JP7078688B2 - 内燃機関の試験装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の動作を模擬することが可能な内燃機関の試験装置に関する。
この種の装置として、従来、高速移動するカムに沿ってピストンを上昇させることにより、燃焼室内で混合気を急速に圧縮し、燃焼実験を行うようにした装置が知られている(例えば非特許文献1参照)。この非特許文献1記載の装置では、カム駆動用のピストンに面して配置された隔膜を針で破砕し、これにより、予めボンベに蓄えられた圧縮空気をカム駆動用のピストンに瞬時に供給し、カムを高速移動させる。
村瀬英一、「リーンバーンとパルスジェット点火」、フジコー技報-tsukuru No.7 (1999)
しかしながら、上記非特許文献1記載の装置では、試験を行う度に隔膜を破砕する必要があるため、試験の準備に多大なコストと時間とを要し、効率的に試験を行うことができない。
本発明の一態様による内燃機関の試験装置は、燃焼室に面して摺動可能に配置された第1ピストンを有する第1シリンダと、受圧室に面して摺動可能に配置された第2ピストンを有する第2シリンダと、第1ピストンに連結された第1ロッドの先端部が摺動するカム面が形成されるとともに、第2ピストンに連結された第2ロッドを介して、燃焼室の容積が減少される前の第1位置から燃焼室の容積が減少された後の第2位置へ駆動されるカムと、受圧室に供給される気体が蓄圧された圧力源と、圧力源から受圧室への気体の流路を形成する流路形成部と、流路形成部を介した気体の流れを制御する制御弁と、を備える。流路形成部は、受圧室に接続された複数の配管を有する。
本発明によれば、内燃機関の動作を模擬した試験を効率的に行うことができる。
本発明の実施形態に係る内燃機関の試験装置の全体構成を概略的に示す図。 図1の内燃機関の試験装置の動作の一例を示す図。 本発明の実施形態に係る内燃機関の試験装置の制御構成を示すブロック図。 図1の内燃機関の試験装置の動作の他の例を示す図。 図3のコントローラで実行される処理の一例を示すフローチャート。 図3の出力部に表示される試験結果の一例を示す図。 図1の駆動圧供給部の具体的な構成の一例を示す図。 図1の駆動圧供給部の具体的な構成の他の例を示す図。 図1の駆動圧供給部の具体的な構成のさらなる他の例を示す図。 図7A~図7Cの各装置により得られる特性の一例を示す図。
以下、図1~図8を参照して本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る内燃機関の試験装置は、例えば車両に搭載されるエンジンの燃焼を模擬することが可能な装置である。この装置は、エンジンの作動時におけるピストンの昇降速度と同等の速度でピストンを駆動して燃焼室内の混合気を圧縮し、そのときの燃焼室内の挙動を評価できるように構成される。なお、この試験装置は、急速圧縮燃焼装置あるいは急速圧縮装置と呼ばれることもある。
図1は、本実施形態に係る内燃機関の試験装置100の全体構成を概略的に示す図である。以下では、便宜上、図示のように上下方向および左右方向を定義し、この定義に従い各部の構成を説明する。上下方向は重力が作用する方向(鉛直方向)であり、左右方向は水平方向である。図1に示すように、内燃機関の試験装置100は、圧縮ピストン11を有する圧縮シリンダ10と、駆動ピストン21を有する駆動シリンダ20と、駆動ピストン21の動きを圧縮ピストン11に伝達するカム30と、駆動ピストン21に所定圧の気体を供給する駆動圧供給部40と、燃焼室1に混合気を供給する混合気供給部50とを有する。
圧縮シリンダ10は、水平方向に延在する基台2上に立設されたスタンド3を介して鉛直姿勢で支持される。すなわち、圧縮シリンダ10は、スタンド3上に配置された略円筒形状のシリンダチューブ12を有し、シリンダチューブ12内に昇降可能に圧縮ピストン11が収容される。
シリンダチューブ12の上面は上壁13により閉塞され、燃焼室1が密閉される。上壁13には、燃焼室1の内部を観察するための窓14が設けられる。窓14の側方には圧力センサ15が設けられ、圧力センサ15により燃焼室1内の圧力が検出される。シリンダチューブ12の周囲には水冷ジャケット16が設けられ、水温調整ユニット5により温度調整された冷却水が、電磁弁5aを介して水冷ジャケット16に供給される。シリンダチューブ12には、燃焼室1内に混合気を導くための流入口12aと燃焼室1から燃焼ガスを排出するための流出口12bとが、シリンダチューブ12を貫通してそれぞれ形成される。
圧縮ピストン11の下端部には、圧縮コンロッド17の端部が接続される。圧縮コンロッド17は下方に延在し、その外周面が、スタンド3の内周面に設けられたベアリング3aを介して昇降可能に支持される。圧縮コンロッド17の下端部にはローラフォロア17aが設けられ、圧縮コンロッド17は、ローラフォロア17aを介してカム30の上面に摺動可能に当接される。
カム30は、基台2上に延設されたレール2aに沿って、左右方向にスライド可能に支持される。カム30の上面には、圧縮コンロッド17の下端部が当接するカム面31が左右方向にわたって形成される。カム面31は、その左端部から所定長さにわたって右方に水平面に沿って延在する水平部31aと、水平部31aの右端部から右斜め上方に所定形状の曲線に沿って延在する傾斜部31bと、傾斜部31bの右端部からカム面31の右端にかけて水平面に沿って延在する水平部31cとを有する。
図1は、カム30が右端の初期位置に位置する初期状態を示す。初期状態は、燃焼室1から燃焼ガスを排気する排気行程に対応する。なお、排気行程後には燃焼室内に混合気が供給されるが、この吸気行程においてもカムは初期位置に位置する。初期状態では、圧縮コンロッド17の下端部が水平部31aに当接し、圧縮ピストン11は最下部まで下降している。このときの圧縮ピストン11の位置は、いわゆる下死点の位置に対応する。初期状態からカム30が左方に移動して、圧縮コンロッド17の下端部が傾斜部31bに当接を開始すると、以降、カム30の移動に伴い圧縮ピストン11が上昇する。その後、圧縮コンロッド17の下端部が水平部31cに当接すると、圧縮ピストン11の上昇が停止する。
図2は、カム30が左端の最大スライド位置に位置する最大スライド状態を示す。最大スライド状態は、燃焼室1内の混合気を圧縮する圧縮行程に対応する。なお、圧縮行程後には、燃焼室1内の混合気が自己着火により燃焼される。最大スライド状態では、圧縮コンロッド17の下端部が水平部20cに当接し、圧縮ピストン11は最上部まで上昇している。このときの圧縮ピストン11の位置は、いわゆる上死点の位置に対応する。
図1,2に示すように、スタンド3には、排気行程において圧縮ピストン11が上昇することを防止する上昇防止シリンダ6と、最大スライド位置に移動したカム30を初期位置に戻す戻しシリンダ7とが設けられる。基台2には、カム30の左端部に当接してカム30の左方への移動を制限するダンパ8が設けられる。
駆動シリンダ20は、カム30の右方に配置される。駆動シリンダ20は、基台2により水平状態に支持されたシリンダチューブ22を有し、シリンダチューブ22内に左右方向に摺動可能に駆動ピストン21が収容される。シリンダチューブ22の右面は側壁23により閉塞され、シリンダチューブ22内には、駆動ピストン21と側壁23との間に受圧室24が形成される。
シリンダチューブ22内には、駆動ピストン21の左方に駆動コンロッド25が配置される。駆動コンロッド25は、左右方向に延在し、その右端部は駆動ピストン21の左端部に接続される。駆動コンロッド25の左端部は、駆動シリンダ20の左端の側壁26を貫通してカム30の右端部に接続される。これにより、駆動シリンダ20の左右方向の移動に伴いカム30が左右方向に移動し、カム面31に沿って圧縮コンロッド17が昇降する。
駆動圧供給部40は、所定圧の気体(例えば空気)を蓄えるバッファータンク41と、側壁23を貫通して受圧室24とバッファータンク41とを接続する複数の配管42とを有する。複数の配管42にはそれぞれ電磁弁43(開閉弁)が取り付けられ、複数の電磁弁43により、バッファータンク41から受圧室24への気体の流れが制御される。電磁弁43の開閉は、コントローラ(図3)により制御される。なお、配管42には、受圧室24を大気に連通して大気開放するための電磁弁44も接続される。バッファータンク41内の気体の圧力は、圧力センサ45により検出される。
混合気供給部50は、窒素ガス(N2)が供給される窒素流路51と、空気(Air)が供給される空気流路52と、窒素流路51と空気流路52とが合流する混合流路53とを有する。窒素ガスは、窒素流路51に介装されたフィルタ51a、圧力調整弁51b、流量調整器51cおよび開閉弁50aを介して混合流路53に導かれる。空気は、空気流路52に介装されたフィルタ52a、圧力調整弁52b、水分除去フィルタ52c、流量調整器52dおよび開閉弁50bを介して混合流路53に導かれる。
空気流路52には、フィルタ52aと圧力調整弁52bとの間に分岐流路54が接続される。したがって、フィルタ52aを通過した空気は、分岐流路54に介装された圧力調整弁54aおよび開閉弁50cを介してバッファータンク41にも導かれる。なお、バッファータンク41には、バッファータンク41内の気体を排出するための開閉弁50dも接続される。
混合流路53には逆止弁53aが介装される。逆止弁53aの下流にはシリンジ55が接続され、シリンジ55を介して所定量の燃料が混合流路53に供給される。これにより、混合流路53で所定空燃比の混合気が形成される。混合流路53は、ヒータ56により所定温度に加熱される。このときの混合流路53の温度は、温度センサ53bにより検出される。加熱後の混合気は、開閉弁50eを介して流入口12aから燃焼室1内に供給される。開閉弁50eの下流の混合気の圧力は、圧力センサ57により検出される。なお、混合流路53には、混合気を排出するための開閉弁50fも接続される。
燃焼室1の流出口12bには、開閉弁50gを介してポンプ9が接続される。排気行程において、ポンプ9の駆動により燃焼室1が真空状態に切り換えられる。なお、以上の開閉弁50a~50gは、例えばエアを駆動源とするエアバルブとして構成され、エアの供給に応じて開閉される。開閉弁50a~50gを単に符号で表すことがある。
図3は、本実施形態に係る内燃機関の試験装置100の主な制御構成を示すブロック図である。図3に示すように、試験装置100はコントローラ60と、コントローラ60にそれぞれ信号を入力する入力部61、圧力センサ15および位置検出器65と、コントローラ60からの指令によりそれぞれ制御される複数の電磁弁43、複数の開閉弁50a~50g(厳密には開閉弁50a~50gの駆動用のエアの供給を制御する不図示の制御弁)、ポンプ9および出力部62とを有する。なお、図示は省略するが、コントローラ60には、水温調整ユニット5と、混合気加熱用のヒータ56と、上昇防止シリンダ6と、戻しシリンダ7とがさらに接続され、これらもコントローラ60により制御される。
入力部61は、各種試験条件や試験開始指令する入力するためのスイッチやタッチパネル等により構成される。出力部62は、試験結果を表示するモニタ、すなわち圧力センサ15により検出された燃焼室1内の圧力を表示するモニタ等により構成される。位置検出器65は、カム30が初期位置(図1)と最大スライド位置(図2)との間の所定位置に移動したことを検出する検出器である。所定位置は、カム30の初期位置からの移動速度が一定となる位置である。具体的には、図4に示すように、圧縮ピストン11が上昇を開始する位置(ピストン上昇開始位置)、すなわち圧縮コンロッド17の下端部が傾斜部31bの左端部に当接する位置である。なお、所定位置は、初期位置とピストン上昇開始位置との間の位置(例えばピストン上昇開始位置の直前の位置)であってもよい。
位置検出器65は、投光部と受光部とを有する光電センサにより構成される。光電センサに対応してカム30には、光電センサからの投光を遮る物体66が取り付けられる。図1に示すように、カム30が初期位置に位置するとき、光電センサに物体66が対向していないため、光電センサ(位置検出器65)はオフされる。図4に示すように、カム30がピストン上昇開始位置に移動すると、光電センサに物体66が対向し、光電センサ(位置検出器65)がオンされる。
コントローラ60は、CPU,ROM,RAMおよびその他の周辺回路を有する演算処理装置を含んで構成される。図5は、予め定められたプログラムに従いコントローラ60(CPU)で実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、例えば初期状態において入力部61により試験開始が指令されると、開始される。
まず、ステップS1で、図1に示すように排気行程を実現する。具体的には、開閉弁50a~50gに制御信号を出力し、例えば開閉弁50a~50fを閉じた状態で開閉弁50gを開放する。さらに、ポンプ9に制御信号を出力してポンプ9を駆動する。ステップS1は、ステップS2で肯定されるまで、すなわち燃焼室1内が真空状態となって、排気行程が完了したと判定されるまで繰り返される。
ステップS2で肯定されるとステップS3に進み、図2に示すように吸気行程を実現する。具体的には、開閉弁50a,50b,50e,50gに制御信号を出力し、開閉弁50gを閉じるとともに開閉弁50a,50b,50eを開放する。ステップS3は、ステップ4で肯定されるまで、すなわち燃焼室1内が所定の混合気で満たされて、吸気行程が完了したと判定されるまで繰り返される。
ステップS4で肯定されるとステップS5に進み、電磁弁43に制御信号を出力し、複数の電磁弁43を同時にオン(開放)する。これにより、バッファータンク41から複数の配管42を介して受圧室24に所定圧の気体(空気)が瞬時に供給され、カム30が左方に高速で移動する。次いで、ステップS6で、位置検出器65がオンしたか否かを判定する。ステップS6は肯定されるまで繰り返され、ステップS6で肯定されるとステップS7に進む。
ステップS7では、圧力センサ15からの信号(圧力データ)の読み込みを開始する。以降、圧力データが所定のサンプリング周期で読み込まれる。読み込まれた圧力データは、コントローラ60のメモリに記憶される。圧力データの読み込みが開始された後、燃焼室1では混合気の圧縮による自己着火が生じる。したがって、メモリには、混合気の圧縮前から自己着火による燃焼に至るまでの時系列の圧力データを記憶できる。図示は省略するが、以降、燃焼室1内の燃焼ガスの排気、カム30の初期位置への復帰等の処理を行う。
メモリに記憶された試験結果は、例えば出力部62(モニタ)に表示される。図6は、モニタに表示される試験結果の一例を示す図である。図6の横軸は、圧力データの読み込み開始からの経過時間であり、縦軸は圧力センサ15による検出値である。図中の特性f11(実線),f12(点線),f13(一点鎖線)は、本実施形態の試験装置100により得られた特性であり、特性f21(実線),f22(点線),f23(一点鎖線)は、本実施形態の比較例としての特性である。これら特性f11~f13および特性f21~f23は、それぞれ互いに同一条件で試験を3回行って得られた特性、すなわち1回目の試験結果、2回目の試験結果および3回目の試験結果をそれぞれ表す。
本実施形態では、位置検出器65のオンを条件として圧力データの読み込みを開始する。これに対し、比較例では、例えば入力部61の試験開始指令のオンを条件として圧力データの読み込みを開始する。このため、特性f21~f23に示すように、電磁弁43の作動に誤差が生じることに起因して、1回目~3回目の圧力データにばらつきが生じる。
これに対し、本実施形態のように、位置検出器65のオンを条件とする場合には、電磁弁43の作動の誤差の影響を受けずに圧力データが得られる。このため、特性f11~f13に示すように、1回目~3回目の圧力データにはほとんどばらつきがなく、信頼性の高い圧力データを得ることができる。なお、図6の圧力データを参照することにより、圧縮ピストン11の上昇により燃焼室1内で混合気が圧縮されて混合気の圧力が徐々に上昇し、自己着火後に圧力が急激に上昇するといった燃焼室1内での挙動を把握できる。
本実施形態(図1)では、駆動シリンダ20の受圧室24に複数の配管42を介してバッファータンク41が接続されるとともに、複数の配管42にそれぞれ電磁弁43が介装される。このため、各配管42の径をそれほど大きくすることなく、配管全体として十分に径を大きくすることができる。また、複数の電磁弁43を設けるので、大口径の電磁弁43を設ける必要がない。したがって、電磁弁43が全閉から全開に至るまでの時間は短く、電磁弁43の応答性が高い。このため、バッファータンク41から受圧室24に至る流路全体の面積が拡大して、流路全体を短時間で全閉状態から全開状態に切り換えることができ、これにより受圧室24に瞬時に大流量の高圧気体を供給することができる。
図7A~7Cは、それぞれ駆動圧供給部40の具体的な構成の一例を概略的に示す図である。図7Aでは、第1口径(例えば1インチ)の3個の電磁弁43がそれぞれバッファータンク41に取り付けられる。各電磁弁43には第1口径よりも小さい第2口径(例えば1/2インチ)の2本の配管42の一端部がそれぞれ接続され、配管42の他端部が駆動シリンダ20に接続される。したがって、配管42の総数は6本である。
図7Bでは、図7Aと同様、第1口径の3個の電磁弁43がそれぞれバッファータンク41に取り付けられる。さらに図7Aとは異なり、各電磁弁43に第2口径の6本の配管42の一端部がそれぞれ接続され、配管42の他端部が駆動シリンダ20に接続される。したがって、配管42の総数は18本である。
図7Cでは、第1口径の3個の電磁弁43と、第1口径よりも小径である第3口径(例えば3/4インチ)の3個の電磁弁43とが、それぞれ駆動シリンダ20の側壁23に取り付けられる。さらに各電磁弁43に第2口径の3本の配管42の一端部がそれぞれ接続され、配管42の他端部がバッファータンク41に接続される。したがって、配管42の総数は18本である。
基台2には、カム30の左右方向における所定長さの移動を検出する左右一対の位置検出器65a,65b(例えば左右一対の光電センサ)が設けられる。図8の特性fa,fb,fcは、それぞれ図7A,図7B,図7Cの各装置により得られる特性である。図8の横軸はバッファータンク41の圧力(タンク圧力P)であり、縦軸は、位置検出器65aがオンしてから位置検出器65bがオンするまでに要した時間、すなわちカム30が所定長さだけ移動するのに要した駆動時間tである。
図8に示すように、特性fa,fbでは、タンク圧力Pの増大に伴い駆動時間tが減少する。これに対し、特性fcでは、タンク圧力Pの変化に拘わらず、駆動時間tがほぼ一定である。また、特性fcでは特性fa,fbよりも駆動時間tが短く、カム30の駆動速度が速い。このような結果が得られるのは以下の理由による。
第1の理由は、図7A(特性fa),図7B(特性fb)では、電磁弁43がバッファータンク41に取り付けられ、電磁弁43がオンしてから配管42内がバッファータンク41からの気体で満たされるため、駆動時間tがタンク圧力Pの影響を受けやすい点である。これに対し、図7C(特性fc)では、電磁弁43が駆動シリンダ20に取り付けられるため、電磁弁43がオンした直後にバッファータンク41内の高圧気体が受圧室24に供給され、駆動時間tはタンク圧力Pの影響を受けにくい。第2の理由は、図7Cでは、図7A,図7Bのものよりも電磁弁43の個数が多い点である。これにより、電磁弁全体としての口径が増大するので、電磁弁43のオン後にバッファータンク41からの気体を受圧室24に瞬間的に供給することができ、これによりタンク圧力Pに拘わらず、駆動時間tがほぼ一定の短い時間となる。以上の点を考慮すると、電磁弁43を受圧室24の近くに配置することが好ましく、電磁弁43の個数も多い方が好ましい。
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)内燃機関の試験装置100は、燃焼室1に面して摺動可能に配置された圧縮ピストン11を有する圧縮シリンダ10と、受圧室24に面して摺動可能に配置された駆動ピストン21を有する駆動シリンダ20と、圧縮ピストン11に連結された圧縮コンロッド17の先端部が摺動するカム面31が形成されるとともに、駆動シリンダ20により、燃焼室1の容積が減少される前の初期位置から燃焼室1の容積が減少された後の最大スライド位置へ駆動されるカム30と、受圧室24に供給される気体が蓄圧されたバッファータンク41と、バッファータンク41から受圧室24への気体の流路を形成する複数の配管42と、複数の配管42を介した気体の流れを制御する電磁弁43と、を備える(図1)。この構成により、燃焼室1内で圧縮ピストン11を高速で駆動して混合気を燃焼させる試験を、試験の度に一部の部品交換等をする必要がなく、繰り返し容易に行うことができる。すなわち、内燃機関の動作を模擬した試験を、効率的に行うことができる。
(2)電磁弁43は、複数の配管42にそれぞれ設けられる(図1)。このように複数の電磁弁43を設けることで、電磁弁全体の口径を拡大しながら電磁弁43を瞬時に開放することができ、圧縮ピストン11を高速で駆動する試験を良好に行うことができる。これに対し、複数の電磁弁43の代わりに単一の電磁弁を用いる場合、大口径の電磁弁とする必要があるが、電磁弁を大口径にすると電磁弁の応答性が低下するため、カム30を高速で駆動することが困難である。
(3)複数の電磁弁43は、駆動シリンダ20の端部に取り付けられることが好ましい(図7C)。これにより、バッファータンク41内の圧力の変化に拘わらず、カム30の駆動時間tをほぼ一定にすることができ(図8)、安定した条件の下で試験を行うことができる。
(4)内燃機関の試験装置100は、複数の電磁弁43を制御する制御部としてコントローラ60をさらに備える(図3)。コントローラ60は、カム30を初期位置から最大スライド位置へ移動するとき、複数の電磁弁43を同時に開放するように複数の電磁弁43を制御する(図5)。これにより、バッファータンク41内の高圧の気体を受圧室24に瞬時に供給することができ、カム30を高速で駆動することができる。
(5)カム面31は、カム30が初期位置から最大スライド位置に至る途中のピストン上昇開始位置に移動するときに、圧縮コンロッド17を介して圧縮ピストン11が移動を開始するように構成される(図4)。内燃機関の試験装置100は、カム30がピストン上昇開始位置またはその直前の所定位置へ移動したことを検出する位置検出器65をさらに備える(図3)。これにより、電磁弁43の作動のばらつきの影響を受けずに、位置検出器65のオンを条件として安定した試験データを得ることができる(図6)。
(6)位置検出器65は、カム30がピストン上昇開始位置またはその直前の所定位置へ移動したことを非接触で検出する光電センサにより構成される(図1)。これにより、位置検出器65とその対象の移動物体(例えばカム30)との接触を防止することができる。このため、カム30の高速移動を妨げるような走行抵抗を生じさせることなく、良好な試験を行うことができる。
上記実施形態は、種々の形態に変更することができる。以下、いくつかの変形例について説明する。上記実施形態では、燃焼室1に面して摺動可能に配置された圧縮ピストン11(第1ピストン)を有する圧縮シリンダ10(第1シリンダ)において、自己着火により混合気を燃焼させるようにしたが、点火プラグを用いて混合気を燃焼させるようにしてもよく、第1シリンダの構成は上述したものに限らない。上記実施形態では、受圧室24に面して摺動可能に配置された駆動ピストン21(第2ピストン)を有する駆動シリンダ20(第2シリンダ)により、駆動コンロッド25(第2ロッド)を介してカム30を駆動し、これにより圧縮コンロッド17(第1ロッド)を介して圧縮ピストン11を駆動するようにしたが、第2シリンダの構成は上述したものに限らない。
上記実施形態では、水平姿勢で配置された駆動シリンダ20によりカム30を初期位置(第1位置)から最大スライド位置(第2位置)へ移動し、鉛直姿勢の圧縮シリンダ10の圧縮ピストン11を上昇させるようにしたが、第1シリンダと第2シリンダとを上述した以外の姿勢で配置してもよい。上記実施形態では、混合気供給部50からの気体をバッファータンク41に蓄圧するようにしたが、受圧室24に供給される気体が蓄圧される圧力源の構成はこれに限らない。上記実施形態では、複数の配管42を介してバッファータンク41から受圧室24に高圧気体を供給するようにしたが、複数の配管42の本数等、流路形成部の構成は上述したものに限らない。上記実施形態では、位置検出器65(光電センサ)により、カム30がピストン上昇開始位置(第3位置)または初期位置とピストン上昇開始位置との間の所定位置に移動したことを検出するようにしたが、検出器として光電センサ以外の非接触式センサを用いてもよく、接触式センサを用いてもよい。
上記実施形態では、圧縮シリンダ10内で混合気の燃焼試験を行うようにしたが、第1シリンダ内で他の挙動(例えば燃焼を伴わない圧力の変化)を把握する試験を行うようにしてもよく、内燃機関の試験装置の構成は上述したものに限らない。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能であり、変形例同士を組み合わせることも可能である。
1 燃焼室、10 圧縮シリンダ、11 圧縮ピストン、17 圧縮コンロッド、20 駆動シリンダ、21 駆動ピストン、24 受圧室、25 駆動コンロッド、30 カム、31 カム面、41 バッファータンク、42 配管、43 電磁弁、60 コントローラ、65 位置検出器、100 試験装置

Claims (6)

  1. 燃焼室に面して摺動可能に配置された第1ピストンを有する第1シリンダと、
    受圧室に面して摺動可能に配置された第2ピストンを有する第2シリンダと、
    前記第1ピストンに連結された第1ロッドの先端部が摺動するカム面が形成されるとともに、前記第2ピストンに連結された第2ロッドを介して、前記燃焼室の容積が減少される前の第1位置から前記燃焼室の容積が減少された後の第2位置へ駆動されるカムと、
    前記受圧室に供給される気体が蓄圧された圧力源と、
    前記圧力源から前記受圧室への前記気体の流路を形成する流路形成部と、
    前記流路形成部を介した前記気体の流れを制御する制御弁と、を備え、
    前記流路形成部は、前記受圧室に接続された複数の配管を有することを特徴とする内燃機関の試験装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の試験装置において、
    前記制御弁は、前記複数の配管に接続された開閉可能な複数の電磁弁を有することを特徴とする内燃機関の試験装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の試験装置において、
    前記複数の電磁弁は、前記第2シリンダの端部に取り付けられることを特徴とする内燃機関の試験装置。
  4. 請求項2または3に記載の内燃機関の試験装置において、
    前記複数の電磁弁を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記カムを前記第1位置から前記第2位置へ移動するとき、前記複数の電磁弁を同時に開放するように前記複数の電磁弁を制御することを特徴とする内燃機関の試験装置。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の内燃機関の試験装置において、
    前記カム面は、前記カムが前記第1位置から前記第2位置に至る途中の第3位置に移動するときに、前記第1ロッドを介して前記第1ピストンが移動を開始するように構成され、
    前記カムが前記第1位置と前記第3位置との間の所定位置または前記第3位置へ移動したことを検出する検出器をさらに備えることを特徴とする内燃機関の試験装置。
  6. 請求項5に記載の内燃機関の試験装置において、
    前記検出器は、前記カムが前記所定位置または前記第3位置へ移動したことを非接触で検出する非接触式センサであることを特徴とする内燃機関の試験装置。
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