JP7078508B2 - グリース組成物、及びグリース組成物の製造方法 - Google Patents

グリース組成物、及びグリース組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、グリース組成物、及びグリース組成物の製造方法に関する。
グリースは、潤滑油(基油)に増ちょう剤を分散させて半固体にした潤滑剤である。
グリースの固体的な性質は、増ちょう剤によって付与される。例えば、ナトリウム塩を増ちょう剤に用いたグリースが古くから知られており、自動車や電気機器、各種産業機械の種々の摺動部分の潤滑のために広く使用されていた。特許文献1には、基油と共に、増ちょう剤としてナトリウム塩を40質量%程度含むグリース組成物が開示されている。
米国特許3,223,624
しかしながら、ナトリウム塩を増ちょう剤として用いたグリースは、耐水性が不十分であり、耐水性に関し更なる改善の余地がある。
また、一般的に、増ちょう剤としてナトリウム塩を用いた場合、増ちょう剤であるナトリウム塩は基油中で微細な繊維構造を形成し難く、グリース化され難い。そのため、グリース化させるためには、例えば特許文献1に開示されているグリース組成物のように、増ちょう剤であるナトリウム塩の配合量を40質量%程度まで非常に多くする必要がある。
さらに、様々な用途に応じて、ナトリウム塩を増ちょう剤として用いて、混和ちょう度が低く、硬いグリースを得るためには、より多量のナトリウム塩が必要になる。
ここで、多量のナトリウム塩を配合すると、グリース中の固形分が多くなるため、ナトリウム塩の一部が油膜厚さよりも大きい粒子として、グリース表面に浮いてしまい、それに起因して耐摩耗性が低下するといった現象が生じ得る。また、多量の増ちょう剤を配合することで、グリース中の基油含有量が不足し、潤滑部材の摩耗量が増加してしまうといった弊害が生じる恐れもある。
また、特許文献1に記載されたナトリウム塩を用いたグリースは、滴点が低く、高温となる部材での使用には適さない場合がある。
本発明は、耐水性に優れると共に、グリース化し易く、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有するグリース組成物、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、増ちょう剤として、特定構造のナトリウム塩と特定構造のカルシウム塩とを用いたグリース組成物が、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記[1]~[2]を提供する。
[1] 基油(A)と、増ちょう剤(B)とを含有し、
増ちょう剤(B)が、下記一般式(x-1)で表されるナトリウム塩(X1)と、下記一般式(y-1)で表されるカルシウム塩(Y1)と、
を含む、グリース組成物。
Figure 0007078508000001

[上記一般式(x-1)中、Rは、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルキル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数2~20のアルケニル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルコキシ基、又は、ヒドロキシ基を示す。
nは、0~5の整数である。
nが2以上であり、Rが複数存在する場合には、複数のRは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
Figure 0007078508000002

[上記一般式(y-1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1~18のアルキル基を示す。
m1及びm2は、それぞれ独立に、0~5の整数である。
m1が2以上であり、Rが複数存在する場合には、複数のRは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
m2が2以上であり、Rが複数存在する場合には、複数のRは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
[2] 下記工程(1)及び(2)を有する、グリース組成物の製造方法。
・工程(1):基油(A)中で、下記一般式(x-i)で表される芳香族モノカルボン酸を含むカルボン酸と水酸化ナトリウムとを反応させてナトリウム塩(X1)を生成する工程。
Figure 0007078508000003

[上記一般式(x-i)中、Rは、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルキル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数2~20のアルケニル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルコキシ基、又は、ヒドロキシ基を示す。
nは、0~5の整数である。
なお、nが2以上であり、Rが複数存在する場合には、複数のRは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
・工程(2):前記工程(1)で得た、前記ナトリウム塩(X1)を含む前記基油(A)中で、下記一般式(y-ia)で表される芳香族モノカルボン酸及び下記一般式(y-ib)で表される芳香族モノカルボン酸と水酸化カルシウムとを反応させてカルシウム塩(Y1)を生成する工程。
Figure 0007078508000004

[上記一般式(y-ia)中、Rは、炭素数1~18のアルキル基を示す。
m1は、0~5の整数である。
m1が2以上であり、Rが複数存在する場合には、複数のRは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
また、上記一般式(y-ib)中、Rは、炭素数1~18のアルキル基を示す。
m2は、0~5の整数である。
m2が2以上であり、Rが複数存在する場合には、複数のRは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
本発明によれば、耐水性に優れると共に、グリース化し易く、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有するグリース組成物、及びその製造方法を提供することが可能となる。
本明細書において、好ましい数値範囲(例えば、含有量等の範囲)について、段階的に記載された下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10~90、より好ましくは30~60」という記載から、「好ましい下限値(10)」と「より好ましい上限値(60)」とを組み合わせて、「10~60」とすることもできる。
[グリース組成物]
本発明のグリース組成物は、基油(A)と増ちょう剤(B)とを含む。
なお、本発明の一態様のグリース組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに一般的なグリース組成物に使用される各種添加剤を含有していてもよい。
本発明の一態様のグリース組成物において、耐水性に優れると共に、グリース化し易く、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有するグリース組成物とする観点から、基油(A)及び増ちょう剤(B)の合計含有量は、当該グリース組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは85質量%以上であり、また、通常100質量%以下、好ましくは99.9質量%以下、より好ましくは99質量%以下、更に好ましくは95質量%以下である。
以下、本発明の一態様のグリース組成物に含まれる各成分の詳細について説明する。
<基油(A)>
本発明のグリース組成物は、基油(A)を含む。
本発明のグリース組成物に含まれる基油(A)としては、従来、グリース組成物の基油として用いられている鉱油及び合成油から選ばれる1種以上を、特に制限なく使用することができる。
鉱油としては、例えば、パラフィン系原油、中間基系原油、又はナフテン系原油を常圧蒸留して得られる留出油、もしくは常圧蒸留残渣油を減圧蒸留して得られる留出油、これらの留出油を常法に従って精製することによって得られる精製油、具体的には溶剤精製油、水添精製油、脱ロウ処理油、白土処理油等が挙げられる。また、フィッシャー・トロプシュ法等により製造されるワックス(GTLワックス(Gas To Liquids WAX))を異性化することで得られる鉱油ワックスであってもよい。
合成油としては、例えば、炭化水素系油、芳香族系油、エステル系油、エーテル系油等が挙げられる。
基油(A)は、鉱油を単独で又は複数種組み合わせて用いてもよいし、合成油を単独で又は複数種組み合わせて用いてもよい。また、1種以上の鉱油と1種以上の合成油とを組み合わせて用いてもよい。
本発明の一態様で用いる基油(A)の40℃における動粘度としては、好ましくは10~1500mm/sであるが、より好ましくは25~1000mm/s、より好ましくは40~750mm/s、更に好ましくは50~500mm/s、より更に好ましくは60~400mm/sである。
当該動粘度が上記範囲にあることで、グリース組成物の油分離性が適切となって、潤滑部材に基油(A)を供給しやすくできる。また、潤滑部材における油膜保持性も優れたものとし易い。したがって、グリース組成物を長期に亘り使用しやすいものとできる。
なお、本発明の一態様で用いる基油(A)は、潤滑部材の摩耗を抑制する観点から、高粘度の基油と、低粘度の基油との2種類以上の動粘度の異なる基油を組み合わせて、動粘度が上記範囲に属する混合基油を用いてもよい。
本発明の一態様で用いる基油(A)の粘度指数としては、好ましくは60以上、より好ましくは70以上、更に好ましくは80以上、より更に好ましくは100以上である。
なお、本明細書において、動粘度及び粘度指数は、JIS K2283:2003に準拠して測定及び算出した値を意味する。
本発明の一態様のグリース組成物において、基油(A)の含有量としては、当該グリース組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは60~99.0質量%、より好ましくは70~95.0質量%、更に好ましくは75~92.5質量%、より更に好ましくは80~90質量%である。
本発明の一態様のグリース組成物は、多量の増ちょう剤を配合することなく、比較的少量の増ちょう剤を配合することで適度な混和ちょう度に調整することができる。したがって、グリース組成物中において基油(A)の含有量を十分に確保することができ、潤滑部材の摩耗を抑制することができる。また、増ちょう剤にかかるコストを抑えて、グリース組成物の低コスト化を図ることもできる。
<増ちょう剤(B)>
本発明のグリース組成物は、増ちょう剤(B)を含む。
本発明のグリース組成物に含まれる増ちょう剤(B)は、ナトリウム塩(X1)とカルシウム塩(Y1)とを含む。
本発明のグリース組成物は、増ちょう剤(B)としてナトリウム塩(X1)とカルシウム塩(Y1)とを用いることによって、優れた耐水性が奏される。しかも、増ちょう剤(B)としてナトリウム塩(X1)を用いることによって、グリース化し易く、適度な混和ちょう度と高い滴点とを有するグリース組成物とすることができる。
つまり、本発明のグリース組成物は、増ちょう剤(B)としてナトリウム塩(X1)を用いた場合の利点、すなわち、グリース化し易く、適度な混和ちょう度と高い滴点とを有するグリース組成物とすることができる利点を維持しながらも、ナトリウム塩(X1)とカルシウム塩(Y1)とを用いることによって、優れた耐水性が奏されるのである。
ここで、本発明の一態様のグリース組成物において、増ちょう剤(B)は、ナトリウム塩(X1)とカルシウム塩(Y1)とを含み、さらにナトリウム塩(X2)を含むことが好ましい。
本発明の一態様のグリース組成物は、増ちょう剤(B)としてナトリウム塩(X1)とナトリウム塩(X2)とカルシウム塩(Y1)とを用いることによって、優れた耐水性が奏される。しかも、増ちょう剤(B)としてナトリウム塩(X1)とナトリウム塩(X2)とを用いることによって、グリース化し易く、より適度な混和ちょう度とより高い滴点とを有するグリース組成物とすることができる。
つまり、本発明の一態様のグリース組成物は、増ちょう剤(B)としてナトリウム塩(X1)とナトリウム塩(X2)とを用いた場合の利点、すなわち、グリース化し易く、より適度な混和ちょう度とより高い滴点とを有するグリース組成物とすることができる利点を維持しながらも、ナトリウム塩(X1)とナトリウム塩(X2)とカルシウム塩(Y1)とを用いることによって、優れた耐水性が奏されるのである。
以下、増ちょう剤(B)に含まれる、各成分について、詳細に説明する。
(ナトリウム塩(X1))
ナトリウム塩(X1)は、下記一般式(x-1)で表されるナトリウム塩である。
Figure 0007078508000005
上記一般式(x-1)中、Rは、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルキル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数2~20のアルケニル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルコキシ基、又は、ヒドロキシ基を示す。
nは、0~5の整数である。
nが2以上であり、Rが複数存在する場合には、複数のRは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
前記一般式(x-1)中のRとして選択し得る、前記アルキル基及び前記アルコキシ基の炭素数としては、グリース化し易くすると共に、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有するグリース組成物とする観点から、1~20であるが、好ましくは1~12、より好ましくは1~6、更に好ましくは1~3である。
前記一般式(x-1)中のRとして選択し得る、前記アルケニル基の炭素数としては、同様の観点から、2~20であるが、好ましくは2~12、より好ましくは2~6、更に好ましくは2~3である。
なお、上記の炭素数には、前記アルキル基、前記アルケニル基、及び前記アルコキシ基が有してもよい置換基の炭素数は含まれない。
として選択し得る、前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基等が挙げられる。
前記アルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐鎖アルキル基であってもよいが、グリース化し易くすると共に、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有するグリース組成物とする観点から、直鎖アルキル基であることが好ましい。
また、Rとして選択し得る前記アルキル基は、置換基を有していてもよい。
前記アルキル基が有してもよい置換基としては、例えば、シクロアルキル基、ビニル基、アリール基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、シリル基、及びエステル基等が挙げられる。
なお、前記アルキル基は、2つ以上の置換基を有していてもよい。前記アルキル基が2つ以上の置換基を有する場合、当該置換基は同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
ただし、本発明の一態様において、Rとして選択し得る、前記アルキル基は、無置換のアルキル基であることが好ましい。
として選択し得る、前記アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ペンタジエニル基、ヘキセニル基、ヘキサジエニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、オクタジエニル基、2-エチルヘキセニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、エイコセニル基等が挙げられる。
前記アルケニル基は、直鎖アルケニル基であってもよく、分岐鎖アルケニル基であってもよいが、直鎖アルケニル基であることが好ましい。
また、Rとして選択し得る、アルケニル基は置換基を有していてもよい。
前記アルケニル基が有してもよい置換基としては、例えば、シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、シリル基、及びエステル基等が挙げられる。
なお、前記アルケニル基は、2つ以上の置換基を有していてもよい。前記アルケニル基が2つ以上の置換基を有する場合、当該置換基は同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
なお、本発明の一態様において、Rとして選択し得る、前記アルケニル基は、無置換のアルケニル基であることが好ましい。
として選択し得る、前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ノナデシルオキシ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基は、直鎖アルコキシ基であってもよく、分岐鎖アルコキシ基であってもよいが、直鎖アルコキシ基であることが好ましい。
また、Rとして選択し得る、アルコキシ基は置換基を有していてもよい。
前記アルコキシ基が有してもよい置換基としては、例えば、シクロアルキル基、ビニル基、アリール基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、シリル基、及びエステル基等が挙げられる。
なお、前記アルコキシ基は、2つ以上の置換基を有していてもよい。前記アルコキシ基が2つ以上の置換基を有する場合、当該置換基は同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
なお、本発明の一態様において、Rとして選択し得る、前記アルコキシ基は、無置換のアルコキシ基であることが好ましい。
これらの中でも、Rとしては、グリース化し易くすると共に、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有するグリース組成物とする観点から、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルキル基であることが好ましく、無置換の炭素数1~20のアルキル基であることがより好ましく、無置換の炭素数1~12のアルキル基であることが更に好ましく、無置換の炭素数1~6のアルキル基であることがより更に好ましく、無置換の炭素数1~3のアルキル基であることが更になお好ましい。
また、同様の観点から、当該アルキル基の中でも、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、又はs-ブチル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、又はn-プロピル基であることがよりに好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
上記一般式(x-1)中、nは、0~5の整数であるが、グリース化し易くすると共に、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有するグリース組成物とする観点から、好ましくは0~4の整数、より好ましくは0~3の整数、更に好ましくは0~2の整数、より更に好ましくは0又は1である。
ナトリウム塩(X1)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、グリース化し易くすると共に、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有するグリース組成物とする観点から、ナトリウム塩(X1)が、下記一般式(x-11)で表されるナトリウム塩(X11)及び下記一般式(x-12)で表されるナトリウム塩(X12)から選ばれる1種以上であることがより好ましく、下記一般式(x-11)で表されるナトリウム塩(X11)であることが更に好ましい。
Figure 0007078508000006
上記一般式(x-12)中、Rは、上述の前記一般式(x-1)と同じであり、好適な態様(基の種類、炭素数等)についても同様である。
本発明の一態様のグリース組成物において、グリース化し易くすると共に、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有するグリース組成物とする観点から、ナトリウム塩(X1)の含有量は、増ちょう剤(B)の全量(100質量%)基準で、好ましくは5~80質量%、より好ましくは10~75質量%、更に好ましくは15~70質量%、より更に好ましくは20~70質量%、更になお好ましくは25~70質量%、一層好ましくは30~70質量%である。
本発明の一態様のグリース組成物において、グリース化し易くすると共に、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有するグリース組成物とする観点から、ナトリウム塩(X1)の含有量は、グリース組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは1.0~15質量%、より好ましくは1.5~14質量%、更に好ましくは2.0~13質量%、より更に好ましくは3.0~13質量%、更になお好ましくは3.5~13質量%、一層好ましくは4.0~12質量%である。
(ナトリウム塩(X2))
本発明の一態様のグリース組成物において、より適度な混和ちょう度及びより高い滴点を有するグリース組成物とする観点から、増ちょう剤(B)は、上述のナトリウム塩(X1)と共に、さらに下記一般式(x-2)で表されるナトリウム塩(X2)を含むことが好ましい。
Figure 0007078508000007
上記一般式(x-2)中、Rは、無置換もしくは置換基を有する炭素数7~22のアルキル基、又は、無置換もしくは置換基を有する炭素数7~22のアルケニル基を示す。
ナトリウム塩(X1)とナトリウム塩(X2)とを併用することで、より微細な繊維構造を形成できるため、所望の混和ちょう度の調整がより容易となる。また、より高い滴点を有するグリース組成物とすることができる。
なお、本発明のグリース組成物では、増ちょう剤(B)として、上述のナトリウム塩(X1)を含有しているため、グリース化し易い。
そのため、増ちょう剤(B)として、ナトリウム塩(X1)と共に、上記一般式で表されるナトリウム塩(X2)を含有することで、グリース化し易くすると共に、より適度な混和ちょう度及びより高い滴点を有するグリース組成物とすることができる。
前記一般式(x-2)中のRとして選択し得る、前記アルキル基、及び前記アルケニル基の炭素数は、7~22であるが、好ましくは10~20、より好ましくは12~19、更に好ましくは15~19である。
なお、上記の炭素数には、前記アルキル基、及び前記アルケニル基が有していてもよい置換基の炭素数は含まれない。
として選択し得る、前記アルキル基としては、例えば、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基等が挙げられる。
前記アルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐鎖アルキル基であってもよいが、直鎖アルキル基であることが好ましい。
また、Rとして選択し得る、前記アルキル基は置換基を有していてもよい。
前記アルキル基が有してもよい置換基としては、例えば、シクロアルキル基、ビニル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、シリル基、及びエステル基等が挙げられる。
なお、前記アルキル基は、2つ以上の置換基を有していてもよい。前記アルキル基が2つ以上の置換基を有する場合、当該置換基は同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
ただし、本発明の一態様において、Rとして選択し得る、前記アルキル基は、無置換のアルキル基であることが好ましい。
として選択し得る、前記アルケニル基としては、例えば、ヘプテニル基、オクテニル基、オクタジエニル基、2-エチルヘキセニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、エイコセニル基等が挙げられる。
前記アルケニル基は、直鎖アルケニル基であってもよく、分岐鎖アルケニル基であってもよいが、直鎖アルケニル基であることが好ましい。
また、Rとして選択し得る、アルケニル基は置換基を有していてもよい。
前記アルケニル基が有してもよい置換基としては、例えば、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、シリル基、及びエステル基等が挙げられる。
なお、前記アルケニル基は、2つ以上の置換基を有していてもよい。前記アルケニル基が2つ以上の置換基を有する場合、当該置換基は同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
なお、本発明の一態様において、Rとして選択し得るアルケニル基は、無置換のアルケニル基であることが好ましい。
これらの中でも、Rとしては、グリース化し易くすると共に、より適度な混和ちょう度及びより高い滴点を有するグリース組成物とする観点から、無置換もしくは置換基を有する炭素数7~22のアルキル基であることが好ましく、ヒドロキシ基で置換された炭素数7~22のアルキル基又は無置換の炭素数7~22のアルキル基であることがより好ましく、無置換の炭素数7~22のアルキル基であることが更に好ましく、無置換の炭素数10~20のアルキル基であることがより更に好ましく、無置換の炭素数12~19のアルキル基であることが更になお好ましく、無置換の炭素数15~19のアルキル基であることが一層好ましい。
また、同様の観点から、当該アルキル基の中でも、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、又はノナデシル基であることが好ましく、ドデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、又はノナデシル基であることがより好ましく、ヘプタデシル基であることが更に好ましい。
ナトリウム塩(X2)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の一態様のグリース組成物において、グリース化し易くすると共に、より適度な混和ちょう度及びより高い滴点を有するグリース組成物とする観点から、ナトリウム塩(X2)の含有量は、増ちょう剤(B)の全量(100質量%)基準で、好ましくは5.0~80質量%、より好ましくは10~75質量%、更に好ましくは15~70質量%、より更に好ましくは15~60質量%、更になお好ましくは15~55質量%、一層好ましくは15~50質量%である。
本発明の一態様のグリース組成物において、グリース化し易くすると共に、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有するグリース組成物とする観点から、ナトリウム塩(X2)の含有量は、グリース組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは1.0~15質量%、より好ましくは1.5~14質量%、更に好ましくは2.0~13質量%、より更に好ましくは2.0~10質量%、更になお好ましくは2.0~9.5質量%、一層好ましくは2.0~9.0質量%である。
(ナトリウム塩(X1)とナトリウム塩(X2)との含有量比)
本発明の一態様のグリース組成物において、グリース化し易くすると共に、より適度な混和ちょう度及びより高い滴点を有するグリース組成物とする観点から、ナトリウム塩(X1)とナトリウム塩(X2)との含有量比[(X1)/(X2)]は、質量比で、好ましくは5/95~95/5、より好ましくは10/90~90/10、更に好ましくは15/85~85/15、より更に好ましくは20/80~80/20、更になお好ましくは25/75~80/20、一層好ましくは30/70~80/20、より一層好ましくは40/60~80/20である。
(ナトリウム塩(X1)とナトリウム塩(X2)との合計含有量)
本発明の一態様のグリース組成物において、ナトリウム塩(X1)とナトリウム塩(X2)との合計含有量は、増ちょう剤(B)の全量(100質量%)基準で、好ましくは60~90質量%、より好ましくは65~88質量%、更に好ましくは70~86質量%である。
本発明の一態様のグリース組成物において、ナトリウム塩(X1)とナトリウム塩(X2)との合計含有量は、グリース組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは5~18質量%、より好ましくは6~17質量%、更に好ましくは7~16質量%である。
(カルシウム塩(Y1))
カルシウム塩(Y1)は、下記一般式(y-1)で表されるカルシウム塩である。
Figure 0007078508000008
上記一般式(y-1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1~18のアルキル基を示す。
m1及びm2は、それぞれ独立に、0~5の整数である。
m1が2以上であり、Rが複数存在する場合には、複数のRは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
m2が2以上であり、Rが複数存在する場合には、複数のRは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
上記一般式(y-1)中、R及びRとして選択し得る、前記アルキル基の炭素数は1~18であるが、耐水性により優れるグリース組成物とする観点から、好ましくは1~12、より好ましくは1~6、更に好ましくは1~3である。
及びRとして選択し得る、前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
前記アルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐鎖アルキル基であってもよいが、耐水性に優れるグリース組成物とする観点から、直鎖アルキル基であることが好ましい。
上記一般式(y-1)中、m1及びm2は、それぞれ独立に、0~5の整数であるが、耐水性により優れるグリース組成物とする観点から、好ましくは0~4の整数、より好ましくは0~3の整数、更に好ましくは0~2の整数、より更に好ましくは0又は1である。
また、耐水性に優れるグリース組成物とする観点から、カルシウム塩(Y1)が、下記一般式(y-11)で表されるカルシウム塩(Y11)、下記一般式(y-12)で表されるカルシウム塩(Y12)、下記一般式(y-13)で表されるカルシウム塩(Y13)、及び下記一般式(y-14)で表されるカルシウム塩(Y14)から選ばれる1種以上であることがより好ましく、下記一般式(y-11)で表されるカルシウム塩(Y11)であることが更に好ましい。
Figure 0007078508000009

上記一般式(y-12)、上記一般式(y-13)、及び上記一般式(y-14)中、R及びRは、上述の前記一般式(y-1)と同じであり、好適な態様(基の種類、炭素数等)についても同様である。
本発明の一態様のグリース組成物において、耐水性により優れるグリース組成物とする観点から、カルシウム塩(Y1)の含有量は、増ちょう剤(B)の全量(100質量%)基準で、好ましくは10~40質量%、より好ましくは10~35質量%、更に好ましくは15~30質量%である。
本発明の一態様のグリース組成物において、耐水性により優れるグリース組成物とする観点から、カルシウム塩(Y1)の含有量は、グリース組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.5~5.0質量%、より好ましくは1.0~4.0質量%、更に好ましくは2.0~3.5質量%である。
<増ちょう剤(B)の含有量>
本発明の一態様のグリース組成物において、増ちょう剤(B)の含有量は、グリース組成物の全量基準で、好ましくは10~25質量%、より好ましくは11~23質量%、更に好ましくは12~21質量%、より更に好ましくは12~20質量%である。
本発明の一態様のグリース組成物は、このように増ちょう剤の含有量が比較的少量であってもグリース化し易く、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有することがわかる。
<各成分の各種比>
本発明の一態様のグリース組成物において、耐水性により優れ、且つ、グリース化し易く、より適度な混和ちょう度とより高い滴点とを有するグリース組成物とする観点から、カルシウム塩(Y1)とナトリウム塩(X1)との含有量比[カルシウム塩(Y1)/ナトリウム塩(X1)]は、質量比で、好ましくは0.050~1.5、より好ましくは0.10~1.3、更に好ましくは0.10~1.2、より更に好ましくは0.10~1.0、より更に好ましくは0.15~0.8である。
本発明の一態様のグリース組成物において、耐水性により優れ、且つ、グリース化し易く、より適度な混和ちょう度とより高い滴点とを有するグリース組成物とする観点から、カルシウム塩(Y1)とナトリウム塩(X1)及びナトリウム塩(X2)の合計含有量との比[カルシウム塩(Y1)/{ナトリウム塩(X1)+ナトリウム塩(X2)}]は、質量比で、好ましくは0.050~0.50、より好ましくは0.10~0.45、より更に好ましくは0.15~0.40である。
本発明の一態様のグリース組成物において、耐水性により優れ、且つ、グリース化し易く、より適度な混和ちょう度とより高い滴点とを有するグリース組成物とする観点から、カルシウム塩(Y1)と基油(A)及びナトリウム塩(X1)の合計含有量との比[カルシウム塩(Y1)/{基油(A)+ナトリウム塩(X1)}]は、質量比で、好ましくは0.010~0.050、より好ましくは0.015~0.045、より更に好ましくは0.020~0.040である。
<カルシウム原子とナトリウム原子の含有量比>
本発明の一態様のグリース組成物の増ちょう剤(B)に由来する、カルシウム原子とナトリウム原子の含有量比[Ca/Na]は、質量比で、好ましくは0.10~0.50、より好ましくは0.15~0.45、更に好ましくは0.20~0.40である。
なお、本明細書において、グリース組成物のカルシウム原子含有量とナトリウム原子含有量は、JIS-5S-38-03に準拠して測定された値である。
<その他の増ちょう剤>
本発明の一態様のグリース組成物に含まれる増ちょう剤(B)は、本発明の効果を損なわない範囲で、
ナトリウム塩(X1)、ナトリウム塩(X2)、及びカルシウム塩(Y1)以外の増ちょう剤を併用してもよい。
ただし、本発明の一態様のグリース組成物において、グリース化し易くすると共に、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有するグリース組成物とする観点から、リチウム原子含有化合物(β1)の含有量は、極力少ない方が好ましい。
具体的なリチウム原子含有化合物(β1)の含有量としては、増ちょう剤(B)の全量(100質量%)基準で、好ましくは5.0質量%未満、より好ましくは1.0質量%未満、更に好ましくは0.1質量%未満である。
また、上記と同様の観点から、炭素数2~7の脂肪族カルボン酸の金属塩(β2)の含有量も、極力少ない方が好ましい。
なお、ここでいう、脂肪族カルボン酸の炭素数には、脂肪族カルボン酸を構成するカルボキシ基中の炭素原子も含まれる。
金属塩(β2)を構成する金属原子としては、ナトリウム原子、カリウム原子等のアルカリ金属原子や、カルシウム原子等のアルカリ土類金属、アルミニウム等が挙げられる。
具体的な金属塩(β2)の含有量としては、前記増ちょう剤の全量(100質量%)基準で、好ましくは5.0質量%未満、より好ましくは1.0質量%未満、更に好ましくは0.1質量未満である。
<各種添加剤>
本発明の一態様のグリース組成物は、本発明の効果を損なわれない範囲で、さらに一般的なグリースに使用される各種添加剤を含有してもよい。
当該各種添加剤としては、例えば、極圧剤、防錆剤、酸化防止剤、潤滑性向上剤、増粘剤、改質剤、清浄分散剤、腐食防止剤、消泡剤、金属不活性剤等が挙げられる。
なお、これらの各種添加剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の一態様のグリース組成物中の各種添加剤のそれぞれの含有量は、添加剤の種類に応じて適宜設定されるが、当該グリース組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.01~20質量%、より好ましくは0.05~15質量%、更に好ましくは0.1~10質量%である。
[グリース組成物の製造方法]
上述の本発明のグリース組成物を製造する方法は、特に制限されず、公知の方法が適用できるが、優れた耐水性、適度な混和ちょう度、及び高い滴点を得る観点から、少なくとも下記工程(1)及び(2)を有する製造方法が好ましい。
・工程(1):基油(A)中で、下記一般式(x-i)で表される芳香族モノカルボン酸を含むカルボン酸と水酸化ナトリウムとを反応させてナトリウム塩(X1)を生成する工程。
Figure 0007078508000010

[上記一般式(x-i)中、Rは、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルキル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数2~20のアルケニル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルコキシ基、又は、ヒドロキシ基を示す。
nは、0~5の整数である。
なお、nが2以上であり、Rが複数存在する場合には、複数のRは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
・工程(2):前記工程(1)で得た、前記ナトリウム塩(X1)を含む前記基油(A)中で、下記一般式(y-ia)で表される芳香族モノカルボン酸及び下記一般式(y-ib)で表される芳香族モノカルボン酸と水酸化カルシウムとを反応させてカルシウム塩(Y1)を生成する工程。
Figure 0007078508000011

[上記一般式(y-ia)中、Rは、炭素数1~18のアルキル基を示す。
m1は、0~5の整数である。
m1が2以上であり、Rが複数存在する場合には、複数のRは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
また、上記一般式(y-ib)中、Rは、炭素数1~18のアルキル基を示す。
m2は、0~5の整数である。
m2が2以上であり、Rが複数存在する場合には、複数のRは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
ここで、前記工程(1)において、前記カルボン酸が、さらに下記一般式(x-ii)で表される脂肪族モノカルボン酸を含むことが好ましい。これにより、基油(A)中で、前記ナトリウム塩(X1)と共にナトリウム塩(X2)が生成される。
Figure 0007078508000012

〔上記一般式(x-ii)中、Rは、無置換もしくは置換基を有する炭素数7~22のアルキル基、又は、無置換もしくは置換基を有する炭素数7~22のアルケニル基を示す。〕
本発明の一態様のグリース組成物の製造方法では、基油(A)中に生成されるナトリウム塩(X1)及びカルシウム塩(Y1)、さらにはナトリウム塩(X2)の含有量が、上述の範囲となるように、工程(1)における前記芳香族モノカルボン酸と水酸化ナトリウムとの配合量、さらには脂肪族モノカルボン酸の配合量が調整されると共に、工程(2)における前記芳香族モノカルボン酸と水酸化カルシウムの配合量とが調整される。
ここで、前記一般式(x-i)で表される芳香族モノカルボン酸、さらには前記一般式(x-ii)で表される脂肪族モノカルボン酸との反応効率を向上させる観点から、水酸化ナトリウムは水に溶解した水溶液の形態で、基油(A)と混合することが好ましい。
そして、水酸化ナトリウムを水溶液の形態で配合した場合、水を蒸発除去するため、当該水溶液と前記基油(A)との混合液を100℃以上に昇温することが好ましい。
ここで、本発明の一態様のグリース組成物の製造方法では、工程(1)において上記反応温度まで基油(A)を加熱し昇温してナトリウム塩(X1)、さらにはナトリウム塩(X2)を生成した後、基油(A)の加熱を停止し、カルシウム塩(Y1)を生成するための原料を前記基油(A)に添加して、降温(冷却)の過程で、カルシウム塩(Y1)を生成することが好ましい。この場合、カルシウム塩(Y1)を生成するための加熱を別途行う必要がない。
工程(1)及び工程(2)において、ナトリウム塩(X1)、ナトリウム塩(X2)、及びカルシウム塩(Y1)を生成する際の反応温度としては、好ましくは50~240℃、より好ましくは60~220℃、更に好ましくは70~200℃である。工程(1)及び工程(2)において、反応中は、反応効率を向上させる観点から、基油(A)を十分に撹拌することが好ましい。
工程(2)が完了した後、降温(冷却)中又は降温(冷却)後に、さらに上述のグリース用の各種添加剤を配合し、混合してもよい。
当該混合温度としては、好ましくは140℃以下、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは90℃以下である。
また、冷却後の反応物であるグリース組成物に対して、コロイドミルやロールミル等を用いて、ミリング処理を施すことが好ましい。
[本発明のグリース組成物の特性]
<耐水性>
本発明の一態様のグリース組成物の耐水性は、79℃における水洗耐水度によって評価することができる。本発明の一態様のグリース組成物の79℃における水洗耐水度としては、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは4質量%以下、より更に好ましくは2質量%以下である。
なお、本明細書において、グリース組成物の79℃における水洗耐水度は、JIS K2220:2013の水洗耐久度試験方法に準拠して測定された値である。
<混和ちょう度>
本発明の一態様のグリース組成物の25℃における混和ちょう度としては、グリース組成物の硬さを適度な範囲とし、耐摩耗を良好とする観点から、好ましくは220~450、より好ましくは240~400、更に好ましくは250~350である。
なお、本明細書において、混和ちょう度は、ASTM D 217法に準拠して、25℃にて測定された値を意味する。
<滴点>
本発明の一態様のグリース組成物の滴点としては、高温特性を良好とする観点から、好ましくは200℃以上、より好ましくは250℃以上、更に好ましくは270℃以上、より更に好ましくは290℃以上である。
なお、本明細書において、滴点は、JIS K2220 8:2013に準拠して、25℃にて測定された値を意味する。
[グリース組成物の用途]
本発明のグリース組成物を用いた機構部品としては、特に限定されないが、軸受や歯車等の機械要素が挙げられ、より具体的には、すべり軸受、ころがり軸受等の各種軸受、歯車、内燃機関、ブレーキ、トルク伝達装置用部品、流体継ぎ手、圧縮装置用部品、チェーン、油圧装置用部品、真空ポンプ装置用部品、時計部品、ハードディスク用部品、冷凍機用部品、切削機用部品、圧延機用部品、絞り抽伸機用部品、転造機用部品、鍛造機用部品、熱処理装置用部品、熱交換機用部品、洗浄機用部品、ショックアブソーバ機用部品、密封装置用部品、建機用部品、農機用部品等が挙げられる。
これらの中でも、本発明のグリース組成物は、建設用部品又は農機用部品に用いられることが好ましい。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、各種物性値の測定法は以下のとおりである。
(1)40℃動粘度、粘度指数
JIS K2283:2003に準拠して測定及び算出した。
(2)混和ちょう度
ASTM D 217法に準拠して、25℃にて測定した。
(3)滴点
JIS K2220 8:2013に準拠して測定した。
実施例及び比較例のグリース組成物の調製に際して、基油(A)及び増ちょう剤(B)の原料は以下のとおりとした。
<基油(A)>
・鉱油(パラフィン系精製油):40℃動粘度=150mm/s、粘度指数=106。
<増ちょう剤(B)の原料>
(ナトリウム塩生成用原料)
・安息香酸:前記一般式(x-i)中、n=0である芳香族モノカルボン酸
・ステアリン酸:前記一般式(x-ii)中、R=n-ヘプタデシル基である脂肪族モノカルボン酸。
・12-ヒドロキシステアリン酸:前記一般式(x-ii)中、R=12-ヒドロキシ-n-ヘプタデシル基である脂肪族モノカルボン酸。
・水酸化ナトリウム:固形分濃度45質量%の水酸化ナトリウム水溶液の形態で使用
(カルシウム塩生成用原料)
・安息香酸:前記一般式(y-ia)及び前記一般式(y-ib)中、m1=0及びm2=0である芳香族モノカルボン酸
・水酸化カルシウム:純度96.0%の特級試薬を使用
・ステアリン酸:前記一般式(x-ii)中、R=n-ヘプタデシル基である脂肪族モノカルボン酸。
[実施例1~5、比較例1~2]
<製造例1:実施例1~5>
1Lのセパラブルフラスコに、表1に示す配合量の基油(A)と、表1に示す種類及び配合量のナトリウム塩生成用原料のカルボン酸成分とを加えて、オイルバス中で70~90℃まで昇温して、カルボン酸成分を基油(A)に溶解させた。
次に、水酸化ナトリウム水溶液を、表1に示す固形分換算の配合量となるように加え、基油(A)を加熱して70~90℃まで昇温させ撹拌した後、さらに加熱して180~200℃まで昇温し、基油(A)中にナトリウム塩を生成させると共に、水酸化ナトリウム水溶液に含まれる水分を蒸発除去した。
ナトリウム塩を生成させた基油(A)の加熱を停止し、冷却の過程で、表1に示す配合量のカルシウム塩生成用原料を加えてカルシウム塩を生成させた。
室温(25℃)まで冷却した後、3本ロールにてミリング処理を行い、実施例1~5のグリース組成物を得た。
<製造例2:比較例1>
1Lのセパラブルフラスコに、表1に示す配合量の基油(A)と、表1に示す種類及び配合量のナトリウム塩生成用原料のカルボン酸成分とを加えて、オイルバス中で70~90℃まで昇温して、カルボン酸成分を基油(A)に溶解させた。
次に、水酸化ナトリウム水溶液を、表1に示す配合量(固形分換算)で加え、基油(A)を加熱して70~90℃まで昇温させ撹拌した後、さらに加熱して180~200℃まで昇温し、基油(A)中にナトリウム塩を生成させると共に、水酸化ナトリウム水溶液に含まれる水分を蒸発除去した。
基油(A)の加熱を停止し、室温(25℃)まで冷却した後、3本ロールにてミリング処理を行い、比較例1のグリース組成物を得た。
<製造例3:比較例2>
カルシウム塩生成用原料としてのカルボン酸成分を安息香酸からステアリン酸に変更したこと以外は、製造例1と同様の方法として、比較例2のグリース組成物を得た。
得られたグリース組成物の混和ちょう度及び滴点を測定すると共に、以下に示す方法で水洗耐水度を評価した。
<水洗耐水度試験>
79℃の水を用いて、JIS K2220:2013の水洗耐久度試験方法に準拠した方法により、試験前のグリース組成物の量100質量%に対する、水に洗い流されたグリース組成物の質量を測定した。
当該質量が大きいグリース組成物は、耐水性が低いグリースであるといえ、一方、当該質量が小さいグリース組成物は、耐水性に優れたグリース組成物であるといえる。
結果を表1に示す。
Figure 0007078508000013
表1から、以下のことがわかる。
比較例1のように、増ちょう剤(B)としてナトリウム塩(X1)及びナトリウム塩(X2)のみを用いたグリース組成物は、増ちょう剤(B)の含有量が14.0質量%と比較的少量であってもグリース化し易く、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有するものの、耐水性に劣ることがわかる。
これに対し、実施例1~5のグリース組成物は、耐水性に優れ、しかも増ちょう剤(B)の含有量が13.1~17.0質量%と比較的少量であってもグリース化し易く、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有することがわかる。つまり、実施例1~5のグリース組成物は、比較例1のグリース組成物の利点を維持しながらも、耐水性に優れるグリース組成物であることがわかる。
また、比較例2のように、カルシウム塩がステアリン酸カルシウムであると、適度な混和ちょう度及び高い滴点を有するものの、耐水性に劣ることがわかる。したがって、耐水性の向上効果は、安息香酸カルシウム等のカルシウム塩(Y1)を用いることによって奏され、脂肪酸カルシウム等を用いても奏されないことがわかる。

Claims (15)

  1. 基油(A)と、増ちょう剤(B)とを含有し、
    増ちょう剤(B)が、下記一般式(x-1)で表されるナトリウム塩(X1)と、下記一般式(y-1)で表されるカルシウム塩(Y1)と、
    を含む、グリース組成物。
    Figure 0007078508000014

    [上記一般式(x-1)中、Rは、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルキル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数2~20のアルケニル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルコキシ基、又は、ヒドロキシ基を示す。
    nは、0~5の整数である。
    nが2以上であり、Rが複数存在する場合には、複数のRは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
    Figure 0007078508000015

    [上記一般式(y-1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1~18のアルキル基を示す。
    m1及びm2は、それぞれ独立に、0~5の整数である。
    m1が2以上であり、Rが複数存在する場合には、複数のRは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
    m2が2以上であり、Rが複数存在する場合には、複数のRは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
  2. 増ちょう剤(B)が、さらに下記一般式(x-2)で表されるナトリウム塩(X2)を含む、請求項1に記載のグリース組成物。
    Figure 0007078508000016

    [上記一般式(x-2)中、Rは、無置換もしくは置換基を有する炭素数7~22のアルキル基、又は、無置換もしくは置換基を有する炭素数7~22のアルケニル基を示す。]
  3. ナトリウム塩(X1)とナトリウム塩(X2)との含有量比[(X1)/(X2)]が、質量比で、5/95~95/5である、請求項2に記載のグリース組成物。
  4. ナトリウム塩(X1)が、下記一般式(x-11)で表されるナトリウム塩(X11)及び下記一般式(x-12)で表されるナトリウム塩(X12)から選ばれる1種以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載のグリース組成物。
    Figure 0007078508000017

    [上記一般式(x-12)中、Rは、前記一般式(x-1)と同じである。]
  5. カルシウム塩(Y1)が、下記一般式(y-11)で表されるカルシウム塩(Y11)、下記一般式(y-12)で表されるナトリウム塩(Y12)、下記一般式(y-13)で表されるナトリウム塩(Y13)、及び下記一般式(y-14)で表されるナトリウム塩(Y14)から選ばれる1種以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載のグリース組成物。
    Figure 0007078508000018


    [上記一般式(y-12)、上記一般式(y-13)、及び上記一般式(y-14)中、R及びRは、前記一般式(y-1)と同じである。]
  6. 増ちょう剤(B)に由来する、カルシウム原子(Ca)とナトリウム原子(Na)との含有量比[(Ca)/(Na)]が、質量比で、0.10~0.50である、請求項1~5のいずれか一項に記載のグリース組成物。
  7. カルシウム塩(Y1)とナトリウム塩(X1)との含有量比[(Y1)/(X1)]が、質量比で、0.050~1.5である、請求項1~6のいずれか一項に記載のグリース組成物。
  8. カルシウム塩(Y1)と基油(A)及びナトリウム塩(X1)の合計含有量との含有量の比[(Y1)/{(A)+(X1)}]が、質量比で、0.010~0.050である、請求項1~7のいずれか一項に記載のグリース組成物。
  9. カルシウム塩(Y1)とナトリウム塩(X1)及びナトリウム塩(X2)の合計含有量との含有量の比[(Y1)/{(X1)+(X2)}]が、質量比で、0.050~0.50である、請求項2又は3に記載のグリース組成物。
  10. カルシウム塩(Y1)の含有量が、前記グリース組成物の全量基準で、0.5~5.0質量%である、請求項1~9のいずれか一項に記載のグリース組成物。
  11. カルシウム塩(Y1)の含有量が、増ちょう剤(B)の全量基準で、10~40質量%である、請求項1~10のいずれか一項に記載のグリース組成物。
  12. 増ちょう剤(B)の含有量が、前記グリース組成物の全量基準で、10~25質量%である、請求項1~11のいずれか一項に記載のグリース組成物。
  13. 25℃における混和ちょう度が、220~450である、請求項1~12のいずれか一項に記載のグリース組成物。
  14. 下記工程(1)及び(2)を有する、グリース組成物の製造方法。
    ・工程(1):基油(A)中で、下記一般式(x-i)で表される芳香族モノカルボン酸を含むカルボン酸と水酸化ナトリウムとを反応させてナトリウム塩(X1)を生成する工程。
    Figure 0007078508000019

    [上記一般式(x-i)中、Rは、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルキル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数2~20のアルケニル基、無置換もしくは置換基を有する炭素数1~20のアルコキシ基、又は、ヒドロキシ基を示す。
    nは、0~5の整数である。
    なお、nが2以上であり、Rが複数存在する場合には、複数のRは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
    ・工程(2):前記工程(1)で得た、前記ナトリウム塩(X1)を含む前記基油(A)中で、下記一般式(y-ia)で表される芳香族モノカルボン酸及び下記一般式(y-ib)で表される芳香族モノカルボン酸と水酸化カルシウムとを反応させてカルシウム塩(Y1)を生成する工程。
    Figure 0007078508000020

    [上記一般式(y-ia)中、Rは、炭素数1~18のアルキル基を示す。
    m1は、0~5の整数である。
    m1が2以上であり、Rが複数存在する場合には、複数のRは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
    また、上記一般式(y-ib)中、Rは、炭素数1~18のアルキル基を示す。
    m2は、0~5の整数である。
    m2が2以上であり、Rが複数存在する場合には、複数のRは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
  15. 前記工程(1)において、前記カルボン酸が、さらに下記一般式(x-ii)で表される脂肪族モノカルボン酸を含み、前記ナトリウム塩(X1)と共にナトリウム塩(X2)を生成する、請求項14に記載のグリース組成物の製造方法。
    Figure 0007078508000021

    〔上記一般式(x-ii)中、Rは、無置換もしくは置換基を有する炭素数7~22のアルキル基、又は、無置換もしくは置換基を有する炭素数7~22のアルケニル基を示す。〕
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