JP7062986B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
三元触媒を利用して、エンジンなどの内燃機関の排気に含まれる窒素酸化物(NOx)を浄化する技術が知られている。三元触媒によりNOxを浄化する場合、三元触媒に流入する排気の空燃比をストイキ(理論空燃比)近傍の所定範囲とすることが好ましい。この点、例えば、特許文献1には、内燃機関の排気浄化システムにおいて、NOx排出量が増加する内燃機関の高負荷運転時に、空燃比をリーンからストイキへと切り替えることで、三元触媒によるNOx浄化率を向上させることが記載されている。例えば、特許文献2には、ディーゼルエンジンに関し、出力トルクが所定値以上となる高負荷領域において、空燃比が三元触媒の有効範囲内となるように燃料噴射量及び吸入空気量を制御することが記載されている。
国際公開第2014/013552号パンフレット 特開2012-167562号公報
しかし、特許文献1及び2に記載の技術では、三元触媒によるNOx浄化のために筒内空燃比をストイキへと移行させるため、燃料噴射量が増加し、燃費が悪化するという課題があった。
ところで、排気中の粒子状物質(PM)を除去する粒子状物質除去フィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)を利用して、内燃機関の排気を浄化することが知られている。特許文献1及び2に記載の技術では、上述の通り、筒内空燃比をストイキへと移行させる。このため、特許文献1及び2に記載の技術においてDPFを利用した場合、筒内空燃比がリーンに維持される構成の場合と比較して、DPFへ流入する排気中の酸素(O2)の割合が低下し、DPFにおける粒子状物質の燃焼除去が進行しづらくなる。この結果、DPFに粒子状物質が堆積し、内燃機関の圧力損失が高い状態が維持されるという課題があった。
なお、このような課題は、三元触媒、DPF、選択還元触媒(SCR触媒:Selective Catalytic Reduction catalyst)、NOx吸蔵還元触媒(NSR触媒:NOx Storage Reduction catalyst)、酸化触媒(DOC触媒:Diesel Oxidation Catalyst)等、機能が異なる様々な触媒を組み合わせて内燃機関の排気を浄化する技術の全般に共通する課題であった。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、内燃機関の排気を浄化する技術において、三元触媒による窒素酸化物(NOx)の浄化を可能としつつ、燃費悪化を抑制することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。内燃機関の排気浄化装置であって、前記内燃機関からの排気が流通する主流路において最上流に設けられ、前記排気中の粒子状物質を除去する粒子状物質除去フィルタと、前記主流路において、前記粒子状物質除去フィルタよりも下流側に設けられた三元触媒と、前記主流路において、前記粒子状物質除去フィルタよりも下流側に設けられ、前記排気中の窒素酸化物を浄化するNOx触媒と、前記内燃機関の筒内空燃比をリーン、ストイキ、リッチの各状態へと制御する燃焼状態制御部から、前記筒内空燃比をリーンからストイキへと切り替える信号を受信した際に、前記粒子状物質除去フィルタの状態が、前記粒子状物質除去フィルタにおける前記粒子状物質の燃焼除去が進行可能な状態である場合に、前記燃焼状態制御部により制御される前記筒内空燃比をストイキよりもリーン寄りであって、前記粒子状物質除去フィルタから排出されて前記三元触媒に流入する前記排気の空燃比を、前記三元触媒による窒素酸化物の浄化が可能な範囲内とするための第1空燃比とさせる制御部と、を備える、排気浄化装置。そのほか、本発明は、以下の形態としても実現可能である。
(1)本発明の一形態によれば、内燃機関の排気浄化装置が提供される。この排気浄化装置は、前記内燃機関からの排気が流通する主流路に設けられ、前記排気中の粒子状物質を除去する粒子状物質除去フィルタと、前記主流路において、前記粒子状物質除去フィルタよりも下流側に設けられた三元触媒と、前記主流路に設けられ、前記排気中の窒素酸化物を浄化するNOx触媒と、前記内燃機関の筒内空燃比をリーン、ストイキ、リッチの各状態へと制御する燃焼状態制御部から、前記筒内空燃比をリーンからストイキへと切り替える信号を受信した際に、前記粒子状物質除去フィルタの状態に応じて、前記燃焼状態制御部により制御される前記筒内空燃比をストイキよりもリーン寄りの第1空燃比とさせる制御部と、を備える。
この構成によれば、制御部は、燃焼状態制御部から筒内空燃比をリーンからストイキへと切り替える信号を受信した際に、粒子状物質除去フィルタ(DPF)の状態に応じて、燃焼状態制御部により制御される筒内空燃比をストイキよりもリーン寄りの第1空燃比とさせる。ここで、内燃機関からの排気が流通する主流路において、三元触媒の上流にはDPFが設けられており、DPFでは、粒子状物質(PM)の燃焼除去に伴って排気中の酸素(O2)が消費される。このため、筒内空燃比をストイキよりも低燃費なリーン寄りの第1空燃比とした場合であっても、主流路の上流側に位置するDPFにおいて排気中の酸素が消費されるため、DPFよりも下流側に位置する三元触媒へ流入する排気を、ストイキ近傍の所定範囲内とすることができる。この結果、本構成によれば、三元触媒によるNOxの浄化を可能としつつ、燃費悪化を抑制できる。また、本構成によれば、DPFには、ストイキと比較して酸素の割合が高い、リーン寄りの排気が流入する。このため、DPFにおけるPMの燃焼除去を速やかに進行させることができ、DPFへのPMの堆積を抑制できると共に、内燃機関の圧力損失が高い状態が維持されることを抑制できる。
(2)上記形態の排気浄化装置において、前記制御部は、前記粒子状物質除去フィルタの状態が、前記粒子状物質除去フィルタにおける前記粒子状物質の燃焼除去が進行可能な状態である場合に、前記燃焼状態制御部により制御される前記筒内空燃比を前記第1空燃比とさせてもよい。この構成によれば、制御部は、粒子状物質除去フィルタ(DPF)における粒子状物質(PM)の燃焼除去が進行可能な状態である場合に、燃焼状態制御部により制御される筒内空燃比をストイキよりもリーン寄りの第1空燃比とさせる。換言すれば、制御部は、例えばDPFが高温でない場合等、DPFにおけるPMの燃焼除去が進行せず、DPFにおいて酸素が消費されない場合は、通常通り、燃焼状態制御部により制御される筒内空燃比をストイキとさせて、三元触媒によるNOxの浄化を可能とできる。
(3)上記形態の排気浄化装置では、さらに、前記粒子状物質除去フィルタの温度を取得する温度取得部と、前記内燃機関からの前記排気の流量を取得する流量取得部と、前記主流路のうち、前記粒子状物質除去フィルタの上流側と下流側とにおける前記排気の差圧を取得する差圧取得部と、を備え、前記制御部は、前記温度取得部により取得された前記温度と、前記流量取得部により取得された前記排気の流量と、前記差圧取得部により取得された前記差圧とから求めた前記粒子状物質除去フィルタに捕集されている前記粒子状物質の量と、を用いて前記粒子状物質除去フィルタの状態を判定してもよい。この構成によれば、制御部は、温度取得部、流量取得部、及び差圧取得部から得た各値(DPFの温度、DPFに捕集されているPMの量)を用いて、現在のDPFの状態が、粒子状物質(PM)の燃焼除去が進行可能な状態、すなわち、DPFにおいて酸素が消費される状態であるか否かを判定できる。
(4)上記形態の排気浄化装置では、さらに、前記主流路のうち、前記粒子状物質除去フィルタの下流側かつ前記三元触媒の上流側における前記排気の空燃比を取得する空燃比取得部を備え、前記制御部は、さらに、前記温度取得部により取得された前記温度と、前記粒子状物質除去フィルタに捕集されている前記粒子状物質の量と、前記流量取得部により取得された前記排気の流量と、を用いて前記粒子状物質除去フィルタにおいて前記粒子状物質の燃焼除去に起因して消費される酸素消費量を求め、求めた前記酸素消費量と、前記空燃比取得部により取得された前記排気の空燃比と、を用いて前記三元触媒に流入する前記排気の空燃比をストイキ近傍の所定範囲内とするための前記筒内空燃比の目標値を求めて前記第1空燃比としてもよい。この構成によれば、制御部は、温度取得部、差圧取得部、流量取得部、及び空燃比取得部から得た各値を用いて、現在のDPFでの酸素消費量と、現在の排気の空燃比とに基づき、三元触媒に流入する排気の空燃比をストイキ近傍の所定範囲内とするための筒内空燃比の最適値(目標値)を求め、第1空燃比とすることができる。
(5)上記形態の排気浄化装置において、前記制御部は、前記燃焼状態制御部により制御される前記筒内空燃比を前記第1空燃比とさせた後、定期的に、前記温度取得部、前記差圧取得部、前記流量取得部、及び前記空燃比取得部から取得した最新の各取得値を用いて前記第1空燃比を求め、前記燃焼状態制御部により制御される前記筒内空燃比を最新の前記第1空燃比とするフィードバック制御を行ってもよい。この構成によれば、制御部は、温度取得部、差圧取得部、流量取得部、及び空燃比取得部から取得した最新の各取得値から逐次計算された第1空燃比を用いたフィードバック制御を行うため、筒内空燃比を常に最適な状態に維持することができる。
(6)上記形態の排気浄化装置において、前記粒子状物質除去フィルタは、前記三元触媒及び前記NOx触媒よりも上流に設けられていてもよい。粒子状物質除去フィルタ(DPF)において粒子状物質(PM)を燃焼除去するためには、DPFに酸素が存在していることに加えて、DPFを高温環境下に置くことが好ましい。この構成によれば、DPFは、三元触媒及びNOx触媒よりも上流、すなわち内燃機関に最も近い側に設けられるため、内燃機関からの排気がDPFに到達するまでの間に冷却されることを抑制し、DPFを高温環境下に置くことができる。
(7)本発明の一形態によれば、内燃機関の筒内空燃比の目標値を算出する空燃比算出装置が提供される。この空燃比算出装置は、前記内燃機関からの排気が流通する主流路に設けられ、前記排気中の粒子状物質を除去する粒子状物質除去フィルタにおいて、前記粒子状物質の燃焼除去に起因して消費される酸素消費量と、前記主流路において前記粒子状物質除去フィルタよりも下流側に設けられた三元触媒の上流側、かつ、前記粒子状物質除去フィルタの下流側における前記排気の空燃比と、を用いて、前記三元触媒に流入する前記排気の空燃比をストイキ近傍の所定範囲内とするための前記筒内空燃比の目標値を求める算出部を備える。この構成によれば、粒子状物質除去フィルタ(DPF)において消費される酸素消費量と、三元触媒の上流側の排気の空燃比と、を用いて、三元触媒に流入する排気の空燃比をストイキ近傍の所定範囲内とするための筒内空燃比の最適値(目標値)を求め、第1空燃比として算出することができる。
(8)本発明の一形態によれば、内燃機関の筒内空燃比の目標値を算出する方法が提供される。この方法は、前記内燃機関からの排気が流通する主流路に設けられ、前記排気中の粒子状物質を除去する粒子状物質除去フィルタにおいて、前記粒子状物質の燃焼除去に起因して消費される酸素消費量を求める工程と、前記主流路において前記粒子状物質除去フィルタよりも下流側に設けられた三元触媒の上流側、かつ、前記粒子状物質除去フィルタの下流側における前記排気の空燃比を取得する工程と、求めた前記酸素消費量と、取得した前記排気の空燃比と、を用いて、前記三元触媒に流入する前記排気の空燃比をストイキ近傍の所定範囲内とするための前記筒内空燃比の目標値を求める工程と、を備える。この構成によれば、粒子状物質除去フィルタ(DPF)において消費される酸素消費量と、三元触媒の上流側の排気の空燃比と、を用いて、三元触媒に流入する排気の空燃比をストイキ近傍の所定範囲内とするための筒内空燃比の最適値(目標値)を求め、第1空燃比として算出することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、内燃機関の排気浄化装置及びシステム、内燃機関の筒内空燃比の目標値を算出する空燃比算出装置及びシステム、これら装置及びシステムの制御方法、これら装置及びシステムにおいて実行されるコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、そのコンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての内燃機関の排気浄化装置のブロック図である。 制御部における制御の手順を示すフローチャートである。 ステップS10について説明する図である。 ステップS28の酸素消費量の算出について説明する図である。 ステップS28の筒内空燃比の目標値の算出について説明する図である。 第2実施形態における内燃機関の排気浄化装置のブロック図である。 第3実施形態における内燃機関の排気浄化装置のブロック図である。 第4実施形態における空燃比算出装置のブロック図である。
<第1実施形態>
図1は、本発明の一実施形態としての内燃機関の排気浄化装置1のブロック図である。内燃機関の排気浄化装置1は、例えば、内燃機関20と共に車両に搭載されて、内燃機関20の排気中における有害物質、例えば、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、粒子状物質(PM:Particulate Matter)等を浄化する装置である。なお、PMには、スート(すす)、有機溶剤可溶性成分(SOF)、サルフェート(SO4)等が含まれる。
内燃機関20は、例えば、ディーゼルエンジンや、リーンバーン運転方式のガソリンエンジンである。燃焼状態制御部12は、内燃機関20に対する空気や燃料の噴射を制御することで、内燃機関20内の空燃比をリーン、ストイキ、リッチの各状態へと制御する。燃焼状態制御部12は、例えば、電子制御ユニット(ECU、Electronic Control Unit)により実装される。
本実施形態の排気浄化装置1は、粒子状物質除去フィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)と、三元触媒(Three-Way Catalyst)と、NOx触媒とを備え、三元触媒によるNOxの浄化を可能としつつ、低消費燃料を実現できる。以下の説明では、NOx触媒として選択還元触媒(SCR触媒:Selective Catalytic Reduction catalyst)を例示し、選択還元触媒において使用される還元剤として尿素水を例示する。しかし、NOx触媒としてはNOx吸蔵還元触媒(NSR触媒:NOx Storage Reduction catalyst)を使用することもできる。また、以下の説明では、排気浄化装置1のうち、内燃機関20に近い側を「上流側」と呼び、内燃機関20に遠い側を「下流側」と呼ぶ。図1の場合、左側が上流側に相当し、右側が下流側に相当する。
排気浄化装置1は、排気浄化装置1の各部を制御する制御部10と、内燃機関20から伸びる排気管30と、排気管30上にそれぞれ設けられたDPF40と、三元触媒50と、SCR触媒60と、第1空燃比取得部72と、流量取得部74と、差圧取得部76と、第2空燃比取得部78と、第1温度取得部82と、第2温度取得部84と、尿素ポンプユニット92と、尿素ノズル94とを備える。
制御部10は、第1空燃比取得部72、流量取得部74、差圧取得部76、第2空燃比取得部78、第1温度取得部82、及び第2温度取得部84から取得された各取得値を表す信号を受信する。制御部10は、受信した各取得値を用いて後述する制御を実行し、内燃機関20の筒内空燃比をリーンからストイキへと切り替える信号を受信した際に、DPF40の状態に応じて、ストイキよりもリーン寄りの第1空燃比へと筒内空燃比を制御する。そのほか制御部10は、SCR触媒60への尿素ポンプユニット92及び尿素ノズル94による尿素水の供給などを制御する。制御部10は、例えば、ECUにより実装される。
排気管30は、内燃機関20からの排気が流通する主流路を形成する。内燃機関20からの排気は、排気管30内の主流路を通って、DPF40と、三元触媒50と、SCR触媒60とを通過して外気に放出される。
第1空燃比取得部72は、DPF40より上流側における、内燃機関20からの排気(排出ガス)の酸素(O2)濃度(空燃比)を取得する。第1空燃比取得部72は、例えば、排気管30に設けられたA/Fセンサによって測定された測定信号を取得することで実現してもよく、酸素センサによって測定された測定信号を取得することで実現してもよい。また、第1空燃比取得部72は、内燃機関20への吸入空気量信号や、燃料噴射量信号から排気の酸素濃度(空燃比)を推定してもよい。流量取得部74は、内燃機関20からの排気の流量を取得する。流量取得部74は、例えば、排気管30に設けられたピトー管式流量計によって測定された測定信号を取得することで実現してもよい。また、流量取得部74は、内燃機関20への吸入空気量信号や、燃料噴射量信号から排気の流量を推定してもよい。流量取得部74は、「流量取得部」に相当する。
DPF40は、DPF40、三元触媒50、SCR触媒60のうち、主流路において最上流側(すなわち、最も内燃機関20に近い側)に配置されている。DPF40は、排気を濾過することで排気中のPMを捕集し、除去するフィルタを備える。フィルタに捕集されたPMは、DPF40が高温環境下(例えば、約600℃)に置かれることによって燃焼、除去(酸化)される。
差圧取得部76は、主流路のうち、DPF40の上流側における排気の圧力(入口圧力)と、DPF40の下流側における排気の圧力(出口圧力)との間の差圧を測定する差圧センサである。差圧取得部76は、「差圧取得部」に相当する。第1温度取得部82は、DPF40の温度を測定するセンサであり、本実施形態では、DPF40のフィルタ中の温度(いわゆる床温)を測定する。なお、第1温度取得部82は、DPF40の床温に代えてDPF40の出口近傍における温度を測定してもよい。第1温度取得部82は、「温度取得部」に相当する。
三元触媒50は、DPF40、三元触媒50、SCR触媒60のうち、主流路においてDPF40よりも下流側、かつ、SCR触媒60よりも上流側に配置されている。三元触媒50は、排気中のNOx、CO、HCを浄化することができるものの、空燃比がストイキ近傍の所定範囲から外れた場合には、これらの浄化性能が低下するという特性を持つ。
第2空燃比取得部78は、主流路のうち、DPF40より下流側、かつ、三元触媒50の上流側における、内燃機関20の排気の酸素濃度(空燃比)を取得する。第2空燃比取得部78は、第1空燃比取得部72と同様に、例えば、排気管30に設けられたA/Fセンサによって測定された測定信号を取得することで実現してもよく、酸素センサによって測定された測定信号を取得することで実現してもよい。また、第2空燃比取得部78は、内燃機関20への吸入空気量信号や、燃料噴射量信号から排気の酸素濃度(空燃比)を推定してもよい。第2空燃比取得部78は、「空燃比取得部」に相当する。
SCR触媒60は、DPF40、三元触媒50、SCR触媒60のうち、主流路において最下流側(すなわち、最も内燃機関20から遠い側)に配置されている。SCR触媒60は、還元剤の供給を受けて、排気中のNOxを浄化することができる。SCR触媒60は、「NOx触媒」に相当する。
尿素ポンプユニット92は、内部に還元剤としての尿素水を貯蔵すると共に、尿素ノズル94へと尿素水を送出するポンプを内蔵している。尿素ノズル94は、尿素水の噴射口であり、SCR触媒60の上流側に設けられてSCR触媒60に対して尿素水を供給する。第2温度取得部84は、SCR触媒60の温度を測定するセンサであり、本実施形態では、SCR触媒60の触媒ベッド中の温度(いわゆる床温)を測定する。なお、第2温度取得部84は、SCR触媒60の床温に代えてSCR触媒60の出口近傍における温度を測定してもよい。
図2は、制御部10における制御の手順を示すフローチャートである。図2に示す制御は、例えば、SCR触媒60に代えて(またはSCR触媒60と共に)三元触媒50を用いてNOxを浄化する場合に実行される。三元触媒50を用いてNOxを浄化する場合とは、例えば、第2温度取得部84により取得されたSCR触媒60の温度が、SCR触媒60の活性温度範囲外にある場合や、尿素ポンプユニット92内の尿素水が枯渇した場合等を挙げることができる。
図3は、ステップS10について説明する図である。ステップS10において制御部10は、燃焼状態制御部12から、内燃機関20の筒内空燃比をリーンからストイキへと切り替える指示信号を受信したか否かを判定する。ここで、内燃機関20の始動後、時間の経過と共に、排気により暖められSCR触媒60の温度は上昇する(図3:上段)。そして、SCR触媒60の温度が所定の上限閾値THを超えると、SCR触媒60におけるNOxの浄化率[%]は徐々に低下していく(図3:下段)。本実施形態の燃焼状態制御部12は、第2温度取得部84により取得されたSCR触媒60の温度を監視し、SCR触媒60の温度が上限閾値THを超えた際(図3:時刻tx)、制御部10に対して、内燃機関20の筒内空燃比をリーンからストイキへと切り替える指示信号を送信する。これは、SCR触媒60におけるNOx浄化率が低下するため、SCR触媒60に代えて(またはSCR触媒60と共に)三元触媒50でNOxを浄化するためである。
図2のステップS10において指示信号を受信していない場合(ステップS10:NO)、制御部10は、何もせずに処理を終了させる。このため、燃焼状態制御部12は、内燃機関20の筒内空燃比をリーンからストイキへと切り替える。この結果、三元触媒50へ流入する排気の空燃比はストイキ状態となり、三元触媒50においてNOxが浄化される。
一方、ステップS10において指示信号を受信した場合(ステップS10:YES)、ステップS12において制御部10は、流量取得部74から、排気管30内部の流量Qを取得する。ステップS14において制御部10は、第1温度取得部82から、DPF40の温度TDPFを取得する。
ステップS20において制御部10は、ステップS14で取得したDPF40の温度TDPFが第1の閾値以上であるか否かを判定する。ここで、第1の閾値は、PMの燃焼除去が進行可能なDPF40の温度であり、予め実験等により求められ、制御部10内の図示しない記憶部に記憶されている。DPF40の温度TDPFが第1の閾値未満である場合(ステップS20:NO)、制御部10は処理をステップS40へ遷移させる。
一方、DPF40の温度TDPFが第1の閾値以上である場合(ステップS20:YES)、ステップS22において制御部10は、DPF40に蓄積したPMの量MPMを算出する。制御部10は、例えば、排気管30内部の流量と、DPF40の入口及び出口における差圧と、DPF40におけるPM堆積量(PMの量MPM)との関係式を用いて、PMの量MPMを算出できる。この関係式は予め実験等によって求められ、制御部10内の図示しない記憶部に記憶されている。制御部10は、ステップS12において取得した流量Qと、差圧取得部76によって取得された差圧とを関係式に代入することによって、PMの量MPMを算出する。
ステップS24において制御部10は、ステップS22で算出したPMの量MPMが第2の閾値以上であるか否かを判定する。ここで、第2の閾値は、燃焼によって空燃比をストイキ近傍にできる程度の酸素消費量を生み出すPMの量を表し、予め実験等により求められ、制御部10内の図示しない記憶部に記憶されている。PMの量MPMが第2の閾値未満である場合(ステップS24:NO)、制御部10は処理をステップS40へ遷移させる。
一方、PMの量MPMが第2の閾値以上である場合(ステップS24:YES)、ステップS26において制御部10は、第2空燃比取得部78から、DPF40の下流側かつ三元触媒50の上流側における排気の空燃比A/F3way,inを取得する。
図4は、ステップS28の酸素消費量の算出について説明する図である。図5は、ステップS28の筒内空燃比の目標値の算出について説明する図である。ステップS28において制御部10は、内燃機関20の筒内空燃比A/Fの目標値A/Ftargetを算出する。例えば、制御部10は、次の手順a1,a2によって目標値A/Ftargetを算出できる。
(a1)DPF40においてPMの燃焼除去に起因して消費される酸素の量(酸素消費量)を求める。PMの主成分は炭素(C)である。このため図4に示すように、DPF40では、炭素と酸素とが結合(酸化)して二酸化炭素(CO2)が発生する。このときの酸素消費量は、DPF40の温度と、PMの量(炭素の量)と、排気の流量とから、アレニウスの式を用いて求めることができる。なお、アレニウスの式のうち、頻度因子(A)、活性化エネルギー(E)については予め実験等により求めた値を使用する。制御部10は、ステップS14で取得したDPF40の温度TDPFと、ステップS22で算出したDPF40に蓄積したPMの量MPMと、ステップS12で取得した排気管30内部の流量Qをアレニウスの式に代入して、酸素消費量を求める。
(a2)内燃機関20の筒内空燃比A/Fの目標値A/Ftargetを求める。上述の通り、DPF40ではPMの燃焼除去によって酸素が消費される。このため図5に示すように、DPF40の入口301(図4)における排気の空燃比AR1(図5:破線)と、DPF40の出口302(図4)における排気の空燃比AR2(図5:実線)とを比較した場合、空燃比AR2の方がAR1に比較してストイキ寄り、すなわち酸素の割合が少ない状態となる。なお、DPF40の出口302は三元触媒50の入口と同義である。このように、制御部10は、ステップS26で取得された現在の出口302の排気の空燃比A/F3way,inと、手順a1で求めたDPF40での酸素消費量と、を用いて、出口302における排気の空燃比AR2をストイキTS近傍の所定範囲(TSL~TSH)とするための、筒内空燃比A/Fの目標値A/Ftargetを求めることができる。なお、範囲TSL~TSHは、三元触媒50においてNOxが浄化可能な空燃比の範囲とすればよい。ステップS28で求めた目標値A/Ftargetは、「第1空燃比」に相当する。以上の説明から明らかなように、目標値A/Ftarget(第1空燃比)は、ストイキよりもリーン寄り(酸素の割合が高い状態)となる。
図2に戻り説明を続ける。ステップS30において制御部10は、内燃機関20の筒内空燃比A/Fを、ステップS28で算出した目標値A/Ftarget(第1空燃比)へ移行させる旨の指示を燃焼状態制御部12へ送信する。燃焼状態制御部12は、内燃機関20の筒内空燃比をリーンから(ストイキではなく)目標値A/Ftargetへと切り替える。その後、制御部10は、処理をステップS12へ遷移させ、上述の処理を繰り返す。これにより、制御部10は、第1温度取得部82(温度取得部)、差圧取得部76(差圧取得部)、流量取得部74(流量取得部)、及び第2空燃比取得部78(空燃比取得部)から取得した最新の各取得値から逐次計算された目標値A/Ftarget(第1空燃比)を用いたフィードバック制御を行うことができるため、内燃機関20の筒内空燃比を常に最適な状態に維持することができる。
一方、ステップS40は、DPF40が低温である場合(ステップS20:NO)や、DPF40にPMが堆積していない場合(ステップS24:NO)といった、DPF40においてPMの燃焼除去が進行しない場合、換言すれば、DPF40において酸素が消費されない、または、DPF40における酸素消費量が少ない場合に実行される。ステップS40において制御部10は、内燃機関20の筒内空燃比A/Fを、ストイキへ移行させる旨の指示を燃焼状態制御部12へ送信する。燃焼状態制御部12は、内燃機関20の筒内空燃比をリーンからストイキへと切り替える。ステップS42において制御部10は、燃焼状態制御部12に、筒内空燃比A/Fをストイキに維持させて処理を終了する。この結果、三元触媒50へ流入する排気の空燃比はストイキ状態となり、三元触媒50においてNOxが浄化される。
以上説明した通り、第1実施形態によれば、制御部10は、燃焼状態制御部12から内燃機関20の筒内空燃比をリーンからストイキへと切り替える信号を受信した際(ステップS10:YES)に、DPF40(粒子状物質除去フィルタ)の状態に応じて、燃焼状態制御部12により制御される内燃機関20の筒内空燃比をストイキよりもリーン寄りの目標値A/Ftarget(第1空燃比)とさせる。ここで、内燃機関20からの排気が流通する排気管30(主流路)において、三元触媒50の上流にはDPF40が設けられており、DPF40では、PM(粒子状物質)の燃焼除去に伴って排気中の酸素(O2)が消費される。このため、図5で説明した通り、筒内空燃比をストイキよりも低燃費なリーン寄りの目標値A/Ftarget(第1空燃比)とした場合であっても、排気管30の上流側に位置するDPF40において排気中の酸素が消費されるため、DPF40よりも下流側に位置する三元触媒50へ流入する排気を、ストイキ近傍の所定範囲TSL~TSH内とすることができる。この結果、第1実施形態によれば、三元触媒50によるNOxの浄化を可能としつつ、燃費悪化を抑制できる。また、第1実施形態によれば、DPF40には、ストイキと比較して酸素の割合が高い、リーン寄りの排気が流入する。このため、DPF40におけるPMの燃焼除去を速やかに進行させることができ、DPF40へのPMの堆積を抑制できると共に、内燃機関20の圧力損失が高い状態が維持されることを抑制できる。
また、第1実施形態によれば、制御部10は、DPF40(粒子状物質除去フィルタ)におけるPM(粒子状物質)の燃焼除去が進行可能な状態である場合(ステップS20:YES、ステップS24:YES)に、燃焼状態制御部12により制御される内燃機関20の筒内空燃比をストイキよりもリーン寄りの目標値A/Ftarget(第1空燃比)とさせる。換言すれば、制御部10は、例えばDPF40が高温でない場合等、DPF40におけるPMの燃焼除去が進行せず、DPF40において酸素が消費されない場合は、通常通り、燃焼状態制御部12により制御される内燃機関20筒内空燃比をストイキとさせて、三元触媒によるNOxの浄化を可能とできる(ステップS40、S42)。
さらに、第1実施形態によれば、制御部10は、第1温度取得部82(温度取得部)、流量取得部74(流量取得部)、及び差圧取得部76(差圧取得部)から得た各値(DPF40の温度TDPF、DPF40に捕集されているPMの量MPM)を用いて、現在のDPF40の状態が、PM(粒子状物質)の燃焼除去が進行可能な状態、すなわち、DPF40において酸素が消費される状態であるか否かを判定できる(ステップS20、S24)。
さらに、第1実施形態によれば、制御部10は、第1温度取得部82(温度取得部)、差圧取得部76(差圧取得部)、流量取得部74(流量取得部)、及び第2空燃比取得部78(空燃比取得部)から得た各値を用いて、現在のDPF40での酸素消費量と、現在のDPF40の下流側かつ三元触媒50の上流側(出口302)における排気の空燃比A/F3way,inと、に基づき、三元触媒50に流入する排気の空燃比をストイキ近傍の所定範囲TSL~TSH内とするための、内燃機関20の筒内空燃比の最適値(目標値A/Ftarget)を求め、第1空燃比とすることができる(ステップS28)。
さらに、DPF40(粒子状物質除去フィルタ)においてPM(粒子状物質)を燃焼除去するためには、DPF40に酸素が存在していることに加えて、DPF40を高温環境下に置くことが好ましい。第1実施形態によれば、DPF40は、三元触媒50及びSCR触媒60(NOx触媒)よりも上流、すなわち内燃機関20に最も近い側に設けられる(図1)。このため、内燃機関20からの排気がDPF40に到達するまでの間に冷却されることを抑制し、DPF40を高温環境下に置くことができる。
さらに、第1実施形態によれば、現在のDPF40での酸素消費量を考慮した上で、内燃機関20の筒内空燃比の最適値(目標値A/Ftarget、第1空燃比)を求め、この第1空燃比へと筒内空燃比を制御する。このため、従来のように、三元触媒50でNOxを浄化するために筒内空燃比をストイキとしたものの、意図せずDPF40においてPMが燃焼除去されて酸素が消費され、三元触媒50へ流入する(三元触媒50の上流側の)排気の空燃比がストイキ近傍の所定範囲TSL~TSHから外れてしまう、という事象の発生を抑制できる。
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態における内燃機関の排気浄化装置1aのブロック図である。第2実施形態では、主流路における三元触媒50及びSCR触媒60の配置が、第1実施形態と相違する。第2実施形態の排気浄化装置1aでは、SCR触媒60は、主流路においてDPF40よりも下流側、かつ、三元触媒50よりも上流側に配置されている。また、尿素ポンプユニット92、尿素ノズル94、及び第2温度取得部84についても、SCR触媒60の位置に合わせて上流側へと移動されている。三元触媒50は、主流路において最下流側に配置されている。また、第2空燃比取得部78は、DPF40及びSCR触媒60より下流側、かつ、三元触媒50の上流側に配置されている。このような構成の排気浄化装置1aにおいても、制御部10が図2で説明した制御を行うことによって、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第3実施形態>
図7は、第3実施形態における内燃機関の排気浄化装置1bのブロック図である。第3実施形態では、主流路におけるDPF40、三元触媒50、及びSCR触媒60の配置が、第1実施形態と相違する。第3実施形態の排気浄化装置1bでは、SCR触媒60は、主流路において最上流側に配置されている。また、尿素ポンプユニット92、尿素ノズル94、及び第2温度取得部84についても、SCR触媒60の位置に合わせて上流側へと移動されている。DPF40は、主流路においてSCR触媒60よりも下流側、かつ、三元触媒50よりも上流側に配置されている。また、差圧取得部76及び第1温度取得部82についても、DPF40の位置に合わせて下流側へと移動されている。三元触媒50は、主流路において最下流側に配置されている。また、第2空燃比取得部78は、DPF40より下流側、かつ、三元触媒50の上流側に配置されている。このような構成の排気浄化装置1bにおいても、制御部10が図2で説明した制御を行うことによって、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上、第2及び第3実施形態で説明した通り、主流路においてDPF40が三元触媒50よりも上流側に配置されている限り、各部の配置は任意に変更することができる。また、複数のDPF40、複数の三元触媒50、複数のSCR触媒60等を備える場合や、例えば、NOx吸蔵還元触媒、酸化触媒(DOC触媒:Diesel Oxidation Catalyst)等の他の触媒を備える場合であっても、主流路においてDPF40が三元触媒50よりも上流側に配置され、制御部10が図2で説明した制御を行う限りにおいて、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第4実施形態>
図8は、第4実施形態における空燃比算出装置2のブロック図である。第4実施形態では、第1~3実施形態において制御部10が算出していた内燃機関20の筒内空燃比の目標値A/Ftarget(第1空燃比)を、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて算出する構成について説明する。空燃比算出装置2は、情報処理部210と、記憶部220と、入出力部230と、図示しないROM、RAM及び通信部を備え、各部は図示しないバスにより相互に接続されている。
情報処理部210は、ROMに格納されているコンピュータプログラムをRAMに展開して実行することにより、空燃比算出装置2の各部を制御する。そのほか情報処理部210は、算出部211として機能し、図2のステップS28を実行する。詳細は後述する。記憶部220は、ハードディスク、フラッシュメモリ、メモリカードなどで構成される。入出力部230は、空燃比算出装置2と操作者との間の情報の入出力に使用される種々のインターフェースである。入出力部230としては、例えば、入力部としてのタッチパネル、キーボード、センサ、マイク等、出力部としてのタッチパネル、液晶パネル、フラッシュメモリ、メモリカード等が利用できる。
まず、算出部211は、入出力部230から酸素消費量231を取得する。酸素消費量231は、例えば図1に示した構成の排気浄化装置1において、内燃機関20からの排気が流通する主流路(排気管30)に設けられたDPF40において、PMの燃焼除去に起因して消費される酸素の量である。酸素消費量231は、例えばキーボード等を介して入力される論理値であってもよく、例えば通信部を介して排気浄化装置1(図1)より入力される実測値であってもよい。次に、算出部211は、入出力部230から空燃比A/F3way,in232を取得する。空燃比A/F3way,in232は、例えば図1に示した構成の排気浄化装置1において、三元触媒50の上流側、かつ、DPF40の下流側における排気の空燃比である。空燃比A/F3way,in232は、酸素消費量231と同様に、例えばキーボード等を介して入力される論理値であってもよく、通信部を介して排気浄化装置1(図1)より入力される実測値であってもよい。
算出部211は、図2のステップS28で説明した手順a2を実行して、内燃機関20の筒内空燃比A/Fの目標値A/Ftargetを算出する。算出に必要なDPF40の温度と、DPF40に堆積したPMの量(炭素の量)と、排気の流量とは、酸素消費量231と同様に、例えばキーボード等を介して入力される論理値であってもよく、例えば通信部を介して排気浄化装置1(図1)より入力される実測値であってもよい。算出部211は、図2のステップS28を実行して算出した目標値A/Ftargetを、入出力部230へと出力する(目標値A/Ftarget233)。出力された目標値A/Ftarget233は、例えばタッチパネルや液晶パネル等の表示手段に表示されてもよく、フラッシュメモリやメモリカード等の記憶手段に記憶されてもよい。
以上説明した通り、第4実施形態によれば、空燃比算出装置2は、DPF40(粒子状物質除去フィルタ)において消費される酸素消費量231と、三元触媒50の上流側の排気の空燃比A/F3way,in232と、を用いて、三元触媒50に流入する排気の空燃比をストイキ近傍の所定範囲TSL~TSH内とするための、内燃機関20の筒内空燃比の最適値(目標値A/Ftarget233)を求め、第1空燃比として算出することができる。
なお、上記第4実施形態において、算出部211は、排気浄化装置1(図1)の第1空燃比取得部72、流量取得部74、差圧取得部76、第2空燃比取得部78、第1温度取得部82、及び第2温度取得部84から取得された各取得値を、通信部を介して取得し、これら各値から酸素消費量231と空燃比A/F3way,in232とを求めてもよい。また、算出部211は、上述の各値の入力を入出力部230から取得して、酸素消費量231と空燃比A/F3way,in232とを求めてもよい。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
[変形例1]
上記実施形態では、内燃機関の排気浄化装置の構成の一例を示した。しかし、排気浄化装置の構成は種々の変形が可能である。例えば、排気浄化装置は、NOx触媒として、SCR触媒と、NSR触媒との両方を備えていてもよい。例えば、SCR触媒で使用される還元剤として、尿素水に代えて、アンモニアガス、アンモニア水、有機溶媒等の非水系溶媒を用いた尿素溶液又はアンモニア溶液等を利用してもよい。例えば、三元触媒は、酸素吸蔵能(OSC:Oxygen Storage Capacity)を有していてもよい。
例えば、DPFが備えるフィルタには、例えば白金系の貴金属等が塗布されていてもよい。そうすれば、DPFにおけるPMの燃焼温度を低下させることができるため、制御部による制御(図2)のステップS20における第1の閾値を低くすることができる。この結果、より一層の低燃費を実現できる。
例えば、排気浄化装置は、制御部に代えてまたは制御部と共に、第4実施形態の空燃比算出装置を備え、この空燃比算出装置から目標値A/Ftarget(第1空燃比)を取得してもよい。例えば、排気浄化装置は、制御部に代えてまたは制御部と共に、第4実施形態の空燃比算出装置とネットワークを介して接続され、この空燃比算出装置から目標値A/Ftarget(第1空燃比)を受信してもよい。
[変形例2]
上記実施形態では、制御部における制御の一例を示した(図2)。しかし、制御部における制御内容は種々の変形が可能である。例えば、ステップS26,S28は省略してもよい。この場合、制御部は、予め実験等で求められて図示しない記憶部に記憶されている目標値A/Ftarget(ストイキよりもリーン寄りの空燃比)を、第1空燃比として使用できる。例えば、ステップS28の手順a1における酸素消費量の算出は、省略してもよい。この場合、制御部は、予め実験等で求められて図示しない記憶部に記憶されている酸素消費量を使用して、処理を行ってもよい。例えば、ステップS28において制御部は、DPFでのPMの燃焼除去に起因して損失する燃料の量を考慮して、目標値A/Ftargetを算出してもよい。
例えば、制御部は、DPFの温度(ステップS20)と、DPFに堆積したPMの量(ステップS24)以外の他の要素を利用して、DPFの状態を判定してもよい。具体的には、例えば、制御部は、DPFの劣化状態、内燃機関の運転状態、外気温等、種々の条件を考慮してDPFの状態を判定することができる。例えば、制御部は、ステップS30が終了したあと、フィードバック制御を行わずに処理を終了させてもよい。
例えば、ステップS12,S14,S22,S26で取得するとした各値のうちの少なくとも一部、及び、ステップS22,S28で算出するとした各値のうちの少なくとも一部は、図示しない通信部や入力部を介して、制御部に対して入力される信号によって代用されてもよい。
例えば、三元触媒に酸素吸蔵能(OSC)を付加した場合、ステップS10において、制御部は、燃焼状態制御部から筒内空燃比をリーンからストイキへと切り替える指示信号を受信した後、一旦、内燃機関の筒内空燃比をリッチ状態とさせて燃焼させたあと、ステップS12以降の処理を継続してもよい。このようにすれば、排気の空燃比がリッチ(酸素の割合がより一層少ない状態)となるため、三元触媒における酸素吸蔵量が飽和吸蔵量より減少する。換言すれば、三元触媒においてNOxを浄化する前に、三元触媒における酸素吸蔵量の飽和状態を緩和することができる。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1,1a,1b…排気浄化装置
2…空燃比算出装置
10…制御部
12…燃焼状態制御部
20…内燃機関
30…排気管
50…三元触媒
60…SCR触媒
72…第1空燃比取得部
74…流量取得部
76…差圧取得部
78…第2空燃比取得部
82…第1温度取得部
84…第2温度取得部
92…尿素ポンプユニット
94…尿素ノズル
210…情報処理部
211…算出部
220…記憶部
230…入出力部

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気浄化装置であって、
    前記内燃機関からの排気が流通する主流路において最上流に設けられ、前記排気中の粒子状物質を除去する粒子状物質除去フィルタと、
    前記主流路において、前記粒子状物質除去フィルタよりも下流側に設けられた三元触媒と、
    前記主流路において、前記粒子状物質除去フィルタよりも下流側に設けられ、前記排気中の窒素酸化物を浄化するNOx触媒と、
    前記内燃機関の筒内空燃比をリーン、ストイキ、リッチの各状態へと制御する燃焼状態制御部から、前記筒内空燃比をリーンからストイキへと切り替える信号を受信した際に、前記粒子状物質除去フィルタの状態が、前記粒子状物質除去フィルタにおける前記粒子状物質の燃焼除去が進行可能な状態である場合に、前記燃焼状態制御部により制御される前記筒内空燃比をストイキよりもリーン寄りであって、前記粒子状物質除去フィルタから排出されて前記三元触媒に流入する前記排気の空燃比を、前記三元触媒による窒素酸化物の浄化が可能な範囲内とするための第1空燃比とさせる制御部と、
    を備える、排気浄化装置。
  2. 請求項に記載の排気浄化装置であって、さらに、
    前記粒子状物質除去フィルタの温度を取得する温度取得部と、
    前記内燃機関からの前記排気の流量を取得する流量取得部と、
    前記主流路のうち、前記粒子状物質除去フィルタの上流側と下流側とにおける前記排気の差圧を取得する差圧取得部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記流量取得部により取得された前記排気の流量と、前記差圧取得部により取得された前記差圧と、を用いて前記粒子状物質除去フィルタに捕集されている前記粒子状物質の量を求め、
    求めた前記粒子状物質の量と、前記温度取得部により取得された前記温度と、を用いて前記粒子状物質除去フィルタの状態を判定する、排気浄化装置。
  3. 請求項に記載の排気浄化装置であって、さらに、
    前記主流路のうち、前記粒子状物質除去フィルタの下流側かつ前記三元触媒の上流側における前記排気の空燃比を取得する空燃比取得部を備え、
    前記制御部は、さらに、
    求めた前記粒子状物質の量と、前記温度取得部により取得された前記温度と、前記流量取得部により取得された前記排気の流量と、を用いて前記粒子状物質除去フィルタにおいて前記粒子状物質の燃焼除去に起因して消費される酸素消費量を求め、
    求めた前記酸素消費量と、前記空燃比取得部により取得された前記排気の空燃比と、を用いて前記三元触媒に流入する前記排気の空燃比をストイキ近傍の所定範囲内とするための前記筒内空燃比の目標値を求め、
    求めた前記筒内空燃比の目標値を前記第1空燃比とする、排気浄化装置。
  4. 請求項に記載の排気浄化装置であって、
    前記制御部は、
    前記燃焼状態制御部により制御される前記筒内空燃比を前記第1空燃比とさせた後、定期的に、前記温度取得部、前記差圧取得部、前記流量取得部、及び前記空燃比取得部から取得した最新の各取得値を用いて前記第1空燃比を求め、
    前記燃焼状態制御部により制御される前記筒内空燃比を最新の前記第1空燃比とするフィードバック制御を行う、排気浄化装置。
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