JP7068967B2 - 型枠システム - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート構造物の施工に使用する型枠システムに関する。
コンクリートダム等のコンクリート構造物を構築する場合には、当該コンクリート構造物の表面に対応して設置された型枠の内側にコンクリートを打設する。例えば、CSG(Cemented Sand and Gravel)工法によりダム堤体を形成する際に表面をコンクリートで被覆する場合には、断面視台形状の本体部分(CSG)の表面から隙間をあけて型枠を設置し、この隙間にコンクリートを打設している。
ダム等の大型のコンクリート構造物を構築する場合には、コンクリートの打設を複数の層に分けて行うのが一般的である。このような大型コンクリート構造物の施工に、スライド型枠等が採用される場合がある。
スライド型枠を使用する場合には、スライド型枠の下部分をコンクリート構造物の既設部分の表面に固定するとともにスライド型枠の上部分を既設部分の上面から突出させた状態で既設部分の上方にコンクリートを打設する。そして、コンクリートの養生後、スライド型枠を上方に移動させて、次の層のコンクリートを打設する(例えば、特許文献1参照)。ところが、コンクリートの養生が不十分な状態でスライド型枠を脱型すると、脱型時の引張力によって局所的にコンクリート欠損が生じるおそれがある。したがって、スライド型枠を採用する場合には、コンクリートの養生時間を十分に確保する必要があるが、このことが工期短縮化の妨げとなっていた。
そのため、本出願人は、特許文献2に示すように、上下に隣接する一対のせき板が、せき板同士を連結する連結部材の端部に対して横軸を中心に回転可能に取り付けられた型枠システムを開発し、実用化に至っている。この型枠システムは、せき板が2つに分割されているため、上層のコンクリートの養生が不十分な状態であっても、養生時間を十分に確保した下層のコンクリートに取り付けられた下側のせき板のみを上方に移動させて次の層のコンクリート打設に利用することができる。その結果、スライド型枠に比べてコンクリート打設から型枠の移動までに要する期間を短縮することが可能となり、工期の短縮化を図ることができる。
特許文献2の型枠システムでは、連結部材に型枠足場を取り付けた状態で、作業員がこの型枠足場上で作業を行うことができる。一つの型枠足場を複数の型枠システムで兼用する場合には、クレーン等の揚重機を使用して型枠足場を一方の型枠システムから他方の型枠システムに移動させる。
特開平05-133097号公報 特開2017-197957号公報
揚重機を利用した型枠足場の移動は、玉掛け作業等を要する。そのため、型枠足場を移動させる手間が工期に影響を及ぼすおそれがある。一方、各型枠システムに足場を一体に形成すると、装置が大掛かりになり、せき板の移動に手間がかかるとともに、装置の製造コストが高くなる。本発明は、このような問題点を解決するものであり、工期短縮化および工事費の低減化を図ることを可能とした型枠システムを提案することを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明の型枠システムは、左右に並設された複数のローリング型枠と、複数の前記ローリング型枠のうちの一つに設けられた作業用足場とを有するものである。前記ローリング型枠は、上下に隣接する一対のせき板と、前記せき板同士を連結する連結部材と、前記せき板の背面に形成された移動路とを備えていて、前記せき板は前記連結部材の端部に回転可能に取り付けられている。また、前記作業用足場は、隣り合う前記ローリング型枠同士の間を前記移動路に沿って移動するための移動手段を備えている。
かかる型枠システムによれば、作業用足場がローリング型枠同士の間を移動可能なため、ローリング型枠間における作業用足場の移動が容易である。その結果、工期短縮化が可能となる。また、ローリング型枠は、せき板の背面に移動路を形成するのみで、複雑な構造を要することなく作業用足場を移動できるため、製造コストが高価になることもない。また、せき板が2つに分割されているため、十分に養生された部分に取り付けられた下側のせき板のみを取り外し、上方に移動させることで、次の層のコンクリートを打設することができる。そのため、コンクリート打設から型枠の移動までに要する期間を短縮することが可能となり、工期の短縮化を図ることができる。せき板同士は連結部材を介して連結されているため、一方のせき板をコンクリート構造物の既設部分から取り外す際に、他方のせき板から反力を取ることができる。そのため、せき板を取り外す際の既設部分への負担を軽減することができる。
前記移動手段が、前記移動路を走行する車輪またはクローラであれば、作業用足場をより効率よく移動させることができる。
また、前記連結部材に回転力を付与する回転装置を備えていれば、せき板の移動に使用するためのクレーン等の揚重機を省略することができる。そのため、揚重機の使用に伴う費用等を削減することができる。
なお、前記せき板の背面に、移動路が形成されており、前記回転装置が、隣り合う前記ローリング型枠同士の間を前記移動路に沿って移動可能であれば、複数のローリング型枠に対して、一つの回転装置を兼用することが可能となる。その結果、複数の回転装置を配置する場合に比べて費用の低減化を図ることができる。
本発明の型枠システムによれば、作業用足場がローリング型枠同士の間を移動する移動手段を備えているため、作業用足場を左右に移動させる際にクレーン等を使用する必要がない。そのため、作業用足場をクレーン等により吊持して移動させる回数を減らすことができ、作業用足場を吊持する際の手間および費用を低減することが可能となる。その結果、大型コンクリート構造物の施工について、工期短縮化および工事費の低減化を図ることが可能となる。
ダム堤体を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る型枠システムの設置状況を模式的に示す斜視図である。 本実施形態の型枠システムを示す側面図である。 (a)は型枠システムの概要を示す斜視図、(b)は移動路を示す正面図である。 作業用足場を示す側面図である。 作業用足場の車輪と駆動輪を示す図であって、(a)は測面図、(b)は下側から望む平面図である。 コンクリート構造物の施工方法の各工程を示す側面図であって、(a)は準備工程、(b)は打設工程である。 図7に続くコンクリート構造物の施工方法の準備工程を示す側面図である。 他の形態に係る作業用足場を示す側面図である。 他の形態に係る作業用足場の移動手段を示す図であって、(a)は測面図、(b)は正面図である。
本実施形態では、CSG(Cemented Sand and Gravel)工法によりダム堤体1(図1参照)を構築する場合について説明する。ダム堤体1は、台形状に盛り立てたCSG(本体部11)の表面を、コンクリート部12により覆うことで形成する。
コンクリート部12の施工は、本体部11の表面から所定の間隔をあけて型枠システム2を設置(準備工程)した後、この型枠システム2と本体部11との間にコンクリートを打設すること(打設工程)により行う(図7参照)。なお、コンクリートの打設は、図2に示すように、複数の層(L1,L2,…)に分けて行うものとし、コンクリートを打設する層の外面を複数の型枠システム2により覆った状態で行う。
型枠システム2は、図2および図3に示すように、複数のローリング型枠3,3,…と、作業用足場4と、回転装置5を有している。
複数のローリング型枠3,3,…は、本体部11の表面に沿って左右に並設されている。ローリング型枠3は、図4(a)に示すように、上下に隣接する一対のせき板6,6とせき板6同士を連結する連結部材7と、せき板6の背面に形成された移動路8とを備えている。
せき板6は、平面視矩形状の板状部材である。一対のせき板6,6は、同一形状に形成されている。本実施形態のせき板6は、せき板本体61と、補強部材62と、回転治具63とアンカー取付部材64と連結用治具(図示せず)とを備えている。なお、せき板6の構成は限定されるものではない。例えば、せき板本体61が十分な強度を備えている場合には、補強部材62を省略してもよい。
本実施形態のせき板本体61は、コンクリート打設面に面する板状部材であって、複数の鋼板を組み合わせることに矩形状に形成されている。なお、せき板本体61は、1枚の板材により形成されていてもよい。また、せき板本体61を構成する板材の材質は限定されるものではなく、例えば木板であってもよい。
補強部材62は、せき板本体61の変形を防止する目的で配置されるものであり、形鋼材を格子状に組み合わせることにより形成されていて、せき板本体61の背面に固定されている。なお、補強部材62の構成は限定されるものではない。また、補強部材62とせき板本体61との固定方法は、治具を介して固定する方法や溶接する等、適宜選定して行えばよい。また、補強部材62を構成する各部材は限定されるものではなく、例えば溝形鋼、L形鋼、H形鋼等を使用すればよい。
回転治具63は、せき板6と連結部材7とを連結するための部材であって、本実施形態では補強部材62に取り付けられている。回転治具63は、せき板6の上下方向中間部に設けられていて、連結部材7を回転可能に保持している。すなわち、せき板6は、連結部材7の端部に回転可能に取り付けられている。なお、回転治具63は、せき板本体61に直接固定されていてもよい。
アンカー取付部材64は、コンクリート部12に埋設されるアンカー材9を着脱可能に保持する部材であって、せき板6の上部に設けられている。なお、アンカー取付部材64の配置および数は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
連結用治具(図示せず)は、せき板6の下端角部に設けられている。連結用治具は、油圧ピンを備えていて、上下に隣り合うせき板6同士と左右に隣接するせき板6同士とを連結(固定)する。なお、連結用治具の構成は、せき板6同士を固定することが可能であれば限定されるものではなく、例えばボルトであってもよい。
連結部材7は、図4(a)に示すように、上下に配設されたせき板6同士を連結する。すなわち、一対のせき板6,6のうちの一方のせき板6(以下、「第一せき板6a」という。)は連結部材7の一方の端部(上端部または下端部)に回転可能に取り付けられていて、他方のせき板6(以下、「第二せき板6b」という。)は連結部材7の他方の端部に回転可能に取り付けられている。
本実施形態の連結部材7は、一対の縦材71,71と、一対の横材72,72を備えている。縦材71は、上下のせき板6,6に跨って配設された鋼材である。横材72は、連結部材7の上下端に配設された鋼材であり、左右の縦材71,71を連結している。横材72の両端部および中間部は、せき板6の回転治具63に取り付けられている。連結部材7は、横材72を中心に回転する。なお、縦材71,71および横材72,72は、一体に形成されていてもよいし、個別の部材同士を連結してもよい。
移動路8は、せき板6の背面に形成されている。本実施形態では、上下二段の移動路8,8が形成されている。移動路8は、せき板6の上辺および下辺と平行となるように左右方向に延設されている。
上段の移動路8(上段移動路81)は、回転治具63の上側近傍に形成されている。上段移動路81は、溝形鋼のウェブが上側になるように、一方のフランジをせき板6の背面に固定することにより形成されている。すなわち、上段移動路81は、せき板6と平行な面と、せき板6と直交する面との二つの走行面を有している。なお、上段移動路81を構成する材料は限定されるものではなく、例えば、H形鋼やL形鋼等の他の鋼材により形成されていてもよいし、角管により形成されていてもよい。上段移動路81の左右の端部は、図4(b)に示すように、上面の左右の端部が、先端に向かうにしたがって低くなるように傾斜している。そのため、隣り合うローリング型枠3,3の突き合わせ部では、上段移動路81の上面に凹部が形成された状態で、連設されている。本実施形態では、上段移動路81の先端から70~80mmの範囲において、傾斜角が10°の傾斜面を形成する。なお、上段移動路81の端部に形成する傾斜面の範囲や傾斜角は限定されるものではない。
下段の移動路8(下段移動路82)は、せき板6の下部(下辺の上側近傍)に形成されている。下段移動路82は、溝形鋼の一対のフランジの端部をせき板6(補強部材62)の背面に固定することにより形成されている。すなわち、下段移動路82は、溝形鋼のウェブにより、せき板6の背面と平行な走行路が形成されている。なお、下段移動路82を構成する材料は限定されるものではなく、例えば、H形鋼やL形鋼等の他の鋼材により形成されていてもよいし、角管により形成されていてもよい。
本実施形態では上段移動路81の上方に、上段移動路81と平行な係止レール83がせき板6の背面に形成されている。係止レール83は、溝形鋼のウェブが下側になるように、一方のフランジをせき板6の背面に固定することにより形成されている。なお、係止レール83は、必要に応じて形成すればよく、省略してもよい。また、係止レール83の数および配置や、係止レール83を構成する材料は限定されるものではなく、適宜決定すればよい。
作業用足場4は、複数のローリング型枠3,3,…のうちの少なくとも一つに設けられている。作業用足場4は、隣り合うローリング型枠3同士の間を移動路8に沿って移動可能である。すなわち、本実施形態の型枠システム2では、ダム堤体1の一つの面に対して一台の作業用足場4を兼用する。なお、型枠システム2に対して兼用する作業用足場4の台数は限定されるものではない。
作業用足場4は、図5に示すように、支持架台41と、足場本体42と、車輪43とを備えている。
支持架台41は、形鋼材を組み合わせることにより形成されている。支持架台41の下面(ローリング型枠3側の面)には、係止レール83に係止するための係止部材44が固定されている。本実施形態の係止部材44は、一方のフランジが支持架台41の表面(ダム堤体1側の面)に固定された溝形鋼からなる。図3に示すように、作業用足場4を設置する場合には、係止部材44の他方のフランジを係止レール83のフランジに係止する。なお、係止部材44の取り付け箇所は限定されるものではなく、例えば、せき板6の補強部材62に係止してもよい。また、係止部材44は、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。
本実施形態では、上下2段の足場本体42,42を備えているが、足場本体42の数は限定されるものではない。足場本体42の周縁には、手すり45が設けられている。
車輪43は、支持架台41の背面(ダム堤体1側)に設けられている。車輪43は、ローリング型枠3に形成された移動路8に沿って移動する移動手段であり、移動路8のウェブ上を走行する。本実施形態では、一対の車輪43が、支持架台41の上部および下部にそれぞれ左右二箇所ずつ(合計四か所)設けられている。上部および下部に配設された車輪43は、それぞれ上側のせき板6の上段移動路81および下側のせき板6の下段移動路82の位置に対応している。上下に配設された車輪43は、それぞれせき板6の背面と平行な縦軸を中心に回転可能に設けられている。すなわち、車輪43は、せき板6の板面と平行な走行面を走行する。
作業用足場4には、図6(a)および(b)に示すように、上側の車輪43の近傍に駆動輪46を有している。駆動輪46は、移動路8に沿って移動する移動手段であり、上段移動路81のウェブ(上面)を走行可能である。すなわち、駆動輪46は、車輪43の回転軸と直交する軸を中心に回転する。駆動輪46は、モータ47のモータ軸48に固定されていて、モータ47の駆動に伴い回転する。作業用足場4は、モータ47の動力により駆動輪46が上段移動路81を走行することで、自走する。すなわち、作業用足場4は、自走手段を備えている。なお、駆動輪46は必要に応じて設ければよい。また、モータ47は、車輪43に回転力を付与してもよい。さらに、作業用足場4は、必ずしも自走式である必要はなく、人力により移動させてもよいし、ウィンチ等により牽引してもよい。
回転装置5は、図2に示すように、せき板6の背面において、回転治具63の近傍に配設されている。回転装置5は、モータ等の動力源を有していて、連結部材7に回転力を付与する。すなわち、回転装置5を駆動させると、一方の横材72に回転力が付与され、その結果、連結部材7が一方の横材72の中心に回転する(図8参照)。なお、回転装置5は、縦材71に対して回転力を付与するものであってもよい。回転装置5は、歯車やベルト等の動力伝達機構(図示せず)を介して動力源の回転力を連結部材7に伝達する。動力伝達機構は、連結部材7との係合を解除可能である。
回転装置5は、隣り合うローリング型枠3同士の間を上段移動路81に沿って移動可能である。本実施形態の回転装置5は、駆動輪を有していて、上段移動路81を走行可能(自走可能)に構成されている。回転装置5は、動力伝達機構と連結部材7との係合を解除した状態で走行する。なお、回転装置5は、必ずしも自走式である必要はなく、人力により移動させてもよいし、ウィンチ等により牽引してもよい。また、ローリング型枠3には、作業用足場4用の移動路8とは別に、回転装置5用の移動路8が形成されていてもよい。
コンクリート部12の構築は、準備工程と、打設工程とを繰り返すことにより行う。
準備工程では、図7(a)に示すように、本体部11から所定の間隔(コンクリート部12の厚さ)をあけた位置に型枠システム2を設置する。
型枠システム2は、第一せき板6aと第二せき板6bとを上下に配設するとともに、連結用治具を介して第一せき板6aと第二せき板6bとを連結する。一対のせき板6,6の傾斜角度は限定されるものではないが、本実施形態では1:0.8となるように設置する。本実施形態では、第二せき板6bを最下段のコンクリート層(既設部分12a)に固定するとともに、第一せき板6aを第二せき板6bの上側に設置する。各せき板6,6のアンカー取付部材34,34には、それぞれアンカー材9,9を取り付けておく。複数のローリング型枠3を並設してコンクリート層一層分に対応する型枠システム2を形成する。
打設工程では、図7(b)に示すように、第一せき板6aと本体部11との間(せき板6の内側)にコンクリート(コンクリート部12)を打設する。なお、コンクリートの打設は、既設部分12a(最下段のコンクリート層の上面)の打継目処理をしてから行う。また、打設工程では、コンクリートの打設前に、コンクリートの天端高さに手摺り(図示せず)を設置しておく。
コンクリートの養生後、準備工程と打設工程を繰り返し実施する。なお、3層目以降のコンクリート部12の施工は、以下の手順により行う。
コンクリート部12の既設部分12aに固定された下側のせき板6(第二せき板6b)を当該既設部分12aから取り外すとともに、上側のせき板6(第一せき板6a)の上方に移動させる。
第二せき板6bの移動は、移動させる第二せき板6bのローリング型枠3を挟んで左右に配設されたローリング型枠3,3のそれぞれに作業用足場4を配設した状態で行う。すなわち、第二せき板3bの移動は、その左右に配設された作業用足場4上から作業員が操作しながら行う。このとき、作業用足場4は、固定手段(図示せず)を介してローリング型枠3に固定する。固定手段の構成は限定されるものではないが、例えば、カム機構を備えたものを使用すればよい。
第二せき板6bの移動は、上側のせき板6(第一せき板6a)に設置された回転装置5を駆動させることにより行う。このとき、回転装置5は、固定手段(図示せず)を介してローリング型枠3に固定する。固定手段の構成は限定されるものではないが、例えば、カム機構を備えたものを使用すればよい。回転装置5を駆動させると、連結部材7が回転する(図8参照)。連結部材7が回転すると、コンクリート部12から第二せき板6bが取り外される。第一せき板6aは、コンクリート部12の既設部分にアンカー材9を介して固定されているので、第二せき板6bを取り外す際には第一せき板6aから反力をとる。
コンクリート部12から取り外された第二せき板6bは、連結部材7の一方の端部(第一せき板6aの回転治具63)を中心に連結部材7が回転することで第一せき板6aの上方に移動する。第二せき板6bは、上方に移動させる際に、連結部材7の他方の端部(第二せき板6bの回転治具63)を中心に回転させる。第二せき板6bの回転は、第一せき板6aの上方で行い、第一せき板6aの打設面(コンクリート部12との当接面)と第二せき板6bの打設面とが面一になるようにする。第二せき板6bを回転させたら、連結用治具を介して第二せき板6bを第一せき板6aに固定するとともに、隣接する他のローリング型枠3の第二せき板6bに固定する。なお、第二せき板6bの取り外し、移動および回転させる方法は限定されるものではない。
第二せき板6bの移動が完了したら、回転装置5の動力伝達機構と連結部材7との係合を解除し、隣接する他のローリング型枠3へ回転装置5を横移動させ、他のローリング型枠3において回転装置5の動力伝達機構と連結部材7とを係合させる。その後、他のローリング型枠3に対して同様の作業を繰り返すことにより、施工対象のコンクリート層に対応する複数のローリング型枠3の第二せき板6bを移動させる。なお、回転装置5の移動に伴い、作業用足場4も横移動させる。作業用足場4(及び回転装置5)の横移動は、駆動輪46が上段移動路81上を走行することにより行う。作業用足場4を移動させる際には、作業用足場4が備える四つの駆動輪46のうち、少なくとも二つの駆動輪46が上段移動路81の上面に接した状態となる(図4(b)参照)。すなわち、隣り合うローリング型枠3の上段移動路81同士の間に隙間や段差等により上段移動路81に接していない駆動輪46があったとしても、他の駆動輪46,46の動力により作業用足場4の横移動が可能である。
並設されたローリング型枠3,3,…の第二せき板6bの移動が終了したら、第二せき板6bと本体部11との間にコンクリートを打設する(打設工程)。また、作業用足場4は、クレーン等の揚重機(図示せず)を利用して、上方に移動させる。
以下、同様に準備工程および打設工程を繰り返すことにより所定の高さのコンクリート部12を形成する。
本実施形態の型枠システム2によれば、作業用足場4がローリング型枠3同士の間を移動可能なため、ローリング型枠3間における作業用足場4の移動が容易である。その結果、工期短縮化が可能となる。また、ローリング型枠3は、せき板6の背面に移動路8を形成するのみで、複雑な構造を要することなく作業用足場4の移動が可能となるため、製造コストが高価になることもない。移動路8は、形鋼(溝形鋼)を固定するのみで形成されているため、簡易に形成できるとともに安価である。作業用足場4は、自走式であるため、移動が容易である。そして、回転対象のローリング型枠3から作業用足場4を他のローリング型枠3へ移動させた状態でローリング型枠3の移動(回転)を行うことで、作業性の向上を図ることができる。作業用足場4は、足場を必要な部分のみに配置することができるため、足場をコンクリート構造物の脚部から組み立てる場合に比べて費用を大幅に削減することができる。すなわち、複数のローリング型枠3に対して作業用足場4を共用することができるため、作業用足場4の使用台数を減らすことができ、その結果、費用の低減化が可能となる。
また、連結部材7に回転力を付与する回転装置5を備えているため、せき板6の移動に使用するためのクレーン等の揚重機を省略することができる。そのため、揚重機の使用に伴う費用等を削減することができる。また、回転装置5が、隣り合うローリング型枠3同士の間を移動路8に沿って移動可能なため、複数のローリング型枠3に対して、一つの回転装置5を兼用することが可能となる。その結果、複数の回転装置5を配置する場合に比べて費用の低減化を図ることができる。
せき板6が2つに分割されているため、既設のコンクリート層の上にコンクリートを打設する際に、型枠システム2の全体をコンクリート部12の既設部分から取り外す必要がない。すなわち、十分に養生された部分に取り付けられたせき板(下側のせき板)6のみを取り外し、上方に移動させることで、次の層のコンクリートを打設することができる。そのため、コンクリート打設から型枠システム2の移動までに要する期間(日数)を半分程度に短縮することが可能となり、工期の短縮化を図ることができる。例えば、コンクリート打設から脱型するまでに養生期間として4日間確保する必要がある場合であっても、下側の層では十分な養生期間を確保しているため、上側の層の養生期間が、例えば2日間であっても、下側のせき板6を移動させることができる。
せき板6同士は連結部材7を介して連結されているため、一方のせき板6をコンクリート部12の既設部分から取り外す際に、他方のせき板6から反力を取ることができる。そのため、せき板6を取り外す際の既設部分への負担を軽減することができる。
また、一対のせき板6,6のうちの一方のみを引きはがすことで、全体的に型枠を撤去する従来の施工方法に比べてコンクリート部12への負担が少ない。そのため、コンクリート部12に破損が生じることを防止し、より高品質に施工することができる。
また、せき板6の上部にアンカー取付部材34が設けられているため、アンカー材9の位置決めが容易であるとともに、アンカー材9を介してせき板6とコンクリート部12との固定度を高めることができる。また、型枠システム2全体の構成が簡素なため、安価である。
せき板6同士の固定の油圧ピンを採用することで、ボルト接合に比べて、せき板6の着脱に要する手間を低減することができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
前記実施形態では、CSGダムを施工する場合について説明したが、本発明の型枠システム2およびコンクリート構造物の施工方法が適用可能なコンクリート構造物はCSGダムに限定されるものではない。例えば他のコンクリートダムの施工、法面保護工、擁壁等、他の大型コンクリート構造物に適用可能である。
前記実施係他では、移動手段として車輪43と駆動輪46を採用したが、移動手段の構成は限定されるものではない。例えば、移動手段として、図9および図10に示すように移動路8を走行するクローラ49を採用してもよい。また、移動手段は、移動路8上を摺動する部材であってもよい。
1 ダム堤体
2 型枠システム
3 ローリング型枠
4 作業用足場
43 車輪(移動手段)
46 駆動輪(移動手段)
49 クローラ(移動手段)
5 回転装置
6 せき板
6a 第一せき板
6b 第二せき板
61 せき板本体
62 補強部材
63 回転治具
64 アンカー取付部材
7 連結部材
8 移動路
81 上段移動路
82 下段移動路

Claims (4)

  1. 左右に並設された複数のローリング型枠と、複数の前記ローリング型枠のうちの少なくとも一つに設けられた作業用足場と、を有する型枠システムであって、
    前記ローリング型枠は、上下に隣接する一対のせき板と、前記せき板同士を連結する連結部材と、前記せき板の背面に形成された移動路と、を備えており、
    前記せき板は、前記連結部材の端部に回転可能に取り付けられていて、
    前記作業用足場は、隣り合う前記ローリング型枠同士の間を前記移動路に沿って移動するための移動手段を備えていることを特徴とする、型枠システム。
  2. 前記移動手段が、前記移動路を走行する車輪またはクローラであることを特徴とする、請求項1に記載の型枠システム。
  3. 前記連結部材に回転力を付与する回転装置を備えていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の型枠システム。
  4. 前記回転装置は、隣り合う前記ローリング型枠同士の間を前記移動路に沿って移動可能であることを特徴とする、請求項3に記載の型枠システム。
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