JP7067741B2 - 血流音センサ - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 第28回日本間脳下垂体腫瘍学会 併設医療機器展示会
特許法第30条第2項適用 第3回 医療ITソリューション展 大阪
本発明は、主に血液が流れる際に生じる血流音の収集に用いて好適な血流音センサに関する。
従来より、腎不全患者など透析を必要とする患者の前腕部に、動脈と静脈を吻合させたシャントを設けることが行われている。この様にシャントを設けると、透析器へ循環させる血流量を安定的に保つことできて透析効率を高めることができる。一方、このシャントが設けられた患者(以降において「透析患者」とも記載する。)の血管には、狭窄などが発生することが知られており、その様な血管の異常を検出するために、医師が聴診器を用いて、透析患者の血管を流れる血液の音(以降において「血流音」とも記載する。)を聴診する検査が行われている。血管に狭窄等が発生していた場合には、拍動が途切れたり、高周波成分が混在したりするなど、異常な血流音(以降において「異常音」とも記載する。)が観察されるため、侵襲的な検査を行うことなく、狭窄等の有無を診断することができる。
しかしながら、この様な聴診を行うためには、聴診器を透析患者の前腕部の適切な場所に配置しなければならず、更には聴診器から聞こえる血流音から異常音を判別するためには多くの経験を要する。このため、その様な検査によって適切な診断を行うのは熟練医師でないと難しいという問題があった。
この様な問題を解決するために、シート状の支持体に複数のマイクロフォンをマトリクス状に配置した採音センサ装置を用いた検査システムが知られている。この検査システムは、被検者の前腕部に装着される採音センサ装置と、採音センサ装置が収集した血流音に関する情報の解析処理を行う処理装置から主に構成されている。採音センサ装置は、患者の前腕部に装着され、前腕部を流れる血流音を収集する。そして処理装置が、採音センサ装置が収集した血流音に関する信号を解析処理し、血管の狭窄の有無等の分析を行う(特許文献1参照。)。
この検査システムの採音センサ装置は、複数のマイクロフォンが所定の間隔でマトリクス状に配置されている。このため、いずれかのマイクロフォンが検査に必要な血流音を収集することができるため、採音センサ装置の装着位置を厳密に調節する必要がない。また、異なる場所の複数の血流音を同時に収集できるため、処理装置が収集した複数の血流音を解析することで、血流に関する様々な解析処理を行うことができる。
特開2016-209623号公報
一方、上述の特許文献1に記載された技術では、シート状の支持体に多数のマイクロフォンを配置しているため、採音センサ装置の構成が複雑になってしまうという問題がある。また同時に多数の血流音に関する情報が入力されることになるため、処理装置は複雑な処理を行わなければならず、結果としてシステム全体が複雑で高額なものになってしまうという問題があった。
また、多数のマイクロフォンをマトリクス状に配置していれば、例えば異常音を収集したマイクロフォンの配置位置から、狭窄などの異常箇所を特定することも期待できるものの、被検者の前腕部から採音センサ装置を取り外してしまうと、異常音を収集したマイクロフォンに対応する前腕部の箇所が分からなくなってしまう。このため、例え処理装置による解析処理によって異常音の原因となった血管の異常箇所の位置関係が分かったとしても、当該異常箇所が実際に被検者の前腕部のどの位置にあるのかを知ることが難しいという問題もあった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、簡易な構成で正確な血流音の収集が可能な血流音センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の血流音センサによれば、被検者の上肢に装着して血流音を収集する血流音センサであって、前記上肢が延びる方向に所定の間隔で配置される複数の板状の集音センサと、前記上肢に巻きつけられて前記集音センサを前記上肢の所定の箇所に固定する帯状部を備え、前記集音センサは、一方の方向に向かって延びており、前記一方の方向の寸法は、前記一方の方向と交わる方向の寸法よりも長いことを特徴とする。
上記発明においては、前記集音センサは、前記一方の方向が、前記帯状部が延びる方向と同じ方向となる様に配置されていることを特徴とすることが好ましい。
上記発明においては、前記集音センサの前記一方の方向の寸法は、前記所定の箇所における前記上肢の外周の略半分の長さであることを特徴とすることが好ましい。
上記発明においては、前記集音センサは、検出した前記血流音を電気信号として出力する圧電素子部と、前記圧電素子部の周囲を覆い外部からの電磁波ノイズを遮蔽するシールド層と、前記電磁シールド層の前記上肢に向かう面を覆う柔軟性を有したクッション層と、前記電磁シールド層の前記上肢に向かう面とは反対側の面を覆い外部からの音を吸音する吸音部と、からなることを特徴とする。
上記発明においては、前記集音センサは、前記上肢の体幹に近い側に配置される第1の集音センサと、前記第1の集音センサよりも前記上肢の先側に配置される第2の集音センサを少なくとも備え、前記第1の集音センサと前記第2の集音センサは第1の所定距離の間隔で配置されていることを特徴とすることが好ましい。
上記発明においては、前記集音センサは、前記第2の集音センサよりも前記上肢の先側に第2の所定距離だけ離れた位置に配置される第3の集音センサを更に備えることを特徴とすることが好ましい。
上記発明においては、前記集音センサは、前記第3の集音センサよりも前記上肢の先側に第3の所定距離だけ離れた位置に配置される第4の集音センサを更に備えることを特徴とすることが好ましい。
本発明の血流音センサによれば、被検者への装着が容易で、正確な血流音の収集が可能な、血流音センサを提供することができるという効果を奏する。
本発明による血流音センサの一実施形態を示す表面図である。 本発明による血流音センサの一実施形態を示す側面図である。 本発明による血流音センサの一実施形態を示す裏面図である。 本発明による血流音センサを被検者に装着する様子を示す図である。 本発明による血流音センサを被検者に装着した状態を示す図である。 本発明による血流音センサの装着状態における断面図である。 本発明による血流音センサの集音センサの構成を説明する図である。
この発明の一実施形態に係る血流音センサ1について、図1から図7を参照しながら説明する。本実施形態に係る血流音センサ1は、被検者の上肢の血流音を収集するものである。本実施形態では、本発明に係る血流音センサ1が、透析患者の前腕部に装着され、狭窄や閉塞などの血管の異常の有無を確認するための検査に用いられる例に適用して以降の説明を行う。なお以降において前後、左右、上下、表裏の方向は特に断りの無い限り、図中に示した方向とする。
<構成の説明>
本実施形態に係る血流音センサ1は、被検者の前腕部に巻きつけられる帯状部2と、血流音を収集する集音センサ3A~3Dと、巻きつけた帯状部2を固定する面ファスナー5、及び面ファスナー6から主に構成されている(図1参照。)。
帯状部2は、略長方形(矩形)の形状をした帯状の部分で、公知の布材からできている。なお帯状部2を構成する素材は、前腕部に巻きつけ易く、装着した際に被検者が違和感を覚えない素材であれば、他の公知の素材が用いられてもよい。
帯状部2の前後方向、即ち被検者の前腕部の肘から指先に向かう方向(以降において「上肢が延びる方向」とも記載する。)の寸法は、被検者の前腕部の掌側の面(以降において「前前腕部」とも記載する。)の上肢が延びる方向の長さと略同一となっている。また、帯状部2の左右方向、即ち上肢が延びる方向と交わる方向の寸法は、被検者の前腕部の周囲の長さよりも若干長く、帯状部2を被検者の前腕部に巻きつけた際にその前腕部の周囲を覆い、面ファスナーによって固定することができる程度の長さを有している。即ち帯状部2は、前腕部に巻きつけると、被検者の前腕部の全体をほぼ覆うことができる程度の大きさを有している。
血流音センサ1を被検者に装着する際に、被検者の前腕部の側を向く帯状部2の表側の面の左側の領域には、集音センサ3A~3Dが設けられている。この集音センサ3A~3Dは、血流音センサ1が前腕部に装着された際に、被検者の前前腕部の所定の箇所にそれぞれ配置され、配置された部分における血流音に関する情報を収集する電子デバイスである。集音センサ3A~3Dは、収集した血流音に関する情報を電気信号として出力する。以降において、この集音センサ3A~3Dを総称して「集音センサ3」とも記載する。
集音センサ3は、一方の方向に延びた長細い板状形状をしている。即ち集音センサ3の左右方向の寸法は、その前後方向の寸法よりも長くなっている。本実施形態では、集音センサ3が、左右方向に長い長方形の板状形状をしている例に適用して以降の説明を行う。なお集音センサ3は、左右方向に長い形状で有れば、例えば楕円形状などの他の細長い形状をしたものであってもよい。また、本実施形態では、集音センサ3A~3Dがそれぞれ同一の大きさをしている例に適用して説明を行うが、血流音の収集に適した大きさであれば、それぞれが異なる大きさをしていたり、あるは異なる形状をしていたりしても構わない。
集音センサ3は、その長手方向が帯状部2の長手方向(帯状部2が延びる方向)と同じ方向となる向きで帯状部2に固定されている。また、集音センサ3の長手方向の寸法は、血流音センサ1が装着される位置における被検者の前腕部の外周の長さの略半分の長さと同一の寸法となっている。即ち集音センサ3の長手方向の寸法は、帯状部2が被検者に巻きつけられて装着された際に、被検者の前前腕部の所定の領域を、前腕部の周方向に沿って覆う程度の長さを有している。換言すれば、集音センサ3の長手方向の寸法は、被検者の前前腕部とその反対側の前腕部の面である前腕部の手の甲側の面(以降において「後前腕部」とも記載する。)との一方の境から、他方の境に至る前前腕部の周方向の長さと略同一の長さを有している。あるいは、集音センサ3の長手方向の寸法は、前腕部の外周の1/3~1/2程度の長さであってもよい。なお、以降において、前前腕部と後前腕部との一方の境を「前前腕部の一方の境」と、前前腕部と後前腕部の他方の境目を「前前腕部の他方の境目」とも記載する。なお集音センサ3の長手方向の寸法は、血流音の収集に必要な前前腕部の領域を覆うことができる長さであれば、上記とは異なる長さであっても構わない。
集音センサ3A~3Dは、それぞれ所定の間隔で前後方向に並んで配置されている。本実施形態では、血流音センサ1を被検者に装着した際に、最も指先側となる位置に集音センサ3Aが配置され、集音センサ3Bが集音センサ3Aから距離d1だけ後側(肘側)に離れた位置に、集音センサ3Cが集音センサ3Bから距離d2だけ後側に離れた位置に、集音センサ3Dが、集音センサ3Cから距離d3だけ後側に離れた位置に配置されている例に適用して以降の説明を行う。
なお本実施形態における集音センサ3Aが、特許請求の範囲における第1の集音センサと、集音センサ3Bが特許請求の範囲における第2の集音センサと、集音センサ3Cが、特許請求の範囲における第3の集音センサと、集音センサ3Dが、特許請求の範囲における第4の集音センサとされている。また、距離d1が特許請求の範囲における第1の所定距離と、距離d2が第2の所定距離と、距離d3が第3の所定距離とされている。
本実施形態では、集音センサ3A~3Dがそれぞれ同一の間隔で並んで配置されている例にて適用して以降の説明を行う。即ち距離d1、距離d2および距離d3がそれぞれ同一である例に適用して以降の説明を行う。なお、血流音の収集、及び収集した信号の解析に適した寸法であれば、集音センサ3A~3Dが異なる所定の異なる間隔で配置されていても構わない。また、集音センサ3A~3Dの配列は、上記とは異なる並び順であっても構わない。
集音センサ3の右側の端部には、ケーブル4がそれぞれ電気的に接続されている。このケーブル4は、集音センサ3が出力する電気信号が伝達される公知のケーブルである。ケーブル4は、集音センサ3の右側の近傍にそれぞれ設けられている貫通穴7をとおり、帯状部2の裏面の側に延びている(図2、図3参照。)。即ちケーブル4は、帯状部2を被検者の前腕部に巻きつける際に、その巻きつけの邪魔にならない様に、更に直接被検者の皮膚に触れることのない様に、帯状部2を貫通してその裏面側に配線される。ケーブル4の集音センサ3とは反対側の端部には、図示されていない処理装置に接続される図示されていない公知のコネクタ部が設けられている。
帯状部2の表面の集音センサ3が配置されている領域と向かい合う、帯状部2の表面の右側の部分には、矩形の面ファスナー5が設けられている。この面ファスナー5は、公知の面ファスナーであり、詳細は後述する面ファスナー6に貼り付けられて、前腕部に巻きつけられた帯状部2を固定する部分である。面ファスナー5の前後方向の寸法は、帯状部2の前後方向の寸法と略同一である。また、面ファスナー5の左右方向の寸法は、集音センサ3の左右方向の長さよりも短い寸得となっている。なお、面ファスナー5の形状や寸法は、面ファスナー6に貼り付けられて、巻きつけられた帯状部2を固定することができる形状及び寸法であれば、任意の形状や大きさであってもよい。
帯状部2の裏側の面の、集音センサ3に対応する部分には、面ファスナー6が設けられている(図3参照。)。この面ファスナー6は、前述の面ファスナー5が貼り付けられる公知の面ファスナーである。面ファスナー6の前後方向の寸法は、帯状部2の前後方向の寸法と略同一である。また、その左右方向の寸法は、帯状部2を様々な太さの前腕部に帯状部2を巻きつけても、面ファスナー5を貼り付けることができる長さとなっている。
集音センサ3は、主に圧電フィルムセンサ10、シールド層11、クッション層12及び吸音層13から主に構成されている(図7参照。)。圧電フィルムセンサ10は、圧力の変化を電気信号に変換する公知の圧電素子が、薄板状に形成された電子デバイスである。圧電フィルムセンサ10は、被検者の血流音を圧力に関する信号として検出し、電気信号として出力するものである。なお、圧電フィルムセンサ10は、帯状部2を被検者の前腕部に装着する際に、前腕部の表面に沿って湾曲可能な柔軟性を有している。なお、本実施形態における圧電フィルムセンサ10が特許請求の範囲における圧電素子部とされている。
シールド層11は、導電性を有した部材が薄膜のシート状に加工されたものあり、圧電フィルムセンサ10の外側全体を覆っている。シールド層11は、導電性を有しているため、電磁波ノイズが圧電フィルムセンサ10に入射して、不要な信号が出力されてしまうことを防ぐものである。本実施形態では、シールド層11が、アルミニウム(以降において「アルミ」とも記載する。)がシート状に加工されたアルミ箔(アルミシート)からなる例に適用して以降の説明を行う。なおシールド層11は、電磁波ノイズの入射を防ぐことができるものであれば、他の公知の材料からなるシート材からなるものであってもよい。
クッション層12は、柔軟性を備えた素材がシート状に加工されたものであり、シールド層11の表側の面を覆うものである。クッション層12は、血流音センサ1が被検者に装着される際に、被検者の前腕部とシールド層11の間に配置され、被検者の前腕部の皮膚と接触する部分である。本実施形態では、クッション層12が柔軟性を有した公知のゴムスポンジ(天然ゴムスポンジ(発泡ゴム))から構成されている例に適用して以降の説明を行うが、クッション層12は、柔軟性を有した素材であれば、他の公知の素材から形成されていてもよい。
吸音層13は、吸音性を備えた素材がシート状に加工されたものであり、シールド層11の裏側の面を覆うものである。本実施形態では、吸音層13が吸音性を有した公知のゴムスポンジ(発泡ゴム)から構成されている例に適用して以降の説明を行う。より詳細には、吸音層13が、その厚さが3~5mm程度の天然ゴムスポンジ(密度が0.150~0.180[g/cm]程度のもの)から構成されている例に適用して以降の説明をおこなう。なお吸音層13は、吸音性を有した他の公知の素材から構成されたものであってもよく、その厚さも所定の吸音性を発揮できる厚さであれば上記とは異なる厚さであってもよい。また、本実施形態では、前述のクッション層12と吸音層13は、シールド層11の外周の外側の部分にて公知の接着材等によってそれぞれ相互に接着されている例に適用して以降の説明を行うが、クッション層12と吸音層13はシールド層11に固定されていれば相互に接着されていなくてもよい。また、クッション層12と吸音層13は、柔軟性と吸音性を備えた素材からなる同一のシートから形成されたものであってもよい。
<使用方法の説明>
次に、上記の構成からなる血流音センサ1の使用方法について説明する。
はじめに、血流音センサ1を被検者の前腕部に装着する。具体的には、その表面が上側を向き、集音センサ3Aが使用者の指先側となる様にして、帯状部2を机などの平らな部分に配置する。そして被検者の前腕部を、その上肢が延びる方向が帯状部2の前後方向となるようにして、帯状部2の表面の集音センサ3と面ファスナー5の間の領域に配置する。この際、被検者の後前腕部が帯状部2の表面と触れる向きで、即ち前前腕部が、帯状部2の表側と同じ側を向くようにして被検者の前腕部を配置する(図4参照。)。
続いて帯状部2の集音センサ3が固定されている側である左側の部分を、被検者の前腕部を覆う様にして巻きつける。換言すれば、帯状部2の表面の左側の部分が、被検者の前腕部と触れる様にして、帯状部2を被検者の前腕部に巻きつける。この際、集音センサ3A~3Dが、対応する前前腕部のそれぞれの部分を、前前腕部の一方の境から他方の境に亘って覆う様に、あるいは一方の境の近傍から他方の境の近傍に亘って覆うことになる様に帯状部2を前腕部の周方向に回転させるなどして配置する。この際、帯状部2は被検者の前腕部に巻きつけられて、その裏面にある面ファスナー6が、被検者の前前腕部側(掌側)を向く。
続けて、帯状部2の面ファスナー5が設けられている右側の表面の部分を、前腕部に巻きつけられている帯状部2の裏面に被せる様にして前腕部に巻きつける。そして、面ファスナー5を面ファスナー6に貼り付けて帯状部2を固定する(図5,図6参照。)。この様にすると、集音センサ3A~3Dが、血流音を収集しやすい被検者の前前腕部の所定の位置に配置した状態で固定される。
帯状部2を被検者の前腕部に装着したら、ケーブル4の図示されていないコネクタ部を図示されていない処理装置に接続する。なお接続の際には、被検者に直接触れることのないようにケーブル4を引き回す。
帯状部2が被検者の前腕部に装着されると、集音センサ3が被検者の血流音に関する情報を収集する。具体的には、血流音によって生じる音圧を圧電フィルムセンサ10が検出し、検出した圧力(音圧)に応じた電気信号を出力する。
圧電フィルムセンサ10が出力した電気信号は、ケーブル4を介して図示されていない処理装置に入力される。この処理装置は、集音センサ3からの信号が入力される図示されていない入力部と、入力部からの信号を処理、解析等を行う図示されていない信号処理部から主に構成されている。入力部は、集音センサ3からの信号を受け付ける公知のインターフェイス回路であり、集音センサ3からの信号をフィルタ処理したり、増幅したりする機能等を有している。更に入力部は、集音センサ3からの信号をデジタル信号に変換する機能を有してもよい。信号処理部は、公知のPCなどに専用のプログラムがインストールされたものであり、公知の音声解析技術などを用いて入力された信号に基づいて血流音関する情報を処理、解析するものである。なお、入力部と信号処理部は、別々のユニットとして構成されていても、一体のユニットとして構成されていてもよい。
本実施形態では信号処理部が、入力された信号と、基準なる正常な血流のモデル信号とを比較分析する処理や、集音センサ3A~3Dからの信号を相互に比較分析する処理等を行い、狭窄などの血管の異常箇所の有無を判定する処理を行う例に適用して以降の説明を行う。また信号処理部が、集音センサ3A~3Dの配置間隔、即ち距離d1、距離d2、及び距離d3と、集音センサ3A~3Dからの血流音に関する情報に基づいて、血流速度を求める処理も行う例に適用して以降の説明を行う。なお処理装置は、他の公知の分析処理や解析処理を用いてその他の血管や血流に関する情報の解析や分析などを行ったり、集音センサ3A~3Dの配置間隔に関する情報及び収集した血流音に関する情報から異常箇所の位置を算出したりする機能などを有していてもよい。
必要な測定が終了したら、面ファスナー5を面ファスナー6から引き剥がし、帯状部2を被検者の前腕部から取り外す。また、ケーブル4の図示されていないコネクタを処理装置から取り外して検査を終了する。
上記の構成からなる血流音センサ1によれば、一方の方向に長い矩形(長方形)の複数の集音センサ3が上肢の延びる方向に沿って所定の間隔で配置されている。このため、血流音を広い範囲で効率的、且つ正確に収集することができる。また集音センサ3は、上肢の血流の方向でもある上肢の延びる方向に沿って所定の間隔で配置されているため、例えば異なる任意の集音センサ3が検出した血流音に関する情報とそれぞれの集音センサ3の間の距離に関する情報に基づいて、処理装置が血流速度を算出することも可能となる。
また、集音センサ3が所定の間隔で配置されているため、例えば異常音が検出された場合に、各集音センサ3が収集した血流音(異常音)に関する情報と、各集音センサ3の配置関係(各集音センサ3の間隔)の情報から、異常音の原因のなる狭窄などの異常箇所の概ねの位置を知ることも可能となる。そして、例えば帯状部2を取り外す前に、被検者の前腕部に帯状部2の肘側の端部、あるいは指先側の端部の位置の目印などをつけておけば、異常音を検出した集音センサ3の位置や、処理装置が算出した異常箇所の位置情報などから、帯状部2を取り外した後でも異常箇所の概ねの位置を判別する事もできる。
また、集音センサ3の長手方向が、帯状部2が延びる方向と同じ方向となる様に配置されている。この様に集音センサ3が配置された血流音センサ1が、被検者の上肢に装着されると、集音センサ3の長手方向が、上肢の血流の方向と交わる方向となる様に集音センサ3が配置される。このため、上肢の血流音を効率的に収集することが可能となる。
更に上記の構成からなる血流音センサ1では、集音センサ3の長手方向の長さは、当該集音センサ3が配置された上肢の部分の外周の長さの略半分程度の長さとなっている。上肢において、多くの血管は掌側、即ち前前腕部側に近い位置を走行している。このため、より血流音の収集しやすい掌側の面(前前腕部側の面)から効率的に血流音を収集することが可能となる。
更に集音センサ3は、圧電フィルムセンサ10、シールド層11及びクッション層12から構成されている。圧電フィルムセンサ10は、前腕部の表面に沿って無理なく湾曲可能な柔軟性を有している。このため圧電フィルムセンサ10を前腕部に装着した際に、前腕部との間に大きな隙間があくことなく、被検者の前腕部の皮膚から略均等な距離で配置することができる。また、帯状部2を被検者の前腕部に装着する際にも巻きつけ易く、また血流音センサ1を装着された被検者が違和感を覚えたり、被検者に余計な負荷が掛かったりしまうことを防ぐことができる。
更に、圧電フィルムセンサ10全体をシールド層11が覆っているため、圧電フィルムセンサ10が外部の電磁波ノイズの影響を受けて異常な出力をしてしまうことも防がれている。更にシールド層11の表側の面をクッション層12が覆っている。このため、圧電フィルムセンサ10及びシールド層11が直接被検者の上肢の皮膚に接触することが防がれて、血流音センサ1を上肢に装着した際の違和感を更に軽減することができる様になっている。また、クッション層12が前腕部の湾曲に併せて変形するため、集音センサ3(圧電フィルムセンサ10)を前腕部により密着させて配置することができる。
また、吸音層13が、シールド層11の裏側の面(上肢の皮膚に向かう面とは反対側の面)を覆っているため、外部で生じるノイズ音が吸音層13にて吸音され、圧電フィルムセンサ10が血流音以外の意図しない音声ノイズを検出してしまうことが防がれている。
更に血流音センサ1は、被検者の上肢の指先側から肘の側に向かって集音センサ3A~3Dが配置されている。この様に集音センサ3A~3Dが配置されることで、様々な箇所における血流音をそれぞれ収集することができる。また、異常音を検出した場合には、当該異常音を検出した集音センサ3や、当該異常音を最も強く検出した集音センサ3を特定することで、あるいは各集音センサ3が収集した異常音に関する情報と、各集音センサ3の配置位置から、異常音の原因となる異常箇所の概略位置を知ることも可能となる。
また、集音センサ3が帯状部2によって前腕部に巻きつけられて固定されているため、同一箇所における血流音を連続的に収集することを容易に行うことができる。また、医師等が聴診器などを患者の関心領域に押し当てて固定し血流音を収集する場合と異なり、聴診器を手で支える必要もないため、誤差の原因となる様な余分な力が加わることもなく、血流音を正確に収集することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、血流音センサ1が、4つの集音センサ3(集音センサ3A~3D)を備えた構成について説明を行ったが、2つの集音センサ3を備えた構成や、3つの集音センサを備えた構成としてもよい。この様にすれば、より簡易な構成の血流音センサ1とすることができる。また、集音センサを2つ備えた構成とした場合には、血流音センサ1の出力は2チャンネルとなる。このため、それぞれの出力を公知のPCのステレオの音声入力部に直接入力し、信号の処理を行うことも可能となる。この様にすれば、追加の入力部を備える必要もないため処理装置の構成を更に簡易なものとすることもできる。また、帯状部2に集音センサ3からの信号を処理する出力インターフェイスを設けた構成としてもよい。
また、集音センサ3A~3Dの間に追加の集音センサを設けたり、集音センサ3Aの指先側に追加の集音センサを設けたり、あるいは集音センサ3Dよりも体幹側に追加の集音センサを設けるなどして、5つ以上の集音センサ3を備える構成としてもよい。この様にすれば、広範囲の測定が可能な血流音センサとしたり、より緻密な血流音の収集が可能な血流音センサとしたりすることが可能となる。
上記実施形態では、被検者の前腕部に血流音センサ1を装着する例に適用して説明したが、例えば血流音センサ1を上腕部又は肘部に装着する構成としてもよい。あるいは上腕部、肘部及び前腕部のいずれかの領域に跨がって装着する構成としてもよい。また本実施形態では、一方の方向に長い帯状部2が集音センサ3を固定する例に適用して説明を行ったが、集音センサ3を所定の位置に固定可能であれば、帯状部2が他の形状をしていてもよい。
上記実施形態では、血流音センサ1が透析患者の血流音を収集する例に適用して説明を行ったが、透析患者以外の患者や、健常者の血流音を測定するために用いられるものであってもよい。また、上記実施形態では、圧電素子を用いた集音センサ3からなる血流音センサ1について説明を行ったが、これに限定される訳ではなく、血流音を収集可能な他の公知のセンサデバイスが用いられたものであってもよい。
1・・・血流音センサ 2・・・帯状部 3,3A~3D・・・集音センサ
4・・・ケーブル 5・・・面ファスナー 6・・・面ファスナー
7・・・貫通穴 10・・・圧電フィルムセンサ 11・・・シールド層
12・・・クッション層 13・・・吸音層

Claims (5)

  1. 被検者の上肢に装着して血流音を収集する血流音センサであって、
    前記上肢が延びる方向に所定の間隔で配置される複数の板状の集音センサと、
    前記上肢に巻きつけられて前記集音センサを前記上肢の所定の箇所に固定する帯状部を備え、
    前記集音センサは、
    一方の方向に向かって延びており、
    前記一方の方向の寸法は、前記所定の箇所における前記上肢の外周の略半分の長さであり、前記一方の方向と交わる方向の寸法よりも長く、
    前記一方の方向が、前記上肢に巻きつけられる際に前記上肢の周方向となる前記帯状部が延びる方向と同じ方向となるように配置されていることを特徴とする血流音センサ。
  2. 前記集音センサは、
    検出した前記血流音を電気信号として出力する圧電素子部と、
    前記圧電素子部の周囲を覆い外部からの電磁波ノイズを遮蔽するシールド層と、
    前記シールド層の前記上肢に向かう面を覆う柔軟性を有したクッション層と、
    前記シールド層の前記上肢に向かう面とは反対側の面を覆い外部からの音を吸音する吸音部と、
    からなることを特徴とする請求項1に記載の血流音センサ。
  3. 前記集音センサは、
    前記上肢の体幹に近い側に配置される第1の集音センサと、
    前記第1の集音センサよりも前記上肢の先側に配置される第2の集音センサを少なくとも備え、
    前記第1の集音センサと前記第2の集音センサは第1の所定距離の間隔で配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の血流音センサ。
  4. 前記集音センサは、
    前記第2の集音センサよりも前記上肢の先側に第2の所定距離だけ離れた位置に配置される第3の集音センサを更に備えることを特徴とする請求項に記載の血流音センサ。
  5. 前記集音センサは、
    前記第3の集音センサよりも前記上肢の先側に第3の所定距離だけ離れた位置に配置される第4の集音センサを更に備えることを特徴とする請求項に記載の血流音センサ。
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