JP7078508B2 - グリース組成物、及びグリース組成物の製造方法 - Google Patents
グリース組成物、及びグリース組成物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7078508B2 JP7078508B2 JP2018187649A JP2018187649A JP7078508B2 JP 7078508 B2 JP7078508 B2 JP 7078508B2 JP 2018187649 A JP2018187649 A JP 2018187649A JP 2018187649 A JP2018187649 A JP 2018187649A JP 7078508 B2 JP7078508 B2 JP 7078508B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- general formula
- grease composition
- sodium salt
- carbon atoms
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
グリースの固体的な性質は、増ちょう剤によって付与される。例えば、ナトリウム塩を増ちょう剤に用いたグリースが古くから知られており、自動車や電気機器、各種産業機械の種々の摺動部分の潤滑のために広く使用されていた。特許文献1には、基油と共に、増ちょう剤としてナトリウム塩を40質量%程度含むグリース組成物が開示されている。
さらに、様々な用途に応じて、ナトリウム塩を増ちょう剤として用いて、混和ちょう度が低く、硬いグリースを得るためには、より多量のナトリウム塩が必要になる。
ここで、多量のナトリウム塩を配合すると、グリース中の固形分が多くなるため、ナトリウム塩の一部が油膜厚さよりも大きい粒子として、グリース表面に浮いてしまい、それに起因して耐摩耗性が低下するといった現象が生じ得る。また、多量の増ちょう剤を配合することで、グリース中の基油含有量が不足し、潤滑部材の摩耗量が増加してしまうといった弊害が生じる恐れもある。
また、特許文献1に記載されたナトリウム塩を用いたグリースは、滴点が低く、高温となる部材での使用には適さない場合がある。
[1] 基油(A)と、増ちょう剤(B)とを含有し、
増ちょう剤(B)が、下記一般式(x-1)で表されるナトリウム塩(X1)と、下記一般式(y-1)で表されるカルシウム塩(Y1)と、
を含む、グリース組成物。
[上記一般式(x-1)中、R1は、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルキル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数2~20のアルケニル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルコキシ基、又は、ヒドロキシ基を示す。
nは、0~5の整数である。
nが2以上であり、R1が複数存在する場合には、複数のR1は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
[上記一般式(y-1)中、R2及びR3は、それぞれ独立して、炭素数1~18のアルキル基を示す。
m1及びm2は、それぞれ独立に、0~5の整数である。
m1が2以上であり、R2が複数存在する場合には、複数のR2は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
m2が2以上であり、R3が複数存在する場合には、複数のR3は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
・工程(1):基油(A)中で、下記一般式(x-i)で表される芳香族モノカルボン酸を含むカルボン酸と水酸化ナトリウムとを反応させてナトリウム塩(X1)を生成する工程。
[上記一般式(x-i)中、R1は、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルキル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数2~20のアルケニル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルコキシ基、又は、ヒドロキシ基を示す。
nは、0~5の整数である。
なお、nが2以上であり、R1が複数存在する場合には、複数のR1は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
・工程(2):前記工程(1)で得た、前記ナトリウム塩(X1)を含む前記基油(A)中で、下記一般式(y-ia)で表される芳香族モノカルボン酸及び下記一般式(y-ib)で表される芳香族モノカルボン酸と水酸化カルシウムとを反応させてカルシウム塩(Y1)を生成する工程。
[上記一般式(y-ia)中、R2は、炭素数1~18のアルキル基を示す。
m1は、0~5の整数である。
m1が2以上であり、R2が複数存在する場合には、複数のR2は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
また、上記一般式(y-ib)中、R3は、炭素数1~18のアルキル基を示す。
m2は、0~5の整数である。
m2が2以上であり、R3が複数存在する場合には、複数のR3は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
本発明のグリース組成物は、基油(A)と増ちょう剤(B)とを含む。
なお、本発明の一態様のグリース組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに一般的なグリース組成物に使用される各種添加剤を含有していてもよい。
以下、本発明の一態様のグリース組成物に含まれる各成分の詳細について説明する。
本発明のグリース組成物は、基油(A)を含む。
本発明のグリース組成物に含まれる基油(A)としては、従来、グリース組成物の基油として用いられている鉱油及び合成油から選ばれる1種以上を、特に制限なく使用することができる。
鉱油としては、例えば、パラフィン系原油、中間基系原油、又はナフテン系原油を常圧蒸留して得られる留出油、もしくは常圧蒸留残渣油を減圧蒸留して得られる留出油、これらの留出油を常法に従って精製することによって得られる精製油、具体的には溶剤精製油、水添精製油、脱ロウ処理油、白土処理油等が挙げられる。また、フィッシャー・トロプシュ法等により製造されるワックス(GTLワックス(Gas To Liquids WAX))を異性化することで得られる鉱油ワックスであってもよい。
合成油としては、例えば、炭化水素系油、芳香族系油、エステル系油、エーテル系油等が挙げられる。
基油(A)は、鉱油を単独で又は複数種組み合わせて用いてもよいし、合成油を単独で又は複数種組み合わせて用いてもよい。また、1種以上の鉱油と1種以上の合成油とを組み合わせて用いてもよい。
当該動粘度が上記範囲にあることで、グリース組成物の油分離性が適切となって、潤滑部材に基油(A)を供給しやすくできる。また、潤滑部材における油膜保持性も優れたものとし易い。したがって、グリース組成物を長期に亘り使用しやすいものとできる。
なお、本発明の一態様で用いる基油(A)は、潤滑部材の摩耗を抑制する観点から、高粘度の基油と、低粘度の基油との2種類以上の動粘度の異なる基油を組み合わせて、動粘度が上記範囲に属する混合基油を用いてもよい。
なお、本明細書において、動粘度及び粘度指数は、JIS K2283:2003に準拠して測定及び算出した値を意味する。
本発明の一態様のグリース組成物は、多量の増ちょう剤を配合することなく、比較的少量の増ちょう剤を配合することで適度な混和ちょう度に調整することができる。したがって、グリース組成物中において基油(A)の含有量を十分に確保することができ、潤滑部材の摩耗を抑制することができる。また、増ちょう剤にかかるコストを抑えて、グリース組成物の低コスト化を図ることもできる。
本発明のグリース組成物は、増ちょう剤(B)を含む。
本発明のグリース組成物に含まれる増ちょう剤(B)は、ナトリウム塩(X1)とカルシウム塩(Y1)とを含む。
本発明のグリース組成物は、増ちょう剤(B)としてナトリウム塩(X1)とカルシウム塩(Y1)とを用いることによって、優れた耐水性が奏される。しかも、増ちょう剤(B)としてナトリウム塩(X1)を用いることによって、グリース化し易く、適度な混和ちょう度と高い滴点とを有するグリース組成物とすることができる。
つまり、本発明のグリース組成物は、増ちょう剤(B)としてナトリウム塩(X1)を用いた場合の利点、すなわち、グリース化し易く、適度な混和ちょう度と高い滴点とを有するグリース組成物とすることができる利点を維持しながらも、ナトリウム塩(X1)とカルシウム塩(Y1)とを用いることによって、優れた耐水性が奏されるのである。
本発明の一態様のグリース組成物は、増ちょう剤(B)としてナトリウム塩(X1)とナトリウム塩(X2)とカルシウム塩(Y1)とを用いることによって、優れた耐水性が奏される。しかも、増ちょう剤(B)としてナトリウム塩(X1)とナトリウム塩(X2)とを用いることによって、グリース化し易く、より適度な混和ちょう度とより高い滴点とを有するグリース組成物とすることができる。
つまり、本発明の一態様のグリース組成物は、増ちょう剤(B)としてナトリウム塩(X1)とナトリウム塩(X2)とを用いた場合の利点、すなわち、グリース化し易く、より適度な混和ちょう度とより高い滴点とを有するグリース組成物とすることができる利点を維持しながらも、ナトリウム塩(X1)とナトリウム塩(X2)とカルシウム塩(Y1)とを用いることによって、優れた耐水性が奏されるのである。
以下、増ちょう剤(B)に含まれる、各成分について、詳細に説明する。
ナトリウム塩(X1)は、下記一般式(x-1)で表されるナトリウム塩である。
nは、0~5の整数である。
nが2以上であり、R1が複数存在する場合には、複数のR1は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
前記一般式(x-1)中のR1として選択し得る、前記アルケニル基の炭素数としては、同様の観点から、2~20であるが、好ましくは2~12、より好ましくは2~6、更に好ましくは2~3である。
なお、上記の炭素数には、前記アルキル基、前記アルケニル基、及び前記アルコキシ基が有してもよい置換基の炭素数は含まれない。
前記アルキル基が有してもよい置換基としては、例えば、シクロアルキル基、ビニル基、アリール基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、シリル基、及びエステル基等が挙げられる。
なお、前記アルキル基は、2つ以上の置換基を有していてもよい。前記アルキル基が2つ以上の置換基を有する場合、当該置換基は同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
ただし、本発明の一態様において、R1として選択し得る、前記アルキル基は、無置換のアルキル基であることが好ましい。
前記アルケニル基は、直鎖アルケニル基であってもよく、分岐鎖アルケニル基であってもよいが、直鎖アルケニル基であることが好ましい。
前記アルケニル基が有してもよい置換基としては、例えば、シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、シリル基、及びエステル基等が挙げられる。
なお、前記アルケニル基は、2つ以上の置換基を有していてもよい。前記アルケニル基が2つ以上の置換基を有する場合、当該置換基は同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
なお、本発明の一態様において、R1として選択し得る、前記アルケニル基は、無置換のアルケニル基であることが好ましい。
前記アルコキシ基は、直鎖アルコキシ基であってもよく、分岐鎖アルコキシ基であってもよいが、直鎖アルコキシ基であることが好ましい。
前記アルコキシ基が有してもよい置換基としては、例えば、シクロアルキル基、ビニル基、アリール基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、シリル基、及びエステル基等が挙げられる。
なお、前記アルコキシ基は、2つ以上の置換基を有していてもよい。前記アルコキシ基が2つ以上の置換基を有する場合、当該置換基は同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
なお、本発明の一態様において、R1として選択し得る、前記アルコキシ基は、無置換のアルコキシ基であることが好ましい。
また、同様の観点から、当該アルキル基の中でも、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、又はs-ブチル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、又はn-プロピル基であることがよりに好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
本発明の一態様のグリース組成物において、より適度な混和ちょう度及びより高い滴点を有するグリース組成物とする観点から、増ちょう剤(B)は、上述のナトリウム塩(X1)と共に、さらに下記一般式(x-2)で表されるナトリウム塩(X2)を含むことが好ましい。
なお、本発明のグリース組成物では、増ちょう剤(B)として、上述のナトリウム塩(X1)を含有しているため、グリース化し易い。
そのため、増ちょう剤(B)として、ナトリウム塩(X1)と共に、上記一般式で表されるナトリウム塩(X2)を含有することで、グリース化し易くすると共に、より適度な混和ちょう度及びより高い滴点を有するグリース組成物とすることができる。
なお、上記の炭素数には、前記アルキル基、及び前記アルケニル基が有していてもよい置換基の炭素数は含まれない。
前記アルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐鎖アルキル基であってもよいが、直鎖アルキル基であることが好ましい。
前記アルキル基が有してもよい置換基としては、例えば、シクロアルキル基、ビニル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、シリル基、及びエステル基等が挙げられる。
なお、前記アルキル基は、2つ以上の置換基を有していてもよい。前記アルキル基が2つ以上の置換基を有する場合、当該置換基は同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
ただし、本発明の一態様において、R4として選択し得る、前記アルキル基は、無置換のアルキル基であることが好ましい。
前記アルケニル基は、直鎖アルケニル基であってもよく、分岐鎖アルケニル基であってもよいが、直鎖アルケニル基であることが好ましい。
前記アルケニル基が有してもよい置換基としては、例えば、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、シリル基、及びエステル基等が挙げられる。
なお、前記アルケニル基は、2つ以上の置換基を有していてもよい。前記アルケニル基が2つ以上の置換基を有する場合、当該置換基は同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
なお、本発明の一態様において、R4として選択し得るアルケニル基は、無置換のアルケニル基であることが好ましい。
また、同様の観点から、当該アルキル基の中でも、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、又はノナデシル基であることが好ましく、ドデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、又はノナデシル基であることがより好ましく、ヘプタデシル基であることが更に好ましい。
本発明の一態様のグリース組成物において、グリース化し易くすると共に、より適度な混和ちょう度及びより高い滴点を有するグリース組成物とする観点から、ナトリウム塩(X1)とナトリウム塩(X2)との含有量比[(X1)/(X2)]は、質量比で、好ましくは5/95~95/5、より好ましくは10/90~90/10、更に好ましくは15/85~85/15、より更に好ましくは20/80~80/20、更になお好ましくは25/75~80/20、一層好ましくは30/70~80/20、より一層好ましくは40/60~80/20である。
本発明の一態様のグリース組成物において、ナトリウム塩(X1)とナトリウム塩(X2)との合計含有量は、増ちょう剤(B)の全量(100質量%)基準で、好ましくは60~90質量%、より好ましくは65~88質量%、更に好ましくは70~86質量%である。
カルシウム塩(Y1)は、下記一般式(y-1)で表されるカルシウム塩である。
m1及びm2は、それぞれ独立に、0~5の整数である。
m1が2以上であり、R2が複数存在する場合には、複数のR2は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
m2が2以上であり、R3が複数存在する場合には、複数のR3は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
本発明の一態様のグリース組成物において、増ちょう剤(B)の含有量は、グリース組成物の全量基準で、好ましくは10~25質量%、より好ましくは11~23質量%、更に好ましくは12~21質量%、より更に好ましくは12~20質量%である。
本発明の一態様のグリース組成物は、このように増ちょう剤の含有量が比較的少量であってもグリース化し易く、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有することがわかる。
本発明の一態様のグリース組成物において、耐水性により優れ、且つ、グリース化し易く、より適度な混和ちょう度とより高い滴点とを有するグリース組成物とする観点から、カルシウム塩(Y1)とナトリウム塩(X1)との含有量比[カルシウム塩(Y1)/ナトリウム塩(X1)]は、質量比で、好ましくは0.050~1.5、より好ましくは0.10~1.3、更に好ましくは0.10~1.2、より更に好ましくは0.10~1.0、より更に好ましくは0.15~0.8である。
本発明の一態様のグリース組成物の増ちょう剤(B)に由来する、カルシウム原子とナトリウム原子の含有量比[Ca/Na]は、質量比で、好ましくは0.10~0.50、より好ましくは0.15~0.45、更に好ましくは0.20~0.40である。
なお、本明細書において、グリース組成物のカルシウム原子含有量とナトリウム原子含有量は、JIS-5S-38-03に準拠して測定された値である。
本発明の一態様のグリース組成物に含まれる増ちょう剤(B)は、本発明の効果を損なわない範囲で、
ナトリウム塩(X1)、ナトリウム塩(X2)、及びカルシウム塩(Y1)以外の増ちょう剤を併用してもよい。
具体的なリチウム原子含有化合物(β1)の含有量としては、増ちょう剤(B)の全量(100質量%)基準で、好ましくは5.0質量%未満、より好ましくは1.0質量%未満、更に好ましくは0.1質量%未満である。
なお、ここでいう、脂肪族カルボン酸の炭素数には、脂肪族カルボン酸を構成するカルボキシ基中の炭素原子も含まれる。
金属塩(β2)を構成する金属原子としては、ナトリウム原子、カリウム原子等のアルカリ金属原子や、カルシウム原子等のアルカリ土類金属、アルミニウム等が挙げられる。
具体的な金属塩(β2)の含有量としては、前記増ちょう剤の全量(100質量%)基準で、好ましくは5.0質量%未満、より好ましくは1.0質量%未満、更に好ましくは0.1質量未満である。
本発明の一態様のグリース組成物は、本発明の効果を損なわれない範囲で、さらに一般的なグリースに使用される各種添加剤を含有してもよい。
当該各種添加剤としては、例えば、極圧剤、防錆剤、酸化防止剤、潤滑性向上剤、増粘剤、改質剤、清浄分散剤、腐食防止剤、消泡剤、金属不活性剤等が挙げられる。
なお、これらの各種添加剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上述の本発明のグリース組成物を製造する方法は、特に制限されず、公知の方法が適用できるが、優れた耐水性、適度な混和ちょう度、及び高い滴点を得る観点から、少なくとも下記工程(1)及び(2)を有する製造方法が好ましい。
・工程(1):基油(A)中で、下記一般式(x-i)で表される芳香族モノカルボン酸を含むカルボン酸と水酸化ナトリウムとを反応させてナトリウム塩(X1)を生成する工程。
[上記一般式(x-i)中、R1は、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルキル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数2~20のアルケニル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルコキシ基、又は、ヒドロキシ基を示す。
nは、0~5の整数である。
なお、nが2以上であり、R1が複数存在する場合には、複数のR1は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
・工程(2):前記工程(1)で得た、前記ナトリウム塩(X1)を含む前記基油(A)中で、下記一般式(y-ia)で表される芳香族モノカルボン酸及び下記一般式(y-ib)で表される芳香族モノカルボン酸と水酸化カルシウムとを反応させてカルシウム塩(Y1)を生成する工程。
[上記一般式(y-ia)中、R2は、炭素数1~18のアルキル基を示す。
m1は、0~5の整数である。
m1が2以上であり、R2が複数存在する場合には、複数のR2は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
また、上記一般式(y-ib)中、R3は、炭素数1~18のアルキル基を示す。
m2は、0~5の整数である。
m2が2以上であり、R3が複数存在する場合には、複数のR3は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
〔上記一般式(x-ii)中、R4は、無置換もしくは置換基を有する炭素数7~22のアルキル基、又は、無置換もしくは置換基を有する炭素数7~22のアルケニル基を示す。〕
そして、水酸化ナトリウムを水溶液の形態で配合した場合、水を蒸発除去するため、当該水溶液と前記基油(A)との混合液を100℃以上に昇温することが好ましい。
当該混合温度としては、好ましくは140℃以下、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは90℃以下である。
また、冷却後の反応物であるグリース組成物に対して、コロイドミルやロールミル等を用いて、ミリング処理を施すことが好ましい。
<耐水性>
本発明の一態様のグリース組成物の耐水性は、79℃における水洗耐水度によって評価することができる。本発明の一態様のグリース組成物の79℃における水洗耐水度としては、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは4質量%以下、より更に好ましくは2質量%以下である。
なお、本明細書において、グリース組成物の79℃における水洗耐水度は、JIS K2220:2013の水洗耐久度試験方法に準拠して測定された値である。
本発明の一態様のグリース組成物の25℃における混和ちょう度としては、グリース組成物の硬さを適度な範囲とし、耐摩耗を良好とする観点から、好ましくは220~450、より好ましくは240~400、更に好ましくは250~350である。
なお、本明細書において、混和ちょう度は、ASTM D 217法に準拠して、25℃にて測定された値を意味する。
本発明の一態様のグリース組成物の滴点としては、高温特性を良好とする観点から、好ましくは200℃以上、より好ましくは250℃以上、更に好ましくは270℃以上、より更に好ましくは290℃以上である。
なお、本明細書において、滴点は、JIS K2220 8:2013に準拠して、25℃にて測定された値を意味する。
本発明のグリース組成物を用いた機構部品としては、特に限定されないが、軸受や歯車等の機械要素が挙げられ、より具体的には、すべり軸受、ころがり軸受等の各種軸受、歯車、内燃機関、ブレーキ、トルク伝達装置用部品、流体継ぎ手、圧縮装置用部品、チェーン、油圧装置用部品、真空ポンプ装置用部品、時計部品、ハードディスク用部品、冷凍機用部品、切削機用部品、圧延機用部品、絞り抽伸機用部品、転造機用部品、鍛造機用部品、熱処理装置用部品、熱交換機用部品、洗浄機用部品、ショックアブソーバ機用部品、密封装置用部品、建機用部品、農機用部品等が挙げられる。
これらの中でも、本発明のグリース組成物は、建設用部品又は農機用部品に用いられることが好ましい。
JIS K2283:2003に準拠して測定及び算出した。
(2)混和ちょう度
ASTM D 217法に準拠して、25℃にて測定した。
(3)滴点
JIS K2220 8:2013に準拠して測定した。
<基油(A)>
・鉱油(パラフィン系精製油):40℃動粘度=150mm2/s、粘度指数=106。
<増ちょう剤(B)の原料>
(ナトリウム塩生成用原料)
・安息香酸:前記一般式(x-i)中、n=0である芳香族モノカルボン酸
・ステアリン酸:前記一般式(x-ii)中、R2=n-ヘプタデシル基である脂肪族モノカルボン酸。
・12-ヒドロキシステアリン酸:前記一般式(x-ii)中、R2=12-ヒドロキシ-n-ヘプタデシル基である脂肪族モノカルボン酸。
・水酸化ナトリウム:固形分濃度45質量%の水酸化ナトリウム水溶液の形態で使用
(カルシウム塩生成用原料)
・安息香酸:前記一般式(y-ia)及び前記一般式(y-ib)中、m1=0及びm2=0である芳香族モノカルボン酸
・水酸化カルシウム:純度96.0%の特級試薬を使用
・ステアリン酸:前記一般式(x-ii)中、R2=n-ヘプタデシル基である脂肪族モノカルボン酸。
<製造例1:実施例1~5>
1Lのセパラブルフラスコに、表1に示す配合量の基油(A)と、表1に示す種類及び配合量のナトリウム塩生成用原料のカルボン酸成分とを加えて、オイルバス中で70~90℃まで昇温して、カルボン酸成分を基油(A)に溶解させた。
次に、水酸化ナトリウム水溶液を、表1に示す固形分換算の配合量となるように加え、基油(A)を加熱して70~90℃まで昇温させ撹拌した後、さらに加熱して180~200℃まで昇温し、基油(A)中にナトリウム塩を生成させると共に、水酸化ナトリウム水溶液に含まれる水分を蒸発除去した。
ナトリウム塩を生成させた基油(A)の加熱を停止し、冷却の過程で、表1に示す配合量のカルシウム塩生成用原料を加えてカルシウム塩を生成させた。
室温(25℃)まで冷却した後、3本ロールにてミリング処理を行い、実施例1~5のグリース組成物を得た。
1Lのセパラブルフラスコに、表1に示す配合量の基油(A)と、表1に示す種類及び配合量のナトリウム塩生成用原料のカルボン酸成分とを加えて、オイルバス中で70~90℃まで昇温して、カルボン酸成分を基油(A)に溶解させた。
次に、水酸化ナトリウム水溶液を、表1に示す配合量(固形分換算)で加え、基油(A)を加熱して70~90℃まで昇温させ撹拌した後、さらに加熱して180~200℃まで昇温し、基油(A)中にナトリウム塩を生成させると共に、水酸化ナトリウム水溶液に含まれる水分を蒸発除去した。
基油(A)の加熱を停止し、室温(25℃)まで冷却した後、3本ロールにてミリング処理を行い、比較例1のグリース組成物を得た。
カルシウム塩生成用原料としてのカルボン酸成分を安息香酸からステアリン酸に変更したこと以外は、製造例1と同様の方法として、比較例2のグリース組成物を得た。
79℃の水を用いて、JIS K2220:2013の水洗耐久度試験方法に準拠した方法により、試験前のグリース組成物の量100質量%に対する、水に洗い流されたグリース組成物の質量を測定した。
当該質量が大きいグリース組成物は、耐水性が低いグリースであるといえ、一方、当該質量が小さいグリース組成物は、耐水性に優れたグリース組成物であるといえる。
比較例1のように、増ちょう剤(B)としてナトリウム塩(X1)及びナトリウム塩(X2)のみを用いたグリース組成物は、増ちょう剤(B)の含有量が14.0質量%と比較的少量であってもグリース化し易く、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有するものの、耐水性に劣ることがわかる。
これに対し、実施例1~5のグリース組成物は、耐水性に優れ、しかも増ちょう剤(B)の含有量が13.1~17.0質量%と比較的少量であってもグリース化し易く、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有することがわかる。つまり、実施例1~5のグリース組成物は、比較例1のグリース組成物の利点を維持しながらも、耐水性に優れるグリース組成物であることがわかる。
また、比較例2のように、カルシウム塩がステアリン酸カルシウムであると、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有するものの、耐水性に劣ることがわかる。したがって、耐水性の向上効果は、安息香酸カルシウム等のカルシウム塩(Y1)を用いることによって奏され、脂肪酸カルシウム等を用いても奏されないことがわかる。
Claims (15)
- 基油(A)と、増ちょう剤(B)とを含有し、
増ちょう剤(B)が、下記一般式(x-1)で表されるナトリウム塩(X1)と、下記一般式(y-1)で表されるカルシウム塩(Y1)と、
を含む、グリース組成物。
[上記一般式(x-1)中、R1は、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルキル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数2~20のアルケニル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルコキシ基、又は、ヒドロキシ基を示す。
nは、0~5の整数である。
nが2以上であり、R1が複数存在する場合には、複数のR1は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
[上記一般式(y-1)中、R2及びR3は、それぞれ独立して、炭素数1~18のアルキル基を示す。
m1及びm2は、それぞれ独立に、0~5の整数である。
m1が2以上であり、R2が複数存在する場合には、複数のR2は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
m2が2以上であり、R3が複数存在する場合には、複数のR3は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。] - ナトリウム塩(X1)とナトリウム塩(X2)との含有量比[(X1)/(X2)]が、質量比で、5/95~95/5である、請求項2に記載のグリース組成物。
- 増ちょう剤(B)に由来する、カルシウム原子(Ca)とナトリウム原子(Na)との含有量比[(Ca)/(Na)]が、質量比で、0.10~0.50である、請求項1~5のいずれか一項に記載のグリース組成物。
- カルシウム塩(Y1)とナトリウム塩(X1)との含有量比[(Y1)/(X1)]が、質量比で、0.050~1.5である、請求項1~6のいずれか一項に記載のグリース組成物。
- カルシウム塩(Y1)と基油(A)及びナトリウム塩(X1)の合計含有量との含有量の比[(Y1)/{(A)+(X1)}]が、質量比で、0.010~0.050である、請求項1~7のいずれか一項に記載のグリース組成物。
- カルシウム塩(Y1)とナトリウム塩(X1)及びナトリウム塩(X2)の合計含有量との含有量の比[(Y1)/{(X1)+(X2)}]が、質量比で、0.050~0.50である、請求項2又は3に記載のグリース組成物。
- カルシウム塩(Y1)の含有量が、前記グリース組成物の全量基準で、0.5~5.0質量%である、請求項1~9のいずれか一項に記載のグリース組成物。
- カルシウム塩(Y1)の含有量が、増ちょう剤(B)の全量基準で、10~40質量%である、請求項1~10のいずれか一項に記載のグリース組成物。
- 増ちょう剤(B)の含有量が、前記グリース組成物の全量基準で、10~25質量%である、請求項1~11のいずれか一項に記載のグリース組成物。
- 25℃における混和ちょう度が、220~450である、請求項1~12のいずれか一項に記載のグリース組成物。
- 下記工程(1)及び(2)を有する、グリース組成物の製造方法。
・工程(1):基油(A)中で、下記一般式(x-i)で表される芳香族モノカルボン酸を含むカルボン酸と水酸化ナトリウムとを反応させてナトリウム塩(X1)を生成する工程。
[上記一般式(x-i)中、R1は、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルキル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数2~20のアルケニル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルコキシ基、又は、ヒドロキシ基を示す。
nは、0~5の整数である。
なお、nが2以上であり、R1が複数存在する場合には、複数のR1は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
・工程(2):前記工程(1)で得た、前記ナトリウム塩(X1)を含む前記基油(A)中で、下記一般式(y-ia)で表される芳香族モノカルボン酸及び下記一般式(y-ib)で表される芳香族モノカルボン酸と水酸化カルシウムとを反応させてカルシウム塩(Y1)を生成する工程。
[上記一般式(y-ia)中、R2は、炭素数1~18のアルキル基を示す。
m1は、0~5の整数である。
m1が2以上であり、R2が複数存在する場合には、複数のR2は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
また、上記一般式(y-ib)中、R3は、炭素数1~18のアルキル基を示す。
m2は、0~5の整数である。
m2が2以上であり、R3が複数存在する場合には、複数のR3は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018187649A JP7078508B2 (ja) | 2018-10-02 | 2018-10-02 | グリース組成物、及びグリース組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018187649A JP7078508B2 (ja) | 2018-10-02 | 2018-10-02 | グリース組成物、及びグリース組成物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020055952A JP2020055952A (ja) | 2020-04-09 |
JP7078508B2 true JP7078508B2 (ja) | 2022-05-31 |
Family
ID=70106507
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018187649A Active JP7078508B2 (ja) | 2018-10-02 | 2018-10-02 | グリース組成物、及びグリース組成物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7078508B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116814316A (zh) * | 2023-05-22 | 2023-09-29 | 新乡市恒星科技有限责任公司 | 一种增摩润滑脂组合物及其制备方法 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009209180A (ja) | 2008-02-29 | 2009-09-17 | Kyodo Yushi Co Ltd | グリース組成物及びその製造方法 |
JP2013136738A (ja) | 2011-11-28 | 2013-07-11 | Showa Shell Sekiyu Kk | グリース組成物 |
JP2014122282A (ja) | 2012-12-21 | 2014-07-03 | Showa Shell Sekiyu Kk | グリース組成物 |
JP2017019933A (ja) | 2015-07-10 | 2017-01-26 | 株式会社ニッペコ | グリース組成物 |
JP2017179158A (ja) | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 出光興産株式会社 | グリース |
JP2018172485A (ja) | 2017-03-31 | 2018-11-08 | 出光興産株式会社 | グリース組成物、及びグリース組成物の製造方法 |
JP2019065207A (ja) | 2017-10-02 | 2019-04-25 | シェルルブリカンツジャパン株式会社 | グリース組成物 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54120369A (en) * | 1978-03-10 | 1979-09-18 | Ntn Toyo Bearing Co Ltd | Lubrication composition for roller bearing |
-
2018
- 2018-10-02 JP JP2018187649A patent/JP7078508B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009209180A (ja) | 2008-02-29 | 2009-09-17 | Kyodo Yushi Co Ltd | グリース組成物及びその製造方法 |
JP2013136738A (ja) | 2011-11-28 | 2013-07-11 | Showa Shell Sekiyu Kk | グリース組成物 |
JP2014122282A (ja) | 2012-12-21 | 2014-07-03 | Showa Shell Sekiyu Kk | グリース組成物 |
JP2017019933A (ja) | 2015-07-10 | 2017-01-26 | 株式会社ニッペコ | グリース組成物 |
JP2017179158A (ja) | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 出光興産株式会社 | グリース |
JP2018172485A (ja) | 2017-03-31 | 2018-11-08 | 出光興産株式会社 | グリース組成物、及びグリース組成物の製造方法 |
JP2019065207A (ja) | 2017-10-02 | 2019-04-25 | シェルルブリカンツジャパン株式会社 | グリース組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020055952A (ja) | 2020-04-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2785821B1 (en) | Grease composition | |
JP5693240B2 (ja) | 潤滑油組成物 | |
US20170096614A1 (en) | Halogen free ionic liquids as lubricant or lubricant additives and a process for the preparation thereof | |
CN101240216A (zh) | 具有低压力分油、低储存分油性能的锂基润滑脂组成物 | |
EP2602307B1 (en) | Lubricant composition with rust inhibiting properties and with an ionic liquid as the base oil | |
EP3119859A1 (en) | Halogen free ionic liquids as lubricant or lubricant additives and a process for the preparation thereof | |
CN103484204A (zh) | 含有改性二氧化硅组分的润滑脂及其制备方法 | |
JP2019065207A (ja) | グリース組成物 | |
WO2012115141A1 (ja) | グリース組成物 | |
JP6663695B2 (ja) | 耐熱導電性潤滑剤 | |
CN105623797A (zh) | 一种低味、低腐蚀齿轮润滑油添加剂组合物及其制备方法 | |
JP7078508B2 (ja) | グリース組成物、及びグリース組成物の製造方法 | |
CN108359522A (zh) | 一种生物稳定型金属加工液及其制备方法 | |
CN103060057B (zh) | 一种润滑脂及其制备方法 | |
CN102002415A (zh) | 一种可用于工业润滑油的无灰防锈添加剂及其制备方法 | |
JP2011132284A (ja) | 抗乳化剤、その製造法及びそれを含有する水溶性加工油剤組成物 | |
JP2018172485A (ja) | グリース組成物、及びグリース組成物の製造方法 | |
EP3483235B1 (en) | Lubricant composition and lubricant oil composition | |
JP2002363589A (ja) | 潤滑グリース組成物 | |
CN103789067A (zh) | 一种含油溶性纳米Cu的铜箔轧制液及其制备方法 | |
KR100761557B1 (ko) | 대두유를 이용한 수용성 금속가공유의 제조방법 및 이를이용한 금속가공유 | |
CN105154185A (zh) | 一种用于冷轧1700mm以下普碳钢板的轧制油组合物及制备方法 | |
CN101993768B (zh) | 一种多功能润滑脂及其制备方法 | |
CN105087121A (zh) | 一种用于冷轧中宽带钢板的轧制油组合物及制备方法 | |
US20200224115A1 (en) | Molybdenum-containing composition |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20201008 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210623 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220415 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220419 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220519 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7078508 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |