JP7063275B2 - 斜め延伸フィルムの製造方法、偏光板の製造方法、および液晶表示装置の製造方法 - Google Patents
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Description
Tg<T≦Tg+60 ・・・(1)
2≦t ・・・(2)
このように、前記先行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムと、前記後行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムとは同一の熱可塑性樹脂フィルムである場合に上記式(1)および(2)を満たせば、斜め延伸工程において熱可塑性樹脂フィルムの接合部が破断するのを抑制して、斜め延伸フィルムを連続して製造することができる。
なお、接合部の予熱温度T(℃)は、予熱工程において、熱可塑性樹脂フィルムの接合部からのフィルム法線方向の距離が100mmの空間の温度を、熱電対を用いて測定し、これを予熱工程における接合部の予熱温度T(℃)として採用する。
また、熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tgは、JIS K7121に記載された測定方法にてガラス転移温度を測定した。
更に、本発明において、「同一の熱可塑性樹脂フィルム」には、熱可塑性樹脂フィルム同士が厳密な意味で完全に同一である場合以外に、本発明の効果が得られる範囲内で、製造上の誤差等により組成や厚みが不可避的に異なる場合も含まれる。
なお、前記先行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムおよび前記後行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムの平均厚みは、熱可塑性樹脂フィルムの幅方向において5cm間隔の複数の地点で厚みをスナップゲージにより測定し、それらの測定値の平均値を計算することにより求める。
ここで、本発明の斜め延伸フィルムの製造方法は、斜め延伸フィルムを製造する際に用いることができる。また、本発明の偏光板の製造方法は、本発明の斜め延伸フィルムの製造方法により製造された斜め延伸フィルムを備える偏光板を製造する際に用いることができる。さらに、本発明の液晶表示装置の製造方法は、本発明の偏光板の製造方法により製造された偏光板を備える液晶表示装置を製造する際に用いることができる。
本発明の斜め延伸フィルムの製造方法は、斜め延伸フィルムを製造する方法である。そして、本発明の斜め延伸フィルムの製造方法は、先行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムと、後行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムとを、接合部を介して接合する工程(接合工程)と、前記接合部を介して接合された熱可塑性樹脂フィルムを連続搬送しながら所定の条件で予熱する工程(予熱工程)と、前記予熱された熱可塑性樹脂フィルムを連続搬送しながら斜め延伸する工程(斜め延伸工程)と、を含み、任意に、その他の工程を更に含む。
本発明の斜め延伸フィルムの製造方法の接合工程では、先行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムと、後行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムとを、接合部を介して接合することにより、斜め延伸フィルムの連続生産を可能にする。
なお、前記先行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムと、前記後行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムとは、同一の熱可塑性樹脂フィルムである。
前記接合方法としては、特に制限はなく、熱融着(「熱溶着」ということもある)、テープ接合、超音波融着(「超音波溶着」ということもある)、レーザー融着(「レーザー溶着」ということもある)、などが挙げられる。これらの中でも、接合部を所定の条件で予熱した際の熱可塑性樹脂フィルムの接合部の破断抑制効果が特に優れているという点で、熱融着、テープ接合、が好ましく、熱融着がより好ましい。
前記熱可塑性樹脂フィルムの平均厚みとしては、特に制限はないが、50μm以上が好ましく、100μm以上がより好ましく、300μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましい。前記熱可塑性樹脂フィルムの平均厚みが、前記範囲内であることにより、斜め延伸工程において熱可塑性樹脂フィルムの接合部が破断するのをより確実に抑制することができる。
前記熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、ノルボルネン系樹脂等の脂環式構造含有重合体樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ジアセチルセルロース樹脂、トリアセチルセルロース樹脂等のセルロース系樹脂;ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリケトンサルファイド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリプロピレン樹脂、セルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のその他の樹脂;(メタ)アクリル酸エステル-ビニル芳香族化合物共重合体樹脂、イソブテン/N-メチルマレイミド共重合体樹脂、スチレン/アクリルニトリル共重合体樹脂等の共重合体樹脂;などが挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせてもよい。これらの中でも、ノルボルネン系樹脂等の脂環式構造含有重合体樹脂が好ましい。
なお、前記脂環式構造や前記ノルボルネン系樹脂の詳細については、特許文献1に示す通りである。
前記熱融着では、通常、ヒートシーラー装置を用いて接合する。前記ヒートシーラ装置は、熱可塑性樹脂フィルムを挟むようにしてヒータで加熱して、融着(溶着)させる。ヒータは熱可塑性樹脂フィルムを溶解はするが分解はしない所定の温度まで加熱する。ヒータが熱可塑性樹脂フィルムを重ね合わせた状態で所定時間接触することにより熱可塑性樹脂フィルムの一部が溶けて接着し、先行する熱可塑性樹脂フィルムと後行する熱可塑性樹脂フィルムとを接合することができる。
より具体的には、例えば、図1に示すように、ヒートシーラー装置10を用いて、先行する熱可塑性樹脂フィルムAと後行する熱可塑性樹脂フィルムBとが熱融着される。
前記テープ接合では、例えば、斜め延伸工程を行う延伸温度の温度域で熱可塑性樹脂フィルム(原反フィルム)と略同じ延伸挙動を示す基材の両面に、粘着層が設けられている両面テープを用いて接合する。
具体的には、ヒートシーラー装置10を用いて熱融着を行う代わりに、熱可塑性樹脂フィルムA,Bの一方に両面テープなどを貼り付けた後、他方を貼り合わせることにより接合すること以外は、上述したのと同様にして接合できる。
前記超音波融着は、電気エネルギーを機械的振動エネルギーに変換し、また同時に加圧することにより熱可塑性樹脂フィルムの接合面に強力な摩擦熱を発生させ、熱可塑性樹脂を溶融し結合させる方法である。前記超音波融着では、例えば、熱可塑性樹脂フィルムを振幅0.05mm、毎秒2万~2万8千回で機械的に振動させて発熱させ、瞬時に融着(溶着)することができる。
具体的には、ヒートシーラー装置10を用いて熱融着を行う代わりに、超音波接合装置(例えば、特開2009-90650号公報の図7参照)などを用いて超音波融着することにより接合すること以外は、上述したのと同様にして接合できる。
前記レーザー融着では、例えば、熱可塑性樹脂フィルムの法線方向から接合ラインに沿って融着レーザービームを照射する。融着レーザービームは、先行する熱可塑性樹脂フィルムと後行する熱可塑性樹脂フィルムとを相互に溶かして接合させる。このとき、レーザー融着を行うレーザー融着装置は、先行する熱可塑性樹脂フィルムの接合面(後行する熱可塑性樹脂フィルムの接合面)を焦点位置として融着レーザービームを照射する。融着レーザービームが照射されると先行する熱可塑性樹脂フィルムの接合面で発熱して溶融し、その熱が後行する熱可塑性樹脂フィルムの接合面に伝わって溶融する。これにより、先行する熱可塑性樹脂フィルムと後行する熱可塑性樹脂フィルムとが接合部で融着(溶着)される。
具体的には、ヒートシーラー装置10を用いて熱融着を行う代わりに、レーザー融着装置などを用いてレーザー融着により接合すること以外は、上述したのと同様にして接合できる。
本発明の斜め延伸フィルムの製造方法の予熱工程では、前記接合部を介して接合された熱可塑性樹脂フィルムを連続搬送しながら接合部を下記式(1)および(2)を満たす条件で予熱することにより、後述する斜め延伸工程において熱可塑性樹脂フィルムの接合部が破断するのを抑制することができる。なお、予熱工程では、少なくとも接合部を下記の条件で予熱すれば、接合部以外の部分(熱可塑性樹脂フィルムAのみからなる部分および熱可塑性樹脂フィルムBのみからなる部分)は下記以外の条件で予熱してもよい。但し、斜め延伸フィルムの製造容易性の観点からは接合部と接合部以外の部分とは同一の条件で予熱することが好ましい。
Tg<T≦Tg+60 ・・・(1)
2≦t ・・・(2)
ここで、式(1)におけるTは、予熱工程における接合部の予熱温度(℃)を表し、式(1)におけるTgは、熱可塑性樹脂フィルムにおける熱可塑性樹脂のガラス転移温度(℃)を表し、式(2)におけるtは、予熱工程における接合部の予熱時間(秒間)を表す。
前記予熱工程における接合部の予熱温度T(℃)は、Tg(℃)超であると、斜め延伸工程において熱可塑性樹脂フィルムの接合部が破断するのを抑制することができ、Tg+60(℃)以下であると、熱可塑性樹脂フィルムが柔らかくなり過ぎて熱可塑性樹脂フィルムの搬送に支障が生じてしまうのを防止することができる。
一方、前記熱可塑性樹脂フィルムの厚みが100μm未満と薄い場合、予熱工程における接合部の予熱温度T(℃)は、Tg(℃)超が好ましく、Tg+10(℃)以上がより好ましく、Tg+50(℃)以下が好ましく、また、予熱工程における接合部の予熱時間t(秒間)は、2(秒間)以上が好ましく、12(秒間)以下が好ましく、7(秒間)以下がより好ましい。
本発明の斜め延伸フィルムの製造方法の斜め延伸工程では、前記予熱された熱可塑性樹脂フィルムを連続搬送しながら斜め延伸することにより、斜め延伸フィルムを製造することができる。
前記延伸温度T’(℃)が、前記範囲内であることにより、熱可塑性樹脂フィルムに含まれる分子を斜め延伸によって安定して配向させ、且つ、所望の位相差を得ることができる。なお、前記延伸温度T’(℃)は、前記予熱温度T(℃)と同じであっても異なっていてもよい。
一方、前記熱可塑性樹脂フィルムの厚みが100μm未満と薄い場合、斜め延伸工程における接合部の延伸温度T’(℃)は、Tg(℃)超が好ましく、Tg+10(℃)以上がより好ましく、Tg+30(℃)以下が好ましく、Tg+20(℃)以下がより好ましい。
なお、前記平均配向角θは、前記斜め延伸フィルムの幅方向において5cm間隔の複数の地点で、位相差計を用いて配向角を測定し、測定された各地点での配向角の値の平均値を計算することにより求めうる。
ここで、前記斜め延伸フィルムの平均厚みは、フィルムの幅方向において5cm間隔の複数の地点で厚みを測定し、それらの測定値の平均値を計算することにより求めうる。
なお、前記平均面内レターデーションReは、前記斜め延伸フィルムの幅方向において5cm間隔の複数の地点で、位相差計を用いて面内レターデーションを測定し、測定された各地点での面内レターデーションの値の平均値を計算することにより求めうる。
図2は、本発明に係る斜め延伸フィルムの製造方法を実施するために用いられる斜め延伸機の構成例を模式的に示す図である。
図2に示すように、斜め延伸機60は、いわゆるテンター延伸機であり、ヒートシーラー装置10で接合された熱可塑性樹脂フィルムF1の端部をそれぞれ把持する2つの把持装置101L,101Rを含んでなる一対の把持手段110と、一対の把持手段110によって把持された熱可塑性樹脂フィルムF1の温度を調整する温調室70とを備えている。
なお、予熱ゾーンXでは予熱工程が実施され、斜め延伸ゾーンYでは斜め延伸工程が実施される。
本発明の偏光板の製造方法は、上述した斜め延伸フィルムの製造方法により製造された斜め延伸フィルムと偏光子とを積層して偏光板を製造する方法である。
前記偏光板は、上述した斜め延伸フィルムの製造方法により製造された斜め延伸フィルムと、偏光子とを備え、更に必要に応じて任意の部材を備えうる。
前記偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール、部分ホルマール化ポリビニルアルコール等の適切なビニルアルコール系重合体のフィルムに、ヨウ素及び二色性染料等の二色性物質による染色処理、延伸処理、架橋処理等の適切な処理を適切な順序及び方式で施したものが挙げられる。このような偏光子は、自然光を入射させると直線偏光を透過させうるものであり、特に、光透過率及び偏光度に優れるものが好ましい。偏光子の厚さは、5μm以上80μm以下が一般的であるが、これに限定されない。
前記任意の部材としては、例えば、偏光子を保護するための保護フィルムが挙げられる。前記保護フィルムとしては、任意の透明フィルムを用いうる。中でも、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性等に優れる樹脂のフィルムが好ましい。
本発明の液晶表示装置の製造方法は、上述した偏光板を用いて液晶表示装置を製造する方法である。
前記液晶表示装置は、例えば、前記偏光板から所定の大きさに切り出したものを用いることにより製造することができる。
前記液晶表示装置の例としては、各種の駆動方式の液晶セルを有するものを挙げることができる。液晶セルの駆動方式としては、例えば、インプレーンスイッチング(IPS)モード、バーチカルアラインメント(VA)モード、マルチドメインバーチカルアラインメント(MVA)モード、コンティニュアスピンホイールアラインメント(CPA)モード、ハイブリッドアラインメントネマチック(HAN)モード、ツイステッドネマチック(TN)モード、スーパーツイステッドネマチック(STN)モード、オプチカルコンペンセイテッドベンド(OCB)モード、などが挙げられる。
以下に説明する操作は、特段の規定がない限り、常温および常圧の条件において行った。また、以下の実施例および比較例において、量を表す「%」および「部」は、特段の規定がない限り、質量基準である。
-熱可塑性樹脂フィルムの平均厚み(μm)の測定方法-
スナップゲージ(ミツトヨ社製「ID-C112BS」)を用いて、熱可塑性樹脂フィルムの幅方向において5cm間隔の複数の地点で厚みを測定した。それらの測定値の平均値を計算することにより、熱可塑性樹脂フィルムの平均厚みを求めた。なお、先行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムをシートAとし、後行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムをシートBとした。
熱可塑性樹脂フィルムの予熱時間t(秒間)は、熱可塑性樹脂フィルムの搬送速度と、予熱ゾーンX内の熱可塑性樹脂フィルムの搬送距離とから算出した。
図2の斜め延伸機(テンター延伸機)60に搬送された予熱ゾーンX内の熱可塑性樹脂フィルムの温度は、次のようにして測定した。
予熱ゾーンX内の熱可塑性樹脂フィルムの接合部からのフィルム法線方向の距離100mmの空間の温度を、熱電対を用いて測定し、これを熱可塑性樹脂フィルムの予熱温度T(℃)として採用した。
図2の斜め延伸機60に搬送された斜め延伸ゾーンY内の熱可塑性樹脂フィルムの温度は、次のようにして測定した。
斜め延伸ゾーンY内の熱可塑性樹脂フィルムの接合部からのフィルム法線方向の距離100mmの空間の温度を、熱電対を用いて測定し、これを熱可塑性樹脂フィルムの延伸温度T’(℃)として採用した。
以下の評価基準により、破断の評価を行った。
○:接合部が起因となる破断が全く発生しない。
△:接合部が起因となる破断が発生しないで連続して運転することができる時間が24時間以上である。
×:接合部が起因となる破断が発生しないで連続して運転することができる時間が24時間未満である。
位相差計(オプトサイエンス社製「ミューラマトリクス・ポラリメータ(Axo Sc an)」)を用いて、斜め延伸フィルムの幅方向において5cm間隔の複数の地点での面内レターデーションを測定した。各地点での面内レターデーションの値の平均値を計算し、これを斜め延伸フィルムの平均面内レターデーションReとして求めた。この際、測定波長は590nmとした。
位相差計(オプトサイエンス社製「ミューラマトリクス・ポラリメータ(Axo Scan)」)を用いて、斜め延伸フィルムの幅方向の複数の場所において、各地点での遅相軸を測定し、その遅相軸が斜め延伸フィルムの幅方向となす配向角を計算した。各地点での配向角の平均値を計算し、これを斜め延伸フィルムの平均配向角θとして求めた。この際、測定波長は590nmとした。
ノルボルネン樹脂のペレット(日本ゼオン社製「ZEONOR」、ガラス転移温度Tg 126℃)をTダイ式フィルム押出成形機で成形して、幅1200mm、厚さ120μmの長尺のノルボルネン樹脂フィルムを製造し、ロール状に巻き取った。このように、ロール状に巻き取ったノルボルネン樹脂フィルムを2つ準備し、ヒートシーラー装置を用いて、先行して搬送されるノルボルネン樹脂フィルム(シートA)と、後行して搬送されるノルボルネン樹脂フィルム(シートB)とを熱融着して接合した。
こうして得られた斜め延伸フィルムF2について、上述した方法で、破断、平均面内レターデーションRe、平均配向角θを評価した。得られた評価結果を表1に示す。
実施例1において、下記表1の実施例1の欄に示す条件で熱可塑性樹脂フィルムF1を予熱乃至斜め延伸する代わりに、下記表1の実施例2の欄に示す条件で熱可塑性樹脂フィルムF1を予熱乃至斜め延伸したこと以外は、実施例1と同様にして、斜め延伸フィルムF2を製造し、得られた斜め延伸フィルムF2についての評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
実施例1において、下記表1の実施例1の欄に示す条件で熱可塑性樹脂フィルムF1を予熱乃至斜め延伸する代わりに、下記表1の実施例3の欄に示す条件で熱可塑性樹脂フィルムF1を予熱乃至斜め延伸したこと以外は、実施例1と同様にして、斜め延伸フィルムF2を製造し、得られた斜め延伸フィルムF2についての評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
実施例1において、厚さ120μmの長尺のノルボルネン樹脂フィルムを製造する代わりに、厚さ70μmの長尺のノルボルネン樹脂フィルムを製造し、また、実施例1において、下記表1の実施例1の欄に示す条件で熱可塑性樹脂フィルムF1を予熱乃至斜め延伸する代わりに、下記表1の実施例4の欄に示す条件で熱可塑性樹脂フィルムF1を予熱乃至斜め延伸したこと以外は、実施例1と同様にして、斜め延伸フィルムF2を製造し、得られた斜め延伸フィルムF2についての評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
実施例4において、下記表1の実施例4の欄に示す条件で熱可塑性樹脂フィルムF1を予熱乃至斜め延伸する代わりに、下記表1の実施例5の欄に示す条件で熱可塑性樹脂フィルムF1を予熱乃至斜め延伸したこと以外は、実施例4と同様にして、斜め延伸フィルム F2を製造し、得られた斜め延伸フィルムF2についての評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
実施例1において、下記表1の実施例1の欄に示す条件で熱可塑性樹脂フィルムF1を予熱乃至斜め延伸する代わりに、下記表1の実施例6の欄に示す条件で熱可塑性樹脂フィルムF1を予熱乃至斜め延伸して斜め延伸フィルムF2を製造したこと以外は、実施例1と同様にして、斜め延伸フィルムF2を製造し、得られた斜め延伸フィルムF2についての評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
実施例6において、先行して搬送されるノルボルネン樹脂フィルムと、後行して搬送されるノルボルネン樹脂フィルムとを熱融着して接合する代わりに、先行して搬送されるノルボルネン樹脂フィルムと、後行して搬送されるノルボルネン樹脂フィルムとをテープ接合したこと以外は、実施例6と同様にして、斜め延伸フィルムF2を製造し、得られた斜め延伸フィルムF2についての評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
実施例2において、ノルボルネン樹脂のペレット(日本ゼオン社製「ZEONOR」、ガラス転移温度Tg 126℃)を別のノルボルネン樹脂のペレット(日本ゼオン社製「ZEONOR」、ガラス転移温度Tg 163℃)に変更したこと以外は実施例2と同様にして、斜め延伸フィルムF2を製造し、得られた斜め延伸フィルムF2についての評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
実施例1において、下記表1の実施例1の欄に示す条件で熱可塑性樹脂フィルムF1を予熱乃至斜め延伸する代わりに、下記表1の比較例1の欄に示す条件で熱可塑性樹脂フィルムF1を予熱乃至斜め延伸したこと以外は、実施例1と同様にして、斜め延伸フィルムF2を製造し、得られた斜め延伸フィルムF2についての評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
実施例1において、下記表1の実施例1の欄に示す条件で熱可塑性樹脂フィルムF1を予熱乃至斜め延伸する代わりに、下記表1の比較例2の欄に示す条件で熱可塑性樹脂フィルムF1を予熱乃至斜め延伸したこと以外は、実施例1と同様にして、斜め延伸フィルムF2を製造し、得られた斜め延伸フィルムF2についての評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
実施例4において、下記表1の実施例4の欄に示す条件で熱可塑性樹脂フィルムF1を予熱乃至斜め延伸する代わりに、下記表1の比較例3の欄に示す条件で熱可塑性樹脂フィルムF1を予熱乃至斜め延伸したこと以外は、実施例4と同様にして、斜め延伸フィルムF2を製造し、得られた斜め延伸フィルムF2についての評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
実施例7において、下記表1の実施例7の欄に示す条件で熱可塑性樹脂フィルムF1を予熱乃至斜め延伸する代わりに、下記表1の比較例4の欄に示す条件で熱可塑性樹脂フィルムF1を予熱乃至斜め延伸したこと以外は、実施例7と同様にして、斜め延伸フィルムF2を製造し、得られた斜め延伸フィルムF2についての評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
比較例2において、ノルボルネン樹脂のペレット(日本ゼオン社製「ZEONOR」、ガラス転移温度Tg 126℃)を別のノルボルネン樹脂のペレット(日本ゼオン社製「ZEONOR」、ガラス転移温度Tg 163℃)に変更したこと以外は比較例2と同様にして、斜め延伸フィルムF2を製造し、得られた斜め延伸フィルムF2についての評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
また、接合手段がテープである実施例7よりも、接合手段が熱融着である実施例6の方が、斜め延伸工程において熱可塑性樹脂フィルムの接合部が破断するのをより抑制して、より確実に斜め延伸フィルムを連続して製造することができた。
一方、予熱工程における予熱時間tが1.7秒間と短い比較例1および4では、斜め延伸工程において熱可塑性樹脂フィルムの接合部が破断するのを抑制することができなかった。
また、予熱温度Tがノルボルネン樹脂のガラス転移温度Tgである比較例2、3、および5では、斜め延伸工程において熱可塑性樹脂フィルムの接合部が破断するのを抑制することができなかった。
10 ヒートシーラー装置
10a ローラー
10b ローラー
12L スプロケッタ
12R スプロケッタ
13L スプロケッタ
13R スプロケッタ
21 上溶着ヘッド
22 下溶着ヘッド
23 ヒータ
24 ヒータ
25 温調器
26 温調器
28 接合部
60 斜め延伸機
70 温調室
101L 把持装置
101R 把持装置
110 把持手段
110L クリップ
110R クリップ
120L 無端チェーン
120R 無端チェーン
A 熱可塑性樹脂フィルム(先行シート)
B 熱可塑性樹脂フィルム(後行シート)
CS1 点線
CS2 点線
CS3 点線
D1 矢印
D2 矢印
D3 矢印
F1 熱可塑性樹脂フィルム
F2 斜め延伸フィルム
X 予熱ゾーン
Y 斜め延伸ゾーン
Claims (6)
- 先行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムと、後行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムとを、接合部を介して接合する接合工程と、
前記接合部を介して接合された熱可塑性樹脂フィルムを連続搬送しながら予熱する予熱工程と、
前記予熱された熱可塑性樹脂フィルムを連続搬送しながら斜め延伸する斜め延伸工程と、を含む、斜め延伸フィルムの製造方法であって、
前記先行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムと、前記後行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムとは同一の熱可塑性樹脂フィルムであり、
前記予熱工程における前記接合部の予熱温度をT(℃)とし、前記予熱工程における前記接合部の予熱時間をt(秒間)とし、前記熱可塑性樹脂フィルムにおける熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、下記式(1)および(2)を満たす、斜め延伸フィルムの製造方法。
Tg<T≦Tg+60 ・・・(1)
5≦t ・・・(2) - 前記先行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムと、前記後行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムとを熱融着により接合する、請求項1に記載の斜め延伸フィルムの製造方法。
- 前記先行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムおよび前記後行して搬送される熱可塑性樹脂フィルムは、平均厚みが50μm以上300μm以下である、請求項1または2に記載の斜め延伸フィルムの製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂フィルムにおける熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tgが、100℃以上180℃以下である請求項1~3のいずれかに記載の斜め延伸フィルムの製造方法。
- 請求項1から4の何れかに記載の斜め延伸フィルムの製造方法で製造された斜め延伸フィルムと、偏光子とを積層して偏光板を製造する、偏光板の製造方法。
- 請求項5に記載の偏光板の製造方法で製造された偏光板を備える液晶表示装置を製造する、液晶表示装置の製造方法。
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