JP7075157B2 - 視覚情報変更装置、プリズム眼鏡、およびプリズム眼鏡におけるレンズの選定方法 - Google Patents

視覚情報変更装置、プリズム眼鏡、およびプリズム眼鏡におけるレンズの選定方法 Download PDF

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Description

本発明は、プリズム眼鏡、およびプリズム眼鏡におけるレンズの選定方法に関する。
従来、入射した光を屈折させるプリズムレンズの性質を利用したプリズム眼鏡が知られている。
このようなプリズム眼鏡として、下記特許文献1には、斜位や眼筋の筋力低下、又は筋力不足などに起因する眼精疲労を低減するために、プリズムレンズを用いて、左右両方の視線が、左右方向の内側に寄るように、入射光を屈折させる構成が開示されている。
特開2017-116892号公報
ここで、従来のプリズム眼鏡は、あくまで装用者が対象物を視認する際の見えやすさ(視認性)について作用するものであり、視覚を通して受け取る視覚情報が、装用者の脳や体、メンタルに対して与える影響にまで作用するものではなかった。
そこで本発明は、視覚を通して受け取る視覚情報が、装用者の脳や体、メンタルに対して与える影響を調整することができる視覚情報変更装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る視覚情報変更装置は、装用者の眼を覆うように装用されるとともに、外界からの光の向きを変更して、装用者の眼に入力する。
また、視覚情報変更装置は、プリズム構造体により構成されてもよい。
また、視覚情報変更装置は、外界からの光を用いて撮像する撮像部と、撮像部が撮像した撮像データに対して座標変換処理を行って、座標変換データを生成する処理部と、処理部が生成した座標変換データを表示する表示部と、を備えてもよい。
また、プリズム構造体は、フレームと、フレームに左右方向に並べて配置され、それぞれに入射する入射光を、同じ方向に向けて屈折させる一対のプリズムレンズと、を備えている。
また、プリズムレンズの屈折角は、0.5°~20°であってもよい。
また、プリズムレンズは、有色透明であってもよい。
また、一対のプリズムレンズにおける屈折角は同一であってもよい。
また、一対のプリズムレンズは、下方から上方に向けて厚みが厚くなってもよい。
また、一対のプリズムレンズは、上方から下方に向けて厚みが厚くなってもよい。
また、一対のプリズムレンズは、装用者が使用する際に、装用者から見て右側から左側に向けて厚みが厚くなってもよい。
また、一対のプリズムレンズは、装用者が使用する際に、装用者から見ての左側から右側に向けて厚みが厚くなってもよい。
また、本発明のプリズム眼鏡におけるレンズの選定方法は、フレームと、フレームに左右方向に並べて配置され、それぞれに入射する入射光を、同じ方向に向けて屈折させる一対のプリズムレンズと、を備えているプリズム眼鏡におけるレンズの選定方法であって、被験者に、歩行時における立脚中期の姿勢を維持させた状態で、眼球のみを上下左右に動作させ、眼球を動かしにくい方向である眼球の不動方向を特定する眼球の不動方向特定ステップと、眼球の不動方向特定ステップにおいて特定された眼球の不動方向に向けて、眼球の動きを促進するプリズムレンズを選択するレンズ選択ステップと、を実行する。
本発明のプリズム眼鏡では、一対のプリズムレンズが、それぞれに入射する入射光を、同じ方向に向けて屈折させることができる。このため、視覚を通して装用者の脳に入力される視覚情報が変更され、装用者の空間認識が変更されることで、視覚情報が装用者の脳や体に対して与える影響を調整することができる。
本発明のプリズム眼鏡の外観図である。 本発明の視覚情報変更装置としてのプリズム眼鏡(プリズム構造体)の第1実施形態において、入射光の屈折の様子を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るプリズム眼鏡において、入射光の屈折の様子を示す図である。 本発明の第3実施形態に係るプリズム眼鏡において、入射光の屈折の様子を示す図である。 本発明の第4実施形態に係るプリズム眼鏡において、入射光の屈折の様子を示す図である。 プリズムレンズの選定方法における第1姿勢を示す図である。 プリズムレンズの選定方法における第2姿勢を示す図である。 本発明のプリズム構造体の第1変形例を示す図である。 本発明のプリズム構造体の第2変形例を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る視覚情報変更装置の外観図である。 図10に示す視覚情報変更装置の表示部を示す図である。 図10に示す視覚情報変更装置の構成を示すブロック図である。 図10にしめす視覚情報変更装置を使用する状態を示す図である。 (a)は、プリズムレンズ眼鏡の一例を示す斜視図である。(b)は、プリズムレンズ眼鏡の天面図である。(c)は、プリズムレンズ眼鏡の天面図であってプリズムレンズを回転させている様子を示す図である。(d)は、回転後のプリズムレンズ眼鏡の天面図である。 (a)は、プリズムレンズ眼鏡のネジによるフロント部とプリズムレンズの接続部分の拡大断面図である。(b)は、プリズムレンズの斜視図である。(c)は、プリズムレンズの側面図である。(d)は、プリズムレンズ眼鏡のフロント部の拡大斜視図である。 (a)は、プリズムレンズ眼鏡の側面図である。(b)は、プリズムレンズ眼鏡の天面図であってプリズムレンズを回転させている様子を示す図である。(c)は、回転後のプリズムレンズ眼鏡の側面図である。 (a)は、プリズムレンズ及びフロント部を長方形に形成したプリズムレンズ眼鏡の斜視図である。(b)は、プリズムレンズを横回転させている様子を示す図である。(c)は、プリズムレンズを縦回転させている様子を示す図である。 (a)は、上下方向自在で使用可能なプリズムレンズ眼鏡の一例を示す斜視図である。(b)は、装用者側から見たプリズムレンズ眼鏡の一例を示す背面図である。(c)は、プリズムレンズの断面図である。(d)は、プリズムレンズ眼鏡のノーズパッド部分の側面図である。 (a)は、ノーズパッドの他の例を示す図である。(b)~(d)は、ノーズパッドの他の例を示す図であって、ノーズパッドをブリッジに対して回転可能に構成した例を示す図である。 (a)は、プリズムレンズ眼鏡の一例を示す斜視図である。(b)は、プリズムレンズ眼鏡の側面から見たレンズ部分の断面図である。(c)は、プリズムレンズ眼鏡のフロント部分の分解斜視図である。(d)は、プリズムレンズ眼鏡の受け側フロント部分の正面図である。 ベゼル型のプリズムレンズ眼鏡の他の態様を示す斜視図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る視覚情報変更装置としてのプリズム眼鏡1について、図1および図2を参照して説明する。図1は、本発明のプリズム眼鏡1の外観図であり、図2は、本発明の第1実施形態に係るプリズム眼鏡1において、入射光の屈折の様子を示す図である。
視覚情報変更装置は、装用者の眼を覆うように装用されるとともに、外界からの光の向きを変更して、装用者の眼に入力する機能を有している。
本実施形態では、視覚情報変更装置は、プリズム構造体、特にプリズム眼鏡により構成されている。なお、この説明において、プリズム構造体とは、プリズムレンズ等の光を屈折する性質を備えた構造物を指す。
図1に示すように、本実施形態に係るプリズム構造体としてのプリズム眼鏡1は、フレーム10と、フレーム10に左右方向に並べて配置され、それぞれに入射する入射光を、同じ方向に向けて屈折させる一対のプリズムレンズ11と、を備えている。
一対のプリズムレンズ11における屈折角は同一である。ここで、図2に示すように、レンズの屈折角とは、レンズに入射する光の屈折角であり、レンズへの入射光とレンズからの出射光とがなす角度θを指している。プリズムレンズ11の屈折角は、0.5°~20°であることが想定され、特に0.5°~2°であることが好ましい。
プリズムレンズ11は、装用者側の面が平坦面となっており、装用者の前方側の面が、平坦面に対して傾斜する傾斜面となっている。これにより、プリズムレンズの厚みは、単調に増減している。
プリズムレンズ11は、屈折させる方向により、ベースレフトプリズム11A、ベースライトプリズム11B、ベースダウンプリズム11C、およびベースアッププリズム11Dに区別される。この第1実施形態では、ベースレフトプリズム11Aについて説明する。
プリズムレンズ11は、無色透明であってもよいが、有色透明であってもよい。例えばプリズムレンズ11を赤色透明にした場合には、装用者P1(図2参照)の交感神経を、副交感神経に対して優位にしてアドレナリンの分泌を促すことが期待できる。
また、このようなアドレナリンの分泌により、装用者P1の脈拍や呼吸数を増加させることができる。これにより、体感温度の上昇や血流増進の効果が期待される。このため、体の冷えを感じるとき、さらに元気や自信が欲しい場合や、エネルギーを活発にしたい場合に推奨される。
また、例えばプリズムレンズ11を黄色透明にした場合には、装用者P1の左脳を刺激し、頭の回転を良くすることができる。これにより、ポジティブシンキングを導きコミュニケーション能力を高めることができ、例えば人前に立つときなどに推奨される。
さらに、食欲増進など、消化器系の動きを活発にする効果も期待できる。これは、内分泌系に働きかけて成長ホルモンの分泌を促すことができるからである。
また、例えばプリズムレンズ11を緑色透明にした場合には、暖色と寒色の間の中間色になり、刺激が少ない分落ち着きや安心感を得ることができる。また、昔から緑色は目を休める効果があるとされ、緑色透明のプリズムレンズを通して前方を見つめることで、疲労の軽減が期待される。
また、例えばプリズムレンズ11を青色透明にした場合には、副交感神経を優位にして、神経の興奮を鎮静することが期待できる。このため、血圧・脈拍・体温を下げ、心身をリラックスすることが期待できる。不眠に悩んでいる場合や、冷静な判断力、観察力を高め、じっくり物事と向き合いたい場合に推奨される。
また、例えばプリズムレンズ11をピンク色透明にした場合には、女性ホルモンの分泌を促進することが期待できる。このため、女性らしさを感じたい場合や恋愛をしている場合、婦人科系のトラブルに悩んでいる場合に推奨される。
また、例えばプリズムレンズ11を紫色透明にした場合には、赤と青という色調が大きく異なる色が混ざった色であり、癒しの力や直感力を向上させる働きがあり、心が葛藤状態にある場合に推奨される。
また、図2に示すように、本実施形態では、一対のプリズムレンズ11は、装用者P1が使用する際に、装用者P1から見て右側から左側に向けて厚みが厚くなっている。このようなプリズムレンズ11をベースレフトプリズム11Aと呼ぶ。
ベースレフトプリズム11Aの場合、装用者P1の視覚情報は、実際の空間よりも右側に移動した状態で入力される。このため、眼球の右方向への回転運動を促進することができる。
この点について詳述すると、視線は歩行動作を先導するので、目標となる対象物が右側に移動した状態では、右方向への歩行動作が促進されるとともに、眼球が右側に回転する。
これから向かう先の視覚情報を得るという機能と、そちら側に視線を向けるために眼球をどの程度動かしたのか(眼球を回転運動させたか)という情報を利用して、体幹の回旋を正確にコントロールする機能が重要となる。つまり、人は無意識の中で視覚から得られる様々な情報を用いて歩行している。また、これらの変化によりオプティックフローが変化するということは、歩行が変化するということである。歩行が変化することにより、インターナルループとエクスターナルループの再構築が期待できる。
また、装用者P1の身体は、歩行時には右加重が促進される。これにより、右半身は坂道を上っているような屈曲した緊張状態、左半身は坂道を下っているような伸張した弛緩状態となる。これを歩行による相反性交互運動という。これは、右側と反対側の左大脳皮質の活性化(PMRF:Pontomedullary Reticular Formation)によるものである。
以上説明したように、本実施形態に係るプリズム眼鏡1によれば、一対のプリズムレンズ11が、それぞれに入射する入射光を、同じ方向に向けて屈折させることができる。このため、視覚を通して装用者P1の脳に入力される視覚情報が変更され、装用者P1の空間認識が変更されることで、視覚情報が装用者P1の脳や体に対して与える影響を調整することができる。この点について以下に詳述する。
一般に、人間は視覚情報、前庭感覚、体性感覚によって自身の立ち位置を決めている。このため、視覚から入力される各種の情報は、大脳皮質に影響を与え、身体の姿勢機能の変化を生み出す。さらに言えば、視覚情報を変更し、空間の認識を変化させる事で、偏った姿勢感覚を、本来あるべき正常な姿勢感覚に向けて変化を与えることができる。
すなわち、視覚情報として認識するインプット情報により、視覚を通して入力される外部の空間が変位することで、アウトプット情報としての身体の姿勢を、無意識レベルで変化させることが期待できる。
例えば、斜視による患者が歩行時の腰痛を訴えるケースにおいて、患者の歩行周期に分けて歩行動作を分析した結果、プリズムレンズ11の着用時に代償動作の減少が確認されている。この場合の代償動作とは、斜視であることを補うために行う姿勢変化等の動作のことを指す。
これまで、歩行動作に見られる機能異常に対して、運動指導者やセラピストは、筋肉による出力としての歩行動作の異常を修正することを第一に考え、筋力の改善を中心に取り組んできた。
しかしながら、歩行制御には視覚情報、前庭感覚情報、体性感覚が関わっている。また、理想的な動作を遂行できる様にする身体制御システムとともに、繰り返し行われる身体制御システムからの動作パターンの乱れに対して、未然に対処する機能にも視覚情報は最大限利用されていることが近年確認されている。このため、斜視眼患者対して、プリズムレンズ11を用いて空間認知機能を変化させるアプローチは、非常に大きな効果が期待できる。
また、眼球運動の滑走性の確保は後頭下筋群の緊張抑制になる。この為、眼球運動と、頭部の運動と、を分離独立して行えることが重要である。本発明のプリズム眼鏡1のように、プリズムレンズ11を使用し、眼球への負荷を最小限に抑えることで、適正な眼球アライメントの確保を獲得することが期待できる。ここで、眼球アライメントとは、眼球の眼窩内での位置を指す。
また、歩行での緊張は、グラウンディングと地面認知以外に視覚情報を得るための、身体による代償行為ともいえる。すなわち、眼球の動きを、頭部(眼窩)の動きに対して分離させることは、視覚を獲得するために、他の感覚器官の犠牲や伸展筋群の筋緊張を減らすことができる。
また、本実施形態のプリズム眼鏡1のようにベースレフトプリズム11Aを使った場合には、目標物とともに右側に移動した空間を利用して、目標物に手を伸ばす行為を繰り返し学習させる。これにより、装用者P1が、怪我や疾患等により、認識できなくなってしまった空間を、プリズムレンズ11で変化させることで、日常生活における各種動作の改善につなげることができる。
具体的には、脳の損傷による半空間無視の患者は、視野の半分を認識できなくなってしまうため、生活の質を大きく損なってしまう。視野の半分が認識できないため歩行や動作に大きな影響がおよぶ。脳損傷による半空間無視にプリズムレンズ11を使用することにより、クライアントのQOL(クオリティオブライフ)の改善に役立てることが可能である。
また、無意識下での口の中における舌のポジションは、眼球アライメントと繋がっている。脳幹による同時発火作用によるものである。この為プリズムレンズ11によって舌のポジションに変化をもたらすことが可能となる。
ベースレフトプリズム11Aの場合、装用者の舌は右側に寄ることとなる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るプリズム眼鏡1について、図3を参照して説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同一の構成、および同一の効果についてはその説明を省略する。図3は、第2実施形態に係るプリズム眼鏡1において、入射光の屈折の様子を示す図である。
図3に示すように、本実施形態に係るプリズム眼鏡1における一対のプリズムレンズ11は、装用者P1が使用する際に、装用者P1から見ての左側から右側に向けて厚みが厚くなっている。このようなプリズムレンズ11をベースライトプリズム11Bと呼ぶ。
ベースライトプリズム11Bの場合、装用者P1の視覚情報は、実際の空間よりも左側に移動した状態で入力される。このため、眼球の左方向への回転運動を促進することができる。
また、装用者P1の身体は、歩行時には左加重が促進される。これにより、左半身は坂道を上っているような屈曲した緊張状態、右半身は坂道を下っているような伸張した弛緩状態となる。これは、左側と反対側の右大脳皮質の活性化によるものである。
以上説明したように、本実施形態に係るプリズム眼鏡1のようにベースライトプリズム11Bを使った場合には、目標物とともに左に移動した空間を利用して、目標物に手を伸ばす行為を繰り返し学習させる。これにより、認識できなくなってしまった空間の偏りを、プリズムレンズ11で変化させることで、日常生活における各種動作の改善に繋げることができる。
人は本来、右周辺視野が、左周辺視野よりも優位になっている。これは右重心であることと関係があり、左脳大脳皮質の働きが右脳大脳皮質の働きよりも活発であることと関係している。
また、ベースライトプリズム11Bの場合、装用者P1の舌は左側に寄ることとなる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るプリズム眼鏡1について、図4を参照して説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同一の構成、および同一の効果についてはその説明を省略する。図4は、第3実施形態に係るプリズム眼鏡1において、入射光の屈折の様子を示す図である。
図4に示すように、本実施形態に係るプリズム眼鏡1における一対のプリズムレンズ11は、上方から下方に向けて厚みが厚くなっている。このようなプリズムレンズ11をベースダウンプリズム11Cと呼ぶ。
ベースダウンプリズム11Cの場合、装用者P1の視覚情報は、実際の空間よりも上側に移動した状態で入力される。このため、眼球の上転運動を促進することができる。また、装用者P1の身体のうち、頭の位置は後ろに変化する。また、歩行時には、踵接地、および屈筋群の屈曲が促進される。
以上説明したように、本実施形態に係るプリズム眼鏡1によれば、頭が前方に向けて頸部が傾く状態であるフォワードヘッドを抑制することで、頭頸部の前方頭位を抑制し、頸部への負担を減らすことが可能になる。
例えば、頭が中立位置から10cm前方に位置するように頸部が傾くと、首への負担は約10kg増加する。この為、頸部のニュートラリティー(適切な姿勢)が確保できなくなってしまい、首の痛みや肩こり、頚動脈の流れが阻害され脳への血流量が低下する。
これにより、持続的な血液循環の機能が維持出来ず、眠気や疲労を感じやすくなる。フォワードヘッドは、呼吸機能への影響も大きい為、これを解消することは、目の機能維持、頸部の機能維持のためにも非常に重要である。これらの機能維持にベースダウンプリズム11Cを使用することができる。
また、現代病を予防するために、ベースダウンプリズム11Cによる空間認知療法を使用する効果が期待できる。眼球は下方回旋、もしくはフォワードヘッドやうつ伏せといった眼球が下方に向いている場合、眼軸の延長につながる眼圧の上昇を引き起こす。
ベースダウンプリズム11Cによれば、眼球の上転機能をサポートして、眼軸の延長を作らない、すなわち近視になりにくい環境をつくることができる。
昨今デジタルデバイスの影響もあり、近くで物を見る環境が多く、眼球はもっぱら下転運動をする傾向にある。眼球の下方回旋は、咬合動作、特に上顎の適正な発達を阻害する可能性が発表されている為、ベースダウンプリズム11Cを使用することで、眼球の上転を促進し適正な上顎の発達を促進させることが期待できる。
また一般に、デジタルデバイスを見ている姿勢の多くは眼球下転である。眼球下転とは、眼窩内で眼球が下方に向けて回転する動作を指す。眼球下転時には眼窩後方に若干のスペースが生まれる。このスペースが生まれた状態で眼圧が上昇(デジタルデバイスの刺激)すると眼軸が延長し、近視となる眼球に変化する可能性がある。
また、一般に人体において、6mより近いものを見る場合には、水晶体による調節作用が働き、水晶体の前後軸が長くなる。水晶体の前後軸とは、水晶体の最も厚い中心部分の前後方向の厚みを指す。
この為、房水の流れを阻害し眼圧が上昇する。さらに、眼球の下転はフォワードヘッドの原因でもあり、この姿勢が続くと内頚動脈への負担から眼球への血流が阻害され、血流量の低下+眼圧の上昇といった最悪の組み合わせが、緑内障につながり、進行すると失明につながる問題に発展する。
このような問題に対して、眼球を上転運動させ、頭頸部の前方頭位を抑制するベースダウンプリズム11Cに効果が期待される。
また、スマートフォンやパソコンによるデスクワークといった作業下では眼圧上昇が懸念される。ベースダウンプリズム11Cを処方することにより、空間の水平方向の基準線を上げることができる。これにより、眼球の下方回旋ならびに眼球自体が下方に向くことによって引き起こされる眼圧の上昇を抑制し、緑内障などの眼病から目の機能を守ることが期待できる。
また、ベースダウンプリズム11Cの場合、装用者P1の舌は上側に寄ることとなる。舌と眼の動きは関係性があり、この場合、眼を上転させることで、無意識下で舌は口腔内で口蓋に触れやすくなる。これにより、口の中における舌のポジションが適正な位置となり、口呼吸から鼻呼吸に変化させることのアプローチに繋がる。これにより、体幹・下肢筋力の安定化、フォワードヘッドの改善、および低舌位における無呼吸症候群の解消が期待できる。
また、ベースダウンプリズム11Cを使い、無意識化において自律神経を調整することができる。
現代人は、主に眼球下転となる眼の使い方をすることが多い。眼球下転の動作は、滑車神経と動眼神経に支配されている。このうち、より優位性の高い第四脳神経の滑車神経は、交感神経に支配されているので、眼球下転時には交感神経は常に過活動となっている。
これに対して、ベースダウンプリズム11Cは眼球上転をサポートする。眼球上転の動作は第三脳神経の動眼神経に支配されており、動眼神経は副交感神経支配である。このため、眼球上転の動作を行うことで、副交感神経の活動を増やす効果を期待することができる。
また、ベースダウンプリズム11Cを使い、舌ポジションの適正化を無意識化にてサポートすることができる。すなわち、眼球上転の動作により、舌が口蓋に接触するように上方に変位する。この位置に舌があるとき、人は無意識的に鼻呼吸を促進する為、副交感神経優位となる。
また、脳の前頭葉は、口呼吸では、鼻呼吸よりも酸素を消費しやすく、活動が休まらない。逆に、鼻呼吸を行うと、呼吸回数を低下させることができ、副交感神経優位の効果が更に期待できる。
また、ベースダウンプリズム11Cを使い屈筋群の屈曲を優位にする姿勢は、後縦隔の緊張を抑制する効果が期待できる。後縦隔は交感神経節の集まりである為、後縦隔の緊張を抑制することで、呼吸時の吸気を促進する効果が期待できる。
前述した眼球上転、舌ポジションの変化、後縦隔の緊張抑制という3つの作用により、現代人の特徴である、常に交感神経優位の状態から、副交感神経優位の状態を作ることで、自律神経のバランス調整に非常に大きな効果が期待できる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係るプリズム眼鏡1について、図5を参照して説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同一の構成、および同一の効果についてはその説明を省略する。図5は、第4実施形態に係るプリズム眼鏡1において、入射光の屈折の様子を示す図である。
図5に示すように、本実施形態に係るプリズム眼鏡1における一対のプリズムレンズ11は、下方から上方に向けて厚みが厚くなっている。このようなプリズムレンズ11をベースアッププリズム11Dと呼ぶ。
ベースアッププリズム11Dの場合、装用者P1の視覚情報は、実際の空間よりも下側に移動した状態で入力される。このため、眼球の下転運動を促進することができる。また、装用者P1の身体のうち、頭の位置は前に変化する。また、歩行時には、踵接地の抑制、および伸筋群の伸展が促進される。
本実施形態に係るベースアッププリズム11Dの場合、装用者P1の舌は下側に寄ることとなる。舌と眼の動きは関係性があり、下肢筋群の過緊張につながり、例えばあえて安定した状態を崩すことができる可能性がある。このような効果が期待される場面としては、例えば伸筋群の進展が苦手な人が、スポーツの場面等で選択的に使用する用途等が想定される。
(プリズムレンズ11の選定方法)
次に、第1実施形態から第4実施形態に係るプリズムレンズ11のうち、どのプリズムレンズ11を使用するべきかを判断するプリズムレンズ11の選定方法について、図6および図7を用いて説明する。
図6は、プリズムレンズ11の選定方法における第1姿勢を示す図である。図7は、プリズムレンズ11の選定方法における第2姿勢を示す図である。
プリズム眼鏡1におけるレンズの選定方法では、被験者P2の眼球の不動方向を特定する眼球の不動方向特定ステップと、不動方向に基づいてプリズムレンズ11を選択するレンズ選択ステップと、を実行する。
不動方向特定ステップでは、図6および図7に示すように、被験者P2に、歩行時における立脚中期の姿勢を維持させた状態で、頭部(眼窩)に対して眼球のみを上下左右に動作すること(分離動作という)が可能かどうかを確認する。これにより、眼球を動かしにくい方向である眼球の不動方向を特定する。
次に、レンズ選択ステップでは、不動方向特定ステップにおいて特定された眼球の不動方向に向けて、眼球の動きを促進するプリズムレンズ11を選択する。これらについて、詳細を説明する。
まず、不動方向特定ステップとして、被験者P2に、図6に示すように、右立脚中期(第1姿勢)となる姿勢を維持させる。右立脚中期とは、体の右側が屈曲(緊張)し、左側が伸展(弛緩)している状態である。この姿勢を具体的に説明すると、右下肢が左下肢より後ろに位置するように立つ。この際、右の膝は固定しない。左の上肢は後方、右の上肢は前方に位置させる(歩行運動の交互性を再現させる)。また、右股関節を左股関節よりも後方に位置させる。なお、この姿勢が取れない場合は評価外であり、プリズムレンズ11を使用できる状態ではない。また、評価中は呼吸を止めることなく姿勢を維持させる。
次に、図6の状態で、A)眼球のみを下方に向けて動かして、下方を見ながら姿勢を維持できるかどうか、を確認する。また、B)眼球のみで右を見ながら姿勢を維持できるかどうか、を確認する。
仮に、A)、B)の判定がNGの場合には、眼球の不動方向が右側ということになる。この場合には、ベースレフトプリズム11Aにより、右視空間認知を高めるプランを製作する。
次に、図6の状態で、D)眼球のみを左側に向けて動かして、左側を見ながら姿勢を維持できるかどうかを確認する。仮に、D)の判定がNGの場合には、不動方向が左側ということになる。この場合には、レンズ選択ステップにおいて、左側に向けて、眼球の動きを促進するプリズムレンズ11である、ベースライトプリズム11Bを選択する。
次に、図6の状態で、B)眼球のみを上方に向けて動かして、上方を見ながら姿勢を維持できるかどうかを確認する。仮に、B)の判定がNGの場合には、眼球の不動方向が上方ということになる。この場合には、レンズ選択ステップにおいて、上方に向けて、眼球の動きを促進するプリズムレンズ11である、ベースダウンプリズム11Cを選択する。
次に、図6の状態から、E)頭部を左回旋させ、眼球のみで右側を見る。この動作において、眼球の動きと頭頚部の動きを分離することができない場合には、既に行ったA)~D)の評価が適切ではなかった可能性がある。このため、再度A)~D)の評価を行う。
また、被験者P2に、図7に示すように、左立脚中期となる姿勢(第2姿勢)を維持させる。左立脚中期とは、体の左側が屈曲(緊張)し、右側が伸展(弛緩)している状態である。
そして、F)眼球のみを下方に向けて動かして、下方を見ながら姿勢を維持できるかどうか、を確認する。また、G)眼球のみで右を見ながら姿勢を維持できるかどうか、を確認する。更に、H)眼球のみで左を見ながら姿勢を維持できるかどうか、を確認する。
仮に、F)、G)、H)の判定がNGの場合には、眼球の不動方向が左側ということになる。この場合には、ベースライトプリズム11Bにより、左視空間認知を高めるプランを製作する。
また、図7の状態で、I)眼球のみを上方に向けて動かして、上方を見ながら姿勢を維持できるかどうか、を確認する。仮にI)の判定がNGの場合には、眼球の不動方向が上側ということになる。この場合には、ベースダウンプリズム11Cにより、上視空間認知を高めるプランを製作する。
また、図7の状態で、頭部を右回旋させ、眼球のみで左側を見る。この動作において、眼球と頭頚部を独立して動かすことができない場合には、既に行ったF)~I)の評価が適切ではなかった可能性がある。このため、再度F)~I)の評価を行う。
(変形例)
次に、プリズム構造体の変形例について、図8および図9を用いて説明する。図8は、本発明のプリズム構造体の第1変形例を示す図、図9は、本発明のプリズム構造体の第2変形例を示す図である。
図8に示す第1変形例に係るプリズム構造体20は、既存の眼鏡21に着脱可能なアタッチメント構造のプリズムレンズとなっている、また、このようなアタッチメント構造に代えて、例えばシール状のプリズムシートを、既存の眼鏡21に貼付するような構成であってもよい。
図9に示す第2変形例に係るプリズム構造体30は、装用者P1の頭に巻きつけることで、プリズムレンズを頭部に固定可能なゴーグル構造となっている。プリズムレンズは、左右一対でもよいし、左右でひとつのレンズであってもよい。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態に係る視覚情報変更装置40について、図10から図13を参照して説明する。この実施形態では、プリズム構造体に代えて、VR(Virtual Reality)ゴーグルにより、視覚情報変更装置40が実現されている。
図10は、本発明の第5実施形態に係る視覚情報変更装置40の外観図、図11は、視覚情報変更装置40の表示部44を示す図である。また、図12は、視覚情報変更装置40の構成を示すブロック図、図13は、視覚情報変更装置40を使用する状態を示す図である。
図10に示すように、視覚情報変更装置40は、左右一対のフレーム41と、フレーム41に支持される装置本体と、を備えている。左右一対のフレーム41を耳にかけることで、装置本体42により装用者P1の眼を覆うように装用することができる。
装置本体42の前面には、前方を向く撮像部43が配置されている。撮像部43は、外界からの光を用いて撮像する機能を有し、左右に間隔をあけて一対配置されている。なお、撮像部43は、一つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
図11に示すように、装置本体42の後面(装用者P1の前方)には、表示部44(モニタ)が設けられている。表示部44は、左側の第1表示部44Aと右側の第2表示部44Bから構成されている。第1表示部44Aと第2表示部44Bには、それぞれ両眼視差に対応した画像が表示される。なお、表示部44は左右共通の1つのモニタで構成されてもよい。
図12に示すように、視覚情報変更装置40は、処理部45を備えている。処理部45は、撮像部43が撮像した撮像データに対して座標変換処理を行って、座標変換データを生成する。
処理部45は、視覚情報変更装置40の各部を制御するものであり、例えば、中央処理装置(CPU)である。また、処理部45は、マイクロプロセッサ、ASIC、FPGAなどであってもよいし、視覚情報変更装置40の各部を制御できるものであれば、これらの例に限られず、どのような構成であってもよい。さらに、処理部45は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現され、装置本体42とは異なる装置に実装されてもよい。
そして、表示部44が、処理部45が生成した座標変換データを表示する。この点について、以下に詳述する。
図13に示すように、左右一対の撮像部43は、それぞれが正面の外界からの光を用いて撮像を行って、撮像データを2種類取得する。2種類の撮像データは、一対の撮像素子の位置により生じる視差に基づいて、データ内容が異なっている。
次に、処理部45はこれらのデータに基づいて、装用者P1の視覚の焦点となる基準点Xを想定する。この基準点Xに対して、予め設定された変位差Δtに基づいて、基準点Xが変位点X’となるように、2種類の画像データそれぞれに対して座標変換処理を行う。この処理により、2つの座標変換データそれぞれが有する空間情報が、撮像データに対して変位差Δtだけ右側にずれた状態となる。なお、変位差Δtは寸法として管理している例を説明しているが、角度の変化量により管理してもよい。
そして、第1表示部44Aおよび第2表示部44Bが、それぞれの眼に2種類の座標変換データのうち、対応する一方を表示することで、空間情報が変化した状態で装用者P1に入力される。
これにより、外界からの光の向きを変更して、装用者P1の眼に入力することが可能になり、前述した第1実施形態に係るベースレフトプリズム11Aと同様の効果を奏することができる。
また、空間情報を変化させる方向は、上下左右のいずれであってもよく、任意に変位差Δtの向きと大きさを設定することができる。
このような場合には、例えば処理部45に対して入力を行う設定部を、装置本体42に設け、この設定部を操作することで、前述したプリズムの屈折角に対応するように、変位差Δtを調整してもよい。
なお、上述の実施形態は、本発明の代表的な実施形態を単に例示したものにすぎない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に対して種々の変形を行ってもよい。
例えば、上記各実施形態においては、プリズムレンズ11の屈折角は、0.5°~20°である構成を示したが、このような態様に限られない。プリズムレンズ11の屈折角は、任意に設定することができる。
また、プリズムレンズ11は、近視、遠視、または乱視等を解消する視力矯正のための所定の度数を有していてもよいし、度数を有していなくてもよい。
また、前述した変形例に限られず、これらの変形例を選択して適宜組み合わせてもよいし、その他の変形を施してもよい。
(第6実施形態)
上記実施形態においては、一端の厚みを他端の厚みよりも厚くしたプリズムレンズを用いて、装用者がプリズムレンズメガネをかけていない状態では見えていない(認識できていない)領域を、プリズムレンズ眼鏡によって見えるようにすることで、脳に刺激を与え、使用されていない脳の領域を活性化させる例を説明した。なお、ここでいう「見えていない(認識できていない)領域」というのは、実際に脳の障害等により起こる視空間認知能力の低下や、健常者であっても、環境による視空間の癖によって偏る、視空間マップに於けるあまり使われていない空間情報を含む。
本第6実施形態においては、プリズムレンズ眼鏡の利便性を向上させる態様について説明する。即ち、一つのプリズムレンズ眼鏡で、装用者の視界に対する入力方向を変更することができる態様を説明する。
図14は、本第6実施形態におけるプリズムレンズ眼鏡の一態様を示す図である。図14(a)は、プリズムレンズ眼鏡1400の斜視図であり、図14(b)~図14(d)は、プリズムレンズ眼鏡1400の天面図である。図14(a)に示すように、プリズムレンズ眼鏡1400は、フレームと、上記実施形態に示したようなプリズムレンズ11を備える。フレームは、ブリッジ1401と、ブリッジ1401により接続され、プリズムレンズ11を挟持するフロント部1402と、フロント部1402から延伸するテンプル1403と、テンプルの先端に設けられるモダン1404と、フロント部1402に設けられ、装用者の鼻に接触してプリズムレンズ眼鏡を支持するノーズパッド1405と、を備える。
第6実施形態においては、図14(b)~図14(d)に示すように、左右のプリズムレンズ11は、それぞれフロント部に対して回動可能に接続されている。図14(b)は、回転前の状態を示し、図14(c)は、回転途中の状態を示し、図14(d)は回転後の状態を示している。なお、図14(d)が回転前、図14(b)が回転後であってもよく、図14(c)の回転の向きは逆であってもよい。なお、ノーズパッド1405は、プリズムレンズ11の回転を妨げないように構成されている。
具体的には、図15(a)に示すように、プリズムレンズ11とは、それぞれ、天頂部と底部とで、ネジ1411、1412により、フロント部1402に対して回動可能に接続されている。図15(a)は、フロント部1402におけるネジ1411、1412が設けられている箇所の拡大断面図である。
図15(a)に図示されるように、フロント部1402には、めねじが設けられ、ネジ1411、1412のネジ山と嵌合するように構成されている。また、プリズムレンズ11には、ネジ1411、1412の先端が挿入される孔1501、1502が設けられている。ネジ1411、1412は共に、その先端部分であって、孔1501、1502と嵌合する箇所にはネジ山が設けられていない半ねじである。したがって、プリズムレンズ11は、フロント部1402に対して回動可能に接続される。なお、フロント部1402に半球状の凹部を設けるとともに、プリズムレンズ11の縁に、その凹部と嵌合する半球状の凸部を設ける構成であっても、プリズムレンズ11をフロント部1402に対して回動可能に接続することができる。
図15(b)、(c)に示すように、プリズムレンズ11は、その縁に沿って、溝1503が設けられている。図15(b)は、プリズムレンズ11の斜視図であり、図15(c)は、プリズムレンズ11の側面図である。そして、図15(d)に示すように、プリズムレンズ眼鏡1400のフロント部1402は、その内側に、プリズムレンズ11の溝1503に嵌合するための凸部1504が設けられている。図15(d)は、フロント部1402であって、プリズムレンズ11を嵌めていない状態のフロント部1402を示している。プリズムレンズ眼鏡1400のフレームは、一定以上の剛性を有するとともに、プリズムレンズ11の回転を許容し、人力で溝1503に凸部1504を嵌め込む程度の弾性を有することで、プリズムレンズ11が、所定以上の力を加えない限りは回転しないように構成されている。したがって、装用者が、プリズムレンズ眼鏡1400を装用しているときに独りでに回転することを防止できる。なお、溝1503をフロント部1402に設け、凸部1504をプリズムレンズ11に設ける構造としてもよい。
プリズムレンズ眼鏡1400は、図14(b)に示す態様では、ベースレフトプリズムとして機能し、図14(d)に示す態様では、ベースライトプリズムとして機能する。このように、プリズムレンズ眼鏡1400は、左右の2方向に像をずらして装用者の眼に入力することができる。装用者は、プリズム眼鏡1400を一定時間以上(例えば、半日であるが、これに限定するものではない)装着しながら、生活することで、像をずらして眼に入力することで、通常とは異なる脳の領域を刺激することができる。また、上記実施形態に示したように、その結果として、装用者の姿勢の矯正等にも用いることができる。
このように、第6実施形態に係るプリズムレンズ眼鏡1400によれば、装用者は、右から左、あるいは、左から右に像をずらした視界入力を受け付けることができるので、装用者の脳を2方向で刺激するようにして使用することができる。
(第6実施形態変形例1)
上記図14、図15に示す例では、プリズムレンズ11を、鉛直方向を回転軸として回転させる例を示したが、これは、鉛直方向を回転軸に限定するものではない。水平方向を回転軸として回転させてもよい。
図16(a)~図16(c)は、プリズムレンズ眼鏡1600の側面図を示す図である。図14(a)に示すプリズムレンズ眼鏡1400と異なり、フロント1402に対して垂直方向にネジ1411、1412が設けられたのに対して、本変形例では、フロント1602およびプリズムレンズ11に対して、水平方向にネジ1611が、接続される点が異なる。
図16(a)に示されるように、プリズムレンズ眼鏡1600は、フロント1602によりプリズムレンズ11が挟持される。プリズムレンズ11は、テンプル1603のフロント1602側の端部で、ネジ1621により、フロント1603に対して回動可能に接続されている。
図16(a)~図16(c)に示すように、左右のプリズムレンズ11は、それぞれフロント部1602に対して回動可能に接続されている。図16(a)は、回転前の状態を示し、図16(b)は、回転途中の状態を示し、図16(c)は回転後の状態を示している。なお、図16(c)が回転前、図16(a)が回転後であってもよく、図16(b)の回転の向きは逆であってもよい。なお、ノーズパッド1605は、プリズムレンズ11の回転を妨げないように構成されているに対して縦回転する。したがって、図16(a)に示すように、変形例1に係るプリズムレンズ眼鏡1600は、ベースアップ態様の眼鏡、並びに、図16(c)に示すようにベースダウン態様の眼鏡の双方の利用の仕方が可能となる。
なお、回転可能であれば、プリズムレンズ11の回転軸は、フロント部に対して斜め方向に設けられてもよい。
(第6実施形態変形例2)
上記第6実施形態および第6実施形態変形例1では、プリズムレンズ眼鏡のプリズムレンズの形として、円形のものを一例として示した。しかし、プリズムレンズ11が、プリズムレンズ眼鏡のフロントに対して回転可能になっていれば、その形状は、円形に限定するものではない。
図17は、プリズムレンズ11を円形ではなく、辺が湾曲した略長方形に構成したプリズムレンズ眼鏡1700を示している。
図17(a)は、プリズムレンズ眼鏡1700の斜視図である。図17(a)に示すように、プリズムレンズ眼鏡1700は、フロント1702及びプリズムレンズ11の形状が略長方形に構成されている。プリズムレンズ11は、フレームのフロント部1702の天頂部及び底部で、ネジ1711、1712により回動可能に接続されている。したがって、プリズムレンズ眼鏡1700のプリズムレンズ11は、図17(b)に示すように、フレームのフロント部1702に対して、横回転可能に構成されている。したがって、図14(b)と図14(d)とで示した場合と同様に、ベースレフトのプリズムレンズ眼鏡およびベースライトのプリズムレンズ眼鏡として機能するプリズムレンズ眼鏡1700を提供することができる。
一方、図17(c)は、プリズムレンズ11をフレームのフロント部1702の左右方向から、回動可能に接続した例を示している。図17(c)に示されるように、プリズムレンズ11は、フロントの外側(右外端部および左外端部)からねじ1721によりフロント1702に対して、水平に接続される。同様に、プリズムレンズ11は、フロントの内側(ブリッジ側)からねじ1722により、フロント1702に対して水平に接続される。ねじ1721とねじ1722の軸は、同一の軸である。したがって、同じ回動軸でプリズムレンズ11は、フロント部1702に対して回動する。ねじ1721、1722の形状およびフロント部1702への接続態様は、図15(a)に示す態様と同様である。
なお、図17(b)は、プリズムレンズ11を横回転させている例を示し、図17(c)は、プリズムレンズ11を縦回転させた例を示しているが、回転の方向は、図17(b)、図17(c)に示す矢印の方向とは逆方向であってもよい。
このように、プリズムレンズ11は、フレームに対して回転可能で、左右、上下で、プリズムレンズ11が嵌合すれば、どのような形であってもよい。即ち、横回転させる場合には、左右の形状が回転軸を中心に対象であり、縦回転させる場合には、上下の形状が回転軸を中心に対象となる形状であれば、プリズムレンズ11の外観はどのような形状でもよい。なお、プリズムレンズ11の厚みに関しては、一端から他端に向かってその厚みが厚く(薄く)なるようになっていればよい。したがって、円形以外の形状のプリズムレンズ11を有するプリズムレンズ眼鏡も提供することができ、装用者の眼鏡をファッションアイテムとして見た場合の満足感も充足させることができる。
(第6実施形態変形例3)
上記第6実施形態、変形例1、変形例2では、プリズムレンズ11をフレームのフロントに対して回転させることで、光の屈折方向を変更し、装用者の刺激される脳の部位を変更できる例を示した。本変形例3においては、装用者のプリズムレンズ眼鏡の使用態様を変更することで、ベースレフトのプリズムレンズ眼鏡を、ベースライトのプリズムレンズ眼鏡にすることができる例を説明する。
図18(a)は、本変形例3に係るプリズムレンズ眼鏡1800の外観を示す斜視図である。プリズムレンズ眼鏡1800は、図18に示す態様並びに、その天地を逆にした態様での使用も可能とする眼鏡である。そのために、図18(a)に示すように、プリズムレンズ眼鏡1800は、フロント部に接続するテンプル1803の先のモダン1804は、直線状に構成される。また、図18(b)は、プリズムレンズ眼鏡1800を装用者が使用する際に見る側、すなわち、プリズムレンズ眼鏡1800の背面図であるが、この図18(b)および図18(d)に示されるように、フロント部1802には、その上下方向にノーズパッド1805が設けられる。なお、プリズムレンズ眼鏡1800においても、これまでの実施形態や変形例に示すように、そして、図18(c)に示すように、一端から他端に向けて、その厚みが増す(減じる)プリズムレンズ11を用いる。なお、図18(a)に示すプリズムレンズ眼鏡1800において、プリズムレンズ11の厚みの増す方向は、左右方向でも上下方向でもよく、さらには、脳の刺激を与えたい領域によっては、斜め方向であってもよい。
図19は、ノーズパッドの他の例を示す図である。図19(a)は、一般的なノーズパッドを、上下方向に設けた例を示す図である。このような、態様であっても、プリズムレンズ眼鏡1800を、上下方向のいずれの方向でも、装用者の顔に固定することができる。
また、図19(b)~(d)は、ノーズパッド1905が、プリズムレンズ眼鏡1900フロント部1902を接続するブリッジ1901に対して、軸1906により、回動自在に設けられた例を示している。ノーズパッド1905は、図示されるように、左右に対象に一連の部材で構成され、その端部に装用者の鼻に接触するパッドが設けられている。そして、その中央部分で、軸1906により、ブリッジ1901に回動自在に接続される。
そして、図19(b)~図19(d)の変化に示されるように、プリズムレンズ眼鏡1900は、ノーズパッド1905を回転させることで、図19(b)の場合には、紙面下方を下側として使用することができ、図19(d)の場合には、紙面上方を下側として使用することができる。したがって、一対のノーズパッドのみで、上下方向の双方向での使用に耐えるプリズムレンズ眼鏡1900を提供することができる。
プリズムレンズ眼鏡1800やプリズムレンズ眼鏡1900を上下のどちらでも使用可能にする工夫としては、これらに限定するものではない。例えば、図18(a)に示すプリズムレンズ眼鏡1800のモダンをテンプルに対して曲げた状態で耳に掛けやすく構成する場合に、上下逆に使用した場合にも装用者の耳にかけることができるように、モダンをテンプルに対して回動可能に構成するように構成してもよい。また、あるいは、プリズムレンズ眼鏡1800のモダンをテンプルに対して曲げた状態で耳に掛けやすく構成する場合に、その上下のいずれの側からでも装用者の耳にかけることができるように、モダンをテンプルに対して上下に分離させた二股構造にしてもよい。
(第6実施形態変形例4)
上記第6実施形態、変形例1、変形例2では、プリズムレンズ11をフレームのフロントに対して、縦回転あるいは横回転させることで、視野をずらす方向を変える例を示した。本変形例4では、プリズムレンズ11を、フレームのフロントに沿って回転させる例を説明する。
図20(a)は、プリズムレンズ眼鏡2000の斜視図である。図20(a)に示されるように、プリズムレンズ眼鏡2000は、フレームと、上記実施形態に示したようにプリズムレンズ11を備える。フレームは、ブリッジ2001と、ブリッジ2001により接続され、プリズムレンズ11を挟持するフロント部2002(2002a、2002b)と、フロント部2002bから延伸するテンプル2003と、テンプルの先端に設けられるモダン2004と、フロント部2002に設けられ、装用者の鼻に接触してプリズムレンズ眼鏡を支持するノーズパッド2005と、を備える。
図20(b)は、プリズムレンズ11のフロント部2002を側面視した際の断面図である。プリズムレンズ11は、上記実施形態に示したように、入射する入射光を、同じ方向に向けて屈折させることにより、前記眼鏡を前記装用者が装用していない場合に対して前記装用者の眼に入力する視覚情報を変更することができるプリズムレンズであり、図20(b)に図示されるように、一端から他端に向けて、その厚みが増す(減じる)構成を有する。なお、図20(b)では、分かり易くするために、図面上部が最も厚みが有り、下側が最も厚みがない(薄い)部分になっている場合のプリズムレンズ11の例を示しているが、上述したように、プリズムレンズ11は、フロント部に対して回動可能に構成されていることから、その回動角により、厚みが最も厚くなる場所(方向)を適宜変更することができ、偏光方向を変更することができる。
図20(c)は、プリズムレンズ11のフロント部2002の分解斜視図である。図20(a)~図20(c)に示されるように、フロント部2002は、前側フロント部2002aと、後側フロント部2002bと、からなる。前側フロント部2002aは、後側フロント部2002bに対して、回動自在に構成されている。前側フロント部2002aは、折り返し部2010があり、折り返し部2010が後側フロント部2002bに設けられた溝に嵌合することで、後側フロント部2002bに対して回動可能になっている。
図20(c)に示されるように、フロント部2002は、いわゆる、ベゼル機構により、前側フロント部2002aが後側フロント部2002bに対して回動可能になるとともに、所定の角度で固定できるように構成されている。即ち、前側フロント部2002aは、フロント部2002の縁に沿って湾曲させた針金2011を備え、針金2011は、一部を山形に構成した突出部2102を有する。図20(c)、(d)に示されるように、後側フロント部2002bは、その外縁に沿って、内側に向かって突出する山を有する、湾曲型のラック2022を備える。突出部2102が、ラック2022の谷部と嵌合することで、前側フロント部2002aは、後側フロント部2002bに対して、回動しないように固定することができる。その一方で、針金2011は、人力で前側フロント部2002aを回した場合には、たわむ程度の柔軟性を有するので、人力を加えた場合には、前側フロント部2002aを回すことができる。なお、図20(c)においては、針金2011が、後側フロント部2002bのラック2022の各山と嵌合することが理解しやすいように、折り返し部2010は省略している。
なお、図20では、針金2011により回動を固定する構造を実現しているが、針金2011以外によって実現してもよい。例えば、前側フロント部2002aにもラックを設けて、前側フロント部2002aのラックの凸部(山)が、後側フロント部2002bのラック2022の凹部(谷)と嵌合することで、独りでに回動するのを防止することができる。このとき、一方のラックの山を、他方よりも浅く(低く)することで、人力での回動をよりやりやすく、即ち、より少ない力で回動させることができるようになる。また、一方のラックの山の頂点の位置を偏らせることで、前側フロント部2002aの回動方向を、時計回り、又は、反時計回りの一方向のみに限定する構造とすることもできる。また、ラックの山の感覚を調整することで、プリズムレンズ11が止まる位置、即ち、回動角を任意の角度に定めることができる。
図21は、プリズムレンズ11をフレームのフロント部2102に対して、フロント部に沿って回動させる例であって、プリズムレンズ11自体は図20と同様に円形ではあるものの、フレームを円形以外とした例を示す図である。
図21に示すように、フレームのフロント部2102は、略長方形とした例を示している。このような形状であっても、プリズムレンズ11自体は円形であるとともに、フレーム自体を円形以外の形状で構成することができ、装用者にとって満足のいく形態のプリズムレンズ眼鏡2100を使用することができる。
なお、本第6実施形態に係る各態様のプリズムレンズ眼鏡は、オーバーレンズ眼鏡として使用することができる。即ち、視力矯正用の眼鏡を装着している装用者が更にそのうえからプリズムレンズ眼鏡を装用する態様をとってもよい。そのために、眼鏡のテンプル部に、テンプル部が装用者側に付勢するように、バネ構造を採用する、即ち、いわゆるバネ蝶番フレームを用いることとしてもよい。
また、オーバーレンズ眼鏡として使用する場合には、プリズムレンズ眼鏡にはテンプルを設けず、例えば、図8に示すように、装用者の視力矯正用の眼鏡に取り付けられる取付部を有する構成としてもよい。また、例えば、クリップオンタイプの眼鏡として、プリズムレンズ眼鏡を構成することとしてもよい。
以上に示したように、第6実施形態に係る各態様のプリズムレンズ眼鏡によれば、その装用の仕方により、少なくとも2方向に入射光を偏光させることができるので、様々な方向で装用者の視野を刺激することで、装用者の脳の様々な個所に脳刺激を加えることができる。即ち、視空間の刺激は視空間座標における、自己と空間あるいは物体との時空的、空間的関係性を環境に合わせて適切に保つことを可能にする。また、視空間マッピングのニュートラリティーは、身体バランスのニュートラリティーでもある。そのため、意図的な視空間刺激は前庭覚や体性感覚に影響を与え、脳や脊髄を介したループに対して無意識で入力刺激を加えることができる。その結果、普段使用していない領域に脳刺激を加えることで、脳神経の活性化を図ったり、普段見えない視野を見えるようにしたり、見えてはいるものの意識していないために気づいていない領域を見える(気づく)ようにすることができる。そして、装用者が、一定時間以上、プリズムレンズ眼鏡を装用していることで、装用者の普段の姿勢に変化を与えたりすることができる。より具体的には、視空間マップ(視空間座標)を介して身体座標との適合を図ったり、脳神経の活性化を図ったり、普段活用されていない感覚を使い、視野の変化で認識しやすい視覚の発生を図ったりすることができる。また、実際には見えている情報であっても、視空間マッピングに対して入力された変化で見える領域とすることも可能である。また、見える空間の変化が作る錯視効果を利用した身体動作パターンは、装用者が一定時間以上、プリズムレンズ眼鏡を装用していることで、装用者の身体パターンに対して変化を与えたりすることができる、即ち、プリズムレンズ眼鏡を装用しなくなったとしても身体パターンに変化を与えることができる。これが感覚器を利用した脳への入力と身体に出力される刺激効果である。
1 プリズム眼鏡
10 フレーム
11 プリズムレンズ
11A ベースレフトプリズム
11B ベースライトプリズム
11C ベースダウンプリズム
11D ベースアッププリズム

Claims (11)

  1. 装用者の脳や身体に対して与える影響を調整するための眼鏡であって、
    フレームと、
    前記フレームに左右方向に並べて配置され、それぞれに入射する入射光を、同じ方向に向けて屈折させることにより、前記眼鏡を前記装用者が装用していない場合に対して前記装用者の眼に入力する視覚情報を変更する左右一対のプリズムレンズと、を備え、
    前記左右一対のプリズムレンズは、共に、その厚みが一端から他端に向けて一様に傾斜するレンズであり、
    前記フレームは、前記プリズムレンズを前記フレームに対して回動可能に保持する回動機構を備え、
    前記回動機構は、前記プリズムレンズの外周の一端と、前記プリズムレンズの前記一端の反対側に位置する外周の他端とを、保持し、前記プリズムレンズを、前記一端と前記他端とを結ぶ回転軸を中心に、前記フレームに対して回動させ、
    前記回転軸は、前記プリズムレンズ中を通る軸である
    眼鏡。
  2. 装用者の脳や身体に対して与える影響を調整するための眼鏡であって、
    フレームと、
    前記フレームに左右方向に並べて配置され、それぞれに入射する入射光を、同じ方向に向けて屈折させることにより、前記眼鏡を前記装用者が装用していない場合に対して前記装用者の眼に入力する視覚情報を変更する左右一対のプリズムレンズと、を備え、
    前記左右一対のプリズムレンズは、共に、その厚みが一端から他端に向けて一様に傾斜するレンズであり、
    前記フレームは、前記プリズムレンズを前記フレームに対して回動可能に保持する回動機構を備え、
    前記回動機構は、前記プリズムレンズの平坦面に対して垂直であり、かつ、前記フレームのフロント部の枠が成す平面に対して垂直な回転軸を中心に、前記プリズムレンズを回動させる
    眼鏡。
  3. 装用者の脳や身体に対して与える影響を調整するための眼鏡であって、
    フレームと、
    前記フレームに左右方向に並べて配置され、それぞれに入射する入射光を、同じ方向に向けて屈折させることにより、前記眼鏡を前記装用者が装用していない場合に対して前記装用者の眼に入力する視覚情報を変更する左右一対のプリズムレンズと、を備え、
    前記左右一対のプリズムレンズは、共に、その厚みが一端から他端に向けて一様に傾斜するレンズであり、
    前記フレームは、前記プリズムレンズを前記フレームに対して回動可能に保持する回動機構を備え、
    前記回動機構は、前記プリズムレンズの周縁部全体が、前記フレームのフロント部の枠に沿うように回動させ、
    前記プリズムレンズの平坦面に対して、前記回動機構の回転軸は垂直である
    眼鏡。
  4. 前記プリズムレンズの屈折角は、0.5°~20°であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の眼鏡。
  5. 前記左右一対のプリズムレンズにおける屈折角は、共に同一であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の眼鏡。
  6. 前記左右一対のプリズムレンズは、共に下方から上方に向けて厚みが厚くなることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の眼鏡。
  7. 前記左右一対のプリズムレンズは、共に上方から下方に向けて厚みが厚くなることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の眼鏡。
  8. 前記左右一対のプリズムレンズは、共に、装用者が使用する際に、装用者から見て右側から左側に向けて厚みが厚くなることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の眼鏡。
  9. 前記左右一対のプリズムレンズは、共に、装用者が使用する際に、装用者から見ての左側から右側に向けて厚みが厚くなることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の眼鏡。
  10. 前記回動機構は、回転ベゼルであることを特徴とする請求項に記載の眼鏡。
  11. フレームと、
    前記フレームに左右方向に並べて配置され、それぞれに入射する入射光を、同じ方向に向けて屈折させる一対のプリズムレンズと、を備えているプリズム眼鏡におけるレンズの選定方法であって、
    被験者に、歩行時における立脚中期の姿勢を維持させた状態で、眼球のみを上下左右に動作させ、眼球を動かしにくい方向である眼球の不動方向を特定する眼球の不動方向特定ステップと、
    前記眼球の不動方向特定ステップにおいて特定された眼球の不動方向に向けて、眼球の動きを促進するプリズムレンズを選択するレンズ選択ステップと、を実行するプリズム眼鏡におけるレンズの選定方法。
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