以下、本発明に係るシステムの実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.本実施形態の手法
先ず、本発明に係る携帯型電子機器を適用したシステムの一例としての運動支援システムについて説明する。以下では、携帯型電子機器の一例として、例えばユーザーの手首に装着される脈波センサーや体動センサーを備えたリスト機器(ウェアラブル機器)を例示して説明する。
運動支援システムに用いられる携帯型電子機器としてのリスト機器には、表示部側に太陽電池を備え、ユーザーの生体情報としての脈波情報を取得する生体センサーとしての脈波センサーやユーザーの動作情報を取得する体動センサーが備えられている。さらに、リスト機器には、ユーザーの位置情報を取得する全地球的航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)などと呼ばれる位置情報衛星を用いた位置測位システムの一例としてのGPS(Global Positioning System)が備えられている。なお、携帯型電子機器としては、リスト機器に限らず、頸部や足首等、ユーザーの他の部位に装着されるウェアラブル機器としてもよい。
生体センサーの一例としての脈波センサーは、脈拍数などの脈波情報を取得することが可能である。脈波センサーとしては、例えば光電センサー(光センサー)が用いられる。この場合には、生体に対して照射された光の反射光または透過光を当該光電センサーで検出する手法等が考えられる。血管内の血流量に応じて、照射された光の生体での吸収量、反射量が異なるため、光電センサーで検出したセンサー情報は血流量等に対応した信号となり、当該信号を解析することで拍動に関する情報を取得することができる。ただし、脈波センサーは光電センサーに限定されず、心電計や超音波センサー等、他のセンサーを用いてもよい。
なお、光電センサー(光センサー)は、必要な光を受光し、且つ不要な光を遮光する必要があり、脈波センサーの例であれば、測定の対象物である被検体(特に測定対象の血管が含まれる部位)で反射された脈波成分を含む反射光を受光し、それ以外の光はノイズ成分となるため遮光することが必要となる。
体動センサーは、ユーザーの体動を検出するセンサーである。体動センサーとしては、加速度センサーや角速度センサー、あるいは方位センサー(地磁気センサー)や圧力センサー(高度センサー)等を用いることが考えられるが、他のセンサーを用いてもよい。
GPSは、全地球測位システムとも呼ばれ、複数の衛星信号に基づいて地球上の現在位置を測定するための衛星測位システムである。GPSは、GPS時刻情報と軌道情報とを使用して測位計算をおこないユーザーの位置情報を取得する機能、および時計機能における時刻修正機能を備えている。
2.運動支援システム
次に、図1を参照して、携帯型電子機器としてのリスト機器を適用した運動支援システムの構成について説明する。図1は、携帯型電子機器としてのリスト機器を適用した運動支援システムの概要を示す概略構成図である。
本実施形態に係る運動支援システム100は、図1に示すように、生体センサー(光電センサー)としての脈波センサーやGPSが備えられた検出装置である携帯型電子機器としてのリスト機器200と、運動支援装置としての携帯機器300と、携帯機器300とネットワークNEを介して接続される情報処理装置としてのサーバー400と、を含む。
リスト機器200に備えられた全地球的航法衛星システムとしてのGPSは、GPS衛星8からの電波(衛星信号)を受信して内部時刻を修正したり、測位計算を行い位置情報を取得したりする機能を備えている。GPS衛星8は、地球の上空において、所定の軌道上を周回する位置情報衛星の一例であり、航法メッセージが重畳された高周波の電波を地上に送信している。以降の説明では、航法メッセージが重畳された電波を衛星信号という。
GPS衛星8からの衛星信号には、極めて正確なGPS時刻情報、および時刻誤差を補正するための時刻補正パラメーターが含まれている。リスト機器200は、一つのGPS衛星8から送信された衛星信号(電波)を受信し、その中に含まれるGPS時刻情報と時刻補正パラメーターとを使用して時刻情報を取得することができる。
また、衛星信号には、GPS衛星8の軌道上の位置を示す軌道情報も含まれている。リスト機器200は、GPS時刻情報と軌道情報とを使用して測位計算を行うことができる。測位計算は、リスト機器200の内部時刻にある程度の誤差が含まれていることを前提として行われる。すなわち、リスト機器200の三次元の位置を特定するためのx,y,zパラメーターに加えて時刻誤差も未知数になる。そのため、リスト機器200は、例えば三つ以上のGPS衛星8からそれぞれ送信された衛星信号(電波)を受信し、その中に含まれるGPS時刻情報と軌道情報とを使用して測位計算を行い、現在地の位置情報を取得することができる。
運動支援装置としての携帯機器300は、例えばスマートフォンやタブレット型の端末装置などで構成することができる。携帯機器300は、光電センサーである生体センサーとしての脈波センサーが用いられたリスト機器200と、例えばBluetooth(登録商標)通信などを例示することができる近距離無線通信や有線通信(不図示)等によって接続されている。携帯機器300は、リスト機器200からの計測情報を受信し、処理されたユーザーの脈波情報や体動情報、もしくは位置情報などを報知することができる。ただし、携帯機器300は、例えば、リスト機器200に含まれている、後述する光センサー部40や体動センサーとしての体動センサー部170、もしくはGPS受信部160などを含むなど種々の変形実施が可能である。
なお、本実施形態におけるリスト機器200および携帯機器300は、Bluetoothの機能を有しており、携帯機器300とリスト機器200とは、Bluetooth通信は、例えばBluetooth Low Energy(Bluetooth 4.0 ともいう)によって接続されている。Bluetooth Low Energyは、省電力性が重視され、従来のバージョンに比べ大幅に省電力化することが可能となり、リスト機器の使用可能時間を長くすることが可能となる。
また、携帯機器300は、ネットワークNEを介してPC(Personal Computer)やサーバーシステム等のサーバー400と接続されることができる。ここでのネットワークNEは、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、携帯電話通信網、近距離無線通信等、種々のネットワークNEを利用できる。この場合、サーバー400は、リスト機器200で計測された脈波情報や体動情報や携帯機器300で処理したデータを、携帯機器300からネットワークNEを介して受信し、記憶する処理記憶部として実現される。
なお、上述のような実施形態においては、リスト機器200は、携帯機器300との通信が可能であればよく、直接的にネットワークNEに接続する必要がない。よって、リスト機器200の構成を簡略化することが可能になる。ただし、運動支援システム100において、携帯機器300を省略し、リスト機器200とサーバー400を直接接続する変形実施も可能である。この場合、リスト機器200は、携帯機器300に含まれている計測情報を処理する機能、および計測情報をサーバー400に送信したりサーバー400からの情報を受付けたりする機能を備える。
また、運動支援システム100は、サーバー400を含む構成により実現されるものには限定されない。例えば、運動支援システム100で実施される処理や機能は、携帯機器300により実現されてもよい。例えばスマートフォン等の携帯機器300は、サーバーシステムに比べれば処理性能や記憶領域、バッテリー容量に制約があることが多いが、近年の性能向上を考慮すれば、十分な処理性能等を確保可能となることも考えられる。よって、処理性能等の要求が満たされるのであれば、携帯機器300単独で本実施形態に係る運動支援システム100で実施される処理や機能を実現することが可能である。
また、本実施形態に係る運動支援システム100は、三つの装置により実現するものには限定されない。例えば、運動支援システム100は、リスト機器200、携帯機器300、およびサーバー400のうちの2以上の装置を含んでもよい。この場合、運動支援システム100で実行される処理は、いずれか一つの機器において実行されてもよいし、複数の機器で分散処理されてもよい。また、本実施形態に係る運動支援システム100が、リスト機器200、携帯機器300、およびサーバー400とは異なる機器を含むことも妨げられない。さらに、端末性能の向上、あるいは利用形態等を考慮した場合、リスト機器200により、本実施形態に係る運動支援システム100を実現する実施形態とすることができる。
また、本実施形態の運動支援システム100は、情報(例えばプログラムや各種のデータ)を記憶するメモリーと、メモリーに記憶された情報に基づいて動作するプロセッサーを含む。プロセッサーは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、あるいは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよい。ただしプロセッサーはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサーを用いることが可能である。またプロセッサーはASICによるハードウェア回路でもよい。メモリーは、例えばSRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよいし、ハードディスク装置等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリーはコンピューターにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令がプロセッサーにより実行されることで、運動支援システム100の各部の機能が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令でもよいし、プロセッサーのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
3.リスト機器
次に、図2、図3、図4、図5、および図6を参照して、携帯型電子機器としてのリスト機器の構成について説明する。図2は、リスト機器の概略構成を示す表側(表示面側)からの外観斜視図である。図3は、リスト機器の概略構成を示す裏側からの外観斜視図である。図4は、リスト機器の構成を示す断面図である。図5は、リスト機器の構成を示す平面図である。図6は、リスト機器の概略構成を示す機能ブロック図である。
なお、以下のリスト機器200の説明では、機器本体30をユーザーに装着したとき、生体情報などの測定の対象部位となる対象物側に位置する側を「裏側、もしくは裏面側」、その反対側となる機器本体30の表示面側を「表側、もしくは表面側」として説明する。また、測定される「対象物(対象部位)」を「被検体」ということがある。また、リスト機器200のケース本体31を基準として座標系を設定し、表示部50の表示面に交差する方向であって、表示部50の表示面側を表面とした場合の裏面から表面へと向かう方向をZ軸正方向(+Z軸方向)としている。あるいは、回路基板20から表示部50に向かう方向、あるいは、太陽電池部80を構成するソーラーパネル82の受光面82aの法線方向においてケース本体31から離れる方向、あるいは回路基板20から太陽電池部80に向かう方向をZ軸正方向と定義してもよい。リスト機器200が被検体に装着された状態では、上記Z軸正方向とは、被検体からケース本体31へと向かう方向に相当する。また、Z軸に直交する2軸をXY軸とし、特にケース本体31に対してバンド部10が取り付けられる方向、あるいはバンド部10が取り付けられたケース本体31の一端から他端へ向かう方向をY軸に設定している。そして、Z軸およびY軸と直交する軸をX軸に設定している。なお、受光面82aは、太陽電池部80に光が入射する面である。
図2は、バンド部10が固定された状態であるリスト機器200を、装着状態において被検体側となる裏側と反対側となる表側(表示部50側)となる方向である+Z軸方向から見た斜視図である。また、図3は、図2と反対側となる裏側である−Z軸方向から見た斜視図である。また、図4は、+Y軸方向から見たときの断面図である。
携帯型電子機器としてのリスト機器200は、図2、図3、および図4に示すように、ユーザーの所与の部位(例えば手首などの測定の対象部位)に装着され、脈波情報や位置情報等を検出する。リスト機器200は、ケース本体31を含みユーザーに密着されて脈波情報等を検出する機器本体30と、機器本体30に取り付けられ機器本体30をユーザーに装着するための一対のバンド部10と、を有する。
ケース本体31を含む機器本体30には、表示部50、表示部50と並んで配置されたソーラーパネル82を含む太陽電池部80、および生体センサーとしての光センサー部40に対応する測定窓部45が設けられている。なお、機器本体30の外側面には、不図示の操作部(操作ボタン)や点滅などによって情報を伝えるLEDなどの表示素子が設けられてもよい。但し、リスト機器200は、このような構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加したりするなどの種々の変形実施が可能である。
機器本体30は、第1面としての表面31f側に開口したケース本体31を有している。表面31f側に開口したケース本体31は、開口の外周に沿って設けられた外枠部34と、対向する外枠部34間を繋ぎ外枠部34で形成された開口領域を二つの領域に分割する中枠部33と、を有している。外枠部34、および中枠部33は、二つに分割された領域側の内周に段部が設けられている。表示部50は、外枠部34と中枠部33とによって仕切られた一方の領域に配置され、外枠部34、および中枠部33の段部に挿入されて取り付けられている。太陽電池部80は、外枠部34と中枠部33とによって仕切られた他方の領域に配置され、外枠部34、および中枠部33の段部に挿入されて取り付けられている。即ち、表示部50および太陽電池部80は、ケース本体31の表面31f側に並設されている。そして、ケース本体31と、ケース本体31の開口を塞ぐ表示部50および太陽電池部80と、によって囲まれたケース本体31の内側に、閉空間である内部空間36が設けられる。
表示部50は、一方の領域の外枠部34および中枠部33の第1面としての表面31f側に取り付けられた液晶ディスプレイ(以下、表示パネル60)と、表示パネル60を表側(+Z軸方向側)から覆い、表側から表示パネル60を保護するために設けられている第2の保護部材62とを含んでいる。このような構成の表示部50では、第2の保護部材62がケース本体31の裏側の面であってユーザーの体と接触する接触面である第2面としての裏面31rと反対側に位置する第1面としての表面31f側に露出する。すなわち機器本体30の表面側に位置する表示部50では、第2の保護部材62が表側に露出している。このような第2の保護部材62により、表面側に位置している表示部50(表示パネル60)を保護することができる。なお、第2の保護部材62は、光透過性を有する樹脂コーティング剤やガラスコーティング剤などを用いることができる。また、第2の保護部材62は、表示パネル60の表面から側面までを覆ってもよい。また、表示部50には、表示パネル60に対して光を照射する照明部61を含むことができる。また、表示部50の変形例として、点滅などによって情報を伝えるLEDなどの表示素子を、一つ、または複数配置した表示構成と、その表示構成を覆う保護部材とを有し、保護部材を第2面としての裏面31rと反対側の表面31f側に露出させるように配置する構成とすることができる。
太陽電池部80は、他方の領域の外枠部34および中枠部33に取り付けられたソーラーパネル82と、ソーラーパネル82の受光面82aを表側(+Z軸方向側)から覆い、表側からソーラーパネル82を保護するように設けられている第1の保護部材83と、を含んでいる。このような構成の太陽電池部80では、第1の保護部材83がケース本体31のユーザーへの接触面である第2面としての裏面31rと反対側の第1面としての表面31fに露出する。すなわち機器本体30の表面側に位置する太陽電池部80では、第1の保護部材83が表側に露出している。このような第1の保護部材83により、表面側に位置している太陽電池部80(ソーラーパネル82)を保護することができる。なお、第1の保護部材83は、光透過性を有する樹脂コーティング剤やガラスコーティング剤などを用いることができる。また、第1の保護部材83は、ソーラーパネル82の受光面82aから側面までを覆ってもよい。
ここで、第1の保護部材83および第2の保護部材62は、光透過性を有する樹脂コーティング剤やガラスコーティング剤などであって、同じ部材で構成されていることが好ましい。第1の保護部材83と第2の保護部材62とを同じ部材とすることにより、一回の配設作業(例えば、コーティング作業)によって、太陽電池部80および表示部50の双方に、第1の保護部材83および第2の保護部材62を設けることができる。
なお、回路基板20から表示部50に向かう方向に沿った平面視(+Z軸方向からの平面視)で、太陽電池部80を構成するソーラーパネル82の面積(受光面82aの面積)は、表示パネル60の面積よりも大きいことが好ましい。このように、ソーラーパネル82の面積(受光面82aの面積)が表示パネル60の面積よりも大きいことにより、リスト機器200における電源を確保するための太陽電池部80による十分な発電量を得ることができる。
また、ケース本体31の裏側には、ケース本体31の裏側の面であってユーザーの体と接触する接触面としての裏面31rと、裏面31rから突出する凸状部32と、凸状部32の頂部に開口する光センサー部40の測定窓部45と、が設けられている。そして、+Z軸方向からの平面視において測定窓部45に対応する位置に生体センサーとしての光センサー部40が配置され、光センサー部40を構成する透光部44が測定窓部45に挿入されている。
なお、ケース本体31は、例えばステンレススチールなどの金属、もしくは樹脂などによって形成することができる。なお、ケース本体31の構成は、一体に限らず複数の部位に分割した構成、例えば、ユーザーへの装着側に裏蓋が設けられている二体構造のケース本体31としてもよい。
そして、ケース本体31内の内部空間36に、図4に示すように、リスト機器200を構成する要素部品である、例えば回路基板20、体動センサー部170(図6参照)に含まれるセンサーとしての方位センサー22や加速度センサー23、無線信号を受信可能なアンテナとしてのGPSアンテナ28、光センサー部40、表示パネル60の照明部61、および二次電池70(リチウム二次電池)などが収納されている。ただし、機器本体30は、図4に示す構成に限定されず、例えば標高などを算出するための気圧センサーや温度を測定するための気温センサーなどの他のセンサーやバイブレータなどを追加してもよい。また、回路基板20には、上述した要素部品との接続配線、リスト機器200を構成する各センサーや表示部50などを制御する制御回路や駆動回路などを含む制御回路であるCPU(Central Processing Unit)21、および他の回路素子24が接続されている。
内部空間36に配置されたリスト機器200を構成する要素部品は、表示部50および太陽電池部80が開口側(表面側)に並んで配置され、その裏面側に、回路基板20、二次電池70、光センサー部40の順に配置されている。
換言すれば、二次電池70は、回路基板20と、ケース本体31の裏側の面であってユーザーの体と接触する接触面としての裏面31rとの間に配置される。このような配置とすれば、太陽電池部80や表示部50の配置されないケース本体31内に二次電池70が配置されることから、二次電池70を大きくすることができ、より多くの充電量を確保することができる。
また、二次電池70は、回路基板20と、光センサー部40との間に配置されることが好ましい。このように二次電池70を配置すれば、発電のために太陽電池部80(ソーラーパネル82の受光面82a)に向かって入射する光が、様々な隙間などから侵入する洩れ光となって太陽電池部80側からケース本体31内に侵入した、所謂迷光を二次電池70によって遮光することができ、光センサー部40に対する外光(迷光)の影響を減少させることができる。
また、二次電池70は、太陽電池部80と光センサー部40との間に配置されていることが好ましい。このように二次電池70を配置すれば、太陽電池部80と光センサー部40との間の距離を確保できるため、発電のために太陽電池部80に向かって入射する光が、隙間などから侵入する洩れ光となって太陽電池部80側からケース内に侵入した、所謂迷光による光センサー部40での影響を減少させることができる。
また、ケース本体31内において、太陽電池部80と光センサー部40との間に回路基板20が配置されることにより、発電のために太陽電池部80に向かって入射する光が、隙間などから侵入する洩れ光となって太陽電池部80側からケース本体31内に侵入した、所謂迷光を回路基板20によって遮光することができ、光センサー部40に対する外光(迷光)の影響を減少させることができる。
以下、図6に示す機能ブロック図も併せて参照しながら、それぞれの要素部品について説明する。
回路基板20は、表面20fと、表面20fと異なる面であり表面20fの反対側の面となる裏面20rとを含み、端部が回路ケース75によってケース本体31内に取り付けられている。回路基板20の表面20fには、体動センサー部170に含まれるセンサーとしての方位センサー22や加速度センサー23や制御回路としてのCPU21などが実装され、裏面20rには他の回路素子24などが実装されている。
なお、+Z軸方向からの平面視において、生体センサーとしての光センサー部40と体動センサー部170に含まれる方位センサー22や加速度センサー23とは、重ならないように配置されることが好ましい。このように、+Z軸方向からの平面視において、光センサー部40と体動センサー部170に含まれる方位センサー22や加速度センサー23とが重ならないため、ケース部35を薄型化することができる。
そして、表示パネル60および太陽電池部80は、それぞれフレキシブル基板などで構成される接続配線部63、および接続配線部81を介して回路基板20の表面20fに接続されている。また、光センサー部40は、フレキシブル基板などで構成される接続配線部46を介して表面20fの反対側の面である回路基板20の裏面20rに電気的に接続されている。このような配置とすることにより、接続のための配線の引き回しを最小限とすることができるとともに、発電のために入射する光が、太陽電池部80側から洩れ光となってケース内に侵入した迷光を、回路基板20によって遮光することができ、光センサー部40に対する外光の影響を減少させることができる。なお、回路ケース75は、二次電池70などをガイドすることができる。
体動センサーとしての体動センサー部170に含まれる方位センサー(地磁気センサー)22や加速度センサー23は、ユーザーの体の動きに係る情報の検出、すなわち体動情報を検出することができる。方位センサー(地磁気センサー)22や加速度センサー23は、ユーザーの体動に応じて変化する信号である体動検出信号を出力し、制御回路としてのCPU21に送信する。
CPU21は、GPSアンテナ28を含むGPS受信部160を制御する回路、光センサー部40を駆動し脈波を測定する回路、表示部50(表示パネル60)を駆動する回路、体動センサー部170を駆動し体動情報を検出する回路、および太陽電池部80における発電回路、を制御する制御回路などを構成する。そして、CPU21は、それぞれの部位で検出された脈波情報や体動情報、またはユーザーの位置情報などを、必要に応じて通信部29に送信する。
無線信号を受信可能なアンテナとしてのGPSアンテナ28は、GPS受信部160に信号処理部66とともに含まれ、複数の衛星信号を受信する。信号処理部66は、GPSアンテナ28が受信した複数の衛星信号に基づいて測位計算を行い、ユーザーの位置情報として取得する。
なお、GPSアンテナ28は、回路基板20と電気的に接続され、図5に示すように、+Z軸方向からの平面視で、GPSアンテナ28の外縁よりも外側に太陽電池部80が位置するように配置されることが好ましい。このように、+Z軸方向からの平面視で、太陽電池部80がGPSアンテナ28の外縁よりも外側に配置される、すなわち平面視で、太陽電池部80とGPSアンテナ28とが重ならない位置にあることから、衛星信号が太陽電池部80により遮蔽されず、良好な状態でGPSアンテナ28に到達し、受信感度を高めることができる。なお、図示はしていないが、通信部29に含む無線信号を受信可能なアンテナにおいても、GPSアンテナ28と同様に、+Z軸方向からの平面視で、太陽電池部80と重ならない位置に配置されることが好ましく、このような配置にすれば、無線信号の受信を良好に行うことができる。
また、GPSアンテナ28は、回路基板20と電気的に接続され、+Z軸方向からの平面視で、ソーラーパネル82とケース部(ケース本体31)との間に配置されることが好ましい。このように、+Z軸方向からの平面視において、GPSアンテナ28をソーラーパネル82とケース部(ケース本体31)との間、換言すれば、GPSアンテナ28をケース部(ケース本体31)の外周側に配置することから、表示部50やソーラーパネル82などの配置レイアウトの自由度を広げることができ、表示部50やソーラーパネル82などを、より効果的に配置することができる。
通信部29は、CPU21から送信された脈波情報や体動情報、もしくはユーザーの位置情報を、必要に応じて携帯機器300などに送信したり、携帯機器300から受信したりする。
生体センサーとしての光センサー部40は、脈波等を検出するものであり、受光部41、および受光部41の両側、換言すれば、平面視で受光部41よりも外側(ケース本体31の外周側)に配置された複数(本形態では二つ)の発光部42を含む。このように、発光部42よりも内側に受光部41を配置することにより、ケース本体31の外周側から侵入する外光の受光部41への侵入を抑制することができ、光センサー部40に対する外光の影響を減少させることができる。なお、発光部42は、二つに限らず、単数、もしくは、三つ以上であってもよい。受光部41、および二つの発光部42は、センサー基板43の一方面に取り付けられており、例えば光硬化性樹脂などで構成され、光を透過する部材で構成された透光部44で覆われている。透光部44は、受光部41、および二つの発光部42に対応する領域を含む部分がケース本体31の裏面31rに設けられた開口部としての測定窓部45に挿入されている。
なお、透光部44は、ケース本体31の凸状部32の頂部から突出してもよい。換言すれば、透光部44は、ケース部35の接触面としての裏面31rから露出してもよい。このように、透光部44が接触面としての裏面31rから露出する、すなわち光センサー部40が裏面31rから露出することにより、ユーザーに透光部44を確実に接触させることができ、外光の受光部41への侵入を抑制することができ、光センサー部40に対する外光の影響を減少させることができる。
光センサー部40は、前述したように発光部42から射出された光が被検体(測定の対象物)に対して照射され、その反射光が受光部41で受光されることによって脈波情報を検出することができる。光センサー部40は、発光部42および受光部41を含む脈波センサーにより検出された信号を、脈波検出信号として出力する。光センサー部40としては、例えば光電センサーが用いられる。この場合には、生体(ユーザーの手首)に対して、発光部42から照射された光の反射光または透過光を、受光部41によって検出する手法等が考えられる。このような手法では、血管内の血流量に応じて、照射された光の生体での吸収量、反射量が異なるため、光電センサーで検出したセンサー情報は血流量等に対応した信号となり、当該信号を解析することで拍動に関する情報を取得することができる。ただし、脈波センサーは光電センサーに限定されず、心電計や超音波センサー等、他のセンサーを用いてもよい。
また、光センサー部40は、図5に示すように、+Z軸方向からの平面視で、機器本体30(ケース本体31)の中心部に配置されている。換言すれば、+Z軸方向からの平面視で、ケース部(ケース本体31)の重心と重なる配置され、太陽電池部80の少なくとも一部と光センサー部40とが重なることが好ましい。なお、ケース部(ケース本体31)の重心は、質量中心と言い換えることができ、立体物の場合は立体物の構造内に定義される場合や、空間に定義される場合がある。また、重心と重なるとは、所定の方向から見た場合に、重心の位置を2次元的な平面や所定の対象物に投映したときに重なる状態と定義する事ができる。これにより、太陽電池部80における太陽光発電量をできるだけ大きくしつつ、光センサー部40における外光(洩れ光)の影響を抑制することができたり、機器本体30の配置バランスが向上し、光センサー部40の検知を行い易くできると共に機器本体30のユーザーへの装着性を向上させたりすることができる。
表示部50は、第2の保護部材62を介して表示パネル60等の表示体に表示される数字やアイコン、もしくは時刻表示用指針などの表示をユーザーが視認可能な構成とする。つまり本実施形態では、検出した生体情報や運動状態を表す情報、あるいは時刻情報等の種々の情報を表示パネル60を用いて表示し、当該表示を表側(+Z軸方向)からユーザーに提示する。なお、表示体としては、液晶ディスプレイである表示パネル60に替えて、有機EL(Organic Electro Luminescence)ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ(EPD:Electrophoretic Display)、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイなどを用いることができる。
照明部61は、表示パネル60のバックライトとして機能する。照明部61は、回路基板20の表面20fに接続されている。照明部61が、このように回路基板20に接続されることにより、接続のための配線の引き回しを最小限とすることができるとともに、照明部61から射出される光が回路基板20によって遮光され、光センサー部40に対する迷光の影響を減少させることができる。
二次電池70は、両極の端子が接続基板(不図示)などによって回路基板20に接続され、電源を制御する回路へ電源を供給する。電源は、この回路で所定の電圧に変換されるなどして各回路へ供給され、光センサー部40を駆動し脈拍を検出する回路、表示パネル60を駆動する回路、各回路を制御する制御回路(CPU21)などを動作させる。二次電池70への充電(蓄電)は、コイルばねなどの導通部材(不図示)により回路基板20と導通された一対の充電端子を介して行われたり、太陽電池部80によって発電された電力を用いて行われたりする。
太陽電池(Solar cell)部80は、光起電力効果を利用し、太陽光などの外光の光エネルギーを電力に変換して発電し、二次電池70に蓄電する。本実施形態の太陽電池部80は、受光面82aを有する一つのソーラーパネル82で構成される。なお、本構成では、一つのソーラーパネル82を用いた環状の太陽電池部80を例示しているが、太陽電池部80は、分割された複数のソーラーパネルで構成されてもよい。また、太陽電池部80が複数のソーラーパネルで構成される場合のパネルの数量は問わない。また、太陽電池部80を構成するソーラーパネルの形状は問わない。また、太陽電池部80は、ソーラーパネルでなくフィルムで構成されても良い。
記憶部180は、CPU21の制御によって、光センサー部40による脈波等の生体情報、GPS受信部160による位置情報、および体動センサー部170による体動情報などを記憶する。
上述した携帯型電子機器としてのリスト機器200によれば、バンド部10によってケース部35の接触面であるケース本体31の裏面31rをユーザーの装着部、例えば手首などに接触させて装着したとき、ケース部35内に配置された回路基板20と電気的に接続された太陽電池部80、および表示部50が、第2面としての裏面31rと反対側に位置する第1面としての表面31f側に並んで設けられている。このように、裏面31rと反対側、すなわち表面31f側に太陽電池部80、および表示部50が並んで配置されることにより、太陽電池部80と表示部50とが重なって配置される場合よりもケース部35の薄型化を実現することができる。また、表面31f側に太陽電池部80、および表示部50が並んで配置されることにより、機器本体30の配置バランスが保たれ、太陽電池部80による発電を行いつつ、良好な装着性を備えた携帯型電子機器としてのリスト機器200を実現することができる。
また、リスト機器200によれば、ケース部35内に配置され、ユーザーの生体情報を測定する光センサー部40を備え、光センサー部40の透光部44が、ケース本体31の裏面31rから露出することにより、ユーザーに透光部44を確実に接触させることができることから、外光の受光部41への侵入を抑制することができる。これにより、光センサー部40に対する外光の影響を減少させ、精度の高い生体情報の測定を行うことができる。
上述のように、本実施形態のリスト機器200によれば、小型であっても多くの発電量を確保できることから電源の不足を補い、光センサー部40などの種々のセンサーによる生体情報や体動情報などの情報を得ることができる。
4.リスト機器の構成の変形例
リスト機器200における太陽電池部80および表示部50の配置や構成は、上述の実施形態の構成に限らず、例えば以下に示す変形例のような構成とすることができる。以下、図7、図8、図9、図10、および図11を参照して、リスト機器の構成の変形例1および変形例2として順次説明する。ここで、図7は、リスト機器の構成に係る変形例1を示す断面図である。図8は、リスト機器の構成に係る変形例2を示す断面図である。図9は、リスト機器の構成に係る変形例3を示す平面図である。図10は、リスト機器の構成に係る変形例4を示す平面図である。図11は、リスト機器の構成に係る変形例4を示す断面図である。
(リスト機器の変形例1)
先ず、図7を参照して、リスト機器の構成の変形例1について説明する。図7に示すように、変形例1に係るリスト機器200Aのケース部35Aでは、ケース本体31Aの開口側(表側)に、表示部50Aおよび太陽電池部80Aが並んで配置されている。表側に開口したケース本体31Aは、開口の外周に沿って設けられた外枠部34Aと、対向する外枠部34A間を繋ぎ外枠部34Aで形成された開口領域を二つの領域に分割する中枠部33Aと、を有している。
表示部50Aは、外枠部34Aと中枠部33Aとによって仕切られた一方の領域に配置され、外枠部34A、および中枠部33Aの上面33fに載置されて取り付けられている。太陽電池部80Aは、外枠部34Aと中枠部33Aとによって仕切られた他方の領域に配置され、外枠部34A、および中枠部33Aの上面33fに載置されて取り付けられている。そして、ケース本体31Aと、ケース本体31Aの開口を塞ぐ表示部50Aおよび太陽電池部80Aと、によって囲まれたケース本体31Aの内側に、閉空間である内部空間36が設けられる。
表示部50Aは、一方の領域の外枠部34Aおよび中枠部33Aの上面33f上に取り付けられた表示パネル60と、表示パネル60の表側(+Z軸方向側)と側面とを覆い、表側に露出する表示パネル60を保護するように設けられている第2の保護部材62と、を含む。このような構成の表示部50Aでは、第2の保護部材62がケース本体31Aの接触面である第2面としての裏面31rと反対側に位置する第1面としての表面31f側に露出する。すなわちケース部35Aの表側に位置する表示部50Aでは、第2の保護部材62が表面31f側に露出している。このような第2の保護部材62により、表面31f側に位置している表示部50A(表示パネル60)を保護することができる。なお、第2の保護部材62は、光透過性を有する樹脂コーティング剤やガラスコーティング剤などを用いることができる。また、表示部50Aには、表示パネル60に対して光を照射する照明部61を含むことができる。
太陽電池部80Aは、他方の領域の外枠部34Aおよび中枠部33Aの上面33f上に取り付けられたソーラーパネル82と、ソーラーパネル82の受光面82aの表側(+Z軸方向側)と側面とを覆い、表側に露出するソーラーパネル82を保護するように設けられている第1の保護部材83と、を含む。このような構成の太陽電池部80Aでは、第1の保護部材83がケース本体31Aの接触面である裏面31rと反対側に位置する第1面としての表面31f側に露出する。すなわち機器本体30Aの表面側に位置する太陽電池部80Aでは、第1の保護部材83が表面31f側に露出している。このような第1の保護部材83により、表側に位置している太陽電池部80A(ソーラーパネル82)を保護することができる。なお、第1の保護部材83は、光透過性を有する樹脂コーティング剤やガラスコーティング剤などを用いることができる。
なお、回路基板20から表示部50Aに向かう方向に沿った平面視(+Z軸方向からの平面視)で、太陽電池部80Aを構成するソーラーパネル82の面積(受光面82aの面積)は、表示パネル60(表示部50A)の面積よりも大きいことが好ましい。このように、ソーラーパネル82の面積(受光面82aの面積)が表示パネル60(表示部50A)の面積よりも大きいことにより、リスト機器200Aにおける電源を確保するための太陽電池部80Aによる十分な発電量を得ることができる。
また、ケース本体31Aの裏側には、ユーザーの体と接触する接触面としての裏面31rと、裏面31rから突出する凸状部32と、凸状部32の頂部に開口する光センサー部40の測定窓部45と、が設けられている。そして、+Z軸方向からの平面視において測定窓部45に対応する位置に生体センサーとしての光センサー部40が配置され、光センサー部40を構成する透光部44が測定窓部45に挿入されている。なお、これらの構成は上述した実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
また、ケース本体31A内の内部空間36には、上述した実施形態と同様に、リスト機器200Aを構成する、例えば回路基板20、方位センサー22や加速度センサー23、GPSアンテナ28、光センサー部40、表示パネル60の照明部61、および二次電池70(リチウム二次電池)などが収納されている。回路基板20には、上述した要素部品との接続配線、各センサーや表示部50Aなどを制御する制御回路や駆動回路などを含む制御回路であるCPU(Central Processing Unit)21、および他の回路素子24が接続されている。なお、これらの構成は上述した実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
変形例1に係るリスト機器200Aによれば、上述した実施形態と同様な効果を奏することができる。例えば、ユーザーに装着されたリスト機器200Aでは、ケース部35A内に配置された回路基板20と電気的に接続された太陽電池部80A、および表示部50Aが裏面31rと反対側の表面31f側に並んで配置されている。このように、裏面31rと反対側、すなわち表面31f側に太陽電池部80A、および表示部50Aが並んで配置されることにより、ケース部35Aの配置バランスが保たれ、太陽電池部80Aによる発電を行いつつ、良好な装着性を備えた携帯型電子機器としてのリスト機器200Aを実現することができる。
(リスト機器の変形例2)
次に、図8を参照して、リスト機器の構成の変形例2について説明する。図8に示すように、変形例2に係るリスト機器200Bのケース部35Bでは、ケース本体31Bの開口側(表側)に、表示部50Bおよび太陽電池部80Bが並んで配置されている。表側に開口したケース本体31Bは、開口の外周に沿って設けられた外枠部34Bと、対向する外枠部34B間を繋ぎ外枠部34Bで形成された開口領域を二つの領域に分割する中枠部33Bと、を有している。外枠部34B、および中枠部33Bには、二つに分割された領域側の内周に段部が設けられている。
表示部50Bは、外枠部34Bと中枠部33Bとによって仕切られた一方の領域に配置され、外枠部34B、および中枠部33Bの段部に挿入されて取り付けられている。太陽電池部80Bは、外枠部34Bと中枠部33Bとによって仕切られた他方の領域に配置され、外枠部34B、および中枠部33Bの段部に挿入されて取り付けられている。そして、ケース本体31Bと、ケース本体31Bの開口を塞ぐ表示部50Bおよび太陽電池部80Bと、によって囲まれたケース本体31Bの内側に、閉空間である内部空間36が設けられる。
表示部50Bは、一方の領域の外枠部34Bおよび中枠部33Bに取り付けられた液晶ディスプレイ(以下、表示パネル60)と、表示パネル60の上側(+Z軸方向側)に位置し、表示パネル60と間隙を有して一方の領域の外枠部34Bおよび中枠部33Bに取り付けられている風防板(本例ではガラス板)65と、を含む。風防板(本例ではガラス板)65は、表示パネル60の上側を覆い、内側となる表示パネル60を保護する天板部分としての透明板である。なお、この風防板65が、上述した実施形態や変形例1に示した第2の保護部材62に相当し、表面側に位置している表示部50B(表示パネル60)を保護することができる。
風防板65は、+Z軸方向から見た平面視で、外枠部34Bおよび中枠部33Bで構成された一方の領域の開口を塞ぐように配置され、パッキンや接着剤などの接合部材56によって外枠部34Bおよび中枠部33Bの内周側に取り付けられている。なお、風防板65は、ガラス板に限らず、表示部50Bを閲覧可能な透光性部材であり、表示部50Bを構成する表示パネル60などを保護可能な程度の強度を有する部材であれば、透明のプラスチックなど、ガラス以外の材料とすることができる。
太陽電池部80Bは、他方の領域の外枠部34Bおよび中枠部33Bに取り付けられたソーラーパネル82と、ソーラーパネル82の受光面82aを表側(+Z軸方向側)から覆い、表側からソーラーパネル82を保護するように設けられている第1の保護部材83と、を含んでいる。このような構成の太陽電池部80Bでは、第1の保護部材83がケース本体31Bの接触面である裏面31rと反対側に位置する第1面としての表面31f側に露出する。すなわちケース部35Bの表面側に位置する太陽電池部80Bでは、第1の保護部材83が表面31f側に露出している。このような第1の保護部材83により、表面側に位置している太陽電池部80B(ソーラーパネル82)を保護することができる。なお、第1の保護部材83は、光透過性を有する樹脂コーティング剤やガラスコーティング剤などを用いることができる。また、第1の保護部材83は、ソーラーパネル82の受光面82aから側面までを覆ってもよい。
なお、回路基板20から表示部50Bに向かう方向に沿った平面視(+Z軸方向からの平面視)で、太陽電池部80Bを構成するソーラーパネル82の面積(受光面82aの面積)は、表示パネル60(表示部50B)の面積よりも大きいことが好ましい。このように、ソーラーパネル82の面積(受光面82aの面積)が表示パネル60(表示部50B)の面積よりも大きいことにより、リスト機器200Bにおける電源を確保するための太陽電池部80Bによる十分な発電量を得ることができる。
また、ケース本体31Bの裏側には、ユーザーの体と接触する接触面としての裏面31rと、裏面31rから突出する凸状部32と、凸状部32の頂部に開口する光センサー部40の測定窓部45と、が設けられている。そして、+Z軸方向からの平面視において測定窓部45に対応する位置に生体センサーとしての光センサー部40が配置され、光センサー部40を構成する透光部44が測定窓部45に挿入されている。なお、これらの構成は上述した実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
また、ケース本体31B内の内部空間36には、上述した実施形態と同様に、リスト機器200Bを構成する、例えば回路基板20、方位センサー22や加速度センサー23、GPSアンテナ28、光センサー部40、表示パネル60の照明部61、および二次電池70(リチウム二次電池)などが収納されている。回路基板20には、上述した要素部品との接続配線、各センサーや表示部50Bなどを制御する制御回路や駆動回路などを含む制御回路であるCPU(Central Processing Unit)21、および他の回路素子24が接続されている。なお、これらの構成は上述した実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
変形例2に係るリスト機器200Bによれば、上述した実施形態と同様な効果を奏することができる。例えば、ユーザーに装着されたリスト機器200Bでは、ケース部35B内に配置された回路基板20と電気的に接続された太陽電池部80B、および表側を風防板65によって保護された表示部50Bが裏面31rと反対側の表面31f側に並んで配置されている。このように、裏面31rと反対側、すなわち表面31f側に太陽電池部80B、および表示部50Bが並んで配置されることにより、ケース部35Bの配置バランスが保たれ、太陽電池部80Bによる発電を行いつつ、良好な装着性を備えた携帯型電子機器としてのリスト機器200Bを実現することができる。
なお、上述の変形例2では、表示部50B(表示パネル60)を保護する第2の保護部材として風防板65を用いる構成で説明したが、太陽電池部80B(ソーラーパネル82)を保護する第1の保護部材として風防板(例えばガラス板)を用いることとしてもよい。また、一つの風防板によって表示部50B(表示パネル60)および太陽電池部80B(ソーラーパネル82)の双方を覆い、表示部50B(表示パネル60)および太陽電池部80B(ソーラーパネル82)を保護する保護部材として用いる構成とすることもできる。
(リスト機器の変形例3)
次に、図9を参照して、リスト機器の構成の変形例3について説明する。図9に示すように、変形例3に係るリスト機器500のケース部535では、ケース本体531の開口側(表側)に、表示部550および太陽電池部580がX軸方向に沿って横並びに配置されている。表側に開口したケース本体531は、開口の外周に沿って設けられた外枠部534と、対向する外枠部534間を繋ぎ外枠部53Bで形成された開口領域を二つの領域に分割する中枠部533と、を有している。
表示部550は、外枠部534と中枠部533とによって仕切られた−X軸方向に位置する一方の領域に配置され、外枠部534、および中枠部533取り付けられている。太陽電池部580は、外枠部534と中枠部533とによって仕切られた他方の領域(+X軸方向)に配置され、外枠部534、および中枠部533に取り付けられている。
表示部550は、表示パネル(不図示)と、表示パネルの表側(+Z軸方向側)を覆い、表側に露出する表示パネルを保護するように設けられている第2の保護部材562と、を含む。すなわちケース部535の表面側に位置する表示部550では、第2の保護部材562が表側に露出している。このような第2の保護部材562により、表面側に位置している表示部550を保護することができる。なお、第2の保護部材562は、光透過性を有する樹脂コーティング剤やガラスコーティング剤などを用いることができる。表示部550の構成は、前述した表示部50と同様であるので詳細な説明は省略する。
太陽電池部580は、受光面582aを備えたソーラーパネル(不図示)と、ソーラーパネルの受光面582aの表側(+Z軸方向側)を覆い、表側に露出するソーラーパネルの受光面582aを保護するように設けられている第1の保護部材583と、を含む。すなわち機器本体530の表面側に位置する太陽電池部580では、第1の保護部材583が表側に露出している。このような第1の保護部材583により、表面側に位置している太陽電池部580(ソーラーパネルの受光面582a)を保護することができる。なお、第1の保護部材583は、光透過性を有する樹脂コーティング剤やガラスコーティング剤などを用いることができる。
また、ケース本体531の裏側には、光センサー部40の測定窓部45が設けられている。そして、+Z軸方向からの平面視において測定窓部45に対応する位置に生体センサーとしての光センサー部40(発光部42、受光部41)が配置され、光センサー部40を構成する透光部44が測定窓部45に挿入されている。なお、これらの構成は上述した実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
また、ケース本体531内の内部空間には、上述した実施形態と同様に、リスト機器500を構成する、例えばGPSアンテナ28などが収納されている。なお、収納されている構成は上述した実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
変形例3に係るリスト機器500によれば、上述した実施形態と同様な効果を奏することができる。加えて、変形例3の配置によれば、リスト機器500をユーザーの手首に装着するに当たって、ケース本体531の+X軸側(3時側)をユーザーの指先側に位置するように装着した場合、ユーザーの衣類(袖)が掛かり難い位置になる。すなわち、太陽電池部580に、ユーザーの衣類(袖)が掛かり難く、太陽光の遮られる時間を短くすることができ、より効率的な発電を行うことができる。
(リスト機器の変形例4)
次に、図10、および図11を参照して、リスト機器の構成の変形例4について説明する。図10および図11に示すように、変形例4に係るリスト機器600のケース部635では、ケース本体631の開口側(表側)に、表示部650および太陽電池部680が並んで配置されている。表側に開口したケース本体631は、開口の外周に沿って設けられた外枠部634と、対向する外枠部634間を繋ぎ外枠部634で形成された開口領域を二つの領域に分割する中枠部633と、を有している。中枠部633は、Y軸方向において、ケース本体631の中央部よりも−Y軸方向にずれた位置に設けられている。すなわち、中枠部633は、+Y軸方向に位置する領域の方が面積が大きくなるように配置される。
表示部650は、外枠部634と中枠部633とによって仕切られた一方の領域(−Y軸方向の面積の小さな領域)に配置され、外枠部634、および中枠部633に載置されて取り付けられている。太陽電池部680は、外枠部634と中枠部633とによって仕切られた他方の領域(+Y軸方向の面積の大きな領域)に配置され、外枠部634、および中枠部633に載置されて取り付けられている。そして、ケース本体631と、ケース本体631の開口を塞ぐ表示部650および太陽電池部680と、によって囲まれたケース本体631の内側に、閉空間である内部空間36が設けられる。
表示部650は、一方の領域の外枠部634および中枠部633に取り付けられた表示基板663と、表示基板663に取り付けられた単数もしくは複数、本例では三つのLED(Light Emitting Diode)素子661と、LED素子661および表示基板663の表側(+Z軸方向側)を覆い、表側に露出するLED素子661などを保護するように設けられている第2の保護部材662と、を含む。このような構成の表示部650では、第2の保護部材662がケース本体631の接触面である裏面31rと反対側に位置する第1面としての表面31f側に露出する。すなわちケース部635の表面側に位置する表示部650では、第2の保護部材662が表面31f側に露出している。このような第2の保護部材662により、表面側に位置している表示部650(LED素子661)を保護することができる。なお、第2の保護部材662は、光透過性を有する樹脂コーティング剤やガラスコーティング剤などを用いることができる。本例の表示部650は、LEDを点灯させたり、点滅させたりすることによって、情報の伝達を行なうことができる。
太陽電池部680は、他方の領域の外枠部634および中枠部633の上に取り付けられたソーラーパネル682と、ソーラーパネル682の受光面682aの表側(+Z軸方向側)と側面とを覆い、表側に露出するソーラーパネル682を保護するように設けられている第1の保護部材683と、を含む。このような構成の太陽電池部680では、第1の保護部材683がケース本体631の接触面である裏面31rと反対側に位置する第1面としての表面31f側に露出する。すなわち機器本体630の表面側に位置する太陽電池部680では、第1の保護部材683が表面31f側に露出している。このような第1の保護部材683により、表面側に位置している太陽電池部680(ソーラーパネル682)を保護することができる。なお、第1の保護部材683は、光透過性を有する樹脂コーティング剤やガラスコーティング剤などを用いることができる。
なお、回路基板20からソーラーパネル682に向かう方向に沿った平面視(+Z軸方向からの平面視)で、太陽電池部680を構成するソーラーパネル682の面積(受光面682aの面積)は、表示部650の面積よりも大きく設定され、ケース本体631の表側の殆んどを占有している。このように、ソーラーパネル682の面積(受光面682aの面積)を大きくすることにより、リスト機器600における電源を確保するための太陽電池部680による十分な発電量を得ることができる。
また、ケース本体631の裏側には、光センサー部40の測定窓部45が設けられている。そして、+Z軸方向からの平面視において測定窓部45に対応する位置に生体センサーとしての光センサー部40(発光部42、受光部41)が配置され、光センサー部40を構成する透光部44が測定窓部45に挿入されている。なお、これらの構成は上述した実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
また、ケース本体631内の内部空間36には、上述した実施形態と同様に、リスト機器600を構成する、例えば回路基板20、方位センサー22や加速度センサー23、GPSアンテナ28、光センサー部40、および二次電池70(リチウム二次電池)などが収納されている。回路基板20には、上述した要素部品との接続配線、各センサーや表示部650のLED素子661の点滅などを制御する制御回路や駆動回路などを含む制御回路であるCPU(Central Processing Unit)21、および他の回路素子24が接続されている。なお、これらの構成は上述した実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
変形例4に係るリスト機器600によれば、上述した実施形態と同様な効果を奏することができる。加えて、ソーラーパネル682の面積(受光面682aの面積)を大きくすることができるため、リスト機器600における電源を確保するための太陽電池部680による十分な発電量を得ることができる。
また、上述した実施形態や変形例で説明したリスト機器200,200A,200B,400,600における太陽電池部80,80A,80Bおよび表示部50,50A,50Bの配置や構成は、上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、他の構成とすることができる。
また、上述した実施形態では、位置情報衛星を用いた位置測位システムの一例として、全地球的航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)が備える位置情報衛星としてGPS衛星8を用いたGPSを例示して説明したが、これはあくまで一例である。全地球的航法衛星システムは、ガリレオ(EU)、GLONASS(ロシア)、北斗(中国)などの他のシステムや、SBASなどの静止衛星や準天頂衛星などの衛星信号を発信する位置情報衛星を備えるものであればよい。すなわち、リスト機器200は、GPS衛星8以外の衛星を含む位置情報衛星からの電波(無線信号)を処理して把握される日付情報、時刻情報、位置情報および速度情報のいずれか一つを取得する構成であってもよい。なお、全地球的航法衛星システムは、地域航法衛星システム(RNSS:Regional Navigation Satellite System)とすることができる。