JP7076838B2 - 卓上連続撹拌槽型反応器 - Google Patents

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本発明は、マグネチックスターラーの上に置いて使用する卓上連続撹拌槽型反応器に関する。
化学工業では、所望の化学物質を効率的に製造するために連続式の反応器が使用されることが多い。連続型の反応器としては、管の中に流体を流しながら反応させる管型反応器と、複数の撹拌槽を連結して、各反応槽で流体を撹拌しながら反応させる連続槽型反応器が知られている。
例えば、特許文献1のように管型反応器に関しては、小型の管型反応器が多数開発されている。このような管型反応器はマイクロリアクターと呼ばれている。
バッチ式の反応を行う場合には、例えば、特許文献2の図12に示されるような、マイクロウェルと呼ばれる小さい穴を複数個有するプレートを使用することがある。特許文献2の図12に示されたプレートは、PCR(Polymerase Chain Reaction)によって遺伝子を増幅する際に使用される。
特開2009-279468号公報 特表2011-500025号公報
特許文献1に示されるような小型の管型反応器は、卓上で利用可能であり、便利であるが、次のような問題点がある。例えば、粒子状の化合物を使用したり、固形分が析出する反応を行ったりするときは管路が詰まりやすい。また、反応の過程で気体が発生する場合は、気体によって管路を流れる反応基質等が押し出されてしまう。これによって、設計した通りに反応が進行しないことがある。
連続槽型反応器では、上述のような管型反応器に特有の問題は生じにくい。しかしながら、手軽に利用することができる小型の連続槽型反応器の開発は行われていない。
特許文献2に示されるようなプレートは、バッチ式の反応を行うためのものであり、効率的に反応生成物を得ることはできないし、連続的な反応の条件を小スケールで検討することもできない。
本発明は、マグネチックスターラーの上に置いて手軽に使用することができる小型の連続撹拌槽型反応器を提供することを目的とする。
マグネチックスターラーの上に置いて使用する卓上連続撹拌槽型反応器であって、卓上連続撹拌槽型反応器は、複数の有底の容器を有しており、複数の有底の容器は撹拌子を収納することができる形状であり、複数の有底の容器は一体の部材として構成されており、前記複数の有底の容器は、マグネチックスターラーの一対の磁石が回転する円周上又はその内側に設けられており、隣接する容器は、連通孔によって連通されている卓上連続撹拌槽型反応器によって、上記の課題を解決する。
上記の卓上連続撹拌槽型反応器は、マグネチックスターラーの一対の磁石が回転する円周上又はその内側に複数の有底の容器を配置しているため、マグネチックスターラーの一対の磁石で、複数の有底の容器に収納された複数の撹拌子を回転させることが可能になる。撹拌子を作動させるのに特殊な装置や、複数基の磁石を備える特殊なマグネチックスターラーを準備する必要がなく、手軽に利用することが可能である。
上記の卓上連続撹拌槽型反応器において、ブロック状の本体と、本体に設けられる複数の有底の穴とを有しており、複数の有底の穴を複数の有底の容器として機能させることが好ましい。ブロック状の本体に対して複数の穴を設けることで、複数の有底の容器を容易に一体に成形することができる。
上記の卓上連続撹拌槽型反応器において、卓上連続撹拌槽型反応器は、複数の有底の穴の開口部を閉じる蓋体を備えており、蓋体には有底の穴と蓋体の外とを連通させる貫通孔を有する構成とすることが好ましい。蓋体に対して有底の穴と蓋体の外とを連通させる貫通孔を設けることで、例えば、反応基質、触媒、反応助剤、溶媒などを貫通孔を経て反応器の外から反応器内に容易に供給し、反応によって生じた生成物を貫通孔を経て反応器の外に容易に取り出すことが可能になる。
上記の卓上連続撹拌槽型反応器は、複数の有底の穴の開口部を閉じる蓋体を備えており、蓋体には他の実験機器と接続するための接続部を備えており、接続部は複数の有底の容器のうちの少なくとも一つと連通するようにすることが好ましい。蓋体に接続部を設けることによって、他の実験機器を卓上連続撹拌槽型反応器に接続することが可能になる。これによって、例えば、他の実験機器で前処理を行ってその後、前処理したものを卓上連続撹拌槽型反応器に送って反応を行うといった使い方や、卓上連続撹拌槽型反応器で反応を行った後に、反応物を他の実験機器に送って後処理を行うといった使い方が可能になる。
本発明によれば、マグネチックスターラーの上に置いて手軽に使用することができる小型の卓上連続撹拌槽型反応器を提供することが可能になる。
卓上連続撹拌槽型反応器の一実施形態を示す分解斜視図である。 図1の卓上連続撹拌槽型反応器を組み付けた状態を示す平面図である。 図2のHH部分で切断した断面図である。 図1の卓上連続撹拌槽型反応器をマグネチックスターラーに置いた状態を示す断面図である。 図1の卓上連続撹拌槽型反応器を他の実験機器に接続した状態を示す斜視図である。 図1の卓上連続撹拌槽型反応器の有底の容器の位置を示す説明図である。 卓上連続撹拌槽型反応器の他の実施形態を示す分解斜視図である。 図7の卓上連続撹拌槽型反応器の蓋体の縦断面図である。
図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。以下に挙げる実施形態は本発明の一例に過ぎず、本発明の技術的範囲は以下に挙げる実施形態に限定されるものではない。
図1ないし図6に本発明の卓上連続撹拌槽型反応器(以下、単に反応器と称する。)の一実施形態を示す。
本実施形態の反応器1は、図4に示したようにマグネチックスターラー4の上に置いて使用する反応器1である。この反応器1は、複数の有底の容器11を有している。個々の容器11は、図3に示したように、平面側が開口部111となっており、底面側は底部112によって塞がれている。個々の有底の容器11は、図4に示したように、磁性を帯びた撹拌子41を収納することができる形状となっている。図4に示したように、平面側の開口部111から撹拌子41を入れると、撹拌子41は底部112の上に留まる形状となっている。
図1及び図3に示したように、本実施形態の反応器1では、複数の有底の容器11は、一体の部材として構成されている。このため、個々の容器を別々にマグネチックスターラー4の上に移動させる動作を行う必要がない。複数の有底の容器11をマグネチックスターラー4の上に移動させるには、一回の動作で足りる。
本実施形態の反応器1では、容器11はブロック状の本体12と、本体12に設けられる複数の有底の穴121とを有しており、複数の有底の穴121が有底の容器11として機能する。ユーザーは、例えば、ブロック状の本体12を手で持ってマグネチックスターラー4の上に置くことで、一回の動作で複数の容器11をマグネチックスターラー4の上に容易に移動させることができる。
本実施形態の反応器1では、複数の有底の容器11は、図4に示したように、一台のマグネチックスターラー4の一対の磁石が回転する円周上又はその内側に設けられている。
図4に示したマグネチックスターラー4は、一対の磁石42と、一対の磁石42を固定する支持体43と、支持体43に接続される軸44と、軸44を回転させる駆動源45と、これらの部材を内蔵する筐体48とを有する。
一対の磁石42は、S極側の磁石46と、N極側の磁石47とを有する。S極側の磁石46とN極側の磁石47とは、それぞれ複数個の磁石を積層したものである。S極側の磁石46と、N極側の磁石47とは、それぞれ支持体43の一端側と他端側とに固定される。
支持体43は、上述の通り、S極側の磁石46と、N極側の磁石47とを固定する台又は棒である。支持体43の中ほどには軸44が接続されている。この軸44は、モーターなどの駆動源45に対して回転可能に接続されている。駆動源45から供給される動力によって、軸44、支持体43、及び一対の磁石42は回転する。一対の磁石42が回転する軌道は円となる。
上述の通り、複数の有底の容器11は、一対の磁石42が回転する円周上又はその内側に設けられている。このため、複数の有底の容器11に収納されたそれぞれの撹拌子41は、マグネチックスターラー4の一対の磁石42の回転に伴って、回転する。このように、本実施形態の反応器1では、一台のマグネチックスターラー4で、複数の有底の容器11に収納されたそれぞれの撹拌子41を一度に回転させることができる。このため、それぞれ容器11の下方に対応する複数台のマグネチックスターラーを配置する必要がなく、操作が簡単である。上述の通り、複数の容器11は一体に構成されているため、複数の容器11の撹拌子41を回転させるためにユーザーが行う動作は、一台のマグネチックスターラー4の上に反応器1を置くことで足りる。
本実施形態の反応器1は、図1及び図4に示したように、複数の有底の穴121の開口部111を閉じる蓋体13を有する。蓋体13には、有底の穴121と蓋体13の外とを連通させる貫通孔131を有する。本実施形態の反応器1では、貫通孔131は、蓋体13を閉じた状態において、複数の穴121の上方に位置し、その数は複数の穴121の数と対応する。
この貫通孔131は、図5を参照して後述するように、反応基質、触媒、反応助剤、溶媒などの任意の物質を反応器1の中に供給する供給口として機能し、反応によって生じた生成物などの任意の物質を取り出す排出口として機能する。また、複数の穴121の中で、設計したとおり反応が進行しているかどうかサンプリングをする際にも使用することができる。
本実施形態の反応器1の蓋体13には、図5を参照して説明するように、他の実験機器5と接続するための接続部132を設けている。接続部132は、他の実験機器5と複数の有底の容器11うちの少なくとも一つと連通する。このため、他の実験機器5で前処理した物質を反応器1の有底の容器11に供給したり、反応器1で反応させて得た物質を他の実験機器5に供給して後処理することが可能になる。
以下、本実施形態の反応器1の構成についてより詳細に説明する。
図1ないし図3に示したように、本実施形態の反応器1は、複数の穴121を有する本体12と、フランジ133と両端に開口を有する筒状の接続部132と複数の貫通孔131とを有する蓋体13と、蓋体13を本体12に対して固定する固定部14と、蓋体13と本体12との間に配される弾性材15と、蓋体13と固定部14との間に配される緩衝材16とを有する。
本体12は、箱状の6面体であり、平面側に第1凹部122と、第2凹部123と、第2凹部123に配される複数の穴121とを有する。第1凹部122は、平面視において略方形の平坦な面であり、固定部14を受け入れる段差を形成する。第1凹部122の形状は、固定部14を受け入れることができる形状であればよい。第1凹部122には、固定部14に挿通される螺子を螺合する複数の螺子穴124が設けられている。
第1凹部122の内側には、第2凹部123が設けられる。第2凹部123は、平面視において略円形の平坦な面である。第2凹部123は、平面視において略円形の弾性材15及び平面視において略円形の蓋体13を受け入れる段差を形成する。第2凹部123の形状は、弾性材15及び蓋体13を受け入れることができる形状であればよい。
第2凹部123には、複数の穴121が配されている。複数の穴121は、本体12の底面側に延びており、壁部をそなえており、底部分は塞がれている。底部分は、図3に示したように、円錐状になっており、穴121に投入される液量が少ないときでも、撹拌子41が液面から露出しないように、液面が高くなるようにされている。穴121の形状は、平面視において略円形であり、断面においては方形の下部に円錐部を備える形状であり、撹拌子41が回転した際に略円形の渦流が生じやすく、角部に固形分が残留しにくいものとなっている。
複数の穴121の壁部には、開口部111から底部112に向かって延びる連通孔113が設けられる。連通孔113は、図1及び図2に示したように、隣り合う穴11を連通させる。連通孔113は、底部112には達しない形状となっている。このため、連通孔113の下端の高さを超えた液だけが上流側の穴から下流側の穴に移動する。すなわち、上流側の穴から下流の穴へと一時に大量の液が移動しないため、個々の穴の中で撹拌子41で十分に撹拌された後に下流側の穴11に向けて液が移動するようになっている。なお、図2では蓋体13によって隠れている穴11、及び連通孔113を破線で示した。
連通孔113の形状は、開口部111から底部112に向かうにつれて開口の幅が小さくなる、いわゆるテーパー形状となっている。このようにすることで、液中に固形分が析出しても、当該固形分が連通孔113の縁に付着しにくくして、連通孔113が閉塞することを防止することができる。
本体12には、図2において一点鎖線で示し、図3においては破線で示したように、温度センサー、温度計、pH計などの検知具を挿入できる管路125を設けてもよい。管路125は、複数の容器11のうちの少なくとも1つと連通するように構成してもよいし、複数の容器11の温度を計測することができるように近接させることが好ましい。
本実施形態の反応器1では、本体12はブロック状のステンレス鋼から構成されており、複数の有底の容器11は、本体12を貫通しないように複数の穴11を切削することによって構成されている。このため、複数の容器11は、ステンレス鋼から構成される。ステンレス鋼は、熱伝導性が高く、ホットスターラーなどを使用して複数の容器11に投入された液体を簡単に加熱することができる。このため、加熱が必要な反応を行う際に好適に使用することができる。また、ステンレス鋼は、腐食しにくく耐久性に優れる点で好ましい。このため、腐食性の反応基質、触媒、反応生成物を取り扱う場合に好適に使用することができる。
複数の有底の容器11を構成する素材は、ステンレス鋼に限定されず、例えば、ガラス、プラスチック材料、その他の金属材料などから構成することができる。複数の有底の容器を形成する方法は、ステンレス鋼の切削に限定されず、例えば、プラスチック材料の射出成型、プラスチック材料の切削、石英ガラスなどのガラス材料の切削などが挙げられる。
本実施形態に係る反応器1では、図2に示したように、平面視において、本体12の中ほどに穴11が配置され、その回りを囲むように六角形の角部分に穴11が配置されるようになっている。複数の穴11を配置するパターンは、一対の磁石42が回転する円周上又はその内側に配されればよく、特に限定されない。複数の穴11を配置するパターンは、例えば、略円形、又は三角形、四角形、五角形などの三角形以上の多角形にすることができる。複数の穴は、平面視において、本体の中心を円の中心として、直径80cm以下の円の円周上又はその内側に設けられることが好ましく直径50cm以下の円の円周上又はその内側に設けられることがより好ましく、直径30以下cmの円の円周上又はその内側に設けられることがさらに好ましい。そして、上記円は直径1cm以上であることが好ましい。
弾性材15は、蓋体13と本体12とを緩衝して、本体12と蓋体13とが強く押圧された際に損傷することを防ぐ。弾性材15を使用することで、複数の穴121に液密性及び気密性を与えることができる。例えば、複数の穴121の中において、有害な気体の発生を伴う反応が進行する場合は、弾性材15を使用することが好ましい。弾性材15は、蓋体13が本体12に対して直接に接触することを防止することができる形状とすることが好ましく、本実施形態の反応器1では、平面視において、略円形であり、中ほどに筒状の接続部132の開口と複数の穴121のうちの一つと連通する貫通孔151を有する。
蓋体13は、両端に開口を有する筒状の接続部13と、接続部13の軸方向に交差する方向に突出するフランジ133と、フランジ133に設けられる複数の貫通孔131を有する。上述の通り、貫通孔131は、反応基質など任意の物質を反応器1の中に供給する供給口として機能し、反応によって生じた生成物など任意の物質を取り出す排出口として機能する。本実施形態の反応器1では、蓋体13をホウ珪酸ガラスから構成しているが、例えば、テフロン(登録商標)など各種のフッ素樹脂やその他の合成樹脂材料で構成してもよい。
貫通孔131は、図3に示したように、上述の弾性材15によって塞がれるが、図5に示したように、シリンジポンプなどの送液具又は吸引具に接続された管路57、58、59の先端に取り付けられた針を貫通孔131を経て弾性材15に刺し通すことで、複数の穴121と管路57、58、59とを連通させることができる。弾性材15は、その弾性によって針穴を塞ぐように弾性変形するので、針を抜き差しした後における気密性や液密性の大幅な低下を防ぐことができる。弾性材15は、シリコーン樹脂などの弾性材料とテフロン(登録商標)など各種のフッ素樹脂やその他の耐食性を有する合成樹脂の薄膜との積層体から構成することが好ましい。シリコーン樹脂などの弾性材料で針孔を塞ぐと共に、耐薬品性の高いテフロン(登録商標)など各種のフッ素樹脂薄やその他の耐食性を有する合成樹脂の薄膜によってシリコーン樹脂などの弾性材料が侵されないように保護することが可能になる。
固定部14は、蓋体13を本体12に対して固定するための部材である。固定部14は、蓋体13を固定できるものであればよい。本実施形態の反応器1では、筒状の接続部132を挿し通すことが可能な貫通孔142を中ほどに備えており、螺子を挿通することができる複数の螺子孔143を備えた平面視において略方形で側面視では板状の部材を固定部14として使用している。固定部14と蓋体13との間には、筒状の接続部132を挿通することができる貫通孔161を備えた緩衝材16が配される。緩衝材16は、環状の弾性素材から構成されるものであり、蓋体13と固定部14とが強く押圧された際に損傷することを防ぐ。緩衝材16は、シリコーン樹脂などの弾性材料であることが好ましい。
上記の実施形態に係る反応器1では、蓋体13と固定部14とは、別々の部材として構成した。図7及び図8に示したように、蓋体13と固定部14とは、一体の部材として構成してもよい。図7及び図8に示した反応器1において、上記の実施形態に係る反応器1と同じ構成については、図1ないし図6で使用した符号と同一の符号を使用した。
図7及び図8から明らかなように、反応器2は、蓋体13と固定部14とを一体に構成した点においてのみ、上記の実施形態に係る反応器1と異なる。図7及び図8に示した蓋体23は、筒状の接続部232と、接続部232の下端部から接続部の軸に交差する方向に突出するフランジ233とを有する。フランジ233は、平面視において略方形であり、複数の貫通孔231と複数の螺子孔243とを有する。
フランジ233は、本体12の第1凹部122の形状に対応する第1凸部234と、本体12の第2凹部123の形状に対応する第2凸部235と、フランジ233を貫通する複数の貫通孔231と、複数の螺子穴243を有する。第2凸部235の底面が、本体12の第2凹部123の平面に当接した状態で、本体12の螺子穴124及びフランジ233の螺子穴243に螺子141を螺合させて、蓋体23を本体12に対して固定することができる。上記の実施例に係る反応器1と同様に、蓋体23と本体12との間には、弾性材15が配置される。
図7及び図8に示した蓋体23は、部材の数が少ないので、より少ない手順で蓋体23を本体に対して固定することができるので好ましい。
蓋体23を構成する素材は特に限定されないが、例えば、接続部232はガラス材料で構成し、フランジ233はテフロン(登録商標)樹脂などの各種フッ素樹脂やその他の合成樹脂材料で構成することが好ましい。そして、接続部232とフランジ233とは、嵌合等によって接続すればよい。
以下、反応器1の使用例を挙げて、反応器を使用する方法について説明する。
反応器1では、複数の穴11は、図6に示したように、平面視において、本体12の中ほどの位置Aと、位置Aの周りを囲むように6角形状の角の位置BないしGに配置される。以下、位置Aにおける穴を「穴A」というように呼び、位置BないしGについても同様とする。
穴Aは穴Bと連通し、穴Bは穴Cと連通し、穴Cは穴Dと連通し、穴Dは穴Eと連通し、穴Eは穴Fと連通し、穴Fは穴Gと連通する。穴Aから液を供給した場合は、穴Aが始端となり、終端の穴Gに到るまで、A、B、C、D、E、F、Gの順に液が流れて反応が進行する。逆に穴Gを始端にした場合は、穴Aが終端となる。以下の使用例では、穴Aを始端とする例について説明する。
本使用例では、以下の[化1]に示した化学反応と、以下の[化2]に示した化学反応とを反応器1で行って、エーテルを合成する。Rは任意のアルキル基を示す。[化2]において、BnClはベンジルクロライドを示し、Bnはベンジル基を示す。[化1]及び[化2]共に溶媒は、テトラヒドロフランを使用する。
[化1]
R-OH+NaH→R-ONa+H2
[化2]
R-ONa+BnCl→R-O-Bn+NaCl
図4に示したように、ホットスターラー4の一対の磁石42が回転する円周の内側に複数の有底の穴11が位置するように、反応器1をホットスターラー4の上に置く。ついで、穴Aから穴Fには、一ずつ撹拌子41を入れておき、穴Aにはテトラヒドロフランと水素化ナトリウム(NaH)を入れておく。この状態で、本体12に対して弾性材15、蓋体13、緩衝材16、及び固定部14の順で重ねて、螺子141で固定する。蓋体13の接続部132には、他の実験機器5としてリービッヒの冷却管の接続部55が接続される。冷却管は、外筒51と外筒51とが連通しないように構成された中空の内管52と、外筒51と内管52との間に冷媒を供給する流入口53と、冷媒を排出する排出口54とを有する。流入口53から冷媒を流入させることで、内管52を冷却し、熱交換を行った冷媒は排出口54から排出される。なお、図5では、外筒51の一部を切り取った状態を一点鎖線で示した。外筒と内管とは共にホウ珪酸がらすなどのガラス材料で構成される。
上記の内管52は、接続部55を介して、図6に示した穴Aと連通している。内管52の上部からは、図示しないシリンジポンプに接続された管路56が挿入されている。管路56の先端には針が取り付けられており、この針は蓋体13の接続部132及び弾性材15の貫通孔151を経て穴Aに到るまで挿し通されている。管路56から穴Aには、シリンジポンプによって、第1反応基質としてR-OHとテトラヒドロフランの混合溶液が順次供給される。
穴Bでは、穴Aに投入されていたNaHと管路から供給されたR-OHとが撹拌子41によって撹拌され、[化1]に示した反応が進む。穴Cには、シリンジポンプにより管路57を経て第2反応基質としてベンジルクロライドとテトラヒドロフランの混合液が供給される。管路57の先端には針が取り付けられており、この針は蓋体13の貫通孔131及び弾性材15を経て穴Cに到るまで挿し通されている。
図6に示した穴D及び穴Eでは、撹拌子41によって、ベンジルクロライドとR-ONaが撹拌され、[化2]の反応が進む。穴Fには、シリンジポンプにより管路58を経て反応停止剤として塩酸溶液が供給される。管路58の先端には、針が取り付けられており、この針は蓋体13の貫通孔131及び弾性材15を経て穴Fに到るまで刺し通されている。
穴Fで塩酸が添加され撹拌子41で撹拌されると、[化2]の反応は停止する。反応後の生成物を含む液は穴Gに流入して、管路59に接続された吸引具であるシリンジポンプに吸引されて回収される。管路59の先端には、針が取り付けられており、この針は蓋体13の貫通孔131及び弾性材15を経て穴Gに到るまで刺し通されている。
以上の[化1]及び[化2]の反応は、ホットスターラー4で加熱しながら行う。反応器1を加熱するため、溶媒であるテトラヒドロフランが蒸発して上記の内管2の先端と管路56の隙間から流出してしまう。ところが、この反応器1では冷却管で気化したテトラヒドロフランが冷却されて凝縮する。これによって、テトラヒドロフランが気化にして消失することを防ぐことができる。
上記の使用例では、他の実験機器として冷却管を使用する例を示した。接続部132の外径は、他の実験機器の規格と寸法を一致させてあるため、種々の実験機器と接続して、連携することが可能である。
1 卓上連続撹拌槽型反応器
2 卓上連続撹拌槽型反応器(蓋体・固定具一体型)
4 マグネチックスターラー
11 容器
41 撹拌子
42 一対の磁石
113 連通孔
12 本体
111 開口部
13 蓋体
131 貫通孔
132 接続部


Claims (3)

  1. マグネチックスターラーの上に置いて使用する卓上連続撹拌槽型反応器であって、
    卓上連続撹拌槽型反応器は、複数の有底の容器を有しており、複数の有底の容器は撹拌子を収納することができる形状であり、複数の有底の容器は一体の部材として構成されており、
    前記複数の有底の容器は、一台のマグネチックスターラーの一対の磁石が回転する円周上又はその内側に設けられており、
    隣接する容器は、容器の壁部に設けられる連通孔によって連通されており、
    複数の有底の容器に収納される撹拌子は、前記一台のマグネチックスターラーで駆動され、
    上流に配置された有底の容器で撹拌された液が、容器の壁部に設けられた連通孔を経て、下流に配置された有底の容器に流入するように構成された卓上連続撹拌槽型反応器。
  2. 卓上連続撹拌槽型反応器は、ブロック状の本体と、本体に設けられる複数の有底の穴とを有しており、複数の有底の穴が複数の有底の容器として機能する請求項1に記載の卓上連続撹拌槽型反応器。
  3. 卓上連続撹拌槽型反応器は、複数の有底の穴の開口部を閉じる蓋体を備えており、蓋体には他の実験機器と接続するための接続部を備えており、接続部は複数の有底の容器のうちの少なくとも一つと連通する請求項1又は2に記載の卓上連続撹拌槽型反応器。
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