以下に、実施の形態にかかる監視制御システム、サーバ、バックアップ処理方法、およびバックアップ処理プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる監視制御システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる監視制御システム100は、複数の監視制御機器111~11n,1m1~1mnと、複数のゲートウェイ装置21~2mと、複数のクライアント装置31,32,33と、接続装置4と、サーバ51,52とを備える。n,mは2以上の整数である。
以下において、複数の監視制御機器111~11n,1m1~1mnの各々を個別に区別せずに示す場合、監視制御機器1と記載する場合があり、複数のゲートウェイ装置21~2mの各々を個別に区別せずに示す場合、ゲートウェイ装置2と記載する場合がある。また、複数のクライアント装置31,32,33の各々を個別に区別せずに示す場合、クライアント装置3と記載する場合があり、サーバ51,52の各々を個別に区別せずに示す場合、サーバ5と記載する場合がある。
各監視制御機器1は、監視制御システム100の監視制御対象に設けられた設備の監視および制御を行うための機器であり、例えば、監視制御対象に設けられた設備の状態を示す計測データをゲートウェイ装置2へ送信する。また、各監視制御機器1は、サーバ5からゲートウェイ装置2を介して送信される制御データを取得し、取得した制御データに基づいて監視制御対象に設けられた設備を制御する。
監視制御システム100の監視制御対象は、例えば、浄水場、発電所、または工場などプラント、河川、道路、または鉄道などである。例えば、監視制御対象が鉄道である場合、監視制御対象の設備は、例えば、駅舎設備、変電所、または沿線設備などである。駅舎設備は、例えば、改札設備、監視カメラ、照明設備、空調設備、可動式ホーム、または昇降機などである。沿線設備は、例えば、踏み切り装置または信号装置などである。
また、監視制御対象が道路である場合、監視制御対象の設備は、例えば、受電設備、換気設備、照明設備、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)設備、ETC(Electronic Toll Collection system)設備、ITV(Industrial TeleVision)設備などである。また、監視制御対象が河川である場合、監視制御対象の設備は、例えば、水位計または監視カメラなどである。
ゲートウェイ装置2は、複数の監視制御機器1と通信可能に接続され、複数の監視制御機器1とサーバ5との間のデータの送受信を行う。例えば、ゲートウェイ装置2は、複数の監視制御機器1から出力される計測データを受信し、受信した計測データをサーバ5へネットワーク6を介して送信する。ネットワーク6は、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。
クライアント装置3は、例えば、パーソナルコンピュータまたはタブレットであり、例えば、監視制御対象の設備を管理する作業者などによって保持される。クライアント装置3は、ネットワーク6および接続装置4を介してサーバ5と通信可能に接続される。
サーバ51,52は、互いに異なる地域に設けられたクラウド環境81,82に構築される。クラウド環境81は、例えば、東京などの第1の都市に設けられ、クラウド環境82は、例えば、大阪などの第2の都市に設けられる。クラウド環境81,82は、クラウドサービスプラットフォームにおいて提供されるコンピュータ資源を含む。サーバ51は、運用系のサーバであり、サーバ52は、災害などによってサーバ51に障害が発生した場合に、サーバ51に代えて動作する待機系のサーバである。
クラウドサービスプラットフォームは、クラウドサービスプロバイダによって提供され、例えば、PaaS(Platform as a Service)などを含む。サーバ51,52は、クラウド環境81,82に構築されるため、クラウドサーバとも呼ばれることがある。以下において、クラウド環境81,82の各々を個別に区別せずに示す場合、クラウド環境8と記載する場合がある。
サーバ5は、複数の監視制御機器1から送信される計測データを複数のゲートウェイ装置2を介して収集し、収集した計測データに基づいて監視制御対象の監視および制御を行う。サーバ5は、例えば、計測データを含む監視制御データを記憶するデータサーバの機能と、データサーバに記憶された監視制御データに基づいて、監視制御対象の監視および制御を行う処理サーバの機能とを含む。
接続装置4は、ディザスタリカバリを行うために、接続するクラウドのリージョンを選択する。例えば、接続装置4は、クラウド環境81を選択して、ゲートウェイ装置2から送信される計測データなどのデータをサーバ51へ送信し、サーバ51から送信される制御データなどのデータをゲートウェイ装置2へ送信する中継処理を行う。そして、接続装置4は、災害などによってクラウド環境81に障害が発生した場合に、クラウド環境82を選択して、ゲートウェイ装置2から送信される計測データなどのデータをサーバ52へ送信し、サーバ52から送信される制御データなどのデータをゲートウェイ装置2へ送信する中継処理を行う。
サーバ51は、複数のゲートウェイ装置2の各々のリソース使用状況に基づいて、計測データを含む監視制御データをバックアップデータとして複数のゲートウェイ装置2に分散して記憶させる。バックアップデータは、バックアップ対象となるデータである。サーバ51は、複数のゲートウェイ装置2の各々のリソース使用状況を周期的に監視しており、リソース使用状況の変化に応じて、バックアップ先のゲートウェイ装置2、バックアップ方法、およびバックアップさせるデータの種類などを変更する。これにより、サーバ51は、バックアップ方法などを変化させながら、バックアップデータを複数のゲートウェイ装置2に分散して記憶させることができることから、バックアップデータをより適切に分散して記憶させることができる。
サーバ52は、クラウド環境81に障害が発生した場合に、分散して複数のゲートウェイ装置2に記憶されているバックアップデータを複数のゲートウェイ装置2から接続装置4を介して取得し、取得したバックアップデータを監視制御データとして監視制御対象の監視および制御を行う。
このように、監視制御システム100は、複数のゲートウェイ装置2の各々の周期的に変化するリソース使用状況に基づいて、計測データを含む監視制御データをバックアップデータとして複数のゲートウェイ装置2に分散して記憶させることから、バックアップデータをより適切に分散して記憶させることができる。以下、監視制御システム100の構成をさらに詳細に説明する。
図2は、実施の形態1にかかるゲートウェイ装置の構成の一例を示す図である。図2に示すように、ゲートウェイ装置2は、通信部10,11と、データ送受信処理部12と、リソースデータ送信処理部13と、バックアップ処理部14と、バックアップデータ記憶部15とを備える。
通信部10は、監視制御機器1と通信可能に接続される。通信部11は、ネットワーク6に接続される。データ送受信処理部12は、監視制御機器1から出力され通信部10で受信されたデータをネットワーク6へ通信部11を介して送信する。また、データ送受信処理部12は、サーバ5からネットワーク6を介して送信され通信部11で受信されたデータを監視制御機器1へ通信部10を介して送信する。
リソースデータ送信処理部13は、ゲートウェイ装置2のリソースの状態を示すリソースデータをサーバ5へ通信部11およびネットワーク6を介して周期的に送信する。例えば、リソースデータ送信処理部13は、数十秒単位の周期または分単位の周期でソースデータをサーバ5へ送信する。
ゲートウェイ装置2のリソースは、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、主記憶装置、補助記憶装置、および通信部11などである。リソースの状態は、例えば、リソースの使用状況およびリソースの環境などである。リソースの環境は、例えば、温度または湿度などである。
主記憶装置は、メインメモリまたは単にメモリとも呼ばれ、プロセッサと直接接続される。補助記憶装置は、外部バスで接続され、二次記憶装置とも呼ばれる。以下において、説明の便宜上、主記憶装置をメモリと記載し、補助記憶装置をHDD(Hard Disk Drive)と記載する場合がある。
バックアップ処理部14は、サーバ5から送信され通信部11で受信されるバックアップデータをバックアップデータ記憶部15に記憶させる。また、バックアップ処理部14は、サーバ5からの要求に基づいて、バックアップデータ記憶部15に記憶されたバックアップデータを取得し、取得したバックアップデータを要求元のサーバ5へ通信部11およびネットワーク6を介して送信する。
図3は、実施の形態1にかかるサーバの構成の一例を示す図である。図3に示すように、サーバ5は、通信部20と、処理部21と、監視制御データ記憶部30と、設定データ記憶部31と、方法データ記憶部32と、一般設定データ記憶部33と、過去設定データ記憶部34とを備える。
通信部20は、接続装置4に接続され、接続装置4およびネットワーク6を介してゲートウェイ装置2との間でデータの送受信を行う。例えば、通信部20は、ゲートウェイ装置2、ネットワーク6、および接続装置4を介して、複数の監視制御機器1から周期的に送信される計測データを受信する。
処理部21は、計測データ収集部22と、計測データ処理部23と、監視制御処理部24と、リソースデータ取得部25と、バックアップ処理部26と、設定データ生成部27と、バックアップデータ取得部28とを備える。
計測データ収集部22は、通信部20で受信された複数の監視制御機器1の計測データを収集する。計測データ処理部23は、計測データ収集部22によって収集された複数の監視制御機器1の計測データを監視制御データ記憶部30に記憶させる。
また、計測データ処理部23は、複数の監視制御機器1の計測データを加工して加工データを生成する。加工データは、監視制御に適したデータであり、例えば、計測データを間引いて得られるデータ、計測データの統計データ、または複数種類の計測データから得られるデータなどである。
計測データ処理部23は、計測データを加工して生成した加工データを監視制御データ記憶部30に記憶させる。また、計測データ処理部23は、加工データを生成する際に得られる中間データを監視制御データ記憶部30に記憶させる。このように、監視制御データ記憶部30に記憶される監視制御データには、計測データ、中間データ、および加工データなどが含まれる。
監視制御処理部24は、監視制御データ記憶部30に記憶された監視制御データのうち加工データに基づいて、監視制御対象の監視および制御を行う。例えば、監視制御処理部24は、監視制御データ記憶部30に記憶された監視制御データのうち加工データに基づいて、監視制御対象の監視および制御を行うための監視画面のデータを生成し、生成した監視画面のデータをクライアント装置3へ通信部20を介して送信する。クライアント装置3は、監視画面のデータを受信した場合、監視画面のデータに基づいて、不図示の表示部に監視画面を表示させる。
リソースデータ取得部25は、各ゲートウェイ装置2から送信されるリソースデータを周期的に取得する。例えば、リソースデータ取得部25は、各ゲートウェイ装置2から周期的に送信され通信部20で受信されたリソースデータを通信部20から取得する。
バックアップ処理部26は、リソースデータ取得部25によって周期的に取得された複数のゲートウェイ装置2のリソースデータに基づいて、監視制御データ記憶部30に記憶された監視制御データをバックアップデータとして分散して複数のゲートウェイ装置2に記憶させる。
バックアップ処理部26は、バックアップ方法決定部40と、バックアップ実行部41とを備える。バックアップ方法決定部40は、設定データ記憶部31に記憶された設定データと、リソースデータ取得部25によって取得されたリソースデータとに基づいて、バックアップの対象となる監視制御データに含まれる対象データ毎のバックアップ方法およびバックアップ先を決定する。例えば、バックアップ方法決定部40は、リソースデータ取得部25によって各ゲートウェイ装置2のリソースデータが取得される毎または予め設定された周期で、対象データ毎のバックアップ方法およびバックアップ先を決定する。
バックアップ方法は、バックアップする対象データのデータ期間およびバックアップ周期を含む。データ期間は、どのくらい前の対象データまでバックアップするかを示す。データ期間が1時間である場合、バックアップする対象データは、例えば、1時間前から現在までの計測データ、1時間前から現在までの計測データで生成された中間データ、および1時間前から現在までの計測データで生成された加工データである。
バックアップ周期は、対象データのバックアップを行う周期であるバックアップ周期を示す。例えば、バックアップ周期が3分である場合、ゲートウェイ装置2にバックアップされる対象データは、3分毎に更新される。
設定データ記憶部31に記憶された設定データは、バックアップ方法を示すデータを含む方法データとバックアップ条件を示す条件データとを対象データ毎に含むデータである。条件データは、リソース状態の条件を示すデータである。
図4は、実施の形態1にかかる設定データ記憶部に記憶される設定データの一例を示す図である。図4に示すように、設定データ記憶部31に記憶される設定データは、「データID(Identifier)」、「データ種別」、「データ名」、「バックアップ条件」、「バックアップ方法」、および「優先度」を対象データ毎に含むデータである。
「データID」は、対象データの各々に固有の識別データである。「データ種別」は、対象データのデータ種別の名称を示すデータであり、「データ名」は、対象データの名称を示すデータである。
「バックアップ条件」は、対象データのバックアップ条件を示すデータであり、「メモリ空き容量」、および「HDD空き容量」などを含む。「メモリ空き容量」は、ゲートウェイ装置2のメモリの空き容量の条件を示すデータである。「HDD空き容量」は、ゲートウェイ装置2のHDDの空き容量の条件を示すデータである。なお、「バックアップ条件」は、ゲートウェイ装置2のプロセッサの使用率を含んでいてもよく、ゲートウェイ装置2のメモリ、HDD、またはプロセッサの温度または湿度などのリソースの環境を含んでいてもよい。
「バックアップ方法」は、対象データのバックアップ方法を示すデータであり、「バックアップ期間」および「バックアップ周期」などを含む。「バックアップ期間」は、バックアップする対象データのデータ期間を示すデータである。「バックアップ周期」は、対象データのバックアップを行う周期であるバックアップ周期を示すデータである。
「優先度」は、対象データの優先度を示すデータであり、優先度が高い対象データほど優先的にバックアップ先のゲートウェイ装置2が決定される。例えば、「優先度」は、1から5までの数字で表され、小さい値であるほど、優先度が高い。
図4に示す設定データでは、IDがD0001である対象データは、データ種別が気温であり、データ名が室内温度であることが示されており、IDがD0002である対象データは、データ種別が湿度であり、データ名が室内湿度であることが示されている。
また、図4に示す設定データでは、IDがD0001,D0002である対象データには、バックアップ条件とし、メモリ空き容量「1GB以上」およびHDD空き容量「50GB以上」が設定され、バックアップ方法として、バックアップ期間「1時間」およびバックアップ周期「3分」が設定されている。「1GB以上」は、メモリ空き容量が1GB以上であることを示し、「50GB以上」は、HDD空き容量が50GB以上であることを示す。
なお、図4には示されていないが、設定データには、同一の対象データに対して異なるバックアップ条件およびバックアップ方法の組み合わせのデータが含まれる。例えば、IDがD0002である対象データに対して、図4に示すデータに加え、メモリ空き容量「1GB以上」、HDD空き容量「10GB以上50GB未満」、バックアップ期間「40分」、およびバックアップ周期「3分」を含むデータが含まれる。
バックアップ方法決定部40は、設定データとリソースデータとに基づいて、バックアップの対象となるデータである対象データ毎のバックアップ方法およびバックアップ先を決定する。バックアップ方法決定部40は、設定データにおいて優先度が高い対象データの順に、設定データで規定されるバックアップ条件を満たすゲートウェイ装置2を選択していき、各ゲートウェイ装置2のバックアップ方法を決定する。
バックアップ方法決定部40は、決定した対象データ毎のバックアップ方法およびバックアップ先の各々のデータを含む方法データを方法データ記憶部32に記憶させる。バックアップ方法決定部40は、例えば、予め設定された周期で到来するバックアップ方法決定タイミングになった場合に、対象データ毎のバックアップ方法およびバックアップ先を決定する。なお、バックアップ方法決定部40は、例えば、サーバ51が構築されたクラウド環境81が設置された地域に災害が生じる可能性が高くなるほど、バックアップ方法決定環境タイミングの到来周期を短くすることができる。例えば、監視制御対象が河川である場合、河川の水位が高くなるほど災害が生じる可能性が高くなる。
また、バックアップ方法決定部40は、対象データのバックアップ先とするゲートウェイ装置2を対象データに対応する計測データを送信しないゲートウェイ装置2に決定することができる。対象データに対応する計測データとは、例えば、対象データが、監視制御機器111から送信される計測データまたは監視制御機器111から送信される計測データで得られる中間データまたは加工データである場合、監視制御機器111から送信される計測データである。この場合、バックアップ方法決定部40は、ゲートウェイ装置21以外のゲートウェイ装置2を対象データのバックアップ先とする。
また、バックアップ方法決定部40は、複数のゲートウェイ装置2のHDDの空き容量が不足しているために、バックアップデータのすべてを複数のゲートウェイ装置2に記憶させることができない場合、重要度が高い対象データを優先的にバックアップ対象とし、重要度が低い対象データはバックアップ対象から除外することができる。
また、バックアップ方法決定部40は、複数のゲートウェイ装置2のHDDの空き容量が十分にある場合、同じ対象データが異なるゲートウェイ装置2にバックアップされるように、対象データ毎のバックアップ方法およびバックアップ先を決定することもできる。
バックアップ実行部41は、バックアップ方法決定部40で決定されたバックアップ方法で、バックアップ方法決定部40で決定されたバックアップ先のゲートウェイ装置2にバックアップデータを記憶させる。
例えば、バックアップ実行部41は、バックアップ方法決定部40で決定されたバックアップ方法で規定されたバックアップ期間のデータを対象データとして監視制御データ記憶部30から取得する。バックアップ実行部41は、取得した対象データをバックアップ先のゲートウェイ装置2に通信部20を介して送信することで、取得した対象データをバックアップ先のゲートウェイ装置2に記憶させる。
バックアップ実行部41は、対象データを監視制御データ記憶部30から、バックアップ方法決定部40で決定されたバックアップ方法で規定されたバックアップ周期で繰り返し取得し、取得した対象データをバックアップ先のゲートウェイ装置2に記憶させる。これにより、ゲートウェイ装置2において対象データが、バックアップ方法で規定されたバックアップ周期で新たなデータに更新される。
また、バックアップ実行部41は、バックアップ方法決定部40によってバックアップ方法およびバックアップ先が変更された場合、変更されたバックアップ方法で、変更されたバックアップ先のゲートウェイ装置2に対象データを記憶させる。
また、バックアップ実行部41は、ゲートウェイ装置2を介した複数の監視制御機器1への監視制御処理部24からの制御データの情報量が閾値を超える期間は、ゲートウェイ装置2へのバックアップデータの送信を停止することができる。
設定データ生成部27は、第1設定モードおよび第2設定モードのうち選択された設定モードで、設定データを生成する。設定データ生成部27は、生成した設定データを設定データ記憶部31に記憶させる。第1設定モードは、一般設定データに基づいて、設定データを生成するモードである。第2設定モードは、過去設定データに基づいて、設定データを生成するモードである。なお、設定モードは、例えば、クライアント装置3からの設定要求に基づいて設定される。
まず、第1設定モードについて説明する。設定データ生成部27は、一般設定データ記憶部33に記憶された一般設定データに基づいて設定データを生成する。一般設定データ記憶部33に記憶された一般設定データは、バックアップ方法を示すデータを含む方法データとバックアップ条件を示す条件データとをデータ種別毎に含むデータである。
図5は、実施の形態1にかかる一般設定データ記憶部に記憶される一般設定データの一例を示す図である。図5に示すように、一般設定データ記憶部33に記憶される一般設定データは、「タグID」、「タグ名」、「バックアップ条件」、「バックアップ方法」、および「優先度」をデータ種別毎に含むデータである。
「タグID」は、タグの各々に固有の識別データであり、「タグ名」は、タグの名称を示すデータである。タグは、データ種別毎に設定される。「タグ名」は、タグの名称としてデータ種別の名称を示すデータを含む。
一般設定データの「バックアップ条件」、「バックアップ方法」、および「優先度」は、図4に示す設定データの「バックアップ条件」、「バックアップ方法」、および「優先度」と同じである。
例えば、設定データ生成部27は、監視制御データ記憶部30に記憶された監視制御データに含まれる各対象データのデータ種別を判定し、判定したデータ種別に基づいて、各対象データのバックアップ条件およびバックアップ方法を示すデータを含む設定データを生成する。
例えば、監視制御データに含まれる対象データのデータ種別が温度である場合、設定データ生成部27によって生成される設定データは、図5に示されるID「T0001」に関連付けられたバックアップ条件を示すデータおよびバックアップ方法を示すデータを含む。
このように、設定データ生成部27は、一般設定データと監視制御データとに基づいて、設定データを生成することから、監視制御システム100で扱われる監視制御データのうちの少なくとも一部のデータに対してバックアップの設定が自動的に行われる。そのため、監視制御システム100では、第1設定モードを実行することによって、バックアップ設定時の作業時間を短縮することができる。
次に、第2設定モードについて説明する。設定データ生成部27は、過去設定データ記憶部34に記憶された過去設定データに基づいて設定データを生成する。過去設定データ記憶部34に記憶された過去設定データは、過去に生成された設定データであり、監視制御システム100で過去に生成された設定データおよび他の監視制御システムで過去に生成された設定データのうちの少なくとも一方を含む。過去設定データ記憶部34は、複数の過去設定データを記憶する。
例えば、設定データ生成部27は、過去設定データ記憶部34に記憶された過去設定データと監視制御データ記憶部30に記憶された監視制御データとに基づいて、設定データを生成する。具体的には、設定データ生成部27は、過去設定データ記憶部34に記憶された複数の過去設定データのうち、監視制御データ記憶部30に記憶された監視制御データと類似する監視制御データに対して設定された過去設定データを判定する。
例えば、設定データ生成部27は、複数の過去設定データのうち、データのデータ種別およびデータ種別毎のデータ数などが最も類似する過去設定データを判定する。設定データ生成部27は、最も類似すると判定した過去設定データを監視制御システム100に対する設定データとして設定データ記憶部31に記憶させる。
このように、設定データ生成部27は、過去設定データと監視制御データとに基づいて、設定データを生成することから、監視制御システム100で扱われる監視制御データの全てのデータに対してバックアップの設定が自動的に行われる。そのため、監視制御システム100では、第2設定モードを実行することによって、バックアップ設定時の入力作業が不要となる。
バックアップデータ取得部28は、サーバ5が待機系から運用系に切り替わる際に用いられる。具体的には、バックアップデータ取得部28は、運用系のサーバ5に故障が発生し、待機系から運用系に切り替えられる際に、複数のゲートウェイ装置2に分散して記憶されたバックアップデータを複数のゲートウェイ装置2から取得する。例えば、バックアップデータ取得部28は、バックアップデータ送信要求を各ゲートウェイ装置2へ通信部20から送信することによって、各ゲートウェイ装置2から通信部20を介してバックアップデータを取得する。バックアップデータ取得部28は、取得したバックアップデータを監視制御データとして監視制御データ記憶部30に記憶させる。
つづいて、フローチャートを用いゲートウェイ装置2による処理を説明する。図6は、実施の形態1にかかるゲートウェイ装置による処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、ゲートウェイ装置2のデータ送受信処理部12は、他の装置宛のデータが通信部10または通信部11で受信されたか否かを判定する(ステップS10)。データ送受信処理部12は、他の装置宛のデータが受信されたと判定した場合(ステップS10:Yes)、通信部10または通信部11で受信された他の装置宛のデータを他の装置宛に通信部11または通信部10を介して転送する中継処理を行う(ステップS11)。
ゲートウェイ装置2のリソースデータ送信処理部13は、ステップS11の処理が終了した場合、または他の装置宛のデータが受信されていないと判定された場合(ステップS10:No)、リソースデータ送信タイミングになったか否かを判定する(ステップS12)。
ステップS12の処理において、リソースデータ送信処理部13は、例えば、サーバ5によって決定されたバックアップ周期でサーバ5から送信されるリソース送信要求が通信部11で受信された場合にリソースデータ送信タイミングになったと判定する。なお、サーバ5によって決定されたバックアップ周期の情報がサーバ5から送信されゲートウェイ装置2で受信される場合、リソースデータ送信処理部13は、サーバ5から送信されるバックアップ周期の情報に基づいて、リソースデータ送信タイミングになったと判定する。
リソースデータ送信処理部13は、リソースデータ送信タイミングになったと判定した場合(ステップS12:Yes)、ゲートウェイ装置2のリソースの状態を示すデータであるリソースデータを生成する(ステップS13)。そして、リソースデータ送信処理部13は、ステップS13で生成したリソースデータをサーバ5へ通信部11を介して送信する(ステップS14)。
バックアップ処理部14は、ステップS14の処理が終了した場合、またはリソースデータ送信タイミングになっていないと判定された場合(ステップS12:No)、サーバ5からのバックアップデータが通信部11で受信されたか否かを判定する(ステップS15)。
バックアップ処理部14は、バックアップデータが通信部11で受信されたと判定した場合(ステップS15:Yes)、通信部11で受信されたバックアップデータをバックアップデータ記憶部15に記憶させる(ステップS16)。
バックアップ処理部14は、ステップS16の処理が終了した場合、またはバックアップデータが通信部11で受信されていないと判定した場合(ステップS15:No)、サーバ5からのバックアップデータ送信要求が通信部11で受信されたか否かを判定する(ステップS17)。
バックアップ処理部14は、バックアップデータ送信要求が通信部11で受信されたと判定した場合(ステップS17:Yes)、バックアップデータ記憶部15に記憶されたバックアップデータをサーバ5へ通信部11を介して送信する(ステップS18)。
ゲートウェイ装置2は、ステップS18の処理が終了した場合、またはバックアップデータ送信要求が通信部11で受信されていないと判定した場合(ステップS17:No)、動作終了のタイミングであるか否かを判定する(ステップS19)。ゲートウェイ装置2は、不図示の電源がオフされた場合または不図示の入力部への動作終了の操作が行われた場合に、動作終了のタイミングであると判定する。
ゲートウェイ装置2は、動作終了のタイミングではないと判定した場合(ステップS19:No)、処理をステップS10に移行し、動作終了のタイミングであると判定した場合(ステップS19:Yes)、図6に示す処理を終了する。
つづいて、フローチャートを用いサーバ5の処理部21による処理を説明する。図7は、実施の形態1にかかるサーバの処理部による処理の一例を示すフローチャートである。なお、図7においては、計測データを含む監視制御データを記憶するデータサーバとして機能を主に説明し、データサーバに記憶された監視制御データに基づいて、監視制御対象の監視および制御を行う処理サーバの機能については省略している。
図7に示すように、サーバ5の処理部21は、バックアップ方法決定タイミングになったか否かを判定する(ステップS20)。バックアップ方法決定タイミングは、例えば、予め設定された周期で到来するタイミングである。
処理部21は、バックアップ方法決定タイミングになったと判定した場合(ステップS20:Yes)、バックアップ方法決定処理を行う(ステップS21)。ステップS21のバックアップ方法決定処理は、図8に示すステップS30~S33の処理であり、後で詳細に説明する。
処理部21は、ステップS21の処理が終了した場合、またはバックアップ方法決定タイミングになっていないと判定した場合(ステップS20:No)、バックアップデータ送信処理を行う(ステップS22)。ステップS22のバックアップデータ送信処理は、図9に示すステップS40~S43の処理であり、後で詳細に説明する。
次に、処理部21は、設定データ決定タイミングになったか否かを判定する(ステップS23)。処理部21は、設定データ決定タイミングになったと判定した場合(ステップS23:Yes)、設定データ決定処理を行う(ステップS24)。ステップS24の設定データ決定処理は、図10に示すステップS50~S57の処理であり、後で詳述する。
処理部21は、ステップS24の処理が終了した場合、または設定データ決定タイミングになっていないと判定した場合(ステップS23:No)、動作終了のタイミングであるか否かを判定する(ステップS25)。処理部21は、サーバ5における不図示の電源がオフされた場合または不図示の入力部への動作終了の操作が行われた場合に、動作終了のタイミングであると判定する。
処理部21は、動作終了のタイミングではないと判定した場合(ステップS25:No)、処理をステップS20に移行し、動作終了のタイミングであると判定した場合(ステップS25:Yes)、図7に示す処理を終了する。
図8は、実施の形態1にかかるサーバの処理部によるバックアップ方法決定処理の一例を示すフローチャートである。図8に示すように、処理部21は、設定データ記憶部31に記憶された設定データを取得する(ステップS30)。また、処理部21は、各ゲートウェイ装置2からリソースデータを取得する(ステップS31)。
処理部21は、ステップS30で取得された設定データとステップS31で取得されたリソースデータとに基づいて、各対象データのバックアップ方法およびバックアップ先を決定する(ステップS32)。
次に、処理部21は、決定した各対象データのバックアップ方法およびバックアップ先の各々を示すデータを含む方法データを方法データ記憶部32に記憶させ(ステップS33)、図8に示す処理を終了する。
図9は、実施の形態1にかかるサーバの処理部によるバックアップデータ送信処理の一例を示すフローチャートである。図9に示すように、処理部21は、方法データ記憶部32に記憶された方法データを取得する(ステップS40)。
処理部21は、バックアップデータ送信タイミングになったか否かを対象データ毎に判定する(ステップS41)。ステップS41の処理において、処理部21は、方法データで規定されるバックアップ周期のタイミングが到来した場合に、バックアップデータ送信タイミングになったと判定する。例えば、バックアップ方法に含まれるバックアップ周期が3分である場合、処理部21は、3分毎に到来するタイミングをバックアップデータ送信タイミングとして判定する。
処理部21は、バックアップデータ送信タイミングになったと判定した場合(ステップS41:Yes)、監視制御データ記憶部30に記憶された監視制御データのうちバックアップデータ送信タイミングになったと判定された対象データを取得する(ステップS42)。そして、処理部21は、ステップS42で取得した対象データを、方法データに含まれるバックアップ先のゲートウェイ装置2へ通信部20を介して送信する(ステップS43)。
処理部21は、ステップS43の処理が終了した場合、またはバックアップデータ送信タイミングになっていないと判定した場合(ステップS41:No)、図9に示す処理を終了する。
図10は、実施の形態1にかかるサーバの処理部による設定データ決定処理の一例を示すフローチャートである。図10に示すように、処理部21は、第1設定モードに設定されているか否かを判定する(ステップS50)。処理部21は、ステップS50の処理において、第2設定モードに設定されている場合、第1設定モードに設定されていないと判定する。
処理部21は、第1設定モードに設定されていると判定した場合(ステップS50:Yes)、一般設定データ記憶部33に記憶された一般設定データを取得する(ステップS51)。また、処理部21は、監視制御データ記憶部30に記憶された監視制御データを取得する(ステップS52)。そして、処理部21は、ステップS51で取得した一般設定データとステップS52で取得した監視制御データとに基づいて、設定データを生成する(ステップS53)。
処理部21は、第1設定モードに設定されていないと判定した場合(ステップS50:No)、過去設定データ記憶部34に記憶された過去設定データを取得する(ステップS54)。また、処理部21は、監視制御データ記憶部30に記憶された監視制御データを取得する(ステップS55)。そして、処理部21は、ステップS54で取得した過去設定データとステップS55で取得した監視制御データとに基づいて、設定データを生成する(ステップS56)。
処理部21は、ステップS53の処理が終了した場合、またはステップS56の処理が終了した場合、生成した設定データを設定データ記憶部31に記憶させ(ステップS57)、図10に示す処理を終了する。
図11は、実施の形態1にかかるゲートウェイ装置およびサーバの各々のハードウェア構成の一例を示す図である。図11に示すように、ゲートウェイ装置2およびサーバ5の各々は、プロセッサ101と、メモリ102と、通信装置103と、インタフェース回路104とを備えるコンピュータを含む。プロセッサ101、メモリ102、通信装置103、およびインタフェース回路104は、例えば、バス105によって互いに情報の送受信が可能である。
ゲートウェイ装置2のバックアップデータ記憶部15は、メモリ102によって実現される。ゲートウェイ装置2の通信部10,11は、通信装置103で実現される。ゲートウェイ装置2のプロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、データ送受信処理部12、リソースデータ送信処理部13、およびバックアップ処理部14などの機能を実行する。
また、サーバ5の監視制御データ記憶部30、方法データ記憶部32、設定データ記憶部31、一般設定データ記憶部33、および過去設定データ記憶部34は、メモリ102によって実現される。サーバ5の通信部20は、通信装置103で実現される。サーバ5のプロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、処理部21などの機能を実行する。
プロセッサ101は、例えば、処理回路の一例であり、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、およびシステムLSI(Large Scale Integration)のうち一つ以上を含む。メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、およびEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)のうち一つ以上を含む。また、メモリ102は、コンピュータが読み取り可能なプログラムが記録された記録媒体を含む。かかる記録媒体は、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルメモリ、光ディスク、コンパクトディスク、およびDVD(Digital Versatile Disc)のうち一つ以上を含む。なお、ゲートウェイ装置2およびサーバ5の各々は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路を含んでいてもよい。
サーバ5は、処理サーバと、データサーバとで構成される。なお、サーバ5は、処理サーバの機能を有しない構成であってもよい。
以上のように、実施の形態1にかかる監視制御システム100は、複数のゲートウェイ装置2と、複数のサーバ5とを備える。複数のゲートウェイ装置2は、複数の監視制御機器1と通信可能に接続される。サーバ5は、複数のゲートウェイ装置2を介して複数の監視制御機器1から送信される計測データを収集し、収集した計測データに基づいて監視制御対象の監視および制御を行う。サーバ5は、リソースデータ取得部25と、設定データ記憶部31と、バックアップ処理部26とを備える。リソースデータ取得部25は、複数のゲートウェイ装置2の各々のリソースの使用状況を示すリソースデータを周期的に取得する。設定データ記憶部31は、バックアップ方法を示すデータを含む方法データとバックアップ条件を示す条件データとを、バックアップ対象となるデータであるバックアップデータに含まれる対象データ毎に含む設定データを記憶する。バックアップ処理部26は、リソースデータ取得部25によって周期的に取得されたリソースデータと設定データとに基づいて、バックアップ方法を変化させながら、バックアップデータを分散して複数のゲートウェイ装置2に記憶させる。これにより、監視制御システム100は、バックアップデータをより適切に分散して記憶させることができる。
また、バックアップ処理部26は、バックアップ方法決定部40と、バックアップ実行部41とを備える。バックアップ方法決定部40は、リソースデータと条件データとに基づいて、対象データ毎のバックアップ方法を決定する。バックアップ実行部41は、バックアップ方法決定部40で決定された対象データ毎のバックアップ方法でバックアップデータを分散して複数のゲートウェイ装置2に記憶させる。これにより、監視制御システム100は、対象データ毎に適切なバックアップ方法でバックアップデータを分散して複数のゲートウェイ装置2に記憶させることができる。
また、バックアップ方法決定部40は、リソースデータと条件データとに基づいて、複数のゲートウェイ装置2のうち対象データを記憶させるゲートウェイ装置2を対象データ毎に決定する。バックアップ実行部41は、バックアップ方法決定部40による決定結果に基づいて、バックアップデータを分散して複数のゲートウェイ装置2に記憶させる。これにより、監視制御システム100は、対象データ毎に適切なバックアップ先のゲートウェイ装置2にバックアップデータを記憶させることができる。
また、監視制御システム100は、一般設定データ記憶部33と、設定データ生成部27とを備える。一般設定データ記憶部33は、バックアップ方法を示すデータを含む方法データとバックアップ条件を示す条件データとをデータ種別毎に含む一般設定データを記憶する。設定データ生成部27は、一般設定データとバックアップデータとに基づいて、設定データを生成する。これにより、監視制御システム100では、監視制御システム100で扱われる監視制御データのうちの少なくとも一部のデータに対してバックアップの設定が自動的に行われることから、バックアップ設定時の作業時間を短縮することができる。
また、監視制御システム100は、過去設定データ記憶部34と、設定データ生成部27とを備える。過去設定データ記憶部34は、過去に生成された設定データである過去設定データを記憶する。設定データ生成部27は、過去設定データとバックアップデータとに基づいて、設定データを生成する。これにより、監視制御システム100では、監視制御システム100で扱われる監視制御データの全てのデータに対してバックアップの設定が自動的に行われるため、バックアップ設定時の入力作業が不要となる。
また、監視制御システム100は、待機系のサーバ52をさらに備える。サーバ51は運用系のサーバである。待機系のサーバ52は、バックアップデータ取得部28と、監視制御処理部24とを備える。バックアップデータ取得部28は、運用系のサーバ51に障害が発生した場合に、複数のゲートウェイ装置2からバックアップデータを取得する。監視制御処理部24は、バックアップデータに基づいて、複数の監視制御機器1の監視および制御を行う。運用系のサーバ51と待機系のサーバ52とは、互いに各々異なる地域に設けられたクラウド環境81,82に構築される。これにより、監視制御システム100は、災害などが生じた場合であっても、複数の監視制御機器1の監視および制御を精度よく継続することができる。
実施の形態2.
実施の形態2にかかる監視制御システムは、外部装置から設定データを作成することができる点、および外部装置でバックアップ状況を表示することができる点で、実施の形態1にかかる監視制御システムと異なる。以下においては、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1の監視制御システムと異なる点を中心に説明する。
図12は、実施の形態2にかかる監視制御システムの構成の一例を示す図である。図12に示すように、実施の形態2にかかる監視制御システム100Aは、サーバ51,52に代えて、サーバ5A1,5A2を備える点で、実施の形態1にかかる監視制御システム100と異なる。以下において、サーバ5A1,5A2の各々を個別に区別せずに示す場合、サーバ5Aと記載する場合がある。
図13は、実施の形態2にかかるサーバの構成の一例を示す図である。図13に示すように、サーバ5Aは、処理部21に代えて、処理部21Aを備える点で、サーバ5と異なる。処理部21Aは、設定データ更新部42およびデータ提供部43を備える点で、処理部21と異なる。
設定データ更新部42は、外部装置の一例であるクライアント装置3から送信された設定データ作成要求が通信部20で受信された場合、設定データ作成画面データをクライアント装置3へ通信部20を介して送信する。設定データ更新部42は、設定データ作成画面データを送信した後、クライアント装置3から取得した設定要求データに基づいて、設定データ記憶部31に記憶された設定データを設定または更新する。設定データ更新部42は、クライアント装置3から送信されたキャンセル要求が通信部20で受信された場合、設定データの更新処理を終了する。
なお、設定データ更新部42は、監視制御対象の状態、監視制御機器1の状態、または監視制御対象の周囲環境などに応じて、設定データ記憶部31に記憶されている設定データに含まれるバックアップ方法および優先度などの情報を変更することができる。
例えば、設定データ更新部42は、監視制御対象の状態が悪化している場合、バックアップ期間を長くしたり、バックアップ周期を短くしたりすることができる。また、設定データ更新部42は、監視制御機器1からの計測データが取得できなくなった場合、取得できなくなった計測データに対応する対象データについて、バックアップ期間を長くすることができる。また、設定データ更新部42は、サーバ5が構築されたクラウド環境8が設置された地域に災害が生じる可能性が高くなるほど、バックアップ期間を長くしたり、バックアップ周期を短くしたりすることができる。
データ提供部43は、クライアント装置3から送信されたバックアップ状況表示要求が通信部20で受信された場合、バックアップ処理部26によるバックアップ処理の状況を示すバックアップ状況表示データを生成する。データ提供部43は、生成したバックアップ状況表示データをクライアント装置3へ通信部20を介して送信する。
例えば、データ提供部43は、設定データ記憶部31から設定データを取得し、方法データ記憶部32から方法データを取得する。また、データ提供部43は、バックアップの実行の状況を示す情報をバックアップ処理部26から取得する。データ提供部43は、取得した設定データ、方法データ、およびバックアップの実行の状況を示す情報に基づいて、バックアップ処理の状況を示すバックアップ状況表示データを生成する。
クライアント装置3は、クライアント装置3の不図示の入力部へユーザの特定操作があった場合に、設定データ作成要求をサーバ5Aへ送信し、設定データ作成要求に応じてサーバ5Aから送信される設定データ作成画面データを受信する。クライアント装置3は、受信した設定データ作成画面データに基づいて、設定データ作成画面を不図示の表示部に表示する。
図14は、実施の形態2にかかるクライアント装置の構成の一例を示す図である。図14に示すように、クライアント装置3は、通信部60と、表示処理部61と、表示部62と、入力部63と、入力処理部64と、要求送信処理部65と、設定データ送信処理部66とを備える。
通信部60は、ネットワーク6に通信可能に接続され、サーバ5Aとの間でデータの送受信を行う。表示処理部61は、表示部62に情報を表示する。表示部62は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイである。入力部63は、例えば、マウス、キーボード、またはタッチパネルなどを含む。
入力処理部64は、入力部63へのユーザの操作を受け付ける。要求送信処理部65は、入力処理部64によって受け付けられた入力部63へのユーザの操作に基づいて、入力部63へのユーザの操作に応じた要求をサーバ5Aへ通信部60を介して送信する。例えば、要求送信処理部65は、入力部63へのユーザの特定操作があったことが入力処理部64で検出された場合に、設定データ作成要求をサーバ5Aへ通信部60を介して送信する。
表示処理部61は、サーバ5Aから送信され通信部60で受信された画面データに応じた画面を表示部62に表示させる。例えば、表示処理部61は、サーバ5Aから送信され通信部60で受信された画面データが設定データ作成画面データである場合、設定データ作成画面を表示部62に表示させる。
図15は、実施の形態2にかかるクライアント装置の表示部に表示される設定データ作成画面の一例を示す図である。図15に示す設定データ作成画面70は、設定データ作成欄71と、設定完了ボタン72と、キャンセルボタン73とを含む。
設定データ作成欄71には、バックアップ条件およびバックアップ方法などの情報を入力するための複数の入力枠が含まれる。クライアント装置3のユーザは、入力部63を操作することによって、設定データ作成欄71の複数の入力枠に対象データのバックアップ条件およびバックアップ方法などの情報を入力することができる。
表示処理部61は、入力部63へのユーザの操作によって設定データ作成欄71の入力枠に情報が入力されたことが入力処理部64によって検出された場合、ユーザによって入力された情報が入力枠に追加された状態の設定データ作成欄71を表示部62に表示させる。なお、表示処理部61は、例えば、ユーザによって情報が入力されていない入力枠を赤色にして強調表示することができる。これにより、ユーザは情報が入力された入力枠を容易に把握することができる。
設定データ作成欄71にバックアップ条件およびバックアップ方法などの情報が追加された後、クライアント装置3のユーザが入力部63を操作して設定完了ボタン72が操作されたことが入力処理部64によって検出された場合、ユーザによって入力された情報を含む設定要求データをサーバ5Aへ通信部60を介して送信する。これにより、サーバ5Aによって設定データの設定または更新が行われる。
また、クライアント装置3のユーザが入力部63を操作してキャンセルボタン73が操作されたことが入力処理部64によって検出された場合、要求送信処理部65は、キャンセル要求をサーバ5Aへ通信部60を介して送信する。
このように、実施の形態2にかかる監視制御システム100Aでは、クライアント装置3からバックアップ設定が可能になり、設定データの設定または変更の際に作業効率を向上させることができる。また、監視制御システム100Aでは、入力されていない入力枠が強調表示されることから、設定の未入力および誤入力を防ぐことができ、作業効率を向上させることができる。
図14に戻って、クライアント装置3の説明を続ける。要求送信処理部65は、入力部63へのユーザの特定操作があったことが入力処理部64で検出された場合に、設定データ作成要求をサーバ5Aへ通信部60を介して送信する。
また、クライアント装置3は、クライアント装置3における不図示の入力部へユーザの特定操作があった場合に、バックアップ状況表示要求をサーバ5Aへ送信し、バックアップ状況表示要求に応じてサーバ5Aから送信されるバックアップ状況表示データを受信する。クライアント装置3は、受信したバックアップ状況表示データに基づいて、バックアップ状況表示画面を表示部62に表示する。バックアップ状況表示データは、バックアップ状況を示す状況データの一例である。
図16は、実施の形態2にかかるクライアント装置の表示部に表示されるバックアップ状況表示画面の一例を示す図である。図16に示すバックアップ状況表示画面80は、バックアップ状況表示欄81と、閉じるボタン82とを含む。
バックアップ状況表示欄81には、設定データの内容および方法データの内容などを示す情報が含まれる。これにより、クライアント装置3のユーザは、監視制御システム100Aのバックアップ実施状況を知ることが可能になることから、バックアップ方法などが適正かどうかを判断することができる。
また、図16には図示していないが、バックアップ状況表示欄81には、例えば、バックアップ先のゲートウェイ装置2の情報、各バックアップ先に対してバックアップが行われているか否かを示す情報、および各バックアップ先に対してバックアップが実行された最新の時刻の情報などが含まれる。
つづいて、フローチャートを用いてサーバ5Aの処理部21Aによる処理を説明する。図17は、実施の形態2にかかるサーバの処理部による処理の一例を示すフローチャートである。図17に示すステップS60~S64,S69の処理は、図7に示すステップS20~S25の処理と同様であるため、説明を省略する。
図17に示すように、サーバ5Aの処理部21Aは、クライアント装置3からの設定データ作成要求が通信部20で受信されたか否かを判定する(ステップS65)。処理部21Aは、設定データ作成要求が受信されたと判定した場合(ステップS65:Yes)、設定データ作成処理を実行する(ステップS66)。ステップS66の設定データ作成処理は、図18に示すステップS70~S73の処理であり、後で詳述する。
処理部21Aは、ステップS66の処理が終了した場合、または設定データ作成要求が受信されていないと判定した場合(ステップS65:No)、クライアント装置3からのバックアップ状況表示要求が通信部20で受信されたか否かを判定する(ステップS67)。
処理部21Aは、バックアップ状況表示要求が受信されたと判定した場合(ステップS67:Yes)、バックアップ状況表示処理を実行する(ステップS68)。ステップS68のバックアップ状況表示処理は、図19に示すステップS80~S83の処理であり、後で詳述する。
処理部21Aは、ステップS68の処理が終了した場合、またはバックアップ状況表示要求が受信されていないと判定した場合(ステップS67:No)、動作終了のタイミングであるか否かを判定する(ステップS69)。
処理部21Aは、動作終了のタイミングではないと判定した場合(ステップS69:No)、処理をステップS60に移行し、動作終了のタイミングであると判定した場合(ステップS69:Yes)、図17に示す処理を終了する。
図18は、実施の形態2にかかるサーバの処理部による設定データ作成処理の一例を示すフローチャートである。図18に示すように、処理部21Aは、設定データ作成画面データをサーバ5Aへ通信部20を介して送信する(ステップS70)。
次に、処理部21Aは、クライアント装置3からの設定要求データが通信部20で受信されたか否かを判定する(ステップS71)。処理部21Aは、設定要求データが受信されたと判定した場合(ステップS71:Yes)、設定要求データに基づいて設定データを設定または更新する(ステップS72)。
処理部21Aは、ステップS72の処理が終了した場合、または設定要求データが受信されていないと判定した場合(ステップS71:No)、クライアント装置3からのキャンセル要求が通信部20で受信されたか否かを判定する(ステップS73)。
処理部21Aは、キャンセル要求が受信されていないと判定した場合(ステップS73:No)、処理をステップS71へ移行し、キャンセル要求が受信されたと判定した場合(ステップS73:Yes)、図18に示す処理を終了する。
図19は、実施の形態2にかかるサーバの処理部によるバックアップ状況表示処理の一例を示すフローチャートである。図19に示すように、処理部21Aは、設定データ記憶部31から設定データを取得する(ステップS80)。また、処理部21Aは、方法データ記憶部32に記憶された方法データを取得する(ステップS81)。
処理部21Aは、バックアップ処理部26からバックアップの実行の状況を示す情報を取得する(ステップS82)。処理部21Aは、ステップS80で取得した設定データ、ステップS81で取得した方法データ、およびステップS82で取得したバックアップの実行の状況を示す情報に基づいて、バックアップ状況表示画面データを生成し、送信する(ステップS83)。処理部21Aは、ステップS83の処理が終了した場合、図19に示す処理を終了する。
実施の形態2にかかるサーバ5Aの処理部21Aのハードウェア構成例は、図11に示すサーバ5の処理部21のハードウェア構成と同じである。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、処理部21Aの機能を実行することができる。
以上のように、実施の形態2にかかる監視制御システム100Aは、設定データ更新部42を備える。設定データ更新部42は、外部装置の一例であるクライアント装置3から取得したデータに基づいて、設定データ記憶部31に記憶される設定データを設定または更新する。これにより、監視制御システム100Aでは、クライアント装置3からバックアップ設定が可能になり、設定データの設定または変更の際に作業効率を向上させることができる。
また、監視制御システム100Aは、複数のゲートウェイ装置2へのバックアップ状況を示す状況データを提供するデータ提供部43を備える。これにより、監視制御システム100Aでは、クライアント装置3のユーザは、監視制御システム100Aのバックアップ実施状況を知ることが可能になることから、バックアップ方法などが適正かどうかを判断することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。