JP7070953B1 - 空調用チャンバ及び空調用チャンバ設置構造 - Google Patents

空調用チャンバ及び空調用チャンバ設置構造 Download PDF

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Abstract

【課題】容易に施工することができる空調用チャンバを提供する。【解決手段】変形可能なフレキシブルダクトによって円筒状に構成され、かつ、内部を空調空気が流れるチャンバ本体10と、チャンバ本体10を径方向に貫通して設けられた開口部40と、チャンバ本体10に取り付けられて開口部40に接続される筒状の空調機接続管20と、チャンバ本体10に取り付けられて開口部に接続される筒形状のダクト接続管と、空調機接続管20をチャンバ本体10に取り付ける取り付け機構と、を有し、取付け機構は、空調機接続管の端部に設けられるつば部42と、チャンバ本体10の外部に設けられ、かつ、つば部42と共にチャンバ本体10の縁部46を挟んで縁部46をつば部42に沿った形状に変形させるワッシャ45と、を有する空調用チャンバ10を構成した。【選択図】図7

Description

本発明は、空調用チャンバ及び空調用チャンバ設置構造に関する。
空調、換気、排煙等の目的で施設内の天井や壁等にはダクトが取り付けられている。ダクトは、天井や壁等の形状に合わせ得るものであることが望ましく、一例として湾曲・伸縮自在で軽量のフレキシブルダクトが知られている。
ここで、空調機から供給される空調空気を建物内の天井の複数個所に配置された吹出口に向かって分配供給するために、空調用チャンバと、該チャンバに接続されるフレキシブルダクトと、を用いることが知られている。そして、空調用チャンバについては、従来、様々な形状、構造を有するものが開発されており、特に、比較的大きくて重い空調用チャンバを天井に設置する技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、空調用吹出口器具の接続部材を、天井裏に設置される箱体に対して嵌め込み可能とすることにより、箱体に突起物がなく、天井下地の設置に際して邪魔にならない空調用吹出口器具取付用チャンバが開示されている。また、特許文献2には、建物内に天井を構築するため複数のTバーを格子状に配置して形成されたグリッド天井において、該Tバー上に載置される空調用チャンバと、Tバーに係合することにより空調用チャンバをTバーに固定する複数の固定具と、を備えた空調用チャンバ設置構造が開示されている。
特開平11-337159号公報 特開2017-9170号公報
従来から知られている空調用チャンバの支持構造によれば、例えば、天井躯体から吊り下げられた吊下げボルトを利用して空調用チャンバを支持するものであるため、複数の吊下げボルトを天井躯体に打設して固定する工事が必要であり、このような工事に手間がかかっていた。また、特許文献2に記載の空調用チャンバ設置構造によれば、建物の躯体に固着される吊ボルトを使用しないものの、複数のTバーを配置して形成されたシステム天井が必要となり、空調用チャンバを設置するための技術については、未だ改善の余地を残すものである。
そして、施設の天井に設置される空調用チャンバには、落下に対する安全性が求められる。即ち、施設の天井に設置される空調機等の重量物に対しては、地震によって落下することがないよう免震補強が必要となる。
本開示の目的は、容易に施工することができる空調用チャンバ及びその設置構造を提供することにある。
本開示の空調用チャンバは、空調機から供給される空調空気の混合若しくは分配、または前記空調機に取り込まれる外気若しくは屋内空気の混合に用いられる空調用チャンバであって、変形可能なフレキシブルダクトによって円筒状に構成され、かつ、内部を空調空気が流れるチャンバ本体と、前記チャンバ本体の内部と外部とをつなぐように、前記チャンバ本体を径方向に貫通して設けられた第1開口部及び第2開口部と、前記チャンバ本体に取り付けられて前記第1開口部に接続され、かつ、前記空調機から供給される空調空気を前記チャンバ本体の内部に流入させる通路、または前記空調機に取り込まれる外気若しくは屋内空気を前記チャンバ本体から流出させる通路を形成する筒状の空調機接続管と、前記チャンバ本体に取り付けられて前記第2開口部に接続され、かつ、前記空調機からの空調空気を分配するために該空調空気を前記チャンバ本体から流出させる通路、または前記空調機に取り込まれる外気若しくは屋内空気を混合するために該外気若しくは屋内空気を前記チャンバ本体に流入させる通路を形成する筒形状のダクト接続管と、前記空調機接続管を前記チャンバ本体に取り付ける取り付け機構と、を有し、前記取り付け機構は、前記空調機接続管の端部に設けられ、かつ、前記チャンバ本体の内部に配置される環状のつば部と、前記チャンバ本体の外部に設けられ、かつ、前記つば部と共に前記チャンバ本体の前記第1開口部を囲む縁部を挟んで前記縁部を前記つば部に沿った形状に変形させる押し付け部と、を有する。
本開示によれば、押し付け部とつば部とにより、チャンバ本体の縁部を挟んだ状態で、固定要素により固定される。チャンバ本体は樹脂フィルムで挟み込むことにより、変形可能なフレキシブルダクトが構成されており、チャンバ本体の剛性は、つば部の剛性より低いため、縁部がつば部に押し付けられ、チャンバ本体の縁部は、つば部の形状に倣って変形する。したがって、チャンバ本体の形状に関わりなく、チャンバ本体と空調機接続管とを接続及び固定する作業の作業性が向上する。すなわち、空調用チャンバの施工が容易になる。また、チャンバ本体の縁部が変形することで、空調機接続管の寸法誤差、形状誤差、加工誤差等をチャンバ本体の変形によって吸収できる。したがって、チャンバ本体を接続する空調機接続管の形状及び構造が制限されず、チャンバ本体を接続するの適用範囲が広がる。
第1実施形態における空調用チャンバの概略構成を示す図である。 チャンバ本体の断面を示す図である。 チャンバ本体の側面部への空調機接続口の設置工程を説明するための図である。 天井への空調用チャンバの配置を例示する図である。 第2実施形態における空調用チャンバ設置構造を説明するための図である。 第2実施形態における帯状部材およびリベット部材を示す図である。 (A)は、チャンバ本体に空調機接続口を取り付ける構造を示す断面図、(B)は、チャンバ本体に空調機接続口を取り付ける構造の他の例を示す断面図である。
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
<第1実施形態>
第1実施形態における空調用チャンバの概要について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における空調用チャンバの概略構成を示す図である。本実施形態に係る空調用チャンバ100は、空調機から供給される空調空気の混合若しくは分配、または空調機に取り込まれる外気若しくは屋内空気の混合に用いられる。空調用チャンバ100は、湾曲及び伸縮自在なフレキシブルダクトによって構成されるチャンバ本体10と、空調機に接続される空調機接続管20と、複数の配管ダクトに接続されるダクト接続管30と、を備える。
チャンバ本体10は、円筒状のフレキシブルダクトによって構成される。このフレキシブルダクトは、施設の天井や壁等の形状に合わせて配管される湾曲・伸縮自在で軽量の一般的なフレキシブルダクトと同様に構成され得るが、本実施形態では、例えば、その径が300mm~350mm、長さが750mm~800mmの円筒状のフレキシブルダクトによってチャンバ本体10が構成される。そして、このフレキシブルダクトの胴部12には、図3(b)のように、複数の開口部10B,40が設けられる。
ここで、チャンバ本体10の胴部12は、グラスウール材を樹脂フィルムで挟み込んだ構造を有していてもよい。図2は、チャンバ本体10の断面を示す図である。なお、本実施形態において、チャンバ本体10の両端部11は、閉塞キャップ11aによって閉塞されている。詳しくは、チャンバ本体10の両端部11が閉塞キャップ11aによって覆われ、チャンバ本体10と閉塞キャップ11aとの接触部がシリコン材でコーキング処理されることで、チャンバ本体10の両端部11が閉塞されている。なお、本実施形態における空調用チャンバ100では、チャンバ本体10の両端部11が閉塞キャップ11aによって閉塞される例を示すが、これに限定する意図はなく、チャンバ本体10の両端部11には、配管ダクトに接続されるダクト接続管30が設けられてもよい。
そして、図2(b)は、図2(a)に示すチャンバ本体10の胴部12の一部(これは、領域bによって表される。)を拡大して示す図である。図2(b)によると、グラスウール板が、ポリエチレン樹脂系フィルムとポリエチレンテレフタレート樹脂系フィルムとで挟み込まれることで、チャンバ本体10の胴部12が構成されている。また、ポリエチレンテレフタレート樹脂系フィルムにおいては、鋼線が該フィルムで挟み込まれている。ここで、例えば、施設内の各部屋の冷房のために空調機が用いられ、該空調機からの冷気が空調用チャンバ100に一旦供給される場合、空調用チャンバ100内の冷気と空調用チャンバ100外の空気との温度差が大きいと、空調用チャンバ100に結露が生じてしまう虞がある。
一方、チャンバ本体10の胴部12が図2(b)に示した保温構造を有すると、空調用チャンバ100に結露が生じてしまう事態が可及的に抑制される。なお、図2には、グラスウール材を樹脂フィルムで挟み込んだ構造を例示したが、チャンバ本体10の内側の樹脂フィルムは、アルミ系フィルムや不織布であってもよく、チャンバ本体10の外側の樹脂フィルムは、アルミ系フィルムであってもよい。
また、図3(b)のように、チャンバ本体10の胴部12には複数の開口部10B,40が設けられている。1つの開口部40(第1開口部)には、図1(a)のように空調機接続管20が接続され、2つの開口部10B(第2開口部)にダクト接続管30がそれぞれ接続される。これらの開口部10B,40は、チャンバ本体10の内部10Aと外部とをつなぐように、チャンバ本体10を径方向に貫通している。チャンバ本体10の内部10Aを空調空気が流れる。空調機接続管20及びダクト接続管30は、それぞれチャンバ本体10に固定される。図3(b)のように、開口部10B,40は、チャンバ本体10の円周方向において、異なる位置に設けられている。このため、図1(b)のように、空調機接続管20と、2つのダクト接続管30とが、チャンバ本体10の円周方向で異なる位置に設けられている。
空調機接続管20は、チャンバ本体10の胴部12を貫通した複数の開口部10B,40のうちの一つの開口部40に接続される。空調機接続管20は、筒形状であり、空調機接続管20の内部に空調空気が流れる通路が形成される。そして、この空調機接続管20が空調機に接続されることで、空調用チャンバ100が空調機から供給される空調空気の混合若しくは分配に用いられる場合には、空調機から供給される空調空気が該空調機接続管20を介してチャンバ本体10に流入することになる。また、空調用チャンバ100が空調機に取り込まれる外気若しくは屋内空気の混合に用いられる場合には、空調機に取り込まれる外気若しくは屋内空気が該空調機接続管20を介してチャンバ本体10から流出することになる。
ここで、チャンバ本体10の胴部12への空調機接続管20の設置について、図3に基づいて説明する。図3は、チャンバ本体10の胴部12への空調機接続管20の設置工程を説明するための図である。この設置工程では、図3(a)に示されるように、先ず、チャンバ本体10の胴部12に開口部40が設けられる。そして、チャンバ本体10の胴部12に設けられた開口部40の縁は、露出したグラスウール材が飛散しないように切り口がテープ等で覆われる。
次に、図3(b)に示されるように、チャンバ本体10の胴部12に設けられた開口部40に空調機接続管20が挿入される。空調機接続管20は、金属製、例えばアルミニウム製、ステンレス製、鋼製等である。空調機接続管20は、図3(d)のように4枚の壁部41を有する。壁部41は、何れも四角形、例えば、長方形であり、壁部41が互いに接続されて空調機接続管20を構成している。また、壁部41の端部には、図3(b)のように、壁部41から外側に向けて張り出したつば部(柄の部分)42が設けられている。つば部42は、壁部41のそれぞれに接続されている。
そして、図3(c)に示されるように、補強鉄板21が、空調機接続管20を囲むように設けられる。補強鉄板21は、金属製、例えばアルミニウム製、ステンレス製、鋼製等である。補強鉄板21は、環状である。補強鉄板21は、チャンバ本体10の外に設けられ、つば部42は、開口部40からチャンバ本体10の内部10Aに設けられる。
さらに、図7(A)のように、補強鉄板21とつば部42とにより、胴部12のうち、開口部40の周囲の縁部46を挟んだ状態で、固定要素43により補強鉄板21とつば部42とが固定される。固定要素43は、環状の補強鉄板21の全周に亘って、所定の間隔をおいて複数設けられている。固定要素43として、例えば、ビス、リベットが用いられる。チャンバ本体10の剛性は、補強鉄板21及びつば部42のそれぞれの剛性よりも低い。このため、固定要素43により補強鉄板21とつば部42とを固定する過程で、胴部12の縁部46がつば部42に押し付けられ、縁部46は、つば部42の形状に倣って変形する。したがって、チャンバ本体10の形状に関わりなく、チャンバ本体10と空調機接続管20とを接続及び固定する作業の作業性が向上する。すなわち、空調用チャンバの施工が容易になる。
また、空調機接続管20の寸法誤差、形状誤差、加工誤差等をチャンバ本体10の変形によって吸収できる。しがたって、チャンバ本体10と空調機接続管20との接続箇所の隙間量が少なくなり、シール性が向上する。さらに、チャンバ本体10を接続する空調機接続管20の形状及び構造が制限されず、チャンバ本体10を接続するの適用範囲が広がる。
固定要素43により補強鉄板21とつば部42とが固定された状態では、チャンバ本体10と空調機接続管20との接触部に生じ得る隙間や、固定要素43の取り付け箇所からチャンバ本体10内の気体が漏れ出す虞がある。このため、図3(d)に示されるように、チャンバ本体10と空調機接続管20との隙間、及び固定要素43を固定した箇所が、チャンバ本体10の外部に設けたシート材22によって覆われる。このとき、併せてシリコン材によるコーキング処理が施される。
また、図7(A)のように、チャンバ本体10とつば部42との間に、環状のシール材44が設けられている。シール材44は、シリコン材または合成ゴム材である、シール材44は、チャンバ本体10の内部において、開口部40を囲むように設けられている。なお、固定要素43は、シール材44を貫通して固定されている。
図7(B)は、チャンバ本体10に空調機接続管20を取り付ける構造における他の例を示す断面図である。図7(B)においては、前述した補強鉄板21は設けられていない。複数の固定要素43としては、それぞれリベットを用いることができ、リベットは、リング状のワッシャ45をそれぞれ有する。ワッシャ45は、固定要素43の軸とは別体で設けられたリングである。このため、複数の固定要素43が取り付けられた状態において、ワッシャ45とつば部42とにより、チャンバ本体10の胴部12及びシール材44が挟まれている。ワッシャ45により縁部46がつば部42へ押し付けられて、縁部46がつば部42に沿った形状に変形する。
図7(B)におけるその他の構成、作用及び効果は、図7(A)の構成、作用及び効果と同じである。なお、固定要素43は、ワッシャに代えて、固定要素43の軸と一体のフランジを有するリベットでもよい。この場合、縁部46は、フランジとつば部42とにより挟まれて、縁部46がつば部42へ押し付けられる。さらに、固定要素43は、ワッシャを有するビス、ワッシャを有するねじ部材でもよい。
ダクト接続管30は、チャンバ本体10の胴部12に設けられた複数の開口部のうちの一以上の開口部に設けられる。そして、このダクト接続管30が複数の配管ダクトに接続されることで、空調用チャンバ100が空調機から供給される空調空気の混合若しくは分配に用いられる場合には、チャンバ本体10内の空調空気が該ダクト接続管30を介してチャンバ本体10から流出することになる。
また、空調用チャンバ100が空調機に取り込まれる外気若しくは屋内空気の混合に用いられる場合には、該外気若しくは屋内空気が該ダクト接続管30を介してチャンバ本体10に流入することになる。なお、本実施形態におけるダクト接続管30は、例えば、その径が170mm~230mmの円筒によって構成される。また、チャンバ本体10とダクト接続管30との接触部に生じ得る隙間等からチャンバ本体10内の気体が漏れ出すことを抑制するために、空調機接続管20と同様にして、コーキング処理が施される。
このような空調機接続管20およびダクト接続管30が設けられた空調用チャンバ100の天井への配置例について、図4に基づいて説明する。図4は、天井への空調用チャンバ100の配置を例示する図である。図4に示す例では、空調機に、外気および屋内空気の混合に用いられる空調用チャンバ100aと、空調空気を各部屋に分配するための空調用チャンバ100bと、が接続される。そして、空調用チャンバ100aに設けられた2つのダクト接続管30の一方には外気が流通する配管ダクトが接続され、他方には屋内空位が流通する配管ダクトが接続される。
そうすると、チャンバ本体10でこれらが混合され、空調機接続管20を介して、外気と屋内空気との混合空気が空調機に取り込まれることになる。また、空調用チャンバ100bに設けられた2つのダクト接続管30の一方には施設内の所定の部屋に導かれる空調空気が流通する配管ダクトが接続され、他方には施設内の別の部屋に導かれる空調空気が流通する配管ダクトが接続される。そうすると、空調機接続管20を介して空調機からチャンバ本体10に供給された空調空気が分配されることになる。
ここで、施設の天井に設置される空調機等の重量物に対しては、落下に対する安全性、即ち、地震によって落下することがないよう免震補強が必要となる。そこで、本開示の空調用チャンバでは、チャンバ本体が、湾曲及び伸縮自在で軽量なフレキシブルダクトによって構成される。
空調用チャンバが空調機に直接剛体接続される場合、該空調用チャンバは空調機と一体になって振動し易くなる。そして、仮に、空調用チャンバとして従来から知られている箱型の比較的剛性が高いチャンバが空調機に直接剛体接続される場合には、安全性を担保するために、該空調用チャンバを施設の天井に設置する際に空調機と一緒に免振補強が必要となり、施工に手間を要する。
これに対して、本開示の空調用チャンバでは、上記の図4に示したように、空調用チャンバ100に設けられた空調機接続管20が空調機に直接剛体接続されたとしても、チャンバ本体10が湾曲及び伸縮自在なフレキシブルダクトによって構成されるため、該空調用チャンバ100は空調機と一体になって振動し難い。また、フレキシブルダクトは軽量である。そのため、空調用チャンバ100を施設の天井に設置する際には、免振補強をすることなく安全性を担保することができ、施工が容易になる。以上に述べたように、本開示によれば、空調用チャンバを100を容易に施工することができ、且つ安全性にも優れた空調用チャンバを提供することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態における空調用チャンバ設置構造について、図5に基づいて説明する。図5は、本実施形態における空調用チャンバ設置構造を説明するための図である。本実施形態における空調用チャンバ設置構造は、上述した第1実施形態の空調用チャンバ100と、長手方向に所定間隔ごとに位置決め孔が設けられた帯状部材200を天井面に固定させることで、空調用チャンバ100を天井面から吊り下げるダクト取付部材300と、を備える。
帯状部材200は、長手方向に延びた帯形状であって、ダクト取付部材300に固定されることで天井から吊り下げられるとともに、空調用チャンバ100のチャンバ本体10の周囲に巻き付けられる。また、帯状部材200は樹脂製であって、天井への吊り下げ作業時の利便性を考慮し、ハサミ等の切断器具により容易に切断可能に形成される。そして、帯状部材200には、厚み方向に貫通する楕円形状大孔と円形状の小孔とが、互いに中心軸に沿って、長手方向に交互に繰り返して配設されている。
ダクト取付部材300は、天井に取り付けられ、鉛直方向に突出したバンドリベット部に帯状部材200の一端側の大孔を嵌め込んでスナップ留めさせる。そうすると、帯状部材200がダクト取付部材300に固定され、該帯状部材200が天井から吊り下げられることになる。そして、空調用チャンバ100のチャンバ本体10の両端部の夫々において、帯状部材200が該チャンバ本体10に巻き付けられることで、空調用チャンバ100が天井面から吊り下げられる。
詳しくは、空調用チャンバ100のチャンバ本体10の両端部の夫々に帯状部材200が巻き付けられた状態にて、リベット部材400が帯状部材200に取り付け(挿入)られる。ここで、図6は、本実施形態における帯状部材200およびリベット部材400を示す図である。図6(b)に示すように、リベット部材400は、筒形状の第1のリベット部410と、第1のリベット部410よりも直径が大きい第2のリベット部420とを有する。そして、第1のリベット部410の中心から第2のリベット部420までの距離(間隔)は、図6(a)に示す帯状部材200における、互いに隣接する小孔210から大孔220までの距離と一致する。これによって、第1のリベット部410はリベット部材400が、帯状部材200に取り付けられる際に、取り付け位置を決定するためのガイドとして機能する。
そして、空調用チャンバ100のチャンバ本体10の両端部の夫々に帯状部材200が巻き付けられた状態にて、第1のリベット部410が、帯状部材200の小孔210に挿入されるとともに、第2のリベット部420が大孔220に挿入されることで、リベット部材400が帯状部材200に取り付けられる。詳細には、第2のリベット部420は、大孔220に押し込まれると、大孔220が弾性変形する。第2のリベット部420が大孔220を貫通(通り抜け)した後に、大孔220は、復元力によって元の形状に戻る。
これによって、帯状部材200と第2のリベット部420の底面とが接触した状態でリベット部材400は帯状部材200に取り付けられる。そして、リベット部材400によって、帯状部材200は、空調用チャンバ100のチャンバ本体10の両端部の夫々に巻き付けられた状態が維持される。
本開示の空調用チャンバが、このように設置されることによっても、免振補強をすることなく安全性を担保しつつ、比較的容易に空調用チャンバ100を設置することができる。そして、本開示によれば、容易に施工することができ、且つ安全性にも優れた空調用チャンバ設置構造を提供することができる。
固定要素43、ワッシャ45、固定要素43のフランジ、補強鉄板21は、取り付け機構及び押し付け部に相当する。
10・・・チャンバ本体
20・・・・空調機接続管
21・・・・補強鉄板
30・・・・ダクト接続管
43・・・・固定要素
45・・・・ワッシャ
100・・・空調用チャンバ

Claims (2)

  1. 空調機から供給される空調空気の混合若しくは分配、または前記空調機に取り込まれる外気若しくは屋内空気の混合に用いられる空調用チャンバであって、
    変形可能なフレキシブルダクトによって円筒状に構成され、かつ、内部を空調空気が流れるチャンバ本体と、
    前記チャンバ本体の内部と外部とをつなぐように、前記チャンバ本体を径方向に貫通して設けられた第1開口部及び第2開口部と、
    前記チャンバ本体に取り付けられて前記第1開口部に接続され、かつ、前記空調機から供給される空調空気を前記チャンバ本体の内部に流入させる通路、または前記空調機に取り込まれる外気若しくは屋内空気を前記チャンバ本体から流出させる通路を形成する筒状の空調機接続管と、
    前記チャンバ本体に取り付けられて前記第2開口部に接続され、かつ、前記空調機からの空調空気を分配するために該空調空気を前記チャンバ本体から流出させる通路、または前記空調機に取り込まれる外気若しくは屋内空気を混合するために該外気若しくは屋内空気を前記チャンバ本体に流入させる通路を形成する筒形状のダクト接続管と、
    前記空調機接続管を前記チャンバ本体に取り付ける取り付け機構と、
    を有し、
    前記チャンバ本体は、グラスウール板を樹脂フィルムで挟み込むことにより、変形可能なフレキシブルダクトが構成され、
    前記取り付け機構は、
    前記空調機接続管の端部に設けられ、かつ、前記チャンバ本体の内部に配置される環状のつば部と、
    前記チャンバ本体の外部に設けられ、かつ、前記つば部と共に前記チャンバ本体の前記第1開口部を囲む縁部を挟んで前記縁部を前記つば部に沿った形状に変形させる押し付け部と、
    を有し、
    前記チャンバ本体の剛性は、前記つば部の剛性より低い、空調用チャンバ。
  2. 請求項1記載の空調用チャンバと、
    長手方向に所定間隔ごとに位置決め孔が設けられた帯状部材を天井面に固定させることで、前記空調用チャンバを前記天井面から吊り下げるダクト取付部材と、
    を備える、空調用チャンバ設置構造。
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