JP7070020B2 - 磁路形成部材及びこれを用いた磁気センサ - Google Patents

磁路形成部材及びこれを用いた磁気センサ Download PDF

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Description

本発明は、センサ基板に磁束を集めるための磁路形成部材及びこれを用いた磁気センサに関する。
磁気センサには、感磁素子が形成されたセンサ基板の他に、感磁素子に磁束を集めるための磁路形成部材が用いられることがある。例えば、特許文献1の図5に記載された磁気センサは、センサ基板(30)の素子形成面を覆う磁路形成部材(40)と、センサ基板(30)の両側面及び裏面を覆う磁路形成部材(60)を有している。また、特許文献1の図6に記載された磁気センサは、センサ基板(30)の素子形成面を覆う磁路形成部材(40)と、センサ基板(30)の一方の側面を覆う磁路形成部材(71)と、センサ基板(30)の他方の側面を覆う磁路形成部材(72)とを有している。
国際公開第2017/082011号パンフレット
しかしながら、特許文献1に記載された磁気センサは、複数の磁路形成部材が互いに別部材であることから、製造時においては、センサ基板に対して複数の磁路形成部材をそれぞれアライメントする必要がある。このため、製造工程が複雑になるばかりでなく、アライメント精度を確保することが容易ではなかった。
したがって、本発明の目的は、アライメント精度を高めることが容易な磁路形成部材を提供することである。
また、本発明の他の目的は、アライメント精度を高めることが容易な磁路形成部材を用いた磁気センサを提供することである。
本発明による磁路形成部材は、非磁性材料からなる素体と、素体の表面に形成された第1及び第2の磁性膜とを備え、第1の磁性膜の第1の方向における端部と、第2の磁性膜の第1の方向における端部の間に磁気ギャップが形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、磁路となる第1及び第2の磁性膜が同じ素体の表面に形成されていることから、第1の磁性膜と第2の磁性膜の相対的な位置関係が固定される。このため、磁路形成部材とセンサ基板のアライメントを行うだけで、センサ基板と第1及び第2の磁性膜を同時にアライメントすることが可能となる。これによりアライメント精度が高まることから、結果として磁気センサの感度を向上させることが可能となる。
本発明において、素体は、磁気ギャップを通過する磁束を受けるセンサ基板の少なくとも一部を収容するための切り欠き部を有していても構わない。そして、本発明による磁気センサは、上述した磁路形成部材と、感磁素子を有するセンサ基板とを備え、センサ基板は、磁気ギャップを通過する磁束が感磁素子に印加されるよう、切り欠き部に収容されることを特徴とする。これによれば、センサ基板を切り欠き部内においてアライメントすることにより、磁気センサを作製することができる。これにより、磁路形成部材に対してセンサ基板をアライメントするだけで、感磁素子と第1及び第2の磁性膜のアライメントを正しく行うことが可能となる。
本発明において、磁気ギャップは、切り欠き部の内壁に位置するものであっても構わない。これによれば、磁気ギャップが形成された切り欠き部の内壁と、センサ基板の素子形成面が向かい合うよう、センサ基板を配置することにより、磁気センサを作製することが可能となる。
本発明において、素体は、第1の方向を長手方向とする第1の表面を有し、第1の表面は、切り欠き部によって第1及び第2の部分に分断され、第1の磁性膜は、第1の表面の第1の部分に形成され、第2の磁性膜は、第1の表面の第2の部分と、切り欠き部の内壁の一部に形成されていても構わない。これによれば、磁気ギャップの間隔を十分に狭くすることができることから、磁束の漏洩を抑制することが可能となる。
本発明において、第1の磁性膜は、切り欠き部の内壁の別の一部にさらに形成されていても構わない。これによれば、磁気ギャップを切り欠き部の内壁の任意の位置に形成することが可能となる。
本発明において、素体は、第1の方向における両端部を構成する第2及び第3の表面をさらに有し、第1の磁性膜は、第2の表面にさらに形成され、第2の磁性膜は、第3の表面にさらに形成されていても構わない。これによれば、第1の方向の磁束を効率よく集磁することが可能となる。
本発明による磁気センサは、第1の切り欠き部を有する第1の素体と、第1の素体の表面に形成された第1及び第2の磁性膜とを有し、第1の磁性膜と第2の磁性膜との間に第1の磁気ギャップが形成される第1の磁路形成部材と、第2の切り欠き部を有する第2の素体と、第2の素体の表面に形成された第3及び第4の磁性膜とを有し、第3の磁性膜と第4の磁性膜との間に第2の磁気ギャップが形成される第2の磁路形成部材と、第1及び第2の感磁素子を有するセンサ基板とを備え、第1及び第2の磁路形成部材は、第1の磁性膜と第3の磁性膜が互いに向かい合い、第2の磁性膜と第4の磁性膜が互いに向かい合い、第1の切り欠き部と第2の切り欠き部が互いに向かい合うよう配置され、センサ基板は、第1の磁気ギャップを通過する磁束が第1の感磁素子に印加され、第2の磁気ギャップを通過する磁束が第2の感磁素子に印加されるよう、第1及び第2の切り欠き部に収容されることを特徴とする。
本発明によれば、2つの磁路形成部材とセンサ基板を組み合わせることによって、磁気センサを作製することが可能となる。しかも、第1の磁路形成部材と第2の磁路形成部材を互いに同一形状とすれば、2つの磁路形成部材を単に重ねるだけで第1~第4の磁性膜間におけるアライメントが完了することから、第1及び第2の切り欠き部内においてセンサ基板をアライメントするだけで、所望の特性を有する磁気センサを作製することが可能となる。
本発明において、第1の磁性膜と第3の磁性膜が互いに接し、第2の磁性膜と第4の磁性膜が互いに接していても構わない。これによれば、第1の磁性膜と第3の磁性膜が実質的に一つの磁路として機能し、第2の磁性膜と第4の磁性膜が実質的に一つの磁路として機能することになる。
本発明において、第1の素体は、第1の方向を長手方向とする第1の表面を有し、第2の素体は、第1の方向を長手方向とする第2の表面を有し、第1の表面は、第1の切り欠き部によって第1及び第2の部分に分断され、第2の表面は、第2の切り欠き部によって第3及び第4の部分に分断され、第1の磁性膜は、第1の表面の第1の部分に形成され、第2の磁性膜は、第1の表面の第2の部分と、第1の切り欠き部の内壁の一部に形成され、第3の磁性膜は、第2の表面の第3の部分に形成され、第4の磁性膜は、第2の表面の第4の部分と、第2の切り欠き部の内壁の一部に形成されていても構わない。これによれば、第1及び第2の切り欠き部内に第1及び第2のギャップが形成されることから、第1及び第2の感磁素子に効率よく磁束を印加することが可能となる。
本発明において、第1の磁性膜は、第1の切り欠き部の内壁の別の一部にさらに形成され、第3の磁性膜は、第2の切り欠き部の内壁の別の一部にさらに形成されていても構わない。これによれば、第1及び第2の磁気ギャップを第1及び第2の切り欠き部の内壁の任意の位置に形成することが可能となる。
本発明において、第1の素体は、第1の方向における両端部を構成する第3及び第4の表面をさらに有し、第2の素体は、第1の方向における両端部を構成する第5及び第6の表面をさらに有し、第1の磁性膜は、第3の表面にさらに形成され、第2の磁性膜は、第4の表面にさらに形成され、第3の磁性膜は、第5の表面にさらに形成され、第4の磁性膜は、第6の表面にさらに形成されていても構わない。これによれば、第1の方向の磁束を効率よく集磁し、第1及び第2の感磁素子に印加することが可能となる。
このように、本発明による磁路形成部材は、磁路となる第1の磁性膜と第2の磁性膜の相対的な位置関係が固定されていることから、第1の磁性膜と第2の磁性膜のアライメントが不要である。したがって、本発明による磁路形成部材を用いれば、アライメントが容易な磁気センサを提供することが可能となる。これによりアライメント精度が高まることから、結果として磁気センサの感度を向上させることが可能となる。
図1は、本発明の第1の実施形態による磁路形成部材1Aの外観を示す略斜視図である。 図2(a)は、2つの磁路形成部材1A,1Bを組み合わせた状態を示す側面図であり、図2(b)は切り欠き部にセンサ基板20を収容することによって構成された磁気センサ1の側面図である。 図3は、磁路形成部材1A,1Bとセンサ基板20の位置関係を説明するための図であり、(a)は透過斜視図、(b)は側面図である。 図4は、磁路形成部材1A,1Bとセンサ基板20の位置関係を説明するための図であり、(a)は分解透過斜視図、図4(b)は分解側面図である。 図5は、センサ基板20をz方向から見た略上面図である。 図6は、感磁素子R1~R4の接続関係を説明するための回路図である。 図7は、本発明の第2の実施形態による磁気センサ2の構成を示す略側面図である。 図8は、センサ基板50をz方向から見た略上面図である。 図9は、感磁素子R1,R2の接続関係を説明するための回路図である。 図10は、変形例によるセンサ基板50の略上面図である。 図11は、感磁素子R1と固定抵抗R0の接続関係を説明するための回路図である。 図12は、本発明の第3の実施形態による磁気センサ3の構成を示す略側面図である。 図13は、本発明の第4の実施形態による磁気センサ4の構成を示す略側面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態による磁路形成部材1Aの外観を示す略斜視図である。
図1に示すように、本実施形態による磁路形成部材1Aは、樹脂などの非磁性材料からなる素体10Aと、素体10Aの表面に形成された第1及び第2の磁性膜11A,12Aとを備えている。素体10Aは、z方向を長手方向とする略四角柱形状を有しており、z方向における略中央部に切り欠き部1aが設けられている。切り欠き部1aは、素体10Aのyz表面をz方向に分断するよう設けられており、分断されたyz表面の一方に磁性膜11Aが形成され、他方に磁性膜12Aが形成されている。
磁性膜11A,12Aは、NiFe、NiCoなどの軟磁性金属材料からなる膜であり、素体10Aの表面にめっきにより形成される。或いは、軟磁性金属材料からなる金属箔又はバルクシートを素体10Aの表面に貼り付けることによって、磁性膜11A,12Aを構成しても構わない。また、磁性膜11A,12Aは、軟磁性薄膜シートを貼り付けたものであっても構わないし、複数の磁性体膜が積層されたものであっても構わない。
磁性膜11Aは、素体10Aのyz表面に形成された第1の部分11Aと、切り欠き部1aの内壁を構成する一方のxy面に形成された第2の部分11Aと、素体10Aのz方向における一方の端部に位置するxy表面に形成された第3の部分11Aとを含み、これらが一体的に形成されている。
磁性膜12Aは、素体10Aのyz表面に形成された第1の部分12Aと、切り欠き部1aの内壁を構成する一方のxy面に形成された第2の部分12Aと、切り欠き部1aの内壁を構成するyz面に形成された第3の部分12Aと、切り欠き部1aの内壁を構成する他方のxy面に形成された第4の部分12Aと、素体10Aのz方向における他方の端部に位置するxy表面に形成された第5の部分12Aとを含み、これらが一体的に形成されている。
そして、磁性膜11Aのz方向における端部である第2の部分11Aと、磁性膜12Aのz方向における端部である第2の部分12Aは、x方向を幅方向とする磁気ギャップGAを構成する。このような構成により、z方向の外部磁界が存在すると、磁気ギャップGAを介して第1及び第2の磁性膜11A,12Aにはz方向に磁束が流れることになる。磁性膜11Aの第3の部分11Aや磁性膜12Aの第5の部分12Aは、z方向の外部磁界を効率よく集磁するために設けられている。尚、磁性膜11Aに第2の部分11Aを設けることは必須でなく、磁性膜11Aの第1の部分11Aの端部と、磁性膜12Aの第2の部分12Aによって磁気ギャップGAを構成しても構わない。
図2(a)は、2つの磁路形成部材1A,1Bを組み合わせた状態を示す側面図であり、図2(b)は切り欠き部にセンサ基板20を収容することによって構成された磁気センサ1の側面図である。磁路形成部材1Bは、磁路形成部材1Aと同じ形状を有しているが、両者を区別するために異なる符号を付している。また、図3及び図4は、磁路形成部材1A,1Bとセンサ基板20の位置関係を説明するための図であり、図3(a)は透過斜視図、図3(b)は側面図、図4(a)は分解透過斜視図、図4(b)は分解側面図である。
図2(a)に示すように、2つの磁路形成部材1A,1Bは、磁性膜11Aの第1の部分11Aと磁性膜11Bの第1の部分11Bが互いに向かい合い、磁性膜12Aの第1の部分12Aと磁性膜12Bの第1の部分12Bが互いに向かい合うよう、組み合わせられる。磁路形成部材1A,1Bは、接着剤などを用いて互いに接着しても構わないが、向かい合う磁性膜(11Aと11B、12Aと12B)は互いに接触していることが好ましい。これによれば、磁性膜11Aの第1の部分11Aと磁性膜11Bの第1の部分11Bが実質的に単一の磁路を構成し、磁性膜12Aの第1の部分12Aと磁性膜12Bの第1の部分12Bが実質的に単一の磁路を構成する。
2つの磁路形成部材1A,1Bを組み合わせると、切り欠き部1aと切り欠き部1bが一体化し、空洞が形成される。そして、図2(b)に示すように、この空洞内にセンサ基板20を配置することにより、磁気センサ1が構成される。
図3及び図4に示すように、センサ基板20は略直方体形状を有するチップ部品であり、xy面を構成する素子形成面20aには4つの感磁素子R1~R4が形成されている。感磁素子R1~R4は、磁束密度によって物理特性の変化する素子であれば特に限定されないが、磁界の向きに応じて電気抵抗が変化する磁気抵抗素子であることが好ましい。そして、切り欠き部1a,1bからなる空洞内にセンサ基板20が配置されると、磁路形成部材1Aの磁気ギャップGAに感磁素子R1,R3が位置し、磁路形成部材1Bの磁気ギャップGBに感磁素子R2,R4が位置する。
図5は、センサ基板20をz方向から見た略上面図である。
図5に示すように、センサ基板20の素子形成面20a上には、感磁素子R1~R4の他に、磁性体層31~33が形成されている。磁性体層31は、平面視で素子形成面20a上の略中央に位置し、そのx方向における両側に磁性体層32,33が配置される。特に限定されるものではないが、磁性体層31~33としては、樹脂材料に磁性フィラーが分散された複合磁性材料からなる膜であっても構わないし、ニッケル又はパーマロイなどの軟磁性材料からなる薄膜もしくは箔であっても構わないし、フェライトなどからなる薄膜又はバルクシートであっても構わない。後述する磁性体層34~37についても同様の材料を用いることができる。
磁性体層31と磁性体層32は、磁気ギャップG1,G3を介して互いに対向し、磁性体層31と磁性体層33は、磁気ギャップG2,G4を介して互いに対向している。そして、磁気ギャップG1~G4にはそれぞれy方向に延在する感磁素子R1~R4が配置されている。本実施形態においては、感磁素子R1~R4の感度方向(固定磁化方向)は、図5の矢印Pが示す方向(x方向におけるプラス側)に全て揃えられている。磁気ギャップG1~G4の幅方向についてはx方向である必要はなく、z方向であっても構わないし、x方向成分及びz方向成分を有する斜め方向であっても構わない。さらに、感磁素子R1~R4が厳密にギャップG1~G4間に位置している必要はなく、ギャップの存在によって形成される磁路上に位置していれば足りる。
磁性体層31は、磁性膜11Aの第2の部分11Aと磁性膜11Bの第2の部分11Bによって覆われる。また、磁性体層32は磁性膜12Aの第2の部分12Aに覆われ、磁性体層33は磁性膜12Bの第2の部分12Bに覆われる。このため、磁性膜11Aの第1の部分11Aと磁性膜11Bの第1の部分11Bを介して磁性体層31に磁束が印加されると、磁気ギャップG1~G4を介して磁束が均等に分配され、磁気ギャップG1~G4を通過する磁束の一部が感磁素子R1~R4に印加される。磁気ギャップG1,G3を通過した磁束は、磁性体層32を介して、磁性膜12Aの第2、第3、第4、第1、第5の部分12A、12A、12A、12A、12Aへと流れ、磁気ギャップG2,G4を通過した磁束は、磁性体層33を介して、磁性膜12Bの第2、第3、第4、第1、第5の部分12B、12B、12B、12B、12Bへと流れる。
図6は、感磁素子R1~R4の接続関係を説明するための回路図である。
図6に示すように、感磁素子R1,R2は端子電極41,44間に直列に接続されるとともに、感磁素子R3,R4は端子電極41,44間に直列に接続される。端子電極41はグランド電位GNDが供給される端子であり、端子電極44は電源電位Vddが供給される端子である。そして、感磁素子R3,R4の接続点は端子電極42に接続され、感磁素子R1,R2の接続点は端子電極43に接続される。このようなフルブリッジ接続により、端子電極43に現れる電位Vaと端子電極42に現れる電位Vbを参照することにより、磁束密度に応じた感磁素子R1~R4の電気抵抗の変化を高感度に検出することが可能となる。
具体的には、磁性膜11Aの第1の部分11A及び磁性膜11Bの第1の部分11Bを介して磁束が印加されると、感磁素子R1~R4が全て同一の磁化固定方向を有していることから、磁性体層31の左側に位置する感磁素子R1,R3の抵抗変化量と、磁性体層31の右側に位置する感磁素子R2,R4の抵抗変化量との間には差が生じる。この差は、図5に示したフルブリッジ回路によって2倍に増幅され、端子電極42,43に現れる。したがって、端子電極42,43に現れる電位Va,Vbの差を検出することによって、磁束密度を測定することが可能となる。
このように、本実施形態による磁路形成部材1A,1Bを組み合わせ、切り欠き部1a,1bからなる空洞内にセンサ基板20を配置すれば、z方向の外部磁場に対して指向性を有する磁気センサが構成される。そして、磁路形成部材1Aの素体10Aの表面には磁性膜11A,12Aが形成され、磁路形成部材1Bの素体10Bの表面には磁性膜11B,12Bが形成されていることから、磁性膜11Aと磁性膜12Aの相対的な位置関係が固定され、磁性膜11Bと磁性膜12Bの相対的な位置関係が固定される。しかも、磁路形成部材1A,1Bは互いに同じ形状を有していることから、単に両者を重ねるだけで、正しくアライメントされる。つまり、切り欠き部1a,1bからなる空洞内に配置するセンサ基板20を磁路形成部材1A,1Bに対して正しくアライメントするだけで、感磁素子R1~R4と磁性膜11A,11B,12A,12Bの位置関係が決まることから、アライメント精度を容易に高めることが可能となる。これによりアライメント精度が高まることから、結果としてセンサの感度を向上させることが可能となる。
<第2の実施形態>
図7は、本発明の第2の実施形態による磁気センサ2の構成を示す略側面図である。
図7に示すように、本実施形態による磁気センサ2は、磁路形成部材1Cとセンサ基板50の組み合わせによって構成される。磁路形成部材1Cの構成は、第1の実施形態において説明した磁路形成部材1A,1Bとほぼ同様であり、切り欠き部1cを有する素体10Cと、素体10Cの表面に形成された第1及び第2の磁性膜11C,12Cからなる。
磁性膜11Cは、素体10Cのyz表面に形成された第1の部分11Cと、切り欠き部1cの内壁を構成する一方のxy面に形成された第2の部分11Cとを含み、これらが一体的に形成されている。磁性膜12Cは、素体10Cのyz表面に形成された第1の部分12Cと、切り欠き部1cの内壁を構成する一方のxy面に形成された第2の部分12Cと、切り欠き部1cの内壁を構成するyz面に形成された第3の部分12Cと、切り欠き部1cの内壁を構成する他方のxy面に形成された第4の部分12Cとを含み、これらが一体的に形成されている。本実施形態が例示するように、本発明において素体10Cのz方向における端部に位置するxy表面に磁性膜11C,12Cを形成することは必須でない。
図8は、センサ基板50をz方向から見た略上面図である。
図8に示すように、センサ基板50の素子形成面50aには、2つの感磁素子R1,R2と磁性体層34,35が形成されており、感磁素子R1,R2からみてx方向における一方側(左側)に位置する磁性体層34は磁性膜11Cの第2の部分11Cで覆われ、感磁素子R1,R2からみてx方向における他方側(右側)に位置する磁性体層35は磁性膜12Cの第2の部分12Cで覆われる。磁性膜11Cの第2の部分11Cに覆われる磁性体層34と磁性膜12Cの第2の部分12Cに覆われる磁性体層35は磁気ギャップGを構成し、この磁気ギャップGによって構成される磁路上に感磁素子R1,R2が配置される。本実施形態においては、感磁素子R1の感度方向(固定磁化方向)は図8の矢印Pが示す方向(x方向におけるプラス側)であり、感磁素子R2の感度方向(固定磁化方向)は図8の矢印Pが示す方向(x方向におけるマイナス側)である。
図9は、感磁素子R1,R2の接続関係を説明するための回路図である。
図9に示すように、感磁素子R1,R2は端子電極41,44間に直列に接続され、その接続点は端子電極43に接続される。上述の通り、感磁素子R1と感磁素子R2は感度方向が互いに180°相違していることから、図9に示す回路はハーフブリッジ接続を構成する。したがって、端子電極43に現れる電位Vaを参照することにより、磁束密度に応じた感磁素子R1,R2の電気抵抗の変化を検出することが可能となる。
図10は、変形例によるセンサ基板50の略上面図である。図10に示す変形例によるセンサ基板50は、素子形成面50aに1つの感磁素子R1と磁性体層36,37が形成されおり、感磁素子R1からみてx方向における一方側(左側)に位置する磁性体層36は磁性膜11Cの第2の部分11Cで覆われ、感磁素子R1からみてx方向における他方側(右側)に位置する磁性体層37は磁性膜12Cの第2の部分12Cで覆われる。磁性膜11Cの第2の部分11Cに覆われる磁性体層36と磁性膜12Cの第2の部分12Cに覆われる磁性体層37は磁気ギャップGを構成し、この磁気ギャップGによって構成される磁路上に感磁素子R1が配置される。このようなセンサ基板50を用いる場合、図11に示す回路図のように、端子電極41,44間に固定抵抗R0と感磁素子R1を直列に接続し、両者の接続点を端子電極45に接続すればよい。これにより、端子電極45に現れる電位Vcを参照することにより、磁束密度に応じた感磁素子R1の電気抵抗の変化を検出することが可能となる。
本実施形態が例示するように、本発明による磁気センサが2つの磁路形成部材を備えていることは必須でなく、1つの磁路形成部材とセンサ基板によって磁気センサを構成しても構わない。
<第3の実施形態>
図12は、本発明の第3の実施形態による磁気センサ3の構成を示す略側面図である。
図12に示すように、本実施形態による磁気センサ3は、磁路形成部材1Dとセンサ基板50の組み合わせによって構成される。磁路形成部材1Dは、切り欠き部1dを有する素体10Dと、素体10Dの表面に形成された第1及び第2の磁性膜11D,12Dからなる。本実施形態においては、第1及び第2の磁性膜11D,12Dが形成された素体10Dの表面は平坦であり、切り欠き部1dは当該平面から見てz方向に埋め込まれた位置に形成されている。そして、磁性膜11D,12Dによって形成される磁気ギャップGとセンサ基板50の素子形成面50aに設けられた感磁素子がz方向に重なるよう、切り欠き部1dにセンサ基板50を埋め込めば、この磁気ギャップGを通過する磁束が感磁素子に印加される。
本実施形態が例示するように、本発明において、切り欠き部が第1及び第2の磁性膜を分断することは必須でなく、第1及び第2の磁性膜が形成された表面が平坦であっても構わない。
<第4の実施形態>
図13は、本発明の第4の実施形態による磁気センサ4の構成を示す略側面図である。
図13に示すように、本実施形態による磁気センサ4は、磁路形成部材1Eとセンサ基板50の組み合わせによって構成される。磁路形成部材1Eは、切り欠き部を持たない素体10Eと、素体10Eの表面に形成された第1及び第2の磁性膜11E,12Eからなる。第3の実施形態と同様、本実施形態においては、第1及び第2の磁性膜11E,12Eが形成された素体10Eの表面は平坦であり、磁性膜11E,12Eによって形成される磁気ギャップGとセンサ基板50に設けられた感磁素子がz方向に重なるよう、素体10Eの表面にセンサ基板50が搭載される。
本実施形態が例示するように、本発明において、素体に切り欠き部を設けることは必須でなく、素体の表面にセンサ基板を搭載しても構わない。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
1,2,3,4 磁気センサ
1A,1B,1C,1D,1E 磁路形成部材
1a,1b,1c,1d 切り欠き部
10A,10B,10C,10D,10E 素体
11A,11B,12A,12B,11C,12C,11D,12D,11E,12E 磁性膜
20 センサ基板
20a 素子形成面
31~37 磁性体層
41~45 端子電極
50 センサ基板
50a 素子形成面
G,G1~G4,GA,GB 磁気ギャップ
R0 固定抵抗
R1~R4 感磁素子

Claims (11)

  1. 非磁性材料からなる素体と、
    前記素体の表面に形成された第1及び第2の磁性膜と、を備え、
    前記第1の磁性膜の第1の方向における端部と、前記第2の磁性膜の前記第1の方向における端部の間に磁気ギャップが形成されており、
    前記素体は、前記磁気ギャップを通過する磁束を受けるセンサ基板の少なくとも一部を収容するための切り欠き部を有することを特徴とする磁路形成部材。
  2. 前記磁気ギャップは、前記切り欠き部の内壁に位置することを特徴とする請求項に記載の磁路形成部材。
  3. 前記素体は、前記第1の方向を長手方向とする第1の表面を有し、
    前記第1の表面は、前記切り欠き部によって第1及び第2の部分に分断され、
    前記第1の磁性膜は、前記第1の表面の前記第1の部分に形成され、
    前記第2の磁性膜は、前記第1の表面の前記第2の部分と、前記切り欠き部の前記内壁の一部に形成されていることを特徴とする請求項に記載の磁路形成部材。
  4. 前記第1の磁性膜は、前記切り欠き部の前記内壁の別の一部にさらに形成されていることを特徴とする請求項に記載の磁路形成部材。
  5. 前記素体は、前記第1の方向における両端部を構成する第2及び第3の表面をさらに有し、
    前記第1の磁性膜は、前記第2の表面にさらに形成され、
    前記第2の磁性膜は、前記第3の表面にさらに形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の磁路形成部材。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の磁路形成部材と、感磁素子を有するセンサ基板とを備え、
    前記センサ基板は、前記磁気ギャップを通過する磁束が前記感磁素子に印加されるよう、前記切り欠き部に収容されることを特徴とする磁気センサ。
  7. 第1の切り欠き部を有する第1の素体と、前記第1の素体の表面に形成された第1及び第2の磁性膜とを有し、前記第1の磁性膜と前記第2の磁性膜との間に第1の磁気ギャップが形成される第1の磁路形成部材と、
    第2の切り欠き部を有する第2の素体と、前記第2の素体の表面に形成された第3及び第4の磁性膜とを有し、前記第3の磁性膜と前記第4の磁性膜との間に第2の磁気ギャップが形成される第2の磁路形成部材と、
    第1及び第2の感磁素子を有するセンサ基板と、を備え、
    前記第1及び第2の磁路形成部材は、前記第1の磁性膜と前記第3の磁性膜が互いに向かい合い、前記第2の磁性膜と前記第4の磁性膜が互いに向かい合い、前記第1の切り欠き部と前記第2の切り欠き部が互いに向かい合うよう配置され、
    前記センサ基板は、前記第1の磁気ギャップを通過する磁束が前記第1の感磁素子に印加され、前記第2の磁気ギャップを通過する磁束が前記第2の感磁素子に印加されるよう、前記第1及び第2の切り欠き部に収容されることを特徴とする磁気センサ。
  8. 前記第1の磁性膜と前記第3の磁性膜が互いに接し、前記第2の磁性膜と前記第4の磁性膜が互いに接していることを特徴とする請求項に記載の磁気センサ。
  9. 前記第1の素体は、第1の方向を長手方向とする第1の表面を有し、
    前記第2の素体は、前記第1の方向を長手方向とする第2の表面を有し、
    前記第1の表面は、前記第1の切り欠き部によって第1及び第2の部分に分断され、
    前記第2の表面は、前記第2の切り欠き部によって第3及び第4の部分に分断され、
    前記第1の磁性膜は、前記第1の表面の前記第1の部分に形成され、
    前記第2の磁性膜は、前記第1の表面の前記第2の部分と、前記第1の切り欠き部の内壁の一部に形成され、
    前記第3の磁性膜は、前記第2の表面の前記第3の部分に形成され、
    前記第4の磁性膜は、前記第2の表面の前記第4の部分と、前記第2の切り欠き部の内壁の一部に形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の磁気センサ。
  10. 前記第1の磁性膜は、前記第1の切り欠き部の前記内壁の別の一部にさらに形成され、
    前記第3の磁性膜は、前記第2の切り欠き部の前記内壁の別の一部にさらに形成されていることを特徴とする請求項に記載の磁気センサ。
  11. 前記第1の素体は、前記第1の方向における両端部を構成する第3及び第4の表面をさらに有し、
    前記第2の素体は、前記第1の方向における両端部を構成する第5及び第6の表面をさらに有し、
    前記第1の磁性膜は、前記第3の表面にさらに形成され、
    前記第2の磁性膜は、前記第4の表面にさらに形成され、
    前記第3の磁性膜は、前記第5の表面にさらに形成され、
    前記第4の磁性膜は、前記第6の表面にさらに形成されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の磁気センサ。
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