JP7061913B2 - 無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法 - Google Patents
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Description
図6は、従来の無線電力伝送システムの構成例を説明するための回路図であり、図7は、図6に示す無線電力伝送システムの伝送効率を説明するための図である。
図6に示すように、無線電力伝送システム90は、送電装置1aと、受電装置2aと、を備える。また、送電装置1aは、共振回路31と、共振回路32と、を備える。また、受電装置2aは、共振回路41と、共振回路42と、を備える。共振回路31は、直列接続された可変リアクタンス回路304と、アンテナのケーブル3051と、アンテナのコイル305と、を備える。共振回路32、共振回路41、共振回路42に関しても、共振回路31と同様に、それぞれ可変リアクタンス回路(306、401、403)と、アンテナのケーブル(3071、4021、4041)と、アンテナのコイル(307、402、404)と、を備える。
このように、送受信システム間距離d0の位置ずれによる変化により、伝送効率が大幅に低下してしまう。
本願においてリアクタンス回路とは、容量性リアクタンスを有するコンデンサや誘導性リアクタンスを有するコイルから構成される回路である。また、可変リアクタンス回路とは、リアクタンスを可変制御することができるリアクタンス回路である。例えば、各可変リアクタンス回路は各1個の可変コンデンサで構成することができる。
また、コイルと可変リアクタンス回路からなる共振回路の共振周波数は、可変リアクタンス回路のリアクタンスを予め定めた所定の値に制御した場合に共振回路の誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスが等しくなる周波数である。
(送電側)共振回路31は、コイル305と、可変リアクタンス回路304と、コイル305の巻数を選択するスイッチ3053とから構成される。
図2は、図1に示すコイルの構成を示す図である。ここで、図1に示すコイルとは、コイル305、307、402、404である。
磁界共鳴型のワイヤレス給電では、アンテナとして、図2に示すヘリカルアンテナ(らせん状のアンテナ)を用いることが多い。また、高い伝送効率を実現するためには、アンテナ間の磁気的結合を示す相互インダクタンスMの絶対値を高い値とする必要がある。
ヘリカルアンテナの形状を決めるパラメータとしては、図2(a)に示すように巻数n、内半径r、線直径Φ、線間隔dなどが挙げられる。
本システムでは、ヘリカルアンテナの巻数nを変化させることにより相互インダクタンスMの絶対値が最大となる共振周波数f0を制御し、位置ずれによる伝送効率の低下を防止することを主目的とする。
そのため、本実施形態では、図1に示すように、従来システムを示す図6と比較すると、アンテナを構成するコイル305に巻数nを可変とするためのスイッチ3053を設けている。
スイッチ3053(スイッチSWDm、…、SWD2、SWD1、SWU1、SWU2、…SWUm)は、コイル305を構成する複数の巻線各々に設けられる。そして、スイッチ3053は、給電部に近い側のスイッチ(SWD2、SWD1、SWU1、SWU2)が順番にオンする(例えば、SWD1がオン、SWU1がオン、SWD2がオン、SWU2がオンする)ことにより、コイルの巻数nを選択する。
このように、図2(b)に示すスイッチ3053でコイルの巻数nを変化させることにより、相互インダクタンスMおよび共振周波数f0を調整する(詳細後述)。
なお、コイル305および307は、軸方向が一定方向となるように配列されている。また、送電装置1は、可変リアクタンス回路303を有し、可変リアクタンス回路303を介して交流電圧源301から共振回路31および32へ電力を供給する。また、可変リアクタンス回路303、304および306のリアクタンスはそれぞれリアクタンスX0、X1およびX2であるとする。交流電圧源301の出力周波数と、共振回路31および32の共振周波数とは同一である。
また、上述したスイッチ3053およびスイッチ3073の選択の指示は、例えば、制御装置5における制御部51が、制御部17に、リアクタンス制御としてスイッチの選択指示を送信し、制御部17が選択されるスイッチの個数(巻線nの個数)を変化する構成をとってもよい。もちろん、ユーザが、予め位置情報により設計された選択されるスイッチの個数(巻線nの個数)を、実際の位置情報に応じて調整しても構わない。
共振回路41は、コイル402と、可変リアクタンス回路401と、コイル402の巻数を選択するスイッチ4023とから構成される。
共振回路42は、コイル404と、可変リアクタンス回路403と、コイル404の巻数を選択するスイッチ4043とから構成される。
また、共振回路41および42の共振周波数は、送信側の共振回路31および32の共振周波数と同一である。
なお、コイル402および404は、軸方向が一定方向となるように配列されている。
また、受電装置2は、可変リアクタンス回路405を有し、可変リアクタンス回路405を介して共振回路41および42から抵抗406へ電力を供給する。
受電装置2において、コイル402の一端は可変リアクタンス回路401の一端に接続されていて、他端は接地されている。コイル404の一端は可変リアクタンス回路403の一端に接続され、他端は接地されている。
可変リアクタンス回路401および可変リアクタンス回路403の各他端は、可変リアクタンス回路405の一端に接続されている。可変リアクタンス回路405の他端は、抵抗406の一端に接続されている。抵抗406の他端は接地されている。
ここで、抵抗406は、例えば照明やカメラといった機器(負荷回路)であり、1個の電球であってもよいし、整流回路、電圧変換回路、蓄電池、その他の電気・電子回路等を含むものであってもよい。また、受電装置2は、図示してない入出力装置、位置取得装置や通信装置を備えていてもよい。受電装置2は、例えば、スマートフォンやタブレットPCなどのモバイル端末、電気自動車等に搭載あるいは内蔵されている。また、制御部23は、モバイル端末、電気自動車等が備えるコントローラ(コンピュータ)が提供する一機能として構成されていてもよい。
また、制御部23は、受電装置2の位置情報を制御装置5に対して提供する。受電装置2と制御装置5は例えば無線LAN(ローカルエリアネットワーク)等を用いて可変リアクタンス回路401、403および405のリアクタンスを制御するための制御信号や位置情報を送受信する。制御部23は、例えば、受電装置2が有する図示していない屋内GPS(Global Positioning System)やビーコンの受信機を用いて受電装置2の位置情報を取得したり、ユーザの受電装置2に対する図示していない入力部に対する所定の入力操作に基づいて位置情報を決定したりすることができる。
また、スイッチ4023およびスイッチ4043の選択の指示は、例えば、制御装置5における制御部51が、制御部23に、リアクタンス制御としてスイッチの選択指示を送信し、制御部23が選択されるスイッチの個数(巻線nの個数)を変化する構成をとってもよい。もちろん、ユーザが、予め位置情報により設計された選択されるスイッチの個数(巻線nの個数)を、実際の位置情報に応じて調整しても構わない。
データベース53は、受電装置2の位置情報とコイルの巻数n(コイルの巻数情報)と各可変リアクタンス回路の各リアクタンスを決定するための情報との対応関係を表す情報を含む。データベース53は、例えばその対応関係を表す情報を1または複数のテーブルとして含む。各リアクタンスを決定するための情報とは、例えば、各位置情報に対応した各リアクタンスの値そのものであってもよい。複数の位置情報の個数は、例えば、受電装置2を受電可能とする範囲を一定の領域毎に区分した各区分に対応する個数である。図4は、データベース53の構成例を説明するための模式図である。図4はデータベース53が含むテーブルが含むレコードの構成例を示す。
位置情報フィールド531は、受電装置2から位置情報取得部52が取得する受電装置2の位置情報と同一の(あるいは対応する)情報が格納される。位置情報は、例えば3次元または2次元の受電装置2の座標を表す情報と共振回路41が有するコイル402および共振回路42が有するコイル404の軸方向を表す情報とを含む。
コイルの巻数情報フィールド532は、上記コイル305、307、402、404の巻数nを、スイッチ3053、3073、4023、4043により調整可能な値の範囲(図2(b)に示すコイルにおける1≦n≦2m)にしたコイルの巻数情報nが格納される。
また、リアクタンス情報フィールド533は、位置情報に基づく送電装置1と受電装置2の位置関係におけるコイル305、307、402および404の各自己インダクタンスと各コイル間の各相互インダクタンスMと相互インダクタンスMに基づく共振周波数f0(交流電圧源301の出力の角周波数と等しい)に基づいて、例えば特願2016-248197や特願2017-058620に記載された決定手順を用いて、電力の伝送効率が高効率となるように設計時において求めた、可変リアクタンス回路304および306と可変リアクタンス回路401および403(あるいはさらに可変リアクタンス回路303および405)の各リアクタンスの最適値を表わす情報を格納する。
ここで、本実施形態においては、使用するスイッチ(3053、3073、4023、4043)が選択するコイル(305、307、402および404)の巻数nを物理的に変化させることにより共振周波数f0を制御し、位置ずれによる伝送効率の低下を防止する。
図5は、図1に示す無線電力伝送システムにおいて、距離1mで2つのヘリカルアンテナを対向させた場合について、巻数nを変化させた場合の相互インダクタンスMの測定結果を示している。ここで、2つのヘリカルアンテナを対向させるとは、例として、図1においてコイル305とコイル402および404、コイル307とコイル402および404を対向させた場合を示している。
実線であらわすM15は、送受信システム間距離(以下、位置情報という)d0=1m)、巻数n=15の場合の測定結果(周波数fと相互インダクタンスMとの関係)を表わしている。なお、この測定条件は、図3に示すM15の測定条件と同様である。ここで、相互インダクタンスM15の絶対値は、共振周波数f0=12.5MHzにて最大値1.0×10-4をとっている。
また、点線で表すM14は、位置情報d0=1m、巻数n=14の場合の測定結果を表わしている。ここで、相互インダクタンスM14の絶対値は、共振周波数f0=14.4MHzにて最大値7.0×10-5をとっている。
また、破線で表すM13は、位置情報d0=1m、巻数n=13の場合の測定結果を表わしている。ここで、相互インダクタンスM13の絶対値は、共振周波数f0=16.2MHzにて最大値3.81×10-5をとっている。
以上の結果から、コイルの巻数nを制御することにより、共振周波数f0を設計時の目標共振周波数f0ofgに一致させ、目標共振周波数f0ofgにおいて高い伝送効率を実現可能であることが分かる。
すなわち、データベース53に登録されている各位置情報d0に対応する各可変リアクタンス回路の各リアクタンス(リアクタンスX0、X1、X2、X3、X4およびX5)は、送電装置と受電装置とを位置情報d0に対応する位置関係に配置した場合に得られる各送電側共振回路および各受電側共振回路の共振周波数f0と電力の伝送効率S21との関係に基づき決定された各値を有する。
また、共振周波数f0と電力の伝送効率S21との関係は、各位置情報(位置情報d0)および各位置情報に対応するコイルの巻数情報(コイルの巻数n)からなる組合せの情報で構成され、目標共振周波数f0ofgに対応する電力の伝送効率を含んでいる。
つまり、各送電側共振回路および各受電側共振回路の共振周波数f0と電力の伝送効率S21との関係は、設計時において目標とした目標共振周波数f0ofgに対応する電力の伝送効率S21を含むため、例えば、データベース53は、上記M15、M14、M13(位置情報d0=1mとコイルの巻数n=15、14、13)の情報、と当該情報に基づいて予め設計時において算出された各リアクタンスを含んで構成される。
また、データベース53は、実際の動作のとき、位置情報d0がd0=1mからd0=dxに位置ずれを起こしているとき、d0=dx、コイルの巻数n=nxに対応する情報であって、目標共振周波数f0ofgに対応する電力の伝送効率S21を含むため、位置情報d0=dxおよびコイルの巻数(コイルの巻数n=nx)の情報と、と当該情報に基づいて予め設計時において算出された各リアクタンスを含んで構成される。
2、2a 受電装置
5 制御装置
10、90 無線電力伝送システム
31、32、41、42 共振回路
303、304、306、401、403、405 可変リアクタンス回路
17、23、51 制御部
52 位置情報取得部
53 データベース
305、307、402、404 コイル
3053、3073、4023、4043 スイッチ
301 交流電圧源
302、406 抵抗
Claims (4)
- コイルと、可変リアクタンス回路と、前記コイルの巻数を選択するスイッチとからなる送電側共振回路を複数有するとともに前記各送電側共振回路に電力を供給する交流電源を有する送電装置と、
コイルと、可変リアクタンス回路と、前記コイルの巻数を選択するスイッチとからなる受電側共振回路を1または複数有するとともに前記各受電側共振回路の負荷回路を有する受電装置と
を備え、
前記複数の送電側共振回路と前記1または複数の受電側共振回路とを共鳴結合することで前記交流電源から前記負荷回路へ電力を無線伝送するシステムであって、
さらに、
前記受電装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記送電装置と前記受電装置とを前記位置情報取得部が取得した位置情報に基づく位置関係に配置した場合に前記電力の伝送効率が最大となるように、前記各可変リアクタンス回路の各リアクタンスおよび前記コイルの巻数を、データベースから読み出すことにより決定する制御部と
を備え、
前記データベースには、前記位置情報と前記位置情報が示す前記受電装置の位置において前記電力の伝送効率が高効率となる前記各可変リアクタンス回路の各リアクタンスと前記コイルの巻数があらかじめ記憶されている
無線電力伝送システム。 - コイルと、可変リアクタンス回路と、前記コイルの巻数を選択するスイッチとからなる送電側共振回路を複数有するとともに前記各送電側共振回路に電力を供給する交流電源を有する送電装置と、
コイルと、可変リアクタンス回路と、前記コイルの巻数を選択するスイッチとからなる受電側共振回路を1または複数有するとともに前記各受電側共振回路の負荷回路を有する受電装置と、
前記受電装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報と前記位置情報が示す前記受電装置の位置において前記電力の伝送効率が高効率となる前記各可変リアクタンス回路の各リアクタンスと前記コイルの巻数があらかじめ記憶されているデータベースと、
前記データベースを参照して、前記位置情報取得部が取得した前記位置情報に基づき前記各リアクタンスを制御する制御部と
を備え、
前記複数の送電側共振回路と前記1または複数の受電側共振回路とを共鳴結合することで前記交流電源から前記負荷回路へ電力を無線伝送するシステムであって、
前記送電装置と前記受電装置とを前記位置情報に対応する位置関係に配置した場合に前記電力の伝送効率が最大となるように、前記各可変リアクタンス回路の各リアクタンスおよび前記コイルの巻数が、前記データベースから読み出されることにより決定される
無線電力伝送システム。 - 前記コイルの給電部は、一端が前記可変リアクタンス回路に接続され、他端が接地されており、
前記スイッチは、前記コイルを構成する複数の巻線各々に設けられ、前記給電部に近い側の前記スイッチが順番にオンすることにより前記コイルの巻数を選択する、
請求項1または請求項2に記載の無線電力伝送システム。 - コイルと、可変リアクタンス回路と、前記コイルの巻数を選択するスイッチとからなる送電側共振回路を複数有するとともに前記各送電側共振回路に電力を供給する交流電源を有する送電装置と、
コイルと、可変リアクタンス回路と、前記コイルの巻数を選択するスイッチとからなる受電側共振回路を1または複数有するとともに前記各受電側共振回路の負荷回路を有する受電装置と、
位置情報取得部と、
制御部と
を用いて、前記複数の送電側共振回路と前記1または複数の受電側共振回路とを共鳴結合することで前記交流電源から前記負荷回路へ電力を無線伝送する方法であって、
前記位置情報取得部によって、前記受電装置の位置情報を取得し、
前記制御部によって、前記送電装置と前記受電装置とを前記位置情報取得部が取得した位置情報に基づく位置関係に配置した場合に前記電力の伝送効率が最大となるように、前記各可変リアクタンス回路の各リアクタンスおよび前記コイルの巻数を、データベースから読み出すことにより決定し、
前記データベースには、前記位置情報と前記位置情報が示す前記受電装置の位置において前記電力の伝送効率が高効率となる前記各可変リアクタンス回路の各リアクタンスと前記コイルの巻数があらかじめ記憶されている
無線電力伝送方法。
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