JP7068783B2 - 防草シート - Google Patents

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本発明は、舗装道路上に設けられる防草シートに関する。
舗装道路のコンクリート又はアスファルトの継ぎ目といった場所には、土砂が堆積し、この堆積した土砂に雑草が発生することがある。雑草は、強い成長力を有し、特にチガヤ、スギナ又はハマスゲなどの雑草は、強い貫通力をも有するので、舗装道路を破壊し、更には交通事故の原因になることがある。特許文献1には、雑草抑止テープ、及びこのテープを用いて舗装材と他構造物との間の目地などに雑草が生えることを抑止する方法が開示されている。
特開2005-210906号公報
舗装道路上に設けられる防草シートには、雑草の強い成長力を低減する遮光性と、雑草の強い貫通力に耐えうる貫通抵抗性とが求められる。更に、道路には、継ぎ目などに僅かな隙間や段差等がある場合もあり、それらに追従して設置状態を維持する柔軟性も必要である。しかしながら、貫通抵抗性を高めるために防草シート全体を厚くすると、柔軟性が低下し易くなるとともに防草シート端部の段差により歩行者がつまずく等の問題点があった。
本発明の一側面に係る防草シートは、基材層と、基材層に積層された粘着層と、を備え、基材層は、織布と、織布を覆う樹脂部とを有し、基材層の厚みは、0.3mm以上かつ0.8mm以下であり、当該防草シートの光透過率は、0.3%未満である。
本発明の一側面に係る防草シートによれば、シートの柔軟性を維持しつつ、舗装道路における雑草の生育を抑制できる。防草シートの光透過率が0.3%未満であるので、防草シートは、雑草の強い成長力を低減する遮光性を有する。また、基材層が、織布と、織布を覆う樹脂部とを有するので、防草シートは、雑草の強い貫通力に耐えうる貫通抵抗性を有する。基材層の厚みが0.3mm以上であるので、防草シートは、雑草の強い貫通力に耐えうる貫通抵抗性を有するとともに、基材層の厚みが0.8mm以下であるので、防草シートは、舗装道路の段差への追従が可能な柔軟性を備える。また、粘着層を有するため、段差のある舗装道路等にも簡易に施工ができるとともに、段差への追従状態を維持できる。
舗装道路上において雑草の生育を抑制できる防草シートを提供できる。
図1は、第1の実施形態に係る防草シートの断面図である。 図2は、第1の実施形態に係る織布の平面図である。 図3は、第2の実施形態に係る防草シートの断面図である。
実施形態に係る防草シートは、基材層と、基材層に積層された粘着層と、を備え、基材層は、織布と、織布を覆う樹脂部とを有し、基材層の厚みは、0.3mm以上かつ0.8mm以下であり、当該防草シートの光透過率は、0.3%未満である。
上記の実施形態に係る防草シートは、シートの柔軟性を維持しつつ、舗装道路における雑草の生育を抑制できる。防草シートの光透過率が0.3%未満であるので、防草シートは、雑草の強い成長力を低減する遮光性を有する。また、基材層が、織布と、織布を覆う樹脂部とを有するので、防草シートは、雑草の強い貫通力に耐えうる貫通抵抗性を有する。基材層の厚みが0.3mm以上であるので、防草シートは、雑草の強い貫通力に耐えうる貫通抵抗性を有するとともに、基材層の厚みが0.8mm以下であるので、防草シートは、舗装道路の段差への追従が可能な柔軟性を備える。また、粘着層を有するため、段差のある舗装道路等にも簡易に施工ができるとともに、段差への追従状態を維持できる。
別の態様に係る防草シートにおいて、織布の厚みは、0.15mm以上かつ0.5mm以下であってよい。
別の態様に係る防草シートにおいて、織布に含まれる繊維の本数は、25mmあたり20本以上かつ80本以下であってよい。
別の態様に係る防草シートにおいて、織布は、ナイロン繊維、ビニロン繊維、綿、麻、ポリプロピレン繊維、ポリエスエル繊維、及びポリエチレン繊維からなる群から選択される一又は複数の繊維を含んでよい。
別の態様に係る防草シートにおいて、樹脂部は、塩化ビニル樹脂又はポリオレフィン系樹脂を含んでよい。
別の態様に係る防草シートにおいて、粘着層の厚みは、0.2mm以上かつ1.5mm以下であってよい。
別の態様に係る防草シートにおいて、粘着層は、光硬化性アクリル樹脂を含んでよい。
別の態様に係る防草シートにおいて、粘着層は、当該粘着層に覆われる不織布を更に有してよい。
別の態様に係る防草シートにおいて、不織布は、スパンボンド繊維を含んでよい。
上記の態様において「織布」とは、繊維を織ることによって作った布を意味する。「不織布」とは、繊維を織らずに、熱や接着剤によって、又は繊維同士を絡ませることによって作った布を意味する。「粘着層」とは、粘着性を有する物質からなる層であり、具体的には常温(20℃)において10ラジアン/秒で測定した貯蔵弾性率(G’)が3×10パスカル未満である高分子を主成分とする粘弾性を有する物質である。
以下、図面を参照しながら、防草シートの実施形態について詳細に説明する。本説明において、同一要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る防草シートの断面図である。図2の(a)図は、第1の実施形態に係る織布の平面図であり、図2の(b)図は、図2の(a)図のIIb-IIb線に沿った断面図である。図1及び図2の(b)図では、繊維の断面を便宜的に円形で示している。本実施形態では、図1及び図2に対してX軸、Y軸、Z軸を設定しているが、これらの各軸は、説明のために便宜的に設定されており、防草シートの積層方向にZ軸が設定される。縦方向MDにX軸が設定され、横方向CDにY軸が設定される。縦方向MD(Machine Direction)とは、防草シートが巻かれる方向を示し、横方向CD(CrossMachine Direction)とは、縦方向に垂直な方向を示す。
図1に示されるように、防草シート1は、基材層10と、基材層10に積層された粘着層20とを備える。基材層10は、織布11と、織布11を覆う樹脂部12とを有する。織布11は、その周りを樹脂部12によって囲まれることができる。
織布11の織り方は、例えば、平織りである。図2は、平織りによる織布11を示しており、平織りのための繊維は、経糸WAと緯糸WOとからなり、経糸WAと緯糸WOとが交互に織られて織布11が作製される。織布11に含まれる繊維(経糸WA、緯糸WO)の太さD1は、例えば、0.075mm以上かつ0.25mm以下である。平織りによる織布11では、経糸WAと緯糸WOとが交互に重なるので、織布11の厚みD2は、繊維(経糸WA、緯糸WO)の太さの2倍、例えば、0.15mm以上かつ0.5mm以下である。
織布11の厚みD2が、0.15mm未満であるときには、織布11の機械的強度が低くなり、防草に必要な貫通抵抗性が低下する。一方、織布11の厚みD2が、0.5mmより大きいときは、例えば、防草シート1をロール化するときに基材層10が折れることがある。基材層10が折れるときには、防草シート1のロール化が困難になり、また、基材層10の折れ跡が粘着層20に転写して粘着層20に厚みムラを起こすなどの不具合を生じる。また、防草に必要な貫通抵抗性が得られる一方で、防草シートを段差などに貼りつけるための基材層10の柔軟性が低減すると共に、貼り付けた後にシートの長期にわたる反発応力により防草シートに剥がれが生じることがある。なお、織布11の厚みD2は、0.2mm以上かつ0.4mm以下であってもよい。
織布11では、例えば、25mmあたりの繊維の数は、20本以上かつ80本以下である。25mmあたりの繊維の数が、20本未満であるときには、織布11の織密度が低くなり、防草に必要な貫通抵抗性が低下する。一方、25mmあたりの繊維の数が、80本より大きいときは、例えば、防草に必要な貫通抵抗性が得られる一方で、防草シートを段差などに貼りつけるための基材層10の柔軟性が低減する。25mmあたりの繊維の数は、30本以上かつ50本以下であってもよい。
織布11は、合成繊維、天然繊維、又は合成繊維と天然繊維との組み合わせを含むことができる。織布11に含まれる合成繊維は、例えば、耐久性に優れる繊維、具体的には、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエスエル繊維、又は超高分子量ポリエチレン繊維である。織布11に含まれる合成繊維は、ポリエステル繊維であることが特に好ましい。織布11に含まれる天然繊維は、例えば、綿又は麻を含む。
基材層10の樹脂部12は、樹脂を含み、この樹脂は、例えば、可塑化塩化ビニル樹脂又はポリオレフィン樹脂である。基材層10は、例えば、含浸法により作製される。含浸法では、織布11に塩化ビニル樹脂ペーストといった樹脂ペーストを含浸して織布11を被覆する。例えば、塩化ビニル樹脂ペーストは、具体的には、以下の手順で作製される。即ち、塩化ビニル樹脂(100重量部)と、フタル酸ジオクチル(DOP、Dioctyl phthalate)又はフタル酸ジイソノニル(DINP、Diisononylphthalate)といった可塑剤(40~70重量部)とを混合して樹脂混合物を作製する。続いて、必要に応じて、樹脂混合物を有機溶剤によって希釈して、オルガノゾルを作製する。これらのゾルに対して、例えば、エポキシ化大豆油といった変性剤、ステアリン酸亜鉛といった安定化剤、及び、シリカ、炭酸カルシウムといった充填剤などを添加する。樹脂混合物には、更に、光透過性を低減させるための無機顔料及び/又は有機顔料が含有される。無機顔料は、例えば、カーボンブラック又は酸化チタンを含み、有機顔料は、例えば、ジアゾ系又はフタロシアニン系を含む。
含浸法では、塩化ビニル樹脂ペーストを織布11に充分に含浸させた後に、例えばゾルゲル法と呼ばれる方法により、塩化ビニル樹脂ペーストを固化させる。具体的には、含浸後の塩化ビニル樹脂ペーストから希釈溶剤を蒸発乾燥させ、蒸発乾燥後の塩化ビニル樹脂ペーストを例えば180℃に数分間加熱して固化させる。塩化ビニル樹脂ペーストの固化によって基材層10が作製される。含浸法では、塩化ビニル樹脂ペーストが織布11に充分に浸透するので、基材層10の耐久性、及び織布11と樹脂との密着性に優れる。なお、基材層10は、含浸法の他、例えば、ラミネート法によって作製できる。ラミネート法では、織布11の両面に可塑化塩化ビニル樹脂といった樹脂をラミネートして織布11を被覆する。ラミネート法を用いる場合、織布11を覆う樹脂は同じものである必要はなく、織布11の両面でそれぞれ異なる樹脂をラミネートしてもよい。
基材層10の厚みDBは、0.3mm以上かつ0.8mm以下である。基材層10の厚みDBが、0.3mm未満であるときには、雑草の強い貫通力に耐えうる貫通抵抗性が低下する。一方、基材層10の厚みDBが、0.8mmより大きいときは、基材層の粘着強度が高くなる一方で、防草シートを段差などにも貼りつけるための基材層10の柔軟性が低減する。なお、基材層10の厚みDBは、0.4mm以上かつ0.7mm以下であってもよい。
防草シート1は粘着層20を備える。これにより、舗装道路等への貼り付け施工を簡易化できる。粘着層20は、例えば紫外線で硬化する光硬化性アクリル樹脂、具体的にはアクリル系感圧性接着剤を含むことができる。アクリル系感圧接着剤に含まれるアクリルポリマーは、例えば、アルキル基の炭素数が4~20である非第三級アルコールの(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種からなる第1のモノマーと、第1のモノマーと共重合する第2のモノマーとを重合して得られるポリマーであってよい。ただし、第2のモノマーは、第1のモノマーとは異なるモノマーである。第1のモノマーの例としては、n-ブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、n-デシルアクリレート、n-ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート及びこれらの混合物が挙げられる。
第2のモノマーは、少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有し、単独重合した場合にガラス転移温度が0℃を超えるポリマーを与えるモノマーであってよい。第2のモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N,N-ジメチルアクリルアミドなどの置換(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、イソボルニルアクリレート、アルキル基の炭素数が1~3であるアルコールのアクリレート、カルボキシエチルアクリレート及びこれらの混合物が挙げられる。
第1のモノマーと第2のモノマーとの質量比(第1のモノマー/第2のモノマー)に関し、第1のモノマーは70質量部以上、又は80質量部以上、第2のモノマーは2質量部以上、又は5質量部以上、30質量部以下、又は20質量部以下であることが好ましい。また、粘着層20には上記の物質に加え、ロジンエステル系の粘着付与性樹脂、シリカ等の無機充填材、更に粘着剤を発泡させて気泡を含有させることもできる。アクリル系粘着剤の他に有用な粘着剤としてはスチレン系合成ゴムを主体とする合成ゴム系、シリコーン系等公知の粘着剤を挙げることができる。
粘着層20は、粘着層20と基材層10との密着性を向上させるために、例えば、塩化ビニル樹脂を含む基材層10上において紫外線重合法といった方法で作製される。酸素ガスは、アクリル系モノマーのラジカル重合を阻害することが知られているが、塩化ビニル樹脂の酸素透過性は十分低い。塩化ビニル樹脂が十分低い酸素透過性を有するので、塩化ビニル樹脂を含む基材層10上において、紫外線重合法によってアクリル系接着剤を含む粘着層20が作製される。可塑化塩化ビニル樹脂中に含まれる可塑剤が粘着剤に移行し、粘着剤を可塑化させ粘着性を損なうことが知られているが、本発明の実施例のアクリル酸を配合したアクリル系粘着層は、可塑化塩化ビニル樹脂に対して充分な熱安定性を有する。
粘着層20の厚みDAは、例えば、0.1mm以上かつ1.5mm以下である。より好ましくは0.2mm以上かつ1.5mm以下である。粘着層20の厚みDAが、0.1mm未満であるときには、粘着層20の粘着強度が低くなり、舗装道路のような凹凸の大きな面に対する防草シート1の粘着力が弱くなる。粘着層20の厚みDAが、0.2mm以上であれば、実用上十分に高い粘着強度を得られる。一方、粘着層20の厚みDAが、1.5mmより大きいときは、粘着層20の粘着強度が高くなる一方で、防草シート全体の厚みが増し、防草シート1で歩行者がつまずく等の問題が発生する。また防草シート1をロール化したときにシートに折れシワが発生して粘着層20に厚みムラが出るなどの問題が起こる。なお、粘着層20の厚みDAは、0.5mm以上かつ1.0mm以下であってもよい。
本実施形態では、基材層10の厚みが0.3mm以上であるので、防草シート1は、雑草の強い貫通力に耐えうる貫通抵抗性を有するとともに、基材層10の厚みが0.8mm以下であるので、防草シート1は、舗装道路の段差への追従が可能な柔軟性を備える。また、粘着層20を有するため、段差のある舗装道路等にも簡易に施工ができるとともに、段差への追従状態を維持し、また防草シートの位置ずれを防止できる。
また、防草シート1は、織布11を覆う樹脂部12を備えるので、舗装道路上への設置に耐えうる防水性を有する。この防水性によって、粘着層20と基材層10との界面への水の浸透を防止し、粘着層20と基材層10との密着性及び接着力を維持することができる。
本実施形態に係る防草シート1においては、基材層10は、顔料を含み、この顔料によって可視光といった光の透過率を低減させて、雑草の強い成長力を低減する遮光性を有する。雑草の生長に必要な照度は、雑草の種類によって異なるが、多くの雑草には、100ルクス~1000ルクスの範囲の照度が必要である。晴天時の太陽光の照度が100,000ルクス(10万ルクス)程度であるので、雑草の成長を防止するための防草シート1の光透過率は、1%未満(照度1000ルクス未満に該当)、好ましくは0.3%未満、更に好ましくは0.1%未満(照度100ルクス未満に該当)である。防草シート1の光透過率が1%以下であるときには、一部の雑草の成長を低減することができる。防草シート1の光透過率が0.3%未満であるときには、多くの雑草の成長を低減することができる。防草シート1の光透過率が0.1%未満であるときには、殆どの雑草の成長を低減することができる。
本実施形態では、例えば、基材層10に含まれる無機顔料及び/又は有機顔料の濃度の変更によって、防草シート1の光透過率が調整される。本実施形態では、防草シート1の光透過率が0.3%未満であるので、防草シート1は、多くの雑草の強い成長力を低減する遮光性を有する。無機顔料及び/又は有機顔料の濃度の変更によって、防草シート1の光透過率が1%未満であるときには、防草シート1は、一部の雑草の強い成長力を低減する遮光性を有する。防草シート1の光透過率が0.1%未満であるときには、防草シート1は、殆どの雑草の強い成長力を低減する遮光性を有する。
防草シート1は、基材層10が織布11とこの織布11を覆う樹脂とを有するので、雑草の強い貫通力に耐えうる貫通抵抗性を有する。防草シート1の貫通抵抗力は、360N(ニュートン)以上であることができる。防草シートの貫通抵抗力が360N以上であるときには、舗装道路の雑草の成長を強固に抑制することができる。防草シート1の貫通抵抗力は、より好ましくは、600ニュートン以上である。防草シートの貫通抵抗力が600ニュートン以上であるときには、チガヤ等の強草の成長をより強固に抑制することができると共に、車両の通行による防草シートの破損を防ぐことができる。貫通抵抗力の測定は、ASTM D 4833に記載の方法によることができる。
防草シート1は、舗装道路の段差などにも貼りつけ可能な柔軟性を備える。防草シート1の柔軟性は、防草シートの剛軟度によって規定できて、剛軟度は、150mm以下であることができる。防草シート1の剛軟度が150mm以下であるときには、舗装道路に見られる段差などに対しても防草シートが馴染みやすくシートを強固に貼りつけることができる。防草シート1の剛軟度は、100mm以下であってもよい。防草シート1の剛軟度が100mm以下であるときには、舗装道路に見られる複雑な段差などに対しても防草シートをより強固に貼りつけることができる。剛軟度の測定は、JIS L 1096(2010)8.21.1に記載のA法(45度カンチレバー法)によることができる。試験片である防草シートの一端の中央点が45度斜面と接したときに、試験片の他端の移動長さを測定し、その移動長さが防草シートの剛軟度であると定義される。
(第2実施形態)
図3は、第2の実施形態に係る防草シート1Pの断面図である。図3に設けられたX軸、Y軸、及びZ軸は、本実施形態の説明のために便宜的に設定されている。なお、第2の実施形態に係る防草シート1Pと第1の実施形態に係る防草シート1とは、同様の要素や構造を備えており、以下では、相違点を中心に説明し、同様の要素や構造には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図3に示されるように、防草シート1Pは、基材層10と、基材層10に積層された粘着層20Pとを備える。基材層10は、織布11と、織布11を覆う樹脂部12とを有する。防草シート1Pでは、粘着層20Pは、不織布21と、不織布21を覆う粘着樹脂部22とを有する。不織布21は、シート状の形状を有する一方で、シート内において不織布に含まれる繊維の配列方向は不規則である。不織布21は、その周りを粘着樹脂部22によって囲まれることができる。
粘着層20Pは、感圧性接着剤を含むことができて、感圧性接着剤は、例えば、アクリル系粘着剤、または気泡を含み発泡体状のアクリル系粘着剤である。粘着層20Pは、粘着層20Pと基材層10との密着性を向上させるために、例えば、不織布21に粘着樹脂部22を含浸させた後に、塩化ビニル樹脂を含む基材層10上において紫外線重合法といった方法で製造してもよく、粘着層20Pを作製した後に基材層10をラミネートして製造してもよい。
不織布21は、多くの空隙を有し、かつ強靭であることが好ましい。空隙が少ないと粘着剤が不織布21に充分に含浸できず気泡欠陥を生じたり、不織布21と粘着層20Pとの密着性が低下することがある。不織布21の強度が低いと粘着層20Pとの一体性が保てず、結果として基材層10との密着性を高めるに至らない。不織布21の空隙の多さと強靭さを両立するためには、熱可塑性高分子を溶融させ連続した長繊維状に吐出しながら形成するスパンボンド法で製造されるスパンボンド繊維を含む不織布21が好ましい。また、不織布21の坪量は、例えば、8g/平米以上、30g/平米以下であることが好ましい。また、不織布21の厚みは、測定子の直径10mmの厚み計で測定したときに、例えば0.03mm以上かつ0.1mm以下である。不織布21の坪量が、8g/平米未満であるときには、不織布21の強度が低く粘着層20P内の樹脂の凝集力が増大しないので、粘着層20Pの一体性が弱くなって粘着層20Pの一部が剥離しやすくなる。一方、不織布21の坪量が、30g/平米より大きいときは、粘着層20Pが不織布21に充分に含浸せず、また気泡を巻き込んだりするため不織布21と粘着層20Pとの間の密着力が不十分となりやすい。
不織布21は、熱可塑性の合成樹脂からなり、例えば、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂である。
以下、本発明の実施例および比較例により、さらに防草シートについて説明する。本発明は、下記例に制限されない。なお、実施例、比較例で使用した材料の略称、化合物名(商品名)、及び入手先は、以下の通りである。
<基材シート>
2EHA: 2-エチルヘキシルアクリレート(株式会社日本触媒)
AA: アクリル酸(株式会社日本触媒)
Irgacure 651:2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(BASF)
HDDA: ヘキサンジオールジアクリレート(新中村化学工業株式会社)
また、実施例、比較例で使用した基材層又は粘着層に含まれる材料の略称、商品名、及び入手先は、以下の通りである。
E65-EC:クラフテル(登録商標)帆布(クラレプラスチックス株式会社)
E5-EC: クラフテル(登録商標)帆布(クラレプラスチックス株式会社)
E4-EC: クラフテル(登録商標)帆布(クラレプラスチックス株式会社)
E2:クラフテル(登録商標)帆布(クラレプラスチックス株式会社)
KE-350:クラスター(登録商標)カラーシリーズ(クラレプラスチックス株式会社)
市販シート1:上村ビニルシート300(上村産業株式会社)
市販シート2:ザバーン(登録商標)防草シート240BB(デュポン)
市販シート3:ハイミラン(登録商標)樹脂フィルム(三井・デュポンポリケミカル株式会社)
不織布:Cerex(登録商標)スパンボンド布0.3Oz(CerexAdvanced Fabrics INC.)
接着剤:3M(登録商標)プライマーEC-1368NT(3Mジャパン)
(実施例1)
実施例1では、下記の手順に従って防草シートを作製した。即ち、初めに、透明なガラス容器に2EHA(94重量部)、AA(6重量部)、及び光開始剤のIrgacure651(0.04重量部)を充填した混合物を準備した。混合物に対して、窒素パージを行って溶存する酸素を窒素ガスによって置換した。窒素ガスによる置換後に、ガラス容器の外側からUV-Aランプの紫外線を照射して、混合物の粘度が部分的に1000(cP)程度になるまで、混合物を紫外線重合した。紫外線の照射後に、混合物に対してIrgacure 651(0.1重量部)及びHDDA(0.08重量部)を添加して、粘着剤組成物を作製した。
基材層として、E65-ECを準備し、このE65-ECの上に、粘着剤組成物をナイフコートした。E65-ECは、ポリエステル繊維より成る織布を可塑性塩化ビニル樹脂で被覆したシートであり、塩化ビニルゾルをポリエステル繊維に含浸する含浸法によって作製される。E65-EC上に設けられた粘着剤組成物の上に、シリコーン処理したポリエステルフィルムを載せて粘着剤組成物を覆った。シリコーン処理ポリエステルフィルムの厚みは0.05mmであり、このポリエステルフィルムを通して、粘着剤組成物に向けてUV-Aランプの紫外線を照射して、粘着剤組成物を紫外線重合させた。粘着剤組成物の紫外線重合の後、基材層に粘着層が粘着され、粘着層と基材層とを備える防草シートが作製された。照射した紫外線の光強度は0.5mW/cmであり、トータルエネルギーは1000mJ/cmであった。
実施例1では、防草シートに対する特性試験、具体的には、光透過率の測定試験、剛軟度試験、貫通抵抗力試験、90度方向剥離接着力試験(エージング前)、90度方向剥離接着力試験(エージング後)、及び燃焼性試験を行った。光透過率の測定試験、剛軟度試験、及び貫通抵抗力試験は、粘着層上のシリコーン処理ポリエステルフィルムを取り除いた防草シートに対して行った。
(光透過率の測定試験)
光透過率の測定試験は、色彩照度計CL-200A(コニカミノルタ社製)を用いて行った。防草シートの光透過率は、色彩照度計の光センサー部を防草シートで覆ったときに光センサー部が受光する太陽光の照度LX1と、色彩照度計の光センサー部を防草シートで覆っていないときに光センサー部が受光する太陽光の照度LX2との比較により算出された。具体的には、光透過率(T)は、照度LX1を照度LX2で除した式(1)から求められる。
T=(LX1/LX2)×100(%) …(1)
(剛軟度の測定)
剛軟度の測定は、JIS L 1096(2010)8.21.1に記載のA法(45度カンチレバー法)によった。試験片である防草シートの一端の中央点が45度斜面と接したときに、試験片の他端の移動長さを測定し、その移動長さ(mm)を防草シートの剛軟度とした。
(貫通抵抗力試験)
貫通抵抗力試験は、ASTM D 4833に記載の方法によった。防草シートを2枚の試験用ホールディングプレートで固定した後、鋼製ロッドで毎分300mmの速度で加圧した。鋼製ロッドの末端は平らな形状を有し、鋼製ロッドの直径は8mmである。鋼製ロッドで加圧したときにかかる最大荷重を貫通抵抗力として見積もった。
(90度方向剥離接着力試験:エージング前)
90度方向剥離接着力試験(エージング前)では、幅25mm、長さ200mmとなるように防草シートを切断した。粘着層上のシリコーン処理ポリエステルフィルムを剥がして、防草シートをJIS A 5406-2010に規定される建築用標準コンクリートブロックに空気を巻き込まないように貼り付けて、その後、重さ2kgのローラーで往復圧着した。20分間養生した後、防草シートをコンクリートブロック面に対して垂直(角度90度)方向に毎分300mmの速度で引っ張ることにより防草シートの剥離接着力を測定した。
(90度方向剥離接着力試験:エージング後)
90度方向剥離接着力試験(エージング後)では、防草シートをオーブン内で90℃に3日間保温した後に、防草シートを幅25mm、長さ200mmとなるように切断した。その後は、90度方向剥離接着力試験(エージング前)と同様の手順により、防草シートの剥離接着力を測定した。
(燃焼性試験)
防草シートの燃焼性試験は、JIS L 1091 B法によった。粘着層上のシリコーン処理ポリエステルフィルムを剥がして防草シートを不燃ボードに固定し、エアーミックスバーナーの炎を防草シートに対して30秒間あてた。延焼距離(cm)と残炎時間(秒)とを測定した。
(実施例2)
実施例2では、基材層にKE350を用いた以外は、実施例1と同様の手順によって防草シートを作製した。KE350は、織布を含む塩化ビニルシートであり、織布の両面に可塑化塩化ビニル樹脂フィルムをラミネートして作製される。実施例2においては、実施例1と同様の装置及び手順により、防草シートの特性試験を行った。
(実施例3)
実施例3では、粘着層の厚みを0.2mmに変更した以外は、実施例1と同様の手順によって防草シートを作製した。実施例3においては、実施例1と同様の装置及び手順により、防草シートの特性試験を行った。
(実施例4)
実施例4では、防草シートの粘着層の厚みを0.5mmに変更した以外は、実施例1と同様の手順によって防草シートを作製した。実施例4においては、実施例1と同様の装置及び手順により、防草シートの特性試験を行った。
(実施例5)
実施例5では、基材層にE5-ECを用いた以外は、実施例1と同様の手順によって防草シートを作製した。E5-ECは、織布を含む塩化ビニルシートであり、織布を塩化ビニルゾルに含浸する含浸法によって作製される。実施例5においては、実施例1と同様の装置及び手順により、防草シートの特性試験を行った。
(実施例6)
実施例6では、基材層にE4-ECを用いた以外は、実施例1と同様の手順によって防草シートを作製した。E4-ECは、織布を含む塩化ビニルシートであり、織布を塩化ビニルゾルに含浸する含浸法によって作製される。実施例6においては、実施例1と同様の装置及び手順により、防草シートの特性試験を行った。
(実施例7)
実施例7では、防草シートの粘着層の厚みを0.1mmに変更した以外は、実施例1と同様の手順によって防草シートを作製した。実施例7においては、実施例1と同様の装置及び手順により、防草シートの特性試験を行った。
(実施例8)
実施例8では、下記の手順に従って防草シートを作製した。即ち、初めに、透明なガラス容器に2EHA(94重量部)、AA(6重量部)、及び光開始剤のIrgacure651(0.04重量部)を充填した混合物を準備した。混合物に対して、窒素パージを行って溶存する酸素を窒素ガスによって置換した。窒素ガスによる置換後に、ガラス容器の外側からUV-Aランプの紫外線を照射して、混合物の粘度が部分的に1000(cP)程度になるまで、混合物を紫外線重合した。紫外線の照射後に、混合物に対してIrgacure 651(0.1重量部)及びHDDA(0.08重量部)を添加して、粘着剤組成物を作製した。
シリコーン処理したポリエステルフィルムを準備し、このポリエステルフィルム上に、厚み1.0mmの粘着剤組成物をナイフコートした。シリコーン処理ポリエステルフィルム上に設けられた粘着剤組成物の上には、更に、別のシリコーン処理ポリエステルフィルムを載せて粘着剤組成物を覆った。シリコーン処理ポリエステルフィルムの厚みは、0.05mmであり、このポリエステルフィルムを通して、粘着剤組成物に向けてUV-Aランプの紫外線を照射して、粘着剤組成物を紫外線重合させた。粘着剤組成物の紫外線重合の後、二つのシリコーン処理ポリエステルフィルムに挟まれた粘着層が作製された。照射した紫外線の光強度は0.5mW/cmであり、トータルエネルギーは1000mJ/cmであった。続いて、厚さ0.52mmのE65-ECを準備し、二つのうちの一のシリコーン処理ポリエステルフィルムを剥がして、そのフィルムを剥がした粘着層の面上にE65-ECを載せた。続いて、ラミネート法により基材層のE65-ECに粘着層を粘着させ、粘着層と基材層とを備える防草シートを作製した。実施例8においては、実施例1と同様の装置及び手順により、防草シートの特性試験を行った。
(実施例9)
実施例9では、基材層にブタジエンゴム系感圧接着剤転写テープを用いた以外は、実施例8と同様の手順によって防草シートを作製した。実施例9においては、実施例1と同様の装置及び手順により、防草シートの特性試験を行った。
(比較例1)
比較例1では、基材層にE2を用いた以外は、実施例1と同様の手順によって防草シートを作製した。E2は、織布を含む可塑化塩化ビニルシートであり、織布を塩化ビニルゾルに含浸する含浸法によって作製される。比較例1においては、実施例1と同様の装置及び手順により、防草シートの特性試験を行った。
(比較例2)
比較例2では、基材層に市販シート1を用いた以外は、実施例8と同様の手順によって防草シートを作製した。比較例2においては、実施例1と同様の装置及び手順により、防草シートの特性試験を行った。
(比較例3)
比較例3では、基材層に市販シート2を用いた以外は、実施例1と同様の手順によって防草シートを作製した。市販シート2は、多層不織布を含む防草シートである。比較例3においては、実施例1と同様の装置及び手順により、防草シートの特性試験を行った。
(比較例4)
比較例4では、下記の手順に従って防草シートを作製した。即ち、初めに、透明なガラス容器に2EHA(94重量部)、AA(6重量部)、及び光開始剤のIrgacure651(0.04重量部)を充填した混合物を準備した。混合物に対して、窒素パージを行って溶存する酸素を窒素ガスによって置換した。窒素ガスによる置換後に、ガラス容器の外側からUV-Aランプの紫外線を照射して、混合物の粘度が部分的に1000(cP)になるまで、混合物を紫外線重合した。紫外線の照射後に、混合物に対してIrgacure 651(0.1重量部)及びHDDA(0.08重量部)を添加して、粘着剤組成物を作製した。
基材層として、市販シート3を準備し、この市販シート3の上に、粘着剤組成物をナイフコートした。市販シート3の厚みは0.1mmとし、市販シート3上の粘着剤組成物の厚みは、1.0mmとした。市販シート3は、亜鉛イオン架橋ポリエチレンフィルムといったアイオノマー樹脂を含む。市販シート3上に設けられた粘着剤組成物の上に、シリコーン処理したポリエステルフィルムを載せて粘着剤組成物を覆った。シリコーン処理ポリエステルフィルムの厚みは0.05mmであり、このポリエステルフィルムを通して、粘着剤組成物に向けてUV-Aランプの紫外線を照射した。照射した紫外線の光強度は0.5mW/cmであり、トータルエネルギーは2000mJ/cmであった。比較例4では、粘着剤組成物が十分に紫外線重合せず、粘着層は作製されなかった。このため光透過率、剛軟度、接着力、貫通抵抗性、燃焼性の測定は実施しなかった。酸素がアクリル系モノマーのラジカル重合を阻害するところ、市販シート3のようなアイオノマー樹脂を含むオレフィン系フィルムは、高い酸素透過性を示すことが原因と考えられる。比較例4では、防草シートの特性試験は行われなかった。なお、ポリエステルフィルム及び塩化ビニル樹脂を含むE65-ECは、低い酸素透過性を示す。
(比較例5)
比較例5では、基材層に市販シート3を用いた以外は、実施例8と同様の手順によって防草シートを作製した。すなわち、比較例4と異なり、粘着層を市販シート3上に直接コートせず、別途紫外線硬化した粘着層を市販シート3に貼りあわせた。比較例5においては、実施例1と同様の装置及び手順により、防草シートの特性試験を行った。
表1は、実施例1~3に係る防草シートについての粘着層、基材層及び特性試験の結果を示す。表2は、実施例4~6に係る防草シートについての粘着層、基材層及び特性試験の結果を示す。表3は、実施例7~9に係る防草シートについての粘着層、基材層及び特性試験の結果を示す。表4は、比較例1~3に係る防草シートについての粘着層、基材層及び特性試験の結果を示す。表5は、比較例4、5に係る防草シートについての粘着層、基材層及び特性試験の結果を示す。表1~表5において、剛軟度の試験結果は、防草シートの横方向について測定された柔軟度を示す。
なお、燃焼性試験では、実施例1~3において、良好な難燃性を示した。これら実施例1~3における、燃焼性試験の結果はJIS L 1091 Bのカテゴリー2に分類される。カテゴリー2では、延焼距離は10cm以下であり、残炎時間は20秒以下と規定されており、実施例1~3では、延焼距離及び残炎時間が規定の値を下回っている。アイオノマーフィルムを基材層に含む比較例5では、エアーミックスバーナーの炎を防草シートから離した後も燃焼し続けた。この結果は、比較例5の防草シートが自消性を有さないことを示す。
剛軟度の測定結果を見ると、比較例3では、縦方向及び横方向共に、剛軟度が150mmを超えている。防草シートを段差のある部位に貼り付けるには、防草シートに柔軟性があることが望まれる。防草シートのコシが強すぎると段差部分に防草シートを貼り付けにくく、粘着層の有効な接着面積が減少する。また、加圧して粘着層の粘着面を段差部分に追従させた場合であっても、長期間にわたって防草シートの反発応力が粘着層に加わることになって、粘着層が基材層から剥離する原因となりうる。比較例3の結果から、多層のスパンボンド不織布を有する市販シート2は、剛軟度(mm)の値が150mmを超えている。即ち、市販シート2は、例えば、舗装道路の平らな部分といった広い面積に防草シートを機械的に設置する用途には有用である一方で、道路のアスファルト舗装の継ぎ目に粘着層を介して接着させる用途に対して、市販シート2では、そのシートの柔軟性が小さいことが示される。
Figure 0007068783000001
Figure 0007068783000002
Figure 0007068783000003
Figure 0007068783000004
Figure 0007068783000005
(実施例10)
実施例10では、下記の手順に従って防草シートを作製した。即ち、初めに、透明なガラス容器に2EHA(94重量部)、AA(6重量部)、及び光開始剤のIrgacure651(0.04重量部)を充填した混合物を準備した。混合物に対して、窒素パージを行って溶存する酸素を窒素ガスによって置換した。窒素ガスによる置換後に、ガラス容器の外側からUV-Aランプの紫外線を照射して、混合物の粘度が部分的に1000(cP)になるまで、混合物を紫外線重合した。紫外線の照射後に、混合物に対してIrgacure 651(0.1重量部)及びHDDA(0.08重量部)を添加して、粘着剤組成物を作製した。
シリコーン処理したポリエステルフィルムを準備し、このポリエステルフィルム上に、厚み0.15mmの粘着剤組成物をナイフコートした。ポリアミド製不織布のCerexを準備し、粘着剤組成物の上にCerexを被せた。Cerexの厚みは、0.04mm、坪量は10g/平米である。粘着剤組成物上に設けられたCerexの上に、更に厚み0.15mmの粘着剤組成物をナイフコートした。粘着剤組成物の厚み(合計)は、0.3mmである、粘着剤組成物をCerexに十分に含浸させた後、シリコーン処理ポリエステルフィルムを通して、粘着剤組成物に向けてUV-Aランプの紫外線を照射して、粘着剤組成物を紫外線重合させた。粘着剤組成物の紫外線重合の後、二つのシリコーン処理ポリエステルフィルムに挟まれ、Cerexを覆う粘着層が作製された。照射した紫外線の光強度は0.5mW/cmであり、トータルエネルギーは1000mJ/cmであった。紫外線重合の後、厚さ0.52mmのE65-ECを準備し、二つのうち一のポリエステルフィルムを剥がして、そのフィルムを剥がした粘着層の面上にE65-ECを載せた。続いて、ラミネート法により基材層のE65-ECに粘着層を粘着させ、粘着層と基材層とを備える防草シートを作製した。
実施例10では、防草シートに対する90度方向剥離接着力試験(対コンクリートブロック)及び90度方向剥離接着力試験(対プライマー処理コンクリートブロック)を行った。
(90度方向剥離接着力試験:対コンクリートブロック)
90度方向剥離接着力試験(対コンクリートブロック)では、防草シートを幅25mm、長さ200mmとなるように切断した。粘着剤側のシリコーン処理ポリエステルフィルムを剥がして、JIS A 5406-2010に規定される建築用標準コンクリートブロックに空気を巻き込まないように貼り付けて、その後、重さ2kgのローラーで往復圧着した。24時間室温で養生した後、防草シートをコンクリートブロック面に対して垂直(角度90度)方向に毎分300mmの速度で引っ張ることにより防草シートの剥離接着力を測定した。
(90度方向剥離接着力試験:対プライマー処理コンクリートブロック)
プライマーとして ゴム系工業用接着剤EC-1368NTをJIS A 5406-2010に規定される建築用標準コンクリートブロックに刷毛を用いて塗布し、24時間乾燥させた。その後、防草シートを幅25mm、長さ200mmとなるように切断した。粘着剤側のシリコーン処理ポリエステルフィルムを剥がして、プライマーが塗布された面に空気を巻き込まないように貼り付けて、その後、重さ2kgのローラーで往復圧着した。24時間室温で養生した後、防草シートをコンクリートブロック面に対して垂直(角度90度)方向に300mm/分の速度で引っ張ることにより防草シートの剥離接着力を測定した。
(実施例11)
実施例11では、防草シートの粘着剤組成物の厚み(合計)を0.5mmに変えた以外は、実施例10と同様の手順によって防草シートを作製した。実施例11においては、実施例10と同様の装置及び手順により、90度方向剥離接着力試験を行った。
(実施例12)
実施例12では、防草シートの粘着剤組成物の厚み(合計)を1.0mmに変えた以外は、実施例10と同様の手順によって防草シートを作製した。実施例12においては、実施例10と同様の装置及び手順により、90度方向剥離接着力試験を行った。
Figure 0007068783000006
表6は、実施例10~12に係る防草シートについての粘着層、基材層及び特性試験の結果を示す。
実施例10~12に係る防草テープは、コンクリート面又はアスファルト面に簡単に貼り付けられることができるので、雑草の成長を抑制することができる。また、粘着層に含まれる不織布によって粘着層が高い接着力を有する上に、粘着層をコンクリート面又はアスファルト面から再剥離させるときに、粘着層がコンクリート面又はアスファルト面に転写することから防止される。
表6及び表1に示されるように、実施例11及び12に係る防草テープにおいては、同一厚みの粘着層をそれぞれ有する実施例4及び1に係る防草テープに比べて、90度方向剥離接着力(対コンクリートブロック)が、更に向上している。不織布を含む粘着層では、粘着層内の樹脂の凝集力(一体性)が高まるので、粘着層内の樹脂同士の結合が強くなる結果、粘着層の剥離がより低減したことが示される。
1、1P…防草シート、10…基材層、11…織布、12…樹脂部、20、20P…粘着層、21…不織布。

Claims (8)

  1. 防草シートであって、
    基材層と、
    前記基材層に積層された粘着層と、
    前記粘着層に覆われた不織布と、
    を備え、
    前記基材層は、織布と、前記織布を覆う樹脂部とを有し、
    前記基材層の厚みは、0.3mm以上かつ0.8mm以下であり、
    前記不織布の坪量は、8g/平米以上かつ30g/平米以下であり、
    当該防草シートの貫通抵抗力は、360N以上であり、
    当該防草シートの剛軟度は、150mm以下であり、
    当該防草シートの光透過率は、0.3%未満である、防草シート。
  2. 前記織布の厚みは、0.15mm以上かつ0.5mm以下である、請求項1記載の防草シート。
  3. 前記織布に含まれる繊維の本数は、25mmあたり20本以上かつ80本以下である、請求項1又は2記載の防草シート。
  4. 前記織布は、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエスエル繊維、綿、麻、及びポリエチレン繊維からなる群から選択される一又は複数の繊維を含む、請求項1~3のいずれか一項記載の防草シート。
  5. 前記樹脂部は、塩化ビニル樹脂又はポリオレフィン系樹脂を含む、請求項1~4のいずれか一項記載の防草シート。
  6. 前記粘着層の厚みは、0.2mm以上かつ1.5mm以下である、請求項1~5のいずれか一項記載の防草シート。
  7. 前記粘着層は、光硬化性アクリル樹脂を含む、請求項1~6のいずれか一項記載の防草シート。
  8. 前記不織布は、スパンボンド繊維を含む、請求項1~7のいずれか一項記載の防草シート。
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