<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000について、図に基づいて説明する。
冷却装置1000は、発熱体Hを冷却する。図1は、冷却装置1000の構成を示す図である。図2は、冷却装置1000の設置例を示す図である。図3は、冷却装置1000の構成を示す模式図である。
図1~図3を参照して、冷却装置1000は、蒸発部10と、凝縮部20と、圧縮機30と、膨張弁40と、制御弁50と、第1のタンク61と、第2のタンク62と、温度計70と、制御部80と、第1のポンプ91と、第2のポンプ92と、ファンFとを備えている。なお、本実施形態において、第2のタンク62、温度計70、制御部80、第1のポンプ91、第2のポンプ92およびファンFは、必須の構成要素ではなく、省略することができる。
また、図1~図3を参照して、冷却装置1000は、蒸気管VPおよび液管LPを備えている。蒸気管VPは、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2および第3の蒸気管VP3を含む。液管LPは、第1の液管LP1および第2の液管LP2を含む。
図1および図2を参照して、凝縮部20、第2のタンク62、第2のポンプ92およびファンFは、室外機500に含まれる。室外機500は、通常、屋外(たとえば、データセンターのサーバルームの外)に設置される。また、圧縮機30、膨張弁40、制御弁50、第1のタンク61および第1のポンプ91は、圧縮ユニット700に含まれる。圧縮ユニット700は、屋内(たとえば、データセンターのサーバルームの中)に設置される。
ここで、発熱体Hは、稼働すると熱を発する装置であって、たとえばサーバルーム内に設置されたサーバ装置等の電子装置である。電子装置内には、稼働すると発熱する部品として、たとえば中央演算処理装置CPUや集積回路MCMなどが実装されている。本実施形態の説明では、図2に示されるように発熱体Hは2つであるとするが、1つまたは3つ以上の発熱体Hが設けられてもよい。
冷却装置1000は、蒸発部10および凝縮部20の間で第1のタンク61を介して冷媒(Coolant:以下、COOと称する。)を循環させる。また、冷却装置1000は、蒸発部10、凝縮部20、圧縮機30および膨張弁40の間で、第1のタンク61を介して冷媒COOを循環させる。
蒸発部10および凝縮部20の間で圧縮機30を介さずに冷媒COOが循環するように接続された循環経路を、自然循環式冷却サイクル(第1の循環経路)と呼ぶ。また、蒸発部10および凝縮部20の間で圧縮機30を介して冷媒COOが循環するように接続された循環経路を、圧縮式冷凍サイクル(第2の循環経路)と呼ぶ。
冷媒COOには、液相状態の冷媒(液相冷媒(Liquid-Phase Coolant:以下、LP-COOと称する。))と気相状態の冷媒(気相冷媒(Gas-Phase Coolant:以下、GP-COOと称する。))の間で相変化する冷媒が用いられている。
冷媒COOには、低沸点の冷媒として、例えば、ハイドロフルオロカーボン(HFC:Hydro Fluorocarbon)やハイドロフルオロエーテル(HFE:Hydro Fluoroether)などを用いることができる。
冷媒COOは、蒸発部10と、凝縮部20と、圧縮機30と、膨張弁40と、制御弁50と、第1のタンク61と、第2のタンク62と、第1のポンプ91と、第2のポンプ92と、第1の蒸気管VP1と、第2の蒸気管VP2と、第3の蒸気管VP3と、第1の液管LP1と、第2の液管LP2とで構成される空間内に、密閉された状態で閉じ込められる。前記空間内に、液相冷媒LP-COOを注入した後に真空排気することにより、前記空間内を常に冷媒の飽和蒸気圧に維持する。
なお、前記空間内に冷媒COOを充填する方法については、次の通りである。たとえば、蒸発部10の上面(図1にて紙面上側の面)に予め設けられている冷媒注入孔(不図示)から、冷媒COOを注入する。そして、冷媒COOが所定量に達したら、冷媒注入孔を閉じる。また、蒸発部10の上面(図1にて紙面上側の面)に予め設けられている空気排除用孔(不図示)を介して、真空ポンプ(不図示)などを用いて、前記空間内から、空気を排除する。そして、空気排除用孔を閉じる。このようにして、冷却装置1000の前記空間内に冷媒COOを密閉する。これにより、冷却装置1000の前記空間内の圧力は冷媒COOの飽和蒸気圧と等しくなり、前記空間内に密閉された冷媒COOの沸点が室温近傍となる。なお、冷媒注入孔を空気排除用孔として共用してもよい。以上、冷媒COOを充填する方法について説明した。
以下、冷却装置1000の各構成について、説明する。
蒸発部10は、発熱体Hの近傍に設けられている。蒸発部10は、たとえば、データセンターのサーバルーム内に設置されている。蒸発部10は、圧縮機30または制御弁50を介して、蒸気管VPによって凝縮部20に接続されている。具体的には、蒸発部10は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2、制御弁50を介して、凝縮部20に接続されている。また、蒸発部10は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2、第3の蒸気管VP3および圧縮機30を介して、凝縮部20に接続されている。また、蒸発部10は、第1の液管LP1、第2の液管LP2、膨張弁40、第1のタンク61、第2のタンク62、第1のポンプ91、第2のポンプ92を介して、凝縮部20に接続されている。
蒸発部10は、内部に冷媒COOを貯留する。蒸発部10は、発熱体Hの熱を受熱して、内部に貯留されている液相冷媒LP-COOを発熱体Hの熱により蒸発させて、気相冷媒GP-COOを流出させる。上述では、蒸発部10は発熱体Hの近傍に設けられていると説明した。一方、蒸発部10は、発熱体Hの熱を受け取ることができれば、必ずしも発熱体Hの近傍に設けられなくてもよい。
凝縮部20は、上述の通り、たとえば、データセンターのサーバルームの外に設置されている。凝縮部20は、たとえば、ラジエータにより構成される。また、凝縮部20は、ラジエータおよびファンにより構成されてもよい。凝縮部20は、圧縮機30または制御弁50を介して、蒸気管VPによって蒸発部10に接続されている。具体的には、凝縮部20は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2、制御弁50を介して、蒸発部10に接続されている。また、凝縮部20は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2、第3の蒸気管VP3および圧縮機30を介して、蒸発部10に接続されている。
凝縮部20は、第1の液管LP1、第2の液管LP2、膨張弁40、第1のタンク61、第2のタンク62、第1のポンプ91、第2のポンプ92を介して、蒸発部10に接続されている。凝縮部20は、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOを凝縮して、液相冷媒LP-COOを蒸発部10へ流出させる。すなわち、凝縮部20は、サーバルームの外の空気との温度差を利用した熱交換によって、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOを冷却して、液相冷媒LP-COOを生成し、これを蒸発部10へ流出させる。
圧縮機30は、図1に示されるように、第3の蒸気管VP3の上に設けられる。圧縮機30は、蒸発部10、凝縮部20および第1のタンク61に接続されている。具体的には、圧縮機30は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2および第3の蒸気管VP3を介して、蒸発部10および第1のタンク61に接続されている。また、圧縮機30は、第2の蒸気管VP2および第3の蒸気管VP3を介して、凝縮部20に接続されている。圧縮機30は、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOを圧縮する。そして、圧縮機30は、圧縮機30により圧縮された気相冷媒GP-COOを凝縮部20へ流出させる。圧縮機30は、制御部80の指示に従って、動作する。また、圧縮機30は、制御弁50よりも鉛直方向にて上方に設けられている。
膨張弁40は、蒸発部10および凝縮部20に接続されている。具体的には、膨張弁40は、第2のタンク62、第2のポンプ92および第1の液管LP1を介して、凝縮部20に接続されている。また、膨張弁40は、第1の液管LP1、第2の液管LP2、第1のタンク61および第1のポンプ91を介して、蒸発部10に接続されている。膨張弁40は、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COOを膨張させる。膨張弁40は、制御部80の指示に従って、動作する。
制御弁50は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2を介して、蒸発部10および第1のタンク61に接続されている。また、制御弁50は、第2の蒸気管VP2を介して、凝縮部20に接続されている。制御弁50は、蒸発部10から凝縮部20へ流れる気相冷媒GP-COOの流れを制御する。また、制御弁50は、圧縮機30よりも鉛直方向にて下方に設けられている。
第1のタンク61は、蒸発部10よりも鉛直方向にて下方に配置されている。また、第1のタンク61は、蒸発部10および凝縮部20に接続されている。具体的には、第1のタンク61は、第1の蒸気管VP1を介して、蒸発部10に接続されている。また、第1のタンク61は、第2の液管LP2を介して、蒸発部10に接続されている。
第1のタンク61は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2および制御弁50を介して、凝縮部20に接続されている。第1のタンク61は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2、第3の蒸気管VP3および圧縮機30を介して、凝縮部20に接続されている。第1のタンク61は、第1の液管LP1、膨張弁40、第2のタンク62および第2のポンプ92を介して、凝縮部20に接続されている。第1のタンク61は、液相冷媒LP-COOを貯留する。とくに、第1のタンク61は、第1の液管LP1、第1の蒸気管VP1および第2の蒸気管VP2を流れる液相冷媒LP-COOを貯留する。
第2のタンク62は、凝縮部20および膨張弁40に接続されている。具体的には、第2のタンク62は、第1の液管LP1を介して、凝縮部20に接続されている。また、第2のタンク62は、第1の液管LP1および第2のポンプ92を介して、膨張弁40に接続されている。また、第2のタンク62は、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COOを貯留する。
温度計70は、凝縮部20の近傍であって、外気に晒された場所に配置されている。より具体的には、温度計70は、室外機500の外に配置されている。温度計70は、制御部80の指示にしたがって、外気温度を測定する。ここで、外気温度とは、外気に晒された場所の温度をいう。具体的には、温度計70は、制御部80の指示にしたがって、室外機500の外の空気の温度を測定する。なお、上述では、温度計70は、室外機500の外に配置されていると説明した。しかしながら、外気温度を測定できる場所であれば、温度計70は室外機500の内部に配置されてもよい。なお、温度計70は、外気温度を測定できれば、凝縮部20の近傍に配置される必要はない。
制御部80は、少なくとも、圧縮機30、膨張弁40、制御弁50、温度計70およびファンFに、有線または無線により通信接続されている。制御部80は、冷却装置1000全体を制御する。また、制御部80は、圧縮機30、膨張弁40、制御弁50、温度計70、第1のポンプ91、第2のポンプ92およびファンFを制御する。
また、制御部80は、上述の自然循環式冷却サイクル(第1の循環経路)と圧縮式冷凍サイクル(第2の循環経路)のいずれか一方に冷媒COOを流す制御を制御弁50の開閉によって行う。なお、自然循環式冷却サイクルとは、上述の通り、蒸発部10および凝縮部20の間で圧縮機30を介ざすに冷媒COOが循環するように設定された経路をいう。圧縮式冷凍サイクルとは、蒸発部10および凝縮部20の間で圧縮機30を介して冷媒COOが循環するように設定された経路をいう。
第1のポンプ91は、第1のタンク61および蒸発部10の間の第2の液管LP2上に設けられている。第1のポンプ91は、第1のタンク61内に貯留されている液相冷媒LP-COOを第1のタンク61から蒸発部10へ送る。
第2のポンプ92は、第2のタンク62および膨張弁40の間の第1の液管LP1上に設けられている。第2のポンプ92は、第2のタンク62内に貯留されている液相冷媒LP-COOを第2のタンク62から膨張弁40へ送る。
ファンFは、凝縮部20の近傍に配置されている。ファンFは、凝縮部20に対して風を供給して、凝縮部20を冷却する。
次に、配管関係を説明する。蒸気管VPは、蒸発部10および凝縮部20を、第1のタンク61を介して接続する。蒸気管VPは、主として、蒸発部10から凝縮部20へ気相冷媒GP-COOを流すための管である。蒸気管VPは、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2および第3の蒸気管VP3を含む。
第1の蒸気管VP1は、蒸発部10および第1のタンク61を接続する。第1の蒸気管VP1のうち第1のタンク61側は、鉛直方向に沿って延在するように設けられている。ただし、これに限定されず、第1の蒸気管VP1のうち第1のタンク61側は、鉛直方向の上方側から下方側に傾斜するように設けられてもよい。すなわち、第1の蒸気管VP1のうち第1のタンク61側は、鉛直方向に対して垂直な方向に延在されなければよい。なお、好ましくは、たとえば、第1の蒸気管VP1のうち第1のタンク61側は、鉛直方向に対して45度の範囲内で、鉛直方向の上方側から下方側に傾斜するように設けられるとよい。
第2の蒸気管VP2は、第1の蒸気管VP1および凝縮部20を、制御弁50を介して接続する。すなわち、第2の蒸気管VP2には、制御弁50が取り付けられている。図1~図3に示されるように、第2の蒸気管VP2は、第1の接続部P1で、第1の蒸気管VP1に接続されている。すなわち、第1の接続部P1は、第1の蒸気管VP1および第2の蒸気管VP2の接続部である。第2の蒸気管VP2の一端部は、第1の接続部P1であり、他端部は、凝縮部20と第2の蒸気管VP2の接続部である。
ここで、第1の接続部P1は、第1のタンク61よりも鉛直方向にて上方に設けられている。これにより、第1の接続部P1および第1のタンク61の間の液相冷媒LP-COOを、重力によって第1のタンク61に向けて円滑に流すことができる。また、第1のタンク61に貯留されている液相冷媒LP-COOが、第1の接続部P1を介して、蒸発部10および第2の蒸気管VP2に流入することを抑制できる。
第3の蒸気管VP3は、第2の接続部P2にて第2の蒸気管VP2から分岐し、圧縮機30を介して、第3の接続部P3にて第2の蒸気管VP2へ再接続するように設けられている。第2の接続部P2は、第2の蒸気管VP2および第3の蒸気管VP3の接続部であって、制御弁50よりも第1の接続部P1の側の接続部である。第3の接続部P3は、第2の蒸気管VP2および第3の蒸気管VP3の接続部であって、制御弁50よりも凝縮部20の側の接続部である。第3の蒸気管VP3の一端部は、第2の接続部P2であり、他端部は、第3の接続部P3である。
なお、好ましくは、第1の蒸気管VP1のうち、少なくとも、第1の接続部P1および第1のタンク61の間では、第1の接続部P1の近傍を含んで、直線状に形成されている。このため、第1の接続部P1にて、蒸発部10から流れる気相冷媒GP-COOは第1のタンク61へ向けて流れやすくなる。これにより、蒸発部10から流れる気相冷媒GP-COOが第2の蒸気管VP2へ流入することを抑制できる。
また、好ましくは、第2の蒸気管VP2のうち、少なくとも第1の接続部P1および制御弁50の間の区間は、第2の接続部P2の近傍を含んで直線状に形成され、第1の接続部P1よりも鉛直方向にて上方に設けられている。
これにより、第1の接続部P1および制御弁50の間の液相冷媒LP-COOを、重力によって、第1の接続部P1へ向けて円滑に流すことができる。また、上述の通り、第1の接続部P1は、第1のタンク61より鉛直方向の上方に配置されている。したがって、第1の接続部P1および制御弁50の間の液相冷媒LP-COOを、重力によって、第1の接続部P1を介して、蒸発部10へ向けて円滑に流すことができる。また、制御弁50が閉じられている場合に、蒸発部10から流れる気相冷媒GP-COO中に含まれる液相冷媒LP-COOは、第1の接続部P1の側から制御弁50にまで流れ、制御弁50に衝突した後に逆流し、接続部P1よりも鉛直方向の下方に配置された第1のタンク61に流れ落ちる。このため、蒸発部10から流れる気相冷媒GP-COO中に含まれる液相冷媒LP-COOが、第2の接続部P2にて第3の蒸気管VP3に流入することを抑制できる。この結果、蒸発部10から流れる気相冷媒GP-COO中に含まれる液相冷媒LP-COOが圧縮機30に流入することを抑制できる。
また、好ましくは、第2の接続部P2および第3の接続部P3の近傍では、第3の蒸気管VP3は、鉛直方向の上方側に向かって延出するように設けられている。これにより、制御弁50が閉じられた際に、蒸発部10から流れる気相冷媒GP-COOを、円滑に、鉛直方向の上方へ誘導し圧縮機30へ導くことができる。
液管LPは、蒸発部10および凝縮部20を、第1のタンク61を介して接続する。液管LPは、凝縮部20から蒸発部10へ気相冷媒LP-COOを流すための管である。液管LPは、第1の液管LP1および第2の液管LP2を含む。なお、液管LPは、第1のタンク61を介さずに1本で形成されてよい。
第1の液管LP1は、凝縮部20および第1のタンク61の間を、膨張弁40、第2のタンク62および第2のポンプ92を介して接続する。すなわち、第1の液管LP1には、膨張弁40、第2のタンク62および第2のポンプ92が取り付けられている。第1の液管LP1の一端部は、凝縮部20と第1の液管LP1の接続部であり、他端部は、第1のタンク61と第1の液管LP1の接続部である。
第2の液管LP2は、第1のタンク61および蒸発部10の間を、第1のポンプ91を介して接続する。すなわち、第2の液管LP2には、第1のポンプ91が取り付けられている。第2の液管LP2の一端部は、蒸発部10と第2の液管LP2の接続部であり、他端部は、第1のタンク61と第2の液管LP2の接続部である。
以上、冷却装置1000の各構成について、説明した。
つぎに、冷却装置1000の動作について説明する。ここでは、自然循環式冷却サイクル(第1の循環経路)での冷却装置1000の動作と、圧縮冷凍サイクル(第2の循環経路)で冷却装置1000の動作とを分けて説明する。
まず、自然循環式冷却サイクルでの冷却装置1000の動作について説明する。自然循環式冷却サイクルとは、上述の通り、蒸発部10および凝縮部20の間で圧縮機30を介さずに冷媒COOが循環するように設定された循環経路をいう。
自然循環式冷却サイクルでは、制御部80は、制御弁50を開き、圧縮機30および膨張弁40の動作を停止させている。
蒸発部10は、発熱体Hの熱を受けて、内部に貯留されている液相冷媒LP-COOを発熱体Hの熱により蒸発させて、気相冷媒GP-COOを生成する。そして、蒸発部10は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2および制御弁50を介して、気相冷媒GP-COOを凝縮部20へ流出させる。これにより、気相冷媒GP-COOが凝縮部20に流入する。このとき、制御弁50は開かれており、圧縮機30は動作していない。このため、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOは、圧縮機30側へ流れることなく、制御弁50側へ流れる。
つぎに、凝縮部20は、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOを凝縮して、液相冷媒LP-COOを流出させる。すなわち、凝縮部20は、凝縮部20の外の空気との温度差を利用した熱交換によって、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOを冷却して、液相冷媒LP-COOを生成する。そして、凝縮部20は、生成した液相冷媒LP-COOを、第2のタンク62へ向けて流出させる。
凝縮部20により生成された液相冷媒LP-COOは、第1の液管LP1を介して第2のタンク62に流入し、一時的に第2のタンク62に貯留される。ここで、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COO内に気相冷媒GP-COOが混在することがある。しかしながら、液相冷媒LP-COOを第2のタンク62に一時的に貯留することにより、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COO内に混在する気相冷媒GP-COOを液相冷媒LP-COOと分離することができる。
なお、凝縮部20は、ファンFによって常に冷却されている。
つぎに、第2のポンプ92は、第2のタンク62に貯留されている液相冷媒LP-COOを、膨張弁40を介して、第1のタンク61へ送出させる。第2のポンプ92は、たとえば、第2のタンク62内の液面が所定の高さ以下になったときに、動作する。なお、自然循環式冷却サイクルでは、膨張弁40は開放されていて機能していない。
第2のポンプ92により送出された液相冷媒LP-COOは、第1の液管LP1および膨張弁40を介して、第1のタンク61に流入し、第1のタンク61内に一時的に貯留される。
つぎに、第1のポンプ91は、第1のタンク61に貯留されている液相冷媒LP-COOを、第2の液管LP2を介して、蒸発部10へ送出させる。第1のポンプ91は、たとえば、第1のタンク61内の液面が所定の高さ以下になったときに、動作する。
つぎに、蒸発部10は、発熱体Hの熱を受けて、再び、内部に貯留されている液相冷媒LP-COOを発熱体Hの熱により蒸発させて、気相冷媒GP-COOを生成する。そして、蒸発部10は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2および制御弁50を介して、気相冷媒GP-COOを凝縮部20へ流出させる。
以上の通り、自然循環式冷却サイクルでは、冷却装置1000は、蒸発部10および凝縮部20の間で、圧縮機30を介さずに、冷媒COOを循環させて、発熱体Hを冷却する。冷却装置1000は、以上の動作を繰り返し実行する。
つぎに、圧縮冷凍サイクルで冷却装置1000の動作について説明する。圧縮冷凍サイクルとは、上述の通り、蒸発部10および凝縮部20の間で圧縮機30を介して冷媒COOが循環するように設定された循環経路をいう。
圧縮冷凍サイクルでは、制御部80は、制御弁50は閉じ、圧縮機30および膨張弁40を作動させている。
蒸発部10は、発熱体Hの熱を受けて、内部に貯留されている液相冷媒LP-COOを発熱体Hの熱により蒸発させて、気相冷媒GP-COOを生成する。
そして、蒸発部10は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2、第3の蒸気管VP3および圧縮機30を介して、気相冷媒GP-COOを凝縮部20へ流出させる。
具体的には、蒸発部10は、生成した気相冷媒GP-COOを第1の蒸気管VP1へ流出させる。ただし、第1の蒸気管VP1内を流れる気相冷媒GP-COOの中には、液相冷媒LP-COOが混入する場合がある。これは、たとえば、第1の蒸気管VP1内を流れる気相冷媒GP-COOが、第1の蒸気管VP1の壁面と接触することによって冷却され、液相冷媒LP-COOに相変化してしまうことがあるからである。このとき、上述の通り、第1の接続部P1は、第1のタンク61よりも鉛直方向にて上方に設けられているので、第1の接続部P1および第1のタンク61の間の液相冷媒LP-COOを、重力によって第1のタンク61に向けて円滑に流すことができる。また、第1のタンク61に貯留されている液相冷媒LP-COOが、第1の接続部P1を介して、蒸発部10および第2の蒸気管VP2に流入することを抑制できる。なお、このことは、自然循環式冷却サイクルでの動作でも同じである。
また、前述の通り、好ましくは、第1の蒸気管VP1のうち、第1の接続部P1および第1のタンク61の間は、第1の接続部P1の近傍を含んで直線状に形成されている。このため、第1の接続部P1にて、蒸発部10から流れる気相冷媒GP-COOは第1のタンク61へ向けて流れやすくなる。また、第1の接続部P1にて、第1の蒸気管VP1内の液相冷媒LP-COOが、重力によって第1のタンク61へ向けて流れやすくなる。なお、このことは、自然循環式冷却サイクルでの動作でも同じである。
気相冷媒GP-COOは、圧縮機30による圧送力により、第1の接続部P1を介して、第1の蒸気管VP1から第2の蒸気管VP2へ流れる。
さらに、気相冷媒GP-COOは、圧縮機30による圧送力により、第2の接続部P2を介して、第2の蒸気管VP2から第3の蒸気管VP3へ流れ、圧縮機30に流入する。
前述の通り、好ましくは、第2の接続部P2の近傍では、第3の蒸気管VP3は、鉛直方向の上方側に向かって延出するように設けられている。これにより、蒸発部10から流れる気相冷媒GP-COO中に含まれる液相冷媒LP-COOは、自重により、第2の接続部P2にて、鉛直方向の下方へ流れようとする。このため、蒸発部10から流れる気相冷媒GP-COO中に含まれる液相冷媒LP-COOが、第3の蒸気管VP3に流入することを抑制できる。この結果、蒸発部10から流れる気相冷媒GP-COO中に含まれる液相冷媒LP-COOが圧縮機30に流入することを抑制できる。また、第1の接続部P1および制御弁50の間の液相冷媒LP-COOを、重力によって、第1の接続部P1へ向けて円滑に流すことができる。
つぎに、圧縮機30は、当該圧縮機30の内部に流入する気相冷媒GP-COOに圧力を加える。これにより、圧縮機30で圧縮された気相冷媒GP-COOは、液相冷媒LP-COOに相変化しやすくなる。気相冷媒GP-COOは、圧縮機30に流入した後、当該圧縮機30による圧送力によって第3の接続部P3を介して凝縮部20へ流入する。このとき、制御弁50は閉じられているので、気相冷媒GP-COOが制御弁50を通って凝縮部20に流入することはない。
つぎに、凝縮部20は、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOを凝縮して、液相冷媒LP-COOを生成する。すなわち、凝縮部20は、凝縮部20の外の空気との温度差を利用した熱交換によって、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOを冷却して、液相冷媒LP-COOを生成する。そして、凝縮部20は、生成された液相冷媒LP-COOを第2のタンク62へ流出させる。
凝縮部20により生成された液相冷媒LP-COOは、第1の液管LP1を介して第2のタンク62に流入し、一時的に第2のタンク62に貯留される。ここで、自然循環式冷却サイクルでの動作説明と同様に、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COO内に気相冷媒GP-COOが混在することがある。しかしながら、液相冷媒LP-COOを第2のタンク62に一時的に貯留することにより、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COO内に混在する気相冷媒GP-COOを液相冷媒LP-COOと分離することができる。
なお、凝縮部20は、ファンFによって常に冷却されている。
つぎに、第2のポンプ92は、第2のタンク62に貯留されている液相冷媒LP-COOを、膨張弁40を介して、第1のタンク61へ送出させる。第2のポンプ92は、たとえば、第2のタンク62内の液面が所定の高さ以下になったときに、動作する。このとき、膨張弁40は、自然循環式冷却サイクルと異なり、開放されておらず、機能している。したがって、具体的な動作は、次の通りとなる。すなわち、凝縮部20により生成された液相冷媒LP-COOは、第1の液管LP1を介して、膨張弁40に流入される。膨張弁40は、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COOを減圧して膨張させる。これにより、膨張弁40で膨張された液相冷媒LP-COOは、気相冷媒GP-COOに相変化しやすくなる。膨張弁40により膨張された液相冷媒LP-COOは、第1の液管LP1を介して第1のタンク61内に流入し、第1のタンク61に一時的に貯留される。
つぎに、第1のポンプ91は、第1のタンク61に貯留されている液相冷媒LP-COOを、第2の液管LP2を介して、蒸発部10へ送出させる。第1のポンプ91は、たとえば、第1のタンク61内の液面が所定の高さ以下になったときに、動作する。
つぎに、蒸発部10は、発熱体Hの熱を受けて、再び、内部に貯留されている液相冷媒LP-COOを発熱体Hの熱により蒸発させて、気相冷媒GP-COOを生成する。そして、蒸発部10は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2、および第3の蒸気管VP3および圧縮機30を介して、気相冷媒GP-COOを凝縮部20へ流出させる。
以上の通り、圧縮冷凍サイクルでは、冷却装置1000は、蒸発部10および凝縮部20の間で、圧縮機30を介して冷媒COOを循環させて、発熱体Hを冷却する。冷却装置1000は、以上の動作を繰り返し実行する。
以上、冷却装置1000の動作について、自然循環式冷却サイクルでの冷却装置1000の動作と、圧縮冷凍サイクルで冷却装置1000の動作とを分けて説明した。
つぎに、圧縮冷凍サイクルでの動作から自然循環式冷却サイクルでの動作へ切り換える際の冷却装置1000の動作について説明する。
図4は、圧縮冷凍サイクルでの動作から自然循環式冷却サイクルでの動作へ切り換える際の冷却装置1000の動作を示すフロー図である。図5は、圧縮冷凍サイクルでの動作から自然循環式冷却サイクルでの動作へ切り換える際の冷却装置1000の動作の一部を説明するためのフロー図である。
図4を参照して、冷却装置1000は、圧縮冷凍サイクルで動作している(S110)。すなわち、冷却装置1000は、圧縮冷凍サイクルにて、蒸発部10および凝縮部20の間で、圧縮機30を介して冷媒COOを循環させて、発熱体Hを冷却している。
つぎに、温度計70が、所定時間(たとえば、1時間)毎に、外気温度Taを測定する(S120)。外気温度とは、上述の通り、外気に晒された場所の温度をいう。ここでは、まず、制御部80が、温度計70に対して外気温度Taを測定させる命令信号を出力する。温度計70は、制御部80により出力された命令信号にしたがって、外気温度Taを測定する。温度計70は、制御部80に対して、外気温度Ta(測定値)を出力する。制御部80は、温度計70から、外気温度Taと受け取る。
つぎに、制御部80は、予め設定されている外気温度の閾値T1(たとえば、20℃)と、外気温度Taを比較する(S130)。
制御部80による比較の結果、外気温度Taが、外気温度の閾値T1よりも小さい場合(S130、Yes)、冷却装置1000は、自然循環式冷却サイクルでの動作に切り換える(S140)。
制御部80による比較の結果、外気温度Taが、外気温度の閾値T1よりも小さくない場合(S130、No)、冷却装置1000は、自然循環式冷却サイクルでの動作に切り換えることなく、圧縮冷凍サイクルでの動作を継続する(S110)。
S140の動作について、具体的に説明する。図5に示されるように、制御部80は、膨張弁40を開放して、膨張機能を無効にする(S141)。具体的には、制御部80は、膨張弁40に対して、開放するように指示する。膨張弁40は、制御部80の指示に従って、開放する。これにより、蒸発部10内の圧力と、凝縮部20内の圧力の差が小さくなる。
つぎに、制御部80は、制御弁50を開放して、圧縮機30を停止する(S142)。具体的には、制御部80は、圧縮機30に対して、気相冷媒GP-COOの圧縮動作を停止させる指示を行う。また、制御部80は、制御弁50に対して、開放するように指示する。圧縮機30は、制御部80の指示に従って、当該圧縮機30内のモータの回転数を徐々に小さくしながら、気相冷媒GP-COOの圧縮動作を停止する。また、制御弁50は、制御部80の指示に従って、気相冷媒GP-COOが通れるように流路を開放する。
ここで、図6は、冷却装置1000の構成を示す図であって、圧縮冷凍サイクルでの動作時の圧力状態を説明するための図である。
図6に示されるように、圧縮冷凍サイクルでの動作時では、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2、第3の蒸気管VP3および第1の液管LP1のうち、太線で示す区間は、太線でない区間と比較して、圧力が高い。
そして、上述の通り、冷却装置1000では、圧縮冷凍サイクルでの動作から自然循環式冷却サイクルでの動作へ切り換える際に、制御部80は、膨張弁40を開放して、膨張機能を無効にし(S141)、圧縮機30を停止し、制御弁50を開放する(S142)。
このとき、図6の太線の区間内にある冷媒COOが、太線でない区間側に流れる。とくに、第2の蒸気管VP2の内部にある冷媒COOが逆流する。このとき、逆流する冷媒COOのうち、液相冷媒LP-COOは、第3の接続部P3側から第2の接続部P2側へ向けて、制御弁50を介して、第2の液管LP2内を流れる。そして、逆流する冷媒COOのうち、液相冷媒LP-COOは、第1の接続部P1に達すると、第1の蒸気管VP1の内壁に衝突した後、第1のタンク61に流入する。
ここで、上述の通り、第1の接続部P1は、第1のタンク61よりも鉛直方向にて上方に設けられているので、第1の接続部P1および第1のタンク61の間の液相冷媒LP-COOを、重力によって第1のタンク61に向けて円滑に流すことができる。また、第1のタンク61に貯留されている液相冷媒LP-COOが、第1の接続部P1を介して、蒸発部10および第2の蒸気管VP2に流入することを抑制できる。
また、前述の通り、好ましくは、第1の蒸気管VP1のうち、第1の接続部P1および第1のタンク61の間は、第1の接続部P1の近傍を含んで直線状に形成されている。このため、制御弁50側から第1の接続部P1側に逆流する液相冷媒LP-COOは、第1の接続部P1の内壁に衝突した後に、第1のタンク61へ向けて下降する。このため、制御弁50側から逆流する液相冷媒LP-COOを、円滑に第1のタンク61へ流入させることができる。
このように、圧縮冷凍サイクルでの動作から自然循環式冷却サイクルでの動作へ切り換える際に、液相冷媒LP-COOが逆流しても、逆流する液相冷媒LP-COOを、円滑に第1のタンク61へ流入させることができる。これにより、逆流する液相冷媒LP-COOが、蒸発部10へ向けて第1の蒸気管VP1内を流れることを抑制できる。
つぎに、自然循環式冷却サイクルでの動作から圧縮冷凍サイクルでの動作へ切り換える際の冷却装置1000の動作について説明する。
図7は、自然循環式冷却サイクルでの動作から圧縮冷凍サイクルでの動作へ切り換える際の冷却装置1000の動作を示すフロー図である。図8は、自然循環式冷却サイクルでの動作から圧縮冷凍サイクルでの動作へ切り換える際の冷却装置1000の動作の一部を説明するためのフロー図である。
図7を参照して、冷却装置1000は、自然循環式冷却サイクルで動作している(S210)。すなわち、冷却装置1000は、自然循環式冷却サイクルにて、蒸発部10および凝縮部20の間で、圧縮機30を介さずに冷媒COOを循環させて、発熱体Hを冷却している。
つぎに、温度計70が、所定時間(たとえば、1時間)毎に、外気温度Taを測定する(S220)。具体的な処理は、図4のS120の処理と同様である。
つぎに、制御部80は、予め設定されている外気温度の閾値T1(たとえば、20℃)と、外気温度Taを比較する(S230)。
制御部80による比較の結果、外気温度Taが、外気温度の閾値T1よりも大きい場合(S230、Yes)、冷却装置1000は、圧縮冷凍サイクルでの動作に切り換える(S240)。
制御部80による比較の結果、外気温度Taが、外気温度の閾値T1よりも大きくない場合(S230、No)、冷却装置1000は、圧縮冷凍サイクルでの動作に切り換えることなく、自然循環式冷却サイクルでの動作を継続する(S210)。
S240の動作について、具体的に説明する。図8に示されるように、制御部80は、膨張弁40を動作させ、膨張機能を有効にする(S241)。具体的には、制御部80は、膨張弁40に対して、動作するように指示する。膨張弁40は、制御部80の指示に従って、動作する。
つぎに、制御部80は、圧縮機30を動作させ、制御弁50を閉じる(S242)。具体的には、制御部80は、圧縮機30に対して、気相冷媒GP-COOの圧縮動作を開始させる指示を行う。また、制御部80は、制御弁50に対して、閉鎖するように指示する。圧縮機30は、制御部80の指示に従って、当該圧縮機30内のモータの回転数を徐々に大きくしながら、気相冷媒GP-COOの圧縮動作を開始する。また、制御弁50は、制御部80の指示に従って、気相冷媒GP-COOが通れないように流路を閉鎖する。
なお、自然循環式冷却サイクルでの動作から圧縮冷凍サイクルでの動作へ切り換える際は、圧縮冷凍サイクルでの動作から自然循環式冷却サイクルでの動作へ切り換える場合と異なり、図6に示したような圧力差は生じない。
冷却装置1000は、以上に説明した自然循環式冷却サイクルおよび圧縮冷凍サイクルのいずれか一方への切り換えを所定時間(たとえば、1時間)毎に実行する。
以上、圧縮冷凍サイクルでの動作から自然循環式冷却サイクルでの動作へ切り換える際の冷却装置1000の動作について説明した。
なお、上述の説明では、制御部80は、圧縮機30、膨張弁40、制御弁50、温度計70、第1のポンプ91、第2のポンプ92およびファンFを制御すると説明した。しかしながら、制御部80を設けることなく、圧縮機30、膨張弁40、制御弁50、温度計70、第1のポンプ91、第2のポンプ92およびファンFを手動で操作することもできる。
以上の通り、本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000は、蒸発部10と、凝縮部20と、圧縮機30と、膨張弁40と、制御弁50と、第1のタンク61と、蒸気管VPと、液管LPとを備えている。
蒸発部10は、発熱体Hの熱を受熱して、内部に貯留されている液相冷媒LP-COOを発熱体Hの熱により蒸発させて、気相冷媒GP-COOを流出させる。凝縮部20は、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOを凝縮して、液相冷媒LP-COOを蒸発部10へ流出させる。圧縮機30は、蒸発部10および凝縮部20に接続されている。圧縮機30は、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOを圧縮する。膨張弁40は、蒸発部10および凝縮部20に接続されている。膨張弁40は、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COOを膨張させる。制御弁50は、蒸発部10から凝縮部20へ流れる気相冷媒GP-COOの流れを制御する。第1のタンク61は、蒸発部10および凝縮部20に接続されている。第1のタンク61は、液相冷媒LP-COOを貯留する。
蒸気管VPは、蒸発部10、凝縮部20および第1のタンク61を接続する。蒸気管VPは、蒸発部10から凝縮部20へ気相冷媒GP-COOを流すためのものである。液管LPは、蒸発部10および凝縮部20を接続する。液管LPは、凝縮部20から蒸発部10へ液相冷媒LP-COOを流すためのものである。
蒸気管VPは、第1の蒸気管VP1と、第2の蒸気管VP2と、第3の蒸気管VP3とを含んでいる。第1の蒸気管VP1は、蒸発部10および第1のタンク61を接続する。第2の蒸気管VP2は、第1の蒸気管VP1および凝縮部20を、制御弁50を介して接続する。第3の蒸気管VP3は、第2の蒸気管VP2から分岐し、圧縮機30を介して第2の蒸気管VP2へ再接続する。
第1の蒸気管VP1および第2の蒸気管VP2の接続部である第1の接続部P1は、第1のタンク61よりも鉛直方向にて上方に設けられている。
ここで、第1の蒸気管VP1内を流れる気相冷媒GP-COOの中には、液相冷媒LP-COOが混入する場合がある。これは、たとえば、第1の蒸気管VP1内を流れる気相冷媒GP-COOが、第1の蒸気管VP1の壁面と接触することによって冷却され、液相冷媒LP-COOに相変化してしまうことがあるからである。このとき、上述の通り、第1の接続部P1は、第1のタンク61よりも鉛直方向にて上方に設けられているので、第1の接続部P1および第1のタンク61の間の液相冷媒LP-COOを、重力によって第1のタンク61に向けて円滑に流すことができる。
また、とくに、圧縮冷凍サイクルでの動作から自然循環式冷却サイクルでの動作へ切り換える際などに、制御弁50を閉じた状態から開いた時に、液相冷媒LP-COOが制御弁50側から第1の接続部P1側へ逆流する場合がある。しかしながら、上述の通り、第1の接続部P1は、第1のタンク61よりも鉛直方向にて上方に設けられている。さらに、蒸発部10は、第1のタンク61よりも鉛直方向にて上方に設けられている。したがって、液相冷媒LP-COOが制御弁50側から第1の接続部P1側へ逆流しても、逆流する液相冷媒LP-COOを、第1の蒸気管VP1を介して、第1の接続部1よりも鉛直方向にて下方に配置されている第1のタンク61に円滑に流入させることができる。
このように、第1の蒸気管VP1内を流れる気相冷媒GP-COOの中に液相冷媒LP-COOが混入する場合や、圧縮冷凍サイクルでの動作から自然循環式冷却サイクルでの動作へ切り換える際などに液相冷媒LP-COOが制御弁50側から第1の接続部P1側へ逆流する場合であっても、液相冷媒LP-COOを円滑に第1のタンク61に導くことができる。このため、蒸気管VP1(とくに、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2)内の液相冷媒LP-COOを低減することができるので、蒸発部10により生成された気相冷媒GP-COOを円滑に凝縮部20へ流入させることができる。この結果、冷却装置1000によれば、発熱体Hの熱をより効率よく冷却できる。
また、本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000において、第1の蒸気管VP1のうち、少なくとも第1の接続部P1および第1のタンク61の間の区間は、第1の接続部P1の近傍を含んで、直線状に形成されている。
これにより、第1の接続部P1にて、蒸発部10から流れる気相冷媒GP-COOを、第1の接続部1よりも鉛直方向にて下方に配置されている第1のタンク61へ向けてより円滑に流すことができる。
また、本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000において、第2の蒸気管VP2のうち、少なくとも第1の接続部P1および制御弁50の間の区間は、第2の接続部P2の近傍を含んで直線状に形成されており、第1の接続部P1よりも鉛直方向にて上方に設けられている。
これにより、第1の接続部P1および制御弁50の間の液相冷媒LP-COOを、重力によって、第1の接続部P1へ向けて円滑に流すことができる。また、上述の通り、第1の接続部P1は、第1のタンク61より鉛直方向の上方に配置されている。したがって、第1の接続部P1および制御弁50の間の液相冷媒LP-COOを、重力によって、第1の接続部P1を介して、蒸発部10へ向けて円滑に流すことができる。また、制御弁50が閉じられている場合に、蒸発部10から流れる気相冷媒GP-COO中に含まれる液相冷媒LP-COOは、第2の接続部P2から制御弁50まで流れ、制御弁50に衝突した後に逆流し、鉛直方向の下方に配置された第1のタンク61に流れ落ちる。このため、蒸発部10から流れる気相冷媒GP-COO中に含まれる液相冷媒LP-COOが、第2の接続部P2にて第3の蒸気管VP3に流入することを抑制できる。この結果、蒸発部10から流れる気相冷媒GP-COO中に含まれる液相冷媒LP-COOが圧縮機30に流入することを抑制できる。
また、本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000において、第2の接続部P2の近傍では、第3の蒸気管VP3は、鉛直方向の上方側に向かって延出するように設けられている。第2の接続部P2は、第2の蒸気管VP2および第3の蒸気管VP3の接続部であって制御弁50よりも第1の接続部P1側の接続部である。
これにより、制御弁50が閉じられた際に、蒸発部10から流れる気相冷媒GP-COOを、円滑に、鉛直方向の上方へ誘導し圧縮機30へ導くことができる。
また、本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000において、第1の液管LP1と、第2の液管LP2とを備えている。第1の液管LP1は、凝縮部20および第1のタンク61の間を、膨張弁40を介して接続する。第2の液管LP2は、第1のタンク61および蒸発部10の間を接続する。
このように、冷却装置1000では、蒸発部10および凝縮部20を、第1のタンク61を介して、2本の液管LP(第1の液管LP1、第2の液管LP2)で接続している。これにより、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COOを第1のタンク61に一時的に貯留することができる。ここで、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COO内に気相冷媒GP-COOが混在することがある。しかしながら、液相冷媒LP-COOを第1のタンク61に一時的に貯留することにより、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COO内に混在する気相冷媒GP-COOを液相冷媒LP-COOと分離することができる。また、第1のタンク61は、第1の蒸気管VP1にも接続されている。このため、蒸気管VPを流れる気相冷媒GP-COOに含まれる液相冷媒LP-COOを貯留することもできる。すなわち、第1の蒸気管VP1、第1の液管LP1および第2の液管LP2が第1のタンク61に接続されている。このため、第1のタンク61は、蒸気管VP内を流れる気相冷媒GP-COOに含まれる液相冷媒LP-COOを貯留するとともに、液管LP内を流れる液相冷媒LP-COOを貯留することができる。
また、本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000は、第1のポンプ91をさらに備えている。第1のポンプ91は、第1のタンク61および蒸発部10の間の第2の液管LP2上に設けられている。第1のポンプ91は、第1のタンク61内に貯留されている液相冷媒LP-COOを第1のタンク61から蒸発部10へ送る。
このように、第1のポンプ91を設けることにより、第1のタンク61から蒸発部10に流入させる液相冷媒LP-COOの送出量を調整することができる。
また、本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000は、第2のタンク62をさらに備えている。第2のタンク62は、凝縮部20および膨張弁40の間の第1の液管LP1上に設けられている。第2のタンク62は、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COOを貯留する。
これにより、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COOを第2のタンク62に一時的に貯留することができる。ここで、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COO内に気相冷媒GP-COOが混在することがある。しかしながら、液相冷媒LP-COOを第2のタンク62に一時的に貯留することにより、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COO内に混在する気相冷媒GP-COOを液相冷媒LP-COOと分離することができる。この結果、第2のタンク62から流出する液相冷媒LP-COO内に気相冷媒GP-COOが含まれることを抑制することができる。
本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000は、第2のポンプ92をさらに備えている。第2のポンプ92は、第2のタンク62および膨張弁40の間の第1の液管LP1上に設けられている。第2のポンプ92は、第2のタンク62内に貯留されている液相冷媒LP-COOを第2のタンク62から膨張弁40へ送る。
このように、第2のポンプ92を設けることにより、第2のタンク62から膨張弁40に流入させる液相冷媒LP-COOの送出量を調整することができる。
本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000は、制御部80をさらに備えている。制御部80は、自然循環式冷却サイクル(第1の循環経路)と、圧縮冷凍サイクル(第2の循環経路)のいずれか一方に冷媒COOを流す制御を制御弁50の開閉によって行う。
自然循環式冷却サイクル(第1の循環経路)は、蒸発部10および凝縮部20の間で圧縮機30を介さずに冷媒COOが循環するように設定されている。圧縮冷凍サイクル(第2の循環経路)は、蒸発部10および凝縮部20の間で圧縮機30を介して冷媒COOが循環するように設定されている。
これにより、冷却装置1000は、制御弁50の開閉によって、自然循環式冷却サイクルでの動作または圧縮冷凍サイクルでの動作を切り換えながら、発熱体Hを冷却することができる。自然循環式冷却サイクルで冷却装置1000を動作させる場合は、圧縮機30および膨張弁40を動作させる必要がないので、常に圧縮冷凍サイクルで冷却装置1000を動作させる場合と比較して消費電力を低く抑えることができる。
また、本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000において、制御部80は、凝縮部20近傍の外気温度Taに基づいて、自然循環式冷却サイクル(第1の循環経路)と圧縮冷凍サイクル(第2の循環経路)のいずれか一方に冷媒COOを流す制御を制御弁50の開閉によって行う。
このように、制御部80は、凝縮部20近傍の外気温度Taを用いて、自然循環式冷却サイクルでの動作または圧縮冷凍サイクルでの動作を簡単に切り換えながら、発熱体Hを冷却することができる。
本発明の第1の実施の形態における圧縮ユニット700は、蒸発部10と、凝縮部20とに接続される。蒸発部10は、発熱体Hの熱を受熱して、内部に貯留されている液相冷媒LP-COOを発熱体Hの熱により蒸発させて、気相冷媒GP-COOを流出させる。凝縮部20は、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOを凝縮して、液相冷媒LP-COOを蒸発部10へ流出させる。
圧縮ユニット700は、圧縮機30と、膨張弁40と、制御弁50と、第1のタンク61と、蒸気管VPと、液管LPとを備えている。
圧縮機30は、蒸発部10および凝縮部20に接続されている。圧縮機30は、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOを圧縮する。膨張弁40は、蒸発部10および凝縮部20に接続されている。膨張弁40は、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COOを膨張させる。制御弁50は、蒸発部10から凝縮部20へ流れる気相冷媒GP-COOの流れを制御する。第1のタンク61は、蒸発部10および凝縮部20に接続されている。第1のタンク61は、液相冷媒LP-COOを貯留する。
蒸気管VPは、蒸発部10、凝縮部20および第1のタンク61を接続する。蒸気管VPは、蒸発部10から凝縮部20へ気相冷媒GP-COOを流すためのものである。液管LPは、蒸発部10および凝縮部20を接続する。液管LPは、凝縮部20から蒸発部10へ液相冷媒LP-COOを流すためのものである。
蒸気管VPは、第1の蒸気管VP1と、第2の蒸気管VP2と、第3の蒸気管VP3とを含んでいる。第1の蒸気管VP1は、蒸発部10および第1のタンク61を接続する。第2の蒸気管VP2は、第1の蒸気管VP1および凝縮部20を、制御弁50を介して接続する。第3の蒸気管VP3は、第2の蒸気管VP2から分岐し、圧縮機30を介して第2の蒸気管VP2へ再接続する。
第1の接続部P1は、第1のタンク61よりも鉛直方向にて上方に設けられている。なお、第1の接続部P1は、第1の蒸気管VP1および第2の蒸気管VP2の接続部である。
このような圧縮ユニット700であっても、冷却装置1000と同様の効果を奏することができる。
また、本発明の第1の実施の形態における圧縮ユニット700において、第1の蒸気管VP1のうち、少なくとも第1の接続部P1および第1のタンク61の間の区間は、第1の接続部P1の近傍を含んで、直線状に形成されている。
このような圧縮ユニット700であっても、冷却装置1000と同様の効果を奏することができる。
<第1の実施の形態の第1の変形例>
本発明の第1の実施の形態における冷却装置の第1の変形例1000Aについて、図に基づいて説明する。
冷却装置1000Aは、冷却装置1000と同様に発熱体Hを冷却する。図9は、冷却装置1000Aの構成を示す図である。また、図9では、図1~図8で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1~図8に示した符号と同等の符号を付している。
図9を参照して、冷却装置1000Aは、蒸発部10と、凝縮部20と、圧縮機30と、膨張弁40と、制御弁50と、第1のタンク61と、第2のタンク62と、温度計70と、制御部80と、第1のポンプ91と、第2のポンプ92と、ファンFとを備えている。なお、本実施形態において、第2のタンク62、温度計70、第1のポンプ91、第2のポンプ92およびファンFは、必須の構成要素ではなく、省略することができる。
また、図9を参照して、冷却装置1000Aは、蒸気管VP-Aおよび液管LPを備えている。蒸気管VP-Aは、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2および第3の蒸気管VP3-Aを含む。液管LPは、第1の液管LP1および第2の液管LP2を含む。
また、冷却装置1000と同様に、発熱体H(図9にて不図示)が蒸発部10の近傍に配置されている。
ここで、冷却装置1000Aおよび冷却装置1000を対比する。
図1を参照して説明したように、冷却装置1000では、圧縮機30は、制御弁50よりも鉛直方向にて上方に設けられていた。これに対して、冷却装置1000Aでは、圧縮機30は、制御弁50よりも鉛直方向にて下方に設けられていた。この点で、冷却装置1000および冷却装置1000Aは互いに相違する。
ここで、第2の接続部P2および第3の接続部P3の近傍では、第3の蒸気管VP3-Aは、鉛直方向の上方側に向かって延出するように設けられている。これにより、とくに、
第2の接続部P2において、制御弁50が閉じられた際に、蒸発部10から流れる気相冷媒GP-COOを、円滑に、鉛直方向の上方へ誘導し圧縮機30へ導くことができる。
以上、冷却装置1000Aの各構成について、説明した。
つぎに、冷却装置1000Aの動作については、冷却装置1000と同様である。
また、本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000において、第2の接続部P2の近傍では、第3の蒸気管VP3-Aは、鉛直方向の上方側に向かって延出するように設けられている。第2の接続部P2は、第2の蒸気管VP2および第3の蒸気管VP3-Aの接続部であって制御弁50よりも第1の接続部P1側の接続部である。
これにより、制御弁50が閉じられた際に、蒸発部10から流れる気相冷媒GP-COOを、円滑に、鉛直方向の上方へ誘導し圧縮機30へ導くことができる。
<第1の実施の形態の第2の変形例>
本発明の第1の実施の形態における冷却装置の第2の変形例1000Bについて、図に基づいて説明する。
冷却装置1000Bは、冷却装置1000と同様に発熱体Hを冷却する。図10は、冷却装置1000Bの構成を示す図である。また、図10では、図1~図9で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1~図9に示した符号と同等の符号を付している。
図10を参照して、冷却装置1000Bは、蒸発部10と、凝縮部20と、圧縮機30と、膨張弁40と、制御弁50と、第1のタンク61と、第2のタンク62と、温度計70と、制御部80と、第1のポンプ91と、第2のポンプ92と、ファンFとを備えている。なお、本実施形態において、第2のタンク62、温度計70、第1のポンプ91、第2のポンプ92およびファンFは、必須の構成要素ではなく、省略することができる。
また、図10を参照して、冷却装置1000Bは、蒸気管VPおよび液管LPを備えている。蒸気管VPは、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2および第3の蒸気管VP3を含む。液管LPは、第1の液管LP1および第2の液管LP2を含む。また、冷却装置1000Bは、バイパス管BPをさらに備えている。
また、冷却装置1000と同様に、発熱体H(図10にて不図示)が蒸発部10の近傍に配置されている。
ここで、冷却装置1000Aおよび冷却装置1000を対比する。
図10を参照して、冷却装置1000Bでは、バイパス管BPをさらに備えている点で、冷却装置1000と相違する。
すなわち、図10に示されるように、バイパス管BPは、第1の蒸気管VP1とは別に、第1の接続部P1および第1のタンク61を接続する。また、バイパス管BPは、第1の接続部P1付近では第2の蒸気管VP2の延在方向に沿って設けられている。
このように、バイパス管BPを設けたことにより、とくに圧縮冷凍サイクルでの動作から自然循環式冷却サイクルでの動作へ切り換える際に、逆流する液相冷媒LP-COOが、蒸発部10へ向けて第1の蒸気管VP1内を流れることを抑制できる。
すなわち、第1の実施の形態で図4~図6を用いて説明した内容と同様に、冷却装置1000Bでも、圧縮冷凍サイクルでの動作から自然循環式冷却サイクルでの動作へ切り換える際に、制御部80は、膨張弁40を開放して、膨張機能を無効にし(図5のS141)、圧縮機30を停止し、制御弁50を開放する(図5のS142)。
このとき、図6で説明したように、太線の区間内にある冷媒COOが、太線でない区間側に流れる。とくに、第2の蒸気管VP2の内部にある冷媒COOが逆流する。このとき、逆流する冷媒COOのうち、液相冷媒LP-COOは、第3の接続部P3側から第2の接続部P2側へ向けて、制御弁50を介して、第2の液管LP2内を流れる。
ここで、第1の実施の形態における冷却装置1000では、逆流する冷媒COOのうち、液相冷媒LP-COOは、第1の接続部P1に達すると、第1の蒸気管VP1の内壁に衝突した後、第1のタンク61に流入していた。
これに対して、本実施形態の冷却装置1000Bでは、逆流する冷媒COOのうち、液相冷媒LP-COOは、第1の接続部P1に達すると、第1の蒸気管VP1を通過して、バイパス管BP内に流入する。そして、逆流する冷媒COOのうち、液相冷媒LP-COOは、バイパス管BPを介して、第1のタンク61に流入する。
このように、バイパス管BPを設けたことにより、逆流する冷媒COOのうち、液相冷媒LP-COOは、第1の接続部P1にて第1の蒸気管VP1の内壁に衝突せずに、バイパス管BPに流入する。このため、逆流する液相冷媒LP-COOを、より円滑に第1のタンク61に流入させることができる。この結果、とくに圧縮冷凍サイクルでの動作から自然循環式冷却サイクルでの動作へ切り換える際に、逆流する液相冷媒LP-COOが、蒸発部10へ向けて第1の蒸気管VP1内を流れることを抑制できる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態における冷却装置1000Cについて、図に基づいて説明する。
冷却装置1000Cは、発熱体Hを冷却する。図11は、冷却装置1000Cの構成を示す図である。図12は、冷却装置1000Cの構成を示す模式図である。また、図11および図12では、図1~図10で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1~図10に示した符号と同等の符号を付している。
図11および図12を参照して、冷却装置1000Cは、冷却装置1000と同様に、蒸発部10と、凝縮部20と、圧縮機30と、膨張弁40と、制御弁50と、第1のタンク61と、第2のタンク62と、温度計70と、制御部80と、第1のポンプ91と、第2のポンプ92と、ファンFとを備えている。なお、本実施形態においても、第2のタンク62、温度計70、第1のポンプ91、第2のポンプ92およびファンFは、必須の構成要素ではなく、省略することができる。
また、図11および図12を参照して、冷却装置1000Cは、蒸気管VPおよび液管LP-Aを備えている。蒸気管VPは、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2および第3の蒸気管VP3を含む。液管LP-Aは、第3の液管LP3および第4の液管LP4を含む。
また、冷却装置1000と同様に、発熱体H(図11および図12にて不図示)が蒸発部10の近傍に配置されている。
ここで、冷却装置1000と冷却装置1000Cを対比する。
冷却装置1000では、液管LPは、第1の液管LP1および第2の液管LP2により構成されていた。これに対して、冷却装置1000Cでは、液管LP-Aは、第3の液管LP3および第4の液管LP4により構成されている。
図11および図12に示されるように、第3の液管LP3は、蒸発部10および凝縮部20の間を接続する。第3の液管LP3には、膨張弁40、第2のタンク62、第1のポンプ91および第2のポンプ92が取り付けられている。第3の液管LP3は、第4の接続部P4で、第4の液管LP4に接続されている。すなわち、第4の接続部P4は、第3の液管LP3および第4の液管LP4を接続する点である。
図11および図12に示されるように、第4の液管LP4は、第1のタンク61および第3の液管LP3の間を接続する。第4の液管LP4は、第4の接続部P4で、第3の液管LP3と接続されている。
以上、冷却装置1000Cの各構成について、説明した。
つぎに、冷却装置1000Cの動作について説明する。ここでは、自然循環式冷却サイクル(第1の循環経路)での冷却装置1000Cの動作と、圧縮冷凍サイクル(第2の循環経路)で冷却装置1000Cの動作とを分けて説明する。なお、第1の実施の形態での説明と重複する場合には、説明を簡潔にするか、省略する。
まず、自然循環式冷却サイクルでの冷却装置1000Cの動作について説明する。自然循環式冷却サイクルとは、上述の通り、蒸発部10および凝縮部20の間で圧縮機30を介さずに冷媒COOが循環するように設定された循環経路をいう。
自然循環式冷却サイクルでは、制御部80は、制御弁50を開き、圧縮機30および膨張弁40の動作を停止させている。
蒸発部10は、発熱体Hの熱を受けて、内部に貯留されている液相冷媒LP-COOを発熱体Hの熱により蒸発させて、気相冷媒GP-COOを生成する。そして、蒸発部10は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2および制御弁50を介して、気相冷媒GP-COOを凝縮部20へ流出させる。
つぎに、凝縮部20は、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOを凝縮して、液相冷媒LP-COOを流出させる。なお、凝縮部20は、ファンFによって常に冷却されている。
凝縮部20により生成された液相冷媒LP-COOは、膨張弁40、第2のタンク62、第1のポンプ91、第2のポンプ92および第3の液管LP3を介して、蒸発部10に流入する。すなわち、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COOは、第2のタンク62に流入され、第2のタンク62内に一時的に貯留される。
つぎに、第2のポンプ92は、第2のタンク62に貯留されている液相冷媒LP-COOを、膨張弁40および第3の液管LP3を介して、蒸発部10へ送出させる。第2のポンプ92は、たとえば、第2のタンク62内の液面が所定の高さ以下になったときに、動作する。なお、自然循環式冷却サイクルでは、膨張弁40は開放されていて機能していない。
このとき、第1のポンプ91は、第1のタンク61に貯留されている液相冷媒LP-COOを、蒸発部10へ送出させる。より具体的には、第1のポンプ91は、第1のタンク61に貯留されている液相冷媒LP-COOを、第4の液管LP4および第3の液管LP3を介して、蒸発部10へ送出させる。第1のポンプ91は、たとえば、第1のタンク61内の液面が所定の高さ以下になったときに、動作する。第1のタンク61から流出する液相冷媒LP-COOと、第2のタンク62から流出する液相冷媒LP-COOは、第4の接続部P4で合流し、第1のポンプ91の圧送力によって蒸発部10に流入される。
つぎに、蒸発部10は、発熱体Hの熱を受けて、再び、内部に貯留されている液相冷媒LP-COOを発熱体Hの熱により蒸発させて、気相冷媒GP-COOを生成する。そして、蒸発部10は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2および制御弁50を介して、気相冷媒GP-COOを凝縮部20へ流出させる。
以上の通り、自然循環式冷却サイクルでは、冷却装置1000Cは、蒸発部10および凝縮部20の間で、圧縮機30を介さずに、冷媒COOを循環させて、発熱体Hを冷却する。冷却装置1000Cは、以上の動作を繰り返し実行する。
つぎに、圧縮冷凍サイクルで冷却装置1000Cの動作について説明する。圧縮冷凍サイクルとは、上述の通り、蒸発部10および凝縮部20の間で圧縮機30を介して冷媒COOが循環するように設定された循環経路をいう。
圧縮冷凍サイクルでは、制御部80は、制御弁50は閉じ、圧縮機30および膨張弁40を作動させている。
蒸発部10は、発熱体Hの熱を受けて、内部に貯留されている液相冷媒LP-COOを発熱体Hの熱により蒸発させて、気相冷媒GP-COOを生成する。
そして、蒸発部10は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2、第3の蒸気管VP3および圧縮機30を介して、気相冷媒GP-COOを凝縮部20へ流出させる。この具体的な動作は、第1の実施の形態で説明した通りである。
つぎに、凝縮部20は、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOを凝縮して、液相冷媒LP-COOを流出させる。なお、凝縮部20は、ファンFによって常に冷却されている。
凝縮部20により生成された液相冷媒LP-COOは、膨張弁40、第2のタンク62、第1のポンプ91、第2のポンプ92および第3の液管LP3を介して、蒸発部10に流入する。すなわち、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COOは、第2のタンク62に流入され、第2のタンク62内に一時的に貯留される。
つぎに、第2のポンプ92は、第2のタンク62に貯留されている液相冷媒LP-COOを、膨張弁40および第3の液管LP3を介して、蒸発部10へ送出させる。このとき、膨張弁40は、自然循環式冷却サイクルと異なり、開放されておらず、機能している。したがって、具体的な動作は、次の通りとなる。すなわち、凝縮部20により生成された液相冷媒LP-COOは、第3の液管LP3を介して、膨張弁40に流入する。膨張弁40は、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COOを減圧して膨張させる。これにより、膨張弁40で膨張された液相冷媒LP-COOは、気相冷媒GP-COOに相変化しやすくなる。膨張弁40により膨張された液相冷媒LP-COOは、第3の液管LP3を介して蒸発部10へ流入される。
このとき、第1のポンプ91は、第1のタンク61に貯留されている液相冷媒LP-COOを、蒸発部10へ送出させる。より具体的には、第1のポンプ91は、第1のタンク61に貯留されている液相冷媒LP-COOを、第4の液管LP4および第3の液管LP3を介して、蒸発部10へ送出させる。第2のポンプ92は、第2のタンク62に貯留されている液相冷媒LP-COOを、膨張弁40および第3の液管LP3を介して、蒸発部10へ送出させる。第1のタンク61から流出する液相冷媒LP-COOと、第2のタンク62から流出する液相冷媒LP-COOは、第4の接続部P4で合流し、第1のポンプ91の圧送力によって蒸発部10に流入される。
つぎに、蒸発部10は、発熱体Hの熱を受けて、再び、内部に貯留されている液相冷媒LP-COOを発熱体Hの熱により蒸発させて、気相冷媒GP-COOを生成する。そして、蒸発部10は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2、および第3の蒸気管VP3および圧縮機30を介して、気相冷媒GP-COOを凝縮部20へ流出させる。冷却装置1000Cは、以上の動作を繰り返し実行する。
以上の通り、圧縮冷凍サイクルでは、冷却装置1000Cは、蒸発部10および凝縮部20の間で、圧縮機30を介して冷媒COOを循環させて、発熱体Hを冷却する。
以上、冷却装置1000Cの動作について、自然循環式冷却サイクルでの冷却装置1000の動作と、圧縮冷凍サイクルで冷却装置1000Cの動作とを分けて説明した。
なお、圧縮冷凍サイクルでの動作から自然循環式冷却サイクルでの動作へ切り換える際の冷却装置1000Cの動作と、自然循環式冷却サイクルでの動作から圧縮冷凍サイクルでの動作へ切り換える際の冷却装置1000Cの動作については、第1の実施の形態で説明した内容と同様である。
なお、上述の説明では、制御部80は、圧縮機30、膨張弁40、制御弁50、温度計70、第1のポンプ91、第2のポンプ92およびファンFを制御すると説明した。しかしながら、制御部80を設けることなく、圧縮機30、膨張弁40、制御弁50、温度計70、第1のポンプ91、第2のポンプ92およびファンFを手動で操作することもできる。
以上の通り、本発明の第2の実施の形態における冷却装置1000Cにおいて、蒸発部10および凝縮部20は、第1のタンク61を介することなく、第3の液管LP3により接続されてもよい。この場合、第1のタンク61および第3の液管LP3は、第4の液管LP4により接続される。このような構成であっても、上述したような効果と同様の効果を奏することができる。
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態における冷却装置1000Dについて、図に基づいて説明する。ここで、上述した冷却装置1000~1000Cは、冷却装置1000Dの一例である。
冷却装置1000Dは、発熱体Hを冷却する。図13は、冷却装置1000Dの構成を示す図である。図14は、冷却装置1000Dの設置例を示す図である。図15は、冷却装置1000Dの構成を示す模式図である。また、図13~図15では、図1~図12で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1~図12に示した符号と同等の符号を付している。
図13~図15を参照して、冷却装置1000Dは、蒸発部10と、凝縮部20と、圧縮機30と、膨張弁40と、制御弁50と、第1のタンク61と、温度計70と、制御部80とを備えている。なお、本実施形態において、温度計70および制御部80は、必須の構成要素ではなく、省略することができる。
また、図13~図15を参照して、冷却装置1000Dは、蒸気管VPおよび液管LPを備えている。蒸気管VPは、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2および第3の蒸気管VP3を含む。液管LPは、第1の液管LP1および第2の液管LP2を含む。
凝縮部20は、たとえば室外機に含まれる。室外機は、通常、屋外(たとえば、データセンターのサーバルームの外)に設置される。
また、圧縮機30、膨張弁40、制御弁50、第1のタンク61は、圧縮ユニット700Dに含まれる。図16は、圧縮ユニット700Dの構成を示す図である。なお、図16では、制御部80を省略している。圧縮ユニット700Dは、屋内(たとえば、データセンターのサーバルームの中)に設置される。
ここで、発熱体Hは、稼働すると熱を発する装置であって、たとえばサーバルーム内に設置されたサーバ装置等の電子装置である。
冷却装置1000Dは、蒸発部10および凝縮部20の間で第1のタンク61を介して冷媒COOを循環させる。また、冷却装置1000Dは、蒸発部10、凝縮部20、圧縮機30および膨張弁40の間で、第1のタンク61を介して冷媒COOを循環させる。
以下、冷却装置1000Dの各構成について、説明する。
蒸発部10は、発熱体Hの近傍に設けられている。蒸発部10は、圧縮機30または制御弁50を介して、蒸気管VPによって凝縮部20に接続されている。
蒸発部10は、発熱体Hの熱を受熱して、内部に貯留されている液相冷媒LP-COOを発熱体Hの熱により蒸発させて、気相冷媒GP-COOを流出させる。
凝縮部20は、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOを凝縮して、液相冷媒LP-COOを蒸発部10へ流出させる。
圧縮機30は、蒸発部10および凝縮部20に接続されている。圧縮機30は、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOを圧縮する。
膨張弁40は、蒸発部10および凝縮部20に接続されている。膨張弁40は、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COOを膨張させる。
制御弁50は、蒸発部10および凝縮部20に接続されている。制御弁50は、蒸発部10から凝縮部20へ流れる気相冷媒GP-COOの流れを制御する。
第1のタンク61は、蒸発部10よりも鉛直方向にて下方に配置されている。また、第1のタンク61は、蒸発部10および凝縮部20に接続されている。第1のタンク61は、液相冷媒LP-COOを貯留する。
温度計70は、制御部80の指示にしたがって、外気温度を測定する。ここで、外気温度とは、外気に晒された場所の温度をいう。
制御部80は、少なくとも、圧縮機30、膨張弁40、制御弁50および温度計70を制御する。
また、制御部80は、上述の自然循環式冷却サイクルと圧縮式冷凍サイクルのいずれか一方に冷媒COOを流す制御を制御弁50の開閉によって行う。なお、自然循環式冷却サイクルとは、上述の通り、蒸発部10および凝縮部20の間で圧縮機30を介ざすに冷媒COOが循環するように設定された経路をいう。圧縮式冷凍サイクルとは、蒸発部10および凝縮部20の間で圧縮機30を介して冷媒COOが循環するように設定された経路をいう。
次に、配管関係を説明する。蒸気管VPは、蒸発部10および凝縮部20を、第1のタンク61を介して接続する。蒸気管VPは、蒸発部10から凝縮部20へ液相冷媒LP-COOを流すための管である。上述の通り、蒸気管VPは、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2および第3の蒸気管VP3を含む。
第1の蒸気管VP1は、蒸発部10および第1のタンク61を接続する。
第2の蒸気管VP2は、第1の蒸気管VP1および凝縮部20を、制御弁50を介して接続する。
ここで、第1の接続部P1は、第1のタンク61よりも鉛直方向にて上方に設けられている。これにより、第1の接続部P1および第1のタンク61の間の液相冷媒LP-COOを、重力によって第1のタンク61に向けて円滑に流すことができる。また、第1のタンク61に貯留されている液相冷媒LP-COOが、第1の接続部P1を介して、蒸発部10および第2の蒸気管VP2に流入することを抑制できる。
第3の蒸気管VP3は、第2の接続部P2にて第2の蒸気管VP2から分岐し、圧縮機30を介して、第3の接続部P3にて第2の蒸気管VP2へ再接続するように設けられている。第2の接続部P2は、第2の蒸気管VP2および第3の蒸気管VP3の接続部であって、制御弁50よりも第1の接続部P1側の接続部である。第3の接続部P3は、第2の蒸気管VP2および第3の蒸気管VP3の接続部であって、制御弁50よりも凝縮部20側の接続部である。
液管LPは、蒸発部10および凝縮部20を、第1のタンク61を介して接続する。液管LPは、凝縮部20から蒸発部10へ気相冷媒LP-COOを流すための管である。液管LPは、第1の液管LP1および第2の液管LP2を含む。
第1の液管LP1は、凝縮部20および第1のタンク61の間を、膨張弁40を介して接続する。
第2の液管LP2は、第1のタンク61および蒸発部10の間を接続する。
以上、冷却装置1000Dの各構成について、説明した。
つぎに、冷却装置1000Dの動作について説明する。ここでは、自然循環式冷却サイクル(第1の循環経路)での冷却装置1000の動作と、圧縮冷凍サイクル(第2の循環経路)で冷却装置1000Dの動作とを分けて説明する。
まず、自然循環式冷却サイクルでの冷却装置1000Dの動作について説明する。自然循環式冷却サイクルとは、上述の通り、蒸発部10および凝縮部20の間で圧縮機30を介さずに冷媒COOが循環するように設定された循環経路をいう。
自然循環式冷却サイクルでは、制御部80は、制御弁50を開き、圧縮機30および膨張弁40の動作を停止させている。
蒸発部10は、発熱体Hの熱を受けて、内部に貯留されている液相冷媒LP-COOを発熱体Hの熱により蒸発させて、気相冷媒GP-COOを生成する。そして、蒸発部10は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2および制御弁50を介して、気相冷媒GP-COOを凝縮部20へ流出させる。これにより、気相冷媒GP-COOが凝縮部20に流入する。このとき、制御弁50は開かれており、圧縮機30は動作していない。このため、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOは、圧縮機30側へ流れることなく、制御弁50側へ流れる。
つぎに、凝縮部20は、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOを凝縮して、液相冷媒LP-COOを流出させる。
凝縮部20により生成された液相冷媒LP-COOは、第1の液管LP1および膨張弁40を介して第1のタンク61に流入され、第1のタンク61内に一時的に貯留される。なお、自然循環式冷却サイクルでは、膨張弁40は開放されていて機能していない。
つぎに、第1のタンク61に貯留されている液相冷媒LP-COOは、第2の液管LP2を介して、蒸発部10に流入される。
つぎに、蒸発部10は、発熱体Hの熱を受けて、再び、内部に貯留されている液相冷媒LP-COOを発熱体Hの熱により蒸発させて、気相冷媒GP-COOを生成する。そして、蒸発部10は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2および制御弁50を介して、気相冷媒GP-COOを凝縮部20へ流出させる。
以上の通り、自然循環式冷却サイクルでは、冷却装置1000Dは、蒸発部10および凝縮部20の間で、圧縮機30を介さずに、冷媒COOを循環させて、発熱体Hを冷却する。
つぎに、圧縮冷凍サイクルで冷却装置1000Dの動作について説明する。圧縮冷凍サイクルとは、上述の通り、蒸発部10および凝縮部20の間で圧縮機30を介して冷媒COOが循環するように設定された循環経路をいう。
圧縮冷凍サイクルでは、制御部80は、制御弁50は閉じ、圧縮機30および膨張弁40を作動させている。
蒸発部10は、発熱体Hの熱を受けて、内部に貯留されている液相冷媒LP-COOを発熱体Hの熱により蒸発させて、気相冷媒GP-COOを生成する。
そして、蒸発部10は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2、第3の蒸気管VP3および圧縮機30を介して、気相冷媒GP-COOを凝縮部20へ流出させる。
気相冷媒GP-COOは、圧縮機30による圧送力により、第1の接続部P1を介して、第1の蒸気管VP1から第2の蒸気管VP2へ流れる。
さらに、気相冷媒GP-COOは、圧縮機30による圧送力により、第2の接続部P2を介して、第2の蒸気管VP2から第3の蒸気管VP3へ流れ、圧縮機30に流入する。
つぎに、圧縮機30は、当該圧縮機30の内部に流入する気相冷媒GP-COOに圧力を加える。これにより、圧縮機30で圧縮された気相冷媒GP-COOは、液相冷媒LP-COOに相変化しやすくなる。気相冷媒GP-COOは、圧縮機30に流入した後、当該圧縮機30による圧送力によって第3の接続部P3を介して凝縮部20へ流入する。このとき、制御弁50は閉じられているので、気相冷媒GP-COOが制御弁50を通ることはない。
つぎに、凝縮部20は、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOを凝縮して、液相冷媒LP-COOを流出させる。
凝縮部20により生成された液相冷媒LP-COOは、第1の液管LP1および膨張弁40を介して第1のタンク61に流入される。このとき、膨張弁40は、自然循環式冷却サイクルと異なり、開放されておらず、機能している。すなわち、凝縮部20により生成された液相冷媒LP-COOは、第1の液管LP1を介して、膨張弁40に流入する。膨張弁40は、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COOを減圧して膨張させる。これにより、膨張弁40で膨張された液相冷媒LP-COOは、気相冷媒GP-COOに相変化しやすくなる。膨張弁40により膨張された液相冷媒LP-COOは、第1の液管LP1を介して第1のタンク61内に流入し、第1のタンク61に一時的に貯留される。
つぎに、第1のタンク61に貯留されている液相冷媒LP-COOは、第2の液管LP2を介して、蒸発部10に流入される。
つぎに、蒸発部10は、発熱体Hの熱を受けて、再び、内部に貯留されている液相冷媒LP-COOを発熱体Hの熱により蒸発させて、気相冷媒GP-COOを生成する。そして、蒸発部10は、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2、および第3の蒸気管VP3および圧縮機30を介して、気相冷媒GP-COOを凝縮部20へ流出させる。
以上の通り、圧縮冷凍サイクルでは、冷却装置1000Dは、蒸発部10および凝縮部20の間で、圧縮機30を介して冷媒COOを循環させて、発熱体Hを冷却する。
以上、冷却装置1000Dの動作について、自然循環式冷却サイクルでの冷却装置1000Dの動作と、圧縮冷凍サイクルで冷却装置1000Dの動作とを分けて説明した。
つぎに、圧縮冷凍サイクルでの動作から自然循環式冷却サイクルでの動作へ切り換える際の冷却装置1000Dの動作について説明する。
図17は、圧縮冷凍サイクルでの動作から自然循環式冷却サイクルでの動作へ切り換える際の冷却装置1000Dの動作を示すフロー図である。図18は、圧縮冷凍サイクルでの動作から自然循環式冷却サイクルでの動作へ切り換える際の冷却装置1000Dの動作の一部を説明するためのフロー図である。なお、図17および図18は、基本的には図4および図5と同様である。
図17を参照して、冷却装置1000Dは、圧縮冷凍サイクルで動作している(S310)。すなわち、冷却装置1000は、圧縮冷凍サイクルにて、蒸発部10および凝縮部20の間で、圧縮機30を介して冷媒COOを循環させて、発熱体Hを冷却している。
つぎに、温度計70が、外気温度Taを測定する(S320)。制御部80は、温度計70から、外気温度Taと受け取る。
つぎに、制御部80は、予め設定されている外気温度の閾値T1(たとえば、20℃)と、外気温度Taを比較する(S330)。
制御部80による比較の結果、外気温度Taが、外気温度の閾値T1よりも小さい場合(S330、Yes)、冷却装置1000Dは、自然循環式冷却サイクルでの動作に切り換える(S340)。
制御部80による比較の結果、外気温度Taが、外気温度の閾値T1よりも小さくない場合(S330、No)、冷却装置1000Dは、自然循環式冷却サイクルでの動作に切り換えることなく、圧縮冷凍サイクルでの動作を継続する(S310)。
S340の動作について、具体的に説明する。図18に示されるように、制御部80は、膨張弁40を開放して、膨張機能を無効にする(S341)。
つぎに、制御部80は、圧縮機30を停止し、制御弁50を開放する(S342)。
つぎに、自然循環式冷却サイクルでの動作から圧縮冷凍サイクルでの動作へ切り換える際の冷却装置1000Dの動作について説明する。
図19は、自然循環式冷却サイクルでの動作から圧縮冷凍サイクルでの動作へ切り換える際の冷却装置1000Dの動作を示すフロー図である。図20は、自然循環式冷却サイクルでの動作から圧縮冷凍サイクルでの動作へ切り換える際の冷却装置1000Dの動作の一部を説明するためのフロー図である。なお、図19および図20は、基本的には図7および図8と同様である。
図19を参照して、冷却装置1000Dは、自然循環式冷却サイクルで動作している(S410)。すなわち、冷却装置1000Dは、自然循環式冷却サイクルにて、蒸発部10および凝縮部20の間で、圧縮機30を介さずに冷媒COOを循環させて、発熱体Hを冷却している。
つぎに、温度計70が、所定時間(たとえば、1時間)毎に、外気温度Taを測定する(S420)。具体的な処理は、図17のS320の処理と同様である。
つぎに、制御部80は、予め設定されている外気温度の閾値T1(たとえば、20℃)と、外気温度Taを比較する(S430)。
制御部80による比較の結果、外気温度Taが、外気温度の閾値T1よりも大きい場合(S430、Yes)、冷却装置1000Dは、圧縮冷凍サイクルでの動作に切り換える(S440)。
制御部80による比較の結果、外気温度Taが、外気温度の閾値T1よりも大きくない場合(S430、No)、冷却装置1000Dは、圧縮冷凍サイクルでの動作に切り換えることなく、自然循環式冷却サイクルでの動作を継続する(S410)。
S440の動作について、具体的に説明する。図20に示されるように、制御部80は、膨張弁40を動作させ、膨張機能を有効にする(S441)。具体的には、制御部80は、膨張弁40に対して、動作するように指示する。膨張弁40は、制御部80の指示に従って、動作する。
つぎに、制御部80は、圧縮機30を動作させ、制御弁50を閉じる(S442)。
冷却装置1000は、以上に説明した。以上に説明した自然循環式冷却サイクルおよび圧縮冷凍サイクルのいずれか一方への切り換えを所定時間(たとえば、1時間)毎に実行する。
以上、自然循環式冷却サイクルでの動作から圧縮冷凍サイクルでの動作へ切り換える際の冷却装置1000Dの動作について説明した。
なお、上述の説明では、制御部80は、圧縮機30、膨張弁40、制御弁50および温度計70を制御すると説明した。しかしながら、制御部80を設けることなく、圧縮機30、膨張弁40、制御弁50および温度計70を手動で操作することもできる。
以上の通り、本発明の第3の実施の形態における冷却装置1000は、蒸発部10と、凝縮部20と、圧縮機30と、膨張弁40と、制御弁50と、第1のタンク61と、蒸気管VPと、液管LPとを備えている。
蒸発部10は、発熱体Hの熱を受熱して、内部に貯留されている液相冷媒LP-COOを発熱体Hの熱により蒸発させて、気相冷媒GP-COOを流出させる。凝縮部20は、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOを凝縮して、液相冷媒LP-COOを蒸発部10へ流出させる。圧縮機30は、蒸発部10および凝縮部20に接続されている。圧縮機30は、蒸発部10から流出する気相冷媒GP-COOを圧縮する。膨張弁40は、蒸発部10および凝縮部20に接続されている。膨張弁40は、凝縮部20から流出する液相冷媒LP-COOを膨張させる。制御弁50は、蒸発部10から凝縮部20へ流れる気相冷媒GP-COOの流れを制御する。第1のタンク61は、蒸発部10および凝縮部20に接続されている。第1のタンク61は、液相冷媒LP-COOを貯留する。
蒸気管VPは、蒸発部10、凝縮部20および第1のタンク61を接続する。蒸気管VPは、蒸発部10から凝縮部20へ気相冷媒GP-COOを流すためのものである。液管LPは、蒸発部10および凝縮部20を接続する。液管LPは、凝縮部20から蒸発部10へ液相冷媒LP-COOを流すためのものである。
蒸気管VPは、第1の蒸気管VP1と、第2の蒸気管VP2と、第3の蒸気管VP3とを含んでいる。第1の蒸気管VP1は、蒸発部10および第1のタンク61を接続する。第2の蒸気管VP2は、第1の蒸気管VP1および凝縮部20を、制御弁50を介して接続する。第3の蒸気管VP3は、第2の蒸気管VP2から分岐し、圧縮機30を介して第2の蒸気管VP2へ再接続する。
第1の接続部P1は、第1の蒸気管VP1および第2の蒸気管VP2の接続部である。なお、第1の接続部P1は、第1のタンク61よりも鉛直方向にて上方に設けられている。
ここで、第1の蒸気管VP1内を流れる気相冷媒GP-COOの中には、液相冷媒LP-COOが混入する場合がある。これは、たとえば、第1の蒸気管VP1内を流れる気相冷媒GP-COOが、第1の蒸気管VP1の壁面と接触することによって冷却され、液相冷媒LP-COOに相変化してしまうことがあるからである。このとき、上述の通り、第1の接続部P1は、第1のタンク61よりも鉛直方向にて上方に設けられているので、第1の接続部P1および第1のタンク61の間の液相冷媒LP-COOを、重力によって第1のタンク61に向けて円滑に流すことができる。
また、とくに、圧縮冷凍サイクルでの動作から自然循環式冷却サイクルでの動作へ切り換える際などに、制御弁50を閉じた状態から開いた際に、液相冷媒LP-COOが制御弁50側から第1の接続部P1側へ逆流する場合がある。しかしながら、上述の通り、第1の接続部P1は、第1のタンク61よりも鉛直方向にて上方に設けられている。さらに、蒸発部10は、第1のタンク61よりも鉛直方向にて上方に設けられている。したがって、液相冷媒LP-COOが制御弁50側から第1の接続部P1側へ逆流しても、逆流する液相冷媒LP-COOを、第1の蒸気管VP1を介して、第1の接続部1よりも鉛直方向にて下方に配置されている第1のタンク61に円滑に流入させることができる。
このように、第1の蒸気管VP1内を流れる気相冷媒GP-COOの中に液相冷媒LP-COOが混入する場合や、圧縮冷凍サイクルでの動作から自然循環式冷却サイクルでの動作へ切り換える際などに液相冷媒LP-COOが制御弁50側から第1の接続部P1側へ逆流する場合であっても、液相冷媒LP-COOを円滑に第1のタンク61に導くことができる。このため、蒸気管VP(とくに、第1の蒸気管VP1、第2の蒸気管VP2)内の液相冷媒LP-COOを低減することができるので、蒸発部10により生成された気相冷媒GP-COOを円滑に凝縮部20へ流入させることができる。この結果、冷却装置1000によれば、発熱体Hの熱をより効率よく冷却できる。
また、前述の各実施の形態の一部または全部は、以下のようにも記載されうるが、以下に限定されない。
(付記1)
発熱体の熱を受熱して、内部に貯留されている液相状態の冷媒を前記発熱体の熱により蒸発させて、気相状態の冷媒を流出させる蒸発部と、
前記蒸発部から流出する気相状態の冷媒を凝縮して、液相状態の冷媒を前記蒸発部へ流出させる凝縮部と、
前記蒸発部および前記凝縮部に接続され、前記蒸発部から流出する気相状態の冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記蒸発部および前記凝縮部に接続され、前記凝縮部から流出する液相状態の冷媒を膨張させる膨張弁と、
前記蒸発部から前記凝縮部へ流れる気相状態の冷媒の流れを制御する制御弁と、
前記蒸発部よりも鉛直方向にて下方に配置され、前記蒸発部および前記凝縮部に接続され、液相状態の冷媒を貯留する第1のタンクと、
前記蒸発部、前記凝縮部および前記第1のタンクを接続し、前記蒸発部から前記凝縮部へ気相状態の冷媒を流すための蒸気管と、
前記蒸発部および前記凝縮部を接続し、前記凝縮部から前記蒸発部へ液相状態の冷媒を流すための液管とを備え、
前記蒸気管は、
前記蒸発部および前記第1のタンクを接続する第1の蒸気管と、
前記第1の蒸気管および前記凝縮部を、前記制御弁を介して接続する第2の蒸気管と、
前記第2の蒸気管から分岐し、前記圧縮機を介して、前記第2の蒸気管へ再接続する第3の蒸気管とを含み、
前記第1の蒸気管および前記第2の蒸気管の接続部である第1の接続部は、前記第1のタンクよりも鉛直方向にて上方に設けられている冷却装置。
(付記2)
前記第1の蒸気管のうち、少なくとも前記第1の接続部および前記第1のタンクの間の区間は、前記第1の接続部の近傍を含んで直線状に形成されている付記1に記載の冷却装置。
(付記3)
前記第2の蒸気管のうち、少なくとも前記第1の接続部および前記制御弁の間の区間は、前記第2の蒸気管および前記第3の蒸気管の接続部であって前記制御弁よりも前記第1の接続部の側の接続部である第2の接続部の近傍を含んで直線状に形成され、前記第1の接続部よりも鉛直方向にて上方に設けられている付記1または2に記載の冷却装置。
(付記4)
前記第2の蒸気管および前記第3の蒸気管の接続部であって前記制御弁よりも前記第1の接続部の側の接続部である第2の接続部の近傍では、前記第3の蒸気管は、鉛直方向の上方側に向かって延出するように設けられている付記1~3のいずれか1項に記載の冷却装置。
(付記5)
前記第1の接続部および前記第1のタンクを接続し、前記第1の接続部の付近では前記第2の蒸気管の延在方向に沿って設けられているバイパス管をさらに含んでいる付記1~4のいずれか1項に記載の冷却装置。
(付記6)
前記液管は、
前記凝縮部および前記第1のタンクの間を、前記膨張弁を介して接続する第1の液管と、
前記第1のタンクおよび前記蒸発部の間を接続する第2の液管とを備えた付記1~5のいずれか1項に記載の冷却装置。
(付記7)
前記第1のタンクおよび前記蒸発部の間の前記第2の液管に設けられ、前記第1のタンク内に貯留されている液相状態の冷媒を前記第1のタンクから前記蒸発部へ送る第1のポンプをさらに備えた付記6に記載の冷却装置。
(付記8)
前記凝縮部および前記膨張弁の間の前記第1の液管に設けられ、前記凝縮部から流出する液相状態の冷媒を貯留する第2のタンクをさらに備えた付記6または7に記載の冷却装置。
(付記9)
前記第2のタンクおよび前記膨張弁の間の前記第1の液管に設けられ、前記第2のタンク内に貯留されている液相状態の冷媒を前記第2のタンクから前記膨張弁へ送る第2のポンプをさらに備えた付記8に記載の冷却装置。
(付記10)
前記蒸発部および前記凝縮部の間で冷媒が循環するように設定された第1の循環経路と、前記蒸発部および前記凝縮部の間で前記圧縮機を介して冷媒が循環するように設定された第2の循環経路のいずれか一方に冷媒を流す制御を前記制御弁の開閉によって行う制御部をさらに備えた付記1~9のいずれか1項に記載の冷却装置。
(付記11)
前記制御部は、前記凝縮部の近傍の外気温度に基づいて、前記第1の循環経路と前記第2の循環経路のいずれか一方に冷媒を流す制御を前記制御弁の開閉によって行う付記10に記載の冷却装置。
(付記12)
発熱体の熱を受熱して、内部に貯留されている液相状態の冷媒を前記発熱体の熱により蒸発させて、気相状態の冷媒を流出させる蒸発部と、
前記蒸発部から流出する気相状態の冷媒を凝縮して、液相状態の冷媒を前記蒸発部へ流出させる凝縮部とに接続される圧縮ユニットであって、
前記蒸発部および前記凝縮部に接続され、前記蒸発部から流出する気相状態の冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記蒸発部および前記凝縮部に接続され、前記凝縮部から流出する液相状態の冷媒を膨張させる膨張弁と、
前記蒸発部から前記凝縮部へ流れる気相状態の冷媒の流れを制御する制御弁と、
前記蒸発部よりも鉛直方向にて下方に配置され、前記蒸発部および前記凝縮部に接続され、液相状態の冷媒を貯留する第1のタンクと、
前記蒸発部、前記凝縮部および前記第1のタンクを接続し、前記蒸発部から前記凝縮部へ気相状態の冷媒を流すための蒸気管と、
前記蒸発部および前記凝縮部を接続し、前記凝縮部から前記蒸発部へ液相状態の冷媒を流すための液管とを備え、
前記蒸気管は、
前記蒸発部および前記第1のタンクを接続する第1の蒸気管と、
前記第1の蒸気管および前記凝縮部を、前記制御弁を介して接続する第2の蒸気管と、
前記第2の蒸気管から分岐し、前記圧縮機を介して、前記第2の蒸気管へ再接続する第3の蒸気管とを含み、
前記第1の蒸気管および前記第2の蒸気管の接続部である第1の接続部は、前記第1のタンクよりも鉛直方向にて上方に設けられている圧縮ユニット。
(付記13)
前記第1の蒸気管のうち、少なくとも前記第1の接続部および前記第1のタンクの間の区間は、前記第1の接続部の近傍を含んで直線状に形成されている付記12に記載の圧縮ユニット。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。