JP7067784B2 - ワーク取り出し方法及びワーク取り出し装置 - Google Patents

ワーク取り出し方法及びワーク取り出し装置 Download PDF

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Description

本発明は、ワーク取り出し方法及びワーク取り出し装置に関する。
特許文献1には、物体が集積された供給/排出部から集積された物体を作業部へ移送する物体の供給方法において、供給/排出部にランダムに積まれた物体の各領域をサーチして、物体が存在する領域の位置およびその領域における物体の量を検出して記憶し、記憶された結果に基づき、物体が存在する位置を求めて物体を取り出し、取り出した物体を作業部に順次供給することが記載されている。
特開平6-255725号公報
しかしながら、上記特許文献1では、物体の上面を吸着するバキュームハンドで、供給/排出部に積み上げられた物体を上から順に作業部に搬送するだけで、積み上げられた物体から所望の物体を取り出すことはできない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、積み重ねられた複数のワークから所望のワークを効率的に取り出すことが可能なワーク取り出し方法及びワーク取り出し装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の一の態様のワーク取り出し方法は、ワークの側面を保持して搬送する搬送ロボットが、保管場所に積み重ねられた複数のワークのうちの1のワークの側面を保持して仮保管場所まで搬送する第1搬送ステップと、前記搬送ロボットが、前記仮保管場所に積み重ねられた複数のワークのうちの1のワークの側面を保持して前記保管場所まで搬送する第2搬送ステップと、前記搬送ロボットが、前記保管場所又は前記仮保管場所の最上のワークの側面を保持して搬送する出庫搬送ステップと、を備え、前記第1搬送ステップ又は前記第2搬送ステップにおいて、前記搬送ロボットは、前記1のワークを、当該1のワーク上の他のワークとともに搬送する。
上記態様において、前記第1搬送ステップは、前記保管場所に積み重ねられた複数のワークのうち、出庫対象となる対象ワークを保持し、前記対象ワーク上の上段ワークとともに搬送し、前記第2搬送ステップは、前記仮保管場所に積み重ねられた前記対象ワーク及び前記上段ワークのうち、前記上段ワークの側面を保持して搬送し、前記出庫搬送ステップは、前記仮保管場所に残された前記対象ワークの側面を保持して搬送してもよい。
また、前記第2搬送ステップは、前記上段ワークに含まれる複数のワークのうち、最下のワークを保持し、前記最下のワーク上の他のワークとともに搬送してもよい。
上記態様において、各ワークの識別情報と位置情報とを対応付ける位置管理テーブルに基づいて、保持するワークの位置を取得するワーク位置取得ステップをさらに備えてもよい。
また、前記位置情報は、各ワークの保管場所の位置と保管場所での段位とを含んでもよい。
また、前記保管場所のワークについて前記位置管理テーブルの位置情報を更新する位置情報更新ステップをさらに備えてもよい。
上記態様において、前記保管場所に積み重ねられた各ワークの厚みに基づいてワークの高さを算出するワーク高さ算出ステップをさらに備えてもよい。
また、前記ワークは、厚みが互いに異なる複数種類のワークを含んでもよい。
また、前記搬送ロボットは、ワークを検知するセンサと、ワークを保持する保持部とを備え、前記複数のワークのうちの最上のワークを前記センサにより検知した後、保持するワークの高さに基づいて前記保持部の高さを調整してもよい。
また、前記搬送ロボットは、前記1のワークの側面と、当該1のワーク上の他のワークの側面とを保持してもよい。
上記態様において、複数の保管場所を含む棚のそれぞれに、前記仮保管場所が設けられてもよい。
また、本発明の他の態様のワーク取り出し装置は、ワークの側面を保持して搬送する搬送ロボットと、前記搬送ロボットを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、保管場所に積み重ねられた複数のワークのうちの1のワークの側面を保持して仮保管場所まで搬送する第1搬送指令を生成する第1搬送指令生成手段と、前記仮保管場所に積み重ねられた複数のワークのうちの1のワークの側面を保持して前記保管場所まで搬送する第2搬送指令を生成する第2搬送指令生成手段と、前記保管場所又は前記仮保管場所の最上のワークの側面を保持して搬送する出庫搬送指令を生成する出庫搬送指令生成手段と、を備え、前記第1搬送指令又は前記第2搬送指令において、前記搬送ロボットは、前記1のワークを、当該1のワーク上の他のワークとともに搬送する。
本発明によれば、積み重ねられた複数のワークから所望のワークを効率的に取り出すことが可能となる。
搬送ロボット及び倉庫棚の例を示す模式図である。 エンドエフェクタ及びワークの例を示す模式図である。 ワーク取り出し装置の構成例を示すブロック図である。 データベースの構成例を示すブロック図である。 パーツマスタの構成例を示すテーブル図である。 入庫位置番号マスタの構成例を示すテーブル図である。 倉庫データの構成例を示すテーブル図である。 入庫位置部品高さ積データの構成例を示すテーブル図である。 入庫処理の手順例を示すフロー図である。 搬送処理の手順例を示すフロー図である。 出庫処理の手順例を示すフロー図である。 第1搬送ステップの例を説明するための図である。 第2搬送ステップの例を説明するための図である。 出庫搬送ステップの例を説明するための図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
[搬送ロボット]
図1は、実施形態に係るワーク取り出し装置1の搬送ロボット30、及びワークWを保管するための倉庫棚90の例を示す模式図である。同図において、X方向は倉庫棚90の幅方向を表し、Y方向は倉庫棚90の奥行き方向を表し、Z方向は鉛直方向を表し、θ方向は搬送ロボット30に設けられた回動軸33の回動方向を表す。
搬送ロボット30は、鉛直方向(Z方向)に延びるコラム部31を有している。コラム部31は、倉庫棚90の幅方向(X方向)に移動可能である。コラム部31には、水平方向に延びるアーム部32が連結されている。アーム部32は、コラム部31に対して鉛直方向に移動可能である。
アーム部32の先端部には、鉛直方向に延びる回動軸33が回動可能に連結されている。回動軸33の下端部には回動部34が連結されている。回動部34は、回動軸33の回動方向(θ方向)に回動軸33とともに回動可能である。
回動部34には、水平方向に延びるアーム部35が連結されている。アーム部35は、延伸方向に移動可能であり、このため、倉庫棚90の方向を向いた状態で倉庫棚90の奥行き方向(Y方向)に移動可能である。アーム部35の先端部には、後述するハンドエフェクタ50(図2参照)が連結される。
コラム部31のX方向の移動、アーム部32のZ方向の移動、回動軸33のθ方向の回動、及びアーム部35のY方向の移動はそれぞれ、不図示のサーボモータによって実現する。
コラム部31の下端部にはパレット37が連結されている。パレット37には鉛直方向に延びる複数のピン38が設けられている。ピン38には、入庫前又は出庫後のワークWが配置される。パレット37は、倉庫棚90の幅方向にコラム部31とともに移動可能である。
倉庫棚90は、鉛直方向に並ぶ複数の棚92を有している。それぞれの棚92には、複数のピン94が設けられている。複数のピン94は、倉庫棚90の幅方向(X方向)と奥行き方向(Y方向)とに2次元配列している。図1では、最上の棚92のピン94のみを図示し、他の棚92のピン94については図示を省略している。
それぞれのピン94は、ワークWを保管するための保管場所Sとされる。複数のピン94のうち、1つのピン94(例えば、倉庫棚90の幅方向の端かつ奥行き方向の最も手前にあるピン94)は、出庫時にワークWを一時的に保管するための仮保管場所SXとされる。仮保管場所SXはそれぞれの棚92に設けられる。なお、保管場所S及び仮保管場所SXには、ピン94が設けられていなくてもよい。
倉庫棚90は、2以上設けられてもよい。例えば、2以上の倉庫棚90が幅方向(X方向)に連なってもよいし、奥行き方向(Y方向)に搬送ロボット30を挟むように向かい合ってもよい。
ワークWは板状に形成されており、保管場所Sに積み重ねられる。また、ワークWは環状に形成されており、ワークWの穴にピン94が通される。ワークWは、例えば電線などの長尺部品が巻き付けられたリールを含む容器である。これに限らず、ワークWは、段ボール箱などの箱状のワークであってもよいし、円筒又は円柱状のワークであってもよい。積み重ねることが可能な形状であれば、特に限定されない。
[エンドエフェクタ]
図2は、エンドエフェクタ50及びワークWの例を示す模式図である。同図では、保管場所Sに積み重ねられたワークW1~W5のうち、下から3番目のワークW3を保持する場合を図示している。ワークW1~W5は、厚みが互いに異なる複数種類のワークを含んでいる。
エンドエフェクタ50は、アーム部35(図1参照)に連結される本体部51と、本体部51から下方に延びる複数の保持部52とを有している。複数の保持部52は、中央を囲むように配列して放射方向に移動可能であり、ワークWの側面を保持する、すなわちワークWを側方から支持する。
なお、図示の例では、保持部52はワークW3~W5の側面を保持して搬送するが、これに限らず、保持部52の下端部を鉤状してワークW3の側面のみを保持し、その上のワークW4,W5とともに搬送してもよい。
エンドエフェクタ50は、ワークWを検知するためのセンサ55をさらに有している。センサ55は、例えば光電センサであり、中央を挟むように互いに離れて配置された投光部55aと受光部55bとを有している。投光部55aと受光部55bとは、保持部52の下端部より僅かに下方を光が通るように、本体部51から下方に延びるブラケット54の下端部に取り付けられている。
センサ55は、エンドエフェクタ50が下降する途中でワークWを検知する。具体的には、エンドエフェクタ50が下降する途中で、投光部55aから受光部55bへの光が積み重ねられたワークW1~W5の最上のワークW5によって遮られるので、これにより、保持部52の下端部が積み重ねられたワークW1~W5の最上面に近接したことが検知される。
[制御装置]
図3は、ワーク取り出し装置1の構成例を示すブロック図である。ワーク取り出し装置1は、主制御装置10と、副制御装置20と、搬送ロボット30と、データベース40とを備えている。
主制御装置10は、CPU、RAM、ROM、不揮発性メモリ及び入出力インターフェース等を含むコンピュータである。CPUは、ROM又は不揮発性メモリからRAMにロードされたプログラムに従って情報処理を実行する。プログラムは、光ディスク又はメモリカード等の情報記憶媒体を介して供給されてもよいし、インターネット等の通信ネットワークを介して供給されてもよい。
主制御装置10は、データベース40にアクセスできるようになっている。データベース40は、主制御装置10において実現されてもよいし、主制御装置10とは別のサーバ装置等において実現されてもよい。
副制御装置20は、例えばPLC(programmable logic controller、いわゆるシーケンサ)であり、主制御装置10からの指令に応じて搬送ロボット30を制御する。
[データベース]
図4は、データベース40の構成例を示すブロック図である。データベース40は、座標データマスタ41と、パーツマスタ42と、入庫位置番号マスタ43と、入庫場所指示マスタ44と、入出庫履歴45と、部品データ46と、倉庫データ47と、一時保管倉庫データ48と、入庫位置部品高さ積データ49とを含んでいる。
座標データマスタ41は、倉庫棚90に設けられたピン94(保管場所S)のポジション番号と、搬送ロボット30のロボット座標(X,Y,Z座標)とを対応付けている。
パーツマスタ42は、ワークWに係る情報を記憶している。具体的には、パーツマスタ42は、図5に示すように、ワークWに含まれる部品の部品ID、品番、名前、サイズ、厚み、員数、登録日などを記憶している。ここで、部品IDはワークWの識別情報に相当し、厚みはワークWの厚みに相当する。
入庫位置番号マスタ43は、図6に示すように、倉庫番地にポジション番号及び層番号を対応付けている。層番号は、ピン94における段位である。すなわち、積み重ねられたワークWのうち、最下のワークWは層番号が1となり、下から2番目のワークWは層番号が2となる。
入庫場所指示マスタ44は、ワークWの入庫位置を指定するためのデータである。入出庫履歴45は、入出庫の履歴を記憶している。部品データ46は、ワークWに含まれるリールの管理データである。
倉庫データ47は、位置管理テーブルの一例であり、図7に示すように、倉庫番地とそこに配置されているワークWの部品IDとを対応付けている。倉庫番地は、入庫位置番号マスタ43においてポジション番号及び層番号と対応付けられている。したがって、倉庫データ47は、どのピンの何段目にどの部品が配置されているかを記憶している。
一時保管倉庫データ48は、入出庫時の動作を作成する際のシミュレーション用のデータである。一時保管倉庫データ48には、入出庫時に倉庫データ47のデータがコピーされる。
入庫位置部品高さ積データ49は、図8に示すように、ポジション番号と層高さと予約高さとを対応付けている。層高さは、ピン94に積み重ねられているワークWの高さであり、パーツマスタ42に記憶された各ワークWの厚みから算出される。予約高さは、入出庫時の動作を作成する際のシミュレーションによる層高さである。
[入庫フロー]
以下、搬送ロボット30がパレット37上のワークWを倉庫棚90に入庫するときのフローについて説明する。図9は、主制御装置10が実行する入庫処理の手順例を示すフロー図である。
まず、主制御装置10は、ワークWを入庫する倉庫番地(ピン・層)を選択する(S11)。具体的には、主制御装置10は、倉庫データ47(図7参照)のデータがコピーされた一時保管倉庫データ48を参照して、部品IDが対応付けられていない倉庫番地(すなわち、ワークWが未だ配置されていない倉庫番地)を、ワークWを入庫する倉庫番地として選択する。
倉庫番地の選択手法は、特に限定されない。例えば、部品IDが対応付けられていない倉庫番地の中で最も小さな倉庫番地が選択される。又は、倉庫番地がランダムに選択されてもよい。ポジション番号が共通する複数の倉庫番地がある場合、層番号が小さい方が先に選択される。
次に、主制御装置10は、入庫搬送指令を生成し、副制御装置20に出力する(S12)。入庫搬送指令は、搬送ロボット30にパレット37上のワークWを上記S11で選択した倉庫番地まで搬送させるための搬送指令である。搬送指令は、搬送元の位置座標や搬送先の位置座標などを含んでいる。
副制御装置20(PLC)は、主制御装置10から入庫搬送指令を受けると、搬送ロボット30を制御する搬送処理を実行して、搬送ロボット30にパレット37上のワークWを上記S11で選択した倉庫番地まで搬送させる。副制御装置20による搬送処理については後述する。
次に、主制御装置10は、データベース40を更新する(S13)。具体的には、主制御装置10は、一時保管倉庫データ48の上記S11で選択した倉庫番地に、入庫したワークWの部品IDを対応付ける。入庫すべき全てのワークWの入庫が完了すると、一時保管倉庫データ48のデータは倉庫データ47(図7参照)にコピーされる。
また、主制御装置10は、入庫位置部品高さ積データ49(図8参照)のうち、上記S11で選択した倉庫番地が属するポジション番号の層高さに、入庫したワークWの厚みを加算する。
以上に説明したように、部品固有の倉庫番地を予め決めずに、空いている倉庫番地にワークWを入庫することによって、部品の種類や数量などが日々変化しても柔軟に対応することが可能である。
図10は、副制御装置20(PLC)が実行する搬送処理の手順例を示すフロー図である。以下では、入庫搬送指令を受けた場合の搬送処理について説明するが、後述する出庫搬送指令などの搬送指令を受けた場合も同様の搬送処理が行われる。
まず、副制御装置20は、搬送ロボット30を駆動して、エンドエフェクタ50をパレット37のピン38(搬送元のピン)上に位置決めする(S21)。搬送元のピンの位置は、主制御装置10からの搬送指令によって指定される。エンドエフェクタ50の移動は、X方向、Y方向、Z方向及びθ方向の移動を担う各サーボモータを所定の順序で駆動することにより実現する。
次に、副制御装置20は、搬送ロボット30を駆動してエンドエフェクタ50を下降させ(S22)、センサ55(図2参照)によりワークWを検出したか否か判定する(S23)。
ワークWを検出すると(S23:YES)、副制御装置20は、搬送ロボット30を駆動して、エンドエフェクタ50をさらにワークWの高さ分だけ下降させる(S24)。これにより、保持部52(図2参照)の下端部はワークWの側方に位置する。ワークWの高さは、主制御装置10からの搬送指令によって指定される。
次に、副制御装置20は、エンドエフェクタ50を駆動して、ワークWのクランプをオンにする(S25)。すなわち、エンドエフェクタ50の保持部52をワークWに向けて移動させ、保持部52でワークWを挟むことによってワークWの側面を保持する、すなわちワークWを側方から支持する。なお、吸着によってワークWの側面を保持してもよい。
次に、副制御装置20は、搬送ロボット30を駆動して、エンドエフェクタ50を上昇させる(S26)。これにより、エンドエフェクタ50に保持されたワークWは持ち上げられ、ピン38から外れる。
次に、副制御装置20は、搬送ロボット30を駆動して、エンドエフェクタ50を倉庫棚90のピン94(搬送先のピン)上に位置決めする(S27)。搬送先のピンの位置も、主制御装置10からの搬送指令によって指定される。
次に、副制御装置20は、搬送ロボット30を駆動して、エンドエフェクタ50を下降させる(S28)。エンドエフェクタ50の下降は、予め定めた量の下降であってもよいし、センサ55によりピン94を検出するまで行われてもよい。
次に、副制御装置20は、エンドエフェクタ50を駆動して、ワークWのクランプをオフにする(S29)。すなわち、エンドエフェクタ50の保持部52をワークWから退かせ、ワークWの保持を解除する。これにより、ワークWは落下し、ピン94(保管場所S)に配置される。既に別のワークがピン94に配置されている場合、エンドエフェクタ50が保持を解除したワークWは、当該別のワーク上に積み重ねられる。
次に、副制御装置20は、搬送ロボット30を駆動して、エンドエフェクタ50を上昇させる(S30)。以上のようにして、パレット37のピン38に配置されたワークWが、倉庫棚90のピン94まで搬送され、配置される。
[出庫フロー]
以下、搬送ロボット30が倉庫棚90内のワークWをパレット37に出庫するときのフローについて説明する。図11は、主制御装置10が実行する出庫処理の手順例を示すフロー図である。
まず、主制御装置10は、一時保管倉庫データ48を空にし(S41)、倉庫データ47(図7参照)のデータを一時保管倉庫データ48にコピーする(S42)。
次に、主制御装置10は、出庫する品番と数量の代入を受け付け(S43)、一時保管倉庫データ48を参照して、代入された品番と数量が倉庫棚90内にあるか否かを確認する(S44,S45)。ここで、代入された数量が倉庫棚90内にある場合は、その数量を出庫数量とする。一方、代入された数量が倉庫棚90内にない場合は、倉庫棚90内の全数量を出庫数量とする。
次に、主制御装置10は、出庫する品番のワークWが配置されている倉庫番地を一時保管倉庫データ48から取得する(S46:ワーク位置取得ステップ)。このとき、ワークWが選択される順番は、先に入庫したものを先に出庫する先入先出(FIFO)であってもよいし、後に入庫したものを先に出庫する後入先出(LIFO)であってもよい。
次に、主制御装置10は、取得した倉庫番地が属するポジション番号を入庫位置番号マスタ43(図6)から取得するとともに(S47)、取得したポジション番号のピン94に配置されている全てのワークWの数等を確認する(S48)。
次に、主制御装置10は、取得したポジション番号のピン94に配置されているワークWの厚みを取得し、出庫対象のワークWを保持するための高さを算出する(S49:ワーク高さ算出ステップ)。
出庫対象のワークWを保持するための高さは、例えば、ピン94に配置されているワークWの最上面を基準に算出される。具体的には、最上のワークWが出庫対象である場合は、最上のワークWの厚みに基づいて最上面から下降すべき高さが算出される。また、上から2番目のワークWが出庫対象である場合は、最上のワークWの厚みと上から2番目のワークWの厚みとの合計に基づいて最上面から下降すべき高さが算出される。
次に、主制御装置10は、ピン94に配置されているワークWの中で、出庫対象のワークWが最上にあるか否かを判定する(S50)。
出庫対象のワークWが最上にある場合(S50:YES)、主制御装置10は、最上にある出庫対象のワークWを出庫するための出庫搬送指令を生成し、副制御装置20に出力する(S54)。この出庫搬送指令は、搬送ロボット30に、ピン94に配置されている最上のワークWをパレット37のピン38まで搬送させるための搬送指令である。副制御装置20が実行する搬送処理は、上記図10と同様である。
一方、出庫対象のワークWが最上にない場合(S50:NO)、主制御装置10は、第1搬送指令、第2搬送指令及び出庫搬送指令を生成し、副制御装置20に出力することで(S51~S53)、図12~図14に示す第1搬送ステップ、第2搬送ステップ及び出庫搬送ステップを実現して、積み重ねられたワークWの並び替えを行いつつ出庫対象のワークWを出庫する。
図12~図14では、保管場所Sに積み重ねられたワークW1~W5のうち、下から3番目のワークW3を出庫する場合を図示している。以下の説明では、出庫対象のワークW3を「対象ワークW3」といい、対象ワークW3上のワークW4,W5を「上段ワークW4,W5」といい、対象ワークW3下のワークW1,W2を「下段ワークW1,W2」という。
図12(a)~(c)に示すように、第1搬送指令(S51)に基づく第1搬送ステップでは、エンドエフェクタ50が、保管場所S(ピン94)に積み重ねられた複数のワークW1~5のうち、対象ワークW3の側面を保持して、上段ワークW4,W5とともに仮保管場所SXまで搬送する。
仮保管場所SXは倉庫棚90のそれぞれの棚92に設けられており(図1参照)、対象ワークW3及び上段ワークW4,W5は、保管場所Sと同じ棚92にある仮保管場所SXに搬送される。
エンドエフェクタ50の下降時、センサ55(図2参照)により最上のワークW5が検出されると、そこから上記S49において算出した高さに基づいて保持部52の高さが調整される。具体的には、エンドエフェクタ50は、最上のワークW5が検出されると、対象ワークW3及び上段ワークW4,W5の合計の厚み分、さらに下降して停止する。
図13(d)~(f)に示すように、第2搬送指令(S52)に基づく第2搬送ステップでは、エンドエフェクタ50が、仮保管場所SXに積み重ねられた複数のワークW3~W5(対象ワークW3及び上段ワークW4,W5)のうち、上段ワークW4,W5を元の保管場所Sまで戻す。これにより、仮保管場所SXには対象ワークW3のみが残される。
具体的には、エンドエフェクタ50は、上段ワークW4,W5のうちの最下の上段ワーク4の側面を保持し、その上の上段ワークW5とともに保管場所Sまで搬送する。上段ワークW4,W5は、保管場所Sにある下段ワークW1,W2上に積み重ねられる。
図14(g)~(h)に示すように、出庫搬送指令(S53)に基づく出庫搬送ステップでは、エンドエフェクタ50が、仮保管場所SXに残された対象ワークW3を保持して搬送する。この出庫搬送指令は、搬送ロボット30に、仮保管場所SXに残された対象ワークW3をパレット37のピン38まで搬送させるための搬送指令である。
出庫搬送指令の出力(S53,S54)が完了すると、主制御装置10は、倉庫データ47(図7参照)のデータを更新する(S55:位置情報更新ステップ)。
上記S51~S53において最上以外のワークWを出庫した場合、主制御装置10は、倉庫データ47において、出庫対象の対象ワークW3が配置されていた倉庫番地に対応付けられている対象ワークW3の部品IDを削除するとともに、上段ワークW4,W5の部品IDを繰り上げる。すなわち、対象ワークW3が配置されていた倉庫番地に上段ワークW4の部品IDが登録され、上段ワークW4が配置されていた倉庫番地に上段ワークW5の部品IDが登録される。
主制御装置10は、上記S46~S55の処理を出庫数量のワークWの全てについて繰り返した後(S56)、出庫処理を終了する。
なお、図12~図14に示した態様に限らず、例えば、保管場所Sに積み重ねられたワークW1~W5から上段ワークW4,W5のみを仮保管場所SXまで搬送し(第1搬送ステップ)、上段ワークW4,W5の搬送によって保管場所Sの最上に現れた対象ワークW3を出庫し(出庫搬送ステップ)、仮保管場所SXに配置されている上段ワークW4,W5を元の保管場所Sまで戻す(第2搬送ステップ)ようにしてもよい。
1 ワーク取り出し装置、10 主制御装置、20 副制御装置、30 搬送ロボット、31 コラム部、32 アーム部、33 回動軸、34 回動部、35 アーム部、37 パレット、38 ピン、40 データベース、41 座標データマスタ、42 パーツマスタ、43 入庫位置番号マスタ、44 入庫場所指示マスタ、45 入出庫履歴、46 リールデータ、47 倉庫データ、48 一時保管倉庫データ、49 入庫位置部品高さ積データ、50 エンドエフェクタ、51 本体部、52 保持部、54 ブラケット、55 センサ、55a 投光部、55b 受光部、90 倉庫棚、92 棚、94 ピン、S 保管場所、SX 仮保管場所、W ワーク

Claims (11)

  1. ワークの側面を保持して搬送する搬送ロボットが、保管場所に積み重ねられた複数のワークのうちの1のワークの側面を保持して仮保管場所まで搬送する第1搬送ステップと、
    前記搬送ロボットが、前記仮保管場所に積み重ねられた複数のワークのうちの1のワークの側面を保持して前記保管場所まで搬送する第2搬送ステップと、
    前記搬送ロボットが、前記保管場所又は前記仮保管場所の最上のワークの側面を保持して搬送する出庫搬送ステップと、
    を備え、
    前記第1搬送ステップ又は前記第2搬送ステップにおいて、前記搬送ロボットは、前記1のワークを、当該1のワーク上の他のワークとともに搬送し、
    前記保管場所に積み重ねられた各ワークの厚みに基づいてワークの高さを算出するワーク高さ算出ステップをさらに備える、
    ワーク取り出し方法。
  2. 前記第1搬送ステップは、前記保管場所に積み重ねられた複数のワークのうち、出庫対象となる対象ワークを保持し、前記対象ワーク上の上段ワークとともに搬送し、
    前記第2搬送ステップは、前記仮保管場所に積み重ねられた前記対象ワーク及び前記上段ワークのうち、前記上段ワークの側面を保持して搬送し、
    前記出庫搬送ステップは、前記仮保管場所に残された前記対象ワークの側面を保持して搬送する、
    請求項1に記載のワーク取り出し方法。
  3. 前記第2搬送ステップは、前記上段ワークに含まれる複数のワークのうち、最下のワークを保持し、前記最下のワーク上の他のワークとともに搬送する、
    請求項2に記載のワーク取り出し方法。
  4. 各ワークの識別情報と位置情報とを対応付ける位置管理テーブルに基づいて、保持するワークの位置を取得するワーク位置取得ステップをさらに備える、
    請求項1乃至3の何れかに記載のワーク取り出し方法。
  5. 前記位置情報は、各ワークの保管場所の位置と保管場所での段位とを含む、
    請求項4に記載のワーク取り出し方法。
  6. 前記保管場所のワークについて前記位置管理テーブルの位置情報を更新する位置情報更新ステップをさらに備える、
    請求項4又は5に記載のワーク取り出し方法。
  7. 前記ワークは、厚みが互いに異なる複数種類のワークを含む、
    請求項1乃至6の何れかに記載のワーク取り出し方法。
  8. 前記搬送ロボットは、ワークを検知するセンサと、ワークを保持する保持部とを備え、前記複数のワークのうちの最上のワークを前記センサにより検知した後、保持するワークの高さに基づいて前記保持部の高さを調整する、
    請求項1乃至7の何れかに記載のワーク取り出し方法。
  9. 前記搬送ロボットは、前記1のワークの側面と、当該1のワーク上の他のワークの側面とを保持する、
    請求項1乃至の何れかに記載のワーク取り出し方法。
  10. 複数の保管場所を含む棚のそれぞれに、前記仮保管場所が設けられる、
    請求項1乃至の何れかに記載のワーク取り出し方法。
  11. ワークの側面を保持して搬送する搬送ロボットと、
    前記搬送ロボットを制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    保管場所に積み重ねられた複数のワークのうちの1のワークの側面を保持して仮保管場所まで搬送する第1搬送指令を生成する第1搬送指令生成手段と、
    前記仮保管場所に積み重ねられた複数のワークのうちの1のワークの側面を保持して前記保管場所まで搬送する第2搬送指令を生成する第2搬送指令生成手段と、
    前記保管場所又は前記仮保管場所の最上のワークの側面を保持して搬送する出庫搬送指令を生成する出庫搬送指令生成手段と、
    を備え、
    前記第1搬送指令又は前記第2搬送指令において、前記搬送ロボットは、前記1のワークを、当該1のワーク上の他のワークとともに搬送し、
    前記保管場所に積み重ねられた各ワークの厚みに基づいてワークの高さを算出するワーク高さ算出手段をさらに備える、
    ワーク取り出し装置。
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