JP7067751B2 - 教材オーサリングシステム - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 平成29年5月17日~19日 東京ビッグサイトにおいて開催された第9回教育ITソリューションEXPOで公開
特許法第30条第2項適用 平成29年6月22日 株式会社デジタル・ナレッジにおいて開催されたeラーニング導入のはじめかたセミナーで公開
特許法第30条第2項適用 平成29年7月19日 株式会社デジタル・ナレッジにおいて開催されたeラーニング導入のはじめかたセミナーで公開
特許法第30条第2項適用 平成29年8月9日 株式会社デジタル・ナレッジにおいて開催された真夏の特別ラボイベント『eラーニング最新動向&事例TOUR2017』で公開
特許法第30条第2項適用 平成29年8月31日 株式会社デジタル・ナレッジにおいて開催されたeラーニング導入のはじめかたセミナーで公開
特許法第30条第2項適用 平成29年9月21日 株式会社デジタル・ナレッジにおいて開催されたeラーニング導入のはじめかたセミナーで公開
人工知能を用いて解答を評価することができる教材オーサリングシステムに関する。
いろいろな問い合わせに対する結果を得るための手法として人工知能を用いることが知られている。人工知能は、これまでの様々な情報を学習させることで、単一の結果を出力させるだけでなく、該当し得る複数の結果も出力させることができ、人工知能を用いることで人間の思考に近づけ、曖昧さを許容した結果を得ることができる(例えば、特許文献1参照)。
特許第5854251号
人工知能を語学の教材などの学習支援システムに用いることで、適切な採点や評価を得る可能性がある。しかしながら、人工知能が有する曖昧さゆえに、不適切な採点や評価をすることも想定される。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、人工知能を学習支援に用いた場合に、適切に採点や評価をすることができる教材オーサリングシステムを提供することにある。
本発明による教材オーサリングシステムの特徴は、
語学の問題と当該問題に対する模範解答が教材作成者によって作成され、前記語学の問題に対する解答を、コンピュータプログラムの実行によって人工知能を機能させて評価する教材オーサリングシステムであって、
出題された問題に対して受講者が音声により解答した内容を人工知能の音声認識機能によってテキストデータに変換するテキスト変換部と、
前記テキスト変換部によって変換されたテキストデータを受講者によって修正可能なテキスト修正部と、
問題に対する模範解答を少なくとも1つ記憶する模範解答記憶部と、
受講者の解答の意味が、前記模範解答の意味と近似する近似の度合いを人工知能の機能によって判断する意味近似度判断部と、を備え、
前記意味近似度判断部が、受講者の解答について複数種類の解答を正答とし得るよう、受講者の解答の少なくとも背景を解釈して、前記模範解答の意味との近似の度合いを判断することである。
人工知能を用いたときに生ずる曖昧さを補完し、受講者の解答を適切に評価できる教材オーサリングシステムを提供することができる。
教材オーサリングシステム10の構成を示す概略図である。 本実施の形態における処理の概略を示すフローチャートである。 教材作成側端末装置110における処理を示すサブルーチンを示すフローチャートである。 サーバ200と受講者側端末装置120との間で実行される問題文の出題処理を示すフローチャートである。 サーバ200と受講者側端末装置120との間で実行される問題文の出題処理を示すフローチャートである。 サーバ200と受講者側端末装置120との間で実行される問題文の出題処理を示すフローチャートである。 サーバ200と受講者側端末装置120との間で実行される問題文の出題処理を示すフローチャートである。 教材作成側端末装置110のディスプレイに表示されるオーサリング画面の例を示す図である。 受講者側端末装置120のディスプレイに表示される教材の画面の例を示す図である。 受講者側端末装置120のディスプレイに表示される教材の画面の例を示す図である。 受講者側端末装置120のディスプレイに表示される教材の画面の例を示す図である。 受講者側端末装置120のディスプレイに表示される教材の画面の例を示す図である。 受講者側端末装置120のディスプレイに表示される教材の画面の例を示す図である。
<<<<本実施の形態の概要>>>>
<<第1の実施の態様>>
第1の実施の態様によれば、
コンピュータプログラムの実行によって人工知能を機能させ、語学の問題に対する解答を評価する教材オーサリングシステムであって、
出題された問題に対して受講者が解答した内容を人工知能の機能によってテキストデータに変換するテキスト変換部と、
前記テキスト変換部によって変換されたテキストデータを受講者によって修正可能なテキスト修正部と、
問題に対する模範解答を少なくとも1つ記憶する模範解答記憶部と、
受講者の解答の言語としての意味が、前記模範解答の言語としての意味と近似する近似の度合いを人工知能の機能によって判断する意味近似度判断部と、を備える教材オーサリングシステムが提供される。
人工知能の機能によって変換されたテキストデータを受講者によって修正することができるので、受講者が所望する解答に変更することができ、受講者によって変更された解答の意味の近似度が判断されるので、複数回に亘って、解答し直す作業を防止することができ、人工知能の曖昧さを補完することができる教材オーサリングシステムを提供することができる。
また、第1の実施の態様において、
前記テキスト変換部は、
受講者が解答した内容が音声による場合には、人工知能の音声認識機能によってテキストデータに変換し、
受講者が解答した内容が画像による場合には、人工知能の文字認識機能によってテキストデータに変換するのが好ましい。
人工知能の音声認識機能によってテキストデータに変換された場合や、人工知能の文字認識機能によってテキストデータに変換された場合でも、変換されたテキストデータを受講者が修正できるので、受講者が所望する解答に変更することができ、受講者によって変更された解答の意味の近似度が判断されるので、複数回に亘って、解答し直す作業を防止することができ、人工知能の曖昧さを補完することができる教材オーサリングシステムを提供することができる。
さらに、第1の実施の態様において、
受講者が操作可能な操作部を、更に備え、
前記テキスト修正部は、受講者による前記操作部の操作に応じて、前記テキスト変換部によって変換されたテキストデータを修正するのが好ましい。
受講者の操作によって、テキストデータを修正できるので、受講者の意思を適格に反映させて、受講者が所望する解答に変更することができる。
さらにまた、第1の実施の態様において、
前記意味近似度判断部は、少なくとも1つの模範解答によって受講者の解答を解析することで、模範解答の意味と受講者の解答の意味との近似の度合いを判断するのが好ましい。
文字や文字列の単純な比較ではなく、意味の近似度によって受講者の解答を判断するので、選択式や穴埋め式ではなく、記述式の問題を適格に採点したり評価したりすることができる。
<<<<本実施の形態の詳細>>>>
以下に、実施の形態について図面に基づいて説明する。
<<<<教材オーサリングシステム>>>>
図1は、教材オーサリングシステム10の構成を示す概略図である。
教材オーサリングシステム10は、教材作成側端末装置110、受講者側端末装置120及びサーバ200からなる。
教材作成側端末装置110は、CPU(中央処理装置)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、HDD(ハードディスクドライブ)、I/F(通信インターフェース装置)や操作装置(キーボード、マウス、タッチパネルなど)などを備えたパーソナルコンピュータ、タブレット側コンピュータ、携帯型端末装置などである。教材作成側端末装置110は、各種の演算処理及びデータ処理や、インターネットなどの通信ネットワーク100を介してサーバ200との通信処理などが可能な装置である。教材作成側端末装置110は、教材作成者が操作することができ、問題文や、模範解答や、ヒントが入力される。
受講者側端末装置120は、CPU(中央処理装置)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、HDD(ハードディスクドライブ)、I/F(通信インターフェース装置)や操作装置(キーボード、マウス、タッチパネルなど)などを備えたパーソナルコンピュータ、タブレット側コンピュータ、携帯型端末装置などである。受講者側端末装置120は、各種の演算処理及びデータ処理や、インターネットなどの通信ネットワーク100を介してサーバ200との通信処理などが可能な装置である。受講者側端末装置120は、受講者が操作することができ、問題文を表示したり、解答を入力したりすることができる。
サーバ200は、CPU(中央処理装置)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、HDD(ハードディスクドライブ)、I/F(通信インターフェース装置)や操作装置(キーボード、マウス、タッチパネルなど)などを備えたコンピュータ、タブレット側コンピュータ、携帯型端末装置、サーバなどである。サーバ200は、各種の演算処理及びデータ処理や、インターネットなどの通信ネットワーク100を介して教材作成側端末装置110及び受講者側端末装置120との通信処理などが可能な装置である。サーバ200は、教材オーサリングシステム10の管理者が操作することができ、教材作成側端末装置110から送信された問題文や、模範解答や、ヒントを保存したり、受講者側端末装置120に問題を送信したり、受講者側端末装置120から送信された解答を受信したり、解答を評価したり解析したりすることができる。
前述した例では、サーバ200において、解答を評価したり解析したりする構成を示したが、サーバ200とは別個に、評価したり解析したりするための評価・解析用端末装置(図示せず)を設けてもよい。評価・解析用端末装置は、CPU(中央処理装置)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、HDD(ハードディスクドライブ)、I/F(通信インターフェース装置)や操作装置(キーボード、マウス、タッチパネルなど)などを備えたパーソナルコンピュータ、タブレット側コンピュータ、携帯型端末装置などである。評価・解析用端末装置は、各種の演算処理及びデータ処理や、インターネットなどの通信ネットワーク100を介してサーバ200との通信処理などが可能な装置である。
<<<人工知能(AI)による評価>>>
本実施の形態では、受講者の解答について人工知能を利用して評価する。特に、本実施の形態では、英語の問題を作成し、作成した問題を受講者に出題し、受講者の解答について、人工知能を利用して処理をして、受講者の解答を評価する。人工知能は、サーバ200において所定のプログラムを実行することによって機能する。なお、サーバ200で所定のプログラムを実行せずに、サーバ200に通信可能に接続された制御装置(図示せず)で所定のプログラムを実行することで人工知能を機能させ、サーバ200からの問い合わせに応じて解を生成し、サーバ200に解を送信するものでもよい。
教材の作成から解答の評価までのおおよその流れは、以下の通りである。教材作製者は、教材作成側端末装置110でオーサリングツールを使って英語の問題を作成する。作成された英語の問題は、サーバ200に記憶される。受講者は、受講者側端末装置120を操作し、サーバ200から送信された英語の問題を受講者側端末装置120に表示して解答する。受講者の解答は、サーバ200に送信され、人工知能を利用して処理をして、受講者の解答を評価する。
人工知能の利用は、複数のモジュールを利用するものである。本実施の形態では、文字認識モジュールと音声認識モジュールと音声発話モジュールと英和翻訳モジュールと意味近似度モジュールとである。これらのモジュールについては後述する。
<<<<処理の概要>>>>
<<<教材の作成>>>
教材は、問題文(質問文(以下、問題文と称する。))と、模範解答文、ヒント文などからなる。これらは、テキストデータや画像データや、これらの組合せでもよい。問題文と、模範解答文、ヒント文は、教材作成側端末装置110で作成された後に、サーバ200に送信され、サーバ200のHDDなどに読み出し可能に記憶される。
<問題文>
問題文は、受講者に出題するための文であり、英文や日本文などから構成される。問題文がテキストデータや画像データから構成されている場合には、受講者側端末装置120のディスプレイに問題文が表示される。
テキストデータによる問題文を受講者側端末装置120のディスプレイに表示することで、受講者に問題を直接的に出題することができる。また、画像データによる画像を受講者側端末装置120のディスプレイに表示することで、問題文における登場人物や状況や背景などの視覚的に認識させて、問題を出題することができる。
また、問題文がテキストデータから構成されている場合には、音声発話モジュールによってテキストデータから音声データに変換して音声を受講者側端末装置120のスピーカ(図示せず)から出力するようにしてもよい。音声をスピーカから出力することでリスニングの問題として出題することができる。音声発話モジュールでは、いくつかのパラメータを指定することができる。例えば、男性の声、女性の声、ゆっくりと話す、早く話す、発話するときにテキストデータを表示する又は表示しないなどのパラメータを指定して、音声発話モジュールを動作させることができる。
<模範解答文>
模範解答文は、受講者が解答した解答を採点するための基準となるデータである。模範解答文は、出題する問題文の内容に応じて複数にすることができる。問題文によっては、複数種類の解答が正答である場合がある。例えば、好きな季節について尋ねる問題である場合に、想定される複数種類の模範解答文を予め登録しておくことで、直接的に春夏秋冬などの季節を答えるときでも、プールやスキーなどの間接的に季節を示す単語などを用いて答えるときでも正解にすることができる。この模範解答文は、後述する意味近似度モジュールで利用され、問題文に対して、受講者の解答の意味が適切であれば正答として扱うことができる。このようにすることで、正答を1つに限定するために選択式の問題や穴埋め式の問題のような不自然に作られた従来の問題を排除することができ、問題文の状況や背景を考慮して適切なものあれば正答として扱うことができ自然な英語表現を学習させることができる。
さらに、模範解答文は、受講者のレベルや状況や環境などに合わせて複数の模範解答文を用意することができる。例えば、中学1年用の複数の模範解答文や、高校3年用の複数の模範解答文や、社会人用の複数の模範解答文や、海外旅行用の複数の模範解答文などを準備することができる。このようにすることで、同じ問題であっても、基準となる複数の模範解答文を入れ替えるだけで、レベルや状況や環境などに応じた語彙や内容や表現で採点や評価をすることができ、同一の問題を出題できる受講者の範囲を広げて、問題を作り直したり追加したりする手間を省くことができる。サーバ200は、受講者の上達レベルや熟練度や状況や環境などから選択基準を定め、選択基準から複数の模範解答文を選択することができる。また、選択基準は、受講者の意思によって決定できるようにしてもよい。上達レベルや熟練度によって解答がどのように変化するのかを積極的に見ることができるようにすることで、各種の表現を習得する契機にすることができる。
<ヒント文>
ヒント文は、テキストデータを読んだり、画像データを見たりしても、問題文の内容を理解できない場合に、解答に導くために受講者に提供する情報である。問題文の内容に関連する基本的な例文などをヒントとして示すことができる。
<<オーサリングツール>>
図2は、教材を作成する際のオーサリング画面の概要を示す図である。本実施の形態では、教材の作成にオーサリングツールを用いる。オーサリングツールには、基本素材ツールが予め容易されている。基本素材ツールを問題作成のフィールドに配置(いわゆるドラッグ・アンド・ドロップ)することで、複数の小問を組わ合わせた問題文を作成することができる。
<基本素材ツール>
本実施の形態では、基本素材ツールは11種類ある。具体的には、テキスト表示ツールと、画像表示ツールと、テキスト入力ツールと、手書入力ツールと、文字認識ツールと、音声認識ツールと、音声信号変換ツールと、英和翻訳ツールと、文法チェックツールと、模範解答入力ツールとである。
テキスト表示ツールは、英文データや日本文データなどの各種のテキストを表示するためのツールである。画像表示ツールは、登場人物や状況などを示す画像を表示するためのツールである。テキスト入力ツールは、キーボードを用いて解答などのテキストを受講者に入力させるためのツールである。手書入力ツールは、解答などのテキストを手書きした用紙をカメラやカメラ付携帯電話などで撮影して画像データで入力するためのツールである。文字認識ツールは、手書入力ツールで入力された画像データを文字認識によって文字データに変換するためのツールである。音声認識ツールは、マイクロホンから入力された音声信号を音声認識によって文字データに変換するためのツールである。音声信号変換ツールは、スピーカから音声を出力するためにテキストデータを音声信号に変換するツールである。英和翻訳ツールは、英文のテキストデータを日本語に翻訳するためのツールである。文法チェックツールは、英文のテキストデータの文法をチェックするためのツールである。模範解答入力ツールは、前述した模範解答を入力するためのツールとである。
<<受講者による解答の入力及び入力された解答の評価>>
前述した基本素材ツールのうち、人工知能の各種のモジュールを利用する。前述したように、サーバ200において所定のプログラムを実行することによって人工知能を機能させる。
<文字認識ツール>
文字認識ツールは、人工知能の文字認識モジュールを利用する。受講者が、手書きで解答を用紙に記入した場合に、解答が記入された用紙をカメラやカメラ付携帯電話などで撮影して画像データ化し、受講者側端末装置120からサーバ200に送信された画像データを文字認識モジュールによってテキストデータ化する。解答をテキストデータ化することで、採点したり評価したりできる。
<音声認識ツール>
音声認識ツールは、人工知能の音声認識モジュールを利用する。受講者が、マイクロホンから解答を入力した場合に、入力された音声信号を受講者側端末装置120で音声データ化し、受講者側端末装置120からサーバ200に送信された音声データを音声認識モジュールによってテキストデータ化する。解答をテキストデータ化することで、採点したり評価したりできる。
<音声信号変換ツール>
音声信号変換ツールは、人工知能の音声発話モジュールを利用する。問題文などのテキストデータを音声発話モジュールによって音声データに変換し、サーバ200から受講者側端末装置120に送信し、受講者側端末装置120のスピーカ(図示せず)から音声を出力する。この音声をスピーカから出力することでリスニングの問題などにすることができる。この
<英和翻訳ツール>
英和翻訳ツールは、人工知能の英和翻訳モジュールを利用する。本実施の形態では、英和翻訳は、受講者が作成した英文を他人が正しい意味合いで捉えるか否かを、受講者自らが判断するために、人工知能による翻訳を受講者に提示する。
受講者側端末装置120で入力された英文の解答(テキストデータ、画像データ(前述した文字認識モジュールでテキストデータに変換)、音声データ(前述した音声認識モジュールでテキストデータに変換))をサーバ200で受信し、英和翻訳モジュールによって英文を日本文に翻訳して、翻訳した日本文を受講者側端末装置120に送信して、ディスプレイに表示する。受講者は、英和翻訳モジュールで翻訳された日本語によって、自分で入力した英文の内容や意味を確認することができる。
<文法チェックツール>
文法チェックツールは、人工知能の意味近似度モジュールを利用する。
意味近似度モジュールは、テキストの内容が意図する背景を解釈して、関連の度合いを信頼のレベルを付して分類する機能を有する。受講者側端末装置120で入力され、テキストデータの解答又はテキストデータに変換された解答のスペリングや文法を意味近似度モジュールによって判断する。特に、問題文に対する解答として意味が適切であるか否かを意味近似度モジュールによって判断する。意味近似度モジュールを用いることで統計的に言語として適切な表現を正答と扱うことができる。前述したように、複数の模範解答文を意味近似度モジュールで利用することによって、問題文の状況や背景を考慮し、意味が適切な解答を正答として扱うことができる。
<<<処理の概略>>>
図2は、本実施の形態における処理の概略を示すフローチャートである。前述したように、教材オーサリングシステム10は、教材作成側端末装置110、受講者側端末装置120及びサーバ200からなる。
<教材作成側端末装置110の処理>
教材作製者は、教材作成側端末装置110でオーサリングツールを使って、問題文、模範解答、ヒントを作成する(ステップDS110)。作成された問題文、模範解答、ヒントは、教材作成側端末装置110からサーバ200に送信される。
<サーバ200の処理>
サーバ200は、教材作成側端末装置110から送信された問題文、模範解答、ヒントを保存する(SS110)。
サーバ200は、受講者側端末装置120からのリクエストに応じて、問題文を受講者側端末装置120に送信する。
<受講者側端末装置120の処理>
受講者側端末装置120は、サーバ200から送信された問題文をディスプレイ(図示せず)に表示したりスピーカ(図示せず)から出力したりして、受講者に問題を提示する(ステップTS110)。
受講者側端末装置120は、受講者の操作によって解答が入力される(ステップTS120)。受講者の操作によって入力される解答には、テキストデータのほか、解答用紙を撮影した画像データや、マイクロホンなどから入力された音声信号(音声データ)などがある。
<サーバ200の処理>
サーバ200は、受講者側端末装置120から送信された解答(テキストデータ、画像データ、音声データ)を受信する。
サーバ200は、受講者側端末装置120から受信した解答が画像データである場合には、前述した人工知能の文字認識モジュールを用いてテキストデータ化し、受講者側端末装置120から受信した解答が音声データである場合には、前述した人工知能の音声認識モジュールを用いてテキストデータ化する(ステップSS120)。このステップSS120により、受講者側端末装置120から受信した解答を全てテキストデータ化することができ、サーバ200は、テキストデータによって採点したり評価したりすることができる。
サーバ200は、テキストデータによって発音、文法、意味を評価する(ステップSS130)。発音は、テキストデータに含まれている単語が、適切な単語であるか否かを判断することで評価することができる。文法は、人工知能を用いて、テキストデータが適切な文法に従って構成されているか否かを判断することで評価することができる。意味は、人工知能を用いて、予め保存されている複数の模範解答と比較をすることで評価することができる。
サーバ200は、評価結果を作成する(ステップSS140)。これにより、サーバ200は、評価結果に応じて、受講者側端末装置120にヒントを送信したり講評を送信したりすることができる。また、サーバ200は、評価結果に応じて、次に出題する問題を決定することができる。
サーバ200は、評価結果を蓄積し(ステップSS150)、蓄積した評価結果を解析し(ステップSS160)、問題を見直すための問題見直情報を生成する(ステップSS170)。サーバ200は、生成した問題見直情報を教材作成側端末装置110に送信する。
<教材作成側端末装置110>
教材作成側端末装置110は、問題見直情報によって、問題を修正したり追加したり削除したり、ヒントを修正したり追加したり削除したり、模範解答を修正したり追加したり削除したりすることで、問題、模範解答、ヒントを更新する(ステップDS120)。例えば、正答率の低い問題や高い問題、誤答の傾向が偏っている問題など、正答及び誤答の偏りや分布などから、問題そのものを見直したり、模範解答を見直したり、ヒントを見直したりすることで、受講者の学力や興味に合わせたシステムに更新していくことができる。
図2に示した処理は、教材オーサリングシステム10の処理の概略であり、以下で詳細を説明する。
<<教材作成側端末装置110における処理>>
図3は、教材作成側端末装置110における処理を示すサブルーチンを示すフローチャートである。この処理は、前述した図2のステップDS110の処理を詳細に示す。
最初に、教材作成側端末装置110のCPUは、問題文を新規に作成するか否かを判断する(ステップDS311)。
教材作成側端末装置110のCPUは、ステップDS311の判断処理で問題文を新規に作成すると判別した場合には(YES)、問題ファイルを初期化する(ステップDS313)。このようにすることで、問題ファイルを新規に作成することができる。
教材作成側端末装置110のCPUは、ステップDS311の判断処理で問題文を新規に作成しないと判別した場合には(YES)、既に作成している問題ファイルを読み出す(ステップDS315)。このようにすることで、途中まで作成している問題ファイルを使って残りを作成したり、既に作成している問題ファイルを修正したりすることができる。
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、教材作成側端末装置110のディスプレイ(図示せず)に問題作成画面を表示する(ステップDS317)。この処理により、図8に示すオーサリング画面が教材作成側端末装置110のディスプレイに表示される。
図8に示すように、オーサリング画面では、11種類の基本素材ツールを選択することで複数の小問を所望する順番で配置して、教材作成者が所望するスクリプトやシナリオに沿った問題文を作成することができる。
教材作成側端末装置110のCPUは、問題作成者の操作によって、テキスト表示ツールと、画像表示ツールと、テキスト入力ツールと、手書入力ツールと、文字認識ツールと、音声認識ツールと、音声信号変換ツールと、英和翻訳ツールと、文法チェックツールと、模範解答入力ツールとが、適宜に選択され、オーサリング画面のレイアウト領域に配置されて、問題文が作成される(ステップDS319)(図9(a)又は図10(b)参照)。
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、作成された問題文の動作を確認するか否かを判断する(ステップDS321)。
教材作成側端末装置110のCPUは、ステップDS321の判断処理で、問題文の動作を確認すると判別した場合には(YES)、問題文を動作させる(ステップDS323)。例えば、問題文の基本素材ツールに関連付けられている文字認識モジュールや音声認識モジュールや音声発話モジュールや英和翻訳モジュールが動作するか否かを確認することができる。
教材作成側端末装置110のCPUは、ステップDS323の処理を実行した後、又は
ステップDS321の判断処理で、問題文の動作を確認しないと判別した場合には(NO)、問題作成を終了するか否かを判断する(ステップDS325)。教材作成側端末装置110のCPUは、ステップDS325の判断処理で、問題作成を終了しないと判別したときには(NO)、ステップDS325に処理を戻す。
教材作成側端末装置110のCPUは、ステップDS325の判断処理で、問題作成を終了すると判別したときには(YES)、作成した問題ファイルをサーバ200に保存し(ステップDS327)、本サブルーチンを終了する。
この教材作成側端末装置110における処理によって、11種類の基本素材ツールを適宜に選択することで、問題作成者が所望するスクリプトやシナリオに沿った問題文を容易に作成することができる。
<<<出題及び解答処理>>>
<<問題文の出題処理>>
図4~図7は、サーバ200と受講者側端末装置120との間で実行される問題文の出題処理を示すフローチャートである。
<サーバ200の処理>
最初に、サーバ200のCPUは、受講者側端末装置120から送信された問題表示要求を受信したことを契機に、サーバ200に保存されている問題の一覧を読み出す(SS411)。サーバ200のCPUは、読み出した問題の一覧を受講者側端末装置120に送信する。
<受講者側端末装置120>
受講者側端末装置120のCPUは、サーバ200から送信された問題の一覧を受信してディスプレイに表示する(TS411)。受講者は、表示された問題の一覧から所望する問題を選択する(TS413)。受講者によって選択された問題の問題表示要求が、サーバ200に送信される。
<サーバ200の処理>
サーバ200は、受講者側端末装置120から送信された問題に対応する問題文を読み出し(ステップSS413)、問題文を受講者側端末装置120に送信する。
<受講者側端末装置120>
受講者側端末装置120のCPUは、サーバ200から送信された問題文を受信してディスプレイに表示する(TS415)。例えば、図9(a)に示す例では、"There are many kind of radio programs. People often enjoy listening to sports or their favorite songs. People can learn English and other languages from the radio, so it is very useful."及び"(1) Please look at the passage. What can people learn from the radio?"のような問題文が表示される。また、図10(b)に示す例では、"When do you feel happy?"のような問題文が表示される。
<サーバ200の処理>
受講者が、送信された問題文の音声化を要求した場合には、サーバ200は、人工知能の音声発話モジュールを用いて問題文のテキストデータから音声データを生成し(ステップSS415)、受講者側端末装置120に送信する。
<受講者側端末装置120>
受講者側端末装置120のCPUは、サーバ200から送信された音声データを受信してスピーカから出力する(ステップTS417)。
<サーバ200の処理>
また、受講者が、送信された問題文のヒントを要求した場合には、サーバ200は、保存されているヒントを読み出し(ステップSS417)、受講者側端末装置120に送信する。
<受講者側端末装置120>
受講者側端末装置120のCPUは、サーバ200から送信されたヒントを受信し、ディスプレイに表示する(ステップTS419)。
<<受講者による解答>>
<受講者側端末装置120>
受講者側端末装置120のCPUは、受講者の操作によって解答が入力されたときには(ステップTS511)、入力された解答データがサーバ200に送信される。解答がテキストである場合には、テキストデータがサーバ200に送信される。また、解答がマイクロホンによって入力された場合に、音声データがサーバ200に送信される。さらに、解答が用紙に記入された場合には、カメラやカメラ付携帯電話などで用紙が撮影された画像データがサーバ200に送信される。
図9(b)に示す例では、図9(a)の問題に対して、Answerの欄に、"They can learn English and another language."と解答する例である。キーボードを操作して解答を入力しても、マイクロホンから解答を入力しても、用紙に解答を記入してもよい。また、図11(a)に示す例は、受講者が、用紙に解答を記入して用紙を撮影した画像と、文字認識の結果を示す。
<サーバ200の処理>
サーバ200のCPUは、受講者側端末装置120から送信された解答を受信し、受講者側端末装置120から送信された解答が音声データである場合には、音声認識モジュールによってテキストデータ化し、また、受講者側端末装置120から送信された解答が画像データである場合には、文字認識モジュールによってテキストデータに変換する(ステップSS511)。サーバ200のCPUは、音声認識モジュールや文字認識モジュールによってテキストデータに変換された場合には、変換されたテキストデータを受講者側端末装置120に送信する。
<受講者側端末装置120>
受講者側端末装置120のCPUは、サーバ200から送信されたテキストデータをディスプレイに表示し(ステップTS513)、ディスプレイに表示されたテキストは受講者によって確認される(ステップTS515)。
<音声データの場合>
解答をマイクロホンに入力した場合に、テキストデータをディスプレイに表示することで、受講者は、テキストを確認することができ、自分の発音が適切であってか否かを判断することができる。ディスプレイに表示されるテキストは、人工知能の音声認識モジュールによって変換されたものであり、受講者が所望する内容のテキストがディスプレイに表示されたときには、自分の発音が適切であったことを知得し、受講者が所望する内容とは異なるテキストがディスプレイに表示されたときには、自分の発音が不適切であったことを知得することができる。
さらに、受講者が所望する内容とは異なるテキストがディスプレイに表示された場合に、受講者は、受講者側端末装置120のキーボードを操作することで、受講者が所望するテキストに修正することができる。修正されたテキストは、改めてサーバ200に送信される。すなわち、受講者の発音が適切でないために、受講者が所望するものとは異なるテキストに変化される場合も想定される。このような場合に、受講者に何回も発声させて入力させ直すこともできるが、内容は正しく理解できているにも拘わらず、発音が不適切であるために先に進むことができず、受講者のやる気を削ぐ可能性もあり得る。受講者の発音が適切でない場合であっても、キーボードからテキストを修正することができるので、再度、発話する手間を省き、次の問題に進めることができ、受講者の意欲を維持することができる。
さらにまた、人工知能の音声認識モジュールでテキストデータに変換するため、人工知能の曖昧さによって類似した単語を検索して結果を出力する場合もある。このような場合にも、受講者に何回も発声させて入力させ直すこともできるが、内容は正しく理解できているにも拘わらず、人工知能の曖昧さによって先に進むことができないため、受講者のやる気を削ぐ可能性もあり得る。人工知能の曖昧さが生ずるような場合があっても、キーボードからテキストを入力することで所望する内容に修正できるので、再度、発話する手間を省き、次の問題に進めることができ、受講者の意欲を維持することができる。
なお、受講者の発音が適切でない場合には、その受講者の苦手な単語などを集計して、受講者のための単語帳データを作成し、改めて、発音のトレーニングなどに利用することができる。また、発音の苦手な単語の傾向を検出して、発音に特化した問題を生成することもできる。
<画像データの場合>
解答を用紙に入力した場合にも、テキストデータをディスプレイに表示することで、受講者は、テキストを確認することができ、自分が記入した英単語のスペリングが適切であってか否かを判断することができる。ディスプレイに表示されるテキストは、人工知能の文字認識モジュールで変換されたものであり、受講者が所望する内容のテキストがディスプレイに表示されたときには、自分のスペリングが適切であったことを知得し、受講者が所望する内容とは異なるテキストがディスプレイに表示されたときには、自分のスペリングが不適切であったことを知得することができる。
さらに、受講者が所望する内容とは異なるテキストがディスプレイに表示された場合に、受講者は、受講者側端末装置120のキーボードを操作することで、受講者が所望するテキストに修正することができる。修正されたテキストは、改めてサーバ200に送信される。すなわち、受講者のスペリングが適切でないために、受講者が所望するものとは異なるテキストに変化される場合も想定される。このような場合に、受講者に何回も書き直させることもできるが、内容は正しく理解できているにも拘わらず、スペリングが不適切であるために先に進むことができず、受講者のやる気を削ぐ可能性もあり得る。受講者のスペリングが適切でない場合であっても、キーボードからテキストを修正することができるので、再度、書き直す手間を省き、次の問題に進めることができ、受講者の意欲を維持することができる。
さらにまた、人工知能の文字認識モジュールでテキストデータに変換するため、人工知能の曖昧さによって類似した単語を検索して結果を出力する場合もある。このような場合にも、受講者に何回も書き直させることもできるが、内容は正しく理解できているにも拘わらず、人工知能の曖昧さによって先に進むことができないため、受講者のやる気を削ぐ可能性もあり得る。人工知能の曖昧さが生ずるような場合があっても、キーボードからテキストを入力することで所望する内容に修正できるので、再度、書き直す手間を省き、次の問題に進めることができ、受講者の意欲を維持することができる。
なお、受講者のスペリングが適切でない場合には、その受講者の苦手な単語などを集計して、受講者のための単語帳データを作成し、改めて、スペリングのトレーニングなどに利用することができる。また、スペリングの苦手な単語の傾向を検出して、スペリングに特化した問題を生成することもできる。
<テキストデータの信頼度と修正>
人工知能の音声認識モジュールや文字認識モジュールでテキストデータに変換する際に、人工知能は、変換したテキストデータだけでなく処理結果の信頼度も出力する。したがって、変換したテキストデータとともに、そのテキストデータの信頼度の高低も受講者側端末装置120のディスプレイに表示することにより、修正すべき箇所を受講者に容易に視認させることができる。信頼度は、単語ごと、句ごと、節ごと、文ごとなどで出力され、信頼度に応じて、異なる態様、例えば、異なる色で信頼度を表示することで、変換されてテキストデータの信頼度を容易に視認させることができる。受講者は、信頼度の表示によって、自己の発音やスペリングについて意識的に確認することができる。例えば、受講者は、信頼度の低い箇所から重点的に確認し、必要があれば修正することができ、受講者の苦手な発音やスペリングなどを自覚させることができる。
また、受講者の熟練度やレベルに応じて信頼度の表示の有無を決めてもよい。上級者に対しては、信頼度を表示せず、初心者に対しては、信頼度を表示するようにすることで、受講者の熟練度やレベルに応じて効率よく学習することができる。受講者のこれまでの解答の結果や内容に応じて受講者のレベルを判定し、信頼度の表示の有無を決定することができる。
<<解答の評価>>
図11(b)に示すように、受講者が解答した後、回答の評価を見ることができる。図11(b)に示す例では、「スペルチェックを見る」、「文法チェックを見る」、「日本語訳を見る」、「解答例を見る」がある。
<スペリングの添削>
サーバ200のCPUは、受講者側端末装置120からスペリング添削要求が送信された場合には、テキストデータのスペリングを添削する(ステップSS611)。スペリングの添削にも、前述した意味近似度モジュールを用いる。解答された英文の意味が正しく、かつ、単語のスペリングが正しいものを正答として扱うことができる。意味近似度モジュールは、予め登録されている複数の模範解答文と比較して、意味として近似している解答を正答として扱うことができる。サーバ200のCPUは、添削結果を受講者側端末装置120に送信する。
受講者側端末装置120は、サーバ200から送信された添削結果をディスプレイに表示する(TS611)。例えば、図11(b)の画面で「スペルチェックを見る」を選択すると、図12(a)のようなスペルチェックの画面が表示される。
<文法の添削>
サーバ200のCPUは、受講者側端末装置120から文法添削要求が送信された場合には、テキストデータの文法を添削する(ステップSS613)。文法の添削にも、前述した意味近似度モジュールを用いる。本実施の形態では、文法の添削は、受講者が作成した英文の文法を人工知能によってチェックし、その結果を受講者が見ることで自己の英文を見直すことができるようにするための機能である。解答された英文の意味が正しく、かつ、文法も正しいものを正答として扱うことができる。このサーバ200のCPUは、添削結果を受講者側端末装置120に送信する。
受講者側端末装置120は、サーバ200から送信された添削結果をディスプレイに表示する(TS613)。例えば、図11(b)の画面で「文法チェックを見る」を選択すると、図12(a)のような文法チェックを見るための画面が表示される。
<意味の添削>
サーバ200のCPUは、受講者側端末装置120から意味添削要求が送信された場合には、テキストデータの意味を添削する(ステップSS615)。意味の添削には、前述した意味近似度モジュールを用いる。意味近似度モジュールは、予め登録されている複数の模範解答文と比較して、出題された問題文に対して意味として近似する解答を正答として扱う。本実施の形態では、意味の添削は、受講者が作成した英文を、予め登録されている複数の模範解答文の各々と意味の近似度を人工知能によって判定し、いずれか一つの模範解答文とでも意味の近似度が近い場合には加点することで、受講やトレーニングのモチベーションの継続を目的とした機能である。サーバ200のCPUは、添削結果を受講者側端末装置120に送信する。
受講者側端末装置120は、サーバ200から送信された添削結果をディスプレイに表示する(TS615)。
従来の出題では、記述式の問題にした場合には解答内容が多岐にわたり採点が煩雑にならざるを得ず、採点を容易にするために、選択式や穴埋め式の問題を出題せざるを得なかった。当然に、画一的な解答を要求する選択式や穴埋め式の問題よりも、記述式の問題によって受講者を判断することが好ましく、記述式の問題の採点や評価のために、曖昧さを有する人工知能を用いることも想定される。
しかしながら、人工知能を用いて採点や評価をする場合に、人工知能の曖昧さによって、採点や評価が不適切になる可能性も生ずる。例えば、解答の内容の判断そのものは適切であっても、解答の表現などの判断が不適切になる場合が想定される。具体的には、小学生を対象にした問題を採点するような場合に、小学生が読めない漢字を多用したり小学生には理解が困難な言い回しを使ったりしたものを判断の基準にする可能性が生ずる。また、中学生の英語の問題を採点するような場合に、社会人が使用するような単語や言い回しを使ったものを判断の基準にする可能性が生ずる。このようなことを防止するために、ある程度、判断の基準を限定する必要がある。本実施の形態では、複数の模範解答文を判断の基準として予め用意し、複数の模範解答文との近似度を算出し、近似度によって正答であるか否かを判断するようにした。
<日本文翻訳>
サーバ200のCPUは、受講者側端末装置120から日本文翻訳要求が送信された場合には、テキストデータの英文を日本文に翻訳する(ステップSS617)。サーバ200のCPUは、翻訳結果を受講者側端末装置120に送信する。
受講者側端末装置120は、サーバ200から送信された翻訳結果をディスプレイに表示する(TS617)。例えば、図11(b)の画面で「日本語訳を見る」を選択すると、図12(a)のような日本語訳の画面が表示される。
<<その他の処理>>
<読み上げ要求>
サーバ200のCPUは、受講者側端末装置120から読み上げ要求が送信された場合には、人工知能の音声発話モジュールを用いてテキストデータを音声データに変換する(ステップSS711)。サーバ200のCPUは、音声データを受講者側端末装置120に送信する。
受講者側端末装置120は、サーバ200から送信された音声データをスピーカから出力する(TS711)。
<模範解答要求>
サーバ200のCPUは、受講者側端末装置120から模範解答要求が送信された場合には、模範解答を読み出す(ステップSS713)。サーバ200のCPUは、模範解答を受講者側端末装置120に送信する。
受講者側端末装置120は、サーバ200から送信された模範解答をディスプレイに表示する(TS713)。
<次問題要求>
サーバ200のCPUは、受講者側端末装置120から次問題要求が送信された場合には、今回の問題の添削結果を保存する(ステップSS715)。
<ログアウト処理>
サーバ200のCPUは、受講者側端末装置120から終了要求が送信された場合には、ログアウトし、受講者側端末装置120との通信を終了する。
<<<具体例1>>>
図9(a)及び図9(b)は、具体例1を示す図である。図9(a)及び図9(b)は、受講者側端末装置120のディスプレイに表示される。
まず、図9(a)は、英文"There are many kind of radio programs. People often enjoy listening to sports or their favorite songs. People can learn English and other languages from the radio, so it is very useful."と、小問(1)として、"(1) Please look at the passage. What can people learn from the radio?"という文章が表示される。
この2つの文の各々に対して音声再生マークと、ボリューム調整マークとが表示されており、人工知能の音声発話モジュールを用いて、この2つの英文を受講者側端末装置120のスピーカから出力させることができ、受講者は、英文を読むだけでなく、英文を聞くこともできる。
図9(b)に示すように、受講者は、図9(a)の問題を読んだり聞いたりした後、"Answer:"の欄に解答を入力する。図9(b)に示す例では、受講者は、"They can learn English and another language."と解答している。
解答は、受講者がキーボードを操作してから入力することも、受講者が発話してマイクロホンから入力することもできる。キーボードから入力する場合には、解答欄に直接文字を入力することで解答することができる。また、マイクロホンから入力する場合には、ディスプレイに表示されている「開始」ボタン(「開始」ボタンを示す画像)を操作することで、マイクロホンからの入力ができる状態になる。受講者は、マイクロホンに向かって発話することで解答を入力することができる。ディスプレイに表示されている「停止」ボタン(「停止」ボタンを示す画像)を操作することで、マイクロホンからの入力を終了することができる。マイクロホンからの入力を終了すると、マイクロホンから入力された音声データを、人工知能の音声認識モジュールを用いてテキストデータに変換し、"Answer:"の欄に変換されたテキストデータが表示される。変換されたテキストデータが、受講者の所望するものでない場合には、キーボードを操作することで修正することができる。
受講者は、解答した後、「判定」ボタン(「判定」ボタンを示す画像)を操作することで、受講者の解答が判定される。最も適切な解答であると判定された場合には、3つの星印(を示す画像)の全てが明るい態様で表示される。次いで、適切な解答であると判定された場合には、2つの星印(を示す画像)が明るい態様で表示される。ある程度適切な解答であると判定された場合には、1つの星印(を示す画像)が明るい態様で表示される。不適切な解答であると判定された場合には、全ての星印(を示す画像)は明るい態様では表示されない。
例えば、模範解答文の一つが、"They can learn English and other languages."であるときに、受講者の解答が、"People can learn English and other languages from the radio."であった場合には、意味と構造とがともに80%の近似度を有するため、3つの星印の全てが明るい態様で表示される。一方、受講者の解答が、"We can do it."、"I can do it."、"They can do it,"、"He can do this."、"Me can do it."などの短文であった場合には、類似度は100%とはなるが、評価としては高くすることは不適切である。信頼度は、データ量(文の長さなど)に依存するので、解答された文の長さで判断を切り替えるのが好ましい。
<<<具体例2>>>
図10(a)及び図10(b)、図11(a)及び図11(b)、図12(a)及び図12(b)、図13は、具体例2を示す図である。これらは、受講者側端末装置120のディスプレイに表示される。
まず、図10(a)に示すように、「あなたは、外国人の友達から以下のQUESTIONをされました。QUESTIONについて、あなたの考えとその理由を2つ英文で書きなさい。語数の目安は25語~35語です。解答がQUESTIONに対応していないと判断された場合は、0点と採点されることがあります。QUESTIONをよく読んでから答えて下さい。」という解答に関する注意が表示される。
次に、図10(b)に示すように、"Question"というタイトルと、"When do you feel happy?"という問題文が表示される。
受講者は、この問題文に対して、解答を手書きで解答用紙に英語で記述し、携帯電話などのカメラを用いて撮影して、撮影した解答用紙の画像データをサーバに送信する。
次に、図11(a)に示すように、"ANSWER"というタイトルと、撮影した解答用紙の画像データとが、左側に表示される。さらに、解答用紙の画像データは、人工知能の文字認識モジュールによってテキストデータに変換され、「読み込み結果」というタイトルと、テキストデータに変換された解答とが、右側に表示される。図11(a)に示す例では、"I feel happy when I play application games on a smartphone. Bacause this is the way to release stres, and also, I can get a sense of achevement for complete missions."と、テキストデータに変換された解答が表示される。このテキストデータに変換された解答が、受講者が所望したものでない場合には、受講者は、再度、解答用紙を撮影し直したり、キーボードを操作して修正したりすることができる。
テキストデータに変換された解答が、受講者が所望したもので場合には、図11(b)に示す画面が表示される。図11(b)に示すように、上部には、「あなたの解答」というタイトルと、"I feel happy when I play application games on a smartphone. Bacause this is the way to release stres, and also, I can get a sense of achevement for complete missions."というテキストデータに変換された解答が、改めて表示される。下部には、「スペルチェックを見る」、「文法チェックを見る」、「日本語訳を見る」、
「解答例を見る」の4つの指示ボタン(の画像)が表示される。
受講者が、「スペルチェックを見る」という指示ボタンを操作した場合には、図12(a)に示す画像が表示される。「スペルチェック」というタイトルと、人工知能の意味近似度モジュールによってスペリングチェックされた結果とが表示される。スペリングチェックされた結果、"I feel happy when I play application games on a smartphone. Bacause this is the way to release stres, and also, I can get a sense of achevement for complete missions."のように、間違えた単語がわかるように表示される。この例では、間違えた単語を下線で示したが、文字の色を変えたり、文字種を変えたりして、受講者が視認しやすい表示をすることができる。
受講者が、「文法チェックを見る」という指示ボタンを操作した場合には、図12(b)に示す画像が表示される。「文法チェック」というタイトルと、人工知能の意味近似度モジュールによって文法チェックされた結果とが表示される。図12(b)に示す例では、"points in your wrong answer"の欄に、"smartphone"は、"smart phone"であり、"and also"は、"and"であることが指摘される。
受講者が、「日本語訳を見る」という指示ボタンを操作した場合には、図12(b)に示す画像が表示される。「日本語訳」というタイトルと、人工知能の英和翻訳モジュールによって日本語に翻訳された「私はスマートフォンでアプリケーションゲームをすると満足しています。これがストレスを解放する方法なので、私は完全なミッションの達成感を得ることができます。」という日本語が表示される。
<<<<本実施の形態の詳細>>>>
上述したように、本発明は、本実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記載及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきでない。このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことはもちろんである。
10 教材オーサリングシステム
110 教材作成側端末装置
120 受講者側端末装置
200 サーバ

Claims (3)

  1. 語学の問題と当該問題に対する模範解答が教材作成者によって作成され、前記語学の問題に対する解答を、コンピュータプログラムの実行によって人工知能を機能させて評価する教材オーサリングシステムであって、
    出題された問題に対して受講者が音声により解答した内容を人工知能の音声認識機能によってテキストデータに変換するテキスト変換部と、
    前記テキスト変換部によって変換されたテキストデータを受講者によって修正可能なテキスト修正部と、
    問題に対する模範解答を少なくとも1つ記憶する模範解答記憶部と、
    受講者の解答の意味が、前記模範解答の意味と近似する近似の度合いを人工知能の機能によって判断する意味近似度判断部と、を備え、
    前記意味近似度判断部が、受講者の解答について複数種類の解答を正答とし得るよう、受講者の解答の少なくとも背景を解釈して、前記模範解答の意味との近似の度合いを判断する教材オーサリングシステム。
  2. 受講者が操作可能な操作部を、更に備え、
    前記テキスト修正部は、受講者による前記操作部の操作に応じて、前記テキスト変換部によって変換されたテキストデータを修正する、請求項1に記載の教材オーサリングシステム。
  3. 前記意味近似度判断部は、少なくとも1つの模範解答によって受講者の解答を解析することで、模範解答と受講者の解答との近似の度合いを判断する、請求項1又は2に記載の教材オーサリングシステム。
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