JP7077074B2 - 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体上に凹凸を形成するためのデータを生成する画像処理技術に関する。
従来、インクジェットプリンタを用いて記録媒体上に凹凸を形成する方法が知られている。特許文献1には、インクジェットプリンタが有する記録ヘッドから吐出されるインクを記録媒体上に積み上げることによって凹凸を形成する技術が開示されている。
特開2004-299058号公報
しかしながら、吐出されたインクは記録媒体上で濡れ拡がる特性があるため、対象の凹凸を記録媒体上に形成できない場合がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、記録媒体上に対象の凹凸を形成するための画像処理を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る画像処理装置は、インクの吐出口を備えたヘッドを有するインクジェットプリンタが前記ヘッドと記録媒体との相対的な移動と、前記ヘッドによるインクの吐出と、によって前記記録媒体上に凹凸を形成するためのデータを生成する画像処理装置であって、前記凹凸の形状を表す形状データを取得する取得手段と、前記形状データに基づいて、前記凹凸が有するパターンの方向を特定する特定手段と、前記ヘッドの移動方向と前記記録媒体の移動方向との少なくとも一つの方向に基づいて、前記凹凸が有するパターンの方向を変更するための回転角度を決定する決定手段と、前記形状データと前記回転角度とに基づいて、前記ヘッドの移動方向と前記記録媒体の移動方向との少なくとも1つの方向にパターンを有する形状を表す第2形状データを生成する生成手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体上に対象の凹凸を形成することができる。
画像処理装置1の構成を示すブロック図 プリンタ14の構成を示す図 凹凸に対するプリンタの再現精度低下を説明するための図 画像処理装置1が実行する処理を示すフローチャート 決定部202が実行する処理を説明するための図 生成部203が実行する処理を説明するための図 決定部202が実行する処理を説明するための図 回転角度を決定する方法の一例を説明するための図 画像処理装置1の機能構成を示すブロック図 画像処理装置1が実行する処理を示すフローチャート ディスプレイ15が表示するUIの一例を示す図
[実施例1]
<画像処理装置1のハードウェア構成>
図1(a)は、画像処理装置1のハードウェア構成例である。画像処理装置1は、例えばコンピュータであり、CPU101、ROM102、RAM103、汎用I/F(インターフェース)104、SATA(シリアルATA)I/F105、VC(ビデオカード)106を備える。CPU101は、RAM103をワークメモリとして、ROM102、HDD(ハードディスクドライブ)17などに格納されたOS(オペレーティングシステム)や各種プログラムを実行する。また、CPU101は、システムバス107を介して各構成を制御する。尚、後述するフローチャートによる処理は、ROM102やHDD17などに格納されたプログラムコードがRAM103に展開され、CPU101によって実行される。汎用I/F104には、シリアルバス12を介して、マウスやキーボードなどの入力デバイス13やプリンタ14が接続される。SATAI/F105には、シリアルバス16を介して、HDD17や各種記録メディアの読み書きを行う汎用ドライブ18が接続される。CPU101は、HDD17や汎用ドライブ18にマウントされた各種記録メディアを各種データの格納場所として使用する。VC106には、ディスプレイ15が接続される。CPU101は、プログラムによって提供されるUI(ユーザインターフェース)画面をディスプレイ15に表示し、入力デバイス13を介して得られたユーザの指示を表す入力情報を受信する。
<プリンタ14の構成>
以下、プリンタ14の構成について図2を用いて説明する。本実施例におけるプリンタ14は、画像処理装置1から受け取ったデータに基づいて、記録媒体上に凹凸(凹凸層)と画像(画像層)とを形成する。尚、プリンタ14には、紫外線(UV)が照射されることによって硬化するインクを搭載したUV硬化型インクジェットプリンタを使用する。
ヘッドカートリッジ301には、複数の吐出口からなる記録ヘッドと、記録ヘッドに対してインクを供給するインクタンクと、記録ヘッドの各吐出口を駆動する信号を受信するためのコネクタと、が設けられている。インクタンクには、凹凸層を形成するためのクリア(CL)インクと、画像層を形成するためのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の有色インクと、の計5種のインクが独立に設けられている。これらのインクはUVを照射することにより硬化するUV硬化型インクである。ヘッドカートリッジ301及びUVランプ315は、キャリッジ302に交換可能な形態で搭載されている。キャリッジ302には、コネクタを介してヘッドカートリッジ301に駆動信号等を伝達するためのコネクタホルダが設けられている。キャリッジ302は、ガイドシャフト303に沿って往復移動可能に構成される。具体的には、キャリッジ302は、主走査モータ304を駆動源として、モータプーリ305、従動プーリ306、タイミングベルト307等の駆動機構を介して駆動されるとともに、その位置及び移動が制御される。尚、本実施例においては、このキャリッジ302のガイドシャフト303に沿った移動を「主走査」と呼び、移動方向を「主走査方向」と呼ぶ。印刷用の記録媒体308は、ASF(オートシートフィーダ)310に載置されている。記録媒体308に凹凸層や画像層を形成する際、給紙モータ311の駆動に伴いピックアップローラ312が回転し、ASF310から記録媒体308が一枚ずつ分離され、給紙される。更に、記録媒体308は、搬送ローラ309の回転によりキャリッジ302上のヘッドカートリッジ301の吐出口面と対向する記録開始位置に搬送される。搬送ローラ309は、ラインフィードモータ313を駆動源としてギアを介して駆動される。記録媒体308が供給されたか否かの判定と給紙時位置の確定は、記録媒体308がエンドセンサ314を通過した時点で行われる。キャリッジ302に搭載されたヘッドカートリッジ301は、吐出口面がキャリッジ302から下方へ突出して記録媒体308と平行になるように保持されている。制御部320は、CPUや記憶部等から構成されており、外部からデータを受け取り、受け取ったデータに基づいて各パーツの動作を制御する。尚、本実施例において、制御部320が受け取るデータは、後述する処理を経て画像処理装置1により生成された、インクのドット配置を表すドット配置データである。
<凹凸層と画像層とを形成するためのプリンタ14の動作>
以下、制御部320によって制御される各パーツの凹凸層及び画像層の形成動作について説明する。まず、凹凸層を形成するために、記録媒体308が記録開始位置に搬送されると、キャリッジ302がガイドシャフト303に沿って記録媒体308上を移動する。その移動の際に記録ヘッドの吐出口よりクリアインクが吐出され、直後にUVランプ315が点灯してインクが硬化される。キャリッジ302がガイドシャフト303の一端まで移動すると、搬送ローラ309が所定量だけ記録媒体308をキャリッジ302の走査方向に垂直な方向に搬送する。本実施例において、この記録媒体308の搬送を「紙送り」又は「副走査」と呼び、この搬送方向を「紙送り方向」又は「副走査方向」と呼ぶ。記録媒体308を所定量だけ副走査方向に搬送し終えると、キャリッジ302は再度ガイドシャフト303に沿って移動する。尚、記録ヘッドのキャリッジ302による走査を繰り返すことでクリアインクを記録媒体308上に積層させることができる。クリアインクの積層と紙送りとを交互に行うことで、記録媒体308上に凹凸(凹凸層)が形成される。凹凸層が形成された後、搬送ローラ309が記録媒体308を記録開始位置に戻し、凹凸層の形成と同様のプロセスで凹凸層の上層にシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(CMYK)各色のUV硬化型インクを吐出し、カラー画像(画像層)を形成する。尚、記録媒体上に凹凸層と画像層とが形成可能であれば、プリンタ14は上述した動作及び記録方式に限定されるものではない。尚、凹凸層を形成するためのインクとしてクリアインクを用いたが、ホワイトインクでもよい。
<凹凸に対するプリンタの再現精度低下>
以下に、ヘッドの走査方向と記録媒体上に形成する凹凸のパターンの方向との違いにより、凹凸に対するプリンタの再現精度が低下することについて図3を用いて説明する。尚、記録媒体上に形成する凹凸のパターンは特定のパターンに限定しないが、説明を簡易にするため、規則的な万線パターンを例に以下の説明を行う。
図3は、記録ヘッドの走査方向に対する凹凸のパターンの方向に応じて、凹凸のCTF(Contrast Transfer Function)が変化することを説明するための図である。図3(a)に、黒い領域を凸部として表し、白い領域を凹部として表す万線パターンの凹凸の一例を示す。図3(b)に、フラットベッドのシリアル型インクジェットプリンタを用いて記録媒体上に形成した凹凸のCTFを縦軸とし、図3(a)に示すような凹凸の周波数を横軸とするグラフを示す。ここで凹凸の周波数は、1つの凹部と1つの凸部とを1周期とする波と考えた場合の周波数である。また、凹凸のCTFは、周波数の異なる凹凸を記録媒体上に複数形成し、複数の凹凸それぞれについて凹部と凸部との高低差の実測値を理論値によって除算した値とする。尚、この理論値は再現対象の凹凸の高低差を示す値であり、CTFの低下は、再現対象の凹凸に対するプリンタの再現精度(応答性)の低下を意味する。また、折れ線401は、万線パターンの線方向をプリンタの主走査方向に合わせて凹凸を形成した際の、凹凸の周波数に応じたCTFの変化を表す。折れ線402は、万線パターンの線方向をプリンタの副走査方向に合わせて凹凸を形成した際の、凹凸の周波数に応じたCTFの変化を表す。
図3(b)から、万線パターンの線方向をプリンタの副走査方向に合わせた場合(折れ線402)と主走査方向に合わせた場合(折れ線401)とでは、主に高周波帯域において凹凸に対するプリンタの再現精度が異なることが分かる。これは、各方向におけるインク滴の着弾位置ズレの多寡に依存するものであり、シリアル型のインクジェットプリンタの場合、主走査方向の位置ズレはインク吐出のタイミングのズレに起因し、副走査方向の位置ズレは記録媒体の搬送誤差に起因する。万線パターンの線方向をプリンタの副走査方向に合わせた場合(折れ線402)には、副走査方向にインクの位置がズレてもCTFへの影響は小さいが、主走査方向にインクの位置がズレるとCTFへの影響は大きい。一方で、線パターンの線方向をプリンタの主走査方向に合わせた場合(折れ線401)には、主走査方向にインクの位置がズレてもCTFへの影響は小さいが、副走査方向にインクの位置がズレるとCTFへの影響は大きい。図3(b)に示すグラフを得るために用いたプリンタにはフラットベッドのプリンタを利用している。フラットベッドのプリンタはローラによる記録媒体の搬送を行わないため、副走査方向の着弾位置ズレは他のプリンタと比較して小さい。一方で、凹凸の形成には、主走査方向に記録ヘッドを移動して同じ領域にインクを積層する動作を用いている。このため、主走査方向の位置ズレによる影響は一般的な画像の形成よりも大きくなる。よって上述したように主走査方向の位置ズレによる影響が副走査方向の位置ズレによる影響よりも大きい場合、万線パターンの線方向を主走査方向に合わせた方が、凹凸に対するプリンタの再現精度が高くなる。特に高周波帯域においては、凹凸を細かく形成する必要があるため、インクの着弾位置ズレがCTFに大きく影響する。
また、プリンタの再現精度低下は、一般的に、主走査方向及び副走査方向と異なる方向(以下、斜め方向と呼ぶ)と万線パターンの線方向とを合わせた場合に、特に顕著に発生する。斜め方向においては、主走査方向と副走査方向との両方の着弾位置ズレの要因が影響する。さらに、斜め方向の万線がラスタライズされた画像では、ジャギーによって隣接する凸部間の距離が近くなる領域が局所的に発生する。このため、この画像を基に凹凸を形成しようとすると、走査方向の万線よりも凸部間のインク滴の結合が生じ易い。尚、斜め方向における主走査方向及び副走査方向に近い角度では、凸部間の距離が近くなる領域の発生頻度がより低いため、斜め方向において主走査方向及び副走査方向により近い角度である程、一般にCTFは高くなると考えられる。
以上のように、プリンタを用いて凹凸を形成する場合、凹凸のパターンの方向と走査方向との違いによってプリンタの再現精度が低下する。その結果、意図した質感を記録媒体上に再現できなくなってしまう。尚、上述した凹凸に対するプリンタの再現精度低下は、プリンタ14のような記録ヘッドの移動と紙送りとによって凹凸を形成するプリンタに限って生じる課題ではない。記録ヘッドと記録媒体との相対的な移動があるプリンタであれば、例えば、紙送りとは別に、記録媒体を紙送りと垂直な方向に移動させながら固定されたヘッドのインク吐出によって凹凸を形成するプリンタについても同様の課題が生じる。また、紙送りを行わず、記録媒体と同じ幅の記録ヘッドが移動することによって凹凸を形成するプリンタについても同様である。以下では、上述したプリンタ14の「主走査方向」を含めて、ヘッド又は記録媒体の移動の間にインクを吐出する走査の方向を主走査方向と呼ぶ。また、上述したプリンタ14の「副走査方向」を含めて、ヘッド又は記録媒体の移動の間にインクを吐出しない走査の方向であって、主走査方向と垂直な方向を副走査方向と呼ぶ。
<画像処理装置1の機能構成>
図1(b)は、画像処理装置1の機能構成を示すブロック図である。上述した各種プログラムに含まれる画像処理アプリケーションが、CPU101からの指令に基づき実行する処理内容について、図1(b)を参照して説明する。画像処理装置1は、取得部201と、決定部202と、生成部203と、出力部204と、データ格納部205と、を有する。取得部201は、汎用I/F104を介して指示されたデータをHDD17や汎用ドライブ18にマウントされた各種記録メディアから取得する。本実施例における取得部201は、凹凸の上に形成する画像を表す画像データと、記録媒体上に形成する凹凸の形状を表す形状データと、を取得する。本実施例における画像データは、各画素に色情報を有するデータである。また、本実施例における形状データは、高さ分布によって凹凸の形状を表すために、各画素に高さ情報を有するデータである。決定部202は、形状データを解析することによって、形状データに対する補正に用いる補正量を決定する。本実施例においては、後述する生成部203が、形状データが表す形状が有するパターンの方向がヘッドの走査方向に一致するように、形状データを補正する。そのために決定部202は、形状データが表す形状を有する凹凸のパターンの方向を特定し、特定したパターンの方向とヘッドの走査方向とが一致するように凹凸のパターンの方向を変更するための回転角度を補正量として算出する。生成部203は、補正量に基づいて形状データを補正することによって、第2形状データを生成する。出力部204は、画像データと第2形状データとに基づいて、インクのドット配置を表すドット配置データを生成し、生成されたドット配置データをプリンタ14に出力する。ドット配置データを受け取ったプリンタ14は、ドット配置データに基づいてインクを記録媒体上に記録することによって、凹凸(凹凸層)と画像(画像層)とを重ねて形成する。プリンタ14は、上述したような画像処理1の処理によって得られたデータを受け取ることによって、再現対象の凹凸のパターンを変えたとしても、所定の方向(走査方向)にパターンを有する凹凸を形成することになる。データ格納部205は、プリンタ14の主走査方向を含むデバイス特性等の情報を予め保持する。各部における詳細な処理動作については後述する。
<画像処理装置1が実行する処理の流れ>
図4(a)は、画像処理装置1が実行する処理を示すフローチャートである。以下、図4(a)を参照して画像処理装置1の処理内容の詳細を説明する。尚、図4(a)のフローチャートに示される処理は、ROM102に格納されたプログラムコードがRAM103に展開され、CPU101によって実行される。また、図4(a)のフローチャートに示される処理は、ユーザが入力デバイス13を操作して指示を入力し、CPU201が入力された指示を受け付けることにより開始する。以下、各ステップ(工程)は符号の前にSをつけて表す。
S10において、取得部201は、形状データと画像データとを取得する。データはHDD17など所定の記憶装置に予め記録されているものとする。形状データは、高さの分布(位置毎の高さ)によって再現対象の凹凸の形状を表すデータであって、具体的には、各画素に高さ情報を示す画素値が記録されたデータである。画像データは、再現対象の画像を表すデータであって、具体的には、各画素に色情報を示す画素値が記録されたデータである。本実施例における形状データは、各画素の高さを8bitで表した、TIFF形式のグレースケール画像データである。この形状データは、各画素における基準面からの高さ0から2000μmの値が8bit(0-255)に正規化されたデータ群である。尚、本実施例における基準面は、記録媒体の表面である。本実施例における画像データは、各画素の色を8bitで表した、TIFF形式のカラー画像データである。この画像データは3チャンネルの画像データであり、各画素には色情報としてR値,G値,B値が記録されているものとする。
形状データの生成には、例えば、左右に並べた2台のデジタルカメラの撮像により得られた画像データから三角測量の原理で凹凸の形状を取得するステレオ法を利用できる。その他、ユーザが市販のモデリングソフトを用いて任意の形状を有する凹凸をデザインした後、この凹凸の形状を表す3次元データを2次元画像データにレンダリングすることによって形状データを生成してもよい。同様に、デジタルカメラによる撮影、または市販ソフトを用いて、上述した形状データに対応するカラー画像データを生成することが可能である。
尚、形状データは、凹凸を形成するための情報であれば上述したデータ形式に限定されない。例えば、形状データは相対的な高さ情報を画素毎に保持していてもよい。この場合、取得部201は、入力デバイス13を介してユーザが指定した最大高さに基づいて、8bit(0-255)の画素値を所望のレンジの高さへ変換する。また、凹凸の位置毎の高さを表すデータであれば、グレースケール画像データではなく、3次元空間内の頂点の集合で記述される点群データやポリゴンデータであってもよい。また、凹凸の法線方向の分布を表すデータを取得し、上述した形状データに変換してもよい。
尚、カラー画像データは、画像を形成するための情報であれば上述したデータ形式に限定されない。例えば、プリンタ14に搭載されたCMYKインクのインク量(記録量)を示す値が各画素に記録されたインク量データであってもよいし、CIEL値を示す値が各画素に記録された画像データであってもよい。
S20において、決定部202は、S10において取得した形状データを補正するための補正量を決定する。本実施例における補正量は、形状データにおける高さ分布の回転角度θである。回転角度θは、θだけ高さ分布を回転することによって、再現対象の凹凸が有するパターンの方向をプリンタの再現精度(応答性)が高い主走査方向と一致させるための回転の角度である。尚、上述した補正量の決定処理の詳細については後述する。
S30において、生成部203は、S20において決定した補正量に基づいて、S10において取得した形状データを補正する。尚、本実施例における補正量は、上述した通り回転角度θである。本ステップにおいては、形状データにおける高さ分布の左上を中心座標(0,0)としたとき、座標(x1,y1)に記録されている画素値を、(0,0)を中心に(x1,y1)から角度θ回転した座標(x2,y2)に記録する。この処理を行うことによって補正後の第2形状データを生成する。上述した回転による座標の変換には、以下の式(1)に示す2次元アフィン変換を利用する。尚、(cx,cy)は、高さ分布の中心座標である。
x2=(x1-cx)×cosθ-(y1-cy)×sinθ+cx
y2=(x1-cx)×sinθ+(y1-cy)×cosθ+cy・・・(式1)
上述した高さ分布の回転により、凹凸層が有するパターンの方向と画像層が有するパターンの方向との不一致が生じる。本実施例においては、この不一致がプリント物の観察者にあまり違和感を与えない物体の凹凸を再現対象とし、この不一致よりも凹凸の再現精度低下の抑制を優先したプリントを行う。図6に、凹凸層の記録媒体上における形成領域bと、画像層の記録媒体上における形成領域aとの相対的な配置関係の例を模式的に示す。形状データにおける高さ分布は、上述した通り、プリンタの再現精度が高い主走査方向と再現対象の凹凸に含まれるパターンの方向とが一致するように回転されている。図6の領域700は、凹凸層と画像層とが重畳して形成されている領域である。図6の例では、高さ分布の回転によって、凹凸層が形成されず画像層のみが形成される領域710と、画像層が形成されず凹凸層のみが形成される領域720と、が生じる。この領域710及び720に対して、上述した高さ分布の回転後に、画素値を変更する処理を別途適用してもよい。例えば、凹凸層の領域720に対応する高さ分布の領域には、高さ情報0に対応する画素値を記録する。また、凹凸層の領域710に対応する高さ分布の領域には、形成領域aに含まれるテクスチャ(パターン)を抽出し、抽出したパターンに類似したパターンを生成する手法(イメージインペインティング手法)などを用いてパターンを生成する。画像層の領域720に対応するカラー画像の領域には、有色インクを記録しないように画素値を0にする。
尚、本実施例においては、形状データを補正することによって第2形状データを生成したが、結果として同じ第2形状データとなるのであれば、形状データを補正することによって生成するのではなく、新たなデータとして第2形状データを生成してもよい。
S40において、出力部204は、生成部203において生成された第2形状データに基づいて、クリアインクのドット配置を表すドット配置データを生成する。さらに、S10において取得された画像データに基づいて、有色インクのドット配置を表すドット配置データを生成する。ドット配置データの生成は、データ格納部205に保持された各種変換テーブルまたは変換式による、公知の色分解処理及びハーフトーン処理によって行われる。ここで、ドット配置データは、インクのドット配置を、インクを吐出する画素(画素値1)とインクを吐出しない画素(画素値0)とで表す2値データである。最後に、本ステップにおいて生成したドット配置データをプリンタ14に出力し、処理を終了する。尚、公知のパス分解処理によって記録走査(パス)ごとのドット配置を表すドット配置データを生成してからプリンタ14に出力してもよい。
<決定部202が実行する処理>
図4(b)を参照して、決定部202が実行する処理(S20)の詳細について説明する。本実施例における補正量は高さ分布の回転角度θである。また、図5に、S10において取得された形状データ及び後述する各処理において生成される形状データの例を示す。図5においては、再現対象とする凹凸の一例として、デニム生地を用いる。図5(a)は、S10において取得した形状データであり、デニム生地が有する繊維の微細な凹凸が画素値の濃淡として視認できる。
S21において、決定部202は、図5(a)に示したS10において取得した形状データに対して2次元FFT(Fast Fourier Transform)を施す。これにより、再現対象の凹凸の空間周波数特性を表すFFT画像データを生成する。図5(a)に示す形状データに対して本ステップにおけるFFTを施すことによって生成したFFT画像データの例を図5(b)に示す。FFT画像データは、FFTによって得られた2次元のFFT画像(周波数画像)を表すデータであり、FFT画像の中心からの距離が周波数を表す。デニム生地の繊維(凹凸のパターン)の方向が、FFT画像データにおける中心からの角度0-180度間でのパワースペクトルの偏りとして表れる。尚、上述した角度は、FFT画像データの中心からX軸正方向(右方向)を0度とし、Y軸正方向(上方向)で90度となるように表す。
S22において、決定部202は、形状データが表す形状を有する凹凸のパターンの方向を検出する。上述した通り、凹凸のパターンの方向は、S21において生成したFFT画像データ上で、中心からの角度0-180度間でのパワースペクトルの偏りとして表れる。FFT画像データにおける中心からの角度0-180度について各角度上の画素値の平均値を算出すると、凹凸のパターンの方向に応じて、算出した平均値の最大値(ピーク)に対応する角度が変化する。具体的には、形状データが表す形状を有する凹凸が角度θ′方向に沿ったパターンを有する場合、形状データに対してFFTを施すと、FFTによって得られたFFT画像データにおけるθ′+90度方向のパワースペクトルが大きくなる。本ステップにおいては、FFT画像データから上述した平均値が最大となる中心からの角度を検出し、凹凸のパターンの方向θ′を求めるものとする。検出したピークの方向θ′+90を、図5(c)の破線601によって、FFT画像データ上に模式的に示す。尚、FFT画像データにおけるパワースペクトルの平均値が大きい方向のパターンを有する凹凸は、凹凸層において占める面積が大きい、又は、振幅が大きいなどの性質をもつ凹凸である。
S23において、決定部202は、プリント物を形成する際のプリンタ14の主走査方向に対応する角度θmを取得する。本実施例においては、X軸方向、すなわち0度及び180度方向を主走査方向とする。
S24において、形状データにおける高さ分布の回転角度θを決定する。回転角度θは、主走査方向θmと再現対象の凹凸のパターンの方向θ′との差分値を算出することによって得られる。本実施例におけるθmは0度及び180度であるため、0度とθ′との差分値と、180度とθ′との差分値と、を算出し、差分値の絶対値が小さい方に対応する差分値θ′-θmを回転角度θとする。これにより、回転前の高さ分布と回転後の高さ分布との差を最小限に抑えることができる。算出した回転角度θを、図5(d)の破線602によって、形状データ上に模式的に示す。
<実施例1の効果>
以上説明したように、本実施例における画像処理装置1は、再現対象の凹凸の形状を表す形状データを取得し、再現対象の凹凸のパターンの方向を特定する。さらに、再現対象の凹凸を記録媒体上に形成するためのプリンタ14の走査方向に基づいて、凹凸のパターンの方向を変更するための回転角度を決定する。決定された回転角度に基づいて、プリンタ14の走査方向にパターンを有する形状を表す第2形状データを生成する。上述した画像処理装置1の処理により、凹凸に対するプリンタ14の再現精度が高い主走査方向と再現対象の凹凸のパターンの方向とが一致した状態で凹凸層の形成を行うことができる。よって、凹凸のパターンの方向に応じた再現精度の低下を抑制し、記録媒体上に対象の凹凸を形成することができる。
[実施例2]
<実施例1との差分>
実施例1においては、再現対象の凹凸のパターンの方向を検出し、検出されたパターンの方向が主走査方向となるように形状データを補正した。本実施例においては、形状データを凹凸の高周波成分から成る形状データと凹凸の低周波成分から成る形状データとに分離し、高周波成分から成る形状データにのみ補正(回転)処理を適用する例を説明する。また、実施例1においては、凹凸の再現精度が高い方向として主走査方向を用いた。上述したように凹凸のパターンの方向が斜め方向である場合よりも、凹凸のパターンの方向が副走査方向と一致している場合の方が凹凸の再現精度が高い。よって本実施例においては、凹凸の再現精度が高い方向を主走査方向と副走査方向との両方とし、高さ分布の回転角度が最小となる角度θに対応する走査方向に凹凸のパターンの方向を一致させる例を説明する。尚、本実施例における画像処理装置1の機能構成は、実施例1の機能構成と同じであり、取得部201乃至データ格納部205による一連の処理が実行される。以下、実施例1と相違する処理について主に説明する。
<画像処理装置1が実行する処理の流れ>
S10において、取得部201は、実施例1と同様に、形状データと画像データとを取得する。さらに、本実施例においては、形状データに対してハイパスフィルタを適用することによって再現対象の凹凸の高周波成分を抽出する。また、形状データに対してローパスフィルタを適用し、再現対象の凹凸の低周波成分を抽出する。以下、ハイパスフィルタ処理を施して得た高周波成分から成る形状データを高さデータH、ローパスフィルタ処理を施して得た低周波成分から成る形状データを高さデータLと呼ぶ。
S20において、決定部202は、形状データHの補正量である回転角度θを算出する。本ステップにおける処理動作の詳細については後述する。S30において、生成部203は、形状データHにおける高さ分布を回転角度θだけ回転し、高さ分布が回転された後の形状データHの各画素値を形状データLの各画素値に加算することによって、第2形状データを生成する。S40において、出力部204は、実施例1と同様に、画像データと第2高さデータとに基づいて、インクのドット配置に対応するドット配置データを生成し、プリンタ14に出力する。
<決定部202が実行する処理>
以下、本実施例における決定部202が実行する処理(S20)の詳細について説明する。
S21において、決定部202は、実施例1と同様に、形状データHに対してFFT処理を施すことによってFFT画像データHを生成する。次にS22において、決定部202は、実施例1と同様に、FFT画像データHに基づいて、形状データHが表す形状を有する凹凸のパターンの方向θ′を検出する。次にS23において、決定部202は、凹凸の再現精度が高い方向として予めデータ格納部205に格納された、主走査方向及び副走査方向に対応する角度θm1及びθm2をそれぞれ取得する。最後に、S24において、決定部202は、凹凸のパターンの方向θ′を主走査方向θm1に一致させる回転角度と、凹凸のパターンの方向θ′を副走査方向θm2に一致させる回転角度と、を算出する。そして、最も小さい回転角度θ′-θmを回転角度θとする。回転角度の概念について、図7の模式図を用いて説明する。図7における領域800は凹凸層を示し、線L1及び線L2は主走査方向及び副走査方向を示す。また、線L3は凹凸層800が有するパターンの方向を示す。また、図7(b)における領域810は、凹凸層が有するパターンの方向が主走査方向となるように回転した凹凸層を示し、図7(c)における領域820は、凹凸層が有するパターンの方向が副走査方向となるように回転した凹凸層を示す。本実施例における決定部202は、凹凸層800から凹凸層810への回転角度と比較してより小さい凹凸層800から凹凸層820への回転角度を回転角度θとして決定する。
<実施例2の効果>
以上説明したように、本実施例においては、凹凸のパターンの方向が知覚され易く、かつ、パターンの方向によって再現精度の低下が生じにくい凹凸の低周波成分については補正処理を行わず、凹凸の高周波成分に対してのみ補正を行う。これにより、再現精度が低下し易い凹凸の高周波成分の再現精度低下を抑制しつつ、再現対象の凹凸と記録媒体上に形成された凹凸との差を抑えることができる。さらに、主走査方向と副走査方向とのうち、補正処理における高さ分布の回転角度が最小となる角度に対応する走査方向と凹凸のパターンの方向とを一致させる。これにより、再現対象の凹凸と記録媒体上に形成された凹凸との差をさらに抑えることができる。
[実施例3]
本実施例においては、補正処理に関する情報をユーザに提示し、ユーザの指示を表す入力情報に基づいて上述した補正処理を形状データに対して適用するか否かを決定する。尚、本実施例においては、実施例1と相違する処理について主に説明する。
<画像処理装置1の機能構成>
図9は、画像処理装置1の機能構成を示すブロック図である。本実施例における画像処理装置1は、実施例1における画像処理装置1と同様に、取得部201と、決定部202と、生成部203と、出力部204と、データ格納部205と、を有する。さらに、本実施例における画像処理装置1は、表示制御部206と、受信部207と、を有する。取得部201乃至データ格納部205、及び、プリンタ14については実施例1と同様のため説明を省略する。表示制御部206は、決定部202が決定した補正量等の情報とユーザからの指示入力を受け付けるためのUIとをディスプレイ15に表示させる。受信部207は、入力デバイス13を介して得られたユーザの指示を表す入力情報を受信する。各部における詳細な処理動作については後述する。
<画像処理装置1が実行する処理の流れ>
図10は、画像処理装置1が実行する処理を示すフローチャートである。以下、図10を参照して画像処理装置1の処理内容の詳細を説明する。尚、図10のフローチャートに示される処理は、ROM102に格納されたプログラムコードがRAM103に展開され、CPU101によって実行される。また、図10のフローチャートに示される処理は、CPU201が、ユーザの指示を表す入力情報を受け付けることにより開始する。
S10乃至S30において、取得部201、決定部202及び生成部203は、それぞれ実施例1と同様に、形状データと画像データとの取得、補正量の決定及び形状データの補正を行う。
S40’において、表示制御部206は、ユーザからの指示入力を受け付けるためのUIをディスプレイ15に表示させる。図11(a)に、本実施例におけるUIの例を示す。表示領域1110はユーザが参照する情報を示す領域であり、S10において取得された形状データ(補正前の形状データ)、S20において算出された補正量、S30において生成された第2形状データ(補正後の形状データ)が領域内に表示される。形状データ及び第2形状データは、各画素に高さが記録された2次元画像として表示される。入力部1120は、補正処理を形状データに対して適用するか否かをユーザが指示するための指示入力部である。言い換えると、入力部1120は、S10において取得された形状データに基づいて凹凸を形成するか、S30において生成された第2形状データに基づいて凹凸を形成するか、の何れかをユーザが指示するための指示入力部である。ボタン1130が押下されると、S50に処理が移行される。
尚、表示領域1110において表示される情報は上述した内容に限定されるものではない。例えば、補正処理を適用することによる効果を定性的に示す模式図を表示してもよい。表示領域1110に表示する模式図の例を図11(b)に示す。断面1141は、形状データが表す形状の断面を示している。断面1142は、形状データが表す形状が記録媒体上に形成された場合の断面を示している。断面1143は、第2形状データが表す形状が記録媒体上に形成された場合の断面を示している。図11(b)に示す例においては、凹凸のパターンの方向に直交する方向に切断した場合の断面を示している。断面1142及び断面1143は、データ格納部205に予め保持させておいたプリンタ14のデバイス特性(CTF)を参照することによって推定される。具体的には、まず、形状データにおける凹凸のパターンの方向θ′及び周波数fに対応するプリンタ14のCTFをデータ格納部205から取得し、取得したCTFを参照値とする。ここで、周波数fは、形状データに対してFFTを施すことによって得られるFFT画像において算出されるRAPS(Radialy Averaged Power Spectrum)が最大となる周波数とする。RAPSは、FFT画像における同一周波数のパワースペクトルの平均値である。また、パターンの方向θ′は、上述したS20の方法によって算出した角度とする。次に、断面1141に対する平滑化処理を、CTFが参照値と一致するまで、繰り返し行う。ここで、平滑化処理は、図11(b)におけるx方向の移動平均を行うことを指す。また、CTFは、上述したように、凹部と凸部との高低差の実測値を理論値によって除算した値とする。以上の方法によって、断面1142を推定することができる。また、第2形状データについても同様に、参照値の取得と平滑化処理とを行うことによって、断面1143を推定する。尚、平滑化処理は、CTFが参照値と一致するまで行うのではなく、CTFと参照値との差が所定の閾値以下になるまで行うようにしてもよい。また、形状データ及び第2形状データは、表示領域1110において、2次元画像ではなく、3次元空間における形状として表示されてもよい。
S50において、受信部207は、ユーザの指示入力を表す情報を受信し、指示内容に応じて形状データと第2形状データとのどちらかを選択する。具体的には、受信部207は、補正処理を形状データに対して適用する旨の指示を受信した場合は、S30において生成された第2形状データを、出力部204に送るデータ(凹凸形成用データ)として選択する。受信部207は、補正処理を形状データに対して適用しない旨の指示を受信した場合は、S30において補正処理を施す前の形状データを、出力部204に送るデータ(凹凸形成用データ)として選択する。
S60において、出力部204は、S50において選択されたデータに基づいて、クリアインクのドット配置を表すドット配置データを生成する。さらに、実施例1と同様に、S10において取得された画像データに基づいて、有色インクのドット配置を表すドット配置データを生成する。最後に、本ステップにおいて生成したドット配置データをプリンタ14に出力し、処理を終了する。
<実施例3の効果>
以上説明したように、本実施例においては、UIを介して、補正処理に関する情報をユーザへ提示し、ユーザの指示を表す入力情報に基づいて補正処理を形状データに対して適用するか否かを決定する。これにより、補正処理による効果をユーザに提示することができる。また、補正処理をするか否かについてユーザの意図を考慮して、凹凸層を形成することができる。
[その他の実施例]
上述した実施例においては、形状データのみを補正したが、カラー画像データについても回転を含む補正処理を施しても構わない。例えば、形状データと同様の補正処理を施しても良いし、カラー画像データが表す画像におけるテクスチャパターンの方向など、カラー画像データ固有の特性に基づいて、形状データとは異なる補正処理を施しても良い。
また、上述した実施例においては、凹凸のパターンの方向を検出するため、FFT画像の中心からの角度毎にパワースペクトルの平均値を算出したが、異なる代表値を角度毎に算出して使用しても良い。例えば、観察者が視認できない周波数の検知限を予め保持し、検知限内のパワースペクトルのみの平均値を算出して使用しても良い。また、ユーザがディスプレイ15に表示されたUI画面を介して入力した周波数の範囲内のみパワースペクトルの平均値を算出して使用してもよい。また、周波数毎に加重係数を予め設定し、加重係数を用いた加重平均値を算出して使用しても良い。
また、上述した実施例においては、インクジェット方式を採用して凹凸層と画像層との形成を行う例を示したが、電子写真方式などその他の記録方式であってもよい。
また、上述した実施例においては、凹凸層の上層に画像層を形成する例を示したが、凹凸層を形成する前に画像層を記録媒体上に形成し、その上に凹凸層を形成してもよい。また、凹凸層と画像層との2層に限らず、光沢を制御するための光沢層などを上層や下層、中間層に形成してもよい。
また、上述した実施例においては、凹凸層をクリアインクを用いて形成したが、CMYKなどの有色インクを用いて形成してもよい。また、凹凸層及び画像層の形成はUV硬化型のインクに限らず、UV以外の光で硬化する記録材や熱によって硬化する記録材であってもよい。
また、上述した実施例においては、出力部204がドット配置データをプリンタ14に出力する例を示したが、ハーフトーン処理などを行わずに、第2形状データを直接外部の装置に出力してもよい。
また、上述した実施例においては、画像処理装置1はプリンタ14とシリアルバス12を介して接続されていたが、プリンタ14が画像処理装置1を含む構成であってもよい。
また、上述した実施例においては、形状データにおける高さ分布全体に対して処理を適用する例を説明したが、高さ分布の一部に処理を適用する形態であっても良い。例えば、処理を適用する領域と適用しない領域とを判別するマスクデータを生成または外部から取得することで、領域ごとに処理を適用するかしないかの切り替えが可能になる。また、高さ分布を複数の画素から成るブロックに区切って、ブロックごとに処理を適用してもよい。また、ブロックごとに異なる補正処理を適用してもよい。例えば、実施例2における補正量の算出を各ブロックに適用することによって、ブロックごとに補正量が異なる補正処理を行うことができる。
また、上述した実施例においては、決定部202が周波数画像を用いて補正量である回転角度を決定したが、回転角度の決定方法はこれに限定しない。例えば、次のような処理手順によって、回転角度を決定することが可能である。先ず、形状データに対し、ラプラシアンフィルタなどを用いた公知のフィルタリング処理を施し、エッジを検出する。次に、フィルタリング処理後の形状データに対し、図8に示す角度θに対応するフィルタ群1~Nそれぞれを用いて再度フィルタリング処理を施す。フィルタ群1~Nのフィルタは、それぞれ白で示すマスク領域の画素の平均値を算出するものであり、エッジ方向とマスク領域の方向が一致するフィルタを適用した場合に、最も大きい値が算出される。最後に、各フィルタ適用後の形状データ全画素の平均値を算出し、算出した平均値が最大となる形状データに対応するフィルタの方向を回転角度とする。
また、上述した実施例においては、決定部202が再現対象の凹凸のパターンの方向を1つ特定したが、パターンの特定方法はこれに限定しない。例えば、決定部202は、再現対象の凹凸のパターンの方向を複数特定し、ディスプレイ15に表示されたUI画面を介してどのパターンの方向を走査方向に一致させるかをユーザに入力したさせてもよい。この場合、例えば、上述したような周波数画像におけるパワースペクトルの平均値が最大となる方向と平均値が2番目に大きい方向と平均値が3番目に大きい方向とを候補としてUI画面に表示させればよい。決定部202は、ユーザの入力情報に基づいて、回転角度を決定する。
また、上述した実施例においては、再現精度が最も高い方向が主走査方向となり、その次に高い方向が副走査方向となるプリンタを用いたが、実施例はこれに限定されない。上述したように、凹凸形成時の制御手順及びパーツの制御精度、あるいはラスタライズ等の画像処理に依存して凹凸に対するプリンタの再現精度は変わる。このため、記録媒体上に形成された各方向の万線パターンを有する凹凸についてCTFを計測し、どの方向に凹凸のパターンの方向を一致させると最もCTFが高くなるかをデバイス特性としてデータ格納部205に予め保持させておく。このデバイス特性に応じて、回転角度を決めてもよい。
また、上述した実施例における再現対象の凹凸はデニム生地が有する繊維の微細な凹凸であったが、再現対象の凹凸はこれに限定されない。例えば、木材が有する導管等から成る微細な凹凸(木目)であってもよいし、射出成形によって成形されたプラスチックが表面に有する凹凸であってもよい。
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1 画像処理装置
201 取得部
202 決定部
203 生成部

Claims (20)

  1. インクの吐出口を備えたヘッドを有するインクジェットプリンタが前記ヘッドと記録媒体との相対的な移動と、前記ヘッドによるインクの吐出と、によって前記記録媒体上に凹凸を形成するためのデータを生成する画像処理装置であって、
    前記凹凸の形状を表す形状データを取得する取得手段と、
    前記形状データに基づいて、前記凹凸が有するパターンの方向を特定する特定手段と、前記ヘッドの移動方向と前記記録媒体の移動方向との少なくとも一つの方向に基づいて、前記凹凸が有するパターンの方向を変更するための回転角度を決定する決定手段と、
    前記形状データと前記回転角度とに基づいて、前記ヘッドの移動方向と前記記録媒体の移動方向との少なくとも1つの方向にパターンを有する形状を表す第2形状データを生成する生成手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記決定手段は、前記凹凸が有するパターンの方向を、前記ヘッドの移動方向と前記記録媒体の移動方向との少なくとも1つの方向に一致させるための前記回転角度を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記生成手段は、前記回転角度に基づいて前記形状データを補正することによって、前記第2形状データを生成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記形状データは、前記凹凸の形状を、前記凹凸の位置毎の高さを表す高さ分布によって表すことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記生成手段は、前記高さ分布を回転させることによって、前記パターンの方向と前記少なくとも1つの方向とが一致するように、前記形状データを補正することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記特定手段は、前記形状データに基づいて算出された前記凹凸の空間周波数から、前記パターンの方向を特定することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  7. 前記特定手段は、前記形状データに対してFFT処理を施すことによって、前記空間周波数を算出することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記特定手段は、前記形状データに対してFFT処理を施すことによって得られた前記空間周波数を表す画像において、前記画像の中心からの角度毎にパワースペクトルの平均値を算出し、前記平均値が最大となる角度の方向を、前記パターンの方向とすることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記特定手段は、前記形状データに対して、フィルタによるエッジの検出を行うことによって前記パターンの方向を特定することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  10. 前記決定手段は、前記形状データから前記凹凸の高周波成分と低周波成分とを抽出し、さらに、前記高周波成分が有するパターンの方向を特定し、
    前記生成手段は、前記高周波成分が有するパターンの方向と前記少なくとも1つの方向とが一致するように、前記高周波成分を補正し、さらに、前記高周波成分と前記低周波成分とを足し合わせることによって前記第2形状データを生成することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  11. 前記相対的な移動は、前記インクジェットプリンタが前記ヘッドを前記記録媒体に対して移動させることによる移動であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  12. 前記相対的な移動は、前記インクジェットプリンタが前記記録媒体を前記ヘッドに対して移動させることによる移動であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  13. 前記少なくとも1つの方向は、前記相対的な移動の間に前記ヘッドによるインクの吐出を行う第1走査の方向と、前記相対的な移動の間に前記ヘッドによるインクの吐出を行わない第2走査の方向と、の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の画像処理装置。
  14. 前記決定手段は、前記少なくとも1つの方向を、前記第1走査の方向と前記第2走査の方向とのどちらか一方に決定することを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。
  15. 前記決定手段は、前記第1走査の方向と前記第2走査の方向とのうち、前記高さ分布を回転させた場合に回転前の前記パターンと回転後の前記パターンとの変化がより小さい方を、前記少なくとも1つの方向として決定することを特徴とする請求項14に記載の画像処理装置。
  16. 前記取得手段によって取得された前記形状データと前記生成手段によって生成された前記第2形状データとのいずれかに基づいて、前記インクジェットプリンタが備えるインクの記録量を表すインク量データ、又は、前記インクジェットプリンタが備えるインクの前記記録媒体上におけるドット配置に対応するドット配置データを生成し、前記インク量データ又は前記ドット配置データを前記インクジェットプリンタに出力する出力手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  17. 前記形状データと前記第2形状データとのどちらに基づいて前記インク量データ又は前記ドット配置データを生成するかを表す、ユーザからの指示を受け付ける受信手段をさらに有し、
    前記出力手段は、前記指示に基づいて、前記インク量データ又は前記ドット配置データを生成するために用いるデータを選択することを特徴とする請求項16に記載の画像処理装置。
  18. 前記インクジェットプリンタは、クリアインクによって形成される前記凹凸と有色インクによって形成される画像層とを前記記録媒体上に重ねて形成するためのプリンタであって、
    前記取得手段は、さらに、前記画像層の位置毎の色を表す画像データを取得し、
    前記生成手段は、前記形状データに対する補正と同じ補正を前記画像データに対して行い、
    前記第2形状データと補正された前記画像データとに基づいて、前記インクジェットプリンタが備えるインクの記録量を表すインク量データ、又は、前記インクジェットプリンタが備えるインクの前記記録媒体上におけるドット配置に対応するドット配置データを生成し、前記インク量データ又は前記ドット配置データを前記インクジェットプリンタに出力する出力手段をさらに有することを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  19. コンピュータを請求項1乃至請求項18のいずれか一項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
  20. インクの吐出口を備えたヘッドを有するインクジェットプリンタが前記ヘッドと記録媒体との相対的な移動と、前記ヘッドによるインクの吐出と、によって前記記録媒体上に凹凸を形成するためのデータを生成する画像処理方法であって、
    前記凹凸の形状を表す形状データを取得する取得ステップと、
    前記形状データに基づいて、前記凹凸が有するパターンの方向を特定する特定ステップと、
    前記ヘッドの移動方向と前記記録媒体の移動方向との少なくとも一つの方向に基づいて、前記凹凸が有するパターンの方向を変更するための回転角度を決定する決定ステップと、
    前記形状データと前記回転角度とに基づいて、前記ヘッドの移動方向と前記記録媒体の移動方向との少なくとも1つの方向にパターンを有する形状を表す第2形状データを生成する生成ステップと、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
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