JP7076274B2 - 位置推定装置及び機械装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸の回転方向における位置を推定する位置推定装置及び位置推定装置を備える機械装置に関する。
特許文献1には、回転軸の回転方向における特定の位置を原点位置として、回転軸の絶対位置を推定する技術が開示されている。特許文献1に開示されるロボットハンドは、回転軸を備えるモータと、回転軸と一体的に回転する円盤部とを備える。円盤部には複数の原点スリットが形成されている。複数の原点スリットは、原点位置であることを示す信号を発生するための穴であり、円盤部の回転方向に互いに離れて形成される。
特許文献1に開示される技術では、例えば停電によって機械装置への電力供給が絶たれたことによって絶対位置が不定になった場合、回転軸が第1回転方向に回転することによって、複数の原点スリットの内、第1原点スリットが検出される。その後、第1回転方向とは逆側の第2回転方向に回転軸が回転することによって、第1原点スリットが検出されてから、第1原点スリット以外の第2原点スリットが検出されるまでの円盤部の回転量が計測され、計測された回転量に基づいて絶対位置が推定される。
特開2015-120230号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、絶対位置の推定時における円盤部の回転角度が大きいため、回転軸に接続されるロボット、リンク機構などのメカニカル機構の機械的動作を伴う。そのため、特許文献1に開示される技術は、機械的動作の範囲に制約が存在するメカニカル機構には適用できないという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、機械的動作の範囲に制約がある場合でも絶対位置を推定できる位置推定装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の位置推定装置は、回転軸を介してメカニカル機構に接続されるモータを備える。位置推定装置は、モータが静止しているときの回転軸に発生する静止トルクを検出して、静止トルクを示す静止トルク情報を出力するトルク検出器と、静止トルク情報を利用して、回転軸の回転方向における原点位置から回転軸が一定角度回転した位置である絶対位置を推定する位置推定部とを備える。位置推定部は、回転軸の回転範囲内に、値が同一の静止トルクが複数存在する場合、回転軸を回転させることによって絶対位置を推定することを特徴とする。
本発明によれば、機械的動作の範囲に制約がある場合でも絶対位置を推定できるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係る位置推定装置を備える機械装置の構成を示す図 図1に示すメカニカル機構の構成図 図2に示す角度θと(5)式に示す関数fとの関係を示す図 本発明の実施の形態1の第1の変形例に係る機械装置の構成図 図4に示すメカニカル機構の構成図 関数fの値が零となるときの角度が図3に示す第1範囲と第2範囲との境界上の角度と一致している場合に、図1に示す回転軸の角度を推定する方法を説明するための図 本発明の実施の形態1の第2の変形例に係る機械装置が備えるメカニカル機構の構成図 本発明の実施の形態1の第3の変形例に係る機械装置が備えるメカニカル機構の構成図 図8に示す位置推定装置における角度推定動作を説明するためのフローチャート 本発明の実施の形態1の位置推定部及び記憶部を実現するハードウェア構成の一例を示す図
以下に、本発明の実施の形態に係る位置推定装置及び機械装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る位置推定装置を備える機械装置の構成を示す図である。図1に示す機械装置100は、NC(Numerical Control)旋盤、レーザ加工機、放電加工機などの産業用工作機械である。
機械装置100は、モータ駆動装置10、メカニカル機構3及び位置推定装置1を備える。位置推定装置1は、モータ2、記憶部12、位置推定部11及びトルク検出器13を備える。
モータ駆動装置10には、速度指令、トルク指令及び位置指令が入力される。モータ駆動装置10では、速度指令及びトルク指令に基づき、モータ2の回転速度及び回転トルクが制御される。
また、モータ駆動装置10では、位置指令と、位置推定装置1から出力される絶対位置を示す情報1aとに基づき、絶対位置を基準にしたモータ2の回転量が制御される。絶対位置は、回転軸2aの回転方向における特定の位置を原点位置として、原点位置から回転軸2aが一定角度回転した位置である。
モータ2は、モータ駆動装置10によって、回転速度、回転トルク及び回転量が制御されるサーボモータである。
モータ2にはトルク検出器13が設けられている。トルク検出器13は、静止中の回転軸2aに発生する静止トルクを検出して、静止トルクを示す静止トルク情報13aを出力する。なお、回転軸2aに接続されるメカニカル機構3を静止させるためには、重力によるメカニカル機構3の自重、メカニカル機構3を構成する複数の部材間に作用する張力などの外的な力を打ち消す必要がある。このような外的な力を打ち消すためにモータ2の回転軸2aに発生するトルクが、静止トルクである。
トルク検出器13には、例えば、歪み式トルクセンサ、磁気式トルクセンサなどの公知のトルクセンサが利用される。トルク検出器13が歪み式トルクセンサである場合、トルク検出器13は、歪みゲージとトルク算出部とを備え、歪みゲージによって回転軸2aの歪み量が検出され、トルク算出部は、検出された歪み量に対応するトルクを静止トルクとして算出する。なお、トルク検出器13の種類は、歪み式トルクセンサ、磁気式トルクセンサなどに限定されず、疑似的なトルク検出器でもよい。疑似的なトルク検出器は、例えばサーボアンプに設けられるトルク検出機能により実現される。一般的にサーボアンプにはトルク検出機能が備わっているため、サーボアンプは、機械端に取り付けられるトルクセンサの代わりにトルク検出機能を利用して、サーボアンプがモータへ出力する電流の値から、トルクを計算することができる。
トルク検出器13が磁気式トルクセンサである場合、トルク検出器13は、回転軸2aの外周面に形成された2つの磁気パターンと、2つの磁気パターンのそれぞれを検出する2つの磁気検出器と、トルク算出部とを備え、トルク算出部は、2つの磁気検出器のそれぞれで検出された磁気パターンの位相差から回転軸2aのねじり量を検出し、検出したねじり量に対応するトルクを静止トルクとして算出する。
トルク検出器13は、静止中の回転軸2aに発生する静止トルクを検出できればよく、歪み式トルクセンサ及び磁気式トルクセンサに限定されない。
メカニカル機構3は、ロボット、リンク機構、クランク機構などである。
図2は図1に示すメカニカル機構の構成図である。図2には、メカニカル機構3の一例である往復スライダクランク機構が示される。
図2に示されるメカニカル機構3は、クランク31と第1ヒンジピン32とロッド33と第2ヒンジピン34とスライダ35とを備える。
クランク31の第1端部は、モータ2の回転軸2aに接続される。クランク31の第1端部とは逆側の第2端部は、第1ヒンジピン32に接続される。
クランク31の長さは、図2中にlで示される。クランク31の長さlは、回転軸2aの軸中心2a1から第1ヒンジピン32の軸中心32aまでの距離に等しい。
第1ヒンジピン32には、ロッド33の第1端部が接続される。ロッド33の第1端部とは逆側の第2端部は、第2ヒンジピン34に接続される。
ロッド33の長さは、図2中にlで示される。ロッド33の長さlは、第1ヒンジピン32の軸中心32aから、第2ヒンジピン34の軸中心34aまでの距離に等しい。
第2ヒンジピン34には、スライダ35が接続される。図2に示されるメカニカル機構3では、クランク31の回転運動が、スライダ35の往復直線運動に変換される。スライダ35が往復する方向は、図2中に矢印Zで示される方向である。図2では、方向Zは鉛直方向に等しい。なお、スライダ35は、不図示のテーブルに移動可能に設置されているものとする。
クランク31の回転方向は、図2中に矢印Rで示される方向である。方向Rは、回転軸2aの回転方向に等しい。
なお、図2では、方向Zにおけるクランク31に下側にスライダ35が設けられているが、回転軸2aに静止トルクが発生するようにスライダ35が設けられていればよく、スライダ35の位置は図示例に限定されるものではない。
方向Zとクランク31が伸びる方向とが成す角度は、図2中にθで示される。クランク31が伸びる方向は、回転軸2aの軸中心2a1から第1ヒンジピン32の軸中心32aに向かう方向に等しい。
方向Zとロッド33が伸びる方向とが成す角度は、図2中にθで示される。ロッド33が伸びる方向は、第1ヒンジピン32の軸中心32aから第2ヒンジピン34の軸中心34aに向かう方向に等しい。
モータ2の回転軸2aの鉛直方向の高さは、図2中にhで示される。高さhは、例えば図1に示す機械装置100が設置される床面Fから、モータ2の回転軸2aまでの鉛直方向の距離である。
スライダ35の上側端面の高さは、図2中にhで示される。高さhは、例えば図1に示す機械装置100が設置される床面Fから、モータ2の回転軸2aまでの鉛直方向の距離である。
次に図1に示す位置推定装置1の構成について説明する。
記憶部12には、スライダ35の質量mを示す情報と、クランク31の長さlを示す情報と、ロッド33の長さlを示す情報とが記憶される。
位置推定部11には、記憶部12に記憶される情報と、静止トルク情報13aとが入力される。以下では、位置推定部11の動作について説明する。
運動方程式とトルクτとの間には、下記(1)式の関係が成り立つ。物体が静止している場合、下記(1)式の左辺の第一項である時間微分項は零になる。qは一般化座標であり、Lはラグランジアンである。
Figure 0007076274000001
運動エネルギーは、物体が存在する位置により変化するため、上記(1)式のラグランジアンLを、一般化座標qにおけるポテンシャルUに置き換えた場合、運動方程式とトルクτとの間には下記(2)式の関係が成り立つ。
Figure 0007076274000002
物体の質量をmとした場合、スライダ35の位置エネルギーUは下記(3)式より求めることができる。
Figure 0007076274000003
上記(1)式に示される運動方程式とトルクτとを、上記(2)式に組み合わせることにより、下記(4)式を求めることができる。
Figure 0007076274000004
上記(4)式を用いて、モータ2に発生するトルクτと角度θとの関係を示す関数fを定義すると、関数fは下記(5)式のように表すことができる。
Figure 0007076274000005
図3は図2に示す角度θと上記(5)式に示す関数fとの関係を示す図である。図3において、実線で示される関数fの値は、上記(5)式に、クランク31の長さlと、ロッド33の長さlと、スライダ35の質量mと、重力加速度gとを導入して算出されたものである。なお、本実施の形態では、説明を簡単化するため、クランク31及びロッド33のそれぞれの質量を零とみなして、関数fの値が算出される。
図3に示すように関数fの値は、角度θにより変化する。関数fの値が増加から減少に変化する変化点aにおける角度θ11は、例えば、回転軸2aの真上に第1ヒンジピン32が存在しているときの角度である。関数fの値が減少から増加に変化する変化点bにおける角度θ12は、例えば、回転軸2aの真下に第1ヒンジピン32が存在しているときの角度である。
図3に示される角度θ13は、角度θ11から角度θ12までの範囲である第1範囲Aにおいて、関数fの値が零となる回転角である。
静止トルク情報13aを受信した位置推定部11は、上記(5)式のトルクτの値に、静止トルクの値を導入し、さらに関数fの値に零を導入する。これにより位置推定部11は、静止中の回転軸2aの角度θ13を算出する。算出された回転軸2aの角度θ13は、回転軸2aの回転方向における絶対位置を表す。なお、図2に示す角度θは、角度θ13を利用して三角関数により求めることができる。
図4は本発明の実施の形態1の第1の変形例に係る機械装置の構成図である。図4に示す機械装置100Aは、位置推定装置1に代えて位置推定装置1Aを備える。位置推定装置1Aは、モータ2、位置推定部11、記憶部12及びトルク検出器13に加えて、象限センサ20を備える。
図5は図4に示すメカニカル機構の構成図である。図5に示すように象限センサ20は回転軸2aの近くに設けられる。象限センサ20は、例えば回転軸2aの外周面に設けられる磁石から発生する磁界を検出することによって、回転軸2aの回転方向の位置を検出するセンサである。
具体的には、象限センサ20は、図3に示す第1範囲A内で磁界を検出しているときには、Highレベルの電気信号を出力し、第2範囲B内で磁界を検出していないときにはLowレベルの電気信号を出力する。第2範囲Bは、第1範囲A以外の範囲である。Highレベル又はLowレベルの2値の電位を取る電気信号は、象限検出信号20aとして、位置推定部11に入力される。
象限検出信号20aを受信した位置推定部11は、象限検出信号20aの状態に基づき、関数fの値が零のときにおける回転軸2aの角度θ13が、第1範囲A内の角度であると判断する。
このように、位置推定装置1Aの位置推定部11は、関数fの値が零のときにおける回転軸2aの角度θ13が、第1範囲A内の角度であるか、第2範囲B内の角度であるかを判断することができる。
なお、ここまでは回転軸2aを回転させずに角度θを推定する構成例について説明したが、位置推定装置1は、以下のように構成してもよい。図6は関数fの値が零となるときの角度が図3に示す第1範囲と第2範囲との境界上の角度と一致している場合に、図1に示す回転軸の角度を推定する方法を説明するための図である。
図6に示すように、第1範囲Cと第2範囲Dとの境界は2つ存在する。第1範囲Cは、関数fの値が正から負に変化する変化点cから、関数fの値が負から正に変化する変化点dまでの範囲である。第2範囲Dは、第1範囲C以外の範囲である。
従って、関数fの値が零となる角度には、変化点cに対応する角度と、変化点dに対応する角度とが存在する。このように、第1範囲Cと第2範囲Dとの境界上に、関数fの値が零となる角度が2つ存在する場合、推定された角度が第1範囲C内の角度であるか、第2範囲D内の角度であるかを判別することができない。
そこで、位置推定装置1は、回転軸2aをΔθ回転させるため、Δθに相当する位置指令をモータ駆動装置10に送信する。Δθは機械角で例えば数度である。位置指令を受信したモータ駆動装置10は、Δθに相当する角度分、回転軸2aを回転させるようにモータ2を制御する。
位置推定装置1は、回転軸2aがΔθ回転する前の関数fの値と、回転軸2aがΔθ回転した後の関数fの値との差分を求め、この差分と回転軸2aの回転方向とに基づいて、回転軸2aがΔθ回転した後の角度θ13’を推定することができる。これにより、第1範囲Cにおける角度θ13’であることを判別できる。
図7は本発明の実施の形態1の第2の変形例に係る機械装置が備えるメカニカル機構の構成図である。図7に示されるメカニカル機構3Aは、2軸リンクロボットである。
メカニカル機構3Aは、第1駆動部21と、第2駆動部22と、一端が第1駆動部21に接続され他端が第2駆動部22に接続される第1ロボットアーム23と、一端が第2駆動部22に接続される第2ロボットアーム24とを備える。第1駆動部21及び第2駆動部22は、モータ2の回転軸2a、波動歯車装置などである。
方向Zと第1ロボットアーム23が伸びる方向とが成す角度は、図7中にθで示される。第1ロボットアーム23が伸びる方向は、第1駆動部21の軸中心21aから第2駆動部22の軸中心22aに向かう方向に等しい。
方向Zと第2ロボットアーム24が伸びる方向とが成す角度は、図7中にθで示される。第2ロボットアーム24が伸びる方向は、第2駆動部22の軸中心22aから第2ロボットアーム24の他端に向かう方向に等しい。
第1駆動部21にはトルク検出器21bが設けられている。トルク検出器21bは、静止中の第1駆動部21に発生する静止トルクを検出して、静止トルクを示すトルク情報を出力する。
第2駆動部22にはトルク検出器22bが設けられている。トルク検出器22bは、静止中の第2駆動部22に発生する静止トルクを検出して、静止トルクを示すトルク情報を出力する。
図7中のlは第1ロボットアーム23の長さを表し、図7中のmは第1ロボットアーム23の質量を表す。図7中のlは第2ロボットアーム24の長さを表し、図7中のmは第2ロボットアーム24の質量を表す。
なお、第1駆動部21の半径の幅は、第1ロボットアーム23の長さに含まれるものとする。同様に、第2駆動部22の半径の幅は、第2ロボットアーム24の長さに含まれるものとする。また、第1駆動部21の質量は、第1ロボットアーム23の質量に含まれるものとする。同様に、第2駆動部22の質量は、第2ロボットアーム24の質量に含まれるものとする。
メカニカル機構3Aが用いられる場合、記憶部12には、第1ロボットアーム23の質量mを示す情報と、第2ロボットアーム24の質量mを示す情報と、第1ロボットアーム23の長さlを示す情報と、第2ロボットアーム24の長さlを示す情報とが記憶される。
なお、図7において、hは、方向Zにおける第1ロボットアーム23の重心の高さを表し、hは、方向Zにおける第2ロボットアーム24の重心の高さを表す。
メカニカル機構3Aのような2軸のリンクロボットにおける位置エネルギーUは下記(6)式より求めることができる。
Figure 0007076274000006
上記(1)式に示される運動方程式とトルクτとを、上記(6)式に組み合わせることにより、下記(7)式及び(8)式の連立方程式を得ることができる。
Figure 0007076274000007
Figure 0007076274000008
上記(7)式及び(8)式のそれぞれを、角度及びトルクの関係式に展開すると、下記(9)式及び(10)式の関係式を得ることができる。
Figure 0007076274000009
Figure 0007076274000010
位置推定部11は、トルク検出器21bで検出される静止トルクの値と、トルク検出器22bで検出される静止トルクの値とを上記(9)式に導入する。さらに位置推定部11は、記憶部12に記憶される質量m、質量m及び長さlの値を上記(9)式に導入する。
これにより位置推定部11は、静止中の第1駆動部21の角度θを算出する。算出された角度θは、第1駆動部21の回転方向における絶対位置を表す。
また、位置推定部11は、算出された角度θを上記(10)式に導入して、静止中の第2駆動部22の角度θを算出する。算出された角度θは、第2駆動部22の回転方向における絶対位置を表す。
なお、本実施の形態では、検出された静止トルクに対応する角度を求めるための計算式が利用されているが、位置推定装置1,1Aは、以下のように構成してもよい。ティーチングよって、複数の絶対位置を示す情報と、複数の静止トルクを示す情報とが計測され、計測された複数の絶対位置を示す情報と複数の静止トルクを示す情報とが対応付けられて、記憶部12に記憶される。そして、位置推定装置1,1Aの位置推定部11は、トルク検出器で静止トルクが検出されたとき、記憶部に記憶される静止トルク情報に対応する絶対位置を示す情報を読み出すことによって、絶対位置を推定するように構成してもよい。これにより、上記の各式を利用することなく絶対位置を推定できるため、位置推定部11の処理負荷を軽減でき、位置推定部11を構成する回路での消費電力の増加を抑制できる。
また、本実施の形態では、メカニカル機構3にクランク機構と2軸リンクロボットとが利用されているが、メカニカル機構3は、静止トルクが回転位置に応じて変化するものであればよく、クランク機構及び2軸リンクロボットに限定されない。
図8は本発明の実施の形態1の第3の変形例に係る機械装置が備えるメカニカル機構の構成図である。図8に示す機械装置100Bは、位置推定装置1に代えて位置推定装置1Bを備える。位置推定装置1Bは、モータ2、位置推定部11、記憶部12及びトルク検出器13に加えて、メカニカル機構を構成する複数の駆動部材のそれぞれの動作前の位置から動作後の位置までの角度差又は回転量を検出する相対位置検出器40を備える。複数の駆動部材のそれぞれの動作前の位置は、例えば図6に示す変化点c又は変化点dに相当する。複数の駆動部材のそれぞれの動作前の位置は、回転軸2aが回転する前の静止トルク情報から導かれる絶対位置に等しい。例えば、回転軸と一体的に回転する円盤部にスリットが形成され、このスリットを挟むように配置される発光部と受光部とが配置されている場合、回転軸が回転したとき、発光部から発せられた光の受光部への入力の有無により、受光部では、光の有無に応じて値が変化する信号へ変換される。相対位置検出器40は、受光部から出力されるこの信号に基づき、複数の駆動部材のそれぞれの、角度差又は回転量を検出する。
図8に示す位置推定装置1Bは、関数fの値が同一の角度が複数存在する場合に、相対位置検出器40を用いて、1つの角度を推定するように構成されている。
図9は図8に示す位置推定装置における角度推定動作を説明するためのフローチャートである。位置推定装置1Bは、まずトルク検出器13から出力される静止トルク情報13aを取得し、静止トルクと角度の関係が成立する点の候補を全て抽出する(ステップS1)。
候補が2点以上ある場合(ステップS2,Yes)、回転軸2aを回転させるため、位置推定部11はモータ駆動装置10に対して駆動指令を出力する。位置推定部11は、回転軸2aを回転したことによって角度が変化した後の計算上の静止トルクが、全候補の2点以上の候補を識別できる最小の回転角度を求める(ステップS3)。例えば、図6に示されるように、回転軸2aがΔθ回転した後の静止トルクが、点cと点dとでそれぞれ異なる回転角度が求められる。Δθ分の回転量は、例えば、図6に示される変化点cと変化点d点とのそれぞれにおける回転角度を容易に判別できるような、余裕を含めた回転量に設定される。
位置推定部11は、ステップS3で求めた回転角度の分、回転軸2aを回転させるため、モータ駆動装置10に対して駆動指令を出力する(ステップS4)。
位置推定部11は、ステップS4で回転された回転軸2aが静止したときのトルクを取得して、取得した現在の静止トルクの中から候補を絞る(ステップS5)。
候補が2未満となるまで、ステップS2からS5までの処理が繰り返され、ステップS2において、候補が2未満である場合(ステップS2,No)、位置推定部11は角度推定処理を終了する。例えば、相対位置検出器40を用いた場合、現在の位置を基準とした角度差又は回転量を検出することができるため、位置推定部11は、相対位置検出器40で検出される角度差又は回転量に基づき、回転軸2aをΔθ分回転させることができる。そして、位置推定部11は、回転軸2aを実際にΔθ分回転させた後に取得された静止トルクの値と、図6に示される変化点cと変化点d点とのそれぞれで計算された、回転後の静止トルクの値とが比較される。これにより、例えば図6に示される変化点cを、回転軸2aが回転する前の絶対位置として導くことができる。このように、Δθ分、回転軸2aを実際に回転させることにより、複数の絶対位置の復元候補が絞り込まれる。
なお、本実施の形態では相対位置検出器40を用いた場合の動作例について説明したが、相対位置検出器40を用いない場合でも、複数の絶対位置の復元候補を絞り込むことが可能である。相対位置検出器40を用いない場合、例えば、位置推定部11は、回転軸2aを、全候補の2点以上の候補を識別できる程度の微小回転角度で回転させる。そして、位置推定部11は、回転軸2aを実際に、微小回転角度分回転させた後に取得された静止トルクの値と、図6に示される変化点cと変化点d点とのそれぞれで計算された、回転後の静止トルクの値とが比較される。これにより、例えば図6に示される変化点cを、回転軸2aが回転する前の絶対位置として導くことができる。このように、微小回転角度、回転軸2aを実際に回転させることにより、複数の絶対位置の復元候補が絞り込まれる。
図10は本発明の実施の形態1の位置推定部及び記憶部を実現するハードウェア構成の一例を示す図である。位置推定部11及び記憶部12は、プロセッサ400及びメモリ401により実現される。
プロセッサ400は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)、又はシステムLSI(Large Scale Integration)である。メモリ401は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、又はEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)といった半導体メモリが該当する。半導体メモリは不揮発性メモリでもよいし揮発性メモリでもよい。またメモリ401は、半導体メモリ以外にも、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク又はDVD(Digital Versatile Disc)でもよい。
位置推定部11の処理を実行するためのプログラムをメモリ401に格納しておき、メモリ401に格納されているプログラムをプロセッサ400が読み出して実行することにより、位置推定部11の機能が実現される。
以上に説明したように本実施の形態に係る位置推定装置1,1A,1Bでは、メカニカル機構に接続されるモータが静止しているときの回転軸に発生する静止トルクを示す静止トルク情報を利用して、回転軸の回転方向における絶対位置を推定することができる。これにより、機械的動作の範囲に制約が存在するメカニカル機構が機械装置に利用される場合でも、回転軸を回転させることなく絶対位置を推定できる。従って、絶対位置の推定動作時にメカニカル機構が、機械装置100,100Aの周辺機器に接触することを防止できる。
また、本実施の形態に係る位置推定装置1,1A,1Bの位置推定部11は、静止トルク情報と、メカニカル機構を構成する複数の駆動部材のそれぞれの質量を示す情報と、複数の駆動部材のそれぞれが設けられる長さを示す情報とを利用して、絶対位置を推定することができる。これにより、予め複数の絶対位置を示す情報と複数の静止トルクを示す情報とを計測する作業が不要になり、絶対位置の推定に伴う作業を軽減することができる。
また、本実施の形態に係る位置推定装置1,1A,1Bの位置推定部11は、静止トルク情報と、質量を示す情報と、長さを示す情報と、重力加速度を示す情報とを利用して、絶対位置を推定することができる。従って、静止トルク情報と、質量を示す情報と、長さを示す情報とが予め分かれば、重力加速度が作用する様々なメカニカル機構3における回転方向の絶対位置を推定可能である。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1,1A,1B 位置推定装置、1a 絶対位置を示す情報、2 モータ、2a 回転軸、2a1,21a,22a,32a,34a 軸中心、3,3A メカニカル機構、10 モータ駆動装置、11 位置推定部、12 記憶部、13,21b,22b トルク検出器、13a 静止トルク情報、20 象限センサ、20a 象限検出信号、21 第1駆動部、22 第2駆動部、23 第1ロボットアーム、24 第2ロボットアーム、31 クランク、32 第1ヒンジピン、33 ロッド、34 第2ヒンジピン、35 スライダ、40 相対位置検出器、100,100A,100B 機械装置、400 プロセッサ、401 メモリ。

Claims (6)

  1. 回転軸を介してメカニカル機構に接続されるモータと、
    前記モータが静止しているときの前記回転軸に発生する静止トルクを検出して、前記静止トルクを示す静止トルク情報を出力するトルク検出器と、
    前記静止トルク情報を利用して、前記回転軸の回転方向における原点位置から前記回転軸が一定角度回転した位置である絶対位置を推定する位置推定部と、
    を備え
    前記位置推定部は、前記回転軸の回転範囲内に、値が同一の前記静止トルクが複数存在する場合、前記回転軸を回転させることによって前記絶対位置を推定することを特徴とする位置推定装置。
  2. 回転軸を介してメカニカル機構に接続されるモータと、
    前記モータが静止しているときの前記回転軸に発生する静止トルクを検出して、前記静止トルクを示す静止トルク情報を出力するトルク検出器と、
    前記静止トルク情報を利用して、前記回転軸の回転方向における原点位置から前記回転軸が一定角度回転した位置である絶対位置を推定する位置推定部と、
    前記メカニカル機構を構成する複数の駆動部材のそれぞれの動作前の位置から動作後の位置までの角度差又は回転量を検出する相対位置検出器と、
    を備え、
    前記位置推定部は、前記角度差又は回転量に基づき前記回転軸を一定角度回転する前の前記静止トルク情報と、前記角度差又は回転量に基づき前記回転軸を一定角度回転した後の前記静止トルク情報とを利用して、前記絶対位置を推定することを特徴とする位置推定装置。
  3. 前記位置推定部は、
    前記静止トルク情報と、前記メカニカル機構を構成する複数の駆動部材のそれぞれの質量を示す情報と、前記複数の駆動部材のそれぞれの長さを示す情報とを利用して、前記絶対位置を推定することを特徴とする請求項1または2に記載の位置推定装置。
  4. ティーチングよって計測された複数の前記絶対位置を示す情報と複数の前記静止トルク情報とを対応付けて記憶する記憶部を備え、
    前記位置推定部は、前記トルク検出器で前記静止トルクが検出されたとき、前記記憶部に記憶される前記静止トルク情報に対応する前記絶対位置を示す情報を読み出すことによって、前記絶対位置を推定することを特徴とする請求項1または2に記載の位置推定装置。
  5. 前記位置推定部は、前記静止トルク情報と、前記質量を示す情報と、前記長さを示す情報と、重力加速度を示す情報とを利用して、前記絶対位置を推定することを特徴とする請求項に記載の位置推定装置。
  6. 請求項1からの何れか一項に記載の位置推定装置を備えたことを特徴とする機械装置。
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