JP7075651B2 - 電極体の埋設形態 - Google Patents
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例えば、下記特許文献1では、先鋭な金属性の筒型容器を外面とした電気防食用電極装置を地中に挿入し、設置していた。
特許文献1のような電極水平設置工法では、電気防食用電極装置を土壌の水平方向に油圧ジャッキ等で直接押し込み設置するため、先鋭な金属製の筒型容器を使用しており、内部に電極体を収容配置していた。そのため、通電初期では金属製の筒型容器の外面のみで陽極反応が生じ、金属製の筒型容器の電解により生成した金属酸化物が絶縁被膜となって陽極の有効面積を減少させ、接地抵抗が上昇していた。特に十分な水分が存在しない環境では接地抵抗の上昇が顕著であった。
その結果、長期間地中埋設配管の防食効果を得ることが容易でなかった。
また引抜工程では、基端部及びケーシング部を引き抜くことで、地中に尖鋭部と電極体とを残置している。ここでは電極体より奥側に配置された尖鋭部を引き抜かないことで、電極体を無理なく地中に残置できる。そしてケーシング部を引き抜くことで、ケーシング部に収容された電極体を直接土壌と十分に接触できるように曝露して配置することができる。
従って、所望の形態の電極体を損傷させることなく地中の所定位置に、直接土壌と十分に接触できる状態で配置することが可能であり、通電初期での電気防食用の電極体における接地抵抗の上昇を防止して、長期間地中埋設配管の防食効果を得ることが可能な電極体の埋設方法を提供することができる。
そして、このように通水性の外表面材及びバックフィルが電極体の周囲に配置された形態であっても、埋設治具のケーシング部内に収容されて地中に押し込まれるため、損傷を受けることなく地中に設置できる。
このような電極体の埋設方法によっても、所望の形態の電極体を損傷させることなく地中の所定位置に、直接土壌と十分に接触できる状態で配置することが可能であり、通電初期での電気防食用の電極体における接地抵抗の上昇を防止して、長期間地中埋設配管の防食効果を得ることが可能な電極体の埋設方法を提供することができる。
このような電極体の埋設方法によっても、地中に配置される電極複合体の外表面は変形自在であり、確実に周囲の土壌と密着して接触面積を広くできる。また外表面材が通水性を有していて電極体と外表面材との間にはバックフィルが充填されているので地中の水分がバックフィルに浸透することができ、電極体の周囲には隙間が形成されることがない。そして、このように通水性の外表面材及びバックフィルが電極体の周囲に配置された形態であっても、埋設治具のケーシング部内に収容されて地中に押し込まれるため、損傷を受けることなく地中に設置できる。
このような電極体の埋設方法によれば、電極体と周囲の土壌の内壁面との間に隙間無くバックフィルを充填することができ、電極体が直接土壌に接触する部位が生じ難く、バックフィルによる電極反応の促進効果を確保し易い。
さらに電極体を収容可能なケーシング部が、前端に連結された尖鋭部と軸方向に離脱可能であるとともに、後端で連結した基端部と軸方向に離脱可能である。そのため埋設治具を地中に軸方向に押し込んで電極体が地中の所定位置に配置された状態で、基端部及びケーシング部を軸方向に引き抜くことができるとともに、地中に尖鋭部及び電極体を残置することができる。
これにより所望の形態の電極体を損傷させることなく、直接土壌と十分に接触できる位置に配置することが可能であり、通電初期での電気防食用の電極体における接地抵抗の上昇を防止して、長期間、地中埋設配管の防食効果を得ることが可能な電極体の埋設治具を提供することができる。
[電極複合体]
本実施形態では、電極体11は電極複合体10の形態で地下ピットのコンクリート壁付近に埋設される。電極複合体10は、図1に示すように、電極体11と、外表面材12と、バックフィル13aとを備えている。
この外表面材12はバックフィル13aを内側に保持できるものが好適である。外表面材12は好ましくは電極体11の外表面全面に配置されており、例えば袋状の形態に形成されていてもよい。このとき、外表面材12は電極体11及びバックフィル13aを保持できる程度の強度を有するものが好適である。
埋設治具15は、図2に示すように、硬質の金属等により形成されており、基端部16と、ケーシング部17と、尖鋭部18と、を有している。
基端部16は、軸方向の一方側となる後方側に、後述する押込装置20から押込圧を負荷可能な被加圧部16aが設けられ、軸方向の他方側となる前方側に、ケーシング部17と軸方向に嵌合可能な嵌合用凸部16bと、ケーシング部17の後端が軸方向に当接する当接部16cと、が設けられている。
ケーシング部17の後端には基端部16の嵌合用凸部16bと嵌合する開口17bが設けられ、平坦な後端縁が基端部16の当接部16cと当接可能である。ケーシング部17と基端部16とは、軸方向に相対移動させることで離脱可能な状態で連結されている。
このケーシング部17は基端部16に負荷される押込圧より十分に大きい軸方向の圧縮強度を有しており、基端部16からの押込圧を尖鋭部18に伝達可能である。
本実施形態の埋設治具15は複数のケーシング部17を軸方向に沿って連結可能に構成されている。各ケーシング部17の端部側には螺合して連結される螺合部17dが設けられている。螺合部17dは雄ネジと雌ネジとの組合せからなるものでもよく、継手等を介して螺合されるものでもよい。
この尖鋭部18はケーシング部17から伝達される押込圧により地中へ挿入可能であり、負荷される押込圧より十分に大きい軸方向の圧縮強度を有している。
押込装置20は、図3及び図4に示すように、地下ピットに配設されており、埋設治具15をコンクリート壁23の貫通孔23aを通して、地中に押し込んで挿入する装置である。
押込装置20は、地下ピットの床及びコンクリート壁23に固定された架台21と、架台21に固定されてコンクリート壁23に向けて設置された油圧ジャッキ22と、を有している。油圧ジャッキ22には、埋設治具15の基端部16に設けられた被加圧部16aを係止して、油圧により軸方向に加圧する加圧部22aが設けられている。
次に、このような埋設治具15及び押込装置20を用いて、実施形態の電極体11を地中に埋設する方法について、図5を用いて説明する。
この実施形態では、図1に示すような電極複合体10を、準備工程S1、貫通孔形成工程S2、治具準備工程S3、押込工程S4、引抜工程S5、隙間充填工程S6を行うことで地中に埋設する。
貫通孔形成工程S2において、コア抜きを行い、コンクリート壁23に貫通孔23aを形成する。さらに貫通孔23aから地中に先行孔を形成する。先行孔は埋設治具15のケーシング部17の断面形状より小さい断面形状を有する孔でもよい。
この状態で、使用される埋設治具15の大きさに応じた押込装置20を地下ピット内に設置する。押込装置20の油圧ジャッキ22の軸線を、貫通孔23a及び先行孔の軸線に合わせて配置する。
ケーシング部17の先端に尖鋭部18を取付け、反対側の後端には押込み用の治具となる基端部16を取付け、尖鋭部18、ケーシング部17及び基端部16を同軸に軸方向に沿って連結する。
そしてケーシング部17の中空部内に、図1に示すような電極体11を含む電極複合体10を収容する。
この状態で、押込装置20の油圧ジャッキ22により軸方向に押込圧を埋設治具15の基端部16に負荷することで、地下ピットから貫通孔23aを通して埋設治具15を尖鋭部18側から地中に押し込む。地中の奥まった位置まで電極複合体10を挿入する場合には、ケーシング部17を軸方向に順次連結しつつ挿入してもよい。
電極複合体10が地中の所定位置に到達した状態で押込工程を終了する。
これにより、図6に示すように、尖鋭部18及び電極複合体10を地中に残置させ、基端部16及びケーシング部17を電極複合体10から離間させて貫通孔23aから取り外す。
隙間充填用バックフィル13bはバックフィル13aと同一であっても異なっていてもよい。ここではバックフィル13aよりも水分量が多くて流動性が高いものを使用している。
そして地中に配置された電極複合体10の電極体11と、コンクリート壁23を貫通して地中に配設された地中埋設配管Pと、をリード線28により電気的に接続することで、地中埋設配管Pの電気防食を実施できる。
なお不溶解性の電極体11の場合には、電極体11と地中埋設配管Pとの間に所定の電圧を印加することで地中埋設配管Pの電気防食を実施できる。
以上のような実施形態において用いた電極複合体10は、電極複合体10が電極体11と、電極体11を収容した通水性の外表面材12と、電極体11と外表面材12との間に充填されて電極体11を埋没したバックフィル13aと、を有している。
そのため電極複合体10が地中に埋設された状態では、電解質溶液である地下水等の水分が、外表面材12を容易に透過でき、バックフィル13aに十分に浸透することができる。これにより金属製の筒型容器の内部に電極体11を収容配置した場合のように金属酸化物による絶縁被膜が生成することを防止できる。
また引抜工程S5では、基端部16及びケーシング部17を引き抜くことで、地中に尖鋭部18と電極体11を備える電極複合体10とを残置できるので、電極複合体10より奥側に配置された尖鋭部18を引き抜かないで、電極複合体10を無理なく地中に残置できる。一方、ケーシング部17を引き抜くことで、ケーシング部17に収容された電極複合体10を直接土壌と十分に接触できるように曝露して配置することができる。
そして、このように通水性の外表面材12が使用され、バックフィル13aが電極体11の周囲に充填された形態であっても、埋設治具15のケーシング部17内に収容されて地中に押し込まれるため、損傷を受けることはない。
例えば上記では、電極体11を電極複合体10の形態で埋設治具15のケーシング部17に収容して地中に挿入した例について説明したが、特に限定されるものではない。例えば埋設治具15のケーシング部17に電極体11単体の形態で収容して、実施形態と同様に地中に配置することができる。その場合、電極体11単体と土壌の内壁面との間に隙間充填用バックフィル13bを充填してもよい。
11…電極体
12…外表面材
13a…バックフィル
13b…隙間充填用バックフィル
15…埋設治具
16…基端部
16a…被加圧部
16b…嵌合用凸部
16c…当接部
17…ケーシング部
17a…中空部
17b,17c…開口
17d…螺合部
18…尖鋭部
18a…錐形部
18b…嵌合用凸部
18c…当接部
20…押込装置
21…架台
22…油圧ジャッキ
22a…加圧部
23…コンクリート壁
23a…貫通孔
25…止水材
26…ゴムパッキン
27…フランジ
28…リード線
S1…準備工程
S2…貫通孔形成工程
S3…治具準備工程
S4…押込工程
S5…引抜工程
S6…隙間充填工程
S7…止水工程
P…地中埋設配管
Claims (3)
- 地下ピットからコンクリート壁を貫通して地中に配設された地中埋設配管の電気防食用の電極体と、前記電極体を収容した通水性を持ち柔軟性を有する変形自在の外表面材と、前記電極体と前記外表面材との間に充填されて前記電極体を埋没したバックフィルと、を有する電極複合体の形態で埋設し、
前記外表面材と土壌の内壁面との間にはバックフィルが充填されていることを特徴とする、
電極体の埋設形態。 - 前記地下ピットから前記コンクリート壁を貫通させて貫通孔を形成し、前記地下ピットから前記貫通孔を通して前記地中に押込圧を負荷することで前記電極複合体を埋設する埋設治具の前端に離脱可能に連結されていた尖鋭部が、埋設された前記電極複合体を前記地中に対して押し込む方向において前記電極複合体よりも前記地中側に残置された、
請求項1に記載の電極体の埋設形態。 - 前記埋設治具は、前記電極複合体を収容可能なケーシング部を備え、
前記尖鋭部は、前記ケーシング部の前端に連結される
請求項2に記載の電極体の埋設形態。
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