以下、本発明に係るシステムの実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.本実施形態の手法
先ず、本発明に係る携帯型電子機器を適用したシステムの一例としての運動支援システムについて説明する。以下では、携帯型電子機器の一例として、例えばユーザーの手首に装着される脈波センサーや体動センサーを備えたリスト機器(ウェアラブル機器)を例示して説明する。
運動支援システムに用いられる携帯型電子機器としてのリスト機器には、表示部側に太陽電池を備え、ユーザーの生体情報としての脈波情報を取得する脈波センサーやユーザーの動作情報を取得する体動センサーが備えられている。さらに、リスト機器には、ユーザーの位置情報を取得する全地球的航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)などと呼ばれる位置情報衛星を用いた位置測位システムの一例としてのGPS(Global Positioning System)が備えられている。なお、携帯型電子機器としては、リスト機器に限らず、頸部や足首等、ユーザーの他の部位に装着されるウェアラブル機器としてもよい。
生体情報測定部の一例としての脈波センサーは、脈拍数などの脈波情報を取得することが可能である。脈波センサーとしては、例えば光電センサー(光センサー)が用いられる。この場合には、生体に対して照射された光の反射光または透過光を当該光電センサーで検出する手法等が考えられる。血管内の血流量に応じて、照射された光の生体での吸収量、反射量が異なるため、光電センサーで検出したセンサー情報は血流量等に対応した信号となり、当該信号を解析することで拍動に関する情報を取得することができる。ただし、脈波センサーは光電センサーに限定されず、心電計や超音波センサー等、他のセンサーを用いてもよい。
なお、光電センサー(光センサー)は、必要な光を受光し、且つ不要な光を遮光する必要があり、脈波センサーの例であれば、測定の対象物である被検体(特に測定対象の血管が含まれる部位)で反射された脈波成分を含む反射光を受光し、それ以外の光はノイズ成分となるため遮光することが必要となる。
体動センサーは、ユーザーの体動を検出するセンサーである。体動センサーとしては、加速度センサーや角速度センサー、あるいは方位センサー(地磁気センサー)や圧力センサー(高度センサー)等を用いることが考えられるが、他のセンサーを用いてもよい。
GPSは、全地球測位システムとも呼ばれ、複数の衛星信号に基づいて地球上の現在位置を測定するための衛星測位システムである。GPSは、GPS時刻情報と軌道情報とを使用して測位計算をおこないユーザーの位置情報を取得する機能、および時計機能における時刻修正機能を備えている。
2.運動支援システム
次に、図1を参照して、携帯型電子機器としてのリスト機器を適用した運動支援システムの構成について説明する。図1は、携帯型電子機器としてのリスト機器を適用した運動支援システムの概要を示す概略構成図である。
本実施形態に係る運動支援システム100は、図1に示すように、生体センサー(光電センサー)としての脈波センサー、体動センサーとしての加速度センサー、およびGPSなどが備えられた検出装置である携帯型電子機器としてのリスト機器200と、運動支援装置としての携帯機器300と、携帯機器300とネットワークNEを介して接続される情報処理装置としてのサーバー400と、を含む。
リスト機器200に備えられた全地球的航法衛星システムとしてのGPSは、GPS衛星8からの電波(衛星信号)を受信して内部時刻を修正したり、測位計算を行い位置情報を取得したりする機能を備えている。GPS衛星8は、地球の上空において、所定の軌道上を周回する位置情報衛星の一例であり、航法メッセージが重畳された高周波の電波を地上に送信している。以降の説明では、航法メッセージが重畳された電波を衛星信号という。
GPS衛星8からの衛星信号には、極めて正確なGPS時刻情報、および時刻誤差を補正するための時刻補正パラメーターが含まれている。リスト機器200は、一つのGPS衛星8から送信された衛星信号(電波)を受信し、その中に含まれるGPS時刻情報と時刻補正パラメーターとを使用して時刻情報を取得することができる。
また、衛星信号には、GPS衛星8の軌道上の位置を示す軌道情報も含まれている。リスト機器200は、GPS時刻情報と軌道情報とを使用して測位計算を行うことができる。測位計算は、リスト機器200の内部時刻にある程度の誤差が含まれていることを前提として行われる。すなわち、リスト機器200の三次元の位置を特定するためのx,y,zパラメーターに加えて時刻誤差も未知数になる。そのため、リスト機器200は、例えば三つ以上のGPS衛星8からそれぞれ送信された衛星信号(電波)を受信し、その中に含まれるGPS時刻情報と軌道情報とを使用して測位計算を行い、現在地の位置情報を取得することができる。
運動支援装置としての携帯機器300は、例えばスマートフォンやタブレット型の端末装置などで構成することができる。携帯機器300は、光電センサーである生体センサーとしての脈波センサーや体動センサーとしての加速度センサーが用いられたリスト機器200と、例えばBluetooth(登録商標)通信などを例示することができる近距離無線通信や有線通信(不図示)等によって接続されている。携帯機器300は、リスト機器200からの計測情報を受信し、処理されたユーザーの脈波情報や体動情報、もしくは位置情報などを報知することができる。ただし、携帯機器300は、例えば、リスト機器200に含まれている、後述する光センサー部40や体動センサー部170、もしくはGPS受信部160などを含むなど種々の変形実施が可能である。
なお、本実施形態におけるリスト機器200および携帯機器300は、Bluetoothの機能を有しており、携帯機器300とリスト機器200とは、Bluetooth通信は、例えばBluetooth Low Energy(Bluetooth 4.0 ともいう)によって接続されている。Bluetooth Low Energyは、省電力性が重視され、従来のバージョンに比べ大幅に省電力化することが可能となり、リスト機器の使用可能時間を長くすることが可能となる。
また、携帯機器300は、ネットワークNEを介してPC(Personal Computer)やサーバーシステム等のサーバー400と接続されることができる。ここでのネットワークNEは、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、携帯電話通信網、近距離無線通信等、種々のネットワークNEを利用できる。この場合、サーバー400は、リスト機器200で計測された脈波情報や体動情報や携帯機器300で処理したデータを、携帯機器300からネットワークNEを介して受信し、記憶する処理記憶部として実現される。
なお、上述のような実施形態においては、リスト機器200は、携帯機器300との通信が可能であればよく、直接的にネットワークNEに接続する必要がない。よって、リスト機器200の構成を簡略化することが可能になる。ただし、運動支援システム100において、携帯機器300を省略し、リスト機器200とサーバー400を直接接続する変形実施も可能である。この場合、リスト機器200は、携帯機器300に含まれている計測情報を処理する機能、および計測情報をサーバー400に送信したりサーバー400からの情報を受付けたりする機能を備える。
また、運動支援システム100は、サーバー400を含む構成により実現されるものには限定されない。例えば、運動支援システム100で実施される処理や機能は、携帯機器300により実現されてもよい。例えばスマートフォン等の携帯機器300は、サーバーシステムに比べれば処理性能や記憶領域、バッテリー容量に制約があることが多いが、近年の性能向上を考慮すれば、十分な処理性能等を確保可能となることも考えられる。よって、処理性能等の要求が満たされるのであれば、携帯機器300単独で本実施形態に係る運動支援システム100で実施される処理や機能を実現することが可能である。
また、本実施形態に係る運動支援システム100は、三つの装置により実現するものには限定されない。例えば、運動支援システム100は、リスト機器200、携帯機器300、およびサーバー400のうちの2以上の装置を含んでもよい。この場合、運動支援システム100で実行される処理は、いずれか一つの機器において実行されてもよいし、複数の機器で分散処理されてもよい。また、本実施形態に係る運動支援システム100が、リスト機器200、携帯機器300、およびサーバー400とは異なる機器を含むことも妨げられない。さらに、端末性能の向上、あるいは利用形態等を考慮した場合、リスト機器200により、本実施形態に係る運動支援システム100を実現する実施形態とすることができる。
また、本実施形態の運動支援システム100は、情報(例えばプログラムや各種のデータ)を記憶するメモリーと、メモリーに記憶された情報に基づいて動作するプロセッサーを含む。プロセッサーは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、あるいは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよい。ただしプロセッサーはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサーを用いることが可能である。またプロセッサーはASICによるハードウェア回路でもよい。メモリーは、例えばSRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよいし、ハードディスク装置等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリーはコンピューターにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令がプロセッサーにより実行されることで、運動支援システム100の各部の機能が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令でもよいし、プロセッサーのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
3.リスト機器
次に、図2、図3、図4、図5A、図6、図7、および図8を参照して、携帯型電子機器としてのリスト機器(測定機器)の構成について説明する。図2は、リスト機器の概略構成を示す表側(表示面側)からの外観斜視図である。図3は、リスト機器の概略構成を示す裏側からの外観斜視図である。図4は、リスト機器の構成を示す断面図である。図5Aは、リスト機器の構成を示す平面図である。図6は、リスト機器の概略構成を示す機能ブロック図である。図7は、リスト機器の構成要素の配置例1を示す部分断面図である。図8は、リスト機器の構成要素の配置例2を示す部分断面図である。
なお、以下のリスト機器200の説明では、機器本体30をユーザーに装着したとき、生体情報などの測定の対象部位となる対象物側に位置する側を「裏側、もしくは裏面側」、その反対側となる機器本体30の表示面側を「表側、もしくは表面側」として説明する。また、測定される「対象物(対象部位)」を「被検体」ということがある。また、リスト機器200のケース31を基準として座標系を設定し、表示部50の表示面の中心を原点とし、表示部50の表示面に交差する方向であって、表示部50の表示面側を表面とした場合の裏面から表面へと向かう方向をZ軸正方向(+Z軸方向)としている。あるいは、光センサー部40から表示部50に向かう方向、あるいは、太陽電池80を構成するパネルの受光面80a,80b,80c,80dの法線方向においてケース31から離れる方向をZ軸正方向と定義してもよい。リスト機器200が被検体に装着された状態では、上記Z軸正方向とは、被検体からケース31へと向かう方向に相当する。また、Z軸に直交する2軸をXY軸とし、特にケース31に対してバンド部10が取り付けられる方向をY軸に設定している。なお、受光面80a,80b,80c,80dは、太陽電池80に光が入射する面である。また、本明細書において、表示部50とは、+Z軸方向から風防板55を透して視認可能な、液晶ディスプレイ(表示パネル60)に情報の表示が行なわれる領域を総称している。また、表示部50の表示面とは、液晶ディスプレイ(表示パネル60)の表側(風防板55の配置側)に位置する面をいう。
図2は、バンド部10が固定された状態であるリスト機器200を、装着状態において被検体側となる裏側と反対側となる表側(表示部50側)となる方向である+Z軸方向から見た斜視図である。また、図3は、図2と反対側となる裏側である-Z軸方向から見た斜視図である。また、図4は、+Y軸方向から見たときの断面図である。また、図5Aは、+Z軸方向から見たときの平面図である。
携帯型電子機器としてのリスト機器200は、図2、図3、および図4に示すように、ユーザーの所与の部位(例えば手首などの測定の対象部位)に装着され、脈波情報や体動情報、および位置情報等を検出する。リスト機器200は、ケース31を含みユーザーに密着されて脈波情報や体動情報等を検出する機器本体30と、機器本体30に取り付けられ機器本体30をユーザーに装着するための一対のバンド部10と、を有する。
ケース31を含む機器本体30には、表示部50、表示部50の外縁部に配置された+Z軸方向に向くパネルの受光面80a,80b,80c,80dを含む環状の太陽電池80、および生体情報測定部としての光センサー部40(図4参照)に対応する測定窓部45が設けられている。なお、+Z軸方向(受光面80a,80b,80c,80dの法線方向)からの平面視で表示部50と太陽電池80の一部とが重なるように配置されてもよい。ただし、太陽電池80は、液晶ディスプレイ(表示パネル60)に情報の表示が行なわれる領域(表示面)と重ならないように配置する。また、機器本体30の外側面には複数の操作部(操作ボタン)58が設けられ、表示部50の外縁を環状に囲むように配置されたベゼル57が設けられている。但し、リスト機器200は、このような構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加したりするなどの種々の変形実施が可能である。
機器本体30は、表側に開口した開口部31sを備えたケース31を有する。ケース31の裏側には、ケース31の裏側の面である裏面から突出する凸状部32の頂部に光センサー部40の測定窓部45が設けられている。そして、+Z軸方向からの平面視において測定窓部45に対応する位置に生体情報測定部としての光センサー部40が配置され、透明カバー44が測定窓部45に挿入されている。なお、透明カバー44は、凸状部32の頂部から突出してもよい。また、+Z軸方向から見た平面視で、測定窓部45は、太陽電池80と重ならない位置に配置されていることが好ましい。このように、光センサー部40の測定窓部45が太陽電池80と重ならない位置に配置されていることから、ケース31の外周縁から光センサー部40までの距離が長くなって外光が届き難くなり、測定窓部45への外光の侵入を抑制することができ、光センサー部40の検出精度の低下を防止することができる。
なお、ケース31は、例えばステンレススチールなどの金属、もしくは樹脂などによって形成することができる。なお、ケース31の構成は、一体に限らず複数の部位に分割した構成、例えば、ユーザーへの装着側に裏蓋が設けられている二体構造のケース31としてもよい。
機器本体30には、機器本体30の表側に位置するケース31の開口部31sの外縁に+Z軸方向に突出して立設された突起部34の外周側に、ベゼル57が設けられるとともに、このベゼル57の内側に内部構造を保護する天板部分としての透明板である風防板(本例ではガラス板)55が設けられる。風防板55は、太陽電池80の受光面80a,80b,80c,80dに正対する方向、換言すれば+Z軸方向から見た平面視で、ケース31の開口を塞ぐように配置されている。風防板55は、パッキンや接着剤などの接合部材56によってケース31の突起部34の内縁側に取り付けられている。そして、ケース31とケース31の開口を塞ぐ風防板55とに囲まれたケース31の内側に、閉空間である内部空間36が設けられる。
なお、風防板55は、ガラス板に限らず、表示部50を閲覧可能な透光性部材であり、表示部50を構成する液晶ディスプレイ(表示パネル60)など、内部空間36に収容される要素部品を保護可能な程度の強度を有する部材であれば、透明のプラスチックなど、ガラス以外の材料とすることができる。
そして、ケース31内の内部空間36に、図4に示すように、リスト機器200を構成する要素部品である、例えば回路基板20、体動センサー部170(図6参照)に含まれるセンサーとしての方位センサー22や加速度センサー23、クロック信号を出力するタイミングデバイスとしての振動子25、GPSアンテナ28、光センサー部40、表示部50を構成する液晶ディスプレイ(以下、表示パネル60)、表示パネル60の照明部61、二次電池70(リチウム二次電池)、および太陽電池80などが収納されている。ただし、機器本体30は、図4に示す構成に限定されず、例えば標高などを算出するための気圧センサーや温度を測定するための気温センサーなどの他のセンサーやバイブレータなどを追加してもよい。また、回路基板20には、上述した要素部品との接続配線、リスト機器200を構成する各センサーや表示部50などを制御する制御回路や駆動回路などを含む制御回路を含む処理部としてのCPU(Central Processing Unit)21、振動子25、および他の回路素子24が接続されている。なお、処理部としてのCPU21は、各センサー、例えば光センサー部40や加速度センサー23の検出した信号を処理することができる。また、回路基板20には、方位センサー22や加速度センサー23が接続されてもよい。
内部空間36に配置されたリスト機器200を構成する要素部品のうち、回路基板20、光センサー部40、表示パネル60、二次電池70、および太陽電池80は、風防板55側から-Z軸方向に向かって、太陽電池80、表示パネル60、回路基板20、二次電池70、光センサー部40の順に配置されている。なお、太陽電池80は、表示部50の少なくとも一部を覆うように配置されている。
このように、ケース31内において、太陽電池80と回路基板20との間に、表示部50を構成する表示パネル60が配置されることにより、ユーザーは、回路基板20に遮られることなく表示部50の表示を容易に視認することができる。
また、ケース31内において、太陽電池80と光センサー部40との間に表示部50を構成する表示パネル60が配置されることにより、発電のために太陽電池80に向かって入射する光が、隙間などから侵入する洩れ光となって太陽電池80側からケース31内に侵入した、所謂迷光を表示パネル60によって遮光することができ、光センサー部40に対する外光(迷光)の影響を減少させることができる。
また、ケース31内において、表示部50と、光センサー部40との間に二次電池70が配置されることにより、発電のために入射する光が、太陽電池80側からケース31内に侵入した迷光を、二次電池70によって遮光することができ、光センサー部40に対する外光の影響を減少させることができる。
なお、図7に示すように、回路基板20、光センサー部40、および太陽電池80は、+Z軸方向(受光面の法線方向80a,80b,80c,80d)と直交する方向である-Y軸方向からの断面視で、回路基板20と光センサー部40との距離L1(回路基板20と光センサー部40との最短距離)よりも、回路基板20と太陽電池80との距離L2(回路基板20と太陽電池80との最短距離)の方が長くなるような配置とすることが好ましい。このように、回路基板20と太陽電池80との距離L2を長くすれば、回路基板20もしくは他の構成要素の発熱の影響を太陽電池80が受け難くなる。即ち、太陽電池80の昇温を抑制することができ、太陽電池80における発電効率の低下を抑制することができる。
また、図8に示すように、回路基板20、光センサー部40、および太陽電池80は、+Z軸方向(受光面の法線方向80a,80b,80c,80d)と直交する方向である-Y軸方向からの断面視で、回路基板20と光センサー部40との距離L1(回路基板20と光センサー部40との最短距離)よりも、回路基板20と太陽電池80との距離L2(回路基板20と太陽電池80との最短距離)の方が短くなるように配置することとしてもよい。このように、回路基板20と太陽電池80との距離L2を短くすれば、太陽電池80で発電した電力の送電ロスを抑制し、充電効率を高めることができる。
また、ケース31内において、太陽電池80と光センサー部40との間に回路基板20が配置されることにより、発電のために太陽電池80に向かって入射する光が、隙間などから侵入する洩れ光となって太陽電池80側からケース31内に侵入した、所謂迷光を回路基板20によって遮光することができ、光センサー部40に対する外光(迷光)の影響を減少させることができる。
以下、図6に示す機能ブロック図も併せて参照しながら、それぞれの要素部品について説明する。
回路基板20は、第1面としての表面20fと、表面20fと表裏の関係にある面であり表面20fの反対側の面となる第2面としての裏面20rとを含み、外周側の端部が回路固定部である回路ケース75に取り付けられ、回路ケース75を介してケース31の内側に支持されている。回路基板20の表面20fには、体動センサー部170に含まれるセンサーとしての方位センサー22や加速度センサー23、タイミングデバイスとしての振動子25、および制御回路としてのCPU21などが実装され、それぞれが電気的に接続されている。また、回路基板20の裏面20rには、他の回路素子24などが電気的に接続されて実装されている。
そして、表示パネル60および太陽電池80は、それぞれフレキシブル基板などで構成される接続配線部63、および接続配線部81を介して回路基板20の表面20fに接続されている。また、光センサー部40は、フレキシブル基板などで構成される接続配線部46を介して表面20fの反対側の面である回路基板20の裏面20rに電気的に接続されている。このような配置とすることにより、接続のための配線の引き回しを最小限とすることができるとともに、発電のために入射する光が、太陽電池80側から洩れ光となってケース内に侵入した迷光を、回路基板20によって遮光することができ、光センサー部40に対する外光の影響を減少させることができる。なお、回路ケース75は、二次電池70などを案内することができる。
体動センサー部170に含まれる方位センサー(地磁気センサー)22や加速度センサー23は、ユーザーの体の動きに係る情報の検出、即ち体動情報を検出することができる。方位センサー(地磁気センサー)22や加速度センサー23は、ユーザーの移動や方向転換などの体動に応じて変化する信号である体動検出信号を出力し、制御回路を含む処理部としてのCPU21に送信する。なお、加速度センサー23は、ユーザーの移動などの動作に係る検知に加え、例えばユーザーが指先でケース31の外周部分もしくは風防板55などを叩く動作によってケース31に軽衝撃を加えて操作の意思表示を行う、所謂タッピング動作による検知を行うこともできる。
また、加速度センサー23は、図5Aに示すように、+Z軸方向からの平面視で、加速度センサー23の外縁よりも外側に太陽電池80が位置するように配設されることが好ましい。換言すれば、+Z軸方向からの平面視で、加速度センサー23と太陽電池80とが重ならないように配置されていることが好ましい。
このように、+Z軸方向からの平面視で、加速度センサー23の外縁よりも外側に太陽電池80が配置され、換言すれば加速度センサー23と太陽電池80とが重ならない位置に配置されることになるため、加速度センサー23と太陽電池80とが重なる場合よりも薄型化することができる。また、加速度センサー23と太陽電池80とが重ならない位置に配置されることになるため、太陽電池80の受光面80a,80b,80c,80dの面積を大きくしても、光のエネルギーによって昇温する太陽電池80の輻射熱による加速度センサー23の検出精度への影響を抑えることができる。したがって、太陽電池80の発電量を大きくすることができる。
また、+Z軸方向からの平面視で、加速度センサー23は、二次電池70と重なる位置に配置されていることが好ましい。このように、+Z軸方向からの平面視で、二次電池70と加速度センサー23とを重なる位置に配置することができるため、二次電池70と加速度センサー23とを重ならない位置に配置することよりも、二次電池70の平面積を大きくすることができ、二次電池70の蓄電量を多くすることができる。
処理部としてのCPU21は、GPSアンテナ28を含むGPS受信部160を制御する回路、光センサー部40を駆動し脈波を測定する回路、表示部50(表示パネル60)を駆動する回路、体動センサー部170を駆動し、検出した信号を処理して体動情報として取得する回路、および太陽電池80における発電回路、を制御する制御回路などを構成する。そして、CPU21は、それぞれの部位で検出された脈波情報や体動情報、またはユーザーの位置情報などを、必要に応じて通信部29に送信する。
基準信号を出力するタイミングデバイスとしての振動子25は、時計機能の基準信号や種々のデータ処理のタイミング基準信号などの基準クロック信号を生成し、CPU21に出力する。振動子25は、例えば水晶などの圧電材料によって構成された振動素子を内蔵したセラミックなどのパッケージ内に収容して構成されている。なお、図4では、一つの振動子25を図示しているが、出力周波数の異なった複数の振動子25を用いてもよい。
振動子25は、図5Aに示すように、+Z軸方向からの平面視で、振動子25の外縁よりも外側に太陽電池80が位置するように配設されることが好ましい。換言すれば、+Z軸方向からの平面視で、振動子25と太陽電池80とが重ならないように配置されていることが好ましい。
振動子25を構成する振動素子は、図9に示すように、温度によって共振周波数が変化する所謂周波数温度特性(以下、温度特性という)を有している。なお、図9は、振動子の周波数温度特性の一例を示すグラフである。特に、図9に振動子25Aとして示す、時計機能の基準クロックを生成する、例えば32.768KHzの共振周波数を有する音叉型振動素子は、概ね25℃付近に頂点を持った二次曲線に沿った温度特性を有するため設置環境の温度に対して周波数変化の起こり易い電子部品である。
また、データ処理のタイミング基準信号を出力する振動子25は、図9に振動子25Bとして示す、三次曲線に沿った温度特性を有する数MHz~数十MHz帯の出力周波数の、例えばATカット振動素子を用いる。三次曲線の温度特性を有するATカット振動素子は、前述の二次曲線の温度特性を有する音叉型振動素子と比べ、常温付近の周波数変化は小さいが、低温領域や高温領域では温度変化に対する周波数の変化が大きくなる。
このように、温度変化に対して共振周波数が変化する振動子25ではあるが、上述のように+Z軸方向からの平面視で、振動子25の外縁よりも外側に太陽電池80を配置することにより、太陽電池80の受光面80a,80b,80c,80dの面積を大きくしても、光のエネルギーによって昇温する太陽電池80の輻射熱が振動子25に伝わり難くなり、振動子25の発振周波数の精度(温度特性による発振周波数の変化)への影響を抑えることができ、太陽電池80の発電量を大きくすることができる。
GPSアンテナ28は、GPS受信部160に信号処理部66とともに含まれ、複数の衛星信号を受信する。信号処理部66は、GPSアンテナ28が受信した複数の衛星信号に基づいて測位計算を行い、ユーザーの位置情報として取得する。
通信部29は、CPU21から送信された脈波情報や体動情報、もしくはユーザーの位置情報を、必要に応じて携帯機器300などに送信する。
生体情報測定部としての光センサー部40は、脈波等を検出するものであり、受光部41、および受光部41の両側、換言すれば、平面視で受光部41よりも外側(ケース31の外周側)に配置された複数(本形態では二つ)の発光部42を含む。このように、発光部42よりも内側に受光部41を配置することにより、ケース31の外周側から侵入する外光の受光部41への侵入を抑制することができ、光センサー部40に対する外光の影響を減少させることができる。なお、発光部42は、二つに限らず、単数、もしくは、三つ以上であってもよい。受光部41、および二つの発光部42は、センサー基板43の一方面に取り付けられており、例えば光硬化性樹脂などで構成され、光を透過する部材で構成された透明カバー44で覆われている。透明カバー44は、受光部41、および二つの発光部42に対応する領域を含む部分がケース31に設けられた測定窓部45に挿入されている。なお、透明カバー44は、ケース31の凸状部32の頂部から突出してもよい。
光センサー部40は、前述したように発光部42から射出された光が被検体(測定の対象物)に対して照射され、その反射光が受光部41で受光されることによって脈波情報を検出することができる。光センサー部40は、発光部42および受光部41を含む脈波センサーにより検出された信号を、脈波検出信号として出力する。光センサー部40としては、例えば光電センサーが用いられる。この場合には、生体(ユーザーの手首)に対して、発光部42から照射された光の反射光または透過光を、受光部41によって検出する手法等が考えられる。このような手法では、血管内の血流量に応じて、照射された光の生体での吸収量、反射量が異なるため、光電センサーで検出したセンサー情報は血流量等に対応した信号となり、当該信号を解析することで拍動に関する情報を取得することができる。ただし、脈波センサーは光電センサーに限定されず、心電計や超音波センサー等、他のセンサーを用いてもよい。
また、光センサー部40は、図5Aに示すように、太陽電池80の受光面80a,80b,80c,80dに正対する方向(+Z軸方向)から見た平面視で、環状に形成された太陽電池80に重ならない位置に配置されている。換言すれば、太陽電池80は、+Z軸方向から見た平面視で、光センサー部40の外縁より外側に配置され、太陽電池80と光センサー部40とが重ならない位置に配置されている。さらに換言すれば、+Z軸方向から見た平面視でベゼル57と光センサー部40との間に太陽電池80が配置されている。ここで、光センサー部40の外縁とは、好ましくは、少なくとも受光部41、および二つの発光部42の外縁を含むと共に、それぞれの外縁が結ばれた、図5A中に斜めハッチングで示された領域の外縁である。なお、本実施形態では、受光部41、および二つの発光部42が含まれる測定窓部45の外縁を、光センサー部40の外縁とすることができる。また、センサー基板43の外縁を、光センサー部40の外縁としてもよい。また、透明カバー44の外縁を、光センサー部40の外縁としてもよい。なお、光センサー部40が太陽電池80に囲まれているとは、複数の太陽電池80により光センサー部40が囲まれている場合も含むことができ、太陽電池80が分割されている場合や切り込みが有ってもよい。ここで、+Z軸方向からの平面視で光センサー部40の外縁に対して垂線を引いたとき、太陽電池80に交差する垂線を引ける光センサー部の割合が5割以上の場合を「囲まれている」と定義することができる。また、+Z軸方向からの平面視で光センサー部40の重心に対して同心円を引いたとき、同心円の円周に対して同心円と太陽電池80とが重なる割合が5割以上の場合を「囲まれている」と定義することもできる。
このように、+Z軸方向からの平面視で、環状に配置された太陽電池80が光センサー部40を囲むように、光センサー部40の外縁より外側に配置されている、換言すれば、平面視で光センサー部40がケース31の中心部に配置されることになり、光センサー部40における外光(洩れ光)の影響を抑制することができる。これにより、光センサー部40の検出精度を低下させることなく、太陽電池80を配置することができる。また、平面視で太陽電池80が光センサー部40の外縁より外側に配置されているため、太陽電池80での発電を効率よく行いながら光センサー部40の検知を行い易くするための配置バランスが向上し、リスト機器200の機器本体30のユーザーへの装着性を向上させることができる。また、透明カバー44の外縁を、光センサー部40の外縁としてもよい。なお、「重ならない」とは、+Z軸方向から見た平面視で太陽電池80と光センサー部40とが重なる面積をSとするとS=0となる状態を指す。また、光センサー部40が太陽電池80に囲まれているとは、複数の太陽電池80により光センサー部40が囲まれている場合も含むことができ、太陽電池80が分割されている場合や切り込みが有ってもよい。ここで、「囲まれている」とは、太陽電池80の任意の外縁の一点から、他の任意の外縁の一点に対して線分を引いたとき、+Z軸方向から見た平面視で線分と太陽電池80とが重なる場合、「囲まれている」と定義する事ができる。
また、光センサー部40の少なくとも一部が、図5Aに示すように、+Z軸方向から見た平面視で、太陽電池80の重心Gと重なるように配置されていることが好ましい。このような光センサー部40および太陽電池80の配置により、機器本体30のバランス(重心位置)が良好となり、ユーザーへの装着性を向上させることができる。なお、重心Gは、質量中心と言い換えることができ、立体物の場合は立体物の構造内に定義される場合や、空間に定義される場合がある。また、重心と重なるとは、所定の方向から見た場合に、重心の位置を2次元的な平面や所定の対象物に投映したときに重なる状態と定義する事ができる。
表示部50は、風防板55を介して、風防板55の直下に設けられる表示パネル60等の表示体に表示される数字やアイコン、もしくは時刻表示用指針などの表示をユーザーが視認可能な構成とする。つまり本実施形態では、検出した生体情報や運動状態を表す情報、あるいは時刻情報等の種々の情報を表示パネル60を用いて表示し、当該表示を表側(+Z軸方向)からユーザーに提示する。なお、表示体としては、液晶ディスプレイである表示パネル60に替えて、有機EL(Organic Electro Luminescence)ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ(EPD:Electrophoretic Display)、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイなどを用いることができる。
照明部61は、表示パネル60のバックライトとして機能する。照明部61は、回路基板20の第1面としての表面20fに接続されている。照明部61が、このように回路基板20に接続されることにより、接続のための配線の引き回しを最小限とすることができるとともに、照明部61から射出される光が回路基板20によって遮光され、光センサー部40に対する迷光の影響を減少させることができる。
二次電池70は、両極の端子が接続基板(不図示)などによって回路基板20に接続され、電源を制御する回路へ電源を供給する。また、二次電池70は、回路基板20を介して太陽電池80と電気的に接続されている。電源は、この回路で所定の電圧に変換されるなどして各回路へ供給され、光センサー部40を駆動し脈拍を検出する回路、表示パネル60を駆動する回路、各回路を制御する制御回路(CPU21)などを動作させる。二次電池70への充電は、コイルばねなどの導通部材(不図示)により回路基板20と導通された一対の充電端子を介して行われたり、太陽電池80によって発電された電力を用いて行われたりする。
また、二次電池70は、+Z軸方向からの平面視で、太陽電池80と重ならない位置に配置されていることが好ましい。このように、+Z軸方向からの平面視で、二次電池70が太陽電池80と重ならない位置に配置されることにより、二次電池70の充電において生じる発熱の影響を太陽電池80が受け難くなり、太陽電池80の昇温を抑制することができることから、太陽電池80における発電効率を高めることができる。
太陽電池(Solar cell)80は、光起電力効果を利用し、太陽光などの外光の光エネルギーを電力に変換して発電する。本実施形態の太陽電池80は、風防板55と表示パネル60との間にあって、四つのパネルに分割されて配置され、それぞれのパネルの受光面80a,80b,80c,80dが、+Z軸方向に向くように配置されている。太陽電池80は、表示パネル60の外縁を含む外周部(表示部50の外縁部)、換言すればケース31の外周側に位置し、中央部が貫通孔となった、所謂環状(リング状)をなして構成されている。
具体的に、太陽電池80は、図5Aに示すように、ケース31の開口部31s側に位置し、開口部31sに沿った円周状の外周80os、外周80osよりも周長が短い円周状の内周80is、および外周80osと内周80isとを両側で結ぶ二つの側辺80ssを有し、表示パネル60の外周部に配置されている。即ち、受光面80a,80b,80c,80dを有するそれぞれのパネルにおいても、外周よりも周長が短い内周を有している。なお、+Z軸方向からの平面視において、太陽電池80の同心円で半径が短い方が内周であり、半径が長い方が外周であると言い換えてもよい。本構成での太陽電池80では、このような受光面80a,80b,80c,80dを有する四つのパネルを、ケース31の開口部31sに沿って配置することによって構成されている。また、太陽電池80を構成する四つのパネルの外周80osおよび内周80isを加算して、太陽電池80の外周長および内周長としてもよい。このような環状の太陽電池80の配置により、表示部50の表示エリアを効率よく配置することができるなど、リスト機器200のデザイン性を高めることができる。
なお、本構成では、四つのパネルを用いた環状の太陽電池80を例示しているが、太陽電池80は、一体のパネルで構成されてもよい。また、太陽電池80が複数のパネルで構成される場合のパネルの数量は問わない。また、太陽電池80を構成するパネルの形状は問わない。また、太陽電池80はパネルでなくフィルムで構成されても良い。
また、太陽電池80を構成するパネルの形状は、表示部50の視認性を損ねたり、デザイン性を損ねたりしなければ、問わない。以下、パネルの形状の一例を、図5Bおよび図5Cに示す変形例として説明する。ここで図5Bは、太陽電池のパネルの変形例1を示す平面図であり、図5Cは、太陽電池のパネルの変形例2を示す平面図である。
図5Bに例示されている変形例1に係る太陽電池80Aは、受光面80aa,80ba,80ca,80daを有するパネルの外周が、それぞれのパネルで二等分され、太陽電池80A全体としては八等分された直線状の外周辺s1,s2,s3,s4,s5,s6,s7,s8を有して構成されている。具体的には、開口部31sの中心CGを中心として、開口部31sの内縁と同心円である仮想線R10上に八等分された点P1,p2,p3,p4,p5,p6,p7,p8のそれぞれの間を結ぶ直線を外周辺s1,s2,s3,s4,s5,s6,s7,s8としている。例えば、受光面80aaを有するパネルでは、12時方向に配置された点p8と一つ目の分割点である点p1とを結ぶ直線で外周辺s1が構成され、点p1と次の分割点である点p2とを結ぶ直線で外周辺s2が構成される。なお、内周は、中心CGを中心とした概ね同心円である円周で構成されている。
図5Cに例示されている変形例2に係る太陽電池80Bは、受光面80ab,80bb,80cb,80dbを有するパネルの外周が、それぞれのパネルで三等分され、太陽電池80B全体としては十二等分された直線状の外周辺s11,s12,s13,s14,s15,s16,s17,s18,s19,s20,s21,s22を有して構成されている。具体的には、開口部31sの中心CGを中心として、開口部31sの内縁と同心円である仮想線R10上に十二等分された点P11,p12,p13,p14,p15,p16,p17,p18,p19,p20,p21,p22のそれぞれの間を結ぶ直線を外周辺s11,s12,s13,s14,s15,s16,s17,s18,s19,s20,s21,s22としている。例えば、受光面80abを有するパネルでは、12時方向に配置された点p22と一つ目の分割点である点p11とを結ぶ直線で外周辺s11が構成され、点p11と次の分割点である点p12とを結ぶ直線で外周辺s12が構成される。なお、内周は、中心CGを中心とした概ね同心円である円周で構成されている。
なお、図5Bおよび図5Cに示す変形例では、パネルの内周が円周であり、パネルの外周がそれぞれのパネルで二等分されたり三等分されたりする例を示したが、パネルの内周を二等分したり三等分したりすることも可能である。また、内周および外周を二等分したり三等分したりすることも可能である。また、直線状の外周または内周のあるパネルとないパネルを組み合わせて用いてもよい。
記憶部180は、CPU21の制御によって、光センサー部40による脈波等の生体情報、GPS受信部160による位置情報、および体動センサー部170による体動情報などを記憶する。
上述した携帯型電子機器としてのリスト機器200によれば、+Z軸方向からの平面視で、加速度センサー23の外縁よりも外側に、ケース31の外縁31sに沿った外周80os、および外周80osよりも周長が短い内周80isを有し、表示パネル60の外周部に配置された太陽電池80が配置されている。そして、太陽電池80の内側であって太陽電池80と重ならない位置に加速度センサー23が配置されることにより、太陽電池80と加速度センサー23とが重なって配置される場合よりも、機器本体30の厚み方向のスペース効率よく加速度センサー23を配置することができ、機器本体30を薄型化することができる。
また、+Z軸方向からの平面視で、振動子25の外縁よりも外側に太陽電池80を配置することにより、太陽電池80の受光面80a,80b,80c,80dの面積を大きくしても、光のエネルギーによって昇温する太陽電池80の輻射熱が振動子25に伝わり難くなり、温度変化に対して共振周波数が変化する振動子25においても、発振周波数の精度(温度特性による発振周波数の変化)への影響を抑えることができる。
さらに、リスト機器200によれば、環状の太陽電池80の配置により、配置バランスを崩すことなく、表示部50の表示エリアを効率よく配置することができ、太陽電池80の発電量を大きくしつつ、リスト機器200のデザイン性を高めることができる。
なお、二次電池70は、+Z軸方向からの平面視と直交する方向である-Y軸方向からの断面視で、太陽電池80と回路基板20との間に配置することができる。このような配置とすることにより、太陽電池80の受光面80a,80b,80c,80dの面積を大きくしても、光のエネルギーによって昇温する太陽電池80の輻射熱を二次電池70によって遮断することができ、回路基板20に接続された加速度センサー23の検出や振動子25の出力周波数に対する熱の影響を低減することができる。
3.1.太陽電池、加速度センサー、および振動子の配置の変形例
なお、上述では、環状の太陽電池80が、表示パネル60の外縁側に配置され、+Z軸方向からの平面視で、太陽電池80と加速度センサー23および振動子25とが重ならない位置に配置されている構成を示して説明したが、太陽電池80、加速度センサー23および振動子25の配置構成は、これに限らない。太陽電池80の配置と構成(形状)、加速度センサー23および振動子25の配置は、例えば、次の変形例に示すような構成とすることが可能である。なお、太陽電池80、加速度センサー23および振動子25の配置構成は、変形例に限定するものではなく他の構成とすることができる。以下、図10から図13を参照して、太陽電池、加速度センサー23および振動子25の配置の変形例1から変形例4を順次説明する。なお、図10~図13は、太陽電池、加速度センサーおよび振動子の配置の変形例を示す平面図であり、図10は変形例1を示し、図11は変形例2を示し、図12は変形例3を示し、図13は変形例4を示す。
(変形例1)
先ず、図10を参照して、太陽電池、加速度センサーおよび振動子の配置の変形例1について説明する。図10に示すように、変形例1に係る太陽電池801は、風防板55と表示パネル60(図4参照)との間にあって、X軸およびY軸に対して略45度の角度を有する位置において四つのパネルに分割されて配置され、それぞれのパネルの受光面80i,80j,80k,80mが、+Z軸方向に向くように配置されている。太陽電池801は、ケース31の開口部31sに沿った外周801os、および外周801osよりも周長が短い内周801isを有し、表示パネル60の外周部に配置されている。即ち、受光面80i,80j,80k,80mを有するそれぞれのパネルにおいても、外周よりも周長が短い内周を有している。太陽電池801は、受光面80i,80j,80k,80mを有するそれぞれのパネルによって、中央部が矩形(本例では、略正方形)の貫通孔となるように構成されている。即ち、太陽電池801は、それぞれのパネルの外周側が円弧状をなし、中央側が略直線状をなしており、矩形形状の表示部501が構成される。なお、本構成では、四つのパネルを用いた太陽電池801を例示しているが、太陽電池801は、分割されない一体のパネルで構成されてもよい。
ここで、加速度センサー23および振動子25は、+Z軸方向からの平面視で、加速度センサー23の外縁、および振動子25の外縁よりも外側に太陽電池801の内周801isが位置するように配置されている。換言すれば、加速度センサー23および振動子25は、+Z軸方向からの平面視で、太陽電池801と重ならない位置に配置され、図示しない回路基板に取り付けられている。具体的に、加速度センサー23は、太陽電池801を構成するパネルの内、受光面80mおよび受光面80iを有するパネルの並設部分にあって、太陽電池801の内周801isよりも内側に配置されている。また、振動子25は、受光面80iおよび受光面80jを有するパネルの並設部分にあって、太陽電池801の内周801isよりも内側に配置されている。
なお、光センサー部40は、発光部42および受光部41が接続されたセンサー基板43を少なくとも含み、+Z軸方向から見た平面視で、太陽電池801の矩形(本例では、略正方形)の貫通孔の中央部に配置されている。即ち、光センサー部40は、+Z軸方向から見た平面視で、太陽電池801に重ならないように内側にあって、太陽電池801に囲まれて配置されている。なお、光センサー部40は、+Z軸方向から見た平面視で、太陽電池801の重心Gと重なるように配置されている。なお、光センサー部40の構成は、上述と同様であるのでここでの説明は省略する。
本変形例1の配置によれば、+Z軸方向からの平面視で、加速度センサー23および振動子25の外縁よりも外側に太陽電池801の内周801isが位置している。すなわち、加速度センサー23が太陽電池801と重ならない位置に配置されているため、加速度センサー23が太陽電池801と重なる場合よりも、薄型化することができる。また、振動子25が太陽電池801と重ならない位置に配置されているため、光のエネルギーによって昇温する太陽電池801の輻射熱による振動子25の発振周波数の精度(温度特性による発振周波数の変化)への影響を抑えることができる。また、太陽電池801をケース31に対してバランスよく配置することができる。
(変形例2)
次に、図11を参照して、太陽電池、加速度センサーおよび振動子の配置の変形例2について説明する。図11に示すように、変形例2に係る太陽電池802は、風防板55と表示パネル60(図4参照)との間にあって、外周側が円弧状の外縁をなし、中央側が略直線状の直線部をなす二つのパネルによって構成され、略直線状をなす直線部がX軸に沿って互いに対向するように、二つのパネル間に表示部502を構成するように配置されている。具体的に、太陽電池802は、ケース31の開口部31sに沿った外周802os、および外周802osよりも周長が短い内周802isを有し、表示パネル60の外周部に配置されている。即ち、受光面80n,80pを有するそれぞれのパネルにおいても、外周よりも周長が短い内周を有している。なお、太陽電池802を構成するそれぞれのパネルの受光面80n,80pは、+Z軸方向に向くように配置されている。
ここで、加速度センサー23および振動子25は、+Z軸方向からの平面視で、加速度センサー23の外縁、および振動子25の外縁よりも外側に太陽電池802の内周802isが位置するように配置されている。換言すれば、加速度センサー23および振動子25は、+Z軸方向からの平面視で、太陽電池802と重ならない位置に配置され、図示しない回路基板に取り付けられている。具体的に、加速度センサー23は、太陽電池802を構成する二つのパネルの受光面80nおよび受光面80pとの間にあって、太陽電池802の重心Gを通るX軸上の-X軸方向側のケース31の外周側に配置される。また、振動子25は、太陽電池802を構成する二つのパネルの受光面80nおよび受光面80pとの間にあって、太陽電池802の重心Gを通るX軸上の+X軸方向側のケース31の外周側に配置される。
光センサー部40は、発光部42および受光部41が接続されたセンサー基板43を少なくとも含み、+Z軸方向から見た平面視で、二つの太陽電池802の間に配置された表示部502の中央部に配置されている。即ち、光センサー部40は、+Z軸方向から見た平面視で、太陽電池802に重ならない位置に配置されている。なお、光センサー部40は、+Z軸方向から見た平面視で、太陽電池802の重心Gと重なるように配置されている。なお、光センサー部40の構成は、上述と同様であるのでここでの説明は省略する。
本変形例2の配置によれば、+Z軸方向からの平面視で、加速度センサー23および振動子25の外縁よりも外側に太陽電池802の内周802isが位置している。すなわち、加速度センサー23が太陽電池802と重ならない位置に配置されているため、加速度センサー23が太陽電池802と重なる場合よりも、薄型化することができる。また、振動子25が、太陽電池802と重ならない位置に配置されているため、振動子25の発振周波数の精度(温度特性による発振周波数の変化)への影響を抑えることができる。また、太陽電池802をケース31に対してバランスよく配置することができる。
(変形例3)
次に、図12を参照して、太陽電池、加速度センサーおよび振動子の配置の変形例3について説明する。図12に示す変形例3に係る太陽電池803は、風防板55と表示パネル60(図4参照)との間にあって、表示パネル60の外縁側に位置し、外周側が円弧状の外縁をなし、中央側がY軸に沿った略直線状の外縁をなす半円状の一つのパネルによって構成されている。具体的に、太陽電池803は、ケース31の開口部31sに沿った外周803os、および外周803osよりも周長が短い内周803isを有し、表示パネル60の一方の外周部に配置されている。なお、太陽電池803は、ケース31の+X軸側(3時側)に配置されている。したがって、表示部503は、ケース31の-X軸側(9時側)に配置される。また、太陽電池803を構成するパネルの受光面80sは、+Z軸方向に向くように配置されている。
ここで、加速度センサー23および振動子25は、+Z軸方向からの平面視で、加速度センサー23の外縁、および振動子25の外縁よりも外側に太陽電池803の内周803isが位置するように配置されている。換言すれば、加速度センサー23および振動子25は、+Z軸方向からの平面視で、太陽電池803と重ならない位置に配置され、図示しない回路基板に取り付けられている。具体的に、加速度センサー23および振動子25は、太陽電池803を構成するパネルの受光面80sの配置位置よりも-X軸側にあって、ケース31の外周側の表示部503と重なる位置に配置される。
光センサー部403は、発光部42および受光部41が接続されたセンサー基板43を少なくとも含み、+Z軸方向から見た平面視で、太陽電池803と重ならないように、測定窓部45がケース31の中心部から-X軸方向にずれた位置に配置されている。なお、太陽電池803を偏らせて配置させたときに、光センサー部403は重心Gと一致させるように配置させることができる。また、光センサー部403は、その配置位置が異なるが、その構成は上述した光センサー部40と同様であるのでここでの説明は省略する。
本変形例3の配置によれば、+Z軸方向からの平面視で、加速度センサー23および振動子25の外縁よりも外側に太陽電池803の内周803isが位置している。すなわち、加速度センサー23が太陽電池803と重ならない位置に配置されているため、加速度センサー23が太陽電池803と重なる場合よりも、薄型化することができる。また、振動子25が太陽電池803と重ならない位置に配置されているため、光のエネルギーによって昇温する太陽電池803の輻射熱による振動子25の発振周波数の精度(温度特性による発振周波数の変化)への影響を抑えることができる。
なお、本変形例3の配置によれば、リスト機器200をユーザーの手首に装着したとき、ケース31の+X軸側(3時側)は、ユーザーの指先側に位置することが多く、ユーザーの衣類(袖)が掛かり難い位置になることから、変形例3のように、ケース31の+X軸側(3時側)に太陽電池803を配置することにより、太陽光を受光することができる確率を高めることができ、より効率的な発電を行うことができる。
(変形例4)
次に、図13を参照して、太陽電池、加速度センサーおよび振動子の配置の変形例4について説明する。図13に示す変形例4に係る太陽電池804は、風防板55と表示パネル60(図4参照)との間にあって、表示パネル60の外縁側に位置し、外周側が円弧状の外縁(外周)をなし、中心側がX軸に沿った略直線状の外縁(内周)をなす半円状の一つのパネルによって構成されている。具体的に、太陽電池804は、ケース31の開口部31sに沿った外周804os、および外周804osよりも周長が短い内周804isを有し、表示パネル60の一方の外周部に配置されている。なお、太陽電池804は、ケース31の+Y軸側(12時側)に配置されている。したがって、表示部504は、ケース31の-Y軸側(6時側)に配置される。また、太陽電池804を構成するパネルの受光面80uは、+Z軸方向に向くように配置されている。
ここで、加速度センサー23および振動子25は、+Z軸方向からの平面視で、加速度センサー23の外縁、および振動子25の外縁よりも外側に太陽電池804の内周804isが位置するように配置されている。換言すれば、加速度センサー23および振動子25は、+Z軸方向からの平面視で、太陽電池804と重ならない位置に配置され、図示しない回路基板に取り付けられている。具体的に、加速度センサー23および振動子25は、太陽電池804を構成するパネルの受光面80uの配置位置よりも-Y軸側にあって、ケース31の外周側の表示部504と重なる位置に配置される。
光センサー部404は、発光部42および受光部41が接続されたセンサー基板43を少なくとも含み、+Z軸方向から見た平面視で、太陽電池804と重ならないように、測定窓部45がケース31の中心部から-Y軸方向にずれた位置に配置されている。なお、光センサー部404は、その配置位置が異なるが、その構成は上述した光センサー部40と同様であるのでここでの説明は省略する。
本変形例4の配置によれば、+Z軸方向からの平面視で、加速度センサー23および振動子25の外縁よりも外側に太陽電池804の内周804isが位置している。すなわち、加速度センサー23が太陽電池804と重ならない位置に配置されているため、加速度センサー23が太陽電池804と重なる場合よりも、薄型化することができる。また、振動し25が太陽電池804と重ならない位置に配置されているため、光のエネルギーによって昇温する太陽電池804の輻射熱による振動子25の発振周波数の精度(温度特性による発振周波数の変化)への影響を抑えることができる。
なお、上述した実施形態では、位置情報衛星を用いた位置測位システムの一例として、全地球的航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)が備える位置情報衛星としてGPS衛星8を用いたGPSを例示して説明したが、これはあくまで一例である。全地球的航法衛星システムは、ガリレオ(EU)、GLONASS(ロシア)、北斗(中国)などの他のシステムや、SBASなどの静止衛星や準天頂衛星などの衛星信号を発信する位置情報衛星を備えるものであればよい。即ち、リスト機器200は、GPS衛星8以外の衛星を含む位置情報衛星からの電波(無線信号)を処理して把握される日付情報、時刻情報、位置情報および速度情報のいずれか一つを取得する構成であってもよい。なお、全地球的航法衛星システムは、地域航法衛星システム(RNSS:Regional Navigation Satellite System)とすることができる。