本発明の実施形態であるワイヤボンディング装置およびワイヤボンディング方法について、図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において同一または同様の構成部分については同じ符号を付している。また、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当事者の理解を容易にするため、既によく知られた事項の詳細説明および実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。また、以下の説明および添付図面の内容は、特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるワイヤボンディング装置101の構成を表わす図である。
ワイヤボンディング装置101は、超音波振動子1と、ボンディングツール2と、ボンディングヘッド3と、ステージ5と、ヘッド側センサユニット8と、ステージ側センサユニット10とを備える。
超音波振動子1は、ボンディングツール2およびボンディングヘッド3を介して、ワーク4およびボンディングワイヤ6に超音波振動を印加する。
ボンディングヘッド3には、ボンディングツール2が取り付けられる。ボンディングツール2は、ボンディングワイヤ6をワーク4に圧着させる。ボンディングツール2は、超音波振動子1の縦の超音波振動を撓みの超音波振動へ変換し、超音波振動をボンディング材であるボンディングワイヤ6およびワーク4へ伝達する。
ステージ5には、被ボンディング材であるワーク4が載置される。
ボンディングワイヤ6は、アルミニウム線、金線あるいは銅線等で構成される。
ヘッド側センサユニット8は、ボンディングヘッド3に取り付けられる。
図2は、ヘッド側センサユニット8の模式図である。
ヘッド側センサユニット8は、第1の3軸力検出素子7aと、金属片9-1,9-2とを備える。
第1の3軸力検出素子7aは、ボンディングツール2を介してボンディングワイヤ6を加振する超音波振動による荷重(以下、ボンディングワイヤを加振する荷重)を検出することができる。第1の3軸力検出素子7aは、3組の水晶圧電素子を内蔵しており、3軸方向の荷重を測定することが可能である。第1の3軸力検出素子7aは、ボンディングワイヤを加振する荷重に応じた電荷を出力する。
第1の3軸力検出素子7aの荷重検出面がステンレス、鉄、または銅等の金属片9-1,9-2で挟み込まれている。第1の3軸力検出素子7aと金属片9-1,9-2とが一体構造になったヘッド側センサユニット8がボンディングヘッド3に取り付けられる。
ステージ5の下には、ステージ側センサユニット10が設置される。
図3は、ステージ側センサユニット10の模式図である。
ステージ側センサユニット10は、第2の3軸力検出素子7bと、金属片9-3,9-4とを備える。
第2の3軸力検出素子7bは、ボンディングツール2からボンディングワイヤ6を介してワーク4に伝達される荷重(以下、ワークに伝達される荷重)を検出する。第2の3軸力検出素子7bは、ワークに伝達される荷重に応じた電荷を出力する。
第2の3軸力検出素子7bの荷重検出面がステンレス、鉄、または銅等の金属片9-3,9-4で挟み込まれている。第2の3軸力検出素子7bと金属片9-3,9-4とが一体構造になったステージ側センサユニット10がステージ5に取り付けられる。
ステージ5内に設置されたステージ側センサユニット10または第2の3軸力検出素子7bは、ワーク4の大きさ、ステージ5の大きさ、ボンディング領域に合わせて複数個設置することが可能である。
第1の3軸力検出素子7aおよび第2の3軸力検出素子7bとして、圧電式荷重センサを用いることができる。圧電式荷重センサは、剛性および感度が高く、高速応答であるため、荷重を高精度で検出することができる。
ワイヤボンディング装置101は、さらに、第1のチャージアンプ11aと、第2のチャージアンプ11bと、第1の電圧検出部12aと、第2の電圧検出部12bと、制御部13とを備える。
第1のチャージアンプ11aは、第1の3軸力検出素子7aから出力された電荷を電圧値に変換する。第2のチャージアンプ11bは、第2の3軸力検出素子7bから出力された電荷を電圧値に変換する。
第1の電圧検出部12aは、第1のチャージアンプ11aからの出力電圧を検出する。第2の電圧検出部12bは、第2のチャージアンプ11bからの出力電圧を検出する。
制御部13は、第1の電圧検出部12aおよび第2の電圧検出部12bで得られた検出電圧を解析する。制御部13は、解析結果を評価し、ボンディングの良否を判定する。制御部13は、判定結果に応じて、超音波振動子1を制御する。
ボンディングワイヤ6をボンディングするとき(以下、ボンディング中)には、ボンディングワイヤ6をボンディングツール2によってワーク4に圧着させて、ボンディングワイヤ6に超音波振動を印加する。ボンディングワイヤ6に超音波振動による荷重が印加されることで、ボンディングワイヤ6とワーク4の接触面を覆う酸化膜が除去され、新生面が露出する。露出した面同士を直ちにコンタクトさせることによって両者が固層接合される。すなわち、ボンディングヘッド3で検出したボンディングワイヤ6を加振する荷重を、ボンディングワイヤ6を介して効率良くワーク4に伝達させることで良好なボンディングが達成される。
制御部13は、ボンディング中において、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率とボンディング強度との相関関係を利用して、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング品質を良否判定する。
ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率とは、Y軸方向のワークに伝達される荷重をY軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重で除算した値である。
図4は、ボンディング中のボンディングツール2を正面から見た図である。
図4において、ワーク4の面と平行であって、かつ超音波振動の方向と直交する方向をX軸方向16、ワーク4の面と平行であって、かつ超音波振動の方向と同じ方向をY軸方向17、ワーク4の面に対して垂直方向であって、ボンディングツール2による加圧方向をZ軸方向18とする。
図5は、第1の電圧検出部12aによって検出される電圧の波形の模式図である。
図5(a)において、第1の3軸力検出素子7a、第1のチャージアンプ11a、および第1の電圧検出部12aによって検出されたZ軸方向の荷重を表わす電圧波形19が示されている。図5(b)において、第1の3軸力検出素子7a、第1のチャージアンプ11a、および第1の電圧検出部12aによって検出されたY軸方向の荷重を表わす電圧波形22が示されている。図5(c)において、第1の3軸力検出素子7a、第1のチャージアンプ11a、および第1の電圧検出部12aによって検出されたX軸方向の荷重を表わす電圧波形21が示されている。
ボンディングツール2によりZ軸方向にボンディング荷重が印加された後、Y軸方向にボンディングワイヤを加振する荷重の印加が開始され、観測される。超音波振動と直交するX軸方向に、荷重は印加されず、検出されない。
図6は、図5のa部の拡大図である。
Y軸方向の荷重の電圧波形20の振幅は、超音波振動によって、ボンディングワイヤを加振する荷重の大きさを表わす。電圧波形20の振動周波数が超音波振動の周波数を表している。
制御部13は、第1の3軸力検出素子7a、第1のチャージアンプ11a、および第1の電圧検出部12aによって検出された電圧波形のうちY軸方向の荷重の電圧波形20を取り込む。制御部13は、Y軸方向の荷重の電圧波形を時間区間に分割し、区間ごとに、電圧波形を高速フーリエ変換(以下FFT解析)することによって、電圧波形を周波数成分に変換する。FFT解析は任意の時間長さ、分割数で設定した時間区間に対して行われる。分割された時間区間のうち任意の時間区間を選択して解析することも可能である。
図7(a)は、図5のY軸方向の電圧波形20をb部~f部の五つの区間に時間分割した図である。
図7(b)は、ボンディング初期である区間b部の電圧波形をFFT解析した結果を示す図である。図7(b)のピークが見られる周波数が超音波振動子1の発振周波数23を表わす。ここでは、このピークの強度の値をY軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重24と定義する。
同様の手法により、制御部13は、第2の3軸力検出素子7b、第2のチャージアンプ11b、および第2の電圧検出部12bによって検出された電圧波形うち、Y軸方向の波形のb部~f部を抜き出して、FFT解析をすることによって、Y軸方向のワークに伝達される荷重を求める。
図8は、Y軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重の推移をボンディング開始からボンディング完了時までプロットした模式図である。
図9は、Y軸方向のワークに伝達される荷重の推移をボンディング開始からボンディング完了時までプロットした模式図である。なお、ボンディング完了時はボンディング工程において、接合を行う期間の終盤に相当する期間を指す。
前述のように、Y軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重が一定である。これに対して、Y軸方向のワークに伝達される荷重はボンディング初期からボンディング中期にかけて緩やかに上昇し、ボンディング後期になると飽和する。
制御部13は、第2の3軸力検出素子7b、第2のチャージアンプ11b、および第2の電圧検出部12bによって検出された電圧波形のうちY軸方向の荷重の電圧波形を取り込む。制御部13は、Y軸方向の荷重の電圧波形を時間区間に分割し、区間ごとに、電圧波形をFFT解析することによって、電圧波形を周波数成分に変換する。制御部13は、FFT解析後のピークの強度の値をY軸方向のワークに伝達される荷重24とする。
図10は、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率の時間変化の波形を示す図である。
ボンディングの進行に伴い、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率が上昇する。本実施の形態では、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率の時間変化を判定波形とする。
図11は、ボンディング完了時のボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率とボンディング強度の関係を示す図である。
ボンディング完了時のボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率とボンディング強度には正の相関があることから、判定波形をモニタリングすることによって、ボンディング強度の推移を把握することが可能となる。
図12は、正常時のボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率の時間変化の波形と、不良発生時のボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率の時間変化の波形を表わす図である。
図12において、正常時のボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率の時間変化の波形が実線で示され、不良発生時のボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率の時間変化の波形が点線で示されている。
不良発生時には、ボンディングワイヤ6とワーク4の間のボンディングが不十分でボンディング強度が十分得られていないため、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率の上昇が見られない。
制御部13は、ボンディング完了時において、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率と、閾値TH1とを比較することによって、ボンディング品質の良否を判定する。制御部13は、ボンディング完了時における、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率が閾値TH1以上のときに、ボンディング品質を正常と判定する。制御部13は、ボンディング完了時おける、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率が閾値TH1未満のときに、ボンディング品質を不良と判定する。ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率の時間変化とボンディング強度との関係をプル試験またはシェア試験等の各種信頼性試験により調査することによって、所望のボンディング強度が得られるときのボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率の下限を閾値TH1とすることができる。
制御部13は、判定結果が不良の場合、超音波振動子1へ停止を指示する信号を出力する。
図13は、実施の形態1のワイヤボンディングの手順を表わすフローチャートである。
ステップS101において、制御部13は、ボンディングツール2を制御して、ボンディングワイヤ6をワーク4に圧着させる。
ステップS102において、制御部13は、超音波振動子1を制御して、ボンディングヘッド3を介してボンディングツール2に超音波振動を印加させる。
ステップS103において、制御部13は、ボンディングヘッド3に取り付けられたヘッド側センサユニット8に含まれる第1の3軸力検出素子7aによって、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング完了時のY軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重W1を測定させる。
ステップS104において、制御部13は、ワーク4を載置するステージ5の下に設置されたステージ側センサユニット10に含まれる第2の3軸力検出素子7bによって、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング完了時のY軸方向のワークを加振する荷重W2を測定させる。
ステップS105において、制御部13は、ボンディング完了時のY軸方向のワークを加振する荷重W2をボンディング完了時のY軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重W1で除算することによって、ボンディング完了時のボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率Eを求める。
ステップS106において、ボンディング完了時のボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率Eが閾値TH1以上のときに(S106:YES)、処理がステップS107に進み、ボンディング完了時のボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率Eが閾値TH1未満のときに(S106:NO)、処理がステップS108に進む。
ステップS107において、制御部13は、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング品質を正常と判定する。
ステップS108において、制御部13は、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング品質を不良と判定する。
ステップS109において、制御部13は、判定結果が不良の場合、超音波振動子1へ停止を指示する信号を出力する。
本実施の形態によれば、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率を用いて、ボンディング完了後のボンディング品質の良否を判定することによって、一つのワーク内に複数の異なるボンディング点が存在する連続稼働時においても、ボンディングの品質の良否を判定することができる。また、本実施の形態によれば、ボンディング状態を非破壊およびリアルタイムで高精度に検出することができる。
実施の形態2.
本実施の形態では、Y軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重を判定波形としてボンディング不良を判定する。
図14は、正常時のY軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重の時間変化の波形と、不良発生時のY軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重の時間変化の波形を表わす図である。
図14において、正常時のY軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重の時間変化の波形が実線で示され、不良発生時のY軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重の時間変化の波形が点線で示されている。
ワーク4の押さえ力が不十分のためワーク4のすべりまたは意図しない振動等の不具合が発生し、ボンディングワイヤ6を十分に加振できない場合、Y軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重が低下する。
制御部13は、ボンディング完了時において、Y軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重と、閾値TH2とを比較することによって、ボンディング品質の良否を判定する。制御部13は、ボンディング完了時における、Y軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重が閾値TH2以上のときに、ボンディング品質を正常と判定する。制御部13は、ボンディング完了時おける、Y軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重が閾値TH2未満のときに、ボンディング品質を不良と判定する。Y軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重の時間変化とボンディング強度との関係をプル試験またはシェア試験等の各種信頼性試験により調査することによって、所望のボンディング強度が得られるときのボンディングワイヤを加振する荷重の下限を閾値TH2とすることができる。
制御部13は、判定結果が不良の場合、超音波振動子1へ停止を指示する信号を出力する。
図15は、実施の形態2のワイヤボンディングの手順を表わすフローチャートである。
ステップS201において、制御部13は、ボンディングツール2を制御して、ボンディングワイヤ6をワーク4に圧着させる。
ステップS202において、制御部13は、超音波振動子1を制御して、ボンディングヘッド3を介してボンディングツール2に超音波振動を印加させる。
ステップS203において、制御部13は、ボンディングヘッド3に取り付けられたヘッド側センサユニット8に含まれる第1の3軸力検出素子7aによって、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング完了時のY軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重W1を測定させる。
ステップS204において、ボンディング完了時のY軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重W1が閾値TH2以上のときに(S204:YES)、処理がステップS205に進み、ボンディング完了時のY軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重W1が閾値TH2未満のときに(S204:NO)、処理がステップS206に進む。
ステップS205において、制御部13は、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング品質を正常と判定する。
ステップS206において、制御部13は、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング品質を不良と判定する。
ステップS207において、制御部13は、判定結果が不良の場合、超音波振動子1へ停止を指示する信号を出力する。
本実施の形態によれば、制御部が、Y軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重を用いて、ボンディング完了後のボンディング品質の良否を判定することによって、一つのワーク内に複数の異なるボンディング点が存在する連続稼働時においても、ボンディングの品質の良否を判定することができる。
実施の形態3.
本実施の形態では、Y軸方向のワークに伝達される荷重を判定波形としてボンディング不良を判定する。
図16は、正常時のY軸方向のワークに伝達される荷重の時間変化の波形と、不良発生時のY軸方向のワークに伝達される荷重の時間変化の波形を表わす図である。
図16において、正常時のY軸方向のワークに伝達される荷重の時間変化の波形が実線で示され、不良発生時のY軸方向のワークに伝達される荷重の時間変化の波形が点線で示されている。
ワーク4の押さえ力が不十分のためワーク4のすべりや意図しない振動が発生し、ボンディングワイヤ6を十分に加振できない場合、Y軸方向のワークに伝達される荷重が低下する。
制御部13は、ボンディング完了時において、Y軸方向のワークに伝達される荷重と、閾値TH3とを比較することによって、ボンディング品質の良否を判定する。制御部13は、ボンディング完了時における、Y軸方向のワークに伝達される荷重が閾値TH3以上のときに、ボンディング品質を正常と判定する。制御部13は、ボンディング完了時おける、Y軸方向のワークに伝達される荷重が閾値TH3未満のときに、ボンディング品質を不良と判定する。ワークに伝達される荷重の時間変化とボンディング強度との関係をプル試験またはシェア試験等の各種信頼性試験により調査することによって、所望のボンディング強度が得られるときのY軸方向のワークに伝達される荷重の下限を閾値TH3とすることができる。
制御部13は、判定結果が不良の場合、超音波振動子1へ停止を指示する信号を出力する。
図17は、実施の形態3のワイヤボンディングの手順を表わすフローチャートである。
ステップS301において、制御部13は、ボンディングツール2を制御して、ボンディングワイヤ6をワーク4に圧着させる。
ステップS302において、制御部13は、超音波振動子1を制御して、ボンディングヘッド3を介してボンディングツール2に超音波振動を印加させる。
ステップS303において、制御部13は、ワーク4を載置するステージ5の下に設置されたステージ側センサユニット10に含まれる第2の3軸力検出素子7bによって、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング完了時のY軸方向のワークを加振する荷重W2を測定させる。
ステップS304において、ボンディング完了時のY軸方向のワークを加振する荷重W2が閾値TH3以上のときに(S304:YES)、処理がステップS305に進み、ボンディング完了時のY軸方向のワークを加振する荷重W2が閾値TH3未満のときに(S304:NO)、処理がステップS306に進む。
ステップS305において、制御部13は、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング品質を正常と判定する。
ステップS306において、制御部13は、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング品質を不良と判定する。
ステップS307において、制御部13は、判定結果が不良の場合、超音波振動子1へ停止を指示する信号を出力する。
本実施の形態によれば、制御部が、Y軸方向のワークを加振する荷重を用いて、ボンディング完了後のボンディング品質の良否を判定することによって、一つのワーク内に複数の異なるボンディング点が存在する連続稼働時においても、ボンディングの品質の良否を判定することができる。
実施の形態4.
ボンディング装置の制御パラメータには、超音波出力の大きさを表わす超音波振動子1への入力電圧(以下、超音波出力)がある。ボンディング時にこのパラメータを適切に制御することによって良好なボンディングを達成できる。
本実施の形態では、実施の形態1において解析した荷重が超音波振動子1への入力電圧によって変化することを用いて、ボンディング信頼性を向上させたボンディングを実行する。
図18は、超音波出力とY軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重との関係を示す図である。
図18に示すように、超音波出力が高くなるほど、ボンディングツール2の振幅が大きくなるため、Y軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重が大きくなる。
図19は、超音波出力とY軸方向のワークに伝達される荷重との関係を示す図である。
図19に示すように、超音波出力が高くなるにつれて、Y軸方向のワークに伝達される荷重が大きくなる。超音波出力が一定値以上に高くなると一旦形成されたボンディング部が超音波振動により破壊されるため、Y軸方向のワークに伝達される荷重の絶対値が飽和する。
図20は、超音波出力とボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率との関係を示す図である。
図20に示すように、超音波出力が高くなるにつれてボンディング部が形成されて、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率が上昇する。超音波出力が一定値以上になるとボンディング部が破壊されるため、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率が低下する。
制御部13は、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率がピークとなるときの超音波振動子1への入力電圧V1を記憶している。
制御部13は、ボンディング開始時に、ボンディング中の超音波振動子1への入力電圧を記憶している、予め定められた値であるV1に設定する。制御部13は、実施の形態1と同様に、ボンディング完了時において、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率と、閾値TH1とを比較することによって、ボンディング品質の良否を判定する。制御部13は、ボンディング完了時における、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率が閾値TH1以上のときに、ボンディング品質を正常と判定する。制御部13は、ボンディング完了時おける、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率が閾値TH1未満のときに、ボンディング品質を不良と判定する。
図21は、実施の形態4のワイヤボンディングの手順を示すフローチャートである。
ステップS400において、制御部13は、超音波振動子1への入力電圧をV1に設定する。ここで、V1は、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率がピークとなるときの超音波振動子1への入力電圧である。
以下のステップS101~S109の処理は、実施の形態1の図13のフローチャートと同様なので、説明を繰り返さない。
本実施の形態によれば、ボンディング信頼性を向上させたボンディングが可能となる。
実施の形態5.
ボンディング装置の制御パラメータには、ボンディング時にボンディングツール2でボンディングワイヤ6をZ軸方向にワーク4に押し付ける荷重(以下、ボンディング荷重)がある。ボンディング時にこの制御パラメータを適切に制御することによって良好なボンディングを達成できる。
本実施の形態では、実施の形態1において解析した判定波形がボンディング荷重によって変化することを用いて、ボンディングの信頼性を向上させたボンディングが可能となる。
図22は、ボンディング荷重とY軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重との関係を示す図である。
図22に示すように、Y軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重37は、ボンディング荷重によらず一定である。
図23は、ボンディング荷重とY軸方向のワークに伝達される荷重との関係を示す図である。
図23に示すように、ボンディング荷重が大きくなるにつれてワークに伝達される荷重が大きくなる。ボンディング荷重が一定値以上に大きくなるとボンディング荷重によってボンディングワイヤ6の摺動が抑制されてしまうためボンディングされていない箇所が発生する。その結果、Y軸方向のワークに伝達される荷重の絶対値が飽和する。
図24は、ボンディング荷重とボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率との関係を示す図である。
図24に示すように、ボンディング荷重が大きくなるにつれてボンディングされている箇所が形成されて、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率が上昇する。ボンディング荷重が一定値以上になるとボンディングワイヤ6の摺動が抑制されてボンディングされていない箇所が発生する。その結果、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率が飽和する。
制御部13は、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率が飽和するときのボンディング荷重のいずれかを記憶している。たとえば、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率が飽和するときのボンディング荷重の下限F1が記憶されるものとしてもよい。
制御部13は、ボンディング開始時に、ボンディング中のワークの面と垂直な方向のワークへの荷重を記憶している予め定められた値(たとえばF1)に設定する。制御部13は、実施の形態1と同様に、ボンディング完了時において、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率と、閾値TH1とを比較することによって、ボンディング品質の良否を判定する。制御部13は、ボンディング完了時における、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率が閾値TH1以上のときに、ボンディング品質を正常と判定する。制御部13は、ボンディング完了時おける、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率が閾値TH1未満のときに、ボンディング品質を不良と判定する。
図25は、実施の形態5のワイヤボンディングの手順を示すフローチャートである。
ステップS500において、制御部13は、ボンディング荷重をF1に設定する。ここで、F1は、ボンディングワイヤを加振する荷重の伝達効率が飽和するときのボンディング荷重の下限である。
以下のステップS101~S109の処理は、実施の形態1の図13のフローチャートと同様なので、説明を繰り返さない。
本実施の形態によれば、ボンディング信頼性を向上させたボンディングが可能となる。
実施の形態6.
本実施の形態では、X軸方向の荷重を表わす波形を用いてワーク4の押さえ不足によるボンディング不良を検出する。
ボンディングが正常時には、超音波振動方向と垂直方向であるX軸方向にはボンディングワイヤを加振する荷重、およびワークに伝達される荷重が検出されない。
図26は、不良発生時のX軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重の時間変化の波形を表わす図である。
図26に示すように、ボンディング中のワーク4の押さえが不十分である場合には、超音波振動と垂直方向にワーク4が振動してしまうため、X軸方向にボンディングワイヤを加振する荷重が検出される。また、図示しないが、X軸方向にワークに伝達される荷重も検出される。
本実施の形態では、X軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重を判定波形とする。
制御部13は、X軸方向の荷重を表わす波形を時間区間に分割した後、FFT解析する。FFT解析は任意の時間長さ、分割数で設定した時間区間に対して行われ、分割された時間区間のうち任意の時間区間を選択して解析することも可能である。
制御部13は、ボンディング完了時において、X軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重と、閾値TH4とを比較することによって、ボンディング品質の良否を判定する。制御部13は、ボンディング完了時における、X軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重が閾値TH4以下のときに、ボンディング品質を正常と判定する。制御部13は、ボンディング完了時おける、X軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重が閾値TH4を超えるときに、ボンディング品質を不良と判定する。X軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重の時間変化とボンディング強度との関係をプル試験またはシェア試験等の各種信頼性試験により調査することによって、所望のボンディング強度が得られるときのX軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重の上限を閾値TH5とすることができる。
制御部13は、判定結果が不良の場合、超音波振動子1へ停止を指示する信号を出力する。
図27は、実施の形態6のワイヤボンディングの手順を示すフローチャートである。
ステップS601において、制御部13は、ボンディングツール2を制御して、ボンディングワイヤ6をワーク4に圧着させる。
ステップS602において、制御部13は、超音波振動子1を制御して、ボンディングヘッド3を介してボンディングツール2に超音波振動を印加させる。
ステップS603において、制御部13は、ボンディングヘッド3に取り付けられたヘッド側センサユニット8に含まれる第1の3軸力検出素子7aによって、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング完了時のX軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重W4を測定させる。
ステップS604において、ボンディング完了時のX軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重W4が閾値TH4以下のときに(S604:YES)、処理がステップS605に進み、ボンディング完了時のX軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重W4が閾値TH4を超えるときに(S604:NO)、処理がステップS606に進む。
ステップS605において、制御部13は、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング品質を正常と判定する。
ステップS606において、制御部13は、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング品質を不良と判定する。
ステップS607において、制御部13は、判定結果が不良の場合、超音波振動子1へ停止を指示する信号を出力する。
本実施の形態によれば、制御部が、X軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重を用いて、ボンディング完了後のボンディング品質の良否を判定することによって、一つのワーク内に複数の異なるボンディング点が存在する連続稼働時においても、ボンディングの品質の良否を判定することができる。
実施の形態6の変形例.
本変形例では、X軸方向のワークに伝達される荷重を判定波形とする。
制御部13は、X軸方向の荷重を表わす波形を時間区間に分割した後、FFT解析する。FFT解析は任意の時間長さ、分割数で設定した時間区間に対して行われ、分割された時間区間のうち任意の時間区間を選択して解析することも可能である。
制御部13は、ボンディング完了時において、X軸方向のワークに伝達される荷重と、閾値TH5とを比較することによって、ボンディング品質の良否を判定する。制御部13は、ボンディング完了時における、X軸方向のワークに伝達される荷重が閾値TH5以下のときに、ボンディング品質を正常と判定する。制御部13は、ボンディング完了時おける、X軸方向のワークに伝達される荷重が閾値TH5を超えるときに、ボンディング品質を不良と判定する。X軸方向のワークに伝達される荷重の時間変化とボンディング強度との関係をプル試験またはシェア試験等の各種信頼性試験により調査することによって、所望のボンディング強度が得られるときのX軸方向のワークに伝達される荷重の上限を閾値TH6とすることができる。
制御部13は、判定結果が不良の場合、超音波振動子1へ停止を指示する信号を出力する。
図28は、実施の形態6の変形例のワイヤボンディングの手順を示すフローチャートである。
ステップS701において、制御部13は、ボンディングツール2を制御して、ボンディングワイヤ6をワーク4に圧着させる。
ステップS702において、制御部13は、超音波振動子1を制御して、ボンディングヘッド3を介してボンディングツール2に超音波振動を印加させる。
ステップS703において、制御部13は、ワーク4を載置するステージ5の下に設置されたステージ側センサユニット10に含まれる第2の3軸力検出素子7bによって、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング完了時のX軸方向のワークを加振する荷重W5を測定させる。
ステップS704において、ボンディング完了時のX軸方向のワークに伝達される荷重W5が閾値TH5以下のときに(S704:YES)、処理がステップS705に進み、ボンディング完了時のX軸方向のワークに伝達される荷重W5が閾値TH5を超えるときに(S704:NO)、処理がステップS706に進む。
ステップS705において、制御部13は、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング品質を正常と判定する。
ステップS706において、制御部13は、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング品質を不良と判定する。
ステップS707において、制御部13は、判定結果が不良の場合、超音波振動子1へ停止を指示する信号を出力する。
本実施の形態によれば、制御部が、X軸方向のワークに伝達される荷重を用いて、ボンディング完了後のボンディング品質の良否を判定することによって、一つのワーク内に複数の異なるボンディング点が存在する連続稼働時においても、ボンディングの品質の良否を判定することができる。
実施の形態7.
本実施の形態では、Z軸方向の荷重を表わす波形を用いて、チップ割れ等によってワーク4が破壊することによるボンディング不良を検出する。
Z軸方向の荷重を表わす波形を時間区間に分割した後、FFT解析する。FFT解析は任意の時間長さ、分割数で設定した時間区間に対して行われ、分割された時間区間のうち任意の時間区間を選択して解析することも可能である。
ボンディングが正常時には、ワーク4と垂直方向であるZ軸方向にはボンディングワイヤを加振する荷重、およびワークに伝達される荷重が検出されない。
ボンディング中にチップ割れ等のワーク4の破壊が発生した場合、ワーク4が振動してしまうため、Z軸方向にボンディングワイヤを加振する荷重、およびワークに伝達される荷重が検出される。
本実施の形態では、Z軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重を判定波形とする。
制御部13は、Z軸方向の荷重を表わす波形を時間区間に分割した後、FFT解析する。FFT解析は任意の時間長さ、分割数で設定した時間区間に対して行われ、分割された時間区間のうち任意の時間区間を選択して解析することも可能である。
制御部13は、ボンディング完了時において、Z軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重と、閾値TH6とを比較することによって、ボンディング品質の良否を判定する。制御部13は、ボンディング完了時における、Z軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重が閾値TH6以下のときに、ボンディング品質を正常と判定する。制御部13は、ボンディング完了時おける、Z軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重が閾値TH6を超えるときに、ボンディング品質を不良と判定する。Z軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重の時間変化とボンディング強度との関係をプル試験またはシェア試験等の各種信頼性試験により調査することによって、所望のボンディング強度が得られるときのZ軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重の上限限を閾値TH6とすることができる。
制御部13は、判定結果が不良の場合、超音波振動子1へ停止を指示する信号を出力する。
図29は、実施の形態7のワイヤボンディングの手順を示すフローチャートである。
ステップS801において、制御部13は、ボンディングツール2を制御して、ボンディングワイヤ6をワーク4に圧着させる。
ステップS802において、制御部13は、超音波振動子1を制御して、ボンディングヘッド3を介してボンディングツール2に超音波振動を印加させる。
ステップS803において、制御部13は、ボンディングヘッド3に取り付けられたヘッド側センサユニット8に含まれる第1の3軸力検出素子7aによって、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング完了時のZ軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重W6を測定させる。
ステップS804において、ボンディング完了時のZ軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重W6が閾値TH6以下のときに(S804:YES)、処理がステップS805に進み、ボンディング完了時のZ軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重W6が閾値TH6を超えるときに(S804:NO)、処理がステップS806に進む。
ステップS805において、制御部13は、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング品質を正常と判定する。
ステップS806において、制御部13は、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング品質を不良と判定する。
ステップS807において、制御部13は、判定結果が不良の場合、超音波振動子1へ停止を指示する信号を出力する。
本実施の形態によれば、制御部が、Z軸方向のボンディングワイヤを加振する荷重を用いて、ボンディング完了後のボンディング品質の良否を判定することによって、一つのワーク内に複数の異なるボンディング点が存在する連続稼働時においても、ボンディングの品質の良否を判定することができる。
実施の形態7の変形例.
本変形例では、Z軸方向のワークに伝達される荷重を判定波形とする。
制御部13は、Z軸方向の荷重を表わす波形を時間区間に分割した後、FFT解析する。FFT解析は任意の時間長さ、分割数で設定した時間区間に対して行われ、分割された時間区間のうち任意の時間区間を選択して解析することも可能である。
制御部13は、ボンディング完了時において、Z軸方向のワークに伝達される荷重と、閾値TH7とを比較することによって、ボンディング品質の良否を判定する。制御部13は、ボンディング完了時における、Z軸方向のワークに伝達される荷重が閾値TH7以下のときに、ボンディング品質を正常と判定する。制御部13は、ボンディング完了時おける、Z軸方向のワークに伝達される荷重が閾値TH7を超えるときに、ボンディング品質を不良と判定する。Z軸方向のワークに伝達される荷重の時間変化とボンディング強度との関係をプル試験またはシェア試験等の各種信頼性試験により調査することによって、所望のボンディング強度が得られるときのZ軸方向のワークに伝達される荷重の上限を閾値TH7とすることができる。
制御部13は、判定結果が不良の場合、超音波振動子1へ停止を指示する信号を出力する。
図30は、実施の形態7の変形例のワイヤボンディングの手順を示すフローチャートである。
ステップS901において、制御部13は、ボンディングツール2を制御して、ボンディングワイヤ6をワーク4に圧着させる。
ステップS902において、制御部13は、超音波振動子1を制御して、ボンディングヘッド3を介してボンディングツール2に超音波振動を印加させる。
ステップS903において、制御部13は、ワーク4を載置するステージ5の下に設置されたステージ側センサユニット10に含まれる第2の3軸力検出素子7bによって、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング完了時のZ軸方向のワークを加振する荷重W7を測定させる。
ステップS904において、ボンディング完了時のZ軸方向のワークに伝達される荷重W7が閾値TH7以下のときに(S904:YES)、処理がステップS905に進み、ボンディング完了時のZ軸方向のワークに伝達される荷重W7が閾値TH7を超えるときに(S904:NO)、処理がステップS906に進む。
ステップS905において、制御部13は、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング品質を正常と判定する。
ステップS906において、制御部13は、ボンディングワイヤ6とワーク4とのボンディング品質を不良と判定する。
ステップS907において、制御部13は、判定結果が不良の場合、超音波振動子1へ停止を指示する信号を出力する。
なお、上述した各実施の形態を組み合わせてボンディング品質の良否判定を行うことも可能であり、組み合わせることで高精度なボンディング判定を行うことができる。
本実施の形態によれば、制御部が、Z軸方向のワークに伝達される荷重を用いて、ボンディング完了後のボンディング品質の良否を判定することによって、一つのワーク内に複数の異なるボンディング点が存在する連続稼働時においても、ボンディングの品質の良否を判定することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。