JP7065751B2 - 分散データ管理方法及び分散データ管理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ブロックチェーンを利用した台を、複数の事業者で共有する分散データ管理方法及び分散データ管理装置に関する。
サプライチェーンは、メーカーから最終消費者に至るまでの物やサービスの経路であり、材料、部品、組立、運搬、販売に至る様々な企業(または団体)間もしくは企業内の部門間での取引等の情報がやり取りされる。
サプライチェーン上では商流、金流、物流等の情報が伝達されるが、それぞれの企業間で情報の格差がある。例えば、より最終消費者に近い事業者は、需要変動等を早めに察知することができるのに対し、上流のサプライヤには情報伝達が遅れるため納期変更などの急な対応や、在庫枯渇もしくは過多といった状態が起こりうる。サプライチェーン内の情報流通においては、誰かが一方的に変更するのではなく、ステークホルダの合意形成が必要となる。
一方で、ブロックチェーン等の分散台帳技術は、安全かつ改ざんの防止を行いながら、情報共有を行うことができ、サプライチェーン内の情報格差を解消するという効果が期待されている。
特許文献1では、送り手が受け手に対して契約内容の合意を取り付けたい場合に、ブロックチェーンのトランザクションに契約内容とその承認依頼を、署名付きでブロックチェーンの参加者に一斉にブロードキャストする。そして、特許文献1には、受け手が自身の受信データのうち、自分自身が承認するレコードを取得し、署名付で承認済トランザクションをさらにブロードキャストする方法が開示されている。
特許文献1では、このような仕組みで1つのトランザクションに1つの電子署名という形態を保持しつつ、多人数であっても効率的に契約の証跡をブロックチェーンに残す。
特開2017-220710号公報
上記特許文献1の技術をサプライチェーン上の取引で活用すると、承認相手の選定方法、及び3者以上が同じ契約データ(レコード)を修正できないという課題が生じる。
1点目の承認相手の選定に関しては、サプライチェーンでは受け手が送り手を自動的に選定する必要がある。また、サプライチェーンではトランザクション数が膨大になる。例えば、商品の納期や発注量の変更を行う場合で、複数の業者に修正を依頼する場合、送り手が1件ずつ承認先を指定するのは膨大な手間が掛かる。
2点目は契約データを3者以上で共有する場合に、複数の変更を承認前に同時に行うことができないといった問題がある。例えばA社、B社、C社の3者が商品の納期や数量に関する契約を結んでいたとする。A社がB社に対して納期に関する契約変更に関する依頼を行う。一方でC社がA社に同時または遅れて納期に関する契約変更を行ったとする。
しかしC社はA社からB社への変更内容を把握していないため、C社からA社への契約変更依頼が無駄になってしまう可能性がある。またこれを防ぐためには、A社からB社への契約変更依頼を行う際に、その契約レコードに関する変更をロックすることになるが、ロックされた契約についてはC社の業務を無駄に停止することになる、という問題があった。
そこで本発明は上記課題を顧みて、サプライチェーンの膨大な取引において、データの追加、変更、削除に関する承認先を自動的に選択してトランザクションデータを発行することを目的とする。さらに複数の事業者が取引データを同時に修正しようとした場合も、承認前に修正内容を参加者全員で共有し、各修正内容に鑑みて各参加者がトランザクションデータを発行可能にすることを目的とする。
本発明は、プロセッサとメモリと台帳を格納する記憶部を有するサーバが、前記台帳を他のサーバと分散して管理するブロックチェーンシステムの分散データ管理方法であって、前記サーバが、項目と項目の値を含むデータを格納する前記台帳に対する修正内容と前記修正内容に対する承認条件を受け付ける第1のステップと、前記サーバが、前記項目と項目の値に応じて当該データにアクセス可能なサーバを承認グループとして予め設定されたアクセス権管理台帳を参照して前記修正内容の承認を依頼する承認グループのサーバを決定する第2のステップと、前記サーバが、前記修正内容と前記承認グループのサーバと前記承認条件を予め設定された仮更新台帳へ書き込む第3のステップと、前記サーバが、前記修正内容を含む承認申請を前記承認グループのサーバへ送信する第4のステップと、前記サーバが、前記承認グループのサーバから前記修正内容に対する承認結果を受け付けて、前記承認結果が前記承認条件を満たしているか否かを判定する第5のステップと、前記サーバが、前記承認条件を満たしていると判定した場合には、前記仮更新台帳の前記修正内容を前記台帳へ反映させる第6のステップと、を含む。
したがって、本発明は、サプライチェーン内の膨大な取引において、データの追加、変更、削除に関する承認先を自動的に選定したトランザクションデータを発行することが可能となる。さらに本発明は、複数の参加者が同一のデータを同時に修正しようとした場合、トランザクションの承認前に修正内容を参加者全員が共有し、各修正内容を鑑みて承認結果(トランザクションデータ)を発行することが可能となる。
本明細書において開示される主題の、少なくとも一つの実施の詳細は、添付されている図面と以下の記述の中で述べられる。開示される主題のその他の特徴、態様、効果は、以下の開示、図面、請求項により明らかにされる。
本発明の実施例を示し、台帳共同管理システムの一例を示すブロック図である。 本発明の実施例を示し、台帳共同管理サーバの機能要素の一例を示すブロック図である。 本発明の実施例を示し、台帳共同管理サーバの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施例を示し、発注台帳の一例を示す図である。 本発明の実施例を示し、生産管理台帳の一例を示す図である。 本発明の実施例を示し、アクセス権管理台帳の一例を示す図である。 本発明の実施例を示し、進捗情報表示画面の一例を示す図である。 本発明の実施例を示し、進捗情報生成処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施例を示し、修正依頼画面の一例を示す図である。 本発明の実施例を示し、警告が表示された場合の修正依頼画面の一例を示す図である。 本発明の実施例を示し、仮更新台帳の一例を示す図である。 本発明の実施例を示し、データ修正及び修正依頼処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施例を示し、承認依頼画面の一例を示す図である。 本発明の実施例を示し、仮更新台帳に含まれる承認用レコードの一例を示す図である。 本発明の実施例を示し、承認処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施例を示し、承認後のデータ反映処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施例を示し、承認状況確認画面の一例を示す図である。
以下、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。
図1Aは、本実施例の合意形成システムの一例を示すブロック図である。図1Bは、合意形成システムを構成する台帳共同管理サーバの機能要素の一例を示すブロック図である。
図1Aにおいて、合意形成システムは、H社、I社、及びJ社のように複数の取引企業の業務システム101-1~101-3と、各社の端末111-1~111-4に接続された台帳共同管理サーバ100-1~100-3と、台帳共同管理サーバ100-1~100-3を相互に接続するネットワーク200を含む。
H社の業務システム101-1は、A工場の端末111-1と調達部門の端末111-2とを含む。I社の業務システム101-2及びJ社の業務システム101-3は、それぞれw端末111-3と111-4を含む。
なお、以下の説明では、台帳共同管理サーバの個々を特定しない場合には、「-」以降の符号を省略した符号「100」を使用する。他の構成要素の符号についても、同様である。
各社の端末111では、発注システムデータベース121と生産管理システムデータベース122が稼働する。各社の業務システム101にはブロックチェーン(ブロックチェーンシステム)104を利用して、台帳を分散して管理する台帳共同管理サーバ100がそれぞれ配置され、端末111と接続される。
端末111は、発注や、出荷、契約の依頼、変更、承認などの情報を台帳共同管理サーバ100へ送信する。H社、I社、J社の台帳共同管理サーバ100-1~100-3は、各社の端末111から受け付けた情報を、後述するブロックチェーン104上の台帳に反映させて共有し、共同で管理する。
台帳共同管理サーバ100は、ブロックチェーン104を利用して他社の台帳共同管理サーバ100と台帳を共有管理する自動執行プログラム105を実行する。図1Bで示すように、各社の台帳共同管理サーバ100で共有されるブロックチェーン104上の分散共有台帳としては、発注台帳131と、生産管理台帳132と、アクセス権管理台帳133と、更新用の仮発注台帳141と、更新用の仮生産管理台帳142と、仮更新台帳140及びアクセス権管理台帳133が含まれる例を示す。
発注台帳131と、生産管理台帳132はマスタとして機能し、仮発注台帳141及び仮生産管理台帳142は、発注台帳131と生産管理台帳132の複製であり、更新用の台帳として機能する。仮更新台帳140は、発注台帳131または生産管理台帳132に対する修正内容と、修正内容に対する承認の履歴が蓄積される。
アクセス権管理台帳133は、後述するように、サプライチェーンのグループ単位で承認を行うための承認グループが予め設定される。
ブロックチェーン104には、発注台帳131と、生産管理台帳132と、仮発注台帳141と、仮生産管理台帳142と、仮更新台帳140及びアクセス権管理台帳133のトランザクションが記録される。各台帳の内容については後述する。
台帳共同管理サーバ100の自動執行プログラム105は、ブロックチェーン104のトランザクションを参照、更新に関するプログラムである。台帳共同管理サーバ100は自動執行プログラム105を能動的に起動できる他、トランザクションの更新の度に自動執行プログラム105を実行することもできる。自動執行プログラム105は、スマートコントラクト等のブロックチェーン104が保有する機能を用いてもよい。
自動執行プログラム105は、データ結合部151と、データ登録部152と、データ収集部153と、合意形成部154と、承認部155と、更新部156のプログラムモジュールを含む。
図2は、本実施例の台帳共同管理サーバ100の構成の一例を示すブロック図である。台帳共同管理サーバ100は、CPU202と、メモリ207と、ネットワークインターフェイス203と、入力装置204と、ストレージ装置205と、出力装置206を含む。これらの構成要素はバス(またはインターコネクト)201を介して接続されており、それぞれデータの入出力を行う。
CPU202は、メモリ207にロードされた自動執行プログラム105を実行し、データ入力や、演算、データ出力等の様々な処理を実行する。
ネットワークインターフェイス203は、ネットワーク200を介して他社の台帳共同管理サーバ100等とデータの送受信を行う装置である。ネットワークインターフェイス203の送受信する内容はCPU202によって制御される。ネットワークインターフェイス203は、例えば、NIC(Network Interface Card)や無線LANインターフェイスカードなどで構成される。
入力装置204は、台帳共同管理サーバ100を使用するユーザの指示を受け取りCPU202へ伝達する。入力装置204は、例えば、キーボードやマウスやタッチパネル等で構成される。
メモリ207は、CPU202で処理されるプログラム、及びデータなどが格納される。ストレージ装置205は、不揮発性の記憶媒体を含む。ストレージ装置205は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の磁気ディスクやDVD等の光学ディスクや不揮発性メモリ等で構成される。
ストレージ装置205には、発注台帳131と、生産管理台帳132と、仮発注台帳141と、仮生産管理台帳142と、アクセス権管理台帳133及び仮更新台帳140が格納される。なお、図示の仮更新台帳140は、後述するように仮発注台帳141と仮生産管理台帳142の変更に対する承認内容を蓄積する情報である。
出力装置206は、CPU202の指令に基づいてユーザインターフェイスの画面を表示する装置である。出力装置206は、例えば、液晶ディスプレイ等である。
CPU202は、各機能部のプログラムに従って処理を実行することによって、所定の機能を提供する機能部として稼働する。例えば、CPU202は、データ結合プログラムに従って処理を実行することでデータ結合部151として機能する。他のプログラムについても同様である。さらに、CPU202は、各プログラムが実行する複数の処理のそれぞれの機能を提供する機能部としても稼働する。計算機及び計算機システムは、これらの機能部を含む装置及びシステムである。
以下の説明では、ユーザが端末111の入力装置と出力装置(図示省略)から台帳共同管理サーバ100を介して各台帳へのデータの追加や修正を依頼する例を示すが、ユーザは台帳共同管理サーバ100の入力装置204と出力装置206を利用して各台帳へのデータの追加や修正を依頼してもよい。
次に、図1Bに含まれる各種データについて説明する。図3は、発注台帳131の一例を示す図である。
発注台帳131は、企業間もしくは企業内組織(グループ会社)間での受発注に関するデータを管理する。発注台帳131は、例えば、注文番号301と、発注元302と、担当者303と、発注先304と、発注日305と、納期306、商品名307と、数量308を含む。
発注台帳131は、発注システムデータベース121や生産管理システムデータベース122で発生する注文情報を管理する。発注台帳131は、図3に示すとおり、自由形式のレコードの列であってもよいし、RDB(Relational DataBase)のような形式であってもよい。
注文番号301は、発注台帳131に含まれる注文履歴を区別する識別子を含む。よって注文番号301は、他のレコードと異なる番号もしくは記号が付与される。
発注元302は、発注元の企業の名称又は識別子を格納する。担当者303は、発注元302における発注担当者の氏名を格納する。発注先304は、発注先の企業の名称又は識別子を格納する。
発注日305は、発注元302と発注先304が注文内容に合意した日付を格納する。納期306は、注文内容の合意内容に含まれる納入予定日を格納する。
商品名307は、発注元302が注文した商品の名称又は識別子である。数量308は発注元302が注文した商品の数量を格納する。
なお図3に示した発注台帳131の構成はあくまで一例であり、必要に応じて項目の順番や追加および項目名の変更は行ってもよい。また特別契約が必要で、現状のテーブルでは表現しきれない場合は、契約書が紐づけられる情報を格納してもよい。
図4は、生産管理台帳132の一例を示す図である。生産管理台帳132は企業間もしくは企業内組織(グループ会社)間での生産進捗管理を行う。生産管理台帳132は、生産管理システムデータベース122と同様の構成を有する。
生産管理台帳132は、例えば、作業番号401と、注文番号402と、発注元403と、商品名404と、数量405と、受注日406と、要求納期407と、予定納期408と、作業内容409と、完了予定410を構成要素に含む。
生産管理台帳132は、本実施例の注文内容に対する生産、調達、作業などの業務計画を管理する。生産管理台帳132は、図4に示すとおり、自由形式のレコードの列であってもよいし、RDBのような形式であってもよい。
作業番号401は、生産管理台帳132に含まれる各作業を区別する識別子を格納する。作業番号401には、他のレコードと異なる番号もしくは記号が付与される。
注文番号402は、発注台帳131に含まれる注文番号301であり、発注台帳131の関連付け情報となる。本実施例においては、1つの注文番号402に対して作業番号401が複数存在することを想定する。
発注元403、商品名404、数量405は、発注台帳131に含まれる同名の情報である。受注日406は、生産管理台帳132に情報が書き込まれた日付を格納する。要求納期407は、注文内容(合意内容)に含まれる納入予定日を格納する。
予定納期408は、生産管理の内容や手動により更新される受注側からの予定納期である。予定納期408が要求納期407を超える場合には問題が発生するため、後述の合意形成が必要となる。
作業内容409は、生産管理に基づく実行予定の作業内容や作業の名称を格納する。完了予定410は、本作業番号401に含まれる作業が終わる予定日が記載される。作業の進捗に合わせて完了予定日は都度更新できるようにしてもよい。
なお図4に示した生産管理台帳132の構成はあくまで一例であり、必要に応じて項目の順番や追加および項目名の変更は行ってもよい。また特別契約が必要で、現状のテーブルでは表現しきれない場合は、契約書が紐づけられる情報を格納してもよい。
続いてブロックチェーン104を適用する台帳について説明する。ブロックチェーン104には発注台帳131と生産管理台帳132及びアクセス権管理台帳133と、仮発注台帳141と、仮生産管理台帳142及び仮更新台帳140が含まれる。
なお、仮発注台帳141は、発注台帳131を更新するための仮台帳である。また、仮生産管理台帳142は、生産管理台帳132を更新するための仮台帳である。仮更新台帳140は、上述のように修正内容と承認の履歴が蓄積される。
仮発注台帳141は図3の発注台帳131と同様の形式である。また仮生産管理台帳142も図4の生産管理台帳132と同様の形式となっている。本実施例では、ブロックチェーン104上のトランザクションとして図3や図4の発注台帳131や生産管理台帳132の各レコードが署名により暗号化されて各台帳に記録されている。
なお本実施例の合意形成システムにおいて、ブロックチェーン104で格納される発注台帳131と生産管理台帳132は、自動執行プログラム105のデータ収集部153により、定期的に発注システムデータベース121と生産管理システムデータベース122と同期されているものとする。
また、マスタとなる発注台帳131と、更新用の仮発注台帳141の関係は、次のとおりである。端末111が情報(トランザクション)を追加や更新(あるいは削除)する場合、まず、自社の台帳共同管理サーバ100でマスタに対する修正内容を仮更新台帳140と仮発注台帳141に情報を書き込む。
台帳共同管理サーバ100は、アクセス権管理台帳133を参照して、修正内容のデータに関係する企業504を承認先として特定する。
台帳共同管理サーバ100は、端末111から承認条件(合意条件)を受け付けると、承認申請のトランザクションを仮更新台帳140に書き込んで、上記特定した承認先へ送信する。
承認を依頼された台帳共同管理サーバ100は、それぞれ自社の端末111で承認を受け付けて、承認結果をブロックチェーン104を介して承認を要求した台帳共同管理サーバ100へ応答する。
承認を要求した台帳共同管理サーバ100は、他社の承認結果に基づいて所定の合意条件を満たしているかを判定し、合意条件を満たしていれば、発注台帳131と生産管理台帳132に修正内容を反映させる。また、台帳共同管理サーバ100は、仮更新台帳140に合意が形成されたトランザクションとして記録する。
自動執行プログラム105は、マスタの発注台帳131へ書き込んだ内容を、発注システムデータベース121へ反映させることができる。
一方、合意条件を満たしていなければ、マスタの発注台帳131への書き込みは実施されず、仮発注台帳141の修正内容は元に戻され、仮更新台帳140には承認条件を満たしていなかったトランザクションとして蓄積される。
生産管理台帳132と仮生産管理台帳142の関係も、上記発注台帳131と仮発注台帳141の関係と同様であり、仮生産管理台帳142に対する追加や更新(あるいは削除)のトランザクションのうち、所定の合意条件を満たしたトランザクションがマスタである生産管理台帳132へ書き込まれる。
ブロックチェーン104上の発注台帳131、生産管理台帳132、仮発注台帳141と仮生産管理台帳142、仮更新台帳140及びアクセス権管理台帳133は、所定数のトランザクション毎にブロックが形成される。各ブロックは、少なくとも直前のブロックのハッシュ値と、トランザクションが含まれる。また、各ブロックは上述のように署名によって暗号化されてもよい。
ブロックの生成は、台帳共同管理サーバ100で行ってもよいし、ネットワーク200に接続された他の計算機で行ってもよい。また、ハッシュ値を生成する際のナンスの実装や、署名の採用は合意形成システムの運用に応じて適宜選択することができる。
また、手動によって発注台帳131及び生産管理台帳132が同期されてもよい。また発注台帳131と生産管理台帳132はデータベースシステムではなく、テキストや表計算ソフトウェアで生成されたファイルであってもよく、その場合は各業務システム101の担当者が手動でファイルをアップロードし、データ登録部152で更新できるようにしてもよい。
次に、アクセス権管理台帳133について説明する。図5は、アクセス権管理台帳133の一例を示すブロック図である。アクセス権管理台帳133は、管理者などによって予め生成される。なお、本実施例では、台帳共同管理サーバ100がアクセス権管理台帳133を、承認先の管理台帳として利用する例を示す。
アクセス権管理台帳133は、ブロックチェーン104上のトランザクションに対するデータ参照や、編集権限を格納する。アクセス権管理台帳133はグループ番号501と、グループキー502と、グループ情報503と、所属企業504で構成される。
グループ番号501は、アクセス権のグループを識別する番号である。グループキー502は、発注台帳131や生産管理台帳132に含まれるカラムの名称が設定される。グループキー502は、アクセス権のグループを制御する単位(項目)を格納する。図5の例では、発注台帳131や生産管理台帳132の項目のうち「商品名」毎にグループを構成する場合を例示している。
グループ情報503は、グループキー502に対して実際に構成されるグループの中身(項目の値)を示す。図示の例では、発注台帳131や生産管理台帳132の商品名307,404という項目で、商品名が「部材X」という値を含むデータで、サプライチェーンのグループを設定する。
所属企業504は、グループ情報503で指定された値を有するレコードにアクセス可能な企業名が格納される。図5の例では、グループ情報503=商品名が「部材X」に関する発注台帳131や生産管理台帳132は、H社、I社、J社が参照または編集できる。なお、所属企業504に設定されていない企業の台帳共同管理サーバ100は、当該グループ番号501のデータへのアクセスが拒否される。
所属企業504に設定された企業名の台帳共同管理サーバ100は、承認申請に対する承認グループとなる。例えば、図5の例では、商品名「部材X」を取り扱うH社、I社、J社の台帳共同管理サーバ100で承認グループが構成される。承認グループでは、1社が修正内容の承認申請を提案すると、残りの企業の台帳共同管理サーバ100で承認が実行される。
すなわち、H社が提案した修正内容に対する承認申請は、I社とJ社の台帳共同管理サーバ100によって承認処理が実行される。
台帳共同管理サーバ100は、図5に示したアクセス権管理台帳133を参照することで、グループキー502(項目)とキーの値であるグループ情報503(商品名)に基づいて、承認申請を送信する承認先の企業名(台帳共同管理サーバ100)を特定することが可能となる。
これにより、台帳共同管理サーバ100は、発注台帳131と生産管理台帳132を多数の企業で共有して、合意の形成先(承認先)を迅速に特定することが可能となる。
これらのアクセス権は例えばサプライチェーン上の部材取引とその影響範囲で創生してもよい。
次に自動執行プログラム105を構成する各プログラムモジュールで行われる処理の一例を説明する。
自動執行プログラム105のデータ結合部151は、各社の端末111からの命令(修正要求や承認結果)に応じて、ブロックチェーン104に登録されている各トランザクションを呼び出して、最新の進捗情報を端末111(または台帳共同管理サーバ100の出力装置206)へ出力することができる。
具体的には、データ結合部151のプログラムモジュールは、仮発注台帳141と仮生産管理台帳142から抽出したデータから進捗情報601を生成し、進捗情報601の要求を受け付けた端末111へ進捗情報表示画面600を出力する。
データ収集部153は、所定の周期でブロックチェーン104に参加している企業の発注システムデータベース121及び生産管理システムデータベース122のデータを、発注台帳131及び生産管理台帳132へ同期させる。
また、データ収集部153は、所定の周期で発注台帳131及び生産管理台帳132のデータを、仮発注台帳141と仮生産管理台帳142へ同期させる。
合意形成部154は、修正依頼のあったトランザクションを仮発注台帳141と仮生産管理台帳142から取得して仮更新台帳140に追加し、承認を依頼する企業の台帳共同管理サーバ100を自動的に選択し、修正依頼画面を出力装置206へ出力する。
承認部155は、設定された承認先の台帳共同管理サーバ100へ承認申請を送信する。承認先の台帳共同管理サーバ100は、承認申請を受け付けると、承認依頼画面を出力装置206または端末111へ出力する。
承認先の台帳共同管理サーバ100では承認部155が、承認結果を端末111や入力装置204から受け付けるとブロックチェーン104上の仮更新台帳140に承認用レコードを書き込む。
更新部156は、仮更新台帳140に承認用レコードが書き込まれると、合意が形成されたか否かを判定する。更新部156は、アクセス可能な企業からの承認結果が揃い、合意が形成されていれば修正内容を、発注台帳131と生産管理台帳132及び仮発注台帳141と仮生産管理台帳142に反映させて、修正から合意形成の一連の処理を完了する。
一方、合意が形成されなかった場合、更新部156は、仮更新台帳140のステータス908に「却下」を書き込んで、合意の不成立を書き込んで、合意形成の履歴として蓄積する。なお、仮発注台帳141と仮生産管理台帳142に加えられた修正は元に戻される。
データ登録部152は、発注台帳131や生産管理台帳132のメインテンスの際に利用される。
図6は、進捗情報表示画面600の一例を示す図である。進捗情報表示画面600は、仮発注台帳141と仮生産管理台帳142から生成された進捗情報601と、ステータスの更新ボタン602と、データの修正依頼ボタン603を構成要素に含む。
進捗情報601には、自社が関係する最新の注文状況が表示される。進捗情報601の更新は、最初に進捗情報表示画面600を開いた場合、もしくはステータスの更新ボタン602がクリックされた際に、自動執行プログラム105のデータ結合部151プログラムによって実行される。
進捗情報601は、注文番号611と、購買部署612と、購買担当者613と、発注先受付614と、サプライヤ受付担当615と、発注日616と、納期617と、商品名618と、数量619と、ステータス620をひとつのエントリに含む。
注文番号611には、発注台帳131の注文番号301が表示される。購買部署612には、発注台帳131の、発注元302が表示される。購買担当者613には、発注台帳131の担当者303が表示される。
発注先受付614には、発注台帳131の発注先304が表示される。サプライヤ受付担当615には、発注先304の担当者名が表示される。発注日616には、発注台帳131の発注日305が表示される。
納期617には、発注台帳131の納期306または生産管理台帳132の要求納期407が表示される。商品名618には、発注台帳131の商品名307が表示される。数量619には、発注台帳131の数量308が表示される。
ステータス620には、データ結合部151が算出したステータスが表示される。ステータス620としては、例えば、「受付」、「未納入」、「配送中」、「検収」、「納品完」を採用することができる。ステータス620が「受付」の場合、発注先が受け付けた段階で、生産管理台帳132の予定納期408が記載されていない状態を示す。
ステータス620が「未納入」の場合、商品が発注元403に到着していない状態を示す。ステータス620が「配送中」の場合、発注先から商品が出荷されたことを示す。ステータス620が「検収」の場合、発注元の企業に商品名が到着して、検収中であることを示す。
ステータス620が「納品完」の場合、発注元が発注先からの商品を受領して、検収に合格した状態を示す。
図7は、データ結合部151で行われる処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、自動執行プログラム105が、端末111から進捗情報表示画面600の要求を受け付けた場合に実行される。
データ結合部151は、進捗情報表示画面600を要求した端末111のアドレスなどから、予め設定されたユーザ情報を取得する(S1)。ユーザ情報としては、端末111のアドレスと、企業名と、部署名(組織名)を含み、台帳共同管理サーバ100のストレージ装置205に格納される。
データ結合部151は、上記ユーザ情報に基づいて、端末111を利用するユーザの企業名や部署名を特定し、特定された企業名や部署名に該当する注文情報を、ブロックチェーン104の仮発注台帳141から取得する。すなわち、進捗情報表示画面600を要求した端末111のユーザ情報から、当該端末111の企業名または部署名に関係のあるデータを仮発注台帳141から取得する。
次に、データ結合部151は、取得した仮発注台帳141のレコードに含まれる注文番号301をキーに、仮生産管理台帳142から最新の情報を取得して、進捗情報601を生成する(S2)。
データ結合部151は、注文番号301をキーにして、仮発注台帳141と仮生産管理台帳142のデータを結合して進捗情報601の情報を含む進捗情報表示画面600を生成し、進捗情報601を要求した端末111へ出力する(S3)。
上記処理によって、データ結合部151は、仮発注台帳141と仮生産管理台帳142から端末111を利用する企業に関連のある情報に絞り込みを行って表形式の進捗情報601を生成し、当該端末111に進捗情報表示画面600を出力する。ユーザは、端末111の入力装置(図示省略)または入力装置204から進捗情報表示画面600内の進捗情報601の各項目の値を修正することができる。
端末111(または台帳共同管理サーバ100)のユーザが進捗情報表示画面600で進捗情報601の値を修正してから、修正依頼ボタン603をクリックすると、自動執行プログラム105は、当該修正内容を他の台帳共同管理サーバ100で承認を得るための承認依頼処理を開始する。
図8Aは、修正依頼画面800の一例を示す図である。修正依頼画面800は、図6の進捗情報表示画面600で修正依頼ボタン603がクリックされた際に合意形成部154で生成されて、端末111(または出力装置206)へ出力される画面である。修正依頼画面800は、修正(または追加や削除)を行った進捗情報601(仮発注台帳141または仮生産管理台帳142)の内容について承認を得るための情報を設定することができる。
修正依頼画面800は、承認の依頼先(図中承認先)を登録する承認先登録設定801、802、804、805と、修正内容のプレビューを示す修正内容エリア810と、承認依頼ボタン806と、キャンセルボタン807と、承認先追加ボタン803と、承認ルート追加ボタン808と、承認条件設定ボタン814、815を含む。
承認先登録設定801、802、804、805は、承認先を設定する入力項目である。ブロックチェーン104上のようにフラットに情報を共有する場合は一度に複数の承認先へ依頼することができる。ただし承認の内容によっては承認の順序を定めた方がよい場合は承認ルート追加ボタン808をクリックすることで、順序を追加することができる。
図示の承認ルートの例では、承認先登録設定801、802へ承認を依頼し、承認先登録設定801、802の承認結果を受け付けた後に、合意形成部154が承認先登録設定804、805の承認先に承認の依頼を送信することになる。
承認条件設定ボタン814は、承認先登録設定801、802、804、805の承認条件が「AND」の条件であることを設定する。承認条件設定ボタン815は、承認先登録設定801、802、804、805の承認条件が「OR」の条件であることを設定する。
修正内容エリア810には、修正内容の対象項目811と、当該項目の修正前の値が格納された修正前812と、当該項目の修正後の値が格納された修正後813の内容が表示される。
また承認先については、図6の進捗情報601の内容に応じて自動設定される。つまり購買部署や発注元などの情報に基づき、合意形成部154はアクセス権管理台帳133を参照して関連する承認先を自動的に選定する。これにより1件、1件承認先を設定する労力を低減することが可能となる。
承認先の自動選定については、合意形成部154がアクセス権管理台帳133を参照して設定してもよい。つまり当該レコード(データ)にアクセスできるユーザを、合意形成部154が自動的に承認先登録設定801、802となるように設定することができる。
承認依頼ボタン806をクリックして承認依頼処理を実行すると、合意形成部154が進捗情報601に対する修正内容を、一旦仮発注台帳141と、仮生産管理台帳142の両者に書き込む。仮更新台帳140は、修正内容に加えて、承認先からの承認や拒否などの合意形成の履歴を蓄積する台帳である。
仮更新台帳140の形式の一例を図9に示す。仮更新台帳140は、申請番号901と申請元902と、キー903と、修正内容904と、承認対象905と、承認条件906と、コメント907と、ステータス908の情報を含む。
申請番号901は、仮更新台帳140に含まれるレコードを区別する番号で、自動執行プログラム105によって付与される。申請元902は、承認ルートを実行する端末111(台帳共同管理サーバ100)が所属する企業の名称(または識別子)である。
キー903は、修正対象の仮発注台帳141と仮生産管理台帳142のレコードを特定する情報である。キー903は、発注台帳131(仮発注台帳141)の注文番号301と、生産管理台帳132(仮生産管理台帳142)の注文番号402に対応する値である。
修正内容904は、キー903で指定されたデータに対する修正内容を示し、進捗情報601で修正された内容である。
承認対象905には、承認を依頼する企業名(または部署名)と、各企業の承認の結果が記録される。承認の結果は、「未承認」が承認待ちを示し、「承認」が修正内容904を承認したことを示し、「拒絶」が修正内容904を却下したことを示す。
承認条件906は、図8Aに示した承認条件設定ボタン814または承認条件設定ボタン815で決定された、承認条件が設定される。
コメント907には、承認先の端末111(または入力装置204)で入力された情報が格納される。ステータス908には、仮更新台帳140の承認状態が格納され、承認状態の初期値は「未了」で、承認が行われると、「承認完了」または「却下」のいずれかの情報が設定される。「承認完了」は合意の成立を示し、「却下」は合意の不成立を示す。
本実施例の合意形成システムでは、一旦、修正内容904を仮更新台帳140に記録することで、他の端末111からの二重修正を防ぐ効果がある。つまり仮更新台帳140もブロックチェーン104により各端末111で共有されるため、端末111のユーザは、修正内容904の承認を実行する前に、同一のキー903に対して、既に変更申請が行われているかどうかを判別することが可能となる。
既に同一のキー903の仮更新台帳140に対して修正が行われている場合は、図8Bで示すように警告が表示される。図8Bは、警告が表示された場合の修正依頼画面の一例を示す図である。
図8Bの修正依頼画面800では、上記図8Aの修正依頼画面800の構成に加えて、警告エリア820が追加される。警告エリア820には、仮更新台帳140のキー903が同一で先に提案された修正内容が表示される。
警告エリア820には、修正内容の対象項目821と、当該項目の修正前822と、修正後823の内容が表示される。
これにより、端末111のユーザは、既存の修正依頼を鑑みて承認申請を行うか否かを判別できる。また、警告エリア820を承認側の端末111(または台帳共同管理サーバ100)へ出力することで、同一のキー903に対して重複する修正が行われるのを防ぐことができる。
図8A、図8Bに示した修正依頼画面800は合意形成部154によって生成されて、端末111へ出力される。図10は、合意形成部154で行われる処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、図6に示したデータの修正依頼ボタン603がクリックされた場合に実行される。
合意形成部154は、進捗情報表示画面600の進捗情報601から、修正内容に対応する情報を読み込む(S11)。修正内容に対応する情報は、例えば、注文番号611と、修正する項目(例えば、納期617)と、アクセス権管理台帳133を検索するための商品名618である。
合意形成部154は、続いて仮更新台帳140の内容をロードする(S12)。合意形成部154は、商品名618と自社の企業名でアクセス権管理台帳133を検索し、グループ情報503が商品名618と一致し、所属企業504に自社が含まれるエントリを選択する。合意形成部154は、所属企業504から自社を除いた企業を、承認先として選択する(S13)。
次に、合意形成部154は、図9に示した仮更新台帳140に新たなエントリを追加して、修正内容と承認先を書き込む(S14)。なお、合意形成部154は、図8Aに示した修正内容810に対象項目811を書き込み、修正後813に上記ステップS11で取得した内容を書き込み、キー903と一致する発注台帳131または生産管理台帳132の該当項目の値を取得して修正前812に書き込む。
合意形成部154は、修正内容と承認先が書き込まれた仮更新台帳140をブロックチェーン104に登録する。合意形成部154は、仮更新台帳140の修正内容について、仮発注台帳141と仮生産管理台帳142のいずれかに書き込むかについては、修正項目を含む台帳を自動的に判定する。
次に、合意形成部154は、仮更新台帳140に今回修正するキー903と同一で承認待ちとなっているデータの有無を判定する(S15)。合意形成部154は、仮更新台帳140に今回修正するキー903と同一で承認待ちとなっているデータがあればステップS16へ進み、そうでない場合にはステップS17へ進む。なお、承認待ちか否かの判定は、仮更新台帳140のステータス908が「未了」であれば、合意形成部154は承認待ちと判定することができる。
ステップS16では、合意形成部154が、今回修正するキー903と同一で、かつ承認待ちとなっている仮更新台帳140を取得して、図8Bの警告エリア820に対応する対象項目821と、修正前822と、修正後823の情報を取得する。
次に、合意形成部154は、修正依頼画面800を生成する(S17)。合意形成部154は、上記ステップS15の判定で、今回修正するキー903と同一で承認待ちとなっている仮更新台帳140が存在する場合には、図8Bに示す警告エリア820を含む修正依頼画面800を生成し、そうでない場合には図8Aに示した警告エリア820のない修正依頼画面800を生成する。
合意形成部154は、生成された修正依頼画面800を、修正を依頼した端末111へ送信する(S18)。
上記処理によって、進捗情報601で修正された情報に基づいて、仮更新台帳140に新たなエントリが追加されて、修正を申請する端末111には修正依頼画面800が出力される。
また、合意形成部154は、既存の申請内容に対して追加申請してもよい。また、承認先の自動選定は、図6の進捗情報601の内容から合意形成部154が自動的に提示してもよい。
修正を提案する端末111(または台帳共同管理サーバ100)で、修正依頼画面800の承認依頼ボタン806がクリックされると、台帳共同管理サーバ100の合意形成部154が、承認先登録設定801、802、804、805に設定された企業の台帳共同管理サーバ100へ承認申請が送信される。
承認申請には、申請番号901と、修正内容の対象項目811と、修正前812と、修正後813が含まれる。
続いて承認申請依頼に対して承認を行う承認部155で行われる処理の一例を説明する。承認部155は、他の端末111から承認申請が通知されると、承認依頼画面1000を生成して、当該端末111(または出力装置206)に出力する。
承認依頼画面1000の一例を図11に示す。承認依頼画面1000は、図11に示すように承認実行エリア1100と修正内容表示エリア1200を含む。承認実行エリア1100は、申請番号1101と、提案元1102と、承認状況1103と、アクション1104と、コメント1105をひとつのエントリに含み、各エントリには、選択スイッチ1110が設定される。
申請番号1101には、合意形成部154が付与したブロックチェーン104内でユニークな値が設定される。提案元1102には、承認申請を発行した台帳共同管理サーバ100が所属する企業名が設定される。承認状況1103には、仮発注台帳141の承認対象905の値が設定される。
アクション1104は、当該端末111(または台帳共同管理サーバ100)を操作するユーザが選択する承認結果のボタンが表示される。図示の例では、承認ボタンと拒絶ボタンが表示される。承認ボタンがクリックされると、当該承認申請が当該端末111(台帳共同管理サーバ100)の企業で承認され、仮発注台帳141が更新される。拒絶ボタンがクリックされると、当該承認申請は、当該端末111の企業で却下され、仮発注台帳141が更新される。
コメント1105には、端末111の入力装置(または入力装置204)から入力された情報が格納され、仮発注台帳141のコメント907に反映される。
更に修正内容表示エリア1200には、台帳共同管理サーバ100が受信した承認申請の情報が反映され、修正内容の対象項目1201と、当該項目の修正前1202と、修正後1203の内容が表示される。
承認を行う端末111(台帳共同管理サーバ100)のユーザは、承認対象の選択スイッチ1110を選択し、修正対象の申請番号1101の修正内容を確認する。ユーザは、問題がなければアクション1104で承認ボタンをクリックすることで、承認作業を終える。また問題があれば拒絶ボタンで承認を拒否することができる。また、承認状況1103では他社の承認の状況を閲覧することができる。また、承認の際にはコメントを残すことができる。
承認部155は、アクション1104で指示された承認(または拒否)を受け付けた後に、承認内容をブロックチェーン104上の仮更新台帳140の承認用レコードに書き込む。承認部155が、仮更新台帳140に書き込む承認用レコードの一例を図12に示す。
図12の承認用レコードは、図9に示した仮更新台帳140と同様の形式である。承認部155は、図11のアクション1104の結果を承認対象905の内容に書き込む。また、承認部155は、承認依頼画面1000でコメント1105に記載があれば、仮更新台帳140上の承認用レコードのコメント907へ反映させる。
図13は、承認部155で行われる処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、台帳共同管理サーバ100が所定の周期で実行する。
承認部155は、最初に承認申請が届いているかをチェックし(S21)、承認申請を受信していれば図11に示した承認依頼画面1000を端末111(出力装置206)の画面に提示する(S22)。その後、端末111(台帳共同管理サーバ100)のユーザが修正内容を確認した後に、承認実行エリア1100のアクション1104で承認または拒絶を選択する。
承認部155は、承認もしくは拒絶(拒絶)の承認結果を受け付けると、図12に示した承認用レコードに承認結果を反映して、ブロックチェーン104の仮更新台帳140に書き込む。
次に、自動執行プログラム105の更新部156で行われる処理について説明する。更新部156は、承認部155が実行するブロックチェーン104上の仮更新台帳140への書き込みのイベントが発生した場合に起動される。
図14は、更新部156で行われる処理の一例を示すフローチャートである。更新部156は、ブロックチェーン104に書き込まれた仮更新台帳140の申請番号901と承認対象905を取得し、取得した申請番号901と承認対象905で仮更新台帳140の承認用レコードを検索する。
そして、更新部156は、申請番号901に対応する承認対象905が発行した全ての承認用レコードが揃っているか否かを判定する(S31)。すなわち、更新部156は、承認対象905の企業の数と申請番号901に対応する承認用レコードの数が一致しているか否かを判定する。
更新部156は、承認対象905の全ての承認用レコードが揃っていない場合は処理を終了し、揃っている場合にはステップS32へ進む。
ステップS32では、更新部156が、承認対象905の全ての承認用レコードを読み込んで、承認対象905の内容が承認条件906を満たしているか否かを判定する。承認条件906を満たしていれば、ステップS33へ進み、満たしていなければステップS34へ進む。
ステップS33では、承認対象905で合意が形成されたので、更新部156は、仮更新台帳140の修正内容904を、発注台帳131と生産管理台帳132に反映させる。さらに、更新部156は、仮更新台帳140のステータス908に「承認完了」を書き込んで処理を終了する。
ステップS34では、承認対象905で合意が却下されたので、更新部156は、仮更新台帳140の修正内容904の反映は行わず、仮更新台帳140のステータス908に「却下」を書き込んで処理を終了する。
なお、発注台帳131や生産管理台帳132が各端末111の発注システムデータベース121や生産管理システムデータベース122と同期している場合には、台帳共同管理サーバ100が発注システムデータベース121や生産管理システムデータベース122に修正された内容を書き込んでもよい。
合意形成部154、は更に各承認結果の内容を表示することもできる。承認結果の一覧を示す画面の一例を図15に示す。
図15の承認状況表示画面1500は、図11に示した承認依頼画面1000とほぼ同様の構成を示すが、アクション1104の項目が、確認ボタンと再修正ボタンになっている点が図11と相違する。
端末111のユーザが、承認内容を確認し、確認ボタンをクリックすると、承認状況表示画面1500からは表示されなくなる。一方で、申請内容が却下されている場合は、コメント1105の拒絶理由などを鑑みて再申請することもできる。
本実施例では、サプライチェーン上の注文取引の変更に関する場合を示したが、必ずしもこの限りではない。例えばデータの種類を決済データや請求書データなどを追加すると決済日の変更や値段交渉等でも活用できる。
以上、本実施例によれば、取引の内容を記録する台帳(発注台帳131と生産管理台帳132、以下同様)を共有する台帳共同管理サーバ100が、台帳の項目(グループキー502)と項目の値(グループ情報503)で、アクセス権管理台帳(承認グループ管理台帳)133を参照することで、当該データの修正内容について承認を行う参加者(事業者)を特定する。これにより、多数の企業が連携するサプライチェーンの中で、台帳を更新する際に承認申請を送信すべき参加者を容易に特定することができる。
台帳のデータの変更を行う際、台帳共同管理サーバ100はアクセス権管理台帳133から承認申請を送信すべき参加者を自動的に選択することが可能となり、ブロックチェーン104を利用した台帳に対する修正の合意を、承認グループ内の参加者(台帳共同管理サーバ100)で実現することができる。
なお、本実施例のアクセス権管理台帳133では、所属企業504で構成される承認グループを企業名で設定する例を示したが、これに限定されるものではなく、分散台帳管理に参加する台帳共同管理サーバ100の識別子やアドレスを用いることができる。
したがって、サプライチェーンに参加している全ての企業が修正内容に対する承認を行うのではなく、修正要求のデータを利用する企業間で承認グループを形成することで、承認が必要な台帳共同管理サーバ100のみへ承認申請を送信することができる。これにより、不要なトランザクションをブロックチェーン104から排除することが可能となる。
また、本実施例によれば、台帳共同管理サーバ100が、台帳の修正内容と、承認の履歴を蓄積する仮更新台帳140で台帳のデータに対する修正要求(904)と、修正要求に対する承認(905)を管理する。
これにより、複数の参加者が同一のデータに対して同時に修正しようとした場合、各参加者は承認前に修正内容を全員で共有し、各修正内容に鑑みて承認結果(トランザクション)を発行することが可能となる。
また、台帳共同管理サーバ100は、承認申請を発行する際に、承認条件(修正内容が承認される条件)を設定することができ、承認先の台帳共同管理サーバ100が発行した承認結果が承認条件を満たす場合(合意の形成)には、修正内容を台帳に反映させることができる。
一方、承認結果が承認条件を満足しない場合には、台帳共同管理サーバ100は、仮更新台帳140のステータス908に「却下」を書き込んで、保存する。これにより、仮更新台帳140は、修正要求から各参加者の承認結果に至る経緯を記録することができる。
また、データのマスタとなる台帳は、参加者の合意が形成された修正内容のみで更新されるため、各参加者は正当なデータとして台帳を利用することができる。なお、台帳共同管理サーバ100は、合意が形成された修正内容を台帳に反映させてから、台帳と連携するデータ(発注システム121や生産管理システム122)に修正内容を適用することができる。
<まとめ>
以上のように、上記実施例に示した分散データ管理方法は、プロセッサ(202)とメモリ(207)と台帳を格納する記憶部(205)を有するサーバ(台帳共同管理サーバ100)が、前記台帳(発注台帳131、生産管理台帳132)を他のサーバと分散して管理するブロックチェーンシステム(104)で、前記サーバ(100)が、項目(502)と項目の値(503)を含む前記台帳(131、132)に対する修正内容(904)を受け付ける第1のステップと、前記サーバ(100)が、前記項目(502)と項目の値(503)に応じて、前記修正内容の承認を行う承認先のサーバ(所属企業504)を予め設定した承認グループ管理情報(アクセス権管理台帳133)を参照して、承認先のサーバ(504)を決定する第2のステップと、を含む。
これにより、多数の企業が連携するサプライチェーンの中で、台帳を更新する際に承認申請を送信すべき参加者を容易に特定することができる。
また、サーバ(100)が、前記修正内容(904)と前記承認先のサーバ(905)を仮更新台帳(140)へ書き込む第2のステップと、前記サーバ(100)が、前記修正内容(604)に対する承認条件(906)を受け付けて仮更新台帳(140)へ書き込む第3のステップと、前記サーバ(100)が、前記修正内容(904)を含む承認申請を前記承認先のサーバ(504)へ送信する第4のステップと、をさらに含む。
したがって、サプライチェーンに参加している全ての企業が修正内容に対する承認を行うのではなく、修正要求のデータを利用する企業間で承認グループを形成することで、承認が必要な台帳共同管理サーバ100のみへ承認申請を送信することができる。これにより、不要なトランザクションをブロックチェーン104から排除することが可能となる。
そして、台帳のデータの変更を行う際、台帳共同管理サーバ100はアクセス権管理台帳133から承認申請を送信すべき参加者を自動的に選択することが可能となり、ブロックチェーン104を利用した台帳に対する修正の合意を、承認グループ内の参加者(台帳共同管理サーバ100)で実現することができる。
また、前記サーバ(100)が、前記承認先のサーバ(504)から承認結果を受け付けて、前記承認結果が前記承認条件(906)を満たしているか否かを判定する第5のステップと、前記サーバ(100)が、前記承認条件(906)を満たしている場合には、前記修正内容(904)を前記台帳(131)、132へ反映させる第6のステップと、をさらに含む。
また、台帳共同管理サーバ100は、承認申請を発行する際に、承認条件(修正内容が承認される条件)を設定することができ、承認先の台帳共同管理サーバ100が発行した承認結果が承認条件を満たす場合(合意の形成)には、修正内容を台帳に反映させることができる。
また、前記第1のステップは、前記台帳(131、132)のデータのうち、当該サーバ(100)が関連するデータを抽出して進捗情報表示画面(600)を出力し、当該進捗情報表示画面(600)に対する修正を修正内容(904)として受け付ける。
これにより、台帳のデータのうち、当該サーバ(100)が関連するサプライチェーンのデータのみを抽出することで、当該サーバが(100)で承認を行わないデータを排除することが可能となる。
また、前記第6のステップは、前記台帳(131、132)が外部のデータ(121、122)と連携している場合には、前記修正内容(904)を前記外部のデータ(121、122)に反映させる。
これにより、台帳(131、132)は参加者の合意が形成された修正内容のみで更新されるため、各参加者は正当なデータとして台帳を利用することができ、連携する外部のデータ(121、122)にも合意された修正内容を反映させることができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に記載したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、又は置換のいずれもが、単独で、又は組み合わせても適用可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、及び処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、及び機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
100 台帳共同管理サーバ
105 自動執行プログラム
151 データ結合部
152 データ登録部
153 データ収集部
154 合意形成部
155 承認部
156 更新部
104 ブロックチェーン
131 発注台帳
132 生産管理台帳
133 アクセス権管理台帳
140 仮更新台帳
141 仮発注台帳
142 仮生産管理台帳
202 CPU
203 ネットワークインターフェイス
204 入力装置
205 ストレージ装置
206 出力装置
207 メモリ

Claims (8)

  1. プロセッサとメモリと台帳を格納する記憶部を有するサーバが、前記台帳を他のサーバと分散して管理するブロックチェーンシステムの分散データ管理方法であって、
    前記サーバが、項目と項目の値を含むデータを格納する前記台帳に対する修正内容と前記修正内容に対する承認条件を受け付ける第1のステップと、
    前記サーバが、前記項目と項目の値に応じて当該データにアクセス可能なサーバを承認グループとして予め設定されたアクセス権管理台帳を参照して前記修正内容の承認を依頼する承認グループのサーバを決定する第2のステップと、
    前記サーバが、前記修正内容と前記承認グループのサーバと前記承認条件を予め設定された仮更新台帳へ書き込む第3のステップと、
    前記サーバが、前記修正内容を含む承認申請を前記承認グループのサーバへ送信する第4のステップと、
    前記サーバが、前記承認グループのサーバから前記修正内容に対する承認結果を受け付けて、前記承認結果が前記承認条件を満たしているか否かを判定する第5のステップと、
    前記サーバが、前記承認条件を満たしていると判定した場合には、前記仮更新台帳の前記修正内容を前記台帳へ反映させる第6のステップと、
    を含むことを特徴とする分散データ管理方法。
  2. 請求項1に記載の分散データ管理方法であって、
    前記仮更新台帳は、
    前記台帳の項目と項目の値を特定するキーを有し、
    前記第3のステップでは、
    前記仮更新台帳の前記台帳の項目と項目の値を特定するキーに対応づけて前記修正内容と前記承認グループと前記承認条件を書き込むことを特徴とする分散データ管理方法。
  3. 請求項1に記載の分散データ管理方法であって、
    前記第6のステップでは、
    前記承認条件を満たしていないと判定した場合には、前記仮更新台帳に合意の不成立を書き込んで合意形成の履歴として蓄積することを特徴とする分散データ管理方法。
  4. 請求項1に記載の分散データ管理方法であって、
    前記アクセス権管理台帳は、前記台帳の項目を特定するグループキーと、前記台帳の項目の値を特定するグループ情報と、承認グループを構成するサーバを格納し、
    前記第2のステップでは、
    前記修正内容の前記項目と項目の値で前記アクセス権管理台帳を参照して前記承認グループのサーバを取得することを特徴とする分散データ管理方法。
  5. プロセッサとメモリと台帳を格納する記憶部を有し、前記台帳を他のサーバと分散して管理するブロックチェーンシステムの分散データ管理装置であって、
    前記プロセッサが、項目と項目の値を含むデータを格納する前記台帳に対する修正内容と前記修正内容に対する承認条件を受け付けて、
    前記プロセッサが、前記項目と項目の値に応じて当該データにアクセス可能なサーバを承認グループとして予め設定されたアクセス権管理台帳を参照して前記修正内容の承認を依頼する承認グループのサーバを決定し、
    前記プロセッサが、前記修正内容と前記承認グループのサーバと前記承認条件を予め設定された仮更新台帳へ書き込み、
    前記プロセッサが、前記修正内容を含む承認申請を前記承認グループのサーバへ送信し、
    前記プロセッサが、前記承認グループのサーバから前記修正内容に対する承認結果を受け付けて、前記承認結果が前記承認条件を満たしているか否かを判定し、
    前記プロセッサが、前記承認条件を満たしていると判定した場合には、前記仮更新台帳の前記修正内容を前記台帳へ反映させることを特徴とする分散データ管理装置。
  6. 請求項5に記載の分散データ管理装置であって、
    前記仮更新台帳は、前記台帳の項目と項目の値を特定するキーを有し、前記キーに対応して前記修正内容と前記承認グループと前記承認条件を格納することを特徴とする分散データ管理装置。
  7. 請求項5に記載の分散データ管理装置であって、
    前記プロセッサは、前記承認条件を満たしていないと判定した場合には、前記仮更新台帳に合意の不成立を書き込んで合意形成の履歴として蓄積することを特徴とする分散データ管理装置。
  8. 請求項5に記載の分散データ管理装置であって、
    前記アクセス権管理台帳は、前記台帳の項目を特定するグループキーと、前記台帳の項目の値を特定するグループ情報と、前記承認グループを構成するサーバを格納し、
    前記プロセッサは、前記修正内容の前記項目と項目の値で前記アクセス権管理台帳を参照して前記承認グループのサーバを取得することを特徴とする分散データ管理装置。
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