以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1及び図2は、実施形態に係る対面キッチンを模式的に表す斜視図である。
図1及び図2に表したように、対面キッチン10は、シンクカウンタ12と、対面カウンタ14と、を備える。対面キッチン10は、キッチン及びリビング(ダイニング)と対面して設置される。これにより、対面キッチン10は、リビング側を向いた状態で炊事などを行えるようにする。
以下、本願明細書においては、リビング側に立ち、キッチン側を向くように対面キッチン10と対面する使用者からみた上方、下方、前方、後方、右側方、及び左側方を、それぞれ「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「右側方」、及び「左側方」とする。前方は、換言すれば、対面キッチン10のキッチン側を向く方向である。図1は、前方側から見た対面キッチン10の斜視図であり、図2は、後方側から見た対面キッチン10の斜視図である。
シンクカウンタ12は、上面12aを有する。シンクカウンタ12は、例えば、上面視において略長方形の平板状である。シンクカウンタ12は、例えば、上面12aが略水平となるように設置される。シンクカウンタ12の上面12aが略水平な状態とは、例えば、上面12aの高低差が2mm以内の状態である。シンクカウンタ12の少なくとも上面12aの部分には、例えば、ステンレス、人工大理石、又は人造大理石などが用いられる。
シンクカウンタ12は、シンク16を有する。シンク16は、シンクカウンタ12の上面12aよりも下方に凹む。シンク16は、シンクカウンタ12の平板状の天板部と一体に形成してもよいし、天板部とは別に形成した後、接着などを介して天板部に取り付けてもよい。
シンク16内、又はシンクカウンタ12のシンク16の周辺には、水栓18が設けられる。水栓18は、対面キッチン10に取り付けて使用される。水栓18は、例えば、シンク16の後方側に設けられる。水栓18は、シンク16内に向けて湯水を吐水する。換言すれば、シンク16は、水栓18から吐水された湯水を受ける。また、シンク16は、水栓18などから受けた湯水を排水管などを介して外部に排出する。
シンクカウンタ12は、コンロ20を取り付けるための開口部12bを有する。コンロ20は、対面キッチン10に取り付けて使用される。コンロ20は、例えば、ガスコンロ、電気コンロ、又は電磁調理器などである。
また、シンクカウンタ12は、調理やシンク16で洗った食器の片付けなどの種々の作業を行うための作業スペース12cをさらに有する。作業スペース12cは、例えば、シンク16とコンロ20(開口部12b)との間に設けられる。すなわち、この例では、シンクカウンタ12の左端側にシンク16が配置され、シンクカウンタ12の右端側にコンロ20が配置され、シンクカウンタ12の中央付近に作業スペース12cが配置されている。シンク16、コンロ20、及び作業スペース12cの配置は、上記に限ることなく、任意の配置でよい。例えば、シンク16をシンクカウンタ12の中央付近に配置してもよいし、コンロ20をシンクカウンタ12の中央付近に配置してもよい。
対面カウンタ14は、シンクカウンタ12の後方(リビング側)に設けられる。対面カウンタ14は、シンクカウンタ12よりも上方に位置する。対面カウンタ14の高さは、シンクカウンタ12の高さよりも高い。
このように、対面カウンタ14を設けることにより、キッチン側とリビング側との開放感を保ちつつ、乱雑になりがちなシンクカウンタ12の上面12aやシンク16内などをリビング側から見え難くすることができる。さらには、水などがリビング側にこぼれてしまうことを抑制することもできる。対面キッチン10は、いわゆるハイステップ型の対面式のシステムキッチンである。
対面キッチン10は、例えば、キャビネット部30と、サイドパネル40と、をさらに備える。キャビネット部30は、シンクカウンタ12及び対面カウンタ14を支持する。また、キャビネット部30は、例えば、コンロ20を支持する。キャビネット部30は、内部に収納空間を有し、キッチン用品などの物品を収納可能とする。キャビネット部30は、建築の床面に設置される。シンクカウンタ12、対面カウンタ14、及びコンロ20などは、キャビネット部30を介して建築の床面に設置される。キャビネット部30は、いわゆるフロアキャビネットである。
サイドパネル40は、シンクカウンタ12、対面カウンタ14、及びキャビネット部30の側方に設けられる。サイドパネル40は、例えば、シンクカウンタ12、対面カウンタ14、及びキャビネット部30の側方を覆うことにより、対面キッチン10の見栄えを向上させる。サイドパネル40は、いわゆる化粧板である。
サイドパネル40の高さは、例えば、対面カウンタ14の高さと実質的に同じである。サイドパネル40の高さは、対面カウンタ14の高さよりも高くてもよい。すなわち、サイドパネル40の高さは、対面カウンタ14の高さ以上であればよい。
この例では、対面キッチン10の左右方向の一端側のみにサイドパネル40を設けている。対面キッチン10の左右方向の他端側は、例えば、建築の壁面によって覆われる。換言すれば、対面キッチン10の左右方向の他端側は、建築の壁面に取り付けられる。例えば、対面キッチン10の両側端を建築の壁面から離間させた、いわゆるアイランド型のキッチンとする場合などには、対面キッチン10の両側端にサイドパネル40を設けてもよい。
キャビネット部30は、例えば、6つのキャビネット31~36を有する。キャビネット31~36は、対面キッチン10に組み込まれて使用される。キャビネット31~33は、前方(キッチン側)に向けて設けられる。キャビネット34~36は、後方(リビング側)に向けて設けられる。
このように、対面キッチン10において、キッチン側及びリビング側のそれぞれにキャビネット31~36を設けることにより、キッチン側からもリビング側からも物品を収納できるようになり、対面キッチン10の使い勝手を向上させることができる。
また、例えば、キッチン側のみにキャビネットを設けた場合には、キャビネットの奥側の空間が利用し辛くなってしまう可能性がある。これに対して、キッチン側及びリビング側のそれぞれにキャビネット31~36を設け、各キャビネット31~36の前後方向の長さを短くすることで、各キャビネット31~36において奥まった空間を少なくし、キャビネット部30の収納空間を有効活用し易くすることができる。
キャビネット31~33は、シンクカウンタ12を支持する。キャビネット31は、コンロ20の下方に設けられる。キャビネット31は、コンロ20を支持する。キャビネット31は、例えば、コンロ20を取り付けるためのコンロ台を有する。キャビネット31は、換言すれば、コンロ用キャビネットである。
キャビネット32は、作業スペース12cの下方に設けられる。キャビネット32は、シンクカウンタ12の作業スペース12cの下方を支持する。キャビネット32は、換言すれば、作業スペース用キャビネットである。
キャビネット33は、シンク16の下方に設けられる。シンクカウンタ12の上面12aよりも下方に凹むシンク16の一部は、キャビネット33内に収納される。キャビネット33は、シンク16の一部を内部に収納しつつ、シンクカウンタ12を支持する。キャビネット33は、換言すれば、シンク用キャビネットである。
キャビネット34~36は、例えば、対面カウンタ14を支持する。キャビネット34は、コンロ20用のキャビネット31と背中合わせに、キャビネット31の前方に設けられる。キャビネット35は、作業スペース12c用のキャビネット32と背中合わせに、キャビネット32の前方に設けられる。キャビネット36は、シンク16用のキャビネット33と背中合わせに、キャビネット33の前方に設けられる。
このように、後方側のキャビネット34~36は、前方側のキャビネット31~33のそれぞれに対応して設けられる。但し、キャビネット部30の構成は、上記の構成に限定されるものではない。例えば、後方側に設けられるキャビネットの数は、前方側に設けられるキャビネットの数と異なってもよい。また、キャビネット部30は、複数のキャビネット31~36を組み合わせる構成に限ることなく、例えば、各キャビネット31~36を一体的にした1つのキャビネットで構成してもよい。換言すれば、キャビネット部30自体を1つのキッチンキャビネットとしてもよい。
後方側のキャビネット33~36の前後方向の長さL1は、前方側のキャビネット31~33の前後方向の長さL2よりも短い。これにより、例えば、対面キッチン10の収納性や使い勝手を向上させつつ、対面キッチン10の前後方向の長さが、過度に長くなってしまうことを抑制することができる。
対面キッチン10は、前面パネル42と、収納空間SSと、を有する。前面パネル42及び収納空間SSは、シンクカウンタ12と対面カウンタ14との間に設けられている。前面パネル42は、開口部12b及びコンロ20の後方に設けられる。前面パネル42は、開口部12b及びコンロ20の後方の部分において、シンクカウンタ12の後端から上方に向かって延び、シンクカウンタ12の後端と対面カウンタ14の前端とを接続する。前面パネル42は、例えば、前方を向く略垂直な面を形成し、シンクカウンタ12と対面カウンタ14との間の空間を塞ぐ。前面パネル42は、例えば、コンロ20からの油跳ねなどを抑制し、対面キッチン10の清掃性を向上させる。前面パネル42の左右方向の幅は、例えば、コンロ20用のキャビネット31及びその後方側のキャビネット34の左右方向の長さと実質的に同じである。前面パネル42は、例えば、キャビネット31及びキャビネット34の少なくとも一方に取り付けられる。
収納空間SSは、シンクカウンタ12と対面カウンタ14との間において、前方側(キッチン側)を向いて設けられる。収納空間SSは、より詳しくは、シンクカウンタ12の後方かつ対面カウンタ14の下方に設けられる。収納空間SSは、キッチン用品などの物品の収納を可能にする。これにより、対面キッチン10の収納性及び使い勝手をより向上させることができる。
収納空間SSは、前面パネル42と左右方向に並べて設けられる。この例では、コンロ20の後方に前面パネル42が設けられ、シンク16及び作業スペース12cの後方に収納空間SSが設けられる。収納空間SSの左右方向の幅は、例えば、作業スペース12c用のキャビネット32とシンク16用のキャビネット33との左右方向の合計の幅と実質的に同じである。収納空間SSの一方の側方は、サイドパネル40によって塞がれる。サイドパネル40は、例えば、キャビネット部30に取り付けられ、収納空間SSの一方の側方を塞ぐ。
図3は、実施形態に係る対面キッチンの一部を模式的に表す断面図である。
図3は、図1のA1-A2線断面を模式的に表す。
図3に表したように、対面キッチン10は、第1L字型部材51と、第2L字型部材52と、をさらに備える。
第1L字型部材51は、底板部51aと、第1背板部51bと、を有する。底板部51aは、シンクカウンタ12の後端から後方に向かって延びる。第1背板部51bは、底板部51aの後端から上方に向かって延びる。
第2L字型部材52は、第2背板部52aと、上板部52bと、を有する。第2背板部52aは、前後方向において第1背板部51bと重なる位置に設けられる。上板部52bは、第2背板部52aの上端から前方に向かって延びる。これにより、第2L字型部材52は、シンクカウンタ12よりも上方に位置する対面カウンタ14を上板部52bによって形成するとともに、底板部51aと上板部52bとの間に収納空間SSを形成する。
第2背板部52aは、第1背板部51bの後方に設けられる。第2背板部52aの上端は、第1背板部51bの上端よりも上方に延びる。これにより、上板部52bは、第1背板部51bの上端を覆う。
第1背板部51bは、底板部51aと一体的である。底板部51aと第1背板部51bとは、例えば、型成形などによって一体に成形される。あるいは、第1背板部51bは、接着や溶着などによって底板部51aに一体に取り付けられる。このように、底板部51aと第1背板部51bとが一体的な状態とは、一体に成形された状態、もしくは接着などによって互いに一体に取り付けられた状態である。底板部51aと第1背板部51bとの間には、水が通り抜けたり浸み込んだりする隙間が設けられていない。
底板部51a及び第1背板部51bは、耐水性を有する。底板部51a及び第1背板部51bにおいては、水が通り抜けたり浸み込んだりすることがない。底板部51a及び第1背板部51bには、例えば、樹脂材料や金属材料などの耐水性を有する材料が用いられる。
また、上記のように、底板部51aと第1背板部51bとの間には、隙間が設けられていない。これにより、第1L字型部材51と第2L字型部材52とによって収納空間SSを形成した際に、収納空間SSの内部に浸入した水が下方の空間などに漏れ出さないようにすることができる。すなわち、収納空間SSに止水性を持たせることができる。
第2L字型部材52においても、第1L字型部材51と同様に、上板部52bは、第2背板部52aと一体的である。第2背板部52aと上板部52bとの間には、水が通り抜けたり浸み込んだりする隙間が設けられていない。第2背板部52a及び上板部52bは、耐水性を有する。これにより、収納空間SSの止水性をより高めることができる。但し、上方に位置する第2L字型部材52は、必ずしも止水性を有する構成でなくてもよい。第2L字型部材52は、少なくとも第2背板部52aと上板部52bとが互いに接続された構成であればよい。
底板部51aは、収納空間SS側を向く内側面IS11と、内側面IS11と反対側を向く外側面OS11と、を有する。底板部51aの内側面IS11は、換言すれば、収納空間SSにおいて物品を載置するための載置面である。
第1背板部51bは、収納空間SS側を向く内側面IS12と、内側面IS12と反対側を向く外側面OS12と、を有する。
底板部51aの内側面IS11と第1背板部51bの内側面IS12との成す角度θ11は、略90°(例えば88°以上92°以下)である。同様に、底板部51aの外側面OS11と第1背板部51bの外側面OS12との成す角度θ12は、略90°(例えば88°以上92°以下)である。
また、底板部51aの内側面IS11と第1背板部51bの内側面IS12との間には、傾斜部51cが設けられている。傾斜部51cは、第1背板部51bから前方に向かうに従って下降傾斜することにより、底板部51aの内側面IS11と第1背板部51bの内側面IS12とをなだらかに接続する。傾斜部51cは、略直線の傾斜面状でもよいし、凹曲面状でもよい。
このように傾斜部51cを設けることにより、例えば、収納空間SSの内側の面を形成する内側面IS11、IS12における入隅を抑制することができる。例えば、内側面IS11と内側面IS12との角部を拭きやすくし、収納空間SSの清掃性を向上させることができる。
第2背板部52aは、収納空間SS側を向く内側面IS21と、内側面IS21と反対側を向く外側面OS21と、を有する。上板部52bは、収納空間SS側を向く内側面IS22と、内側面IS22と反対側を向く外側面OS22と、を有する。上板部52bの外側面OS22は、換言すれば、対面カウンタ14である。
第2背板部52aの内側面IS21と上板部52bの内側面IS22との成す角度θ21は、略90°(例えば88°以上92°以下)である。同様に、第2背板部52aの外側面OS21と上板部52bの外側面OS22との成す角度θ22は、略90°(例えば88°以上92°以下)である。
この例において、第1L字型部材51の左右方向の幅は、作業スペース12c用のキャビネット32とシンク16用のキャビネット33との左右方向の合計の幅と実質的に同じである。第1L字型部材51は、前面パネル42と左右方向に並べてキャビネット部30の上に設けられる。これにより、上記のように、前面パネル42と収納空間SSとが左右方向に並べて設けられる。
一方、第2L字型部材52の左右方向の幅は、シンクカウンタ12及びキャビネット部30の左右方向の幅と実質的に同じである。すなわち、この例においては、第2L字型部材52の左右方向の幅が、第1L字型部材51の左右方向の幅よりも長い。第2背板部52aは、第1背板部51bの後方に設けられるとともに、前面パネル42の後方に設けられる。上板部52bは、第1背板部51bの上端を覆うとともに、前面パネル42の上端を覆う。
これにより、前面パネル42と収納空間SSとを左右方向に並べて設けつつ、前面パネル42及び収納空間SSの上に連続した対面カウンタ14を設けることができる。また、後方側から見た際には、前面パネル42の後方及び収納空間SSの後方を連続した1つの第2背板部52aで覆うことができ、対面キッチン10において高い見栄えを得ることができる。
図4(a)~図4(e)は、実施形態に係る対面キッチンの一部を模式的に表す平面図である。
図4(a)~図4(e)では、対面キッチン10において、第1L字型部材51と第2L字型部材52とを取り外した状態を模式的に表している。また、図4(b)は、図4(a)の領域Aの拡大図であり、図4(c)は、図4(a)の領域Bの拡大図であり、図4(d)は、図4(a)の領域Cの拡大図であり、図4(e)は、図4(a)の領域Dの拡大図である。
図4(a)~図4(e)に表したように、対面キッチン10は、第1L字型部材51を支持する複数の支持部60~63(第1支持部)を備える。各支持部60~63は、例えば、略L字型に折り曲げられ、第1L字型部材51を下方から支持するアングル材である。支持部60、61は、キャビネット36に取り付けられている。支持部62、63は、キャビネット35に取り付けられている。第1L字型部材51は、例えば、各支持部60~63の上に載せ、下方からネジ止めすることにより、各支持部60~63に支持される。すなわち、第1L字型部材51は、各支持部60~63を介してキャビネット35、36の上に取り付けられる。
第1L字型部材51を支持する第1支持部の構成は、上記に限ることなく、第1L字型部材51を支持可能な任意の構成でよい。第1支持部の数は、複数でもよいし、1つでもよい。第1支持部は、上記のように、例えば、キャビネット部30に設けられる。第1支持部は、例えば、シンクカウンタ12などに設けてもよい。
さらに、対面キッチン10は、第2L字型部材52を支持する複数の支持部70~74(第2支持部)をさらに備える。支持部70、71は、サイドパネル40に設けられている(図3参照)。支持部70、71は、例えば、第2L字型部材52を下方から支持するピン状の部材である。支持部70、71は、例えば、第2L字型部材52の上板部52bの内側面IS22に取り付けられたラフィックスなどのノックダウン金具と結合される結合ボルトである。
各支持部72~74は、例えば、略L字型に折り曲げられ、第2L字型部材52を下方から支持するアングル材である。各支持部72~74は、前面パネル42に取り付けられている。
前面パネル42は、例えば、前面部42aと、第1側面部42bと、第2側面部42cと、を有する。前面部42aは、シンクカウンタ12の後端から上方に向かって延びる。第1側面部42bは、前面部42aの収納空間SS側の側端から後方に向かって延びる。収納空間SSのサイドパネル40と反対側の側方は、第1側面部42bによって塞がれる。第1側面部42bは、例えば、キャビネット部30に取り付けられ、収納空間SSの他方の側方を塞ぐ。第2側面部42cは、前面部42aの収納空間SS(第1側面部42b)と反対側の側端から後方に向かって延びる。
支持部72、73は、前面部42aに設けられている。支持部74は、第2側面部42cに設けられている。このように、第2L字型部材52は、例えば、サイドパネル40に設けられた支持部70、71によって左右方向の一端側を下方から支持されるとともに、前面パネル42に設けられた支持部72~74によって左右方向の他端側を下方から支持される。これにより、第2L字型部材52は、各支持部70~74を介してキャビネット部30の上に取り付けられる。
また、図3に表したように、各支持部70~74は、第1背板部51bと第2背板部52aとの間に前後方向の隙間GP1を設け、かつ第1L字型部材51と第2L字型部材52との間に上下方向の隙間GP2を設けた状態で、第2L字型部材52を支持する。隙間GP2は、より詳しくは、第1背板部51bの上端と上板部52bとの間の上下方向の隙間である。このように、第2L字型部材52は、第1L字型部材51から離間した状態で、第1L字型部材51とは別の部材に支持される。
第2L字型部材52を支持する第2支持部の構成は、上記に限ることなく、隙間GP1、GP2を設けた状態で第2L字型部材52を支持可能な任意の構成でよい。第2支持部の数は、複数でもよいし、1つでもよい。第2支持部を設ける位置は、サイドパネル40や前面パネル42に限ることなく、上記のように支持可能な任意の位置でよい。第2支持部は、例えば、キャビネット部30などに設けてもよい。
以上、説明したように、本実施形態に係る対面キッチン10では、第1L字型部材51と第2L字型部材52とを重ねて設置するだけで収納空間SSを設けることができる。また、収納空間SSの下部を形成する底板部51aと第1背板部51bとが一体的であるため、収納空間SSの下部に隙間などが生じることを抑制し、適切な止水性を確保することができる。従って、箱状の収納ポケットを取付スペースに嵌め込む構成などと比べて、シンクカウンタ12と対面カウンタ14との間に、止水性を有する収納空間SSを簡単な構成で設けることができる。また、現場で取付スペースなどを造作する必要もなく、高い施工性を得ることもできる。
また、対面キッチン10は、第1L字型部材51を支持する支持部60~63(第1支持部)と、第2L字型部材52を支持する支持部70~74(第2支持部)と、をさらに備える。このように、第1L字型部材51と第2L字型部材52とが互いに異なる部材に支持されるため、互いに隙間GP1、GP2を設けた状態で支持することが可能となる。そして、これにより、第1L字型部材51の寸法誤差が、第2L字型部材52の取付位置などに影響を与えてしまうことを抑制することができる。
例えば、対面カウンタ14を形成する第2L字型部材52は、上板部52bの外側面OS22(対面カウンタ14)が水平となるように各支持部70~74に支持される。外側面OS22の水平は、例えば、第2L字型部材52と各支持部70~74との間に板状のスペーサを設けることによって調整される。この際、第2L字型部材52が第1L字型部材51から離間していることにより、外側面OS22の水平の調整をし易くすることができる。例えば、第1L字型部材51の寸法誤差の影響によって、外側面OS22を水平に調整できなくなってしまうことを抑制することができる。
また、対面キッチン10では、支持部70、71(第2支持部)がサイドパネル40に設けられているため、支持部70、71とサイドパネル40との位置合わせを行うことで、第2L字型部材52を適切に取り付けることができる。例えば、第2L字型部材52自体の高さを調整しながら第2L字型部材52の取り付けを行う必要がなく、施工性をより向上させることができる。
また、対面キッチン10では、第2背板部52aが第1背板部51bの後方に設けられ、上板部52bが第1背板部51bの上端を覆う。これにより、第1背板部51bの上端が上方に露出してしまうことがなく、対面キッチン10の見栄えをより向上させることができる。
図5及び図6は、実施形態に係る対面キッチンの変形例を模式的に表す斜視図である。 なお、上記実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明は省略する。
図5及び図6に表したように、対面キッチン10aは、建築の袖壁WWに隣接して設置される。この対面キッチン10aでは、コンロ20用のキャビネット31の後方に設けられるキャビネット34及び前面パネル42が省略され、キャビネット34及び前面パネル42の設けられていた位置に、袖壁WWが配置されている。換言すれば、コンロ20用のキャビネット31の後方に、袖壁WWが配置されている。
このため、対面キッチン10aでは、第2L字型部材52の左右方向の幅が、第1L字型部材51の左右方向の幅と実質的に同じである。このように、第2L字型部材52の左右方向の幅は、第1L字型部材51の左右方向の幅と実質的に同じでもよいし、上記実施形態で示したように異なってもよい。
このように、第1L字型部材51及び第2L字型部材52で収納空間SSを形成する構成では、左右方向の長さの異なる複数の製品などに対して、対応し易くすることができる。例えば、収納空間SSの左右方向の長さが異なる複数の製品を製造する際に、取付スペースに箱状の収納ポケットを嵌め込む構成では、収納空間SSの長さ毎に収納ポケットを用意しなければならなくなる。
これに対して、本実施形態に係る構成では、第1L字型部材51及び第2L字型部材52の左右方向の長さを調整するだけで、収納空間SSの左右方向の長さの異なる複数の製品を製造することができる。従って、収納空間SSの左右方向の長さの異なる複数の製品をより製造し易くすることができる。例えば、複数の製品を製造する際の製造コストを抑えることができる。
対面キッチン10aは、例えば、サイドパネル44をさらに備える。サイドパネル44は、収納空間SSのサイドパネル40とは反対側の側方を塞ぐ。このように、収納空間SSの両側方をサイドパネル40、44で塞いでもよい。
対面キッチン10aにおいて、第2L字型部材52を支持する第2支持部は、例えば、サイドパネル40、44に設けられる。これにより、対面キッチン10aにおいても、上記実施形態と同様に、第1背板部51bと第2背板部52aとの間に前後方向の隙間GP1を設け、かつ第1L字型部材51と第2L字型部材52との間に上下方向の隙間GP2を設けた状態で、第2L字型部材52を支持することが可能となる。
図7(a)~図7(c)は、実施形態に係る第1L字型部材及び第2L字型部材の変形例を模式的に表す断面図である。
図7(a)に表したように、第2L字型部材52の第2背板部52aは、第1L字型部材51の第1背板部51bの前方に設けてもよい。但し、この場合には、第1背板部51bの上端が、上方に露出してしまう可能性が生じる。
従って、第2L字型部材52の第2背板部52aは、上記実施形態で示したように、第1L字型部材51の第1背板部51bの後方に設けることが好ましい。これにより、第1背板部51bの上端を上板部52bで覆い隠すことができ、簡単な構成で対面キッチンの見栄えを向上させることができる。
図7(b)に表したように、この例では、第1L字型部材51が、基材81、82と、表面層83と、を有し、第2L字型部材52が、基材84、85と、表面層86と、を有する。
基材81は、前後方向に延びる。基材82は、接着や溶着などによって基材81と接合され、基材81の後端から上方に向かって延びる。表面層83は、基材81、82の表面を覆う。表面層83は、例えば、基材81、82の少なくとも上下方向及び前後方向を向く表面を連続的に覆う。表面層83は、例えば、基材81、82の表面全体を連続的に覆ってもよい。ここで、「連続的に覆う」とは、隙間やつなぎ目などが生じていない状態である。
基材84は、前後方向において基材82と重なる位置に設けられる。基材85は、接着や溶着などによって基材84と接合され、基材84の上端から前方に向かって延びる。表面層86は、基材84、85の表面を覆う。表面層86は、例えば、基材84、85の少なくとも上下方向及び前後方向を向く表面を連続的に覆う。表面層86は、例えば、基材84、85の表面全体を連続的に覆ってもよい。
従って、この例では、基材81と表面層83とによって底板部51aが形成され、基材82と表面層83とによって第1背板部51bが形成され、基材84と表面層86とによって第2背板部52aが形成され、基材85と表面層86とによって上板部52bが形成される。
この例において、第1L字型部材51及び第2L字型部材52は、例えば、高圧メラミン化粧板である。このように、第1L字型部材51及び第2L字型部材52は、2つの板状の基材81、82、84、85を接合して形成してもよい。この際、各基材81、82、84、85の接合部分を表面層83、86で覆うことにより、外側から見た状態において、底板部51aと第1背板部51bとの間、及び第2背板部52aと上板部52bとの間のつなぎ目を無くすことができる。これにより、収納空間SSの止水性を向上させることができる。また、表面層83、86を用いることにより、例えば、第1L字型部材51及び第2L字型部材52の表面に高い耐水性と意匠性とを持たせることができる。表面層83、86は、例えば、各基材81、82、84、85の接合部分に少なくとも設けられていればよい。表面層83、86は、例えば、各基材81、82、84、85に対してシート状の部材を貼り付けることによって形成される。
図7(c)に表したように、第1L字型部材51及び第2L字型部材52は、2つの板状の部材を接着や溶着などで接合して形成してもよい。但し、第1L字型部材51及び第2L字型部材52においては、図3及び図7(a)に表したように、一体成形したり、図7(b)に表したように、表面層83、86を設けたりすることにより、底板部51aと第1背板部51bとの間、及び第2背板部52aと上板部52bとの間に、つなぎ目が生じないようにすることが好ましい。
例えば、図7(c)に表したように、接合した2つの部材に対して、塗装やコーティングなどを施すことにより、底板部51aと第1背板部51bとの間、及び第2背板部52aと上板部52bとの間に、実質的につなぎ目が生じないようにしてもよい。換言すれば、塗装やコーティングなどにより、薄膜状の表面層83、86を形成してもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、対面キッチン10、10aなどが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。