吸引経路と、
    前記吸引装置本体に設置された注水経路と、
    近位端が前記吸引装置本体に取りつけられ、かつ遠位端が患部に向けられるための一本の可撓管と、
    前記吸引経路と前記可撓管とを連通させるか、または閉鎖させるかのいずれかに切り替える、回転弁を含む第一の切替機構と、
    前記注水経路と前記可撓管とを連通させるか、または閉鎖させるかのいずれかに切り替える、閉塞弁を含む第二の切替機構と、
    前記回転レバーの開閉運動を、回転ドラムの回転運動により、前記注水経路の長手方向に沿った直線運動に変換して前記閉塞弁を動作させる変換機構と、
    を備え、
    前記第一の切替機構により前記吸引経路と前記可撓管とが連通すると、前記第二の切替機構および前記変換機構により前記注水経路が閉鎖され、
    前記第一の切替機構により前記吸引経路が閉鎖すると、前記第二の切替機構および前記変換機構により前記注水経路と前記可撓管とが連通され、
    前記第一の切替機構が、前記吸引装置本体内の第一の区画に設置され、
    前記第二の切替機構および前記変換機構が、前記吸引装置本体内の第二の区画に設置され、
    前記変換機構に含まれる、前記注水経路の長手方向に沿って直線運動する部分が、前記注水経路内に設置され、
    前記注水経路が、
    前記注水経路の長手方向に沿った直線に対する垂直面を基準として、
    前記第一の切替機構に含まれる回転弁および前記変換機構に含まれる回転ドラムの双方よりも前記可撓管側の位置で、前記吸引経路と接続し、
    前記第二の切替機構に含まれる閉塞弁が、
    前記注水経路の長手方向に沿った直線に対する垂直面を基準として、
    前記第一の切替機構に含まれる回転弁および前記変換機構に含まれる回転ドラムの双方よりも、前記可撓管とは反対側の位置に配置されていることを特徴とする、注水機能付き吸引装置。
  2. 前記第二の切替機構により前記注水経路が閉鎖されると、大気との連絡通路が、前記変換機構に対して保持される、請求項1に記載の注水機能付き吸引装置。
  3. 前記第二の切替機構が、
    前記注水経路を閉鎖する閉塞弁と、
    前記変換機構の動作に連動して、前記閉塞弁に対して前記注水経路の長手方向に沿って直線運動する注水経路内連結部材と、
    を備え、
    前記注水経路内連結部材の直線運動中に、前記閉塞弁の移動と停止を制御する機構を備えた、請求項1または請求項2に記載の注水機能付き吸引装置。
  4. 前記回転レバーに可動に連結された第一の開閉連結部材および第二の開閉連結部材と、
    前記第一の開閉連結部材に可動に連結された第一の回転連結部材と、
    前記第二の開閉連結部材に可動に連結された第二の回転連結部材と、
    第一の回転連結部材に可動に連結された回転弁と、
    第二の回転連結部材に可動に連結された回転ドラムと、
    を備え、
    前記注水経路内連結部材が、前記回転ドラムと可動に連結され、
    前記第一の開閉連結部材による前記第一の区画内への挿入動作に連動して、前記回転弁が、回転して前記吸引経路を閉鎖し、
    前記第二の開閉連結部材による前記第二の区画内への挿入動作に連動して、前記回転ドラムが、回転して前記注水経路を連通し、
    前記吸引経路の閉鎖に続いて、前記注水経路が連通される機構と、
    前記回転弁が、前記第一の開閉連結部材による前記第一の区画内からの引き抜き操作に連動して、回転して前記吸引経路を連通し、
    前記回転ドラムが、前記第二の開閉連結部材による前記第二の区画内からの引き抜き操作に連動して、回転して前記注水経路を閉鎖し、
    前記注水経路の閉鎖に続いて、前記吸引経路が連通される機構と、
    を備えた、請求項1~3のいずれかに記載の注水機能付き吸引装置。
  5. 前記注水経路内連結部材が、閉塞弁押出部と、閉塞弁引き戻し部とを備え、
    前記閉塞弁が、閉塞部と、開孔側面と、注水経路内連結部材接触部と備え、
    前記閉塞弁押出部と前記閉塞弁引き戻し部とが、互いに間隔をあけて前記注水経路内連結部材に設置され、
    前記注水経路内連結部材が、前記吸引装置本体の可撓管設置側とは反対側に移動すると、
    前記注水経路内連結部材の閉塞弁押出部が前記閉塞弁の注水経路内連結部材接触部に接触し、前記閉塞弁が前記吸引装置本体の可撓管設置側とは反対側に押し出されて、前記閉塞弁による前記注水経路に対する閉塞が解除され、前記閉塞弁の開孔側面が、前記吸引装置本体の可撓管設置側とは反対側の前記注水経路内に露出して、前記注水経路が連通し、
    前記注水経路内連結部材が、前記吸引装置本体の可撓管設置側に移動すると、
    前記注水経路内連結部材の閉塞弁引き戻し部が前記閉塞弁の注水経路内連結部材接触部に接触し、前記閉塞弁が前記吸引装置本体の可撓管設置側に引き戻されて、前記閉塞弁により前記注水経路が閉鎖される、請求項1~4のいずれかに記載の注水機能付き吸引装置。
  6. 前記閉塞弁が、弾性体の反発力により、前記吸引装置本体の外部から、前記吸引装置本体側へ押され、
    前記注水経路内連結部材の直線運動中に、
    前記注水経路内連結部材の閉塞弁押出部と、前記閉塞弁の注水経路内連結部材接触部との間に間隔があると、
    前記閉塞弁が、前記注水経路を閉鎖した状態を保つ、請求項1~5のいずれかに記載の注水機能付き吸引装置。
  7. 前記回転レバーが、窪み部と、調整孔と、回転レバーを連通する導通路とを有し、
    前記調整孔が、前記回転レバーの外面の窪み部に設置され、
    前記導通路の一端が、前記調整孔に接続され、
    前記導通路の他端が、可撓管を介して前記吸引経路に接続された、請求項1~6のいずれかに記載の注水機能付き吸引装置。
  8. 第一の開閉連結部材および第二の開閉連結部材のそれぞれが、
    開閉連結部材本体部と、
    前記開閉連結部材本体部の両端に設置された曲面部とを備え、
    前記開閉連結部材本体部の長手方向に対する垂直断面を基準として、
    前記曲面部のそれぞれの最大断面が、前記開閉連結部材本体部の最大断面よりも大きく、
    前記開閉連結部材本体部の長手方向から観察した際に、
    前記開閉連結部材本体部の最大断面が、前記曲面部のそれぞれの最大断面内にある、請求項4に記載の注水機能付き吸引装置。
  9. 前記回転弁が、中空部と、前記回転弁の内部に設置された空洞と、前記空洞と前記回転弁の外部とを連通する通気孔とを有し、
    前記空洞と前記通気孔とが、前記中空部と前記回転弁内部で連通せず、
    前記通気孔が、前記吸引経路と前記可撓管とが閉鎖した際に、前記吸引経路に露出する、請求項1または請求項4に記載の注水機能付き吸引装置。
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