以下、本開示を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(位置通知システム)
2.第2の実施の形態(位置通知システム)
3.第3の実施の形態(盗難防止システム)
<1.第1の実施の形態>
<位置通知システム>
図1は、本技術を適用した信号送受信システムの一実施の形態である位置通知システムの主な構成例を示す図である。図1に示される位置通知システム100は、送信装置101が自身の位置を通知するシステムである。
送信装置101は、自身の位置を示す位置情報を、無線信号として送信する。高感度受信装置102は、その無線信号を受信して送信装置101の位置情報を取得し、その位置情報を、ネットワーク103を介してサーバ104に供給する。つまり、高感度受信装置102は、送信装置101から送信された情報を中継してサーバ104に伝送する中継局として機能する。サーバ104は、各送信装置101の位置情報を管理する。送信装置101の位置を知りたいユーザに操作される端末装置105は、ネットワーク103を介してサーバ104にアクセスし、サーバ104から送信装置101の位置情報を取得し、例えば地図データ等とともに表示する等して、ユーザに送信装置101の位置を通知する。
送信装置101は、例えば、ユーザが位置を把握したい対象者に携帯させる。図1の例では、高齢者111に送信装置101を携帯させている。送信装置101は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からGNSS信号を受信する等して、適宜、自身の位置情報(例えば、緯度および経度)を求めることができる。送信装置101は、適宜、その位置情報を無線信号として送信する。したがって、ユーザは、上述したように端末装置105を操作して、位置監視対象である高齢者111の位置を把握することができる。
なお、位置監視の対象者は、任意である。例えば、子供であってもよいし、犬や猫等の動物であってもよいし、企業の社員等であってもよい。送信装置101は、専用の装置として構成されるようにしてもよいが、例えば、携帯電話機やスマートフォンのような携帯型の情報処理装置に組み込むようにしてもよい。
高感度受信装置102の設置位置は任意である。例えば、ビル、マンション、家屋等の建造物112の屋根や屋上等でもよい。建造物112は、送信装置101を携帯する位置監視対象者(例えば高齢者111)が活動する可能性が高い都市部に数も多く、また、設置も容易であるので、好適である。特に、位置監視対象者の自宅は、その周辺に位置監視対象者が位置する可能性がより高く、好適である。また、設置場所の確保という面についても、この位置通知サービス提供事業者が独自に場所を確保して高感度受信装置102を設置する場合よりも、同意を得やすく容易である。
さらに、例えば、位置監視対象者(若しくはユーザ)が、高感度受信装置102を購入若しくは借用して設置することにより、この位置通知サービス提供事業者が独自に高感度受信装置102を設置する場合よりも、位置通知サービス提供事業者の負荷(コスト)を低減することができる。つまり、このようにすることにより、より低コストに、より多くの高感度受信装置102を設置することができる。
送信装置101が、いずれかの高感度受信装置102の通信可能範囲内に位置する状態において、サーバ104は、その送信装置101の位置を管理することができる。換言するに、送信装置101の位置が、いずれの高感度受信装置102の通信可能範囲からも外れると、サーバ104は、その位置を管理することができなくなる。したがって、高感度受信装置102の送信装置101との通信可能範囲網がより広範囲になる程、サーバ104は、送信装置101の位置をより正確に管理することができる。ここで、より正確な管理とは、より広範囲において送信装置101の位置を管理することを意味する。つまり、送信装置101の位置を管理可能な範囲をより広範囲とするためには、送信装置101と高感度受信装置102とがより遠くまで無線信号を送受信することができる程(各高感度受信装置102の通信可能範囲がより広い程)好ましい。また、各高感度受信装置102は、互いに異なる位置に設置されるので、高感度受信装置102の数が多い程好ましい。さらに、有用性を考慮すれば、送信装置101が位置する可能性がより高い領域を高感度受信装置102の通信可能範囲とすることが好ましい。
したがって、位置通知システム100としては、高感度受信装置102の数が多い程、提供可能なサービスの質が向上することになり、好ましい。つまり、より有用なシステムをより低コストに実現することができる。
なお、高感度受信装置102の設置場所は、この他にも例えば、自動車、バイク、自転車等の移動可能な物体(移動体とも称する)に設置するようにしてもよい。つまり、高感度受信装置102の位置が可変であってもよい。
ネットワーク103は、任意の通信網であり、有線通信の通信網であってもよいし、無線通信の通信網であってもよいし、それらの両方により構成されるようにしてもよい。また、ネットワーク103が、1の通信網により構成されるようにしてもよいし、複数の通信網により構成されるようにしてもよい。例えば、インターネット、公衆電話回線網、所謂3G回線や4G回線等の無線移動体用の広域通信網、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)規格に準拠した通信を行う無線通信網、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信の通信路、赤外線通信の通信路、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)やUSB(Universal Serial Bus)等の規格に準拠した有線通信の通信網等、任意の通信規格の通信網や通信路がネットワーク103に含まれるようにしてもよい。
サーバ104や端末装置105は、情報を処理する情報処理装置である。サーバ104や端末装置105は、ネットワーク103に通信可能に接続されており、このネットワーク103を介してネットワーク103に接続される他の通信装置と通信を行い、情報を授受することができる。
このような位置通知システム100において、送信装置101、高感度受信装置102、サーバ104、および端末装置105の数は任意であり、それぞれ、複数であってもよい。例えば、図2に示されるように、位置通知システム100が、互いに異なる位置に設置されている高感度受信装置102をN台(Nは任意の自然数)有するものとする(高感度受信装置102-1乃至高感度受信装置102-N)。
送信装置101が無線信号(位置情報)を送信するタイミングは任意である。例えば、送信装置101が、無線信号を、定期的に送信するようにしてもよいし、所定のイベント発生時(例えば、所定の距離移動した場合や、所定の時刻になった場合等)に送信するようにしてもよい。
この場合、送信装置101から送信された無線信号は、送信装置101の近くに位置する高感度受信装置102により受信される。送信装置101が高感度受信装置102-K(Kは、1≦K≦Nの整数)の通信可能範囲121内から無線信号を送信すると、高感度受信装置102-Kは、その無線信号を受信して、送信装置101の位置情報を取得し、その位置情報を、ネットワーク103を介してサーバ104に供給する(位置情報を中継する)。
例えば、高齢者111(送信装置101)が他の高感度受信装置102の通信可能範囲内に移動して、送信装置101が無線信号を送信すると、その高感度受信装置102が同様に位置情報を中継する。したがって、高齢者111(送信装置101)が、いずれかの高感度受信装置102の通信可能範囲内に位置する限り、ユーザは、高齢者111の位置を把握することができる。
サーバ104は、送信装置101の位置情報を管理する。送信装置101が複数存在する場合、サーバ104は、送信装置101毎にその位置情報を管理する。例えば、送信装置101は、位置情報とともに自身の識別情報(ID)を送信する。サーバ104は、その位置情報を送信装置101のIDと紐づけて記憶し、管理する。したがって、サーバ104は、ユーザ(端末装置105)から要求された送信装置101の位置情報のみを提供することができる。なお、サーバ104は、位置情報の提供を許可するユーザも送信装置101毎に管理することができる。つまり、サーバ104は、各送信装置101の位置情報を、その送信装置101の位置情報の取得が許可されたユーザに対してのみ提供することができる。
なお、サーバ104が、送信装置101の位置情報を、送信装置101のID以外の他の情報と紐づけて管理するようにしてもよい。例えば、サーバ104が、送信装置101の位置情報を時刻情報等と紐づけて記憶し、管理するようにしてもよい。このようにすることにより、サーバ104は、送信装置101の位置情報の履歴を管理し、提供することができる。
なお、その時刻情報は、送信装置101から送信されるようにしてもよい。例えば、送信装置101が、位置情報とともにGNSS信号に含まれる時刻情報を無線信号として送信するようにしてもよい。
また、送信装置101が送信する位置情報は、サーバ104において、送信装置101の位置を示す情報として管理することができる情報であればよく、その内容は任意である。例えば、送信装置101がGNSS信号から位置情報を求めずに、GNSS信号(若しくはGNSS信号に含まれる時刻情報)を送信するようにしてもよい。その場合、高感度受信装置102若しくはサーバ104等が、そのGNSS信号若しくは時刻情報を用いて、送信装置101の位置情報を求めるようにしてもよい。また、そのGNSS信号若しくは時刻情報を用いて、送信装置101の位置情報を求める情報処理装置(サーバ等)を別途設けるようにしてもよい。
また、例えば、送信装置101からの無線信号を受信する高感度受信装置102の設置位置に基づいて、送信装置101の位置が求められるようにしてもよい。例えば図2の場合、送信装置101は、高感度受信装置102の通信可能範囲121内に位置する。このような場合に、サーバ104が、高感度受信装置102-Kが中継したことをもって、送信装置101が高感度受信装置102-Kの通信可能範囲121内に位置すると推定し、その旨を位置情報として管理するようにしてもよい。つまり、この場合、送信装置101の位置は、高感度受信装置102の数(各高感度受信装置102の通信可能範囲の広さ)の粒度で管理される。この場合、送信装置101は、少なくとも、自身のIDを無線信号として送信すればよい。
また、例えば、高感度受信装置102が受信する無線信号の電波強度等から高感度受信装置102と送信装置101との距離を推定し、サーバ104が、その距離も位置情報として管理するようにしてもよい。つまり、サーバ104が、送信装置101がどの高感度受信装置102の通信可能範囲内に位置し、かつ、その高感度受信装置102と送信装置101との距離がいくつであるかを管理するようにしてもよい。この距離の推定は、高感度受信装置102において行われるようにしてもよいし、サーバ104において行われるようにしてもよいし、別途設けられた専用の情報処理装置(サーバ等)により行われるようにしてもよい。
また、例えば、送信装置101が、複数の高感度受信装置102の通信可能範囲が重畳する部分に位置する場合、すなわち、送信装置101が送信した無線信号が複数の高感度受信装置102により中継される場合、三角法等を用いて送信装置101の位置が推定されるようにしてもよい。この位置の推定は、例えば、サーバ104において行われるようにしてもよいし、別途設けられた専用の情報処理装置(サーバ等)により行われるようにしてもよい。
各高感度受信装置102は、任意の送信装置101の情報を中継することができるようにしてもよいし、自身に対応する送信装置101の情報のみを中継することができるようにしてもよい。例えば、ある送信装置101から送信される情報は、その送信装置101の所有者(若しくは管理者)が所有若しくは管理する高感度受信装置102のみが中継することができるようにしてもよい。この所有者(若しくは管理者)には、個人だけでなく事業者も含まれるようにしてもよい。このようにすることにより、高感度受信装置102を複数のユーザで共有することを避けることができ、例えば情報漏洩等の、通信の安全性の低減を抑制することができる。また、ユーザが支払う料金の金額に応じて、利用可能な高感度受信装置102の数が設定されるようにしてもよい。これにより、対価に応じて提供するサービスの質の差別化を図ることができる。
<送信装置>
次に、送信装置101について説明する。送信装置101と高感度受信装置102との間の無線信号の送受信の方法は任意であり、どのような通信規格に準拠するようにしてもよい。例えば、925MHzを含む周波数帯(920MHz帯とも称する)を用いて、長距離の通信が可能な方法で行われるようにしてもよい。
図3は、送信装置101の主な構成例を示す図である。図3に示される例の場合、送信装置101は、擬似乱数列生成部161、キャリア発振部162、乗算部163、バンドパスフィルタ(BPF(Band Pass Filter))164、増幅部165、およびアンテナ166を有する。
この送信装置101より送信される情報(送信情報)は、符号化されて擬似乱数列として送信される。擬似乱数列生成部161は、その擬似乱数列を生成する。擬似乱数列生成部161は、送信情報生成部171、CRC(Cyclic Redundancy Check)付加部172、同期信号発生部173、選択部174、フレームカウンタ175、レジスタ176、インタリーブ部177、Gold符号発生部178、および乗算部179を有する。
送信情報生成部171は、無線信号として送信する情報である送信情報TMを生成する。この送信情報TMは任意の情報である。例えば、送信情報生成部171が、全地球測位システム(GNSS(Global Navigation Satellite System))の人工衛星であるGNSS衛星からGNSS信号を受信し、そのGNSS信号を用いて送信装置101の現在位置を示す位置情報(例えば緯度経度等)を生成し、その位置情報を含む送信情報TMを生成するようにしてもよい。また、例えば、送信情報生成部171が、GNSS衛星から受信したGNSS信号(若しくはそのGNSS信号に含まれる時刻情報)を含む送信情報TMを生成するようにしてもよい。送信装置101は、送信情報TMを用いて送信信号TXを生成する。送信情報生成部171は、生成した送信情報TMをCRC付加部172に供給する。
CRC付加部172は、送信情報生成部171から供給される送信情報TMに、誤り検出用の巡回冗長検査符号(CRC)を付加する。この巡回冗長検査符号は、どのようなものであってもよく、そのデータ長も任意である。CRC付加部172は、巡回冗長検査符号が付加された送信信号TMを選択部174に供給する。同期信号発生部173は、所定の同期パタンを発生する。この同期パタンは、どのようなものであってもよく、そのデータ長も任意である。同期信号発生部173は、その同期パタンを選択部174に供給する。選択部174は、適宜入力を選択することにより、CRC付加部172から供給される巡回冗長検査符号が付加された送信情報TMに、同期信号発生部173から供給される同期パタンを付加する。選択部174は、その巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMを、レジスタ176に供給し保持させる。
送信装置101は、920MHz帯(例えば、920MHz乃至930MHzの周波数帯域)の無線電波を使って、送信信号TXを送信する。920MHz帯は、総務省により2011年7月から解禁された周波数帯であり、免許不要で誰でも使うことができる。但し、規定(ARIB(Association of Radio Industries and Businesses) STD T-108)により、最大連続送信時間が4秒間に制限されている。さらに連続送信時間を短くして、例えば0.2秒にすれば、より多くのチャネルが割り当てられ、混信が少ない状態で送受信を行うことができる。
そこで、送信装置101は、1回のデータ送信を、例えば、図4に示されるような所定時間のスーパーフレーム(Super Frame)の単位で行う。この所定時間の長さは任意である。例えば、30秒若しくは5分等としてもよい。この所定時間内に、0.192秒のフレームが最大で100回繰り返される。すなわち、連続送信時間0.2秒を下回っているので、この送信に多くの送信チャネルを割り当てることができる。この結果、比較的空いているチャネルを選択して送信することが可能となり、より混信に強いシステムを構築することができる。
なお、フレーム間のギャップxは、少なくとも2ms以上の時間である。日本国内で920MHz帯を利用する場合、信号送信の前にその帯域において通信が行われているかを確認するキャリアセンスを行わなければならない。そして、帯域が空いている場合のみ、信号を送信することができる。したがって、いつでも920MHzを利用することができるわけではない。したがって、ギャップxは、キャリアセンスの結果(即ちチャネルの混み具合)により毎回異なる可能性がある。30秒間を平均すると、およそ0.3秒に1回の割合でフレームが送信されるように構成されている。この結果、スーパーフレームの所定時間内に100フレームが送信される。送信できるフレーム数は、チャネルの混雑度合いにより若干変動する。100回のフレームで送信される信号は、任意であるが、同一フレームを繰り返し送信することにより、高感度受信装置102において、それらを積算することによりS/N比を向上させることができるため、より高感度な受信を可能にする。つまり、より長距離の通信が可能になる。
このように、同一フレームを繰り返し送信するために、レジスタ176は、選択部174から供給される、巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMを保持する。そして、レジスタ176は、保持している巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMを、所定回数繰り返し、インタリーブ部177に供給する。
その際、フレームカウンタ175は、巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMの送信を繰り返した回数、すなわち、レジスタ176に保持される、巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMが読み出された回数をカウントする。フレームカウンタ175は、このようなカウント値をレジスタ176に供給する。レジスタ176は、そのカウント値により供給回数を把握する。レジスタ176は、巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMの読み出しを所定回数(例えば、100回)繰り返すと、その巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMを破棄し、次に選択部174から供給される新たな巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMを取得し、保持する。
つまり、フレームカウンタ175は、スーパーフレーム内で送信されるフレームの最大数(図5の場合、100回)まで、巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMが読み出された回数をカウントする(例えば、フレームカウンタ175は、カウント値0からカウントを開始し、カウント値が99になるまでカウントする)。そして、カウント値が最大値(例えば99)に達すると、カウント値が初期値(例えば0)にリセットされる。
図5は、送信パケットのフレーム構成(Frame format)の例を示す模式図である。図5の上から1段目に示されるように、送信パケットは、2オクテットのプリアンブル(Preamble)、1オクテットのSFD(start-of-frame delimiter)、そして16オクテットのPSDU(PHY Service Data Unit)から構成される。ここでプリアンブルとSFDは固定のデータである。その値は任意である。プリアンブルは、例えば、「0011111101011001」というビット列としてもよい。またSFDは、例えば「00011100」というビット列としてもよい。
図5の上から2段目に示されるように、16オクテットのPSDUは、フレームコントロール(FC)、シーケンス番号(SN)、送受信機アドレス(ADR)、ペイロード(PAYLOAD)、およびフレームチェックシーケンス(FCS)により構成されている。
フレームコントロール(FC)は2オクテットのデジタル情報であり、フレームコントロールに続く情報の構成やビット数などを表す情報である。フレームコントロールは、任意の固定のビット列であり、例えば「0010000000100110」というビット列としてもよい。シーケンス番号(SN)は1オクテットのデジタル情報であり、新しいデータが伝送される度にカウントアップされる。このシーケンス番号をチェックすることにより、受信機側では新しいデータであるか否かを判断することができる。送受信機アドレス(ADR)は、4オクテットの情報であり、送信装置101を識別する送信装置アドレス番号(送信装置ID)を含む。ペイロード(PAYLOAD)は、4オクテットのデジタル情報であり、送信情報TMがそのままセットされる。つまり、ペイロード(PAYLOAD)は、送信情報生成部171により生成される。フレームチェックシーケンス(FCS)は、2オクテットの巡回冗長検査符号であり、通信データに誤りが発生したか否かをチェックするための情報である。このフレームチェックシーケンス(FCS)は、CRC付加部172により付加される。
ここで、プリアンブル(Preamble)乃至送受信機アドレス(ADR)までの情報は、同期パタン(SYNC)として、同期信号発生部173により生成される。この13オクテットの同期パタン(SYNC)は、選択部174により、フレームチェックシーケンス(FCS)が付加されたペイロード(PAYLOAD)、すなわち、6オクテットのUNDに付加される。
レジスタ176には、このような構成の送信パケットが、巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMとして保持される。
インタリーブ部177は、この巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMの同期パタンを分解し、図5の上から4段目に示されるように、その他の部分(UND)の間に分散させる。この分散は、同期パタンが、ほぼ均等にばらまかれるように行われる。
図5の例の場合、上から3段目に示されるように、同期パタン(SYNC)が13オクテットの情報であり、UNDが6オクテットの情報である。インタリーブ部177は、13オクテットの同期パタン(SYNC)を1オクテットずつ分解し、SYNC0乃至SYNC12とし、6オクテットのUNDを1オクテットずつ分解し、UND0乃至UND5とし、これらを図5の上から4段目に示されるような順(次のような順)に並び替えている。
SYNC0,SYNC1,UND0、SYNC2、SYNC3,UND1,・・・,UND5,SYNC12
このように、送信装置101が送信した信号を受信する高感度受信装置102にとって既知の同期パタン(SYNC)を、フレーム全体にばらまいて(分散させて)送信することにより、高感度受信装置102において、送信キャリアの周波数と初期位相推定を、短いフレーム毎により正確に行うことができるようになる。この結果、短い連続送信時間であっても、高感度受信装置102がより高感度に受信することができるようになる。すなわち、より長距離の通信が可能になる。
図5の上から5段目にその並び替えられた送信情報QDの例を示す。インタリーブ部177は、以上のように並び替えられた送信情報QDを、乗算部179に供給する。Gold符号発生部178は、送信情報QDに付加する疑似乱数列を発生する。この擬似乱数列は、どのようなものであってもよく、そのデータ長も任意である。例えば、Gold符号発生部178が、擬似乱数列として、長さ256ビットの所定のパタンのビット列を生成するようにしてもよい。例えば、Gold符号発生部178が、2つのM系列(Maximum Sequence)発生器で構成されるようにしてもよい。Gold符号発生部178は、発生した疑似乱数列を乗算部179に供給する。乗算部179は、インタリーブ部177から供給される送信情報QDと、Gold符号発生部178から供給される擬似乱数列とを乗算することにより擬似乱数列PNを生成する。
つまり、乗算部179は、送信情報QDの各ビットに対して擬似乱数列を割り当て、各送信パケットから、例えば38400ビット(152bit x 256chips)の擬似乱数列PNを生成する。その際、送信情報QDの、値が「0」のビット(QD=0)に対して割り当てられる擬似乱数列と、値が「1」のビット(QD=1)に対して割り当てられる擬似乱数列とは、各ビットの値が互いに反転している。つまり、例えば、乗算部179は、送信情報QDの値が「0」のビット(QD=0)に対して擬似乱数列を割り当て、送信情報QDの値が「1」のビット(QD=1)に対して各ビットの値を反転させた擬似乱数列を割り当てる。例えば、乗算部179は、図6の最下段に示されるように、送信情報QDの、値が「1」のビット(QD=1)に対して擬似乱数列「1101000110100......1001」を割り当て、値が「0」のビット(QD=0)に対して擬似乱数列「0010111001011......0110」を割り当てる。
この擬似乱数列PNにおいて、拡散係数は256であり、チップ間隔Δは5μsである。乗算部179は、以上のように生成した擬似乱数列PNを乗算部163に供給する。
キャリア発振部162は、所定の周波数(キャリア周波数)で発振し、無線信号の伝送に用いるキャリア信号を生成する。例えば、キャリア発振部162は、送信信号を920MHz帯で送信するように、中心周波数925MHzで発信する。キャリア発振部162は、生成したキャリア信号を乗算部163に供給する。乗算部163は、乗算部179から供給される擬似乱数列PNに応じて、キャリア発振部162から供給されるキャリア信号の極性を変調する。例えば、乗算部163は、BPSK変調を行う。例えば、擬似乱数列PNが「1」の場合、キャリアの位相がπとなるように変調され、擬似乱数列PNが「0」の場合、キャリアの位相が-π(極性反転)となるように変調される。乗算部163は、その変調結果を変調信号CMとしてBPF164に供給する。BPF164は、乗算部163から供給される変調信号CMの帯域をキャリア周波数の帯域に制限する。BPF164は、このように帯域制限された変調信号CMを送信信号TXとして増幅部165に供給する。増幅部165は、所定の送信タイミングにおいて、BPF164から供給された送信信号TXを増幅し、増幅した送信信号TXを、無線信号として、アンテナ166を介して送信する。
<高感度受信装置>
次に、高感度受信装置102について説明する。図6は、高感度受信装置102の主な構成例を示す図である。図6に示されるように、高感度受信装置102は、アンテナ201、信号処理部202、情報処理部203、並びにバス204を有する。信号処理部202と情報処理部203とは、バス204を介して互いに接続されている。
信号処理部202は、アンテナ201において受信された無線信号である受信信号から、送信装置101から送信された信号(つまり、送信信号TXに相当する信号)を抽出する信号処理を行う。信号処理部202は、SAWフィルタ211、低ノイズ増幅部(LNA(Low-noise amplifier))212、発振部221、分周部222、IQジェネレータ223、乗算部231、ローパスフィルタ(LPF(Low-Pass Filter))232、AAF(Anti-Aliasing Filter)233、ADC(Analog Digital Converter)234、乗算部241、LPF242、AAF243、およびADC244を有する。
SAWフィルタ211は、アンテナ201から供給される受信信号に対して、伝送帯域の信号成分を通過し、その他の帯域の成分を遮断するフィルタ処理を行う。この伝送帯域は、送信装置101からの無線信号の伝送に利用された帯域であり、例えば、上述の920MHz帯か、若しくは、その周波数帯域を含むより広い周波数帯域である。SAWフィルタ211は、その伝送帯域の信号を通過させるようにフィルタ処理を行う。SAWフィルタ211は、その抽出した信号成分をLNA212に供給する。LNA212は、供給された受信信号(SAWフィルタ211により抽出された信号成分)を増幅し、乗算部231および乗算部241に供給する。
発振部221は、制御部251の制御に従って、所定の周波数で発振し、その周波数の発振信号を分周部222に供給する。分周部222は、制御部251の制御に従って、発振部221から供給される発振信号を分周する。分周部222は、分周した発振信号をIQジェネレータ223に供給する。IQジェネレータ223は、分周部222から供給される発振信号を用いて、IとQのそれぞれに対する発振信号を生成する。すなわち、IQジェネレータ223は、信号の位相を制御し、互いに90度位相がずれた2つの発振信号を生成する。IQジェネレータ223は、生成したI用の発振信号を乗算部231に供給し、Q用の発振信号を乗算部241に供給する。
乗算部231は、LNA212から供給される受信信号と、IQジェネレータ223から供給される発振信号とを乗算し、ベースバンドのInPhase信号(I信号)を生成する。乗算部231は、そのI信号をLPF232に供給する。LPF232は、供給されたI信号に対してローパスフィルタ処理を行うことにより、所定の遮断周波数よりも低周波成分を抽出する。LPF232は、そのフィルタ処理結果のI信号をAAF233に供給する。AAF233は、供給されたI信号に対して、エイリアシング(折り返し誤差)を抑制するようにフィルタ処理を行う。例えば、AAF233は、供給されたI信号に対して、所定の遮断周波数よりも低周波成分を通過させるようにローパスフィルタ処理を行う。AAF233は、そのフィルタ処理結果のI信号をADC234に供給する。ADC234は、供給されたI信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する(A/D変換する)。ADC234は、デジタル信号のI信号を、バス204を介して情報処理部203(例えば、復調部254等)に供給する。
また、乗算部241は、LNA212から供給される受信信号と、IQジェネレータ223から供給される発振信号とを乗算し、ベースバンドのQuadrature信号(Q信号)を生成する。乗算部241は、そのQ信号をLPF242に供給する。LPF242は、供給されたQ信号に対してローパスフィルタ処理を行う。LPF242は、そのフィルタ処理結果のQ信号をAAF243に供給する。AAF243は、供給されたQ信号に対して、エイリアシングを抑制するようにフィルタ処理を行う。AAF243は、そのフィルタ処理結果のQ信号をADC244に供給する。ADC244は、供給されたQ信号をA/D変換し、得られたデジタル信号のQ信号を、バス204を介して情報処理部203(例えば、復調部254等)に供給する。
つまり、信号処理部202は、制御部251に制御されて、アンテナ201において受信された受信信号に対する信号処理を行い、I信号とQ信号とを生成し、それを情報処理部203に供給する。
情報処理部203は、信号処理部202から供給されるI信号およびQ信号に対する情報処理に関する処理を行う。図6に示されるように、情報処理部203は、バス250、制御部251、メモリ252、利得設定部253、復調部254、および通信部255を有する。
制御部251乃至通信部255の各処理部は、バス250を介して互いに接続されており、情報の授受を行うことができる。また、このバス250には、バス204も接続されている。したがって、情報処理部203の各処理部は、信号処理部202の各処理部とも情報の授受を行うことができる。
制御部251は、メモリ252乃至通信部255の各処理部の制御に関する処理を行う。また、制御部251は、信号処理部202の各処理部の制御に関する処理も行う。メモリ252は、例えば、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の半導体メモリや、ハードディスク等の磁気記録媒体等の、書き込み(書き換え)可能な任意の記録媒体(記憶媒体)を有する。メモリ252は、その記録媒体(記憶媒体)により、例えば、制御部251、並びに、利得設定部253乃至通信部255のいずれかから供給される各種情報(プログラムやデータ等)を記憶する。また、メモリ252は、自身が記憶している情報を、例えば、制御部251、並びに、利得設定部253乃至通信部255等に供給することもできる。また、メモリ252は、信号処理部202からバス204を介して供給される情報を記憶することもできるし、記憶している情報を、バス204を介して信号処理部202に供給することもできる。
利得設定部253は、信号処理部202の利得の設定に関する処理を行う。例えば利得設定部253は、バス250およびバス204を介して、LNA212の利得を設定する。
復調部254は、信号処理部202から供給されるI信号およびQ信号の復調等に関する処理を行う。例えば、復調部254は、I信号およびQ信号を復調し、送信装置101から送信された情報(受信データ)を得る。通信部255は、他の装置との通信に関する処理を行う。例えば、通信部255は、ネットワーク103を介して、サーバ104等の他の装置と情報の授受を行う。例えば、通信部255は、復調部254において得られた受信データを、他ネットワーク103を介してサーバ104に送信する。
信号処理部202が受信信号を処理することにより、その受信信号は、例えば、図7に示されるような波形として検出される。復調部254は、このような波形からピーク位置等に基づいて、フレームデータを抽出し、周波数や初期位相等の補正を行う。図8の上段は、フレーム中での位相変化の例を示している。図8においては、フレーム5(Frame5)乃至フレーム8(Frame8)を抽出して表示しているが、それぞれ微妙に位相と周波数が変化している。復調部254は、このように揺らいでいる位相に対して、図8の下段に示されるように、位相変化を最もよく近似する直線を求め、相関値β2(n)を求める。図8の下段において、それぞれの直線の傾きがγ(n)に相当し、初期位相がθ(n)に相当している。また相関値β2(n)は、位相揺らぎと近似直線との相関に応じて変化している。復調部254は、このような相関値β2(n)を重み係数として用いてフレームデータの加算を行う。
以上のようにして復号した結果のコンスタレーションの例を図9に示す。図9に示されるように、BPSK変調として、2つの点が分離されていることから、この場合、正しくデータが復号されている。復調部254は、これをBPSK復調して受信情報を得る。
以上に説明したように、送信装置101は、最大連続送信時間短く設定することができ、例えば920MHz帯で0.2秒と設定することにより、沢山の周波数チャネルから選択して送信することができるので、混信に対してより強い送受信システムを構築することができる。また、短い時間のフレームを多数積算することにより、電波法に定められた最大送信時間の制限を超えずに、実効的なSNRを向上させることができる。このとき、同期信号がフレーム全体に分散されているので、フレーム中に位相揺らぎがあった場合においても、より適切に位相と周波数の補正を行うことができる。これらの結果、例えば、ノイズに埋もれてしまい従来の方法では復号することが困難な程微弱な受信信号であっても、高感度受信装置102は、より正確に受信情報を得ることができる。つまり、高感度受信装置102は、送信装置101が送信した無線信号をより高感度に受信することができ、送信装置101との通信可能範囲をより広くすることができる。
<発呼状況と利得制御>
高感度受信装置102の利得の適切な値は、受信信号の信号レベルの大きさ、すなわち、送信装置101の発呼状況(無線信号送信の状況)により異なる。例えば図10のAのように、少数の送信装置101が高感度受信装置102から遠く離れた位置から送信を行う場合、高感度受信装置102の受信信号の信号レベルが小さいので、利得が高くても受信信号に歪み等が生じず、信号処理や復調を正しく行うことができる。
これに対して、例えば図10のBのように、多数の送信装置101(送信装置101-1乃至送信装置101-8)が、高感度受信装置102に近い位置から送信を行う場合、高感度受信装置102の受信信号の信号レベルが大きく、利得が高過ぎて受信信号に歪みが生じてしまい、信号処理や復調を正しく行うことができないおそれがあった。つまり、受信率が低減するおそれがあった。
そこで、図10のBの状態に適切な高さとなるように利得を下げると、図10のAの例のような場合に、利得が低すぎて受信信号の信号レベルが十分に増大せず、信号処理や復調を正しく行うことができないおそれがあった。つまり、受信率が低減するおそれがあった。
そこで、無線信号を送信する送信装置の発呼状況(すなわち、無線信号の送信状況)に応じて、無線信号を受信する際の利得を制御するようにする。
<受信処理の流れ>
高感度受信装置102により信号を受信する際に実行される受信処理の流れの例を、図11のフローチャートを参照して説明する。
受信処理が開始されると、高感度受信装置102の情報処理部203は、ステップS101において、発呼状況に応じて信号処理部202(LNA212)の利得を設定する。
ステップS102において、信号処理部202は、ステップS101において設定された利得で無線信号の受信を行い、受信信号に対する信号処理を行い、I信号とQ信号とを生成する。
ステップS103において、復調部254は、ステップS102の処理により得られた受信信号のI信号とQ信号とを復調し、受信データを得る。
ステップS104において、通信部255は、ステップS103の処理により得られた受信データを、例えばネットワーク103を介してサーバ104等の他の装置に送信する。
ステップS104の処理が終了すると、受信処理が終了する。以上のような受信処理を行うことにより、高感度受信装置102は、発呼状況に応じて利得を制御することができるので、受信信号に歪みが発生するのを抑制することができる。したがって、各高感度受信装置102が、受信信号の復調を正しく行うことができる可能性が高くなり、位置通知システム100全体の受信率を向上させることができる。
なお、高感度受信装置102が、このような受信処理を定期的若しくは不定期に繰り返し実行するようにしてもよい。
<利得設定処理の流れ>
上述した発呼状況を示す情報は、どのような情報であってもよい。例えば、高感度受信装置102が受信する受信信号の信号レベル(受信電力とも称する)の大きさによって発呼状況を示すようにしてもよい。
その場合の、図11のステップS101において実行される利得設定処理の流れの例を、図12のフローチャートを参照して説明する。
利得設定処理が開始されると、情報処理部203の利得設定部253は、ステップS121において、信号処理部202(LNA212)の利得を初期値に設定する。この初期値は、具体的にはどのような値であってもよいが、比較的大きな値としてもよい。例えば、この初期値は、図10のAの場合のような、少数(単数でもよい)の送信装置101が高感度受信装置102から遠く離れた位置から無線信号を送信した場合に適切な値としてもよい。なお、この初期値は予め定められた固定値であってもよいし、その都度設定される値であってもよい(つまり可変であってもよい)。
信号処理部202(LNA212)の利得が初期値に設定されると、ステップS122において、制御部251は、信号処理部202を制御して、その初期値の利得で受信を行わせる。
ステップS123において、制御部251は、信号処理部202(LNA212)を制御して、受信電力を測定する。
ステップS124において、利得設定部253は、ステップS123において測定された受信電力が閾値よりも大きいか否かを判定する。この閾値は固定値であってもよいし、通信環境等に応じて設定されるようにしてもよい(つまり可変であってもよい)。
受信電力が閾値よりも大きいと判定された場合、処理はステップS125に進む。この場合、受信電力が大きく、受信信号が歪む可能性が高いので、ステップS125において、利得設定部253は、信号処理部202(LNA212)の利得を、歪み重視の値に設定する。つまり、利得設定部253は、信号処理部202(LNA212)の利得を低減させ、初期値よりも小さな値に設定する。ステップS125の処理が終了すると、利得設定処理が終了し、処理は図11に戻る。
また、ステップS124において、受信電力が閾値以下であると判定された場合、処理はステップS126に進む。この場合、受信電力が大きくなく、受信信号が歪む可能性が低いので、ステップS126において、利得設定部253は、信号処理部202(LNA212)の利得を初期値に設定する。つまり、利得設定部253は、信号処理部202(LNA212)の利得を低減させずに、初期値のままとする。ステップS126の処理が終了すると、利得設定処理が終了し、処理は図11に戻る。
このように利得設定処理を行うことにより、情報処理部203は、受信電力の大きさに基づいて、発呼状況に応じた利得の制御を行うことができる。
例えば、図10のBのように多数の送信装置101が高感度受信装置102の近距離から信号を送信するような場合、受信電力が大きく受信信号に歪みが発生する可能性が高いので、情報処理部203は、利得を低減させる。これにより、高感度受信装置102は、遠距離の送信装置101からの信号を受信することは困難になるが、近距離の多数の送信装置101からの信号をより確実に受信することができるようになる。
また、例えば、図10のAのように少数の送信装置101が高感度受信装置102の遠距離から信号を送信するような場合、受信電力が小さく受信信号に歪みが発生する可能性が低いので、情報処理部203は、利得を増大させる(若しくは低減させないようにする)。これにより、高感度受信装置102は、遠距離の送信装置101からの信号をより確実に受信することができるようになる。
以上のように、発呼状況に応じた利得の制御を行うことにより、高感度受信装置102は、より多様な発呼状況において、信号をより正しく受信することができる。したがって、位置通知システム100全体の受信率を向上させることができる。
なお、以上においては、利得の初期値を比較的大きな値に設定し、受信電力が大きい場合に利得を低減させるように説明したが、これに限らず、例えば、利得の初期値を比較的小さな値に設定し、受信電力が小さい場合に利得を増大させるようにしてもよい。
<利得設定処理の流れ>
また、例えば、高感度受信装置102が受信する無線信号のスペクトラムを解析して求められる単位時間当たりの発呼数である発呼率を求めるようにし、この発呼率の高さによって、発呼状況を示すようにしてもよい。
その場合の、図11のステップS101において実行される利得設定処理の流れの例を、図13のフローチャートを参照して説明する。
ステップS141およびステップS142の各処理は、図12のステップS121およびステップS122の各処理と同様に実行される。
ステップS143において、利得設定部253は、信号処理部202において得られた受信信号のI信号およびQ信号に対してフーリエ変換等の処理を行い、スペクトラム(受信スペクトラム)を得る。そして、利得設定部253は、その受信スペクトラムをモニタリングし、時間当たりの信号の送信回数(発呼数)である発呼率を求める。つまり、利得設定部253は、各時刻の受信スペクトラムから、受信信号の部分を検出し、発呼率を求める。
ステップS144において、利得設定部253は、ステップS143において求められた発呼率が閾値を超えているか否かを判定する。この閾値は固定値であってもよいし、通信環境等に応じて設定されるようにしてもよい(つまり可変であってもよい)。
発呼率が閾値を超えていると判定された場合、処理はステップS145に進む。この場合、発呼率が高いので(すなわち、信号の送信の頻度が多いので)、受信信号の信号レベルが大きくなり易く、受信信号が歪む可能性が高い。そこで、ステップS145において、利得設定部253は、信号処理部202(LNA212)の利得を、歪み重視の値に設定する。つまり、利得設定部253は、信号処理部202(LNA212)の利得を低減させ、初期値よりも小さな値に設定する。ステップS145の処理が終了すると、利得設定処理が終了し、処理は図11に戻る。
また、ステップS144において、発呼率が閾値を超えていないと判定された場合、処理はステップS146に進む。この場合、発呼率が低いので(すなわち、信号の送信の頻度が少ないので)、受信信号の信号レベルが大きくなり難く、受信信号が歪む可能性が低い。そこで、ステップS146において、利得設定部253は、信号処理部202(LNA212)の利得を初期値に設定する。つまり、利得設定部253は、信号処理部202(LNA212)の利得を低減させずに、初期値のままとする。ステップS146の処理が終了すると、利得設定処理が終了し、処理は図11に戻る。
このように利得設定処理を行うことにより、情報処理部203は、発呼率の高さに基づいて、発呼状況に応じた利得の制御を行うことができる。
例えば、図10のBのように多数の送信装置101が信号を送信する場合、発呼率が高く、受信信号に歪みが発生する可能性が高いので、情報処理部203は、利得を低減させる。これにより、高感度受信装置102は、遠距離の送信装置101からの信号を受信することは困難になるが、近距離の多数の送信装置101からの信号をより確実に受信することができるようになる。
また、例えば、図10のAのように少数の送信装置101が信号を送信する場合、発呼率が低く受信信号に歪みが発生する可能性が低いので、情報処理部203は、利得を増大させる(若しくは低減させないようにする)。これにより、高感度受信装置102は、遠距離の送信装置101からの信号をより確実に受信することができるようになる。
以上のように、発呼状況に応じた利得の制御を行うことにより、高感度受信装置102は、より多様な発呼状況において、信号をより正しく受信することができる。したがって、位置通知システム100全体の受信率を向上させることができる。
なお、以上においては、利得の初期値を比較的大きな値に設定し、発呼率が高い場合に利得を低減させるように説明したが、これに限らず、例えば、利得の初期値を比較的小さな値に設定し、発呼率が低い場合に利得を増大させるようにしてもよい。
<利得設定処理の流れ>
また、例えば、高感度受信装置102が受信する受信信号を復調して受信データを解析し、当該位置通知システム100の送信装置101の数を数えるようにし、この送信装置101の数によって、発呼状況を示すようにしてもよい。
その場合の、図11のステップS101において実行される利得設定処理の流れの例を、図14のフローチャートを参照して説明する。
ステップS161およびステップS162の各処理は、図12のステップS121およびステップS122の各処理と同様に実行される。
ステップS163において、復調部254は、信号処理部202において得られた受信信号のI信号およびQ信号を復調し、同期検波等を行って受信データを得る。利得設定部253は、復調部254において得られた受信データを解析して、信号を送信した、当該位置通知システム100に属する送信装置101の数をカウントする。つまり、この場合、位置通知システム100に所属しない通信装置から送信された信号は無視される(数に含められない)。
ステップS164において、利得設定部253は、ステップS163において求められた送信装置101の数が閾値より多いか否かを判定する。この閾値は固定値であってもよいし、通信環境等に応じて設定されるようにしてもよい(つまり可変であってもよい)。
送信装置101の数が閾値より多いと判定された場合、処理はステップS165に進む。この場合、送信装置101の数が多いので受信信号の信号レベルが大きくなり易く、受信信号が歪む可能性が高い。そこで、ステップS165において、利得設定部253は、信号処理部202(LNA212)の利得を、歪み重視の値に設定する。つまり、利得設定部253は、信号処理部202(LNA212)の利得を低減させ、初期値よりも小さな値に設定する。ステップS165の処理が終了すると、利得設定処理が終了し、処理は図11に戻る。
また、ステップS164において、送信装置101の数が閾値より多くないと判定された場合、処理はステップS166に進む。この場合、送信装置101の数が少ないので、受信信号の信号レベルが大きくなり難く、受信信号が歪む可能性が低い。そこで、ステップS166において、利得設定部253は、信号処理部202(LNA212)の利得を初期値に設定する。つまり、利得設定部253は、信号処理部202(LNA212)の利得を低減させずに、初期値のままとする。ステップS166の処理が終了すると、利得設定処理が終了し、処理は図11に戻る。
このように利得設定処理を行うことにより、情報処理部203は、送信装置101の数に基づいて、発呼状況に応じた利得の制御を行うことができる。
例えば、図10のBのように多数の送信装置101が信号を送信する場合、受信信号に歪みが発生する可能性が高いので、情報処理部203は、利得を低減させる。これにより、高感度受信装置102は、遠距離の送信装置101からの信号を受信することは困難になるが、近距離の多数の送信装置101からの信号をより確実に受信することができるようになる。
また、例えば、図10のAのように少数の送信装置101が信号を送信する場合、受信信号に歪みが発生する可能性が低いので、情報処理部203は、利得を増大させる(若しくは低減させないようにする)。これにより、高感度受信装置102は、遠距離の送信装置101からの信号をより確実に受信することができるようになる。
以上のように、発呼状況に応じた利得の制御を行うことにより、高感度受信装置102は、より多様な発呼状況において、信号をより正しく受信することができる。したがって、位置通知システム100全体の受信率を向上させることができる。
なお、以上においては、利得の初期値を比較的大きな値に設定し、送信装置101の数が多い場合に利得を低減させるように説明したが、これに限らず、例えば、利得の初期値を比較的小さな値に設定し、送信装置101の数が少ない場合に利得を増大させるようにしてもよい。
<2.第2の実施の形態>
<受信装置の位置と利得制御>
第1の実施の形態において説明したように、位置通知システム100は、送信装置101から送信される無線信号を高感度受信装置102において受信する。つまり、高感度受信装置102が無線信号を受信可能な送信装置101の範囲が広いほど、この位置通知システム100が提供する位置通知サービスの利便性が向上する。
したがって、例えば、図15のAのように、高感度受信装置102が1台のみ設置されている場合、その1台の高感度受信装置102が全ての送信装置101から送信される無線信号を受信しなければならず、高感度受信装置102から遠く離れた位置の送信装置101から送信された無線信号も受信することができるようにしなければならない。
これに対して、例えば、図15のBのように、高感度受信装置102が複数設置されている場合、送信装置101から送信された無線信号はいずれかの高感度受信装置102において受信することができればよい。つまり、図15のAの場合に比べて各高感度受信装置102がカバーしなければならない範囲が狭くてもよい。
つまり、高感度受信装置102が疎である程、各高感度受信装置102が受信可能な範囲(高感度受信装置102が受信可能な無線信号の送信元となる送信装置101の位置の範囲)をより広くしなければならない。換言するに、高感度受信装置102が疎である程、信号処理部202(LNA212)の利得を高くしなければならない。
逆に、高感度受信装置102が密である程、各高感度受信装置102が受信可能な範囲を狭くすることができる。換言するに、高感度受信装置102が密である程、信号処理部202(LNA212)の利得を低くすることができる。
そこで、無線信号を受信する受信装置同士の位置関係に応じて、受信装置の利得を制御するようにしてもよい。
<高感度受信装置>
この場合の高感度受信装置102の主な構成例を図16に示す。図16に示されるように、この場合、情報処理部203は、図6を参照して説明した構成に加え、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部291およびアンテナ292をさらに有する。
GNSS受信部291は、アンテナ292を介してGNSS衛星からGNSS信号を受信する。GNSS受信部291は、その受信したGNSS信号を用いてその高感度受信装置102の現在位置を示す位置情報(例えば緯度経度等)を生成する。この位置情報は、適宜、メモリ252に格納されたり、利得設定部253や通信部255に供給されたりする。例えば、通信部255は、GNSS受信部291から供給された位置情報を、ネットワーク103を介してサーバ104等の他の装置に供給する。
<サーバ>
また、この場合のサーバ104の主な構成例を図17に示す。図17に示されるように、サーバ104は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、バス304、入出力インタフェース310、入力部311、出力部312、記憶部313、通信部314、およびドライブ315を有する。
CPU301、ROM302、およびRAM303は、バス304を介して相互に接続されている。バス304にはまた、入出力インタフェース310も接続されている。入出力インタフェース310には、入力部311乃至ドライブ315が接続されている。
入力部311は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、イメージセンサ、マイクロホン、スイッチ、入力端子等の任意の入力デバイスを有する。出力部312は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、出力端子等の任意の出力デバイスを有する。記憶部313は、例えば、ハードディスク、RAMディスク、SSD(Solid State Drive)やUSB(Universal Serial Bus)メモリ等のような不揮発性のメモリ等、任意の記憶媒体を有する。通信部314は、例えば、イーサネット(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、IrDA等の、有線若しくは無線、または両方の、任意の通信規格の通信インタフェースを有する。ドライブ315は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等の任意の記憶媒体を有するリムーバブルメディア321を駆動する。
以上のように構成されるサーバ104では、CPU301が、例えば、ROM302や記憶部313に記憶されているプログラムを、RAM303にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。RAM303にはまた、CPU301が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
また、サーバ104(CPU301)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア321に記録して適用することができる。その場合、プログラムは、リムーバブルメディア321をドライブ315に装着することにより、入出力インタフェース310を介して、記憶部313にインストールすることができる。
また、このプログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することもできる。その場合、プログラムは、通信部314で受信し、記憶部313にインストールすることができる。
その他、このプログラムは、ROM302や記憶部313に、あらかじめインストールしておくこともできる。
<機能ブロック>
図18は、このサーバ104により実現される機能の例を示す機能ブロック図である。つまり、サーバ104は、例えばプログラムを実行する等により、位置情報取得部331、位置情報記憶部332、受信装置分布解析部333、利得設定部334、および利得設定情報供給部335等の機能ブロックにより示される機能を実現することができる。
位置情報取得部331は、高感度受信装置102の位置情報の取得に関する処理を行う。位置情報記憶部332は、位置情報取得部331により取得された高感度受信装置102の位置情報を所定の記憶媒体(例えばRAM303、記憶部313、またはリムーバブルメディア321等)に記憶させる等の、位置情報の記憶に関する処理を行う。また、位置情報記憶部332は、その記憶媒体に記憶している高感度受信装置102の位置情報を読み出し、所定の処理部や他の装置等に供給する等の、位置情報の読み出しや提供に関する処理も行う。
受信装置分布解析部333は、高感度受信装置102の分布の解析に関する処理を行う。利得設定部334は、高感度受信装置102(信号処理部202)利得の設定に関する処理を行う。利得設定情報供給部335は、利得設定部334により設定された利得を示す利得設定情報の供給に関する処理を行う。
<利得設定処理の流れ>
次に、図19のフローチャートを参照して、この場合に、高感度受信装置102により、図11のステップS101において実行される利得設定処理の流れの例を説明する。なお、高感度受信装置102において実行される受信処理は、この場合も、第1の実施の形態の場合(図11)と同様に実行される。
利得設定処理が開始されると、GNSS受信部291は、ステップS201において、アンテナ292を介してGNSS信号を受信する。ステップS202において、GNSS受信部291は、ステップS201において受信されたGNSS信号から当該高感度受信装置102の位置情報を求める。この位置情報の仕様は任意である。つまり、この位置情報は、当該高感度受信装置102の位置を示すものであればどのような内容の情報であってもよい。
ステップS203において、通信部255は、ステップS202において得られた当該高感度受信装置102の位置情報を、ネットワーク103を介してサーバ104に供給する。サーバ104の処理については後述するが、サーバ104は、その位置情報を用いて当該高感度受信装置102の利得を設定し、その利得を示す利得設定情報を供給する。
ステップS204において、通信部255は、そのサーバ104から供給される利得設定情報を取得する。通信部255は、取得した利得設定情報を利得設定部253に供給する。
ステップS205において、利得設定部253は、ステップS204において取得された利得設定情報に基づいて、信号処理部202(LNA212)の利得を設定する。
ステップS205の処理が終了すると利得設定処理が終了する。
<利得設定処理の流れ>
次に、図20のフローチャートを参照して、この場合に、サーバ104において実行される利得設定処理の流れの例を説明する。サーバ104は、各高感度受信装置102において実行される上述の利得設定処理(図19)に対応して、この利得設定処理を行うことにより、高感度受信装置102同士の位置関係に応じて、各高感度受信装置102の利得を制御(設定)する。
つまり、利得設定処理が開始されると、位置情報取得部331は、ステップS211において、高感度受信装置102から供給される位置情報を取得する。
ステップS212において、位置情報記憶部332は、ステップS211において取得された位置情報を記憶する。このようにステップS211およびステップS212の処理を繰り返し実行することにより、各高感度受信装置102の位置情報を取得して記憶する。
ステップS213において、受信装置分布解析部333は、位置情報記憶部332により記憶媒体に記憶された各高感度受信装置102の位置情報に基づいて、高感度受信装置102の分布状況を解析する。換言するに、受信装置分布解析部333は、高感度受信装置102同士の位置関係を解析する。そして、受信装置分布解析部333は、処理対象とする高感度受信装置102を特定し、その処理対象の高感度受信装置102の半径50m以内(つまり所定の範囲内)に3以上の高感度受信装置102が設置されているか否かを判定する。なお、この所定の範囲の広さは任意であり、半径50m以外であってもよい。また、その範囲内に設置される高感度受信装置102の数の閾値は任意であり、上述の3以外であってもよい。その範囲内に3以上の高感度受信装置102が設置されていると判定された場合、処理はステップS214に進む。
この場合、高感度受信装置102が図15のBの例のように密に設置されていると判定されている。したがって、利得設定部334は、ステップS214において、処理対象の高感度受信装置102の利得を歪み重視の値に設定する。つまり、利得設定部334は、処理対象の高感度受信装置102の利得を初期値よりも小さな値に設定する。ステップS214の処理が終了すると、処理はステップS216に進む。
また、ステップS213において、その範囲内に2以下の高感度受信装置102が設置されていると判定された場合、処理はステップS215に進む。
この場合、高感度受信装置102が図15のAの例のように疎に設置されていると判定されている。したがって、利得設定部334は、ステップS215において、処理対象の高感度受信装置102の利得を初期値に設定する。ステップS215の処理が終了すると、処理はステップS216に進む。
ステップS216において、利得設定情報供給部335は、ステップS214若しくはステップS215において設定された処理対象の高感度受信装置102の利得を示す利得設定情報を生成し、その利得設定情報を、通信部314やネットワーク103を介して処理対象の高感度受信装置102に供給する。ステップS216の処理が終了すると、利得設定処理が終了する。
なお、各高感度受信装置102に対して、ステップS213乃至ステップS216の処理を行うことにより、各高感度受信装置102の利得を設定し、供給することができる。これにより、各高感度受信装置102は、図19のフローチャートを参照して説明したように、サーバ104が高感度受信装置102同士の位置関係に応じて設定した利得を適用することができる。
高感度受信装置102やサーバ104がこのように利得設定処理を行うことにより、情報処理部203は、高感度受信装置102同士の位置関係に応じた利得の制御を行うことができる。したがって、高感度受信装置102は、より多様な高感度受信装置102同士の位置関係において、信号をより正しく受信することができる。したがって、位置通知システム100全体の受信率を向上させることができる。
<利得設定処理の流れ>
なお、以上においては、高感度受信装置102同士の位置関係に応じた利得の設定は、サーバ104において行うように説明したが、この設定は、任意の装置において行うことができる。例えば、高感度受信装置102においてこの設定を行うようにしてもよい。
その場合、高感度受信装置102は、自身の周辺に設置されている高感度受信装置102の位置情報を収集して利得の設定を行う。この場合の高感度受信装置102により実行される利得制御処理の流れの例を、図21のフローチャートを参照して説明する。
利得設定処理が開始されると、通信部255は、ステップS231において、自身の周辺の所定の範囲内に配置された他の高感度受信装置102の位置情報を取得する。この位置情報は、どこから取得するようにしてもよい。例えば、その位置情報に対応する高感度受信装置102から取得するようにしてもよいし、サーバ104を介して取得するようにしてもよい。
ステップS232において、メモリ252は、ステップS231において取得された他の高感度受信装置102の位置情報を記憶する。
ステップS233およびステップS234の各処理は、図19のステップS201およびステップS202の各処理と同様に実行される。
ステップS235において、メモリ252は、ステップS234において求められた当該高感度受信装置102の位置情報を記憶する。
ステップS236において、通信部255は、当該高感度受信装置102の位置情報をメモリ252から読み出し、当該高感度受信装置102の周辺の所定の範囲内に配置された他の高感度受信装置102に供給する。つまり、高感度受信装置102の間で互いの位置情報が交換される。
ステップS237において、利得設定部253は、メモリ252に記憶された各高感度受信装置102の位置情報に基づいて、高感度受信装置102の分布状況を解析する。換言するに、利得設定部253は、高感度受信装置102同士の位置関係を解析する。そして、利得設定部253は、当該高感度受信装置102の半径50m以内(つまり所定の範囲内)に3以上の他の高感度受信装置102が設置されているか否かを判定する。なお、この所定の範囲の広さは任意であり、半径50m以外であってもよい。また、その範囲内に設置される高感度受信装置102の数の閾値は任意であり、上述の3以外であってもよい。その範囲内に3以上の高感度受信装置102が設置されていると判定された場合、処理はステップS238に進む。
この場合、高感度受信装置102が図15のBの例のように密に設置されていると判定されている。したがって、利得設定部253は、ステップS238において、当該高感度受信装置102の利得を歪み重視の値に設定する。つまり、利得設定部253は、当該高感度受信装置102の利得を初期値よりも小さな値に設定する。ステップS238の処理が終了すると、利得設定処理が終了し、処理は図11に戻る。
また、ステップS237において、その範囲内に2以下の他の高感度受信装置102が設置されていると判定された場合、処理はステップS239に進む。
この場合、高感度受信装置102が図15のAの例のように疎に設置されていると判定されている。したがって、利得設定部253は、ステップS239において、当該高感度受信装置102の利得を初期値に設定する。ステップS239の処理が終了すると、利得設定処理が終了し、処理は図11に戻る。
このように利得設定処理を行うことにより、情報処理部203は、高感度受信装置102同士の位置関係に応じた利得の制御を行うことができる。したがって、高感度受信装置102は、より多様な高感度受信装置102同士の位置関係において、信号をより正しく受信することができる。したがって、位置通知システム100全体の受信率を向上させることができる。
<利得設定処理の流れ>
また、サーバ104が、高感度受信装置102の利得の設定を所定の領域毎に行うようにしてもよい。さらに、サーバ104が、その領域内に設置されている高感度受信装置102の利得を設定する際に、一部の高感度受信装置102の利得を、近距離の送信装置101から送信された無線信号を受信するのに適した値に設定し、その他の高感度受信装置102の利得を、遠距離の送信装置101から送信された無線信号を受信するのに適した値に設定するようにしてもよい。つまり、領域内の全ての高感度受信装置102の利得を互いに同一にしてもよいし、同一にしなくてもよい。
このような場合の、サーバ104において実行される利得設定処理の流れの例を、図22のフローチャートを参照して説明する。サーバ104は、この利得設定処理を、図20の場合と同様に、各高感度受信装置102において実行される上述の利得設定処理(図19)に対応して実行することにより、高感度受信装置102同士の位置関係に応じて、各高感度受信装置102の利得を制御(設定)する。
ステップS251およびステップS252の各処理は、図20のステップS211およびステップS212の各処理と同様に実行される。
ステップS253において、受信装置分布解析部333は、位置情報記憶部332により記憶媒体に記憶された各高感度受信装置102の位置情報に基づいて、高感度受信装置102の分布状況を解析する。換言するに、受信装置分布解析部333は、高感度受信装置102同士の位置関係を解析する。そして、受信装置分布解析部333は、所定の広さの領域(例えば半径50mの領域)を処理対象とし、その処理対象の領域内に、3以上の高感度受信装置102が設置されているか否かを判定する。なお、この領域の広さは任意であり、半径50m以外であってもよい。また、その領域内に設置される高感度受信装置102の数の閾値は任意であり、上述の3以外であってもよい。その領域内に3以上の高感度受信装置102が設置されていると判定された場合、処理はステップS254に進む。
この場合、その領域内に高感度受信装置102が図15のBの例のように密に設置されていると判定されている。したがって、利得設定部334は、ステップS254において、当該領域内に設置される一部の高感度受信装置102が遠く離れた位置の送信装置101から送信された無線信号を受信することができるように、その利得を初期値に設定する。
また、ステップS255において、利得設定部334は、当該領域内に設置されるその他の高感度受信装置102が近くの送信装置101から送信された無線信号を受信することができるように、その利得を、初期値よりも小さい値である歪み重視の値に設定する。ステップS255の処理が終了すると処理はステップS257に進む。
また、ステップS253において、この領域内に2以下の高感度受信装置102が設置されていると判定された場合、処理はステップS256に進む。
この場合、その領域内に高感度受信装置102が図15のAの例のように疎に設置されていると判定されている。したがって、利得設定部334は、ステップS256において、当該領域内に設置される全ての高感度受信装置102の利得を初期値に設定する。ステップS256の処理が終了すると処理はステップS257に進む。
ステップS257の処理は、図20のステップS216と同様に実行される。ステップS257の処理が終了すると、利得設定処理が終了する。
なお、領域毎にステップS253乃至ステップS256の各処理を行うことにより、各高感度受信装置102の利得を設定し、供給することができる。これにより、各高感度受信装置102は、図19のフローチャートを参照して説明したように、サーバ104が高感度受信装置102同士の位置関係に応じて設定した利得を適用することができる。
高感度受信装置102やサーバ104がこのように利得設定処理を行うことにより、情報処理部203は、高感度受信装置102同士の位置関係に応じた利得の制御を行うことができる。したがって、高感度受信装置102は、より多様な高感度受信装置102同士の位置関係において、信号をより正しく受信することができる。したがって、位置通知システム100全体の受信率を向上させることができる。
<3.第3の実施の形態>
<盗難防止システム>
以上においては、位置通知システム100を例に説明したが、本技術は、任意の通信システムに適用することができる。例えば、送信装置101は、人物だけでなく、移動体等に設置するようにしてもよい。
例えば、本技術は、図23に示されるような自動車やバイク等の盗難を防ぐための盗難防止システム800に適用することもできる。この盗難防止システム800の場合、送信装置101は、ユーザが位置を監視する対象物、例えばユーザが所有する自動車801やバイク802に設置される。送信装置101は、位置通知システム100の場合と同様に、自身の位置情報(すなわち、自動車801やバイク802の位置情報)を、適宜、高感度受信装置102に通知する。つまり、ユーザは、位置通知システム100の場合と同様に、端末装置105からサーバ104にアクセスして、自動車801やバイク802の位置を把握することができる。したがって、ユーザは、盗難に合った場合であっても、自動車801やバイク802の位置を把握することができるので、その自動車801やバイク802を容易に取り戻すことができる。
このような盗難防止システム800の場合も、位置通知システム100の場合と同様に、高感度受信装置102やサーバ104に対して本技術を適用することができる。そして、本技術を適用することにより、受信率を向上させることができる。
<その他の通信システム>
なお、送受信される情報は任意である。例えば送信装置101の送信情報生成部171が、画像、音声、測定データ、機器等の識別情報、パラメータの設定情報、または指令等の制御情報等を含む送信情報を生成するようにしてもよい。また、この送信情報には、例えば、画像と音声、識別情報と設定情報と制御情報等のように、複数種類の情報が含まれるようにしてもよい。
また、送信情報生成部171が、例えば、他の装置から供給される情報を含む送信情報を生成することができるようにしてもよい。例えば、送信情報生成部171が、画像、光、明度、彩度、電気、音、振動、加速度、速度、角速度、力、温度(温度分布ではない)、湿度、距離、面積、体積、形状、流量、時刻、時間、磁気、化学物質、または匂い等、任意の変数について、またはその変化量について、検出若しくは計測等を行う各種センサから出力される情報(センサ出力)を含む送信情報を生成するようにしてもよい。
つまり、本技術は、例えば、立体形状計測、空間計測、物体観測、移動変形観測、生体観測、認証処理、監視、オートフォーカス、撮像制御、照明制御、追尾処理、入出力制御、電子機器制御、アクチュエータ制御等、任意の用途に用いられるシステムに適用することができる。
また、本技術は、例えば、交通、医療、防犯、農業、畜産業、鉱業、美容、工場、家電、気象、自然監視等、任意の分野のシステムに適用することができる。例えば、本技術は、ディジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等を用いる、鑑賞の用に供される画像を撮影するシステムにも適用することができる。また、例えば、本技術は、自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用システム、走行車両や道路を監視する監視カメラシステム、車両間等の測距を行う測距システム等の、交通の用に供されるシステムにも適用することができる。さらに、例えば、本技術は、防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等を用いる、セキュリティの用に供されるシステムにも適用することができる。また、例えば、本技術は、ウェアラブルカメラ等のようなスポーツ用途等向けに利用可能な各種センサ等を用いる、スポーツの用に供されるシステムにも適用することができる。さらに、例えば、本技術は、畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の各種センサを用いる、農業の用に供されるシステムにも適用することができる。また、例えば、本技術は、豚や牛等の家畜の状態を監視するための各種センサを用いる、畜産業の用に供されるシステムにも適用することができる。さらに、本技術は、例えば火山、森林、海洋等の自然の状態を監視するシステムや、例えば天気、気温、湿度、風速、日照時間等を観測する気象観測システムや、例えば鳥類、魚類、ハ虫類、両生類、哺乳類、昆虫、植物等の野生生物の生態を観測するシステム等にも適用することができる。
<通信装置>
さらに、送受信される無線信号や情報の仕様は任意である。また、以上においては、本技術を高感度受信装置102に適用する例を説明したが、本技術は、任意の受信装置、任意の送受信装置にも適用することができる。つまり、本技術は、任意の通信装置や通信システムに適用することができる。
<コンピュータ>
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合、例えば高感度受信装置102の情報処理部203やサーバ104が、そのソフトウエアを実行することができるコンピュータとしての構成を有するようにすればよい。このコンピュータには、例えば、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、任意の機能を実行することが可能な汎用のコンピュータ等が含まれる。
図24は、その場合の情報処理部203の構成例を示すブロック図である。
図24に示される情報処理部203は、上述のようにコンピュータとしての構成を有する。つまり、情報処理部203は、CPU(Central Processing Unit)901、ROM(Read Only Memory)902、RAM(Random Access Memory)903、およびバス904を有する。CPU901、ROM902、およびRAM903は、バス904を介して相互に接続されている。
バス904にはまた、入出力インタフェース910も接続されている。入出力インタフェース910には、入力部911、出力部912、記憶部913、通信部914、およびドライブ915が接続されている。
入力部911は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、イメージセンサ、マイクロホン、スイッチ、入力端子等の任意の入力デバイスを有する。出力部912は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、出力端子等の任意の出力デバイスを有する。記憶部913は、例えば、ハードディスク、RAMディスク、SSD(Solid State Drive)やUSB(Universal Serial Bus)メモリ等のような不揮発性のメモリ等、任意の記憶媒体を有する。通信部914は、例えば、イーサネット(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、IrDA等の、有線若しくは無線、または両方の、任意の通信規格の通信インタフェースを有する。ドライブ915は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等の任意の記憶媒体を有するリムーバブルメディア921を駆動する。
以上のように構成される情報処理部203では、CPU901が、例えば、記憶部913に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース910およびバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、図6に示されるようなハードウエアの構成と同等の機能を実現する。つまり、上述した一連の処理が行われる。RAM903にはまた、CPU901が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
情報処理部203(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア921に記録して適用することができる。その場合、プログラムは、リムーバブルメディア921をドライブ915に装着することにより、入出力インタフェース910を介して、記憶部913にインストールすることができる。
また、このプログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することもできる。その場合、プログラムは、通信部914で受信し、記憶部913にインストールすることができる。
その他、このプログラムは、ROM902や記憶部913に、あらかじめインストールしておくこともできる。
サーバ104については、図17を参照して説明した通りである。
なお、上述した一連の処理は、一部をハードウエアにより実行させ、他をソフトウエアにより実行させることもできる。
<その他>
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
また、例えば、本技術は、装置またはシステムを構成するあらゆる構成、例えば、システムLSI(Large Scale Integration)等としてのプロセッサ、複数のプロセッサ等を用いるモジュール、複数のモジュール等を用いるユニット、ユニットにさらにその他の機能を付加したセット等(すなわち、装置の一部の構成)として実施することもできる。
なお、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、全ての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
また、例えば、1つの装置(または処理部)として説明した構成を分割し、複数の装置(または処理部)として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置(または処理部)として説明した構成をまとめて1つの装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。また、各装置(または各処理部)の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置(または処理部)の構成の一部を他の装置(または他の処理部)の構成に含めるようにしてもよい。
また、例えば、本技術は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、例えば、上述したプログラムは、任意の装置において実行することができる。その場合、その装置が、必要な機能(機能ブロック等)を有し、必要な情報を得ることができるようにすればよい。
また、例えば、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、プログラムを記述するステップの処理が、本明細書で説明する順序に沿って時系列に実行されるようにしても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで個別に実行されるようにしても良い。つまり、矛盾が生じない限り、各ステップの処理が上述した順序と異なる順序で実行されるようにしてもよい。さらに、このプログラムを記述するステップの処理が、他のプログラムの処理と並列に実行されるようにしても良いし、他のプログラムの処理と組み合わせて実行されるようにしても良い。
なお、本明細書において複数説明した本技術は、矛盾が生じない限り、それぞれ独立に単体で実施することができる。もちろん、任意の複数の本技術を併用して実施することもできる。例えば、いずれかの実施の形態において説明した本技術を、他の実施の形態において説明した本技術と組み合わせて実施することもできる。また、上述した任意の本技術を、上述していない他の技術と併用して実施することもできる。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1) 無線信号を送信する送信装置の発呼状況に応じて、前記無線信号を受信する際の利得を制御する利得制御部
を備える情報処理装置。
(2) 前記無線信号を受信する受信部をさらに備え、
前記利得制御部は、前記受信部の利得を、前記発呼状況に応じて制御するように構成される
(1)に記載の情報処理装置。
(3) 前記利得制御部は、前記受信部が受信する前記無線信号の信号レベルを示す受信電力を測定し、前記受信電力の大きさに応じて前記受信部の利得を制御する
(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(4) 前記利得制御部は、前記受信電力が所定の閾値より大きい場合、前記受信部の利得を低減させる
(1)乃至(3)のいずれかに記載の情報処理装置。
(5) 前記利得制御部は、前記受信部が受信する前記無線信号のスペクトラムを解析して単位時間当たりの発呼数である発呼率を求め、前記発呼率の高さに応じて前記受信部の利得を制御する
(1)乃至(4)のいずれかに記載の情報処理装置。
(6) 前記利得制御部は、前記発呼率が所定の閾値を超えている場合、前記受信部の利得を低減させる
(1)乃至(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
(7) 前記利得制御部は、前記受信部が受信する前記無線信号を検波して前記送信装置の数を求め、前記送信装置の数に応じて前記受信部の利得を制御する
(1)乃至(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8) 前記利得制御部は、前記送信装置の数が所定の閾値より多い場合、前記受信部の利得を低減させる
(1)乃至(7)のいずれかに記載の情報処理装置。
(9) 前記利得制御部は、前記受信部の利得の初期値を設定し、利得が前記初期値の状態で前記受信部が受信した前記無線信号を用いて前記発呼状況を求め、求めた前記発呼状況に応じて、前記受信部の利得を制御する
(1)乃至(8)のいずれかに記載の情報処理装置。
(10) 無線信号を送信する送信装置の発呼状況に応じて、前記無線信号を受信する際の利得を制御する
情報処理方法。
(11) 無線信号を受信する受信装置同士の位置関係に応じて、前記受信装置の利得を制御する利得制御部
を備える情報処理装置。
(12) 前記利得制御部は、制御対象の受信装置の周辺の所定の範囲内に存在する他の受信装置の数が所定の閾値より少ない場合、前記制御対象の受信装置の利得を初期値に設定し、前記閾値以上の場合、前記制御対象の受信装置の利得を前記初期値より低く設定する
(11)に記載の情報処理装置。
(13) 前記利得制御部は、所定の領域内に存在する受信装置の数が所定の閾値より少ない場合、前記領域内の全ての受信装置の利得を初期値に設定し、前記閾値以上の場合、前記領域内の一部の受信装置の利得を前記初期値に設定し、前記領域内の他の受信装置の利得を前記初期値より低く設定する
(11)または(12)に記載の情報処理装置。
(14) 前記利得制御部は、前記受信装置の位置情報に基づいて、前記受信装置同士の位置関係に応じた前記受信装置の利得の制御を行う
(11)乃至(13)のいずれかに記載の情報処理装置。
(15) 前記受信装置より前記受信装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記利得制御部が前記位置情報取得部により取得された前記位置情報に基づいて設定した前記受信装置の利得を示す利得設定情報を前記受信装置に供給する利得設定情報供給部と
をさらに備える(11)乃至(14)のいずれかに記載の情報処理装置。
(16) 前記無線信号を受信する受信部をさらに備え、
前記利得制御部は、前記情報処理装置周辺の受信装置との位置関係に応じて、前記受信部の利得を制御するように構成される
(11)乃至(15)のいずれかに記載の情報処理装置。
(17) 前記利得制御部は、前記情報処理装置周辺の所定の範囲内に存在する受信装置の数が所定の閾値より少ない場合、前記受信部の利得を初期値に設定し、前記閾値以上の場合、前記受信部の利得を前記初期値より低く設定する
(11)乃至(16)のいずれかに記載の情報処理装置。
(18) 他の受信装置の位置情報を取得する位置情報取得部をさらに備え、
前記利得制御部は、前記位置情報取得部により取得された前記他の受信装置の位置情報に基づいて、前記情報処理装置の周辺の所定の範囲内に存在する受信装置の数を求めるように構成される
(11)乃至(17)のいずれかに記載の情報処理装置。
(19) GNSS(Global Navigation Satellite System)信号を受信し、受信した前記GNSS信号に基づいて前記情報処理装置の位置情報を求めるGNSS処理部をさらに備え、
前記利得制御部は、前記GNSS処理部により求められた前記情報処理装置の位置情報に基づいて、前記情報処理装置の周辺の所定の範囲内に存在する受信装置の数を求めるように構成される
(11)乃至(18)のいずれかに記載の情報処理装置。
(20) 無線信号を受信する受信装置同士の位置関係に応じて、前記受信装置の利得を制御する
情報処理方法。