JP2008202116A - 地中埋設配管の防食工法並びにこれに用いられる電気防食用円筒状電極装置及び導電性充填材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)地中埋設配管の鉄筋コンクリート壁貫通部近傍に、コアドリルの円筒状コアビットを用いて鉄筋コンクリート構造物内部よりコンクリート壁及び土壌に水平方向又は斜め方向に切削孔を形成する工程、(2)上記切削孔内の上記円筒状コアビット及び該コアビットに連結されるケーシングチューブ内に、複数個のベアリングが外周面に取り付けられている電気防食用円筒状電極装置を滑り動かし、該切削孔内の所定位置に設置する工程、(3)上記円筒状コアビット及び上記ケーシングチューブを上記切削孔から引き抜く工程、(4)上記切削孔内の空間に導電性充填材を注入する工程を順次行う地中埋設配管の防食工法を採用する。
【選択図】図5
Description
(1)地中埋設配管の鉄筋コンクリート壁貫通部近傍に、コアドリルの円筒状コアビットを用いて鉄筋コンクリート構造物内部よりコンクリート壁及び土壌に水平方向又は斜め方向に切削孔を形成する工程、
(2)上記切削孔内の上記円筒状コアビット及び該コアビットに連結されるケーシングチューブ内に、複数個のベアリングが外周面に取り付けられている電気防食用円筒状電極装置を滑り動かし、該切削孔内の所定位置に設置する工程、
(3)上記円筒状コアビット及び上記ケーシングチューブを上記切削孔から引き抜く工程、
(4)上記切削孔内の空間に導電性充填材を注入する工程、
を順次行うことを特徴とする地中埋設配管の防食工法を提供するものである。
(1)地中埋設配管の鉄筋コンクリート壁貫通部近傍に、コアドリルの円筒状コアビットを用いて鉄筋コンクリート構造物内部よりコンクリート壁及び土壌に水平方向又は斜め方向に、電気防食用円筒状電極装置を設置する切削孔及び該切削孔と別個の照合電極又は腐食防食検知用プローブの少なくともいずれか一方から構成される腐食防食検知用ユニットを設置する切削孔を形成する工程、
(2)電気防食用円筒状電極装置を設置する上記切削孔内の上記円筒状コアビット及び該コアビットに連結されるケーシングチューブ内に、複数個のベアリングが外周面に取り付けられている電気防食用円筒状電極装置を滑り動かし、該切削孔内の所定位置に設置する工程、
(3)腐食防食検知用ユニットを設置する上記切削孔内の上記円筒状コアビット及び該コアビットに連結されるケーシングチューブ内に、照合電極又は腐食防食検知用プローブの少なくともいずれか一方から構成される腐食防食検知用ユニットを挿入し、該切削孔内の所定位置に設置する工程、
(4)上記円筒状コアビット及び上記ケーシングチューブを上記各切削孔から引き抜く工程、
(5)電気防食用円筒状電極装置及び腐食防食検知用ユニットを設置した各切削孔内の空間に導電性充填材を注入する工程、
を順次行うことを特徴とする地中埋設配管の防食工法を提供するものである。
図1〜2及び図4〜5は、本発明に係る地中埋設配管の防食工法の第1実施形態を示す工程図であり、工程(1)〜(4)をそれぞれ示す。本実施形態では、電気防食用円筒状電極装置として図3に示される外部電源方式の不溶性陽極を用いている。
図1に示されるように、地中埋設配管1の鉄筋コンクリート壁2貫通部近傍に、コアドリル3の円筒状コアピット4を用いて鉄筋コンクリート構造物内部よりコンクリート壁2及び土壌5に切削孔6を形成する。
次に、図2に示されるように、切削孔6内の円筒状コアビット4及び該コアビットに連結されるケーシングチューブ7内に、複数個のベアリングが外周面に取り付けられている電気防食用円筒状電極装置8を滑り動かし、電気防食用円筒状電極装置8を切削孔6内の所定の位置に設置する。
電気防食用円筒状電極装置8を切削孔6の所定位置に配置した後、図4に示されるように、パイプレンチ14を用いて、円筒状コアビット4及びケーシングチューブ7を切削孔6から引き抜く。
最後に、切削孔6の空間に、圧送ポンプ15を用いて導電性充填材16を充填し、コンクリート壁2及び土壌5に設けられた切削孔6を封止する。
本実施形態の工程(1)では、電気防食用円筒状電極装置を設置する切削孔及び該切削孔と別個の照合電極又は腐食防食検知用プローブの少なくともいずれか一方から構成される腐食防食検知用ユニットを設置する切削孔を形成する。電気防食用円筒状電極装置を設置する切削孔に腐食防食検知用ユニットを設置しても良いが、この切削孔と別個の切削孔を形成し腐食防食検知用ユニットを設置することによって、電極装置から遠ざかるため地中埋設配管を正確にモニタリングできる。切削孔の形成方法は、上記第1の実施形態と同様である。
図7に示されるように、電気防食用円筒状電極装置を設置する切削孔61内の円筒状コアビット4及び該コアビットに連結されるケーシングチューブ7内に、複数個のベアリングが外周面に取り付けられている電気防食用円筒状電極装置8を滑り動かし、電気防食用円筒状電極装置8を切削孔61内の所定の位置に設置する。第1実施形態の工程(2)と同様の工程である。
図7に示されるように、腐食防食検知用ユニットを設置する切削孔62内の円筒状コアビット4及び該コアビットに連結されるケーシングチューブ7内に、照合電極17及び腐食防食検知用プローブ18から構成される腐食防食検知用ユニットを挿入し、切削孔62内の所定の位置に設置する。照合電極17や腐食防食検知用プローブ18は小型で軽量なため、ベアリングをこれらの外周面に取り付けなくても所定の位置に容易に設置できる。例えば亜鉛照合電極の寸法φ40mm×L250mm及び腐食防食検知用プローブの寸法φ38mm×L126mmを用いて設置することができる。
パイプレンチ14を用いて、円筒状コアビット4及びケーシングチューブ7を切削孔61、62から引き抜く。第1実施形態の工程(3)と同様の工程である。
切削孔61、62の空間に、圧送ポンプ15を用いて導電性充填材16を充填し、コンクリート壁2及び土壌5に設けられた切削孔61、62を封止する。照合電極17又は腐食防食検知用プローブ18の周囲をモルタルで充填すると、地中埋設配管の防食状況が正確にモニタリングできない恐れがあるため、腐食防食検知用ユニットを設置した切削孔62にも導電性充填材16を注入する。第1実施形態の工程(4)と同様の工程である。
水道水300mlに対して、クニミネ(株)のベントナイト「浅間印」を30g(9.09質量%)加えて、薬さじで強く攪拌してベントナイト懸濁液を作製した。このベントナイト懸濁液100mlに対して、第一工業製薬(株)のカルボキシルメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)「セロゲンBSH−10」0.05g(0.045質量%)、0.1g(0.09質量%)又は0.15g(0.135質量%)と添加量を変えて、薬さじで強く攪拌して実施例1a〜1cを作液した。
水道水に対して、クニミネ(株)のベントナイト「浅間印」を加えて薬さじで強く攪拌して、8質量%、9.09質量%、10質量%、11質量%、12質量%及び13質量%の配合量を変えて比較例1a〜1fを作液した。
実施例1a〜1c、比較例1a〜1fのそれぞれに対し、薬さじで30秒間強く攪拌した後、B型粘度計(東機産業(株)のTV−10M)のローターを浸漬し、2分間静置した。B型粘度計により、M4ローター、20℃、12rpmで回転し、15秒後の粘度をそれぞれ測定し、表1に示した。
表1から明らかなように、CMC−Naを添加しない場合の比較例1bと比べて、実施例1a〜1cは同じベントナイト添加量において、高い粘度を示した。すなわち、ベントナイト懸濁液にCMC−Naを添加すれば増粘作用を示すことが分かった。
実施例1b及び比較例1c〜1fのそれぞれに対し、薬さじで30秒間強く攪拌した後、注射器(35ml)19を用いて30g吸い取り、図8に示すように、アルミニウム製の測定板20に対して、5cmの高さより10秒間で試料21を吐き出した。次いで、測定板上の実施例1b及び比較例1c〜1fの試料21に対して、指先で触覚を認知するとともに、注射器排出直後の直径と翌日まで放置後の直径をそれぞれ測定し、表2に示した。
表2から明らかなように、CMC−Naを添加しない場合の比較例1c〜1fと比べて、実施例1bは少量のCMC−Na添加で、硬さが高くなることが分かった。また、比較例1c〜1fが粘性を有するゲルであるのに対して、実施例1bは弾力性を有するゲルであった。すなわち、ベントナイト懸濁液と比べて、CMC−Naの低添加量でも流動性を失うと、弾力性を有するゲルに変わるため、鉄筋コンクリート構造物貫通部近傍に設けられた切削孔の空間部の充填、封止に対しても優れており、実用性がある。
市販プレミックスモルタル(電気化学工業(株)製商品名「デンカプレタスコン−type1」)をカタログに基づいて水を配合して練り混ぜ、モルタルを調製した。
上方に開口を有する透明の円筒状容器22(φ350mm×L1,500mm)を垂直に置き、12個のベアリングが取り付けられた電気防食用円筒状電極装置8(φ230mm×L1,420mm)をこの円筒状容器に装入したものをそれぞれ3本用意した。実施例1b及び比較例1f、2の試料(導電性充填材16)それぞれを強く攪拌した後、圧送ポンプを用いて、この円筒状容器22とこの電気防食用円筒状電極装置8との狭い隙間に対して充分に注入し、円筒状容器の開口端面に合わせてならした。そして、この円筒状容器22を静かに横転させた。
◎:ほぼ漏れがなく、静置状態では安定していた。
○:若干漏れがあるが、静置状態では安定していた。
×:隙間からほとんど流出し、実用性なし。
表3から明らかなように、実施例1bに係る導電性充填材は、非流動性で、表面に凹凸がある場合でも空隙なく充填できることが分かった。
2:コンクリート壁
3:コアドリル
4:円筒状コアビット
5:土壌
6、61、62:切削孔
7:ケーシングチューブ
8:電気防食用円筒状電極装置
9:不溶性陽極
10:リード線
11:合成樹脂保護管
12:電気防食用バックフィル
13:ベアリング
14:パイプレンチ
15:圧送ポンプ
16:導電性充填材
17:照合電極
18:腐食防食検知用プローブ
19:注射器
20:測定板
21:試料
22:円筒状容器
Claims (8)
- 下記(1)〜(4)の工程;
(1)地中埋設配管の鉄筋コンクリート壁貫通部近傍に、コアドリルの円筒状コアビットを用いて鉄筋コンクリート構造物内部よりコンクリート壁及び土壌に水平方向又は斜め方向に切削孔を形成する工程、
(2)上記切削孔内の上記円筒状コアビット及び該コアビットに連結されるケーシングチューブ内に、複数個のベアリングが外周面に取り付けられている電気防食用円筒状電極装置を滑り動かし、該切削孔内の所定位置に設置する工程、
(3)上記円筒状コアビット及び上記ケーシングチューブを上記切削孔から引き抜く工程、
(4)上記切削孔内の空間に導電性充填材を注入する工程、
を順次行うことを特徴とする地中埋設配管の防食工法。 - 下記(1)〜(5)の工程;
(1)地中埋設配管の鉄筋コンクリート壁貫通部近傍に、コアドリルの円筒状コアビットを用いて鉄筋コンクリート構造物内部よりコンクリート壁及び土壌に水平方向又は斜め方向に、電気防食用円筒状電極装置を設置する切削孔及び該切削孔と別個の照合電極又は腐食防食検知用プローブの少なくともいずれか一方から構成される腐食防食検知用ユニットを設置する切削孔を形成する工程、
(2)電気防食用円筒状電極装置を設置する上記切削孔内の上記円筒状コアビット及び該コアビットに連結されるケーシングチューブ内に、複数個のベアリングが外周面に取り付けられている電気防食用円筒状電極装置を滑り動かし、該切削孔内の所定位置に設置する工程、
(3)腐食防食検知用ユニットを設置する上記切削孔内の上記円筒状コアビット及び該コアビットに連結されるケーシングチューブ内に、照合電極又は腐食防食検知用プローブの少なくともいずれか一方から構成される腐食防食検知用ユニットを挿入し、該切削孔内の所定位置に設置する工程、
(4)上記円筒状コアビット及び上記ケーシングチューブを上記各切削孔から引き抜く工程、
(5)電気防食用円筒状電極装置及び腐食防食検知用ユニットを設置した各切削孔内の空間に導電性充填材を注入する工程、
を順次行うことを特徴とする地中埋設配管の防食工法。 - 上記電気防食用円筒状電極装置が、不溶性陽極又は流電陽極からなる電極本体と、該電極本体を保護する周側面に複数の貫通孔を有する絶縁性の合成樹脂保護管と、該保護管内に充填される電気防食用バックフィル及び外周面に取り付けられる複数個のベアリングとからなる請求項1又は2記載の地中埋設配管の防食工法。
- 不溶性陽極又は流電陽極からなる電極本体と、該電極本体を保護する周側面に複数の貫通孔を有する絶縁性の合成樹脂保護管と、該保護管内に充填される電気防食用バックフィル及び外周面に取り付けられる複数個のベアリングとからなる地中埋設配管の防食工法に用いられる電気防食用円筒状電極装置。
- ベントナイト粉末と水溶性増粘剤とを少なくとも含む地中埋設配管の防食工法に用いられる導電性充填材。
- 上記水溶性増粘剤が、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガムからなる群から選択される少なくとも1種である請求項5記載の地中埋設配管の防食工法に用いられる導電性充填材。
- 上記ベントナイト粉末100質量部に対して、上記水溶性増粘0.05〜20質量部添加される請求項5又は6記載の地中埋設配管の防食工法に用いられる導電性充填材。
- 水に溶解されている請求項5、6又は7記載の地中埋設配管の防食工法に用いられる導電性充填材。
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