本開示は、概して、X線管用の陰極組立体に関する。特に、本開示は、X線管の陰極組立体用の電気接続構成に関連し得る。
X線管では、典型的には陰極のフィラメントで実装される電子エミッタを使用して通常電子が生成される。電圧差の存在下で、電子は、その後、陽極に形成されるターゲット面上の焦点領域に向けて加速でき、ターゲット面に衝突すると、陽極との電子衝突によって生じたエネルギーの一部が、X線に変換される。次いで、X線管によって生じたX線は、分析または治療のために患者または対象物に向けることができる。
図1A~図1Cは、本明細書に記載された1つ以上の実施形態を実装することができるX線管100の一例の図である。具体的には、図1Aは、X線管100の斜視図を示し、図1Bは、X線管100の側面図を示し、図1Cは、X線管100の断面図を示す。図1A~図1Cに示されるX線管100は、例示的な動作環境を表し、本明細書で開示される実施形態を限定するものではない。
概して、X線はX線管100内で発生させ、次いでその一部はX線管100を出て1つ以上の用途で利用される。X線管100は、X線管100の外部構造として機能することができる真空エンクロージャ構造102を含むことができる。真空エンクロージャ構造102は、陰極ハウジング104及び陽極ハウジング106を含むことができる。図1Cに図示するように、陰極ハウジング104は、陽極ハウジング106に固定でき、内部陰極容積部103が陰極ハウジング104によって画定され、内部陽極容積部105が陽極ハウジング106によって画定され、その各々が真空エンベロープを画定するように接合されるようにする。
図1A及び図1Cに示すように、X線管100は、X線透過窓108を含むことができる。X線管100で生じたX線の一部は、窓108を通って出ることができる。窓108は、ベリリウムまたは他の適切なX線透過性材料から構成されてもよい。
図1Cを参照すると、陰極ハウジング104は、陰極組立体110と呼ばれるX線管の一部を形成する。陰極組立体110は、概して、電子ビーム、112を一緒に形成する電子の生成に関連する構成要素を含む。例えば、陰極組立体110は、陰極ヘッド115の端部に配置された電子エミッタシステム122を有する陰極ヘッド115を含むことができる。
陽極ハウジング106によって画定された内部陽極容積部105内には、陽極114が配置されている。陽極114は、陰極組立体110から離間して対向している。電流が電子エミッタシステム122に印加されると、電子エミッタシステム122は、熱電子放出によって電子を放出するように構成されている。電子は陽極114のターゲット128に向かって加速する電子ビーム112を共に形成する。
電子エミッタシステム122によって放出された電子は、電子ビーム112を形成し、加速領域126に入って通過し、陽極114に向かって加速する。より具体的には、電子ビーム112は、図1A~1Cに含まれる任意に画定される座標系によるとz方向に加速し、加速領域126を通る方向に電子エミッタシステム122から離れていくようにし得る。
図示の構成では、陽極114は、軸受組立体または他の適切な構造に連結された回転可能に取り付けられたシャフト164を介して回転するように構成された回転陽極である。電子ビーム112が電子エミッタシステム122から放出されると、電子が陽極114のターゲット128に衝突する。この実施形態では、ターゲット128は、回転陽極114上に配置された環状リングとして形成される。電子ビーム112が大きく集中してターゲット面128に衝突する領域、焦点として知られている。ターゲット面128は、タングステンまたは高次の原子(「高Z」)番号を有する同様の材料で構成することができる。高次の原子番号を有する材料をターゲット128に使用して、衝突する電子と相互作用してX線を発生させることのできる、「高次の」電子殻の電子を、材料が相応に含むようにする。この実施形態では、陽極114は回転陽極であるが、本明細書に記載される概念は、固定陽極などの他の陽極構成に適用されてもよい。
X線管100の動作中、陽極114と電子エミッタシステム122は、電気回路内で接続される。電気回路により、陽極114と電子エミッタシステム122との間に高電圧電位を印加することが可能になる。さらに、電子エミッタシステム122は、電子エミッタシステム122のフィラメントまたはエミッタに電流を導く電源に接続され、熱電子放出によって電子を発生させる。陽極114と電子エミッタシステム122との間に高電圧差を印加すると、放出された電子が電子ビーム112を形成し、加速領域126を通ってターゲット128に向かって加速する。電子ビーム112内の電子が加速すると、電子ビーム112は運動エネルギーを得る。ターゲット128に当たると、この運動エネルギーの一部がX線に変換される。ターゲット128は、X線が窓108を通過し、窓108を介してX線管100を出ることができるように配向する。
いくつかの実施形態で、真空エンクロージャ102は、真空エンクロージャ102の外面から熱を放散するように、液体または空気などの冷却材が内部に循環される外部ハウジング(図示せず)内に配置されることがある。外部熱交換器(図示せず)は、冷却材から熱を除去し、それを外部ハウジング内で再循環させるように動作可能に接続してもよい。いくつかの構成では、陰極ハウジング104、陽極ハウジング106またはX線管100の構成要素は、冷却材用通路を含むことができる。
いくつかの実施形態では、X線管100は、1つ以上の電子ビーム操作用構成要素を含むことができる。そのような構成要素は、電子ビーム112が領域126を横切る前に電子ビーム112を「集束する」、「誘導する」、及び/または「偏向する」ように実装でき、それにより、ターゲット面128上の焦点の寸法及び/または位置を操作または「トグル」する。追加的または代替的に、電子ビームの断面形状(例えば、長さ及び/または幅)を変更または「集束」し、それによってターゲット128の焦点の形状及び寸法を変更するために、操作用構成要素またはシステムを使用することができる。いくつかの構成では、電子ビームを「集束する」、「誘導する」、及び/または「偏向する」ように構成された構成要素は、陰極ヘッド115及び/または陰極組立体110に配置できる。
図2は、陰極組立体110の実施形態の斜視図である。図2を参照して、陰極組立体110の態様をさらに詳細に説明する。図示のように、陰極組立体110は、底部260と、中間部262と、頂部280とを含む。頂部280は表面282を含み、それには開口部284が形成されている。頂部280は内部の空洞を画定し、その内部に陰極ヘッド115が配置される。そのような構成では、頂部280は陰極シールドと呼ぶことができる。陰極ヘッド115の電子エミッタシステム122は、陽極114に向かってビーム112内のシールド開口部284を通って電子を放出するように配置して配向される(図1C参照)。
陰極組立体110は、ビームの集束及び/または誘導を提供するように構成された集束タブ220を含むことができる。集束タブ220は、開口部284内に延在する表面282の頂部280に配置することができる。いくつかの実施形態では、一対の集束タブ220を、陰極ヘッド115の対応するフィラメントまたはエミッタごとに含めることができる。所望の焦点の形状及び大きさを提供することによって電子ビームを集束させるように、対応する電子ビームに空間的制限を課すように一対の集束タブ220を構成してもよい。追加的または代替的に、集束タブ220の各対は、陽極ターゲットの焦点を配置することによって、対応する電子ビームを誘導するように構成してもよい。他の構成では、集束タブ220は陰極組立体110の一部として含まれなくてもよく、集束及び/または誘導構造は陰極ヘッド自体に設けられてもよい。そのような構成の例が図3A~図3Cに示されている。
図3A~3Cは、陰極ヘッド600の例示的な実施形態を示す。図3Aは、陰極ヘッド600の斜視上面図であり、図3Bは、陰極ヘッド600の斜視底面図であり、図3Cは、カソードヘッド600の断面図である。陰極ヘッド600は、図1A~図1C及び図2のX線管100に実装することができる。陰極ヘッド600に関して説明した任意の適切な態様が、本明細書に記載の他の実施形態に含まれる場合がある。
図示のように、陰極ヘッド600は、陰極本体602と、第1のフィラメント504と、第2のフィラメント506と、第3のフィラメント604とを含む。フィラメント604は、フィラメント504とフィラメント506との間に配置される。フィラメント504、506、604は互いに離間している。図示の構成では、フィラメント504、506、604は、渦線形状または螺旋形状に配置されたワイヤで形成されたコイル状フィラメントである。例示された構成では、フィラメント504及び506は実質的に同じ大きさであり、フィラメント604はフィラメント504、506よりも小さいが、他の構成を実装してもよい。
陰極本体602は、ここではフィラメントスロット514として実装される第1のフィラメント凹部と、フィラメントスロット516として示される第2のフィラメント凹部と、フィラメントスロット606として示される第3のフィラメント凹部とを画定する。図示の実施形態では、フィラメント504は、フィラメントスロット514の内部に少なくとも部分的に配置され、第2のフィラメント506は、フィラメントスロット516の内部に少なくとも部分的に配置され、第3のフィラメント604は、フィラメントスロット606の内部に少なくとも部分的に配置される。
陰極本体602はまた、集束スロット510として実装される第1の集束凹部と、集束スロット512として示される第2の集束凹部と、集束スロット608として示される第3の集束凹部とを画定する。フィラメント504及びフィラメントスロット514は集束スロット510の内側に位置し、フィラメント506とフィラメントスロット516は集束スロット512の内側に位置し、フィラメント604とフィラメントスロット606は集束スロット608の内側に位置する。集束スロット510は、フィラメント504によって発生させた電子ビームを集束及び/または方向付けるような大きさ及び形状にすることができ、集束スロット512は、フィラメント506によって発生させた電子ビームを集束及び/または方向付けるような大きさ及び形状にすることができ、集束スロット608は、フィラメント604によって発生させた電子ビームを集束及び/または方向付けるような大きさ及び形状にすることができる。
いくつかの構成では、フィラメント504、フィラメントスロット514、及び集束スロット510は、各々が共通軸を共有するように互いに整列してもよい。同様に、フィラメント506、フィラメントスロット516、及び集束スロット512は、各々が第2の共通軸を共有するように互いに整列してもよい。フィラメント604、フィラメントスロット606、及び集束スロット608は、各々が共通軸を共有するように互いに整列してもよい。いくつかの構成では、共通軸は、陰極本体602の縦軸であってもよい。他の構成では、構成要素は整列されなくてよく、他の適切な構成で配向してもよい。
図3A~3Cに示す構成では、フィラメント504、506は互いに離間しており、陽極のターゲットに電子を同時に動作させ、かつ同時に方向付けるように構成されている(例えば図1C参照)。フィラメント504、506、フィラメントスロット514、516、及び集束スロット510、512は、共通のターゲットに配向する。具体的には、集束スロット510は、フィラメント504からの電子ビームとフィラメント506からの電子ビームが一般に共通ターゲットで交差するように、共通ターゲットに向かって集束スロット512に対して角度を付けてもよい。同様に、フィラメントスロット514は、フィラメント504からの電子ビーム及びフィラメント506からの電子ビームが共通のターゲットに向けられるように、フィラメントスロット516に対して角度を付けてもよい。
フィラメント504及び506は、同時に動作し、同時に陽極上のターゲットに電子を向けるように構成するが、フィラメント604は、フィラメント504及び506とは独立して動作するように構成してもよい。したがって、フィラメント604は、フィラメント504及び506を停止させたときに作動するか、その逆であるように構成できる。それにもかかわらず、フィラメント604、フィラメントスロット606、及び集束スロット608は、フィラメント504及び506によって形成される焦点と同じまたは類似の領域内のターゲット上に焦点を形成するように構成してもよい。したがって、フィラメント504、506、604、フィラメントスロット514、516、606及び集束スロット510、512、608は、共通のターゲットの方に配向することができる。具体的には、集束スロット510、512は、フィラメント504、506、及び604からの電子ビームが一般に共通のターゲットに向けられるように、共通のターゲットに向かって角度を付けてもよい。他の構成では、フィラメント504、506、及び604の3つすべてを、同時に、個別に、または任意の適切な構成で動作するように構成することができる。
上述したように、フィラメント604は、フィラメント504、506より小さくてもよい。フィラメント604は、フィラメント504及び/またはフィラメント506よりも小さい少なくとも1つの寸法を含み得る。例えば、フィラメント604は、全体の長さ、コイルの長さ、フィラメントの直径、コイルの直径、またはフィラメント504及び/またはフィラメント506の対応する寸法よりも小さい他の寸法を含むことができる。追加的または代替的に、フィラメント604は、フィラメント504、506と異なる電流及び/または電圧レベルで動作してもよい。そのため、フィラメント604によって生成される焦点は、フィラメント504、506によって生成される焦点、またはフィラメント504、506の両方によって生成される組み合わされる焦点とは異なる大きさ(例えば、より小さい1つまたは複数の寸法)であり得る。他の構成では、フィラメント604は、フィラメント504、506と実質的に同じ大きさであってもよく、またはフィラメント504、506、604の各々が異なる大きさであってもよい。
上述したように、フィラメント504は、フィラメントスロット514の内部に少なくとも部分的に配置されてもよく、第2のフィラメント506は、フィラメントスロット516の内部に少なくとも部分的に配置されてもよい。図3Cに示すように、フィラメント506は、エミッタ504がフィラメントスロット514から延在するよりも、フィラメントスロット516からさらに延びるように配置してもよい。このような構成では、フィラメント504、506の大きさが実質的に同じであっても、フィラメント506における電子を放出する表面積は、フィラメント504における電子を放出する表面積よりも大きい。したがって、フィラメント506は、フィラメント504によって発生させた電子ビームの断面よりも大きな断面を有する電子ビームを生じる。具体的には、フィラメント506によって発生させた電子ビームは、フィラメントによって発生させる電子ビームよりも広い、または外に広がる。ひいては、フィラメント506によってターゲットに生成される焦点は、フィラメント504によって生成される焦点より大きくてもよい。いくつかの構成では、フィラメント504、506の各々の焦点は、互いに重なり合ってもよい。いくつかの重なり合う構成では、フィラメント504のより小さい焦点は、フィラメント506のより大きな焦点内に部分的にまたは全体的に配置されてもよい。
いくつかの構成では、陰極ヘッド600は、集束及び/または誘導構造(全般的に「集束構造」と称する)を含むことができる。「集束」は所望の焦点の形状及び大きさを提供し、「誘導」は陽極ターゲットの焦点の位置を変えることができる。集束構造は、フィラメント504、506、604を少なくとも部分的に囲め、電界及び/または電子ビームへの空間的制限を課すことによって、フィラメント504、506、604によって放射された電子ビームを集束及び/または誘導することができる。
図示の構成では、集束構造は、第1のグリッド部材642、第2のグリッド部材644、第3のグリッド部材645、及び第4のグリッド部材646を含む集束グリッド640を含む。第1のグリッド部材642と第2のグリッド部材644との組み合わせが第1の集束グリッド対を形成し、第2のグリッド部材644と第3のグリッド部材645との組み合わせが第2の集束グリッド対を形成し、第3のグリッド部材645と第4のグリッド部材646との組み合わせが、第3の集束グリッド対を形成する。
図3Cに最もよく示されているように、第1のグリッド部材642及び第2のグリッド部材644は、それらの間に配置されたフィラメント504を含み、第2のグリッド部材644及び第3のグリッド部材は、それらの間に配置されたフィラメント604を含み、第3のグリッド部材645及び第4のグリッド部材646は、それらの間に配置されたフィラメント506を含む。集束グリッド640は、フィラメント504、506、604によって放出された電子を集束させるためにグリッド電圧を受け取るように構成し得る。特に、集束グリッド640は、電子ビームをビーム経路に垂直な一方向に集束させ、及び/またはそのビーム経路に垂直な同じ方向のビームを誘導し得る。グリッド部材642、644、645、及び646の電圧は、所与の寸法のビームを提供するように変調することができる。具体的には、各コイル状フィラメントの2つのグリッド部材間の電圧差を変調して、電子ビームの1つ以上の断面の寸法を変えることができる。
追加的または代替的に、集束構造は、第2の集束グリッド620を含むことができる。集束グリッド620は、フィラメント504、506、604の各々に対応する集束タブ対を含むことができる。集束グリッド620は、フィラメント504をその間に配置した第1のタブ522及び第2のタブ524で形成される第1のタブ対を含む。また、集束グリッド620は、フィラメント506をその間に配置した、第3のタブ526及び第4のタブ528で形成される第2のタブ対を含む。さらに、集束グリッド620は、フィラメント604をその間に配置した第5のタブ641及び第6のタブ642で形成される第3のタブ対を含む。
集束グリッド620は、フィラメント504、506、604によって放出された電子を集束させるためにグリッド電圧を受け取るように構成してもよい。集束タブ522、524、526、528、641及び642は、集束グリッド対を形成してもよく、電圧差を受けて、集束グリッド640に直交する方向に電子ビームを集束及び/または誘導してもよい。集束タブ522、524、526、528、641及び642の電圧は、所与の次元のビームを提供するように変調することができる。具体的には、各コイル状フィラメントの2つのタブ間の電圧差を変調して、電子ビームの1つ以上の断面の寸法を変化させることができる。他の構成では、集束タブ522、524、526、528、641、及び642は、集束及び/または誘導を静電的に提供するのではなく、対応する電子ビームに空間的制約を課すことができる。
いくつかの状況では、集束グリッド620及び/または集束グリッド640は、電子ビームがターゲット及び/または焦点に到達するのを防止するのに十分大きな電圧を供給することによって、電子ビームを「遮断」するために利用してもよい。したがって、集束グリッド620及び/または集束グリッド640は、フィラメント504、506、604から電子ビームを遮断することによって、X線管からのX線の放出を制御するために利用してもよい。
本明細書で説明される実施形態は、磁気、静電、またはそれらの組み合わせなど、任意の適切な集束構造で実装されてもよい。説明された実施形態は、単一の静電集束グリッドまたは複数のグリッド構成(例えば、デュアルグリッド)を使用して実装されてもよい。図示の構成では、集束構造は2つの集束グリッド620、640を含むが、他の構成で、一方または他方のみが含まれてもよい。
2つのフィラメントが同時に動作してより大きな電子強度を有する焦点を作出する構成では、同一または類似の強度の焦点を生成する単一のフィラメント構成と比較した場合、電子ビームを集束及び/または誘導する集束構造を実装及び使用することが、より容易になり得る。特に、フィラメント双方からの電子が凝集するので、各フィラメントは、電子強度がより大きな焦点を作出するのに必要な電流及び/または電圧が少なくなる可能性がある。フィラメントは、より低い電流及び電圧レベルで動作することができるので、電子ビームを十分に集束及び/または誘導するための、集束グリッドにおいて必要な電圧がより低くなり得る。同様に、電子ビームを「遮断」するために必要な電圧をより低くすることができる。対照的に、より大きなフィラメントを使用するか、より高い電流または電圧をフィラメントに印加する構成では、電子ビームを集束及び/または誘導するためにより大きなグリッド電圧を必要とする場合がある。さらに、2つ以上の類似または同一のフィラメントが同時に動作する場合、単一のグリッド電圧を利用して、個々の電子ビーム各々を集束及び/または誘導することができる。対照的に、異なる大きさのフィラメントは、各々に別個のグリッド電圧を使用することが必要であることがある。
本明細書に記載の実施形態は、空間的、磁気的、静電的、またはそれらの組み合わせなど、任意の適切な集束構造で実装することができる。説明された実施形態は、単一の静電集束グリッドまたは複数のグリッド構成(例えば、デュアルグリッド)を利用して実装してもよい。他の構成では、実施形態は静電集束を含まなくてもよく、空間的及び/または磁気的などの他の適切な集束構造に依拠してもよい。図示の構成では、集束構造は2つの集束グリッドを含むが、他の構成で1つのみを含んでいてもよい。
図3Bに最も良く示されているように、陰極ヘッド600は、電気的連結部530a、530b、530c、530d、530e、及び530fを含むことができる。電気的連結部530a~fは、フィラメント504、506、604を連結するために陰極本体を通って延びることができる。電源は、電気的連結部530a~fを介して、フィラメント504、フィラメント506、及びフィラメント604に電気的に連結され得る。特に、電気的連結部530a~fは、フィラメント504、506、604を連結するために陰極本体502を通って延びることができる。フィラメント504、506、604の各々は、対応する一対の電気的連結部を含むことができる。例えば、電気的連結部530a及び530bはフィラメント504に対応でき、電気的連結部530c及び530dはフィラメント506に対応でき、電気的連結部530e及び530fはフィラメント604に対応できる。図示されていないが、集束構造を電気的に連結するために電気的連結部を設けてもよい。
電源は、電流をフィラメント504、506に同時に向けることができ、フィラメント504、506が、陽極の焦点またはターゲットに向けられる電子を同時に生成するようにする。いくつかの構成では、電源は、フィラメント504、506を実質的に同じ電流及び/または電圧レベルで動作させるように構成することができるが、他の構成を実装してもよい。フィラメント504、506は、所望の構成に応じて、直列または並列のいずれかの電源に連結することができる。電源はフィラメント504、506とは独立してフィラメント604に電流を向けることができ、フィラメント504、506が作動していないときにフィラメント604が電子を生成し、逆もまた同様であるようにする。いくつかの構成で、電源は、フィラメント604とは異なる電流及び/または電圧レベルでフィラメント504、506を動作させるように構成してもよい。
図示された構成は3本のフィラメント504、506、604を含むが、他の構成が任意の適切な数のフィラメントを含むことがある。例えば、いくつかの構成は、フィラメント604を含まない場合がある。他の構成が、同じ大きさまたは異なる大きさの3つ以上のフィラメントを含む場合もある。
開示の実施形態では、陰極組立体は、2つ以上のフィラメント(「エミッタ」または「電子エミッタ」と呼ばれることもある)を含むことができる。いくつかの構成では、複数フィラメントが同時に動作して、陽極の共通の焦点に電子ビームを向ける。したがって、このような構成は、陰極によって生成される電子の量を増加させるか、電子が陰極によって放出される速度を増大させることができる。これにより、陽極に当たる電子の数が増加し、それによって、X線管から発生して放出されるX線の量が増加する。X線管から放出されるX線が増加すると、X線イメージングに対する様々な利点が得られる。例えば、X線放射速度が増大することは、対象物または患者をより迅速に走査するために利用できる。別の例で、X線放射速度が増加することは、患者または対象物の透過の改善をもたらすために使用することができる。
他の実施形態は、電子の流れを誘導または集束させる構成を含むことができる。そのような特徴は、「集束」及び/または「誘導」構造と呼ぶことができる。電子ビームを集束することは、所望の焦点の形状及び大きさを提供することができ、誘導は、陽極ターゲットの焦点の位置を変えることができる。集束構造は、電界及び/または電子ビームへの空間的制限を課すことによって、フィラメントによって放出された電子ビームを集束及び/または誘導することができる。他の構成で、集束構造は、磁場を用いて集束及び/または誘導することができる。一部の状況で、集束構造は、陰極組立体の一部として、例えば陰極組立体の陰極ヘッドに設けられてもよい。
開示の実施形態では、陰極組立体は、発電機などの電源により駆動される。発電機は、フィラメント504、506、604の1つ以上に電流を供給する。さらに、発電機は、集束構造が電気的に駆動される構成において、集束構造に電力を供給することができる。発電機は、別の電源からの電圧をステップアップさせる高電圧発電機であってもよい。
様々な状況において、同一の複数フィラメント式陰極組立体は、所与の用途及び/または利用可能な設備の必要性に応じて異なる構成で使用できる。例えば、複数フィラメント式陰極組立体は、単一フィラメント構成(例えば、フィラメント604)または複数フィラメント構成(例えば、フィラメント504、506)のいずれかで使用することができる。本明細書で使用するような、「単一フィラメント構成」は、複数フィラメント式陰極組立体の単一のフィラメントが所与の瞬間に動作され、残りのフィラメントが動作されない構成を示す。本明細書で使用されるような、「複数フィラメント構成」は、複数フィラメント式陰極組立体の2つ以上のフィラメントが所与の瞬間に動作され、残りのフィラメントが動作されない構成を示す。
単一フィラメント構成の場合、複数フィラメント式陰極組立体は、複数フィラメント式陰極組立体のフィラメント504、506、604のいずれか1つが作動され得るように構成できる。したがって、複数フィラメント式陰極組立体は、各フィラメント504、506、604に対して個別の単一フィラメント構成を含むことができる。例えば、3つのフィラメントを有する複数フィラメント式陰極組立体は、各フィラメントを独立して動作させるものである3つの異なる単一フィラメント構成を含むことができる。
複数フィラメント構成の場合、フィラメント504、506、604のうちの2つ以上を直列または並列(「直列構成」または「並列構成」)のいずれかで動作させることができる。直列構成では、フィラメント504、506、604のうちの2つ以上が単一の経路に沿って接続されているので、各フィラメントには同じ電流が流れる。並列構成では、フィラメント504、506、604のうちの2つ以上が、各フィラメントに同じ電圧が印加されるように、連結されている。複数フィラメントを並列構成で動作させる場合、フィラメントにかかる電圧は同じであってもよいが、フィラメントの特性が同一ではない可能性があるため、各フィラメントを流れる電流は異なってもよい。例えば、2つのフィラメントの抵抗は、欠陥または製造上の許容誤差のために異なることがあり、そのことが2つのフィラメントを通って流れる電流の大きさに差異を引き起こす可能性がある。複数フィラメントを直列構成で動作させる場合、フィラメントを流れる電流の大きさは実質的に同じである。
複数フィラメント式陰極組立体の様々な構成により、発電機と陰極組立体の構成要素(すなわち、フィラメント、集束構造など)との間で異なる電気接続構成が必要となることがある。いくつかの実施形態では、所望の構成ごとに異なるX線管を設けることによって、異なる電気接続構成を実装することができる。そのような実施形態では、各X線管は、単一の構成のための必要な電気的連結を含む。しかし、これにより、複数フィラメント式陰極組立体の異なる構成の各々に対し、各々が異なる電気的連結をする、いくつかの異なるX線管を製造することが必要になり得る。異なる電気的構成に対し、いくつかの異なるX線管を製造すると、製造プロセスがさらに複雑になる可能性がある。追加的または代替的に、異なる電気的構成に対していくつかの異なるX線管を製造すると、顧客へのコストを増加させる可能性があり、及び/または顧客が異なる適用に対して異なる構成を実装できることへの制限が生じる可能性がある。
開示された実施形態は、複数フィラメント式陰極組立体を有する単一のX線管が、異なる構成及び動作モード、例えば、直列、並列、または単一フィラメントで駆動できるようにすることができる。したがって、異なる電気的構成を有する複合的な異なるX線管は、異なる構成の複数フィラメント式陰極組立体を動作させるために必要ではないことがある。
開示された実施形態は、X線管の内部に(またはいくつかの構成では、X線管の真空エンベロープ内に)電気的接続を有する構成を含むことができる。それは、発電機をX線管に電気的に連結する導電性カプラ(例えば、ケーブル)の構成に応じて、様々な構成(例えば、直列、並列、または単一のフィラメント)で、複数フィラメント式陰極組立体を駆動することを可能にする構成である。したがって、複数フィラメント式陰極組立体の構成は、発電機をX線管に電気的に連結する導電性カプラ(例えば、ケーブル)を単に変更することによって、直列、並列または単一フィラメントの構成の間で変更することができる。いくつかの状況では、各構成に対して専用の導電性カプラを設けることができ、所望の構成に応じて導電性カプラの1つを選択することができる。したがって、X線管の内部(またはX線管の真空エンベロープの内部)の電気的接続を変更して、複数フィラメント式陰極組立体を異なる構成で動作させる必要はない。
様々な異なる構成で使用できる単一のX線管を提供することは、複数の異なるX線管を製造する必要がないので、製造コストを低減することができる。さらに、すべての構成で同じX線管が使用され、その動作モードは、使用される導電性カプラ(ケーブル)のみに依拠する。また、開示された実施形態は、異なる構成に対して異なるX線管を購入する必要がないので、顧客に対するコストを低減することができる。さらに、顧客はX線管の構成を柔軟に選択できる。
開示される実施形態は、導電性カプラを単に切り替えることによって、使用するフィラメントの選択を可能にすることができる。例えば、第1のフィラメントを動作させるために1つの導電性カプラを使用しても、第2のフィラメントを動作させるために第2の導電性カプラを使用しても、第3のフィラメントを動作させるために第3の導電性カプラを使用しても、その他(X線管に含まれるフィラメントの数による)であってもよい。導電性カプラの各々は、フィラメントの1つを発電機に電気的に連結する異なる電気的接続を含み、それによってフィラメントを動作させる電力を供給することができる。好適には、フィラメントのうちの1つがもはや動作可能でない場合、陰極組立体は、1つ以上の残ったフィラメントで動作するように構成され、それによって陰極組立体(及びX線管)の寿命を延ばすことができる。
さらに、開示された実施形態は、既存の発電機と適合性があってもよい。例えば、開示された実施形態は、所与の発電機と共に使用するための適切な導電性カプラを選択することによって、単に既存の発電機を複数フィラメント式陰極組立体に連結できるようにすることが可能である。
したがって、開示された実施形態は、X線管の内部(またはX線管の真空エンベロープの内部)の電気的接続のための構成を含むことができる。追加的または代替的に、開示された実施形態は、X線管を発電機(X線管の外側またはX線管の真空エンベロープの外側)に電気的に連結するように構成された導電性カプラを含むことができる。より詳細には、導電性カプラは、X線管の陰極ヘッドまたは陰極組立体を発電機に連結するように構成してもよい。
複数フィラメントを有する陰極組立体に関する追加の詳細は、「CATHODE HEAD WITH MULTIPLE FILAMENTS FOR HIGH EMISSION FOCAL SPOT」と題する米国仮特許出願第62/451051号、及び「CATHODE HEAD WITH MULTIPLE FILAMENTS FOR HIGH EMISSION FOCAL SPOT」と題する特許出願第15/717298号が開示されており、これらは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。参照された出願に記載されている任意の適切な態様が、本開示の実施形態において実装されてもよい。
上述したように、複数フィラメント式陰極組立体の異なる構成は、発電機と陰極組立体の構成要素(すなわち、フィラメント、集束構造など)との間に異なる電気接続構成を必要とすることがある。図4は、複数フィラメント式陰極組立体を有する単一のX線管を、直列、並列または単一フィラメントなどの異なる構成で駆動することを可能にし得る例示的な電気接続構成を示す。いくつかの実施形態では、電気接続構成は、X線管内及び/またはX線管の真空エンベロープ内に配置することができる(例えば、図1C及び真空エンベロープの上記説明を参照)。
図4は、例示的な陰極組立体800の図である。陰極組立体800は、図1A~図1C及び図2の陰極組立体110に概ね対応することができ、本明細書に記載される適切な態様は、X線管100に実装することができる。
陰極組立体800は、陰極ヘッド802を含むことができ、陰極ヘッド802は、線807の上にある対象によって表すことができる。陰極ヘッド802は、概して、図1C及び図2の陰極ヘッド115または図3A~図3Cの陰極ヘッド600に対応することができる。陰極組立体800はさらに、線805の上方かつ線807の下方の対象によって表すことができるレセプタクル804を含むことができる。レセプタクル804は、概して、図2の陰極組立体110の一部に対応することができ、底部260、中間部262、及び/または頂部280の少なくとも一部分を含む。
陰極ヘッド802は、電子エミッタ803を含むことができる。電子エミッタ803は、概して、図3A~図3Cのフィラメント504に対応することができる。電子エミッタ803は、接続位置808及び接続位置810を含むことができる。いくつかの実施形態では、接続位置808及び接続位置810は、接続位置808及び接続位置810が高電圧源及び/または電気共通部に連結され得るように、陰極ヘッド802から延びることができる。いくつかの構成では、接続位置808と接続位置810との間に高電圧差が作出され、上述したように電子エミッタ803が熱電子放出によって電子を生成するように、接続位置808及び接続位置810は、高電圧源及び低電圧源(例えば、電気共通部)に連結されてもよい。本明細書で使用されているように、図面を簡略化するために、電気共通部はまた高電圧源よりも低い低電圧源も含む。電子を生成するために、本明細書に記載される電子エミッタ803及び他の電子エミッタを動作させることは、電子エミッタを「駆動する」または「実行する」と称することができる。
さらに、陰極ヘッド802は、電子エミッタ812を含むことができる。電子エミッタ812は、電子エミッタ803に概ね類似していてもよく、及び/または図3A~図3Cのフィラメント506に対応してもよい。電子エミッタ812は、接続位置814及び接続位置816を含むことができる。接続位置814及び接続位置816は、概して、電子エミッタ803の接続位置808及び接続位置810各々に類似し得る。いくつかの構成で、電子エミッタ806及び電子エミッタ812が実質的に同じ大きさであってもよい。
いくつかの実施形態では、接続位置814及び接続位置816は、陰極ヘッド802から延びている場合があり、接続位置814及び接続位置816が高電圧源及び/または電気共通部に接続されてもよい。いくつかの構成では、接続位置814と接続位置816は、高電圧源と電気共通部に接続する場合があり、接続位置814と接続位置816との間に高電圧差が作出され、電子エミッタ812が熱電子放出によって電子を生成するようにする。
いくつかの構成では、接続位置808、810、814及び/または816は電気リードであってもよい。さらに、いくつかの構成で、接続位置808、810、814及び/または816が、電子エミッタ803、812の一部であってもよい。例えば、電子エミッタ803、812がコイル状フィラメントである場合、接続位置808、810、814及び816は、電子エミッタ803、812のコイルではない部分を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、レセプタクル804は、セラミックレセプタクル804を含むことができる。例えば、レセプタクル804は、電気及び/または断熱のためのセラミックを含むことができる。追加的または代替的に、レセプタクル804は、陰極組立体800のハウジングまたは本体によって少なくとも部分的に画定されてもよい。
本明細書で使用されるように、電気的に連結されるということは、構成要素間の電気的通信を促進するように連結された構成要素を記述することができる。いくつかの例で、電気的に連結された対象は、導電性材料で接続しているのでもよい。
陰極組立体800は、電子エミッタ803の接続位置808に電気的に連結されたコネクタ818を含むことができる。陰極組立体800は、電子エミッタ803の接続位置810及び電子エミッタ812の接続位置814に電気的に連結されるコネクタ820を含み得る。したがって、例えば接続位置810及び接続位置814は、電気的に連結することができる。図示している構成では、接続位置810及び接続位置814はレセプタクル804で連結されるが、他の構成で、接続位置810、814は陰極ヘッド802または陰極組立体800の他の位置で連結されてもよい。
陰極組立体800は、電子エミッタ812の接続位置816と電気的に連結されたコネクタ822を含むことができる。図示のように、コネクタ818、820、及び822は、レセプタクル804と関連している。しかし、他の構成では、コネクタ818、820、及び822は、陰極組立体800の任意の適切な部分に配置することができる。
図4に示す陰極組立体800の構成要素は、概して、X線管の一部として含まれてもよい。例えば、陰極組立体800は、部分的にまたは全体的に、X線管の内部に含まれていてもよい。別の例では、陰極組立体800は、部分的にまたは全体的に、X線管の真空エンベロープの内部に含まれていてもよい。いくつかの構成では、コネクタ818、820、及び/または822(例えば、第1、第2及び第3のコネクタ)は、X線管の内部の構成要素をX線管の外部の構成要素に電気的に連結できるよう構成してもよい。したがって、コネクタ818、820及び/または822は、X線管の内部からX線管の外部に延在することができる。例えば、コネクタ818、820及び/または822は、X線管の本体、レセプタクル、または真空エンベロープの内部から、本体、レセプタクル、または真空エンベロープの外部に延在することができる。別の例で、コネクタ818、820及び/または822は、X線管の陰極組立体の内部からX線管の陰極組立体の外部に延在することができる。
以下でさらに詳細に説明するように、陰極組立体800の構成によって、複数電子エミッタ803及び812を、直列、並列または単一フィラメントなどの異なる構成で駆動させることができる。さらに、陰極組立体800の構成により、陰極組立体800またはX線管を何ら変更することなく、複数電子エミッタ803及び812を異なる構成で駆動できるようにすることが可能である。
図5は、陰極組立体800の例示的な電気接続構成900の図である。図示のように、構成900は、図4に関して説明したように陰極組立体800を含むことができる。構成900は、陰極組立体800の電子エミッタ803及び812を並列(すなわち、並列構成)で動作するよう実装できる。
構成900は、線853の下に表すことができる発電機854を含むことができる。発電機854は、第1の発電機コネクタ856及び第2の発電機コネクタ858を含むことができる。いくつかの構成では、コネクタ856は、高電圧源に関連付けられてもよく、コネクタ858は、電気共通部に関連付けられてもよい。特に、コネクタ856は高電圧源を提供することができ、コネクタ858は電気共通部を提供することができるが、他の構成を実装することもできる。
導電性カプラ902は、発電機854と陰極組立体800との間に延在することができる。導電性カプラ902は、線853の上方かつ線805の下方の対象によって表すことができる。導電性カプラ902は、発電機854と陰極組立体800を電気的に連結するように構成することができる。
特に、導電性カプラ902は、発電機854のコネクタ856をレセプタクル804のコネクタ820に電気的に連結するように構成することができる。さらに、導電性カプラ902は、発電機854のコネクタ858をレセプタクル804のコネクタ818、822に電気的に連結するように構成することができる。図示のように、導電性カプラ902は、第1のカプラ904と、第2のカプラ906と、第3のカプラ908とを含む。カプラ904は、コネクタ856とコネクタ820との間に延在し、コネクタ856とコネクタ820とを電気的に連結する。カプラ906は、コネクタ858とコネクタ818との間に延在し、コネクタ858とコネクタ818とを電気的に連結する。カプラ908は、コネクタ858とコネクタ822との間に延在し、コネクタ858とコネクタ822とを電気的に連結する。図示のように、いくつかの構成で、カプラ906をカプラ908に連結する場合がある。そのような構成では、カプラ906は、カプラ908を介してコネクタ818、858を連結するが、他の適切な構成を実装することもできる。
図示している構成では、コネクタ856からの高電圧源を接続位置810及び接続位置814に供給することができる。コネクタ858からの電気共通部は、接続位置808及び接続位置816に電気的に連結される。動作時には、電子エミッタ803が電子を生成するように接続位置808と接続位置810との間に高電圧差が作出され、電子エミッタ812が電子を生成するように接続位置814と接続位置816との間に高電圧差が作出される。図示しているように、電子エミッタ803、812は、並列の電気的構成で発電機854に電気的に連結される。
図6は、陰極組立体800の例示的な電気接続構成910の図である。図示のように、構成910は、図4及び図5に関して記載しているように、陰極組立体800及び発電機854を含み得る。構成910は、陰極組立体800の電子エミッタ803及び812を直列に(すなわち、直列構成に)動作させるように実装することができる。
構成910は、コネクタ856をコネクタ818と電気的に連結するように構成された導電性カプラ912を含むことができる。さらに、導電性カプラ912は、コネクタ858をコネクタ822に電気的に連結するように構成できる。図示の構成では、導電性カプラ912は、レセプタクル804のコネクタ820を発電機854に直接連結していない。
図示のように、導電性カプラ912は、第1のカプラ914及び第2のカプラ916を含む。カプラ914は、コネクタ856とコネクタ818との間に延在し、コネクタ856とコネクタ818とを電気的に連結する。カプラ916は、コネクタ858とコネクタ822との間に延在し、コネクタ858とコネクタ822とを電気的に連結する。接続位置810と接続位置814は、コネクタ820を介して互いに連結される。
図示の構成では、コネクタ856からの高電圧源を接続位置808に提供することができる。コネクタ858からの電気共通部は、接続位置816に電気的に連結される。動作中、高電圧差が接続位置808と接続位置816の間で作出される。高電圧差が、電子エミッタ803、812の両方を介して作出され、電子エミッタ803、812が電子を生成する。図示のように、電子エミッタ803、812は、直列の電気的構成で発電機854に電気的に連結されている。好適には、電子エミッタ803、812が直列構成で動作するとき、両方の電子エミッタ803、812を通って流れる電流は実質的に同じであってもよい。
図7は、陰極組立体800の例示的な電気接続構成920の図である。図示のように、構成920は、図4及び図5に関して記載しているように、陰極組立体800及び発電機854を含み得る。構成920は、電子エミッタ803及び812のうちの単一のもの、具体的には電子エミッタ803(すなわち、単一のフィラメント構成)を動作させるように実装されてもよい。
構成920は、コネクタ856をコネクタ818に電気的に連結するように構成された導電性カプラ922を含むことができる。さらに、コネクタ858をコネクタ820、822に電気的に連結するように導電性カプラ922を構成することができる。
図示のように、導電性カプラ922は、第1のカプラ924と、第2のカプラ926と、第3のカプラ928とを含む。カプラ924は、コネクタ856とコネクタ818との間に延在し、コネクタ856とコネクタ818とを電気的に連結する。カプラ926は、コネクタ858とコネクタ820との間に延在し、コネクタ858とコネクタ820とを電気的に連結する。カプラ928は、コネクタ858とコネクタ822との間に延在し、コネクタ858とコネクタ822とを電気的に連結する。図示のように、いくつかの構成で、カプラ926は、カプラ928に連結されてもよい。このような構成で、カプラ926はカプラ928を介してコネクタ820、858に連結されているが、他の適切な構成を実装してもよい。
図示している構成では、発電機854のコネクタ856からの高電圧源を接続位置808に提供することができる。コネクタ858からの電気共通部は、接続位置810及び接続位置814、816双方に電気的に連結される。このような構成では、電子エミッタ812は短絡する。動作中、電子エミッタ803が電子を生成するように、接続位置808、810の間に高電圧差が作出される。しかし、電子エミッタ812は短絡し、動作しない。
図示のように、電子エミッタ812が短絡し、電子エミッタ803が動作しているが、他の構成を実装して、電子エミッタ803が動作せず電子エミッタ812が動作するようにすることもできる。
図8は、陰極組立体801用の例示的な電気接続構成930の図である。陰極組立体801は、陰極組立体800に関して上述した態様を含む。さらに、陰極組立体801は、第3のエミッタ860と、陰極ヘッド802に配置された集束構造862とを含む。
電子エミッタ860は、電子エミッタ803、812と概ね類似していてもよく、及び/または図3A~図3Cのフィラメント604に対応してもよい。電子エミッタ860は、接続位置864と接続位置866とを含み得る。図示のように、接続位置864は、接続位置816に近接しているか、接続位置816と実質的に同じ位置にある。いくつかの構成で、電子エミッタ812及び電子エミッタ860は接続位置を共有することがある。他の構成で、電子エミッタ812の接続位置816は電子エミッタ860の接続位置864と電気的に連結することがある。
図示のように、電子エミッタ803及び812は、実質的に同じ大きさであってもよいが、一方で電子エミッタ860は電子エミッタ803、812よりも小さい。ただし、他の構成が実装されてもよい。電子エミッタ860は、電子エミッタ803及び/または電子エミッタ812よりも小さい少なくとも1つの寸法を含むことができる。例えば、電子エミッタ860は、全体の長さ、コイルの長さ、フィラメントの直径、コイルの直径、または電子エミッタ803及び/または電子エミッタ812の対応する寸法よりも小さい他の寸法を含み得る。
集束構造862は、集束グリッド620及び/または図3A~図3Cに関して説明した集束グリッドを有する集束構造に概ね類似していてもよい。いくつかの構成では、集束構造862は、電子エミッタ803、812、860の1つ以上を少なくとも部分的に取り囲む集束グリッドを含むことができ、電界及び/または電子ビームへの空間的制限を課すことによって、電子エミッタ803、812、860により放射される電子ビームを誘導及び/または集束するように構成される。いくつかの構成では、集束グリッドは、電子エミッタ803、812、860の3つすべてによって放射された電子ビームを誘導及び/または集束するように実装されてもよいが、他の構成を実装することもできる。集束構造862は、接続位置868を含むことができる。
陰極組立体801は、接続位置866と電気的に連結されたコネクタ870(例えば、第4のコネクタ)を含むことができる。陰極組立体801のコネクタ822は、接続位置864と電気的に連結され得る。陰極組立体801は、集束構造862の接続位置868と電気的に連結されるコネクタ872を含み得る。例示的な構成では、接続位置816及び接続位置864が陰極ヘッド802に連結されているが、他の構成では、接続位置816、864は、レセプタクル804または他の位置で連結できる。図示のように、コネクタ870、872はレセプタクル804と関連している。しかし、他の構成では、コネクタ870、872は陰極組立体801の任意の適切な部分に配置されてもよい。
図8に示す陰極組立体801の構成要素は、概して、X線管の一部として含まれていてもよい。例えば、陰極組立体801は、部分的にまたは全体的に、X線管の内部に含まれてもよい。別の例では、陰極組立体801は、部分的にまたは全体的に、X線管の真空エンベロープの内部に含まれていてもよい。
いくつかの構成では、接続位置864、866及び/または868は電気リードであってもよい。さらに、いくつかの構成では、接続位置864及び/または866は、電子エミッタ860の一部であってもよい。例えば、電子エミッタ860がコイル状フィラメントである場合、接続位置864及び/または866は、電子エミッタ860のコイルではない部分を含み得る。いくつかの構成では、電子エミッタ812及び電子エミッタ860は、各々の電気リードの少なくとも一部を共有することができる。他の構成では、電子エミッタ812、890の電気リードを互いに連結することができる。
いくつかの構成では、コネクタ870及び/または872は、X線管の内部の構成要素がX線管の外部の構成要素に電気的に連結されることを可能にするように構成できる。したがって、コネクタ870及び/または872は、X線管の内部からX線管の外部に延在することができる。例えば、コネクタ870及び/または872は、X線管の本体、レセプタクル、または真空エンベロープの内部から、本体、レセプタクル、または真空エンベロープの外部に延びることができる。別の例では、コネクタ870及び/または872は、X線管の陰極組立体の内部からX線管の陰極組立体の外部に延在することができる。
構成930は、概して、図5の構成900に関して上述した特徴を含む。さらに、構成930は、第3のエミッタ860及び集束構造862に関連する構成要素を含む。構成930は、上述したような発電機854を含む。さらに、発電機854は、第3の発電機コネクタ874を含むことができる。いくつかの構成では、コネクタ874は、第2の高電圧源と関連することができる。特に、コネクタ874は、フィラメント860を駆動するように構成される高電圧源を提供することができる。いくつかの構成では、コネクタ874に供給される電圧は、コネクタ856に供給される電圧とは異なる場合がある。
導電性カプラ932は、コネクタ856をコネクタ820に電気的に連結するように構成することができる。さらに、導電性カプラ932は、コネクタ858をコネクタ818、822、及び872に電気的に連結するように構成することができる。さらに導電性カプラ932は、発電機854のコネクタ874をレセプタクル804のコネクタ870と電気的に連結するように構成することができる。
図示のように、導電性カプラ932は、第1のカプラ904と、第2のカプラ908と、第3のカプラ937と、第4のカプラ906と、第5のカプラ939とを含む。カプラ904は、コネクタ856とコネクタ820との間に延在し、コネクタ856とコネクタ820とを電気的に連結する。カプラ908は、コネクタ858とコネクタ822との間に延在し、コネクタ858とコネクタ822とを電気的に連結する。カプラ937は、コネクタ874とコネクタ870との間に延在し、コネクタ874とコネクタ870とを電気的に連結する。カプラ906は、カプラ908を介してコネクタ818とコネクタ858との間に延在し、コネクタ818とコネクタ858とを電気的に連結する。カプラ939は、カプラ908を介してコネクタ872とコネクタ858との間に延在し、コネクタ872とコネクタ858とを電気的に連結する。
図示している構成では、コネクタ856からの高電圧源は、接続位置810及び接続位置814に提供されてもよい。コネクタ874からの高電圧源は、接続位置866に提供されてもよい。コネクタ858からの電気共通部は、接続位置808、接続位置816、接続位置864、及び接続位置866に電気的に連結される。
動作中、電子エミッタ803が電子を生成するように、接続位置808と接続位置810との間に高電圧差が作出される。電子エミッタ812が電子を生成するように、接続位置814と接続位置816との間に高電圧差が作出される。電子エミッタ860が電子を生成するように、接続位置866と接続位置864との間に高電圧差が作出される。集束構造862は、電気共通部に電気的に連結され、したがって動作しない。図示のように、電子エミッタ803、812は、並列の電気的構成で発電機854に電気的に連結される。
いくつかの構成では、発電機854は、電子エミッタ860を電子エミッタ803、812とは異なる時間動作するように構成することができる。例えば、発電機854は、コネクタ874に電圧を供給するのとは異なる時間にコネクタ856に電圧を供給するように構成することができる。他の構成では、発電機854は、3つの電子エミッタ803、812、860のすべてを同時に動作させることができる。
図9は、陰極組立体801用の例示的な電気接続構成940の図である。図示のように、構成940は、図8の構成930に関して上述した特徴を含む。しかし、構成940は、電子エミッタ803、812、860に加えて、集束構造862を動作するよう構成される。したがって、構成940は、集束構造862及び電子エミッタ803、812、860を動作させるように構成された導電性カプラ942を含む。この構成で、発電機854は、第4の発電機コネクタ876を含む。コネクタ876は、集束構造862が電子エミッタ803、812、860からの1つ以上の電子ビームを集束及び/または誘導するようにグリッド電圧を供給するように構成してもよい。
導電性カプラ942は、図8の導電性カプラ932に関して上述したように、カプラ904、908、937、906を含む。しかし、カプラ939の代わりに、導電性カプラ942は、カプラ944を含み、これはコネクタ876とコネクタ872との間に延在し、コネクタ876とコネクタ872とを電気的に連結する。したがって、導電性カプラ942は、コネクタ876をコネクタ872と電気的に連結するように構成される。
構成940は、構成930に関して上述したように、電子エミッタ803、812、860を動作させる。さらに、構成940は、コネクタ876から接続位置866に電圧を供給することによって集束構造862を動作させる。
図10は、陰極組立体801用の例示的な電気接続構成950の図である。図示のように、構成950は、図9の構成940に関して上述した特徴を含む。しかし、構成950は、電子エミッタ803及び812を並列ではなく直列で動作させる導電性カプラ952を含む。
特に、導電性カプラ952は、コネクタ856をコネクタ818に電気的に連結するように構成される。さらに、導電性カプラ952は、コネクタ858をコネクタ822に電気的に連結するように構成される。図示の構成では、導電性カプラ952は、レセプタクル804のコネクタ820を発電機854に直接的に連結しない。導電性カプラ952はまた、コネクタ874をコネクタ870に電気的に連結するように構成されている。導電性カプラ952はまた、コネクタ876をコネクタ872と電気的に連結するように構成されている。
図示のように、導電性カプラ952は、第1のカプラ914、第2のカプラ916、第3のカプラ937、及び第4のカプラ944を含む。カプラ914は、コネクタ856とコネクタ818との間に延在し、コネクタ856とコネクタ818とを電気的に連結する。カプラ916は、コネクタ858とコネクタ822との間に延在し、コネクタ858とコネクタ822とを電気的に連結する。カプラ937は、コネクタ874とコネクタ870との間に延在し、コネクタ874とコネクタ870とを電気的に連結する。カプラ944は、コネクタ876とコネクタ872との間に延在し、コネクタ876とコネクタ872とを電気的に連結する。接続位置810及び接続位置814は、コネクタ820を介して互いに連結される。
動作中、図6に関して説明したように、電子エミッタ803及び812は直列で動作する。電子エミッタ860は、図8で上述したように動作し、集束構造862は、図9で説明したように動作する。他の構成では、集束構造862は、図8に示すように発電機854の電気共通部に集束構造862を連結することによって、使用不能にすることができる。
図11は、陰極組立体801用の例示的な電気接続構成960の図である。図示のように、構成960は、図9の構成950に関して上述した特徴を含む。しかし、構成960は、電子エミッタ803及び電子エミッタ860を動作させるが、電子エミッタ812は動作させない導電性カプラ962を含む。さらに、構成960では、集束構造862は動作しない。したがって、図示している構成では、第4の発電機コネクタ876は、発電機854に含まれていない場合があるため図示していない。
特に、導電性カプラ962は、コネクタ856をコネクタ818に電気的に連結するように構成される。さらに、導電性カプラ962は、コネクタ858をコネクタ820、822、872と電気的に連結するように構成される。さらに、導電性カプラ962は、コネクタ874をコネクタ870と電気的に連結するように構成される。
図示のように、導電性カプラ962は、第1のカプラ924、第2のカプラ926、第3のカプラ939、及び第4のカプラ908、及び第5のカプラ937を含む。カプラ924は、コネクタ856とコネクタ818との間に延在し、コネクタ856とコネクタ818とを電気的に連結する。カプラ908は、コネクタ856とコネクタ822との間に延在し、コネクタ856とコネクタ822とを電気的に連結する。カプラ926は、コネクタ858とコネクタ820との間に延在し、カプラ908を介してコネクタ858とコネクタ820とを電気的に連結する。カプラ939は、コネクタ858とコネクタ872との間に延在し、カプラ908を介してコネクタ858とコネクタ872とを電気的に連結する。カプラ937は、コネクタ874とコネクタ870との間に延在し、コネクタ874とコネクタ870とを電気的に連結する。
図示している構成では、電子エミッタ812は短絡し(これが両側の電気共通部に連結されているため)、電子エミッタ803は図7と同様に動作する。電子エミッタ860は図8に関して説明したように動作する。集束構造862は、図8に関して説明したように、電気共通部に電気的に連結され、したがって動作しない。いくつかの構成では、発電機854は、電子エミッタ860を電子エミッタ803とは異なる時間動作するよう構成できる。例えば、発電機854は、コネクタ874に電圧を供給するのとは異なる時間にコネクタ856に電圧を供給するように構成することができる。他の構成では、発電機854は電子エミッタ803、860を同時に動作させることができる。集束構造862は、構成960では作動しないが、集束構造862は、図10に示すように、グリッド電圧を供給するように発電機856に電気的に連結することによって有効にすることができる。
いくつかの構成では、導電性カプラ902、912、922、932、942、952は、発電機856と陰極組立体800、801との間に延在する1つ以上の電気ケーブルまたはコードとして実装されてもよい。例えば、導電性カプラは、X線管を動作させるのに必要な電圧を扱うように設計された高電圧ケーブルであってもよい。一例では、高電圧ケーブルは、少なくとも1キロボルト(kV)の高い電圧差を提供することができる。別の例では、高電圧ケーブルは、少なくとも10kVの高い電圧差を提供することができる。これら及び他の実施形態では、高電圧ケーブルの端部は、導電性カプラをレセプタクル804及び発電機854のコネクタの構成と整列させる連結構造を含み得る。他の構成では、導電性カプラは、発電機856と陰極組立体800、801を本明細書で説明するように連結するのに適した任意のカプラであってもよい。
いくつかの構成では、図4~図11の線805上方の対象は、概して、X線管の一部として含まれてもよい。例えば、陰極組立体800、801は、部分的にまたは全体的に、X線管の内部に含まれてもよい。別の例では、陰極組立体800、801は、部分的にまたは全体的に、X線管の真空エンベロープの内部に含まれていてもよい。さらに、図4~図11の線805下方の対象は、X線管の外側にあってもよい。例えば、発電機854及び導電性カプラ902、912、922、932、942、952は、X線管の外側にあってもよい。別の例では、発電機854及び導電性カプラ902、912、922、932、942、952は、X線管の真空エンベロープの外側に含まれてもよい。他の構成では、導電性カプラ902、912、922、932、942、952は、X線管または真空エンベロープ内に延在することができる。
いくつかの実施形態では、X線イメージングシステムは、第1の電子エミッタ、第2の電子エミッタ、及び/または第3の電子エミッタを備えた陰極ヘッドまたは陰極組立体を含むことができる。第1の電子エミッタは、第1の接続位置及び第2の接続位置を含むことができる。第2の電子エミッタは、第3の接続位置及び第4の接続位置を含むことができる。第3の接続位置は、第1の電子エミッタの第2の接続位置と電気的に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の電子エミッタ及び第2の電子エミッタは、実質的に同じ大きさを有してもよい。第3の電子エミッタは、第5の接続位置及び第6の接続位置を含むことができる。いくつかの実施形態では、第3の電子エミッタは、第1の電子エミッタまたは第2の電子エミッタの対応する寸法よりも小さい少なくとも1つの寸法を含むことができる。X線イメージングシステムは、集束構造を含むことができる。
陰極組立体は、第1の電子エミッタの第1の接続位置に電気的に連結された第1の陰極コネクタを含むことができる。陰極組立体は、第1の電子エミッタの第2の接続位置及び第2の電子エミッタの第3の接続位置と電気的に連結された第2の陰極コネクタを含むことができる。陰極組立体は、第2の電子エミッタの第4の接続位置及び第3の電子エミッタの第5の接続位置に電気的に連結された第3の陰極コネクタを含むことができる。陰極組立体は、第3の電子エミッタの第6の接続位置に電気的に連結された第4の陰極コネクタを含むことができる。陰極組立体は、集束構造と電気的に連結された第5の陰極コネクタを含むことができる。
X線イメージングシステムは、第1の発電機コネクタ、第2の発電機、及び第3の発電機コネクタを有する発電機を含むことができる。第1の発電機コネクタは、第1の電源と電気的に連結されてもよい。第2の発電機コネクタは、電気共通部に電気的に連結されてもよい。第3の発電機コネクタは、第2の電源と電気的に連結されてもよい。
X線イメージングシステムは、第1、第2、第3及び第4の陰極コネクタを第1、第2、及び第3の発電機コネクタに電気的に連結するように構成された導電性カプラを含むことができる。導電性カプラの構成に基づいて、第3の電子エミッタは、動作するように構成されてもよく、また以下の少なくとも1つである:第1の電子エミッタ及び第2の電子エミッタは、並列で動作するように構成されてもよく、第1の電子エミッタ及び第2の電子エミッタは直列で動作するように構成されてもよく、第1の電子エミッタは動作するように構成されてもよく第2の電子エミッタは動作するように構成されず、第1の電子エミッタは動作しないように構成されてもよく第2の電子エミッタは動作するように構成されてもよい。
いくつかの構成では、発電機は、第3の電源に電気的に連結された第4の発電機コネクタをさらに含むことができ、導電性カプラは、第5の陰極コネクタを、第2の発電機コネクタ及び第4の発電機コネクタの少なくとも1つに電気的に連結するようにさらに構成してもよい。
1つの例示的な実施形態では、X線管(100)の陰極組立体(110、800)は、陰極ヘッド(115、600)を含むことができる。陰極ヘッド(115、600)は、第1の接続位置(808)と第2の接続位置(810)とを有する第1の電子エミッタ(504、803)、及び第3の接続位置(814)と第4の接続位置(816)とを有する第2の電子エミッタ(506、812)を含み得る。第3の接続位置(814)は、第1の電子エミッタ(504、803)の第2の接続位置(810)と電気的に連結することができる。第1のコネクタ(818)は、第1の電子エミッタ(504、803)の第1の接続位置(808)と電気的に連結することができる。第2のコネクタ(820)は、第1の電子エミッタ(504、803)の第2の接続位置(810)及び第2の電子エミッタ(506、812)の第3の接続位置(814)に電気的に連結することができる。第3のコネクタ(822)は、第2の電子エミッタ(506、812)の第4の接続位置(816)と電気的に連結することができる。
いくつかの構成で、第1の電子エミッタ(504、803)及び第2の電子エミッタ(506、812)は、電源が第2のコネクタ(820)と電気的に連結され得、電気共通部が、第1のコネクタ(818)及び第3のコネクタ(822)と電気的に連結され得るときに、並列で動作するよう構成してもよい。第1の電子エミッタ(504、803)及び第2の電子エミッタ(506、812)は、電源が第1のコネクタ(818)と電気的に連結され得、電気共通部が、第3のコネクタ(822)と電気的に連結され得るときに、直列で動作するように構成されてもよい。いくつかの態様において、第1の電子エミッタ(504、803)及び第2の電子エミッタ(506、812)は、実質的に同じ大きさであってもよい。
いくつかの構成では、陰極組立体(110、800)は、第5の接続位置(864)及び第6の接続位置(866)を有する第3の電子エミッタ(604、860)をさらに含むことができる。第5の接続位置(864)は、第2の電子エミッタ(506、812)の第4の接続位置(816)と陰極組立体(110、800)の第3のコネクタ(822)と電気的に連結されてもよい。第4のコネクタ(870)は、第3の電子エミッタ(604、860)の第5の接続位置(864)と電気的に連結されてもよい。
第1の電子エミッタ(504、803)と第2の電子エミッタ(506、812)は同じ大きさであってよく、第3の電子エミッタ(604、860)は、第1の電子エミッタ(504、803)及び第2の電子エミッタ(506、812)の対応する寸法よりも小さい少なくとも1つの寸法を含むことができる。第3のコネクタ(822)は電気共通部に電気的に連結してもよく、第4のコネクタ(870)を電源に電気的に連結してもよい。
第1の電子エミッタ(504、803)及び第2の電子エミッタ(506、812)は、第1の電源が第2のコネクタ(820)と電気的に連結されているときに並列で動作するように構成されてもよく、電気共通部は第1のコネクタ(818)及び第3のコネクタ(822)と電気的に連結され、第2の電源は、第4のコネクタ(870)と電気的に連結され得る。第1の電子エミッタ(504、803)及び第2の電子エミッタ(506、812)は、第1の電源が第1のコネクタ(818)と電気的に連結され、電気共通部が第3のコネクタ(822)と電気的に連結され、第2の電源が第4のコネクタ(870)に電気的に連結されているときに、直列で動作するように構成されてもよい。
陰極ヘッド(115、600)は、集束構造(862)をさらに含むことができる。第4のコネクタ(868)は、集束構造(862)と電気的に連結でき、電源は、第4のコネクタ(870)と電気的に連結され得る。
別の例示的な実施形態において、X線イメージングシステムは、陰極組立体(110、800)を含むことができる。陰極組立体(110、800)は、第1の接続位置(808)及び第2の接続位置(810)を有する第1の電子エミッタ(504、803)と、第3の接続位置(814)及び第4の接続位置(816)を有する第2の電子エミッタ(506、812)とを含み得る。第3の接続位置(814)は、第1の電子エミッタ(504、803)の第2の接続位置(810)と電気的に連結することができる。第1の陰極コネクタ(818)は、第1の電子エミッタ(504、803)の第1の接続位置(808)と電気的に連結することができる。
第2の陰極コネクタ(820)は、第1の電子エミッタ(504、803)の第2の接続位置(810)及び第2の電子エミッタ(506、812)の第3の接続位置(814)と電気的に連結されてもよい。第3の陰極コネクタ(822)は、第2の電子エミッタ(506、812)の第4の接続位置(816)と電気的に連結されてもよい。
いくつかの態様では、X線イメージングシステムは、発電機(854)をさらに含むことができる。発電機(854)は、第1の電源と電気的に連結され得る第1の発電機コネクタ(856)と、第2の電源と電気的に連結され得る第2の発電機コネクタ(858)とを含み得る。
導電性カプラは、発電機(854)の第1の発電機コネクタ(856)を第2の陰極コネクタ(820)と電気的に連結することができ、発電機(854)の第2の発電機コネクタ(858)を第1の陰極コネクタ(818)及び第3の陰極コネクタ(822)と電気的に連結することができる。
導電性カプラは、発電機(854)の第1の発電機コネクタ(856)を第1の陰極コネクタ(818)に電気的に連結することができ、発電機(854)の第2の発電機コネクタ(858)を、第3の陰極コネクタ(822)に電気的に連結することができる。
いくつかの態様で、陰極組立体(110、800)はさらに、第5の接続位置(864)及び第6の接続位置(866)を有する第3の電子エミッタ(604、860)を含めてもよく、第5の接続位置(864)は、第2の電子エミッタ(506、812)の第4の接続位置(816)及び第3の陰極コネクタ(822)と電気的に連結されてもよい。第4の陰極コネクタは、第3の電子エミッタ(604、860)の第6の接続位置(866)と電気的に連結されてもよい。
いくつかの態様において、導電性カプラは、発電機(854)の第1の発電機コネクタ(856)を第2の陰極コネクタ(820)と電気的に連結でき、発電機(854)の第2の発電機コネクタ(858)を第1の陰極コネクタ(818)及び第3の陰極コネクタ(822)に電気的に連結することができ、発電機(854)の第3の発電機コネクタを第4の陰極コネクタと電気的に連結することができる。
別の態様において、導電性カプラは、発電機(854)の第1の発電機コネクタ(856)を第1の陰極コネクタ(818)と電気的に連結でき、発電機(854)の第2の発電機コネクタ(858)を第3の陰極コネクタ(822)と電気的に連結でき、発電機(854)の第3の発電機コネクタを第4の陰極コネクタと電気的に連結することができる。
さらに別の態様では、導電性カプラは、発電機(854)の第1の発電機コネクタ(856)を第1の陰極コネクタ(818)に電気的に連結することができ、発電機(854)の第2の発電機コネクタ(858)を第2の陰極コネクタ(820)と第3の陰極コネクタ(822)に電気的に連結することができ、発電機(854)の第3の発電機コネクタ(874)を第4の陰極コネクタ(870)に電気的に連結することができる。
いくつかの態様では、陰極組立体(110、800)は集束構造(862)を含んでよく、第5の陰極コネクタ(872)は集束構造(862)と電気的に連結され得る。
いくつかの態様では、X線イメージングシステムは、発電機(854)をさらに含むことができる。発電機(854)は、第1の電源に電気的に連結され得る第1の発電機コネクタ(856)、電気共通部に電気的に連結され得る第2の発電機コネクタ(858)、第2の電源と電気的に連結され得る第3の発電機コネクタ(874)、及び第3の電源と電気的に連結され得る第4の発電機コネクタ(876)を含むことができる。第1の導電性カプラは、第1の発電機コネクタ(856)を第1の陰極コネクタと電気的に連結し、第2の発電機コネクタ(858)を第3の陰極コネクタ(822)に電気的に連結し、第3の発電機コネクタ(874)を第4の陰極コネクタ(870)に電気的に連結し、第4の発電機コネクタ(876)を第5の陰極コネクタ(872)とを電気的に連結するように構成できる。第2の導電性カプラは、第1の発電機コネクタ(856)を第2の陰極コネクタ(820)と電気的に連結し、第2の発電機コネクタ(858)を第1の陰極コネクタ(818)及び第3の陰極コネクタ(822)と電気的に連結し、第3の発電機コネクタ(874)を第4の陰極コネクタ(870)と電気的に連結し、第4の発電機コネクタを第5の陰極コネクタと電気的に連結するように構成できる。
別の例示的な実施形態において、導電性カプラは、発電機(854)をX線管(100)と電気的に連結するように構成されてもよく、導電性カプラは、第1のカプラ及び第2のカプラを含み得る。第1のカプラは、発電機(854)の第1の発電機コネクタ(856)をX線管(100)の第1の電子エミッタ(504、803)と電気的に連結するように構成されてもよく、発電機(854)は第1の発電機コネクタ(856)で高電圧源を提供するように構成できる。第2のカプラは、発電機(854)の第2の発電機コネクタ(858)をX線管(100)の第2の電子エミッタ(506、812)と電気的に連結するように構成されてもよく、発電機(854)は、第2の発電機コネクタ(858)で電気共通部を提供するように構成できる。導電性カプラは、第1の電子エミッタ(504、803)と第2の電子エミッタ(506、812)を同時に動作させるように構成でき、導電性カプラは、発電機(854)とX線管(100)の間に延在し、発電機(854)とX線管(100)とを電気的に連結するように構成できる。
いくつかの態様において、第3のカプラは、発電機(854)の第2の発電機コネクタ(858)を第1の電子エミッタ(504、803)に電気的に連結するように構成してもよい。第3のカプラは、第1の電子エミッタ(504、803)の第1のコネクタ(818)と第2の発電機コネクタ(858)とを電気的に連結するように構成することができる。第1のカプラは、第1の電子エミッタ(504、803)の第2のコネクタ(820)と第2の電子エミッタ(506、812)の第3のコネクタ(822)とを、第1の発電機コネクタ(856)と電気的に連結するように構成してもよい。第2のカプラは、第2の電子エミッタ(506、812)の第4のコネクタ(870)を第2の発電機コネクタ(858)と取り外し可能に連結するように構成してもよい。
さらなる態様では、第1のカプラは、第1の電子エミッタ(504、803)の第1のコネクタ(818)を第1の発電機コネクタ(856)と電気的に連結するように構成することができる。第1の電子エミッタ(504、803)の第2のコネクタ(820)は、第2の電子エミッタ(506、812)の第3のコネクタ(822)に電気的に連結することができる。第2のカプラは、第2の電子エミッタ(506、812)の第4のコネクタ(870)を第2の発電機コネクタ(858)と電気的に連結するように構成してもよい。
いくつかの態様では、第3のカプラは、発電機(854)の第2の発電機コネクタ(858)を第1の電子エミッタ(504、803)及び第2の電子エミッタ(506、812)に電気的に連結するように構成することができる。第1のカプラは、第1の電子エミッタ(504、803)の第1のコネクタ(818)を第1の発電機コネクタ(856)に電気的に連結するように構成することができる。第2のカプラは、第1の電子エミッタ(504、803)の第2のコネクタ(820)と第2の電子エミッタ(506、812)の第3コネクタ(822)とを第2の発電機コネクタ(858)に電気的に連結するように構成することができる。第3のカプラは、第2の電子エミッタ(506、812)の第4のコネクタ(870)を第2の発電機コネクタ(858)に電気的に連結するように構成することができる。
いくつかの態様において、第2のカプラは、第2の発電機コネクタ(858)をX線管(100)の第3の電子エミッタ(604、860)に電気的に連結するように構成してもよい。第2のカプラは、第2の発電機コネクタ(858)を第3の電子エミッタ(604、860)の第5のコネクタ(864)に電気的に連結するように構成することができる。第3のカプラは、第3の電子エミッタ(604、860)の第6のコネクタ(866)を第3の発電機コネクタ(874)と電気的に連結するように構成してもよい。発電機(854)は、第3の発電機コネクタ(874)で第2の高電圧源を提供するように構成することができる。
さらなる態様において、第3のカプラは、X線管(100)の集束構造(862)を第3の発電機コネクタ(876)と電気的に連結するように構成してもよく、発電機(854)は、第3の発電機コネクタ(876)でグリッド電圧を供給するよう構成できる。導電性カプラは、X線管(100)の集束構造(862)を第2の発電機コネクタ(876)に電気的に連結するように構成された第3のカプラを含むことができる。導電性カプラは、第1の電子エミッタ(504、803)及び第2の電子エミッタ(506、812)を並列または直列で動作させるように構成してもよい。
以下の説明及び特許請求の範囲で使用される用語及び単語は、書誌的な意味に限定されず、単に本開示の明確かつ一貫した理解を可能にするために使用されている。単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含むということが理解されるべきである。したがって、例えば、「構成要素の表面」への言及は、そのような表面の1つまたは複数への言及を含む。
「実質的に」という用語は、記載された特性、パラメータ、または値が正確に達成される必要はないが、例えば許容誤差、測定誤差、測定精度限界及び他の当業者に公知の因子を含む偏差または変動が、特性がもたらすことを意図している効果を排除しない量で生じ得ることを意味する。
本開示の態様は、その趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく、他の形態で具体化することができる。記載された態様は、すべての点において例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。特許請求されている主題は、上記の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に入るすべての変更は、その範囲内に含まれるべきである。