以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る端末60、制御装置としてのECU20、及び制御システム70について説明する。制御システム70は、ECU20が搭載される特装車であるミキサ車1に適用され、ミキサ車1の架装物であるミキサドラム2の駆動を制御する。
ミキサ車1は、架装物であるミキサドラム2内に投入されたモルタルやレディミクストコンクリート等のいわゆる生コンクリート(以下、「生コン」と称する。)を運搬する車両である。以下の説明では、ミキサ車1が積載物として生コンを積載する場合について説明する。
図1A,Bに示すように、ミキサ車1は、運転室11と架台3とを備える車両である。ミキサ車1は、パーキングブレーキ12と、車両上に回転自在に搭載されたミキサドラム2と、パーキングブレーキ12の作動及び非作動を示すパーキング信号を出力するパーキングブレーキセンサ22と、車両の車速を検出する車速検出手段としての車速センサ21と、ミキサドラム2の駆動を制御するECU20と、を備える。
ミキサドラム2は、架台3に回転可能に搭載される有底円筒形の容器であり、その後端には生コンの投入と排出とが行われる開口部2aが設けられる。ミキサドラム2は、その回転軸Oが車両の前部から後部に向かって徐々に高くなるように傾斜して搭載される。ミキサドラム2内には、図示しないドラムブレードがドラム内壁面に沿って螺旋状に配設されており、ミキサドラム2とともにドラムブレードが回転することによって、ミキサドラム2内に積載された生コンの攪拌等が行われる。
ミキサドラム2の開口部2aの後方上部には、ホッパ16が設けられる。生コン工場においてミキサ車1に投入される生コンは、ホッパ16によって開口部2aへと導かれる。ミキサドラム2の開口部2aの後方下部には、フローガイド17及びシュート18が設けられる。開口部2aから排出される生コンは、フローガイド17によってシュート18に導かれ、シュート18によって所定の方向に排出される。
ミキサドラム2は、ミキサ車1に搭載された走行用のエンジン10を駆動源として、駆動装置4を介して回転駆動される。駆動装置4は、エンジン10の回転によって駆動され、作動流体の流体圧によってミキサドラム2を回転駆動する流体圧装置である。
図2に示すように、エンジン10は、エンジン10の出力及び回転数を調整するためのスロットル弁10aを有する。スロットル弁10aの開度は、エンジン10によって駆動装置4を駆動させる際に図示しないアクチュエータを介してECU20により制御される。また、エンジン10には、エンジン10の回転速度を検出し、検出された回転速度に応じた信号をECU20へ出力する回転センサ10bが設けられる。
駆動装置4を駆動する際のエンジン10の回転数は、回転センサ10bによって検出された回転速度が所定の大きさとなるように、スロットル弁10aを介してECU20により制御される。なお、回転センサ10bは、駆動装置4の入力軸である後述のPTO軸9やドライブシャフト8の回転速度を検出するものであってもよいし、後述の油圧ポンプ5の回転速度を検出するものであってもよい。
エンジン10の回転は、エンジン10から常時動力を取り出すPTO軸9(PTO:Power take-off)と、PTO軸9と駆動装置4とを連結するドライブシャフト8と、を介して駆動装置4に伝達される。
駆動装置4は、エンジン10によって駆動され作動流体としての作動油を吐出する油圧ポンプ5と、油圧ポンプ5から供給される作動油によって作動しミキサドラム2を回転駆動する油圧モータ6と、油圧ポンプ5から油圧モータ6に供給される作動油の流れを制御する電磁比例弁31と、を有する。なお、駆動装置4では、作動流体として作動油ではなく、他の非圧縮性流体が用いられてもよい。
油圧ポンプ5は、PTO軸9を介してエンジン10から常時取り出される動力によって回転駆動される。なお、油圧ポンプ5を回転駆動させる駆動源としては、走行用のエンジン10に限定されず、走行に用いられない補機用のエンジンや電動モータであってもよい。
油圧ポンプ5は、容量が可変な斜板型アキシャルピストンポンプである。油圧ポンプ5から吐出された作動油は油圧モータ6に供給され、油圧モータ6が回転する。油圧モータ6の回転は、減速機7を介してミキサドラム2に伝達される。油圧ポンプ5は、ポンプ吐出圧が導かれるアクチュエータ(図示省略)の作動により、アクチュエータに導かれるポンプ吐出圧が上昇するほど、斜板を付勢する傾転スプリングに抗してポンプ吐出量が小さくなるように制御される。アクチュエータに導かれるポンプ吐出圧は、ロードセンシング弁(図示省略)によって調整される。ロードセンシング弁は、油圧ポンプ5の吐出圧と油圧モータ6に供給される圧力(負荷圧)との差圧が所定値となるようにアクチュエータに導かれるポンプ吐出圧を調整する。
油圧ポンプ5によってミキサドラム2が正転運転されるときには、ミキサドラム2内の生コンクリートが攪拌される。一方、油圧ポンプ5によってミキサドラム2が逆転運転されるときには、ミキサドラム2内の生コンクリートが後端の開口部からフローガイド17及びシュート18を介して外部へと排出される。
油圧モータ6は、容量が可変な斜板型アキシャルピストンモータである。油圧モータ6は、油圧ポンプ5から吐出された作動油の供給を受けて回転駆動される。油圧モータ6は、ECU20からの二速切換信号を受信して斜板(図示省略)の傾転角を調整する電磁弁(図示省略)を備える。油圧モータ6の容量は、電磁弁が切り換えられることによって、高速回転用の小容量(2速)と通常回転用の大容量(1速)との二段階に切り換えられる。油圧モータ6は、容量が無段階で切り換えられるものであってもよい。
油圧モータ6には、回転数検知器としての回転センサ6aが設けられる。回転センサ6aは、その出力軸(図示省略)の回転方向と出力軸の回転数を検知し、ECU20に回転方向信号と回転数信号とを出力する。
油圧ポンプ5と油圧モータ6の間には、閉回路Lが設けられ、この閉回路Lを作動油が循環するようになっている。この閉回路L中に電磁比例弁31が設けられる。電磁比例弁31は、油圧ポンプ5が吐出した作動油をミキサドラム2を正回転させるように油圧モータ6に導く正転位置31Aと、油圧ポンプ5が吐出した作動油をミキサドラム2を逆回転させるように油圧モータ6に導く逆転位置31Bと、油圧ポンプ5から油圧モータ6への間の作動油の流れを遮断する中立位置31Cと、を備える。
電磁比例弁31は、一対のソレノイド32a,32b及び一対のリターンスプリング33a,33bを有する。一対のソレノイド32a,32bは、ECU20から出力される制御信号によって作動する。制御信号とは、具体的には、電流値である。この電流値を調整することで、電磁比例弁31は、正転位置31A、中立位置31C、及び逆転位置31Bによりそのポジションが無段階に切り換えられる。
電磁比例弁31は、一方のソレノイド32aへ通電されることで、その通電量に応じた開度で正転位置31Aに切り換えられる。これにより、油圧モータ6には、電磁比例弁31の開度に応じた流量の作動油が、ミキサドラム2を正転方向に回転させるように供給される。
反対に、電磁比例弁31は、他方のソレノイド32bへ通電されることで、その通電量に応じた開度で逆転位置31Bに切り換えられる。これにより、油圧モータ6には、電磁比例弁31の開度に応じた流量の作動油が、ミキサドラム2を逆転方向に回転させるように供給される。なお、電磁比例弁31は、ソレノイド32a,32bへの通電量が大きいほど、開度が大きくなり多くの流量が油圧モータ6に導かれる。
電磁比例弁31は、一対のソレノイド32a,32bへの通電が遮断されると、一対のリターンスプリング33a,33bの付勢力によって中立位置31Cに切り換えられる。中立位置31Cでは、油圧モータ6への作動油の供給が遮断されるため、油圧モータ6は回転駆動されない。
上記構成の駆動装置4において、油圧ポンプ5から吐出された作動油が油圧モータ6に供給されることによって油圧モータ6が回転し、供給される作動油の流れ、油量や油圧モータ6の斜板の傾転角に応じて、油圧モータ6の回転速度が変更される。
駆動装置4の出力軸、すなわち油圧モータ6の出力軸は、減速機7を介してミキサドラム2の回転軸Oに連結される。このため、油圧モータ6の回転速度を増減することによって、ミキサドラム2の回転速度を増減させることが可能であり、油圧モータ6の回転方向を切り換えることによって、ミキサドラム2の回転方向を正回転方向である投入方向と逆回転方向である排出方向とに切り換えることが可能である。
このように、ミキサドラム2の回転数及び回転方向は、油圧モータ6の回転数及び回転方向に相関することから、油圧モータ6の回転センサ6aの検出値からミキサドラム2の回転数及び回転方向を把握することが可能である。なお、回転センサ6aは、油圧モータ6に代えて、ミキサドラム2の回転数及び回転方向を検出するものであってもよい。
ミキサドラム2が投入方向に回転駆動されると、ミキサドラム2内の生コンはドラムブレードにより攪拌されながら前方へと移動する。一方、ミキサドラム2が排出方向に回転駆動されると、ミキサドラム2内の生コンはドラムブレードにより攪拌されながら後方へと移動する。
このようにミキサドラム2を投入方向とは反対の方向である排出方向に回転させることで、ミキサドラム2の開口部2aから生コンを排出することができる。ミキサドラム2から排出された生コンは、フローガイド17及びシュート18を介して所定位置に誘導される。
なお、ホッパ16を介して、ミキサドラム2内へ生コンを投入する場合には、攪拌時よりもミキサドラム2を高速で投入方向に回転させることで、投入された生コンを速やかにミキサドラム2の前方へと移動させる。
本実施形態では、ミキサ車1のECU20と、作業者によって操作される端末60と、によって、ミキサ車1のミキサドラム2を制御する制御システム70が構成される。制御システム70では、端末60を通じて入力される作業者の操作入力が、無線通信によって操作信号としてECU20に送信される。ECU20は、端末60から受信した操作信号に応じてミキサドラム2の作動を制御する。また、制御システム70では、操作対象であるミキサ車1以外のミキサ車1が意図せずに駆動されないように、ECU20は、当該ECU20と関連付けられた端末60からの操作信号を受信した場合のみ、当該操作信号に基づいてミキサドラム2の駆動を制御する。ECU20と端末60との関連付けは、端末60から送信される探知信号を受信したECU20から応答信号とECU20を識別する識別信号が送信され、当該応答信号及び識別信号を端末60が受信することで行われる。以下、制御システム70について詳細に説明する。
ECU20は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、及びI/Oインターフェース(入出力インターフェース)等を備えたマイクロコンピュータで構成される。RAMはCPUの処理におけるデータを記憶し、ROMはCPUの制御プログラム等を予め記憶し、I/Oインターフェースは接続された機器との情報の入出力に使用される。CPUやRAM等をROMに格納されたプログラムに従って動作させることによって、駆動装置4の作動が制御される。
ECU20には、上記のように、油圧モータ6の回転センサ6aと、エンジン10の回転センサ10bと、が接続される。また、ECU20には、パーキングブレーキセンサ22と、車速センサ21と、が接続され、これらのセンサ類で検出された検出値が入力される。さらに、ECU20には、上記のように、電磁比例弁31と、エンジン10のスロットル弁10aと、が接続され、これらを作動させる指令値がECU20から出力される。
ECU20は、端末60と無線通信を行いミキサ車1のミキサドラム2の駆動を制御する。ECU20は、端末60から送信されるミキサ車1を探知する探知信号等の信号を受信する車両側受信部20aと、端末60に信号を送信する車両側送信部20bと、情報を記憶可能な車両側記憶部20cと、車両側受信部20aが探知信号を受信すると車両側送信部20bから端末60に応答信号及び車両識別情報を送信させる車両側処理部20dと、を備える。言い換えれば、車両側送信部20bは、探知信号を受信すると端末60に応答信号を送信する。
端末60は、ミキサ車1のミキサドラム2の駆動を制御するECU20と無線通信を行いミキサドラム2の駆動を制御させることが可能である。端末60は、CPU等の演算処理装置、記憶装置、表示装置、入力装置、及び通信装置等を備える携帯端末であり、記憶装置に予め記憶されたプログラムをCPUが実行することにより、本明細書に記載の各処理を実行する。端末60は、例えば作業者の操作する無線コントローラや、スマートフォン等の無線機器である。
端末60は、端末60の周囲のミキサ車1を探知する探知信号を送信する端末側送信部60aと、ECU20が探知信号を受信すると送信する応答信号を受信し、及び、探知信号の受信に応じてECU20から送信されECU20を識別可能な車両識別情報を含む車両識別信号を受信する端末側受信部60bと、情報を記憶する端末側記憶部60cと、情報の処理を行う端末側処理部60dと、各種情報を表示する表示部61と、作業者による操作入力を受け付ける入力部62と、を備える。端末側処理部60dは、後述のように、車両識別信号に含まれる車両識別情報を端末側記憶部60cに記憶させることで端末60とECU20とを関連付ける。
端末60は、端末側送信部60aから探知信号を送信して端末60の周囲にある操作対象のミキサ車1を探知する。ECU20の車両側受信部20aが探知信号を受信すると、車両側処理部20dは、車両側送信部20bを通じて応答信号を端末60に返送すると共に、ECU20を識別する車両識別情報を車両側記憶部20cから呼び出し、車両識別信号として車両側送信部20bを通じて端末60に返送する。端末60の端末側処理部60dは、端末側受信部60bが応答信号と車両識別信号とを受信すると、ECU20の車両識別情報を端末側記憶部60cに記憶する。このようにして関連付けられたECU20に向けて端末60から操作信号を送信することで、操作対象のミキサ車1のミキサドラム2の駆動が制御される。
以下では、図3,4を参照して、制御システム70における端末60とECU20との関連付け方法について説明する。図3は、端末60とECU20との関連付けの処理手順を示すフローチャートである。図4は、図3におけるステップS105の処理手順を示すフローチャートである。図3,4に示す処理手順は、端末60の端末側処理部60dによって実行されるものである。
端末60とECU20との関連付けは、操作したい対象であるミキサ車1の周囲で作業者によって端末60の特定の操作(探知操作)がされることで実行される。端末60は、作業者により、例えば探知ボタン(図示無し)が押される等の探知操作が入力部62にされると、図3に示す処理を実行する。
ステップS101では、端末60から端末60の周囲(具体的には、端末60から送信される無線通信の電波が届く範囲)のミキサ車1を探知する探知信号が送信され、ステップS102へと進む。
ステップS102では、周囲にミキサ車1がいるかどうかの判定をする。具体的には、まず、ステップS101において端末60から送信される探知信号を受信することで、ミキサ車1のECU20から端末60に応答信号と車両識別信号が送信される。車両識別信号には、ECU20を識別可能な車両識別情報が含まれる。車両識別情報は、例えばECU20のシリアルナンバーや、ECU20を特定できるランダムな文字列である。探知信号から所定の応答時間が経過するまでの間にECU20からの応答信号を受信すると、周囲にミキサ車1がいると判定しステップS103へと進む。また、所定の応答時間内に応答信号を受信しないと、周囲にミキサ車1がいないと判定しステップS104へと進み、関連付け取消として処理を終了する。なお、ステップS104において、関連付けを取消したというエラー情報を、端末60の表示部61に表示する等で作業者に報知してもよい。
ステップS103では、周囲にミキサ車1が複数台いるかどうかの判定をする。具体的には、複数の応答信号を受信すると、周囲にミキサ車1が複数台いると判定しステップS105へと進む。また、一つのみ応答信号を受信すると、周囲にミキサ車1が一台のみである、言い換えれば、周囲には端末60と関連付けをしたいミキサ車1しかいないと判定する。そしてステップS106へと進み、車両識別信号に含まれる車両識別情報が端末60に記憶されることで端末60とECU20とが関連付けられ、処理を終了する。なお、車両識別信号は、応答信号と同時に送信されなくてもよく、ステップS106へと進んだタイミング等、ステップS101からステップS106までの間の任意のタイミングでECU20から送信されればよい。
ステップS105では、複数台のミキサ車1のそれぞれの状態からECU20と関連付けが可能な候補ミキサ車(候補特装車)を識別する。具体的には、複数のECU20から送信されるそれぞれのミキサ車1の状態を示す信号から、ECU20と関連付けが可能な候補ミキサ車のリストを作成する。
一般に、端末60によってミキサ車1のミキサドラム2の駆動を制御させる際には、ミキサ車1は後述するミキサドラム2の自動混錬及び自動洗浄がされていない状態であって、作業者がミキサ車1の周囲にいる場合が多い。よって、本実施形態では、作業者の周囲にあって作業が停止中である関連付けが可能なミキサ車1を識別するために、ミキサ車1の状態を示す信号として、ミキサ車1が停車中かどうかを示すパーキングブレーキセンサ22からの信号、端末60とミキサ車1との距離が所定値以下であるかを示す電波強度の信号、ミキサ車1のミキサドラム2の自動混錬及び自動洗浄がされているかを示す信号、及びECU20が端末60とは異なる他の端末と関連付けされているかを示す信号が端末60に送信される。なお、それぞれのミキサ車1の状態を示す信号は、応答信号と同時に送信される、ステップS105へと進んだタイミングで送信される等、ステップS101からステップS105までの間の任意のタイミングでECU20から送信されればよい。
図4を参照して、図3のステップS105で示す候補ミキサ車リスト作成の処理について説明する。図4に示すように、ステップS105では、S105aからS105dの四つのステップからそれぞれのミキサ車1を候補ミキサ車のリストに登録するかどうかの判定をする。
まず、ステップS105aでは、それぞれのミキサ車1が停車中かどうかの判定をする。具体的には、ミキサ車1のパーキングブレーキセンサ22によりパーキングブレーキ12の作動が検出された状態であるかどうかの判定をする。これにより、生コンの投入や排出の待機のため停車中であるミキサ車1が識別される。ミキサ車1が停車中と判定するとステップS105bへと進む。また、ミキサ車1が停車中でないと判定するとステップS105fへと進み、当該ミキサ車を候補ミキサ車のリストに登録しない。
ステップS105bでは、電波強度が所定の基準を満たしているか、言い換えれば、端末60とミキサ車1との距離が所定値以下であるかの判定をする。一般に、作業者は、操作対象のミキサ車1の近くでミキサドラム2の作動を確認しながら作業を行う。よって、作業者の周囲のミキサ車1を候補ミキサ車になり得ると識別することで、作業者による作業態様に合わせて、候補ミキサ車のリストを作成することができる。電波強度が所定の基準を満たしていると判定するとステップS105cへと進む。また、電波強度が所定の基準を満たしていないと判定するとステップS105fへと進み、当該ミキサ車を候補ミキサ車のリストに登録しない。
ステップS105cでは、ミキサ車1のミキサドラム2の自動混錬及び自動洗浄がされているかの判定をする。ここで、「ミキサドラム2の自動混錬」とは、ミキサドラム2内の生コンの状態を排出前に均一化させるものであり、作業者の操作によりECU20によるミキサドラム2の制御が開始され、ミキサドラム2が投入方向に自動で回転駆動される。この際のミキサドラム2の回転速度は、後述するミキサドラム2の自動撹拌における回転速度よりも速い。また、「ミキサドラム2の自動洗浄」とは、ミキサドラム2内を洗浄水により自動で洗浄させるものであり、作業者の操作によりECU20によるミキサドラム2の制御が開始され、ミキサドラム2が自動で回転駆動される。ミキサドラム2の自動混錬及び自動洗浄がされていないと判定するとステップS105dへと進む。また、ミキサドラム2の自動混錬及び自動洗浄がされていると判定するとステップS105fへと進み、当該ミキサ車を候補ミキサ車のリストに登録しない。
なお、ステップS105cでは、ミキサドラム2の自動混錬及び自動洗浄がされているかの判定の代わりに、ミキサ車1のミキサドラム2の自動撹拌がされているかの判定をしてもよい。これは、生コンを運搬中のミキサ車1は、ミキサドラム2の自動撹拌がされていることが多いためである。ここで、「ミキサドラム2の自動撹拌」とは、ミキサドラム2内の生コンの固化を防止するためのものであり、ミキサ車1が走行中であると判断されるとECU20によるミキサドラム2の制御が自動で開始され、ミキサドラム2が投入方向に自動で回転駆動される。言い換えると、「ミキサドラム2の自動撹拌」とは、ECU20によりミキサ車1の走行状態に応じてミキサドラム2が自動で制御される自動制御のことである。この場合は、ミキサドラム2の自動撹拌がされていると判定するとステップS105dへと進む。また、ミキサドラム2の自動撹拌がされていないと判定するとステップS105fへと進み、当該ミキサ車を候補ミキサ車のリストに登録しない。
ステップS105dでは、ECU20が端末60とは異なる他の端末と関連付けられて制御されているかの判定をする。これにより、他の端末と関連付けられて、生コンの排出等、他の端末によって制御されているミキサ車1を候補ミキサ車のリストに追加することが防止され、他の端末と関連付けされていないECU20をもつミキサ車1だけを候補ミキサ車のリストに追加することができる。他の端末と関連付けされていないと判定するとステップS105eへと進み、当該ミキサ車1を候補ミキサ車のリストに登録する。また、他の端末と関連付けされていると判定するとステップS105fへと進み、当該ミキサ車を候補ミキサ車のリストに登録しない。
以上のようにして、ステップS105において候補ミキサ車のリストを作成すると、図3に示すようにステップS107へと進む。なお、候補ミキサ車のリストの作成方法は上記に限らず、停車中であるもの(ステップS105a)、端末60から所定の距離以内に存在するもの(ステップS105b)、ECU20によりミキサ車1の走行状態に応じてミキサドラム2が自動で制御される自動制御(自動撹拌)がされているもの(ステップS105c)、及び端末60とは異なる他の端末と関連付けされていないもの(ステップS105d)、の少なくとも一つの条件に該当する状態であるものを候補ミキサ車と識別してもよい。また、ミキサドラム2へ洗浄水を送り出す水ポンプが駆動している場合に、当該ミキサ車を候補ミキサ車として識別しないようにしてもよい。また、ステップS105aにおいてそれぞれのミキサ車1が停車中かどうかの判定は、車速センサ21により車速が0と検出された状態であるかどうかにより判定してもよい。また、ステップS105において利用するミキサ車1の状態を示す信号は、上記のものに限らない。
図3に示すように、ステップS107では、候補ミキサ車が複数台存在するか、言い換えれば、候補ミキサ車のリストに複数台存在するかどうかの判定をする。候補ミキサ車のリストに複数台存在すると判定するとステップS108へと進む。また、候補ミキサ車のリストに複数台存在しない、言い換えれば、候補ミキサ車のリストには端末60と関連付けをしたいミキサ車1しかいないと判定するとステップS109へと進む。ステップS109では、ステップS106と同様に、端末側記憶部60cに当該ミキサ車1のECU20の車両識別情報を記憶して処理を終了する。
ステップS108とステップS110では、複数の候補ミキサ車を同じ作動状態になるように制御したのち、複数の候補ミキサ車のうち一つを選び出して他の候補ミキサ車とは異なる作動状態になるように制御し、端末60と関連付けをしたいミキサ車1を絞り込む作業を行う。
具体的には、ステップS108では、候補ミキサ車のリストの全てのミキサ車1のECU20を制御し、ミキサドラム2を投入方向に同一速度で回転させ、ステップS110へと進む。これにより、候補ミキサ車のリストの全てのミキサ車1が同じ作動状態となる。
ステップS110では、候補ミキサ車のうち一つを選び出す(以下、選び出される候補ミキサ車を「指定車両」とも称する)。例えば、車両識別情報が最も若いものや、電波強度が最も強いもの(言い換えれば、端末60との距離が最も近いミキサ車1)を指定車両として選び出す。そして、当該指定車両のECU20を制御しミキサドラム2を他の候補ミキサ車のミキサドラム2よりも高速で回転させ、指定車両を候補ミキサ車の中から視覚的に判別できるようにし、ステップS111へと進む。これにより、ステップS110において選び出されたミキサ車1(指定車両)は、他の候補ミキサ車とは異なる作動状態となる。
ステップS111では、端末60は、入力部62を通じて作業者による操作入力を受け付ける状態となる。ステップS111では、端末60と指定車両とを関連付ける関連付け許可操作がされたかどうかを判定する。具体的には、作業者は、指定車両が、端末60と関連付けをしたいミキサ車1であるかを確認する。本実施形態においては、他の候補ミキサ車よりも高速でミキサドラム2が回転する指定車両が関連付けをしたいミキサ車1であるかを作業者が目視で確認する。そして、作業者は、指定車両が端末60と関連付けをしたいミキサ車1であると確認すると、例えば端末60の決定ボタン(図示無し)を押す等の関連付け許可操作を行う。これにより、端末60は、関連付け許可操作がされたと判定する。そして、ステップS112へと進み、ステップS106及びステップS109と同様に、端末側記憶部60cに選び出されたミキサ車1のECU20の車両識別情報を記憶して処理を終了する。
また、ステップS111において、関連付け許可操作がされないと判定すると、ステップS114へと進む。ステップS114では、端末60と指定車両とを関連付けないキャンセル操作がされたかどうかを判定する。具体的には、作業者は、指定車両が、端末60と関連付けをしたいミキサ車1でないと確認すると、例えば端末60の非常停止ボタン(図示無し)やキャンセルボタン(図示無し)を押す等の関連付けキャンセル操作を行う。これにより、端末60は、キャンセル操作がされたと判定し、ステップS115へと進む。また、キャンセル操作がされない、言い換えると、関連付け許可操作もキャンセル操作もされないと判定されると、ステップS116へと進む。そして、関連付け取消として処理を終了する。なお、ステップS111及びステップS114において、所定時間以内に関連付け許可操作もキャンセル操作もされないと判定すると、ステップS116へと進むようにしてもよい。また、ステップS116において、ステップS104と同様に、関連付けを取消したというエラー情報を、端末60の表示部61に表示する等で作業者に報知してもよい。
ステップS115では、ステップS108からステップS115の一連の処理で以前に選び出されたミキサ車1以外のミキサ車1を、候補ミキサ車の中から新たに指定車両として選び出す。例えば、車両識別情報が二番目に若いものや、電波強度が二番目に強いものを選び出す。つまり、ステップS115では、指定車両が更新される。そして、再度ステップS108へと戻る。そして、ステップS111において関連付け許可操作がされたと判定してステップS113へと進み指定車両のECU20の車両識別情報を記憶する、または、ステップS114において所定時間以内にキャンセル操作がされないと判定してステップS116において関連付けを取消するまで、処理を継続する。なお、ステップS108からステップS115の処理が所定時間繰り返し実行される場合には、繰り返しの処理を抜け出して、処理を終了するようにしてもよい。また、ステップS115において、指定車両として新たに選び出すミキサ車1がない、つまり、候補ミキサ車の全てを指定車両として選びだし、それぞれについてキャンセル操作がされた場合には、関連付け取消として処理を終了してもよい。この際、ステップS104やステップS116と同様に、関連付けを取消したというエラー情報を、端末60の表示部61に表示する等で作業者に報知してもよい。
このようにして、端末60とECU20との関連付けが行われる。ステップS108とステップS110においては、ミキサドラム2の回転速度を利用することで、従来のミキサ車1から部品を追加することなく、端末60と関連付けようとするECU20が搭載されるミキサ車1を判別しやすくすることができる。なお、ステップS108とステップS110においては、上記の処理に限らず、複数の候補ミキサ車を同じ作動状態になるように制御し、複数の候補ミキサ車のうち一つを選び出して所定の作動状態になるように制御すればよい。これにより、作業者は目視で候補ミキサ車を判断することができ、所望のミキサ車1が候補ミキサ車として識別されていない場合でも作業者がすぐに気づき、端末60とECU20との関連付けをやり直すことができるため、作業効率を上げることができる。また、ステップS108とステップS110を、一つのステップで行ってもよい。具体的には、指定車両をある作動状態となるように制御し、指定車両以外の候補ミキサ車を指定車両とは異なる同一の作動状態になるように制御してもよい。
また、上記のように、端末60は、ステップS103において、端末側受信部60bが複数のミキサ車1のECU20から応答信号を受信した場合、端末側処理部60dは、複数のミキサ車1のうち、停車中であるもの、端末60から所定の距離以内に存在するもの、ECU20によりミキサ車1の走行状態に応じてミキサドラム2が自動で制御される自動制御(自動撹拌)がされているもの、及び端末60とは異なる他の端末と関連付けされていないもの、の少なくとも一つの条件に該当する状態であるものを候補ミキサ車と識別する。この構成では、端末60が複数のミキサ車1から応答信号を受信すると、ミキサ車1のそれぞれの状態から、操作対象のミキサ車1を含む候補ミキサ車を識別する。言い換えれば、例えば走行中のミキサ車1等の操作対象である可能性の低いミキサ車1を関連付けから排除し、端末60が操作対象以外のミキサ車1のECU20と関連付けされることが防止される。これにより、端末60と操作対象のミキサ車1のECU20との関連付けを確実に行うことができる。
さらに、上記のように、端末側処理部60dは、ECU20との関連付けが可能な候補ミキサ車を識別し、候補ミキサ車が複数存在する場合は、複数の候補ミキサ車を同じ作動状態になるように制御し、複数の候補ミキサ車のうち一つを選び出して所定の作動状態になるように制御し、所定の作動状態に制御された候補ミキサ車のECU20と関連付けるか否かの作業者による操作入力を受け付ける。これにより、作業者は、端末60が関連付けしようとしているミキサ車1を容易に判別することができる。よって、端末60とECU20との関連付けをより確実に行うことができる。
なお、ステップS108を省略し、ステップS107において候補ミキサ車のリストに複数台存在すると判定すると、ステップS110へと進んでもよい。言い換えれば、端末側処理部60dは、ECU20との関連付けが可能な候補ミキサ車を識別し、候補ミキサ車が複数存在する場合は、複数の候補ミキサ車のうち一つを選び出して所定の作動状態になるように制御し、所定の作動状態に制御された候補ミキサ車のECU20と関連付けるか否かの作業者による操作入力を受け付ける構成であってもよい。この構成であっても、作業者は、端末60が関連付けしようとしているミキサ車1を容易に判別することができ、端末60とECU20との関連付けをより確実に行うことができる。
また、端末60とミキサ車1のECU20との関連付けを行っている際に、関連付けを行っていることがわかるように、端末60またはミキサ車1が音や光などで作業者に報知するようにしてもよい。
次に、図5を参照して、端末60により、関連付けられた操作対象のミキサ車1のECU20にミキサドラム2の駆動を制御させる制御方法について説明する。図5は、制御システム70において端末60により操作対象のミキサ車1のECU20にミキサドラム2の駆動を制御させる制御方法を示すフローチャートである。
ステップS121では、端末60の入力部62を通じて作業者によってミキサドラム2の駆動を制御させる操作がされることにより、端末60が操作対象のミキサ車1のECU20に向けて周囲に操作信号を送付する。操作信号には、ミキサドラム2の駆動を制御する制御指令値と、操作対象のミキサ車1のECU20の車両識別情報と、が含まれる。制御指令値は、ミキサドラム2の回転数や電磁比例弁31の一対のソレノイド32a,32bの電流値等を指定したものである。ECU20が端末60から操作信号を受信すると、ステップS122へと進む。
ステップS122では、操作信号を受信したECU20が、操作信号に含まれる車両識別情報が自身の車両識別情報と一致するかどうかの判定をする。ECU20は、操作信号の車両識別情報が自身と一致する、つまり、操作信号が自身に向けたものであると判定すると、ステップS123へと進み、操作信号の制御指令値に基づいてミキサドラム2の駆動を制御する。また、ECU20は、操作信号の車両識別情報が自身と一致しないと判定すると、ステップS124へと進み、ミキサドラム2の駆動の制御を変更せずに処理を終了する。
ステップS123において、ECU20がミキサドラム2の駆動を制御すると、ステップS125へと進む。ステップS125では、ECU20が、操作信号が送信された端末60に向けて周囲に応答メッセージを送信する。応答メッセージには、操作信号の制御指令値に基づいて制御した状態でのミキサドラム2の回転数と、自身の車両識別情報と、が含まれる。端末60がECU20から応答メッセージを受信すると、ステップS126へと進む。
ステップS126では、応答メッセージを受信した端末60が、応答メッセージに含まれる車両識別情報と記憶している操作対象のECU20の車両識別情報とが一致するかどうかの判定をする。応答メッセージの車両識別情報と操作対象のものとが一致すると判定すると、ステップS127へと進む。ステップS127では、端末60が、応答メッセージに含まれるミキサドラム2の回転数を記憶し、端末60の表示部61に現在のミキサドラム2の回転数として表示し、処理を終了する。また、ステップS126において、応答メッセージの車両識別情報が操作対象のものと一致しない、つまり、受信した応答メッセージは他の端末が操作している他のECU20から送信されたものであると判定すると、ステップS128へと進む。そして、端末60は、応答操作信号に含まれるミキサドラム2の回転数を記憶せずに処理を終了する。なお、ステップS126からステップS128において、端末60が操作対象のミキサ車1のECU20から所定時間以内に応答メッセージを受信しない場合、作業者に異常を報知するようにしてもよい。また、端末60が送信した操作信号に含まれる制御指令値と、端末60が受信した応答メッセージに含まれるミキサドラム2の回転数と、に差異がある場合、端末60の表示部61に表示する等で作業者に異常を報知するようにしてもよい。
このように、車両識別情報を利用して、端末60と操作対象のミキサ車1のECU20との通信が行われることで、特定のミキサ車1のミキサドラム2の駆動が制御される。なお、ステップS125からステップS128を設けずに、操作対象のECU20が応答メッセージを送信しない構成であってもよい。
また、電波強度が所定の基準以下になる、言い換えれば、端末60と操作対象のミキサ車1との距離が所定値以上になると、当該ミキサ車1が操作対象から解除されるようにしてもよい。この場合、当該ミキサ車1の生コンが固化しないように、ミキサドラム2を投入方向に回転駆動させてもよい。
以上のように、端末60はECU20を識別可能な車両識別情報を記憶し、車両識別情報によりECU20と関連付けられる。これにより、端末60は、ミキサドラム2の駆動を制御する制御指令値と、操作対象のミキサ車1のECU20の車両識別情報と、を含む操作信号を送信することにより、操作対象として関連付けられた特定のECU20を備えるミキサ車1のミキサドラム2だけを制御するように構成することができる。よって、操作対象ではない他のミキサ車1が意図せずに操作されることを防止しつつ、作業者は、端末60を介して、無線通信により操作対象のミキサ車1のミキサドラム2の駆動を制御することができる。
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
端末60が複数のミキサ車1から応答信号を受信すると、ミキサ車1のそれぞれの状態から、操作対象のミキサ車1を含む候補ミキサ車を識別する。言い換えれば、例えば走行中のミキサ車1等の操作対象である可能性の低いミキサ車1を関連付けから排除し、端末60が操作対象以外のミキサ車1のECU20と関連付けされることが防止される。これにより、端末60と操作対象のミキサ車1のECU20との関連付けを確実に行うことができる。
また、端末側処理部60dは、ECU20との関連付けが可能な候補ミキサ車を識別し、候補ミキサ車が複数存在する場合は、複数の候補ミキサ車のうち一つを選び出して所定の作動状態になるように制御し、所定の作動状態に制御された候補ミキサ車のECU20と関連付けるか否かの作業者による操作入力を受け付ける。これにより、作業者は、端末60が関連付けしようとしているミキサ車1を容易に判別することができる。よって、端末60とECU20との関連付けをより確実に行うことができる。
また、端末側処理部60dは、複数の候補ミキサ車を同じ作動状態になるように制御し、複数の候補ミキサ車のうち一つを選び出して所定の作動状態になるように制御することで、作業者は目視で候補ミキサ車を判断することができる。これにより、所望のミキサ車1が候補ミキサ車として識別されていない場合でも作業者がすぐに気づき、端末60とECU20との関連付けをやり直すことができるため、作業効率を上げることができる。
また、端末60とECU20との関連付けにおいては、ミキサドラム2の回転速度を利用することで、従来のミキサ車1から部品を追加することなく、端末60と関連付けようとするECU20が搭載されるミキサ車1を判別しやすくすることができる。
また、端末60は、ステップS126からステップS128において、端末60が操作対象のミキサ車1のECU20から所定時間以内に応答メッセージを受信しない場合や、制御指令値と応答メッセージに含まれるミキサドラム2の回転数とに差異がある場合に、作業者に異常を報知するようにすることで、作業者が端末60またはミキサ車1の異常を認識することができる。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、特装車がミキサ車1である場合を説明した。これに対し、特装車は、ミキサ車1に限定されるものではなく、例えば、パッカー車(塵芥車)、ダンプトラック車、はしご消防車、剪定枝粉砕処理車などであってもよく、制御システム70によって架装物の駆動が制御されるものであればよい。
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
ミキサ車1のミキサドラム2の駆動を制御するECU20と無線通信を行いミキサドラム2の駆動を制御可能な端末60は、端末60の周囲のミキサ車1を探知する探知信号を送信する端末側送信部60aと、ECU20が探知信号を受信すると送信する応答信号を受信し、及び、探知信号の受信に応じてECU20から送信されECU20を識別可能な車両識別情報を含む車両識別信号と、を受信する端末側受信部60bと、情報を記憶する端末側記憶部60cと、車両識別信号に含まれる車両識別情報を端末側記憶部60cに記憶させることで端末60とECU20とを関連付ける端末側処理部60dと、を備え、端末側処理部60dは、ECU20との関連付けが可能な候補ミキサ車を識別し、候補ミキサ車が複数存在する場合は、複数の候補ミキサ車のうち一つを選び出して所定の作動状態になるように制御し、所定の作動状態に制御された候補ミキサ車のECU20と関連付けるか否かの作業者による操作入力を受け付ける。
この構成では、端末60はECU20を識別可能な車両識別情報を記憶し、車両識別情報によりECU20と関連付けられる。これにより、端末60は、操作対象として関連付けられた特定のECU20を備えるミキサ車1のミキサドラム2の駆動だけを制御するように構成することができる。よって、作業者は、端末60を介して、無線通信により操作対象のミキサ車1のミキサドラム2の駆動を制御することができる。また、作業者は、複数のミキサ車1のうち一つだけが所定の作動状態にされるため、端末60が関連付けしようとしているミキサ車1を容易に判別することができる。よって、端末60とECU20との関連付けをより確実に行うことができる。
また、ミキサ車1のミキサドラム2の駆動を制御するECU20と無線通信を行いミキサドラム2の駆動を制御可能な端末60は、端末60の周囲のミキサ車1を探知する探知信号を送信する端末側送信部60aと、ECU20が探知信号を受信すると送信する応答信号を受信し、及び、探知信号の受信に応じてECU20から送信されECU20を識別可能な車両識別情報を含む車両識別信号と、を受信する端末側受信部60bと、情報を記憶する端末側記憶部60cと、車両識別信号に含まれる車両識別情報を端末側記憶部60cに記憶させることで端末60とECU20とを関連付ける端末側処理部60dと、を備え、端末側処理部60dは、ECU20との関連付けが可能な候補ミキサ車を識別し、候補ミキサ車が複数存在する場合は、複数の候補ミキサ車を同じ作動状態になるように制御し、複数の候補ミキサ車のうち一つを選び出して所定の作動状態になるように制御し、所定の作動状態に制御された候補ミキサ車のECU20と関連付けるか否かの作業者による操作入力を受け付ける。
この構成では、端末側処理部60dは、複数の候補ミキサ車を同じ作動状態になるように制御する。これにより、作業者は目視で候補ミキサ車を判断することができる。よって、所望のミキサ車1が候補ミキサ車として識別されていない場合でも作業者がすぐに気づき、端末60とECU20との関連付けをやり直すことができるため、作業効率を上げることができる。
また、端末60は、複数のミキサ車1のECU20から応答信号を受信した場合、端末側処理部60dは、複数のミキサ車1のうち、停車中であるもの、端末60から所定の距離以内に存在するもの、ECU20によりミキサ車1の走行状態に応じてミキサドラム2が自動で制御される自動制御がされているもの、及び端末60とは異なる他の端末と関連付けされていないもの、の少なくとも一つの条件に該当する状態であるものを候補ミキサ車と識別する。
この構成では、端末60が複数のミキサ車1から応答信号を受信すると、ミキサ車1のそれぞれの状態から、操作対象のミキサ車1を含む候補ミキサ車を識別する。言い換えれば、例えば走行中のミキサ車1等の操作対象である可能性の低いミキサ車1を関連付けから排除し、端末60が操作対象以外のミキサ車1のECU20と関連付けされることが防止される。これにより、端末60と操作対象のミキサ車1のECU20との関連付けを確実に行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。