JP7078527B2 - 使用済研磨材分離システム - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の沈砂分離装置(10)は、被処理水を流入部(40)より流入して分離槽(20)内に旋回流を形成して、旋回流の遠心力で、沈降速度の大きい沈砂が、分離槽(20)の内壁に沿って沈降し、分離槽(20)の底部の沈砂排出部(30)から排出される。一方、処理水は、分離槽(20)の底面で反転して旋回流の中心付近を上昇する上昇流となって、分離槽(20)の上部の逆さ截頭錐体を介して、沈砂排出部(30)の内側の処理水排出部(50)の筒体の開口部から排出される。
なお、本発明の使用済研磨材分離システム200は、液体Qと、この液体Q中に含まれている粒子と、を分離する機能を有する装置であって、液体Qおよび粒子の材質は特に限定されない。
以下、その一例として、図1に示すように、研磨材混入液体AWJ(アブレシブウォータージェット)を高圧噴射して被加工物Wを切断するウォータージェット切断機1で使用した研磨材混入液体AWJを研磨材Gと、液体Qと、に分離する場合を例に挙げて説明する。まず、使用済研磨材分離システム200を説明する前に、液中アブレシブ切断システム100に使用される被加工物Wと、液中アブレシブ切断システム100と、について説明する。
図1に示すように、被加工物Wは、例えば、適宜な材質で、適宜な形状の材料から成る。つまり、被加工物Wは、材質および形状は特に限定されない。液中アブレシブ切断システム100に使用される被加工物Wは、例えば、ステンレス、アルミ、チタン、ガラス、石材、合成樹脂、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などに切断加工を施す場合に最適である。以下、被加工物Wは、全体が細長い略平板状に形成された厚板材を例に挙げて説明する。
被加工物Wは、浸漬液10の液中に配置された被加工物受部21上に載置されて、噴射ノズル1aから噴射される高圧の研磨材混入液体AWJによって切断加工される。
液中アブレシブ切断システム100は、200~600MPaの高圧で供給された加工用の液体Qに研磨材G(アブレシブ)を混入し、超高圧の研磨材混入液体AWJを音速以上の高速で噴射して、被加工物Wを切断加工する加工装置である。このため、液中アブレシブ切断システム100は、ガラス、金属などの硬い材質であっても、合成樹脂などの比較的柔らかい材質であっても、また、硬い材料と柔らかい材料などの多種類の材料からなる複合材料であっても、高品質な形状に切断加工することができる。
図1に示すように、研磨材Gは、液中アブレシブ切断システム100で被加工物Wを加工する際に、加工用の液体Q中に混入される砥粒である。液中アブレシブ切断システム100において、研磨材Gは、被加工物Wの種類、用途、加工条件などに応じて適宜な研磨材が利用される。例えば、研磨材Gは、被加工物Wの種類などに応じて、ガーネット、サファイア、超硬合金などの一般的な研磨材を適宜使用することができる。
図1に示すように、ウォータージェット切断機1は、噴射ノズル1aと、噴射ノズル1aに研磨材Gを供給するアブレシブ供給装置(図示省略)と、噴射ノズル1aに加工用の液体Qを供給する高圧水供給装置(図示省略)と、を備えて構成されている。
図1に示すように、キャッチャタンク2は、噴射ノズル1aから噴射された研磨材混入液体AWJと、浸漬液10と、を貯留する水槽である。キャッチャタンク2内では、被加工物Wを浸漬液10の液中に浸漬させた状態で切断加工が行われる。キャッチャタンク2には、被加工物受部21と、オーバーフロー部22と、研磨材吸込口2aと、研磨材移送装置3の研磨材移送管31などが設けられている。
研磨材移送装置3は、キャッチャタンク2内の浸漬液10と、浸漬液10中の研磨材Gと、を吸引して旋回分離ユニット4の分離槽41に送り込むための移送装置である。研磨材移送装置3は、キャッチャタンク2と分離槽41とに連結された研磨材移送管31と、研磨材移送管31に設けられてキャッチャタンク2内の研磨材Gおよび液体Q(浸漬液10)を吸引して分離槽41に移送するためのポンプP1と、を備えて構成されている。
図1に示すように、使用済研磨材分離システム200は、液中アブレシブ切断システム100で使用された液体Q(浸漬液10)および研磨材Gを回収し、遠心力で比重の相違によってそれぞれに分離させる装置である。使用済研磨材分離システム200は、例えば、旋回分離ユニット4と、スクリュー回収ユニット5と、研磨材回収容器7と、を備えて構成されている。
図1に示すように、旋回分離ユニット4は、液体Q(浸漬液10)および研磨材Gを回収して分離する研磨材分離回収装置である。図2に示すように、旋回分離ユニット4は、分離槽41と、液体分離部42と、研磨材排出部43と、流入部44と、旋回ガイド45と、液体上昇指向部46と、保持部本体47と、を備えて構成されている。
流入部44は、キャッチャタンク2から研磨材混入液体AWJを分離槽41に取り込む取り込み口である。流入部44は、分離槽41の外周部の上部に、分離槽41の内壁に沿って液体Q(浸漬液10)および研磨材Gが流れ込んで旋回するように設けられている。
図2に示すように、分離槽41は、使用済の研磨材混入液体AWJを固体である研磨材Gと、液体Q(浸漬液10)と、に分離する分離工程が行われる槽である。分離槽41は、円筒部41aと、蓋部41bと、テーパ部41dと、研磨材排出部43と、流入部44と、を備えて構成されている。分離槽41は、略漏斗状に形成されて、使用済の研磨材混入液体AWJ(浸漬液10)中の研磨材Gを下降させて研磨材排出部43から排出し、液体Q(浸漬液10)を上昇させて液体排出部40から排出することで、固体(研磨材G)と、液体Qとに分離する機能を備えている。
テーパ部41dは、円筒部41aの内壁を旋回しながら下降して来た液体Qおよび研磨材Gを、研磨材排出部43に向けて流れるようにガイドするガイド部である。テーパ部41dは、上側に設置された円筒部41aの下端から下側に設置された研磨材排出部43の上端に亘って縮径するように形成されている。テーパ部41dの下側開口部41eには、筒状の研磨材排出部43が連設されている。
図2に示すように、液体分離部42は、使用済の研磨材混入液体AWJを研磨材Gと、液体Qと、に分離する固液分離部分である。液体分離部42は、流入部44から分離槽41内に入った使用済の研磨材混入液体AWJが分離槽41内を旋回しながら下降する外側空間42aと、液体Qの旋回をガイドする旋回ガイド45で外側空間42aとに仕切られ、研磨材混入液体AWJを上方へ導く内側空間42bと、を有している。
研磨材Gから分離して外側空間42a内を下降した液体Qは、逆円錐部46aに沿って、内側空間42b内に流れ込む。内側空間42b内に入った液体Qは、内側空間42b内を旋回することによって、遠心力で内側空間42bの内壁に沿って上昇して、液体排出部40内に流れ込む。内側空間42bの幅L1は、外側空間42aの幅L2よりも大きく形成されている。
図2に示すように、研磨材排出部43は、分離槽41によって沈下された研磨材Gを排出する部位である。研磨材排出部43は、上端部がテーパ部41dの下側開口部41eに接合され、下端部がスクリュー回収ユニット5のケーシング50の研磨材導入口51(研磨材回収部)に接合されている。
旋回ガイド45は、液体上昇指向部46の逆円錐部46aに沿って内側空間42b内に入り込んだ液体Qを、液体排出部40の液体排出部流入口40aに向けて流れるようにガイドする部材である。旋回ガイド45は、分離槽41の円筒部41a内に外側空間42aを介して配置された円筒状の部材から成る。旋回ガイド45内には、液体上昇指向部46の逆円錐部吊支部46bおよび逆円錐部46aが配置されている。旋回ガイド45は、下側に導入口45aが形成され、上側に液体排出部連通口45bと前記した蓋部41bとが設けられている。旋回ガイド45および逆円錐部46aは、分離槽41と同じ同軸上に立設されている。旋回ガイド45の内径(内側空間42bの幅L1)は、逆円錐部46aの外径L3と同じか、あるいは、逆円錐部46aの外径L3よりもやや小さく形成されている。分離槽41の旋回ガイド45上には、内側空間42bから溢れた液体Qを排出する液体排出部40が設けられている。
液体上昇指向部46は、外側空間42aを旋回しながら下降することによって研磨材Gから分離した研磨材混入液体AWJ中の液体Qを、逆円錐部46aに沿って、内側空間42b内を上昇して液体排出部流入口40aに向けて流れるように指向させる部材である。図2または図3に示すように、液体上昇指向部46は、逆円錐部46aと、逆円錐部吊支部46bと、を備えて成る。
逆円錐部吊支部46bは、逆円錐部46aを液体排出部流入口40aの下方に吊支させるための複数(例えば、3本)の吊支部材から成る。
液体排出部40は、内側空間42bの上部に上昇した液体Qを、分離槽41内から排出するための液体排出管である。液体排出部40は、液体排出部流入口40aと、流体排出流路40bと、流体排出口40cと、を有する管状の部材から成る。
流体排出流路40bは、液体排出部流入口40a内に入り込んだ液体Qを排出するための配管である。
流体排出口40cは、その液体Qを排出する液体吐出口である。
図2に示すように、スクリュー回収ユニット5は、分離槽41内の研磨材排出部43に沈下した研磨材Gを回収して研磨材回収容器7に送るための搬送装置である。スクリュー回収ユニット5は、ケーシング50と、研磨材導入口51(研磨材回収部)と、スクリュー52と、モータ53と、研磨材吐出口54と、を備えて構成されている。スクリュー回収ユニット5は、床面Fを基準として、20~60度の角度θに傾斜して配置されている。
研磨材導入口51は、研磨材排出部43の下側開口部に連結されている。
回転軸52aは、下端部がケーシング50の下端に回転自在に軸支され、上端部がモータ53に連結されている。
スクリュー羽根部52bは、回転軸52aの外周部に螺旋状に設けられた板状部材である。スクリュー羽根部52bは、ケーシング50に回転自在に内設された略雄ねじ形状の部材である。
研磨材回収容器7は、スクリュー回収ユニット5によって搬送した研磨材Gを貯留する容器である。
次に、図1~図2を参照しながら本発明の実施形態に係る使用済研磨材分離システム200の作用を説明する。
このように、液体分離部42は、外側空間42aを備えていることで、研磨材混入液体AWJ中の研磨材Gが液体Qよりも比重が重いため、外側空間42aの外側を下降し、液体Qが外側空間42a内側を下降するように規制することができる。また、液体分離部42は、内側空間42bを備えていることで、研磨材混入液体AWJ中の研磨材Gよりも比重の軽い液体Qを上方に流動させて、液体排出部40から液体Qのみを排出させることができる。
このように、分離槽41は、研磨材混入液体AWJが分離される位置に逆円錐部46aを備えていることで、液体Qを逆円錐部46aに沿って上昇させて、上部の液体排出部40に向かって流れるように規制することができる。
このように内側空間42bは、幅L1が外側空間42aの幅L2よりも大きく形成されていることで、内側空間42b内を下降する研磨材Gの流れる方向を指向させることができるとともに、外側空間42a内を流れる液体Qをスムーズに上昇させることができる。
このように、使用済研磨材分離システム200は、スクリュー回収ユニット5を備えていることで、研磨材排出部43から排出された研磨材Gを適宜な場所に搬送して再利用可能にしたり、廃棄したりすることを可能にする。
このように、スクリュー回収ユニット5は、20~60度の角度に傾斜していることで、分離槽41の下側部位に配置された研磨材排出部43から排出された研磨材Gを、研磨材排出部43よりも高い位置に効率よく搬送させることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造および変更が可能であり、本発明はこれら改造および変更された発明にもおよぶことは勿論である。なお、以下の変形例において、既に説明した構成は同じ符号を付してその説明を省略する。
図4は、本発明の実施形態に係る使用済研磨材分離システムの第1変形例を示す要部概略縦断面図である。
研磨材Gを搬送する搬送手段は、このように構成しても、前記実施形態と同様に、研磨材Gを効率よく搬送させることができる。
前記実施形態の研磨材移送装置3において、研磨材移送管31およびポンプP1は、キャッチャタンク2内の研磨材Gおよび液体Q(浸漬液10)を吸引して送ることが可能なものであればよく、適宜変更しても構わない。例えば、ポンプP1は、液体移送用のエジェクタであってもよい。
また、前記実施形態では、流入部44の一例として、分離槽41の外周部の上部の一箇所に設けた場合を例に挙げて説明したが、流入部44は複数設けてもよい。
例えば、流入部44は、研磨材移送管31を複数に分岐させて、その分岐させたそれぞれの先端を、分離槽41の外周部の上部に適宜な間隔で配置してもよい。
このようにすることで、流入部44から分離槽41の内壁に沿って旋回するように放出された適宜な流量の研磨材混入液体AWJを、バランスのよい適宜な流速で分離槽41内を旋回するようにさせることができる。
2 キャッチャタンク
4 旋回分離ユニット
5 スクリュー回収ユニット
5A コンベア回収ユニット
40 液体排出部
41 分離槽
42 液体分離部
42a 外側空間
42b 内側空間
43 研磨材排出部
44 流入部
45 旋回ガイド
46a 逆円錐部
50,50A ケーシング
51,51A 研磨材導入口(研磨材回収部)
52 スクリュー
52A コンベア
53,53A モータ
54,54A 研磨材吐出口
100 液中アブレシブ切断システム
200 使用済研磨材分離システム
AWJ 研磨材混入液体
F 床
G 研磨材(アブレシブ)
L1 内側空間の幅
L2 外側空間の幅
Q 液体
W 被加工物
θ スクリュー回収ユニットの設置角度
Claims (6)
- 研磨材混入液体を高圧噴射して被加工物を切断するウォータージェット切断機で使用した前記研磨材混入液体を研磨材と液体とに分離する使用済研磨材分離システムであって、
キャッチャタンクから前記研磨材混入液体を分離槽に移送するための研磨材移送管と、
前記研磨材移送管によって移送されて来た前記研磨材混入液体を前記分離槽に取り込む流入部と、
前記研磨材混入液体を前記研磨材と前記液体とに分離する液体分離部と、
前記研磨材混入液体のうちの前記研磨材のみを沈下させる研磨材排出部と、を有する旋回分離ユニットを備え、
前記流入部は、前記分離槽の円筒部の上部外周部に、前記分離槽の内壁に沿って前記研磨材混入液体が流れ込んで旋回するように設けるために、前記研磨材移送管を複数に分岐させて、その分岐させたそれぞれの先端を、前記円筒部の上部外周部に適宜な間隔をあけて接線方向から接続していること、
を特徴とする使用済研磨材分離システム。 - 前記研磨材排出部の下部と連結し、モータの駆動によって旋回するスクリューを内部に備えたケーシングと、
前記スクリューの施回によって取り込まれた研磨材を排出する研磨材吐出口と、
を有するスクリュー回収ユニットを備え、
前記液体分離部は、前記研磨材混入液体が分離槽内を旋回しながら下降する外側空間と、
前記研磨材混入液体の旋回をガイドする旋回ガイドで前記外側空間と仕切られ、前記液体を上方へ導く内側空間と、を有し、
前記分離槽には、前記内側空間から溢れた液体を排出する液体排出部が設けられ、
前記分離槽と前記スクリュー回収ユニットとは、保持部本体によって、予め設定された所定の高さに保持されると共に、
前記分離槽は、前記保持部本体によって、前記液体排出部の位置が前記キャッチャタンクの水面よりも高い位置に配置されていること、
を特徴とする請求項1に記載の使用済研磨材分離システム。 - 前記液体排出部の下部には、前記研磨材混入液体が分離される位置に逆円錐部を備えていること、
を特徴とする請求項2に記載の使用済研磨材分離システム。 - 前記内側空間の幅は、前記外側空間の幅よりも大きく形成されていること、
を特徴とする請求項2または請求項3に記載の使用済研磨材分離システム。 - 前記スクリュー回収ユニットは、床面を基準として、20~60度の角度に傾斜していること、
を特徴とする請求項2に記載の使用済研磨材分離システム。 - 前記研磨材排出部の下部と連結し、モータの駆動によって回転するコンベアを備えたケーシングと、
前記コンベアによって取り込まれた研磨材を排出する研磨材吐出口と、を有するコンベア回収ユニットを備えていること、
を特徴とする請求項1に記載の使用済研磨材分離システム。
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