JP7066945B2 - 止水構造 - Google Patents

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Description

本発明は、止水構造に関する。
下記特許文献1には、間隔を隔てて隣接する2つの建物躯体の間に設置するエキスパンションジョイントの構成が示されている。このエキスパンションジョイントにおいては、2つの建物躯体のそれぞれに、U字状に湾曲した止水板の端部を固定している。
特開2002-188216号公報
上記特許文献1のエキスパンションジョイントにおける止水板は、地震時に変形することで2つの建物躯体の相対変位に追随することができる。しかし追随できる変位には限界があり、大きな相対変位が生じた場合は止水板が損傷する可能性がある。
本発明は上記事実を考慮して、大きな相対変位が生じる構造物間に適用しても損傷しにくい止水構造を提供することを目的とする。
請求項1の止水構造は下部構造物と、前記下部構造物に設置された免震装置と、前記免震装置に支持された上部構造物と、前記下部構造物と前記上部構造物との間に設けられると共に、上端部が前記上部構造物に対して回転可能に連結されると共に自重によって下向きに付勢された止水板と、前記止水板の最下端部に固定され前記下部構造物における平坦な上面と摺動可能なシール部材と、を備えた止水部材と、を有する。
請求項1の止水構造によると、下部構造物に設置された免震装置に上部構造物が支持されている。このため地震時には、下部構造物と上部構造物とが相対変位する。
下部構造物と上部構造物との間に設けられた止水部材においては、止水板の上端部が上部構造物に対して回転可能に連結されている。このため、下部構造物と上部構造物とが上下方向に相対変位しても止水板が回転することで下部構造物及び上部構造物の変位に追随できる。このため止水部材は損傷しにくく、止水性を保持できる。
また止水部材の下端部には、シール部材が下部構造物と摺動可能に固定されている。このため、下部構造物と上部構造物とが横方向に相対変位しても止水部材は上部構造物と共に横方向に移動することで変位に追随できる。このため止水部材は損傷しにくく、止水性を保持できる。
このように、請求項1の止水構造は、大きな相対変位が生じる構造物間に適用しても損傷しにくい。
請求項2の止水構造は、前記上部構造物は建物の屋根であり、前記止水板は、内部にグラスウールが充填され、前記上部構造物の下面に対して回転可能に連結され、前記シール部材は断面形状が半円形状とされている。
請求項3の止水構造は、前記止水部材の内側には、下端部が前記下部構造物に固定され上端部が前記上部構造物と接し、前記止水部材との間に内側空間を形成する気密部材が設けられ、前記シール部材には、前記止水部材の外側空間と前記内側空間とを連通する切欠きが設けられている。
請求項3の止水構造によると、気密部材と止水部材により上部構造物と下部構造物との間に内側空間が形成される。また、止水部材のシール部材には切欠きが設けられているため、内側空間は外側空間の大気圧とほぼ一定圧力の等圧空間となる。このため内側空間は負圧になりにくく雨が吹き込みにくい。
さらに、気密部材によって気密部材より屋内側の空間が気密化されるため、屋内への風雨の吹き込みが抑制され、また、屋内で発生した音が屋外へ漏れにくい。
請求項4の止水構造は、前記シール部材は、前記止水板の下端部に固定された台座部と、前記台座部の下面外側に固定された外側シール材と、前記台座部の下面内側に固定された内側シール材と、を備え、前記切欠きは、前記外側シール材及び前記内側シール材にそれぞれ形成され、前記台座部の延設方向において異なる位置に配置されている。
請求項4の止水構造では、シール部材が外側シール材と、内側シール材の二重構成とされている。このため暴風時などに外側シール材の切欠きから外側シール材の内側へ雨が吹き込んだ場合でも、切欠きの内側に設けられた内側シール材によって、雨飛沫が内側空間へ浸入することを抑制できる。
請求項5の止水構造は、前記止水板の下端部は、前記シール部材に対して回転可能に連結されている。
請求項6の止水構造は、互いに隣接する前記止水板において、一方の前記止水板の端部に固定されたゴム製のジョイントカバーに、他方の前記止水板の端部が挿入されている。
本発明に係る止水構造は、大きな相対変位が生じる構造物間に適用しても損傷しにくい。
本発明の実施形態に係る止水構造が適用された建物を示す部分立断面図である。 本発明の実施形態に係る止水構造を示す立断面図である。 本発明の実施形態に係る止水構造における止水部材の端部構造を示す斜視図である。 図3における4-4線断面図である。 本発明の実施形態に係る止水構造における止水部材のスプラッシュバリアを省略した変形例を示す立断面図である。
[第1実施形態]
(止水構造)
第1実施形態に係る止水構造は、図1に示すように、下部構造物12と、下部構造物12に設置された免震装置14と、免震装置14に支持された上部構造物16と、を備えた建物10の外周部において、下部構造物12と上部構造物16との間に設けられる等圧止水構造である。
(下部構造物)
下部構造物12は、建物10における建物本体である。下部構造物12の外周部には、免震装置14が設置された支持面12Aから立ち上がり部12Bが立設され、立ち上がり部12Bの頂部には笠木部12Cが形成されている。笠木部12Cには、建物10の屋内側(図1の矢印IN側)から屋外側(図1の矢印OUT側)へ向かって下向きに傾斜する水勾配(水平面に対する角度θ1の勾配)が設けられ、表面がアルミパネルで仕上げられている。
(上部構造物)
上部構造物16は、建物10における大屋根である。上部構造物16の外周部には、下部構造物12の笠木部12Cと対向する位置に、屋根本体16Aから下向きに突設された垂れ壁部16Bが形成されている。この垂れ壁部16Bは、笠木部12Cと離間して配置されており、垂れ壁部16Bと笠木部12Cとの間に、後述する止水部材30及び気密部材40が設置されている。なお、止水部材30及び気密部材40は、上部構造物16の荷重を支持するものではない。
(軸受け)
図2に示すように、垂れ壁部16Bの屋外側、すなわち上部構造物16の外周沿いの下面には、軸受け20が固定されている。詳しくは後述するが、軸受け20には止水板32が回転可能に連結されている。
(止水部材)
図2に示すように、下部構造物12における笠木部12Cと上部構造物16における垂れ壁部16Bとの間には、止水部材30が設けられている。止水部材30は、軸受け20に対して回転可能に連結された止水板32と、止水板32の下端部に回転可能に連結され、笠木部12Cと摺動可能なシール部材34と、を備えている。
止水板32は、アルミの押し出し加工によって成形された部材を組み合わせて形成されており、中空部32VにグラスウールGが充填されている。なお、グラスウールGは、垂れ壁部16Bにも敷設されており、建物10の遮音性及び断熱性が高められている。
図3に示すように、止水板32の上端部には凹部32Uが形成されている。さらに止水板32の上端部に沿って、凹部32Uへ開口する貫通孔32UHが設けられている。
図3に矢印Mで示すように、止水板32は、凹部32Uが軸受け20に係合するように配置される。そして、軸受け20に形成された貫通孔20H及び止水板32に形成された貫通孔32UHへ軸体22が挿通されることにより、止水板32は軸受け20に対して回転可能に連結される。
なお、止水板32の凹部32Uは、止水板32の延設方向(W方向)に沿って少なくとも2箇所以上設けることが好ましい。また、軸受け20は凹部32Uの箇所数と等しい個数設けられる。
止水板32の下端部には上端部と同様に、凹部32Dと、凹部32Dへ開口する貫通孔32DHとが設けられている。この凹部32Dには、後述するシール部材34の軸受け35が係合されている。また、軸受け35に形成された貫通孔35H及び止水板32の貫通孔32DHには軸体22が挿通されている。これにより、シール部材34が止水板32の下端部に回転可能に連結されている。
シール部材34は、止水板32の下端部に回転可能に連結され止水板32の外側(矢印OUT側)及び内側(矢印IN側)へ張出した台座部34Aと、台座部34Aの下面外側に固定されたゴム製のレインバリア34Bと、台座部34Aの下面内側に固定されたゴム製のスプラッシュバリア34Cと、を備えている。
レインバリア34B、スプラッシュバリア34Cは、後述する切欠きBV、CVが形成された部分を除き、台座部34Aの略全長に亘って設置されている。また、レインバリア34B、スプラッシュバリア34Cは、台座部34Aの下面から突出した部分の断面が半円形状とされ、例えば矩形状の場合と比較して下部構造物12の笠木部12Cに接する面積が少ない。このため笠木部12Cに対する摩擦が小さく、笠木部12Cの上を摺動しやすい。
台座部34Aの上面には、軸受け35が固定されている。この軸受け35と止水板32の凹部32Dとが係合して、台座部34Aが止水板32の下端部に回転可能に連結されている。これにより台座部34Aは、止水板32の笠木部12Cに対する角度に関わらず笠木部12Cと略平行になるように配置される。これにより、レインバリア34B、スプラッシュバリア34Cが笠木部12Cに接した状態を保持できる。
(ジョイントカバー)
図3に示すように、止水板32の延設方向(W方向)における一方の端部、台座部34Aの延設方向(W方向)における一方の端部には、それぞれゴム製のジョイントカバー32J、34Jが固定されている。また、止水板32の他端部、台座部34Aの他端部には、ジョイントカバー32J、34Jは設置されていない。
図4に示すように、互いに隣接する止水板32同士は、一方の止水板32におけるジョイントカバー32Jに、他方の止水板32が挿入された状態で配置されている。また、互いに隣接するシール部材34における台座部34A同士は、一方の台座部34Aに固定されたジョイントカバー34Jの端部が、他方の台座部34Aに押し付けられた状態で配置されている。
(切欠き)
図3に示すように、レインバリア34B、スプラッシュバリア34Cには、それぞれ切欠きBV、CVが形成されている。切欠きBVは、屋外空間OA(止水部材30の外側空間)と、レインバリア34B及びスプラッシュバリア34Cで挟まれた止水空間BAと、を連通している。また切欠きCVは、止水部材30の内側空間(後述する緩衝空間MA)と止水空間BAとを連通している。また、切欠きBV、CVは、台座部34Aの延設方向(W方向)において互いに異なる位置に設けられ、雨水の浸入方向に対してずらして配置されている。
(気密部材)
図2に示すように、下部構造物12における笠木部12Cと上部構造物16における垂れ壁部16Bとの間で、かつ、止水部材30の内側(屋内側)には、気密部材40が設けられている。気密部材40は、下部構造物12の笠木部12Cに固定された台座部42に、弾性変形可能な発泡ゴム製のウインドバリア44(外側のウインドバリア44A、内側のウインドバリア44B)の下端部を固定して形成されている。ウインドバリア44A、44Bの上端部は、上部構造物16の垂れ壁部16Bの下端面と接して配置され、固着されていない。
なお、「接して配置」とは、常時微振動や風荷重によって下部構造物12と上部構造物16とが相対移動する平常時の状況下において、ウインドバリア44A、44Bが垂れ壁部16Bから押圧されて圧縮されている状態や、ウインドバリア44A、44Bと垂れ壁部16Bとの間に隙間が空いている状態を含む。
気密部材40の内側は建物10の屋内空間IAであり、気密部材40の外側、すなわち止水部材30と気密部材40との間には、緩衝空間MAが形成される。
(作用・効果)
本実施形態に係る建物10では、図1に示すように、下部構造物12に設置された免震装置14に上部構造物16が支持されている。このため地震時には、図1に2点鎖線で示すように、下部構造物12と上部構造物16とが横方向に相対変位する。また縦揺れ時には、下部構造物12と上部構造物16とが上下方向に相対変位する。
本実施形態に係る止水構造では、図2に示すように、止水部材30の止水板32が、上部構造物16に固定された軸受け20及びシール部材34の軸受け35に回転可能に連結されている。
このため、下部構造物12と上部構造物16とが上下方向に相対変位しても、止水部材30が軸受け20及び軸受け35に対して回転することで、下部構造物12及び上部構造物16の変位に追随できる。このため止水部材30は損傷しにくい。
またシール部材34におけるレインバリア34B及びスプラッシュバリア34Cが、下部構造物12の笠木部12Cに対して摺動可能とされている。このため、下部構造物12と上部構造物16とが横方向に相対変位しても、止水部材30は上部構造物16と共に横方向に移動することで変位に追随できる。このため止水部材30は損傷しにくい。このように、本実施形態に係る止水部材30は、大きな相対変位が生じる構造物間に適用しても損傷しにくい。
また、気密部材40におけるウインドバリア44は発泡ゴム製のため、下部構造物12と上部構造物16とが上下方向(近づく方向)に相対変位した際には弾性変形し、損傷しにくい。また、下部構造物12と上部構造物16とが上下方向(離れる方向)又は横方向に相対変位しても、ウインドバリア44の上端部は上部構造物16と固着されていないため引っ張られないので損傷しにくい。このように、本実施形態に係る気密部材40は、大きな相対変位が生じる構造物間に適用しても損傷しにくい。
本実施形態に係る止水構造の止水性は、以下のようにして確保される。まず止水部材30の止水板32が屋外空間OAから緩衝空間MAへの雨水の吹込みを抑制する。図3に示すように、隣り合う止水板32の端部同士はジョイントカバー32Jで連結されているため、この連結部から雨水は浸入しにくい。
また、止水板32の下端部には、シール部材34が連結されている。シール部材34には、止水板32の外側及び内側へ張出した台座部34Aが設けられ、台座部34Aの下面外側に、レインバリア34Bが設けられている。このレインバリア34Bによって、緩衝空間MAへの雨水の吹込みが抑制される。
なお、レインバリア34Bには切欠きBVが設けられている。この切欠きBVから止水空間BAへ雨飛沫が浸入した場合、この雨飛沫は、図3に一点鎖線WTで示したように、台座部34Aの下面内側に設けられたスプラッシュバリア34Cによって緩衝空間MAへの浸入が抑制される。スプラッシュバリア34Cの切欠きCVは、台座部34Aの延設方向(W方向)において切欠きBVと異なる位置に設けられているため、切欠きBVから止水空間BAへ浸入した雨飛沫は、切欠きCVを抜けて緩衝空間MAへ浸入しにくい。
緩衝空間MAは、止水部材30と気密部材40との間に形成された空間であるが、図3に一点鎖線ARで示すように、切欠きBV、CVにより屋外空間OAと連通されている。このため、緩衝空間MAの圧力は大気圧とほぼ等しく、負圧になりにくい(所謂等圧空間)。このため緩衝空間MAへ雨が吹き込みにくい。
さらに図2に示すように、気密部材40によって屋内空間IAが気密化されるため、屋内空間IAへの風雨の吹き込みが抑制される。また、気密部材40のウインドバリア44は、2重に配置されている(ウインドバリア44A、44B)ため気密性が高い。また、ウインドバリア44は発泡ゴムで形成されており屋内で発生した音が屋外へ漏れにくい。
[第2実施形態]
第1実施形態に係る止水部材30では、止水板32の下端部に、台座部34Aを介してシール部材34(レインバリア34B及びスプラッシュバリア34C)を固定しているが、第2実施形態に係る止水部材50では、止水板52に、シール部材としてのゴム製のレインバリア54を直接固定している。このレインバリア54には、屋外空間OAと緩衝空間MAとを連通する切欠き(不図示)が設けられている。
止水板52は、下端部が屋外側に向かって湾曲し、下端部の屋外側側面が凹曲面となり、屋内側側面が凸曲面となっている。レインバリア54は、この凸曲面部分に固定されて笠木部12Cと接触している。
また、止水板52の上端部は、上部構造物16の垂れ壁部16Bとの間に幅Hの隙間を空けて配置され、この隙間に止水板52の上端部から上向きに突出した調整板56が配置されている。調整板56の突出高さは隙間の幅Hより小さく形成されており、止水板52が軸体22を中心に回転しても上部構造物16と衝突しない。また、この突出高さを調整することで、緩衝空間MAの圧力が大気圧に対して負圧になりにくいように調整されている。
なお、調整板56の突出高さを、止水板52の回転を妨げない程度に大きくして幅Hとほぼ同一とし、調整板56に切欠きを形成してもよい。あるいは、調整板56の突出高さを幅Hより小さくし、さらに切欠きを形成してもよい。このようにしても、緩衝空間MAの圧力を調整できる。
第2実施形態に係る止水構造によると、調整板56により緩衝空間MAの圧力を調整し、大気圧に対して負圧にならないようにできる。このため緩衝空間MAに雨が吹き込むことを抑制できる。これにより、スプラッシュバリアを備えないが、止水効果を得ることができる。スプラッシュバリアを設けないことで、止水部材50の構成を、止水部材30の構成と比較して簡略化できる。
また調整板56は、地震時に下部構造物12と上部構造物16とが相対変位すると、軸体22を中心に回転する。この際、調整板56と上部構造物16との隙間が広がる。このため、例えば緩衝空間MAの体積が急に大きくなっても、緩衝空間MAは負圧になりにくい。
なお、第2実施形態の止水構造においても、第1実施形態と同様に、止水板52の上端部と、上部構造物16との隙間の幅Hを小さくして、調整板56を設けない構成にすることもできる。この場合、屋外空間OAと緩衝空間MAとの隙間部分を通る空気量が少なくなるため、緩衝空間MAの圧力は調整しにくくなる。しかし、例えば緩衝空間MAの体積が常時微振動によって変化する体積に比べて十分に大きい場合などは、緩衝空間MAは負圧になりにくいため、そもそも雨が吹き込みにくい。
[変形例]
第1実施形態に係る止水構造における止水部材30では、スプラッシュバリア34Cが台座部34Aの略全長に亘って設置されているが、本発明の実施形態はこれに限らない。つまり、スプラッシュバリア34Cはレインバリア34Bの切欠きBVから止水空間BAに浸入した雨飛沫を緩衝空間MAへ浸入させない、又は浸入させにくいものであればよく、一例として図4に角度θ2で示された領域(切欠きBVを平面視した角部を結んだ対角線に挟まれる範囲)に亘って設置すればよい。第2実施形態においても同様である。
また、第1実施形態に係る止水構造が適用される建物10においては、下部構造物12の笠木部12Cの表面がアルミパネルで仕上げられているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば亜鉛めっき鋼板やステンレスなどで形成してもよい。止水部材30、気密部材40の台座部42を形成する材料についても同様である。第2実施形態においても同様である。
なお、笠木部12C、軸受け20、止水部材30(止水部材50)、気密部材40を形成する材料の選定にあたっては、電食を避けるため同一の材質を採用することが好ましい。また、笠木部12Cについては、レインバリア34B(レインバリア54)、スプラッシュバリア34Cとの摩擦力を小さくするため、表面にフッ素樹脂コーティングを施すとさらに好ましい。
また、レインバリア34B(レインバリア54)、スプラッシュバリア34Cはゴム製としたが、これをフッ素樹脂で構成することもできる。これにより、レインバリア34B、スプラッシュバリア34Cは笠木部12Cに対して滑りやすくなる。
また、笠木部12Cには水勾配がつけられているが、この勾配角度θ1は自由に設定することができ、例えばθ1=0°として、笠木部12Cを水平に形成してもよい。
また、第1実施形態における止水部材30の止水板32の中空部にはグラスウールGを充填したが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば金属塊などを固定して止水部材30を重くしてもよい。止水部材30を重くすることで、レインバリア34B、スプラッシュバリア34Cが笠木部12Cへ押し付けられるため、平常時に止水部材30が動きにくい。第2実施形態における止水部材50についても同様である。
また、レインバリア34B、スプラッシュバリア34Cを笠木部12Cへ押し付けるためには、金属塊に代えて板ばねやコイルばね等の付勢手段を用いることもできる。この場合、例えば上部構造物16の垂れ壁部16Bの下面及び止水板32の屋内側側面に、拡げられた状態の板ばねの端部をそれぞれ固定する。これにより板ばねが元の形状に戻ろうとする力によって、レインバリア34B、スプラッシュバリア34Cが笠木部12Cへ押し付けられる。
また、第1実施形態においては止水板32と上部構造物16を連結するため及び止水板32とシール部材34とを連結するために、止水板32の上下端部にそれぞれ凹部32U、32Dを設けたが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば凹部32U、32Dを設けなくても、止水板32と上部構造物16、又は止水板32とシール部材34とは、蝶番を用いて連結することもできる。蝶番を用いても、それぞれ回転可能に連結できる。さらにこの場合、軸受け20、35が不要であり構造を簡略化できる。
また、第1実施形態の止水構造では、止水部材30の内側(屋内側)に、気密部材40を設けたが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば気密部材40を省略しても、止水部材30により建物10の止水性を得ることができる。第2実施形態においても同様である。
また、第1実施形態に係る止水構造が適用される建物10においては、下部構造物12を建物本体、上部構造物16を大屋根としたが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば基礎免震の建物において、下部構造物をマットスラブと擁壁とが一体化した地下構造物とし、上部構造物を建物本体としてもよい。また、中間層免震の建物において、下部構造物を下部躯体、上部構造物を上部躯体としてもよい。このように、第1実施形態に係る止水構造は様々な免震構造物に適用することができる。第2実施形態においても同様である。
12 下部構造物
14 免震装置
16 上部構造物
30、50 止水部材
32、52 止水板
34 シール部材
34A 台座部
34B レインバリア(外側シール材)
34C スプラッシュバリア(内側シール材)
40 気密部材
54 レインバリア(シール部材)
BV、CV 切欠き
OA 屋外空間(外側空間)
MA 緩衝空間(内側空間)

Claims (6)

  1. 下部構造物と、
    前記下部構造物に設置された免震装置と、
    前記免震装置に支持された上部構造物と、
    前記下部構造物と前記上部構造物との間に設けられると共に、上端部が前記上部構造物に対して回転可能に連結されると共に自重によって下向きに付勢された止水板と、前記止水板の最下端部に固定され前記下部構造物における平坦な上面と摺動可能なシール部材と、を備えた止水部材と、
    を有する止水構造。
  2. 前記上部構造物は建物の屋根であり、
    前記止水板は、内部にグラスウールが充填され、前記上部構造物の下面に対して回転可能に連結され、
    前記シール部材は断面形状が半円形状とされている、請求項1に記載の止水構造。
  3. 前記止水部材の内側には、下端部が前記下部構造物に固定され上端部が前記上部構造物と接し、前記止水部材との間に内側空間を形成する気密部材が設けられ、
    前記シール部材には、前記止水部材の外側空間と前記内側空間とを連通する切欠きが設けられている、請求項1又は2に記載の止水構造。
  4. 前記シール部材は、
    前記止水板の下端部に固定された台座部と、
    前記台座部の下面外側に固定された外側シール材と、
    前記台座部の下面内側に固定された内側シール材と、を備え、
    前記切欠きは、前記外側シール材及び前記内側シール材にそれぞれ形成され、前記台座部の延設方向において異なる位置に配置されている、
    請求項3に記載の止水構造。
  5. 前記止水板の下端部は、前記シール部材に対して回転可能に連結されている、
    請求項1~4の何れか1項に記載の止水構造。
  6. 互いに隣接する前記止水板において、一方の前記止水板の端部に固定されたゴム製のジョイントカバーに、他方の前記止水板の端部が挿入されている、
    請求項1~5の何れか1項に記載の止水構造。
JP2017135075A 2017-07-10 2017-07-10 止水構造 Active JP7066945B2 (ja)

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