JP7078219B2 - 熱可塑性樹脂材の製造装置 - Google Patents
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Description
よって、このような熱可塑性樹脂材の製造装置においては、基材の金型投入までの時間が、より短縮され、基材の温度を下げることなく基材を金型に投入することができるものが望まれている。
本実施形態での熱可塑性樹脂材は、車両構成部材として使用するものを想定している。この車両構成部材としては、例えば、パネル部材や、サイドシル、センタピラー、フロアクロスメンバなどの主要骨格部材が挙げられる。ただし、本実施形態での熱可塑性樹脂材の用途は、このような車両構成部材に限定されるものではない。この熱可塑性樹脂材は、船舶、航空機のような車両以外の移動体の構成部材のほか、例えば建築物、各種機器装置などの構成部材にも適用することができる。
図1に示すように、熱可塑性樹脂材10は、主基材11と補助基材12との一体成形体である。なお、主基材11は、特許請求の範囲にいう「基材」に相当する。
本実施形態での主基材11(基材)は、熱可塑性樹脂を含んで構成されている。この主基材11は、熱可塑性樹脂材10の造形を行うものである。つまり、この主基材11は、後記する熱可塑性樹脂材10の成形時において、金型内で流動することで、補助基材12と一体になって熱可塑性樹脂材10の略外形を補助基材12とともに構成する。
熱可塑性樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトンなどの結晶性樹脂;ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、AS樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテルなどの非結晶樹脂が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
また、繊維材としては、炭素繊維が望ましく、繊維長が20mm以下の短繊維はさらに望ましい。この炭素繊維としては、PAN系、ピッチ系のいずれでも構わない。
この補助基材12は、後に詳しく説明するように、金型31(図2参照)のキャビティに沿って配置される。補助基材12は、シート状を呈しており、金型追従性に富んでいる。
車両用構成部材への応用を想定した補助基材12としては、繊維を含む熱可塑性樹脂含有シートが望ましい。これらの熱可塑性樹脂と繊維とは、主基材11に使用される前記のものを使用することができる。特に、炭素繊維と熱可塑性樹脂とを含む補助基材12はさらに望ましい。
また、主基材11に使用される熱可塑性樹脂と、補助基材12に使用される熱可塑性樹脂とは、同種であることが望ましい。つまり、主基材11に例えばポリアミド樹脂が使用される場合には、補助基材12にもポリアミド樹脂が使用されることが望ましい。
本実施形態での熱可塑性樹脂材10は、このような比に設定されることで、衝突荷重を想定した強度、剛性などを一段と高めることができるとともに、後記する成形時における金型内での熱可塑性樹脂の流動性をさらに良好に維持することができる。
この場合、前記の比(VfS/VfM)は、1.3以上が望ましい。
次に、熱可塑性樹脂材10(図1参照)の製造装置について説明する。
図2は、本実施形態に係る製造装置20の構成説明図である。図3は、図2の製造装置20を構成するマテリアルハンドリングロボット40のハンド部43の構成説明図である。
供給装置50は、主基材11の混練押出機53と、主基材11の保温炉51と、で主に構成されている。
混練押出機53は、投入された主基材11を構成するマトリックスとしての熱可塑性樹脂Rと充填材Fとを所定温度(例えば、熱可塑性樹脂の融点以上)のもとに混練し、この混練により可塑化した主基材11を押出すように構成されている。
ちなみに、本実施形態での混練押出機53、例えば、熱可塑性樹脂ペレットの二軸スクリュー型溶融混練機と、炭素繊維ロービングから繰り出される長炭素繊維の細断機とを組み合わせたLFT-D(Long Fiber Thermoplastic-Direct)押出機を想定しているが、これに限定されるものではない。
載置台52は、保温炉51から送り出された主基材11を載置するテーブル部52aと、光学センサ52bと、ヒータ52cと、を備えている。
光学センサ52bは、載置台52に載置された主基材11を検出して、後記する制御手段60に主基材11の検出信号を出力するようになっている。
そして、この所定温度は、主基材11が金型31に搬送されて成形される際に、主基材11に含まれる熱可塑性樹脂の流動性が損なわれない程度に設定される。具体的なこの所定温度としては、使用する熱可塑性樹脂に応じて適宜に設定することができるが、熱可塑性樹脂の融点を超える温度に設定することが望ましい。
この載置台52のヒータ52cは、後記するように、第1のマテリアルハンドリングロボット40Aに配置された制御手段60によって制御されている。
補助基材12の供給装置59は、補助基材12の収納部54と、補助基材12の加熱炉55と、収納部54から取り出した補助基材12を加熱炉55に移動させる図示しないリフトと、を備えている。
本実施形態での補助基材12は、縦横の長さが所定の長さに切り揃えられた平面視で矩形の板状のものを想定している。
収納部54では、ストック治具54aによって、複数の補助基材12が上下方向に揃えられて配置されている。つまり、本実施形態での収納部54に配置された各補助基材12は、後記する第2のマテリアルハンドリングロボット40Bの稼働範囲において、予め定められた座標に位置決めされている。
そして、この所定温度は、補助基材12が金型31に搬送されて成形される際に、補助基材12に含まれる熱可塑性樹脂の流動性が損なわれない程度に設定される。
具体的なこの所定温度としては、使用する熱可塑性樹脂に応じて適宜に設定することができるが、熱可塑性樹脂の融点を超える温度に設定することが望ましい。
ちなみに、加熱炉55の温度制御は、後記する制御手段60によって行うことができるし、加熱炉55の有する個別の温度調節装置によって行うこともできる。
プレス装置30は、上型31aと下型31bとからなる金型31と、下型31bを支持するベース32と、下型31bの上方で上型31aを支持するとともに、下型31bに対して上型31aを上下移動させる昇降部(図示省略)と、を主に備えている。
金型31には、上型31aと下型31bとが上下方向に相互に重ね合わせられた内側にキャビティが形成される。昇降部によってベース32上の下型31bに向けて上型31aが所定圧で押圧されることで、キャビティ内に配置された成形材料(主基材11及び補助基材12)がプレス成形される。
マテリアルハンドリングロボット40は、第1のマテリアルハンドリングロボット40Aと、第2のマテリアルハンドリングロボット40Bとで構成されている。
なお、本実施形態での第1のマテリアルハンドリングロボット40Aは、特許請求の範囲にいう「搬送機構」に相当する。
第2のマテリアルハンドリングロボット40Bは、補助基材12を加熱炉55から金型31に向けて搬送するように構成されている。また、本実施形態での第2のマテリアルハンドリングロボット40Bは、金型31で成形された熱可塑性樹脂材10(図1参照)を金型31から取り出すように構成されている。
このマテリアルハンドリングロボット40は、ハンド部43がアーム部42を介して支持部41周りで三次元的に移動するように構成されている。アクチュエータ(図示省略)は、エアシリンダ、ギヤ、カムなどの公知の要素で構成され、ハンド部43を前記のように三次元的に移動させる。なお、図2中、符号60は、第1のマテリアルハンドリングロボット40Aの支持部41に配置された、後に詳しく説明する制御手段である。
なお、図3においては、第1のマテリアルハンドリングロボット40Aと第2のマテリアルハンドリングロボット40Bとの共通部分を説明する目的で、第1のマテリアルハンドリングロボット40Aにのみ備える撮像カメラ56(図2参照)は、作図の便宜上、仮想線(二点鎖線)にて記載している。
ハンド部43は、特許請求の範囲にいう「把持部」に相当し、ヒータ47は、「第1温度調整手段」に相当する。
なお、後記する製造方法において、主基材11(図1参照)及び補助基材12(図1参照)のそれぞれは、本体部44の厚さ方向の他端面44a(取付部48が設けられる一端面と反対の面。以下、単に「本体部44の他端面44a」と称することがある)側に配置される。
ロッド部材45aは、本体部44を厚さ方向に貫くように配置されている。このロッド部材45aは、アクチュエータ45bを介して本体部44に取り付けられている。
ロッド部材45aは、このアクチュエータ45bによって、本体部44の厚さ方向に移動可能となっている。
突出したロッド部材45aは、後記するように補助基材12(図1参照)を下型31bに向けて押圧する。
ちなみに、本実施形態での本体部44は、1つのプッシャ45を有するものを想定しているが、2つ以上のプッシャ45を有する構成とすることもできる。
各ニードル部材46aは、アクチュエータ46bによって、軸線Ax方向に移動可能となっている。
ちなみに、本実施形態での本体部44は、前記のように2組の保持部46を有するものを想定しているが、3組以上の保持部46を有する構成とすることもできる。
本実施形態でのヒータ47としては、温風ヒータを想定しているが、これに限定されるものではなく、電熱ヒータ、赤外線ヒータ、これら種々の組み合わせからなるものなどを使用することもできる。
次に、第1のマテリアルハンドリングロボット40Aの検出機構としての撮像カメラ56(図2参照)について説明する。
この撮像カメラ56は、載置台52上の主基材11(基材)の状態を非接触で検出する。具体的には、主基材11(図2参照)の温度及び重心位置を撮像画像に基づいて検出する。
本実施形態での撮像カメラ56は、ハンド部43の主基材11に対向する面、つまり前記の他端面44a(図3参照)の適所に配置されている。
この制御手段60は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)、データの一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)などで構成することができる。
重心検出部61aは、撮像カメラ56の通常光検出部56a(例えば、CCDカメラ)で撮像された主基材11の平面形状の撮像画像に基づいて、主基材11の平面形状内に規定される重心位置を検出する。
主基材11の重心座標を検出する方法は、特に制限はなく公知の方法を採用することができる。本実施形態での重心座標を検出する方法は、例えば、撮像画像中に占める主基材11の面積に基づいて重心座標を検出する方法、撮像画像中の主基材11の輪郭に基づいて重心座標を検出する方法などのように、直接画像分析法が望ましい。
この重心検出部61aによって、主基材11の位置座標、つまり重心座標が出力される。
この温度検出部61bによって、載置台52(図2参照)上の主基材11の表面温度が検出され、出力される。
受取補正量計算部62aは、重心検出部61aから出力された主基材11の重心座標に基づいて、ハンド部43の変位量(補正量)を計算する。
つまり、受取補正量計算部62aは、第1のマテリアルハンドリングロボット40A(図2参照)のハンド部43(図2参照)の現在位置(座標)から、ハンド部43が主基材11を受け取る主基材11の重心座標に至るまでのハンド部43の変位量(受取補正量)を計算し、出力する。
この主基材11の目的温度は、前記したように、第1のマテリアルハンドリングロボット40A(図2参照)による搬送が可能な程度に主基材11の形状が保持され、主基材11が金型31(図2参照)に搬送されて成形される際に、主基材11に含まれる熱可塑性樹脂の流動性が損なわれない程度に設定することができる。
受取座標値出力部63aは、受取補正量計算部62aから出力された前記のハンド部43の変位量(受取補正量)に基づいて、ハンド部43が主基材11を受け取るための変位指令、つまり受取座標値を第1のマテリアルハンドリングロボット40A(図4中、第1MHRで示す)のアクチュエータ57に出力する。第1のマテリアルハンドリングロボット40Aは、この変位指令に基づいて、主基材11の重心座標に移動し、この重心座標を中心にして主基材11を把持する。
次に、熱可塑性樹脂材10(図1参照)の製造装置20(図2参照)の動作について説明する。
図5は、本実施形態の製造装置20が熱可塑性樹脂材10をプレス成形するまでの動作を説明するフロー図である。
そして、第2のマテリアルハンドリングロボット40B(図2参照)は、加熱炉55(図2参照)から補助基材12(図2参照)を取り出す(図5のステップS108)。
次いで、第2のマテリアルハンドリングロボット40Bは、取り出した補助基材12を金型31(図2参照)内に投入する(図5のステップS109参照)。
この際、保持部46のニードル部材46aは、前記のように、補助基材12を突き刺して本体部44の他端面44aに保持している。プッシャ45のロッド部材45aは、前記の基準位置にあって他端面44aから突き出していない。
そして、制御手段60(図4参照)の受取補正量計算部62a(図4参照)は、前記のように主基材11の受取補正量を計算する(ステップS105参照)。受取補正量計算部62aは、計算した受取補正量を、制御手段60(図4参照)の受取座標値出力部63a(図4参照)に出力する。
そして、この受取座標値を入力した第1のマテリアルハンドリングロボット40A(図5中、第1MHRで示す)のアクチュエータ57(図4参照)は、前記のように、主基材11の重心座標に移動し、この重心座標を中心にして主基材11を把持する。これにより第1のマテリアルハンドリングロボット40Aは、主基材11を受け取る(ステップS107参照)。
プレス装置30は、この作動指令によってプレス動作を行う(ステップS114参照)。これにより金型31内に熱可塑性樹脂材10が形成されて、製造装置20の動作のサブルーチンが終了する。
図7中、「主基材の供給装置」は、図2の「主基材11の供給装置50」に対応する。図7中、「載置台のヒータ」は、図2の「載置台52のヒータ52c」に対応する。図7中、「第1MHR」は、図2の「第1のマテリアルハンドリングロボット40A」に対応する。図7中、「第2MHR」は、図2の「第2のマテリアルハンドリングロボット40B」に対応する。図7中、「補助基材の加熱炉」は、図2の「補助基材12の加熱炉55」に対応する。図7中、「プレス装置」は、図2の「プレス装置30」に対応する。なお、このタイムチャートは、図7の左側から右側方向に時間が経過するように記載されている。この図7について図2を参照しながら説明する。
そして、図2に示す第2のマテリアルハンドリングロボット40Bは、加熱炉55の補助基材12を金型31に搬送してチャージする。この補助基材金型チャージ工程は、図7中、実線矢印A4aで示されている。なお、搬送中の補助基材12の温度は、図3に示すハンド部43のヒータ47で所定温度に維持されている。
なお、この主基材搬送工程A3bにおける主基材11は、図3に示すハンド部43のヒータ47で所定温度に維持されている。
また、本実施形態では、この主基材金型チャージ工程において、温風ヒータからなるヒータ47の風量を増加させることが望ましい。これにより金型31内での主基材11の温度の最適化をより確実に実行することができる。
そして、本実施形態では、型開きされた後、図7に示すように、第2のマテリアルハンドリングロボット40B(第2MHR)によって、熱可塑性樹脂材10の搬出工程A6が実行されて、製造工程の1サイクル目が終了する。
次に、本実施形態の製造装置20が奏する作用効果について説明する。
本実施形態の製造装置20は、金型31に主基材11を供給する第1のマテリアルハンドリングロボット40A(搬送装置)に、主基材11の状態を検出する撮像カメラ56(検出機構)と、金型31の動作や前記の各種機構を制御する制御手段60とを備えている。
図8は、参考例としての製造装置が熱可塑性樹脂材10をプレス成形するまでの動作を説明するフロー図である。
この参考例の製造装置は、図示しないが、本実施形態の製造装置20と異なって、制御手段60(図4参照)を製造装置外に有するものを想定している。この参考例の製造装置は、制御手段60の配置以外は概ね本実施形態の製造装置20と同様に構成されている。
また、第2のマテリアルハンドリングロボット40B(図8中、第2MHRで示す)は、加熱炉55(図2参照)から補助基材12(図2参照)を取り出す(図8のステップS208参照)。
また、第2のマテリアルハンドリングロボット40Bは、取り出した補助基材12を金型31(図2参照)内に投入する(ステップS209参照)。
そして、外部PLCは、主基材11の前記の受取補正量を計算する(ステップS205参照)。
そして、この受取座標値を入力した第1のマテリアルハンドリングロボット40A(図8中、第1MHRで示す)のアクチュエータ57(図4参照)は、主基材11を把持することでこれを受け取る(ステップS207参照)。
プレス装置30は、この作動指令によってプレス動作を行う(ステップS214参照)。これにより金型31内に熱可塑性樹脂材10が形成されて、参考例の製造装置の動作のサブルーチンが終了する。
また、本実施形態の製造装置20によれば、このような信号のやり取りの回数の削減によって、信号のエラー、バグ、システムの不安定などのネガティブな事象の発生を回避することができる。
このような製造装置20によれば、ハンド部43のヒータ47により、搬送中の主基材11の温度が低下することがない。
したがって、製造装置20によれば、金型31での成形時に主基材11の流動性が良好に維持され、高品質の熱可塑性樹脂材10(樹脂成形部品)を得ることができる。
また、このような製造装置20によれば、ハンド部43のヒータ47により、前後工程の時間のバッファを設けることができ、熱可塑性樹脂材10(樹脂成形部品)の高効率な生産が可能となる。
このような製造装置20では、載置台52上で、撮像カメラ56が主基材11の状態を検出している際に、ヒータ52cが主基材11の温度を維持する。また、ヒータ52cは、主基材11の状態の検出結果に応じて、主基材11の温度を変化させることができる。
これにより製造装置20は、最適な状態で主基材11を金型31内に投入することができる。
したがって、製造装置20によれば、金型31での成形時に主基材11の流動性が良好に維持され、高品質の熱可塑性樹脂材10(樹脂成形部品)を得ることができる。
このような製造装置20によれば、主基材11の表面温度を確認することで、金型31内での主基材11の流動を良好に維持することができる。
したがって、製造装置20によれば、金型31での成形時に主基材11の流動性が良好に維持され、高品質の熱可塑性樹脂材10(樹脂成形部品)を得ることができる。
このような製造装置20によれば、供給装置50から順番に送り出される複数の主基材11は、重心位置にばらつきを生じる場合ある。
本実施形態の製造装置20は、主基材11の重心位置を確認することで、金型31内での流動が良好になるよう金型31への主基材11の投入位置を調整することができる。
また、製造装置20は、通常光検出部56a(重心検出機構)によって、例えば機械学習のような長時間のプログラム調整が必要なものと異なって、簡素な構成でリアルタイムで主基材11の重心を検出することができ、熱可塑性樹脂材10(樹脂成形部品)の生産性に優れる。
これにより現場での設備配置のレイアウトの自由度が向上する。
また、この製造装置20は、第1のマテリアルハンドリングロボット40A(搬送機構)の制御手段60によって、製造装置20全体を統括することで、シーケンスプログラムの簡略化と、電気信号の応答時間を最小にすることができる。これにより製造装置20は、熱可塑性樹脂材10(樹脂成形部品)の成形サイクルを短縮することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更することができる。
次に参照する図9及び図10は、変形例に係るハンド部43A,43Bの構成説明図である。なお、前記実施形態でのハンド部43(図3参照)と同一の構成要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
このようなシュラウド58によれば、保持部46で他端面44a側に保持された主基材11又は補助基材12(図2参照)をハンド部43Aが搬送する際に、主基材11又は補助基材12からの放熱を抑制する。
この加熱部材7は、本体部44と略同じ平面形状を有する薄い直方体に形成されている。そして、加熱部材7には、ヒータ47が内蔵されている。
加熱部材7の一側面には、本体部44の側面に向かって延びるL字状のアーム72が設けられている。このアーム72の先端は、本体部44の側面に設けられたアクチュエータ73の回動軸74に取り付けられている。
また、主基材11又は補助基材12を本体部44が受け取る際、又は本体部44が主基材11又は補助基材12を開放する際(金型31にチャージする際)には、加熱部材7が回動軸74周りに回動して開くようになっている。
なお、図10中、符号75は、加熱部材7の側面部から他端面44a側を角筒状に覆うように延びるシュラウドである。このシュラウド75は、本体部44に設けることができるし、加熱部材7と本体部44の両方に設けることもできる。
11 主基材(基材)
12 補助基材
20 製造装置
30 プレス装置
31 金型
31a 上型
31b 下型
32 ベース
40 マテリアルハンドリングロボット
40A マテリアルハンドリングロボット(搬送機構)
40B マテリアルハンドリングロボット
41 支持部
42 アーム部
43 ハンド部(把持部)
43A ハンド部
43B ハンド部
45 プッシャ
45a ロッド部材
45b アクチュエータ
46 保持部
46a ニードル部材
46b アクチュエータ
47 ヒータ(第1温度調整手段)
48 取付部
50 主基材の供給装置
51 保温炉
52 載置台
52b 光学センサ
52c ヒータ(第2温度調整手段)
53 混練押出機
54 収納部
54a ストック治具
55 加熱炉
56 撮像カメラ(検出機構)
56a 通常光検出部(重心検出機構)
56b 赤外線検出部(温度検出機構)
57 アクチュエータ
59 補助基材の供給装置
60 制御手段
61 画像処理部
61a 重心検出部
61b 温度検出部
62 操作量計算部
62a 受取補正量計算部
62b 温度補正量計算部
63 操作量出力部
63a 受取座標値出力部
63b 温度補正値出力部
Claims (4)
- 熱可塑性樹脂を含む基材を所定形状に成形する金型と、
前記金型内に前記基材を配置する搬送機構と、を有し、
前記搬送機構は、
前記基材の状態を検出する検出機構と、
前記金型及び前記搬送機構の動作を制御する制御手段と、
前記検出機構によって前記基材の状態が検出される際に、前記基材が載置される載置台と、
を備え、
前記検出機構は、
前記載置台に載置された前記基材の重心位置を検出する重心検出機構を備え、
前記重心検出機構は、前記基材の撮像画像に基づいて重心位置を検出することを特徴とする熱可塑性樹脂材の製造装置。 - 請求項1に記載の熱可塑性樹脂材の製造装置であって、
前記搬送機構は、前記基材を把持する把持部を有し、
前記把持部は、前記基材の温度を調整する第1温度調整手段を備えていることを特徴とする熱可塑性樹脂材の製造装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の熱可塑性樹脂材の製造装置であって、
前記検出機構によってさらに前記基材の温度を検出し、
前記載置台は、前記基材の第2温度調整手段を有していることを特徴とする熱可塑性樹脂材の製造装置。 - 請求項3に記載の熱可塑性樹脂材の製造装置であって、
前記検出機構は、前記基材の撮像画像に基づいて前記載置台に載置された前記基材の表面温度を計測する温度検出機構を備えていることを特徴とする熱可塑性樹脂材の製造装置。
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