JP7059140B2 - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7059140B2
JP7059140B2 JP2018136047A JP2018136047A JP7059140B2 JP 7059140 B2 JP7059140 B2 JP 7059140B2 JP 2018136047 A JP2018136047 A JP 2018136047A JP 2018136047 A JP2018136047 A JP 2018136047A JP 7059140 B2 JP7059140 B2 JP 7059140B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
output
switching element
bus
chopper circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018136047A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020014346A (ja
Inventor
貴司 文野
裕幸 加悦
直樹 綾井
朋行 水野
恭司 山下
尊行 伴
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Toyota Energy Solutions Inc
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Toyota Energy Solutions Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd, Toyota Energy Solutions Inc filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2018136047A priority Critical patent/JP7059140B2/ja
Publication of JP2020014346A publication Critical patent/JP2020014346A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7059140B2 publication Critical patent/JP7059140B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)

Description

本発明は、電力変換装置に関する。
出力側がDCバスに接続される電力変換装置では、出力側に容量の大きなコンデンサが設けられる。コンデンサが十分に充電されていない状態で、電力変換装置の入力側のスイッチをオンし、電源に接続すると、突入電流が発生する。特許文献1には、かかる突入電流の発生を抑制するために、スイッチに対して直列に電流制限用の抵抗を設けた突入電流低減回路が開示されている。
特開2017-184333号公報
DCバスにパワーコンディショナが接続される場合がある。接続されるパワーコンディショナの数は目的に応じて変わる。パワーコンディショナにはコンデンサが内蔵されるため、DCバスに接続するパワーコンディショナが増設される場合、出力側の充電容量が増加する。特許文献1に開示された突入電流低減回路では、かかる状況においては、電流制限用の抵抗の必要容量が増えるため、電流制限用の抵抗を異なる抵抗値のものへ変更しなければ、当該抵抗が損傷する虞がある。
本開示は、以下の発明を含む。但し、本発明は、特許請求の範囲によって定められるものである。
本発明の一態様に係る電力変換装置は、直流電源に入力側が接続され、第1スイッチング素子を有し、前記第1スイッチング素子がPWM制御されることで前記直流電源の電源電圧を降圧して出力する降圧チョッパ回路と、前記降圧チョッパ回路の出力側に入力側が接続され、DCバスに出力側が接続され、第2スイッチング素子及びリアクトルを有し、前記第2スイッチング素子がPWM制御されることで入力電圧を昇圧して出力する昇圧チョッパ回路と、前記第1及び第2スイッチング素子にゲート電圧を印加する制御部と、を備え、前記制御部は、前記DCバスへの出力電圧が前記電源電圧に基づく第1目標電圧に到達するまで、前記第2スイッチング素子をオフにし、且つ、前記第1スイッチング素子をPWM制御することにより、前記降圧チョッパ回路による出力電圧を前記DCバスに出力し、前記DCバスへの出力電圧が前記第1目標電圧に到達した後、前記第1目標電圧より高い第2目標電圧に到達するまで、前記第1スイッチング素子をオンにし、且つ、前記第2スイッチング素子をPWM制御することにより、前記昇圧チョッパ回路による出力電圧を前記DCバスに出力する。
本発明によれば、出力側の充電容量が増加しても、装置構成を変更することなく、突入電流の発生を抑制することができる。
電力変換装置を備える電力システムの構成の一例を示すブロック図である。 第1実施形態に係る電力変換装置の構成の一例を示す回路図である。 第1実施形態に係る電力変換装置によるプリチャージ動作の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る降圧チョッパ回路が有するスイッチに与えられるPWM信号のデューティー比の時間変化の一例を示すグラフである。 パワーコンディショナが増設されたときの電力システムの構成の一例を示すブロック図である。 第2実施形態に係る電力変換装置の構成の一例を示す回路図である。 第2実施形態に係る電力変換装置によるプリチャージ動作の一例を示すフローチャートである。 第1評価試験における降圧チョッパ回路が有するスイッチに印加するゲート電圧のシミュレーション結果を示すグラフである。 第1評価試験における昇圧チョッパ回路が有するスイッチに印加するゲート電圧のシミュレーション結果を示すグラフである。 第1評価試験におけるリアクトル電流のシミュレーション結果を示すグラフである。 第1評価試験におけるDCバス電圧のシミュレーション結果を示すグラフである。 第2実施形態の第1変形例に係る異常判定を説明するグラフである。 第2実施形態の第1変形例に係る電力変換装置による異常判定動作を示すフローチャートである。 第2実施形態の第2変形例に係る異常判定を説明するグラフである。 第2実施形態の第2変形例に係る電力変換装置による異常判定動作を示すフローチャートである。 第2評価試験における降圧チョッパ回路が有するスイッチに印加するゲート電圧のシミュレーション結果を示すグラフである。 第2評価試験における昇圧チョッパ回路が有するスイッチに印加するゲート電圧のシミュレーション結果を示すグラフである。 第2評価試験におけるリアクトル電流のシミュレーション結果を示すグラフである。 第2評価試験におけるDCバス電圧のシミュレーション結果を示すグラフである。 第2実施形態の第3変形例に係る異常判定を説明するグラフである。 第2実施形態の第3変形例に係る電力変換装置による異常判定動作を示すフローチャートである。
<本発明の実施形態の概要>
以下、本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
(1) 本実施形態に係る電力変換装置は、直流電源に入力側が接続され、第1スイッチング素子を有し、前記第1スイッチング素子がPWM制御されることで前記直流電源の電源電圧を降圧して出力する降圧チョッパ回路と、前記降圧チョッパ回路の出力側に入力側が接続され、DCバスに出力側が接続され、第2スイッチング素子及びリアクトルを有し、前記第2スイッチング素子がPWM制御されることで入力電圧を昇圧して出力する昇圧チョッパ回路と、前記第1及び第2スイッチング素子にゲート電圧を印加する制御部と、を備え、前記制御部は、前記DCバスへの出力電圧が前記電源電圧に基づく第1目標電圧に到達するまで、前記第2スイッチング素子をオフにし、且つ、前記第1スイッチング素子をPWM制御することにより、前記降圧チョッパ回路による出力電圧を前記DCバスに出力し、前記DCバスへの出力電圧が前記第1目標電圧に到達した後、前記第1目標電圧より高い第2目標電圧に到達するまで、前記第1スイッチング素子をオンにし、且つ、前記第2スイッチング素子をPWM制御することにより、前記昇圧チョッパ回路による出力電圧を前記DCバスに出力する。
かかる構成により、DCバスへの出力電圧が第1目標電圧に到達するまでの期間には、降圧チョッパ回路がPWM駆動され、昇圧チョッパ回路はPWM駆動されない。よって、この期間には、降圧チョッパ回路により電源電圧が降圧されてDCバスに出力される。他方、DCバスへの出力電圧が第1目標電圧に到達した後の期間には、降圧チョッパ回路はPWM駆動されず、昇圧チョッパ回路がPWM駆動される。よって、この期間には、昇圧チョッパ回路により電源電圧が昇圧されてDCバスに出力される。このような構成により、出力側に接続されるコンデンサが増加しても、装置構成を変更することなく、PWM制御のデューティー比を調整することで、突入電流を抑制することができる。
(2) また、本実施形態に係る電力変換装置において、前記制御部は、前記リアクトルへ一定電流が継続して流れるように、前記第1及び第2スイッチング素子を制御してもよい。これにより、突入電流を抑制することができる。なお、ここでいう「一定」とは、例えば制御目標値とする電流を一定にする等、一定と同視しうる状態を含む。即ち、制御応答の振動等によって電流が変化する場合も「一定」に含まれる。また、「継続して」とは、DCバスへの出力電圧が電源電圧を経て目標電圧に到達するまでの期間の全部又は一部において継続することを意味する。
(3) また、本実施形態に係る電力変換装置において、前記制御部は、前記DCバスへの出力電圧が前記第1目標電圧に到達するまで、前記第1スイッチング素子へ与えるPWM信号のデューディー比を時間的に増加させてもよい。PWM信号のデューティー比が時間的に増加することにより、突入電流を抑制することができる。
(4) また、本実施形態に係る電力変換装置において、前記電力変換装置は、前記リアクトルを流れる電流を検出する電流センサをさらに備え、前記制御部は、前記電流センサによる検出電流が目標電流に一致するように、前記第1及び第2スイッチング素子を制御してもよい。これにより、電流値によるフィードバック制御を行うことで、突入電流を抑制することができる。
(5) また、本実施形態に係る電力変換装置において、前記電力変換装置は、前記DCバスへの出力電圧を検出する電圧センサをさらに備え、前記制御部は、前記第2スイッチング素子をオフにし、且つ、前記第1スイッチング素子をPWM制御している間に、前記電圧センサによる検出電圧が前記第1目標電圧以上になると、前記第1スイッチング素子をオンにし、且つ、前記第2スイッチング素子をPWM制御してもよい。これにより、電圧値を用いて適切なタイミングで降圧チョッパ回路から昇圧チョッパ回路へPWM制御の対象を切り替えることができる。
(6) また、本実施形態に係る電力変換装置において、前記制御部は、前記電源電圧、前記DCバスへの出力電流、及び前記DCバスに接続されるコンデンサの容量から推定される充電完了時間に基づく異常判定時間を超えても前記検出電圧が前記目標電圧に到達しない場合、前記降圧チョッパ回路及び前記昇圧チョッパ回路の少なくとも一方を切断してもよい。これにより、異常判定時間を超えてもコンデンサの充電が完了せず、異常の発生が推定される場合に、充電動作を停止させることができる。
(7) また、本実施形態に係る電力変換装置において、前記制御部は、前記電源電圧、前記DCバスへの出力電流、及び前記DCバスに接続されるコンデンサの容量から推定される前記コンデンサの充電電圧に基づく異常判定電圧を、時間に応じて更新し、前記検出電圧が前記異常判定電圧より低い場合、前記降圧チョッパ回路及び前記昇圧チョッパ回路の少なくとも一方を切断してもよい。これにより、異常の発生が推定される場合に、充電動作を停止させることができる。
(8) また、本実施形態に係る電力変換装置において、前記制御部は、前記検出電圧が前記第1目標電圧より高くなった後に、前記検出電圧が前記電源電圧に基づく短絡異常判定電圧より低くなると、前記降圧チョッパ回路及び前記昇圧チョッパ回路の少なくとも一方を切断してもよい。これにより、DCバス側の電圧が短絡故障等により急激に低下した場合に、過大な電流が発生する前に充電動作を停止させることができる。
<本発明の実施形態の詳細>
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の詳細を説明する。
[1.第1実施形態]
以下、第1実施形態に係る電力変換装置について説明する。
[1-1.電力変換装置の構成]
図1は、本実施形態に係る電力変換装置を備える電力システムの構成の一例を示すブロック図である。電力システム10は、電力変換装置100と、直流電源20と、太陽光発電装置30と、パワーコンディショナ40と、DCバス50とを備える。太陽光発電装置30はパワーコンディショナ40と接続され、発電電力がパワーコンディショナ40に供給される。直流電源20は、電力変換装置100に接続され、電力変換装置100はDCバス50を介してパワーコンディショナ40に接続される。電力変換装置100は、直流電源20から出力される直流電力を電圧変換(昇圧)し、変換後の電力をパワーコンディショナ40に供給する。直流電源20は、蓄電池とすることができる。
図2は、本実施形態に係る電力変換装置の構成の一例を示す回路図である。本実施形態に係る電力変換装置100は、DC-DCコンバータである。電力変換装置100は、降圧チョッパ回路110と、昇圧チョッパ回路120と、制御部130とを備える。
降圧チョッパ回路110は、スイッチング素子(第1スイッチング素子)であるスイッチ(SW)1と、整流素子であるダイオード111とを含む。SW1の一端は、直流電源20の一端に接続される。SW1の他端は、ダイオード111のカソードに接続される。ダイオード111のアノードは直流電源20の他端に接続される。SW1は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、バイポーラトランジスタ等の半導体スイッチによって構成される。SW1のゲート端子は、制御部130に接続される。制御部130はSW1にゲート電圧を印加し、SW1をオン/オフ制御することができる。
降圧チョッパ回路110は、SW1がオン/オフ制御されることにより、直流電源20からの入力電圧(電源電圧)を降圧して出力する。
昇圧チョッパ回路120は、スイッチング素子であるSW(第2スイッチング素子)2及びSW3と、リアクトル121とを含む。リアクトル121の一端は、SW1とダイオード111との接続点に接続される。リアクトル121の他端は、SW2の一端と接続される。SW2の他端は、直流電源20とダイオードのアノードとの接続点に接続される。
リアクトル121とSW2との接続点には、SW3の一端が接続される。SW3の他端側には、DCバス50への1つの出力ノードが設けられる。また、もう一方の出力ノードは、SW2の他端側に設けられる。
SW2及びSW3のそれぞれは、IGBT、MOSFET、バイポーラトランジスタ等の半導体スイッチによって構成される。SW2及びSW3それぞれのゲート端子は、制御部130に接続される。制御部130はSW2及びSW3のそれぞれにゲート電圧を印加し、SW2及びSW3をオン/オフ制御することができる。
昇圧チョッパ回路120は、SW2及びSW3をオン/オフ制御されることにより、降圧チョッパ回路110からの入力電圧を昇圧して出力する。
昇圧チョッパ回路120の一方の出力ノードには、パワーコンディショナ40に含まれるコンデンサ41の一方の電極が接続され、昇圧チョッパ回路120の他方の出力ノードには、コンデンサ41の他方の電極が接続される。なお、図2の例では、電力変換装置100の外部にコンデンサ41が設けられているが、これに限定されない。電力変換装置100が、その出力側にコンデンサを内蔵していてもよい。つまり、DCバス50に接続されるコンデンサであれば、電力変換装置100の内部に設けられていても、外部に設けられていてもよい。
また、上記の例は、昇圧チョッパ回路120に2つのスイッチング素子SW2及びSW3を設ける構成であるが、これに限定されない。SW3に代えて、ダイオードを設けても、昇圧チョッパ回路を構成することができる。なお、SW3を設ける場合には、入出力を逆にして、昇圧チョッパ回路120を降圧チョッパ回路として機能させることができる。したがって、直流電源20を蓄電池にすると、当該蓄電池への充電が可能となる。
制御部130は、CPU及びメモリなどから構成されており、ROM又は外部記憶装置に予め記憶されたコンピュータプログラムを実行することができる。かかるコンピュータプログラムには、後述するプリチャージ動作を実行するための制御プログラムが含まれる。具体的には、当該制御プログラムを実行した制御部130は、SW1,SW2,SW3のそれぞれに対して矩形波のゲート電圧を印加し、PWM(Pulse Width Modulation)制御を行うことができる。
なお、制御部130は、CPU及びメモリなどの複数の半導体チップ等から構成することもできるし、CPU及びメモリ等の部分回路を内蔵する1つのLSIパッケージとして構成することもできる。また、制御部130を、ソフトウェアを実行可能なCPUにより構成するのではなく、同等の機能を実現するFPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア回路とすることもできる。
[1-2.電力変換装置の動作]
本実施形態に係る電力変換装置100は、DCバス50に接続されるコンデンサ41の充電電圧(DCバス電圧)が、電源電圧よりも低い場合に、プリチャージ動作を実行し、コンデンサ41を充電する。以下、本実施形態に係る電力変換装置100のプリチャージ動作について説明する。
図3は、本実施形態に係る電力変換装置100によるプリチャージ動作の一例を示すフローチャートである。
制御部130は、プリチャージ動作を開始すると、SW1に与えるPWM信号のデューティー比D、SW2に与えるPWM信号のデューティー比D、及びSW3に与えるPWM信号のデューティー比Dそれぞれを初期値に設定する(ステップS101)。
デューティー比Dの初期値は、電源電圧Vに比べて十分に低い出力電圧Vに対応する。つまり、Dが初期値に設定される場合、降圧チョッパ回路110は、電源電圧Vに比べて十分に低い出力電圧Vを出力する。なお、具体的には、Dの初期値を0にすることができる。ただし、Dの初期値は0に限られず、1未満の他の値とすることもできる。
デューティー比D及びDの初期値は、電源電圧Vに等しい、又はその近傍の出力電圧に対応する。つまり、D及びDが初期値に設定される場合、昇圧チョッパ回路120は、電源電圧Vと等しい又はその近傍の入力電圧が与えられる状況において、電源電圧Vに等しい又はその近傍の電圧を出力する。Dは、Dに対する基数1の補数である。即ち、Dが0.1であれば、Dは0.9であり、Dが0.2であれば、Dは0.8である。これは、昇圧チョッパ回路120が昇圧動作を行う場合、SW2とSW3とが交互にオン/オフ制御されるためである。つまり、SW2のオン期間は、SW3のオフ期間と同一であり、SW2のオフ期間は、SW3のオン期間と同一である。なお、具体的には、Dの初期値を0に、Dの初期値を1にすることができる。ただし、Dの初期値は0に限られず、1未満の他の値とすることもできる。Dの初期値は、Dの初期値に対する基数1の補数として決定される。
制御部130は、SW2をオフにし、SW3をオンにする(ステップS102)。制御部130は、設定されたデューティー比DによりPWM信号を生成し、このPWM信号によってSW1をPWM制御する(ステップS103)。これにより、デューティー比Dにより定まる間隔でSW1がオン/オフされ、電源電圧Vが降圧されて出力される。
次に制御部130は、Dが1であるか否かを判定する(ステップS104)。Dが1ではない場合(ステップS104においてNO)、制御部130は、Dを規定量インクリメントする(ステップS105)。その後、制御部130は、ステップS103へ処理を戻す。
上記のようなステップS103~S105の処理が繰り返されることで、デューティー比Dが時間的に増加する。図4は、デューティー比Dの時間変化の一例を示すグラフである。図4において、横軸は時間を示し、縦軸はデューティー比を示す。図4に示される例では、Dが時間に対して線形に増加する。この時間変化は、リアクトル121を流れる電流(リアクトル電流)Iを継続して一定に保たせるように設定される。つまり、Dの時間変化は、コンデンサ41の容量に応じて予め規定される。コンデンサ41の容量が小さければ、図4における時間変化の直線の傾きが大きくなり、コンデンサ41の容量が大きければ、時間変化の直線の傾きが小さくなる。リアクトル電流Iが一定に保たれることで、突入電流を抑制することができる。
この例では、デューティー比Dは、微少なステップ状に変化する。つまり、微少時間dtに対し、デューティー比Dは変化量dDonだけ増加する。時間dtは、ステップS103~S105の1サイクルに要する時間であり、dDonは、ステップS105におけるDの増加量である。
なお、図4におけるDの時間変化は一例であり、時間に応じてDが単調増加すれば、2次曲線的な時間変化等、他の時間変化でもよい。
が増加するにしたがい、SW1のオフ期間に対してオン期間が長くなり、降圧チョッパ回路110の出力電圧が高くなる。図4の例のように、Dは1まで増加される。Dが1に達すると、SW1が継続してオンとなり、降圧チョッパ回路110の出力電圧(つまり、電力変換装置100の出力電圧V)が電源電圧Vと実質的に(つまり、回路の抵抗成分による降圧等の影響を除いて)等しくなる。本実施形態では、降圧チョッパ回路110における降圧動作による出力電圧Vの目標値を、電源電圧Vより僅かに小さい第1目標電圧VT1とする。つまり、Dが1に達すると、出力電圧Vは第1目標電圧VT1に到達する。
降圧チョッパ回路110は、電源電圧V以上の電圧を出力できない。したがって、Dが1に達すると、それ以上出力電圧は上がらない。このため、制御部130は、降圧チョッパ回路110による充電から、昇圧チョッパ回路120による充電動作に切り替える。
再び図3を参照する。Dが1である場合(ステップS104においてYES)、制御部130はSW1をオンにする(ステップS106)。制御部130は、設定されたデューティー比D,Dのそれぞれにより2つのPWM信号を生成し、これらのPWM信号によってSW2及びSW3をPWM制御する(ステップS107)。これにより、デューティー比Dにより定まる間隔でSW2がオン/オフされ、Dにより定まる間隔でSW3がオン/オフされる。
上述したように、SW2がオンの間は、SW3がオフであり、SW2がオフの間は、SW3がオンである。SW2がオンであり、SW3がオフである間に、リアクトル121に電力が蓄えられる。SW2がオフであり、SW3がオンである間に、リアクトル121の電力が出力される。これにより、電源電圧Vが昇圧されて出力される。
次に制御部130は、所定の充電完了条件が成立したか否か判定する(ステップS108)。充電完了条件は、例えばDCバス電圧Vが所定の目標電圧(第2目標電圧VT2)に到達すること、またはデューティー比Dが所定値に達すること等とすることができる。充電完了条件が成立しない場合(ステップS108においてNO)、制御部130は、Dを規定量インクリメントし(ステップS109)、Dを規定量デクリメントする(ステップS110)。その後、制御部130は、ステップS107へ処理を戻す。
上記のようなステップS107~S110の処理が繰り返されることで、デューティー比Dが時間的に増加し、Dが時間的に減少する。Dの時間変化は、Dの時間変化と同様に、線形とすることができる。またこの場合、Dの時間変化も線形となる。この時間変化は、リアクトル電流Iを継続して一定に保たせるように設定される。つまり、D及びDの時間変化は、コンデンサ41の容量に応じて予め規定される。
なお、上記のDの時間変化は一例であり、時間に応じてDが単調増加すれば、2次曲線的な時間変化等、他の時間変化でもよい。また、Dの時間変化によって、Dの時間変化は決定される。
が増加し、Dが減少するにしたがい、SW2のオフ期間に対してオン期間が長くなり、SW3のオフ期間に対してオン期間が短くなる。このため、昇圧チョッパ回路120の出力電圧が時間経過と共に高くなる。Dは1まで増加され、Dは0まで減少される。昇圧チョッパ回路120の出力電圧(つまり、電力変換装置100の出力電圧V)は、第1目標電圧VT1より大きい第2目標電圧VT2に近づく。充電完了条件が成立すると(ステップS108においてYES)、コンデンサ41の電圧が第2目標電圧VT2に達し、充電が完了する。以上で、プリチャージ動作が終了する。
上記のように、本実施形態に係る電力変換装置100において、制御部130は、DCバス50への出力電圧Vが第1目標電圧VT1に到達するまで、SW2をオフにし、且つ、SW1をPWM制御する。また制御部130は、出力電圧Vが第1目標電圧VT1に到達した後、第2目標電圧VT2に到達するまで、SW1をオンにし、且つ、SW2をPWM制御する。これにより、出力電圧Vが第1目標電圧VT1に到達するまでは、降圧チョッパ回路110がPWM制御されて過大な出力電流が抑制され、出力電圧Vが第1目標電圧VT1に到達した後、第2目標電圧VT2に到達するまでは、昇圧チョッパ回路120がPWM制御され、電源電圧より高い電圧がDCバス50に出力される。
図5は、パワーコンディショナ40が増設されたときの電力システム10の構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、DCバス50にパワーコンディショナ40が増設される場合がある。各パワーコンディショナ40にはコンデンサが内蔵されているため、DCバス50に接続されるパワーコンディショナ40の数が増加すると、DCバス50に接続されるコンデンサ全体の容量が増加する。このような場合には、コンデンサの容量に応じて、一定電流が継続して出力されるようにデューティー比D~Dの時間変化を変更することができる。つまり、DCバス50に接続されるコンデンサ41が増加しても、装置構成を変更することなく、PWM制御のデューティー比D~Dを調整することで、突入電流を抑制することができる。
また、本実施形態に係る電力変換装置100では、SW1に与えるPWM信号のデューティー比Dが時間的に増加するような時間変化が設定される。これにより、出力電流の変化が緩やかになり、突入電流を抑制することができる。また、本実施形態に係る電力変換装置100では、SW2に与えるPWM信号のデューティー比Dが時間的に増加するような時間変化が設定され、SW3に与えるPWM信号のデューティー比Dが時間的に減少するような時間変化が設定される。これにより、降圧チョッパ回路110のPWM制御から昇圧チョッパ回路120のPWM制御に切り替わっても、電力変換装置100の出力電圧を緩やかに増加させることができる。
[2.第2実施形態]
以下、第2実施形態に係る電力変換装置について説明する。
[2-1-1.電力変換装置の構成]
図6は、本実施形態に係る電力変換装置の構成の一例を示す回路図である。本実施形態に係る電力変換装置100は、降圧チョッパ回路110において電圧センサ112を有し、昇圧チョッパ回路120において電圧センサ122及び電流センサ123を有する。
電圧センサ112は、直流電源20と並列接続され、電源電圧Vを検出する。電圧センサ122は、両端子のそれぞれが昇圧チョッパ回路120の出力ノードに接続され、DCバス電圧(コンデンサ電圧)Vを検出する。電流センサ123は、リアクトル121に直列接続され、リアクトルに流れる電流(リアクトル電流)Iを検出する。電圧センサ112,122及び電流センサ123のそれぞれは、制御部130に接続され、制御部130に検出信号を出力する。
本実施形態に係る電力変換装置100のその他の構成は、実施形態1に係る電力変換装置100の構成と同様であるので、同一構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
[2-1-2.電力変換装置の動作]
本実施形態に係る電力変換装置100は、DCバス50に接続されるコンデンサ41の充電電圧が、電源電圧よりも低い場合に、プリチャージ動作を実行し、コンデンサ41を充電する。以下、本実施形態に係る電力変換装置100のプリチャージ動作について説明する。
図7は、本実施形態に係る電力変換装置100によるプリチャージ動作の一例を示すフローチャートである。
制御部130は、プリチャージ動作を開始すると、SW2をオフにし、SW3をオンにする(ステップS201)。制御部130は、電流センサ123から出力される検出信号を受信し、リアクトル電流Iの現在値を取得する(ステップS202)。
制御部130は、リアクトル電流Iを目標電流Iに一致させるよう、SW1をPWM制御する(ステップS203)。この処理では、制御部130は、目標電流Iとリアクトル電流Iとの差分値を算出し、当該差分値に応じたデューティー比Dを決定し、決定されたデューティー比DのPWM信号を生成する。ここで、PID制御、PI制御、又は比例制御によってデューティー比Dを決定してもよいし、他のフィードバック制御によってデューティー比Dを決定してもよい。
制御部130は、電圧センサ112及び122のそれぞれから出力される検出信号を受信し、電源電圧V及びDCバス電圧Vの現在値を取得する(ステップS204)。制御部130は、DCバス電圧Vと、電源電圧Vから定まる第1目標電圧VT1とを比較し、DCバス電圧Vが第1目標電圧VT1以上であるか否かを判定する(ステップS205)。ここで、第1目標電圧VT1は、電源電圧Vよりも僅かに小さい値とすることができる。ただし、これは一例であり、第1目標電圧VT1を他の値に設定することもできる。例えば、第1目標電圧VT1を電源電圧Vと同一値とすることもできる。
がVT1未満である場合(ステップS205においてNO)、制御部130はステップS202に処理を戻す。これによりリアクトル電流Iに基づくSW1のフィードバック制御が継続して実行される。プリチャージ動作の初期は、コンデンサ41の充電率が低く、Vが低い。SW1のフィードバック制御が継続して実行されることで、リアクトル電流Iが目標電流Iに近づくように制御された状態でコンデンサ41の充電が進む。このため、時間経過にしたがってVが増加する。つまり、かかるSW1のフィードバック制御によっても、デューティー比Dは時間に応じて増加する。フィードバック制御により、リアクトル電流Iが積極的に目標電流Iに近づけられ、結果として突入電流が抑制される。
降圧チョッパ回路110は、電源電圧V以上の電圧を出力できない。したがって、VがVT1に達すると、それ以上出力電圧は上がらない。このため、制御部130は、降圧チョッパ回路110による充電から、昇圧チョッパ回路120による充電動作に切り替える。このように、電圧値を用いることで、適切なタイミングで降圧チョッパ回路110から昇圧チョッパ回路120へPWM制御の対象を切り替えることができる。
がVT1以上である場合(ステップS205においてYES)、制御部130はSW1をオンにする(ステップS206)。制御部130は、電流センサ123から出力される検出信号を受信し、リアクトル電流Iの現在値を取得する(ステップS207)。
制御部130は、リアクトル電流Iを目標電流Iに一致させるよう、SW2及びSW3をPWM制御する(ステップS208)。この処理では、制御部130は、目標電流Iとリアクトル電流Iとの差分値を算出し、当該差分値に応じたデューティー比D及びDを決定し、決定されたデューティー比D及びDのPWM信号をそれぞれ生成する。ここで、PID制御、PI制御、又は比例制御によってデューティー比D及びDを決定してもよいし、他のフィードバック制御によってデューティー比D及びDを決定してもよい。
制御部130は、電圧センサ122から出力される検出信号を受信し、DCバス電圧Vの現在値を取得する(ステップS209)。制御部130は、DCバス電圧Vと、第1目標電圧VT1より大きい第2目標電圧VT2とを比較し、DCバス電圧Vが第2目標電圧VT2以上であるか否かを判定する(ステップS210)。
がVT2未満である場合(ステップS210においてNO)、制御部130はステップS207に処理を戻す。これによりリアクトル電流Iに基づくSW2及びSW3のフィードバック制御が継続して実行される。昇圧チョッパ回路120による充電が開始された直後は、VがVT1と同程度であり、VT2より低い。SW2及びSW3のフィードバック制御が継続して実行されることで、リアクトル電流Iが目標電流Iに近づくように制御された状態でコンデンサ41の充電が進む。このため、時間経過にしたがってVが増加する。つまり、かかるSW2及びSW3のフィードバック制御によっても、デューティー比Dは時間に応じて増加し、Dは時間的に減少する。フィードバック制御により、リアクトル電流Iが積極的に目標電流Iに近づけられ、結果として突入電流が低減される。
ステップS207~S210の処理がくり返し実行されると、VはVT2に近づく。VがVT2以上になると(ステップS210においてYES)、充電が完了する。以上で、プリチャージ動作が終了する。
[2-1-3.第1評価試験]
発明者は、本実施形態に係る電流変換装置100の回路構成をコンピュータで仮想的に構成し、電流変換装置100の動作を模擬するシミュレーションシステムを作成し、当該シミュレーションシステムによる評価試験を実施した。当該シミュレーションシステムでは、目標電流Iとリアクトル電流Iとの差分からPID制御によってフィードバック値を算出し、フィードバック値とフィードフォワード値とを加算した結果を基準電圧で除し、これをPWM参照値とした。ただし、DとDとでフィードフォワード値及び基準電圧は異なるものとした。また、SW3はダイオードに置換した。本評価試験では、第2目標電圧VT2とDCバス電圧Voとが一致すると、SW1及びSW2のゲートをブロックした。また、目標電流Iは5Aとし、第1目標電圧VT1は200Vとし、第2目標電圧VT2は350Vとし、リアクトル121のインダクタンスを1mHとし、コンデンサ41の静電容量を4mFとし、PWM制御のスイッチング周波数は20kHzとした。
図8A~図8Dに、第1評価試験の結果を示す。図8Aは、SW1に印加するゲート電圧を示すグラフであり、図8Bは、SW2に印加するゲート電圧を示すグラフであり、図8Cは、リアクトル電流Iを示すグラフであり、図8Dは、DCバス電圧を示すグラフである。図8A~図8Dのそれぞれにおいて、横軸は時間を示す。図8A及び図8Bにおいて、縦軸はゲート電圧を示す。図8Cにおいて、縦軸はリアクトル電流Iを示す。図8Dにおいて、縦軸はDCバス電圧Vを示す。
図8A、図8B、及び図8Dに示すように、DCバス電圧Voが第1目標電圧VT1である200Vに到達した時間Tにおいて、SW1からSW2へPWM制御の対象がシームレスに切り替わっている。また、DCバス電圧Vが第2目標電圧VT2に到達した時間Tにおいて、SW1及びSW2がゲートブロックされている。Tは約170ms、Tは約320msであった。
図8Cに示すように、プリチャージの開始から時間Tに至る期間において、リアクトル電流Iはスイッチングによるリプルを除くと、概ね5Aを維持している。また、図8Dに示すように、この期間において、DCバス電圧Vは0Vから350Vまでほぼ一定の割合で増加している。このように、本実施形態に係る電力変換装置100により、突入電流の発生が抑制されつつ、コンデンサ41の充電を行うことができることがわかる。
[2-2.第1変形例]
本変形例に係る電力変換装置100は、コンデンサ41の充電における異常を判定する。図9は、本変形例に係る異常判定を説明するグラフである。図9において、横軸は時間を、縦軸はDCバス電圧を示す。電源電圧V、DCバス電圧V、及びコンデンサ容量から、コンデンサ41の充電完了時間の推定値Tを算出することができる。そこで、本変形例では、充電完了時間の推定値Tに基づき、異常判定時間TLimitを決定し、この異常判定時間TLimitを用いて異常判定を行う。
図9に示す異常判定時間TLimitは、充電完了時間の推定値Tよりも所定値遅い時間とされる。例えば、充電完了時間の推定誤差を考慮して、異常判定時間TLimitを設定することができる。また、異常判定時間TLimitを、充電完了時間の推定値とすることもできる。
図10は、本変形例に係る電力変換装置100による異常判定動作を示すフローチャートである。異常判定動作は、プリチャージ動作と平行して実行される。制御部130は、異常判定動作を開始すると、プリチャージの開始からの経過時間であるプリチャージ時間Tと異常判定時間TLimitとを比較し、TがTLimitを超過したか否かを判定する(ステップS301)。TがTLimitを超過していなければ(ステップS301においてNO)、制御部130はステップS301の処理を繰り返す。
他方、TがTLimitを超過した場合(ステップS301においてYES)、コンデンサ41の故障、DCバス50の経路短絡等によりコンデンサ41の充電に異常が発生していることが考えられる。このため、制御部130は、かかる場合に異常が発生したと判定し、SW1~SW3をオフにする(ステップS302)。これにより、異常の発生が推定される場合に、DCバス50への電流の出力が停止され、プリチャージ動作を停止させることができる。なお、プリチャージ動作を停止するために、SW1~SW3の全てをオフにしなくてもよく、SW1及びSW3の少なくとも一方をオフにすればよい。
[2-3-1.第2変形例]
本変形例に係る電力変換装置100は、コンデンサ41の充電における異常を判定する。図11は、本変形例に係る異常判定を説明するグラフである。図11において、横軸は時間を、縦軸はDCバス電圧を示す。電源電圧V、DCバス電圧V、及びコンデンサ容量から、時間的に変化するDCバス電圧V(t)を推定することができる。そこで、本変形例では、推定されたDCバス電圧V(t)に基づき、時間毎の異常判定電圧VLimit(t)を決定し、この異常判定電圧VLimit(t)を用いて異常判定を行う。なお、tは時間を示す。
図11に示す異常判定電圧VLimit(t)は、DCバス電圧の推定値V(t)を電圧が低い方向へ所定量シフトして得られる。つまり、異常判定電圧VLimit(t)は、各時間においてDCバス電圧の推定値V(t)より所定量小さい。このシフト量は、例えばコンデンサの容量のばらつきを考慮して決定することができる。また、異常判定電圧VLimit(t)を、推定されたDCバス電圧V(t)とすることもできる。
例えば、DCバス電圧V(t)は次式により推定される。
Figure 0007059140000001

ここで、I(t)はリアクトル電流を、Cはコンデンサ容量を示す。上記(1)式より、異常判定電圧VLimit(t)は、dVを定数として、(2)式のように定義されてもよい。
Figure 0007059140000002
図12は、本変形例に係る電力変換装置100による異常判定動作を示すフローチャートである。異常判定動作は、プリチャージ動作と平行して実行される。制御部130は、異常判定動作を開始すると、プリチャージ時間Tに応じた異常判定電圧VLimit(T)を算出し、前回の値から更新する(ステップS401)。制御部130は、電圧センサ122から出力される検出信号を受信し、DCバス電圧Vの現在値を取得する(ステップS402)。
制御部130は、異常判定電圧VLimit(T)とDCバス電圧Vを比較し、VがVLimit(T)より低いか否かを判定する(ステップS403)。VがVLimit(T)以上である場合(ステップS403においてNO)、制御部130はステップS401へ処理を戻す。これにより、VLimit(T)が更新され、再度VとVLimit(T)との比較が行われる。
がVLimit(T)より低い場合(ステップS403においてYES)、コンデンサ41の故障、DCバス50の経路短絡等によりコンデンサ41の充電に異常が発生していることが考えられる。このため、制御部130は、かかる場合に異常が発生したと判定し、SW1~SW3をオフにする(ステップS404)。これにより、異常の発生が推定される場合に、DCバス50への電流の出力が停止され、プリチャージ動作を停止させることができる。なお、プリチャージ動作を停止するために、SW1~SW3の全てをオフにしなくてもよく、SW1及びSW3の少なくとも一方をオフにすればよい。
[2-3-2.第2評価試験]
発明者は、第1評価試験において用いたシミュレーションシステムにより、第1評価試験と同じ回路定数及び制御条件で、コンデンサ41が抵抗値100Ωで短絡故障したケースを想定し、プリチャージ動作の評価試験を実施した。
図13A~図13Dに、第2評価試験の結果を示す。図13Aは、SW1に印加するゲート電圧を示すグラフであり、図13Bは、SW2に印加するゲート電圧を示すグラフであり、図13Cは、リアクトル電流Iを示すグラフであり、図13Dは、DCバス電圧を示すグラフである。図13A~図13Dのそれぞれにおいて、横軸は時間を示す。図13A及び図13Bにおいて、縦軸はゲート電圧を示す。図13Cにおいて、縦軸はリアクトル電流Iを示す。図13Dにおいて、縦軸はDCバス電圧Vを示す。
図8Dに示した正常状態においては、T=約320msでDCバス電圧Vが0Vから350Vまで上昇しているのに対して、図13Dに示すように、第2評価試験では、プリチャージ開始から400ms経過後のDCバス電圧は約270Vとなっており、第2目標電圧VT2まで到達していない。また、図13A~図13Bに示すように、DCバス電圧Vが第1目標電圧VT1である200Vに到達する時間T’は、第1評価試験においてVがVT1に到達した時間Tよりも遅い。具体的にはT’は約210msであった。
第2評価試験の各パラメータから、DCバス電圧V=1.25×10tと推定される。dV=100Vとすると、異常判定電圧VLimit(t)は、1.25×10t-100となる。図13Dに示すように、コンデンサ41の抵抗100Ωで短絡したことにより、プリチャージ動作の途中の時間TERRORでDCバス電圧Vが異常判定電圧VLimit(t)を下回っている。この閾値超過のタイミングTERRORは、第1評価試験におけるプリチャージ完了時間Tよりも早い。つまり、正常状態におけるプリチャージ完了時間よりも早く、異常を判定できることがわかる。
[2-4.第3変形例]
プリチャージ完了後の定常運転中に、DCバス50に短絡故障が発生したり、日射量の低下による太陽光発電装置30の出力電圧低下が発生したりすると、DCバス50の電圧が急激に低下する。DCバス電圧が電源電圧よりも低くなると、過大な電流がDCバス50へと流れる。本変形例に係る電力変換装置100は、かかる以上を判定する。
図14は、本変形例に係る異常判定を説明するグラフである。図14において、横軸は時間を、縦軸はDCバス電圧を示す。DCバス50における短絡故障等の異常が発生すると、DCバス電圧Vが急激に低下する。かかる異常を事前に検出するために、電源電圧Vに基づき短絡異常判定電圧VERRORが予め決定される。本変形例に係る電力変換装置100は、DCバス電圧Vを監視し、Vが短絡異常判定電圧VERRORより低くなると、異常が発生したと判定する。
図15は、本変形例に係る電力変換装置100による異常判定動作を示すフローチャートである。異常判定動作は、プリチャージ動作の完了後、定常運転中に実行される。制御部130は、異常判定動作を開始すると、電圧センサ122から出力される検出信号を受信し、DCバス電圧Vの現在値を取得する(ステップS501)。
制御部130は、短絡異常判定電圧VERRORとDCバス電圧Vを比較し、VがVERRORより低いか否かを判定する(ステップS502)。VがVERROR以上である場合(ステップS502においてNO)、制御部130は異常が発生していないと判定し、ステップS501へ処理を戻す。
がLERRORより低い場合(ステップS502においてYES)、制御部130は異常が発生したと判定し、SW1~SW3をオフにする(ステップS503)。これにより、過大な電流が発生する前に定常運転動作を停止させることができる。なお、定常運転動作を停止するために、SW1~SW3の全てをオフにしなくてもよく、SW1及びSW3の少なくとも一方をオフにすればよい。
[3.補記]
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
10 電力システム
100 電力変換装置
20 直流電源
30 太陽光発電装置
40 パワーコンディショナ
41 コンデンサ
50 DCバス
110 降圧チョッパ回路
111 ダイオード
112 電圧センサ
120 昇圧チョッパ回路
121 リアクトル
122 電圧センサ
123 電流センサ
130 制御部
SW1~SW3 スイッチング素子

Claims (7)

  1. 直流電源に入力側が接続され、第1スイッチング素子を有し、前記第1スイッチング素子がPWM制御されることで前記直流電源の電源電圧を降圧して出力する降圧チョッパ回路と、
    前記降圧チョッパ回路の出力側に入力側が接続され、DCバスに出力側が接続され、第2スイッチング素子及びリアクトルを有し、前記第2スイッチング素子がPWM制御されることで入力電圧を昇圧して出力する昇圧チョッパ回路と、
    前記第1及び第2スイッチング素子にゲート電圧を印加する制御部と、
    前記リアクトルを流れる電流を検出する電流センサと、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記DCバスへの出力電圧が前記電源電圧に基づく第1目標電圧に到達するまで、前記第2スイッチング素子をオフにし、且つ、前記第1スイッチング素子をPWM制御することにより、前記降圧チョッパ回路による出力電圧を前記DCバスに出力し、
    前記DCバスへの出力電圧が前記第1目標電圧に到達した後、前記第1目標電圧より高い第2目標電圧に到達するまで、前記第1スイッチング素子をオンにし、且つ、前記第2スイッチング素子をPWM制御することにより、前記昇圧チョッパ回路による出力電圧を前記DCバスに出力し、
    前記制御部は、前記リアクトルに一定電流が継続して流れ、前記電流センサによる検出電流が目標電流に一致するように、前記第1及び第2スイッチング素子を制御する、
    電力変換装置。
  2. 直流電源に入力側が接続され、第1スイッチング素子を有し、前記第1スイッチング素子がPWM制御されることで前記直流電源の電源電圧を降圧して出力する降圧チョッパ回路と、
    前記降圧チョッパ回路の出力側に入力側が接続され、DCバスに出力側が接続され、第2スイッチング素子及びリアクトルを有し、前記第2スイッチング素子がPWM制御されることで入力電圧を昇圧して出力する昇圧チョッパ回路と、
    前記第1及び第2スイッチング素子にゲート電圧を印加する制御部と、
    前記リアクトルを流れる電流を検出する電流センサと、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記DCバスへの出力電圧が前記電源電圧に基づく第1目標電圧に到達するまで、前記第2スイッチング素子をオフにし、且つ、前記第1スイッチング素子をPWM制御することにより、前記降圧チョッパ回路による出力電圧を前記DCバスに出力し、
    前記DCバスへの出力電圧が前記第1目標電圧に到達した後、前記第1目標電圧より高い第2目標電圧に到達するまで、前記第1スイッチング素子をオンにし、且つ、前記第2スイッチング素子をPWM制御することにより、前記昇圧チョッパ回路による出力電圧を前記DCバスに出力し、
    前記制御部は、前記DCバスへの出力電圧が前記第1目標電圧に到達するまで、前記第1スイッチング素子へ与えるPWM信号のデューディー比を時間的に増加させ、
    前記制御部は、前記電流センサによる検出電流が目標電流に一致するように、前記第1及び第2スイッチング素子を制御する、
    電力変換装置。
  3. 前記DCバスへの出力電圧を検出する電圧センサをさらに備え、
    前記制御部は、前記第2スイッチング素子をオフにし、且つ、前記第1スイッチング素子をPWM制御している間に、前記電圧センサによる検出電圧が前記第1目標電圧以上になると、前記第1スイッチング素子をオンにし、且つ、前記第2スイッチング素子をPWM制御する、
    請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 直流電源に入力側が接続され、第1スイッチング素子を有し、前記第1スイッチング素子がPWM制御されることで前記直流電源の電源電圧を降圧して出力する降圧チョッパ回路と、
    前記降圧チョッパ回路の出力側に入力側が接続され、DCバスに出力側が接続され、第2スイッチング素子及びリアクトルを有し、前記第2スイッチング素子がPWM制御されることで入力電圧を昇圧して出力する昇圧チョッパ回路と、
    前記第1及び第2スイッチング素子にゲート電圧を印加する制御部と、
    前記DCバスへの出力電圧を検出する電圧センサと、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記DCバスへの出力電圧が前記電源電圧に基づく第1目標電圧に到達するまで、前記第2スイッチング素子をオフにし、且つ、前記第1スイッチング素子をPWM制御することにより、前記降圧チョッパ回路による出力電圧を前記DCバスに出力し、
    前記DCバスへの出力電圧が前記第1目標電圧に到達した後、前記第1目標電圧より高い第2目標電圧に到達するまで、前記第1スイッチング素子をオンにし、且つ、前記第2スイッチング素子をPWM制御することにより、前記昇圧チョッパ回路による出力電圧を前記DCバスに出力し、
    前記制御部は、前記第2スイッチング素子をオフにし、且つ、前記第1スイッチング素子をPWM制御している間に、前記電圧センサによる検出電圧が前記第1目標電圧以上になると、前記第1スイッチング素子をオンにし、且つ、前記第2スイッチング素子をPWM制御する、
    電力変換装置。
  5. 前記制御部は、前記電源電圧、前記DCバスへの出力電流、及び前記DCバスに接続されるコンデンサの容量から推定される充電完了時間に基づく異常判定時間を超えても前記検出電圧が前記第2目標電圧に到達しない場合、前記降圧チョッパ回路及び前記昇圧チョッパ回路の少なくとも一方を切断する、
    請求項3又は請求項4に記載の電力変換装置。
  6. 前記制御部は、前記電源電圧、前記DCバスへの出力電流、及び前記DCバスに接続されるコンデンサの容量から推定される前記コンデンサの充電電圧に基づく異常判定電圧を、時間に応じて更新し、前記検出電圧が前記異常判定電圧より低い場合、前記降圧チョッパ回路及び前記昇圧チョッパ回路の少なくとも一方を切断する、
    請求項3から請求項5の何れか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記制御部は、前記検出電圧が前記第1目標電圧より高くなった後に、前記検出電圧が前記電源電圧に基づく短絡異常判定電圧より低くなると、前記降圧チョッパ回路及び前記昇圧チョッパ回路の少なくとも一方を切断する、
    請求項3から請求項6の何れか1項に記載の電力変換装置。
JP2018136047A 2018-07-19 2018-07-19 電力変換装置 Active JP7059140B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018136047A JP7059140B2 (ja) 2018-07-19 2018-07-19 電力変換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018136047A JP7059140B2 (ja) 2018-07-19 2018-07-19 電力変換装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020014346A JP2020014346A (ja) 2020-01-23
JP7059140B2 true JP7059140B2 (ja) 2022-04-25

Family

ID=69170159

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018136047A Active JP7059140B2 (ja) 2018-07-19 2018-07-19 電力変換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7059140B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005354860A (ja) 2004-06-14 2005-12-22 Fuji Electric Device Technology Co Ltd 昇降圧型dc−dcコンバータの制御装置
JP2007325459A (ja) 2006-06-02 2007-12-13 Sony Corp 電源装置
JP2007336609A (ja) 2006-06-12 2007-12-27 Tdk Corp プリチャージ回路

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005354860A (ja) 2004-06-14 2005-12-22 Fuji Electric Device Technology Co Ltd 昇降圧型dc−dcコンバータの制御装置
JP2007325459A (ja) 2006-06-02 2007-12-13 Sony Corp 電源装置
JP2007336609A (ja) 2006-06-12 2007-12-27 Tdk Corp プリチャージ回路

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020014346A (ja) 2020-01-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9054596B2 (en) Device for synchronous DC-DC conversion and synchronous DC-DC converter
EP2555399B1 (en) Switching power supply circuit, and method for control of switching power supply circuit
JP5195182B2 (ja) 電流モード制御型スイッチングレギュレータ
US8253403B2 (en) Converting circuit and controller for controlling the same
KR101677728B1 (ko) 역률 보상 회로 및 역률 보상 회로의 구동 방법
JP6221930B2 (ja) スイッチング素子の駆動回路
JP4825632B2 (ja) Dc−dcコンバータ
US9602001B1 (en) Buck converter with a variable-gain feedback circuit for transient responses optimization
US8570021B2 (en) DC/DC converter having a delay generator circuit positioned between a comparator and a pulse generator and a DC/DC converter control method
JP6702209B2 (ja) 電力変換装置
US10601315B2 (en) DC-DC converter
JP2014057493A (ja) スイッチング電源装置
US10811973B2 (en) Vehicle-mounted DC-DC converter
EP3301802B1 (en) Power supply control unit and isolation type switching power supply device
US11707997B2 (en) In-vehicle DC-DC converter
US9559593B2 (en) Synchronous rectification converter and control method of synchronous rectification converter
JP6794250B2 (ja) 位相補償回路及びこれを用いたdc/dcコンバータ
WO2019142704A1 (ja) 車載用のdcdcコンバータ
JP2013215034A (ja) Dc−dcコンバータ
JP7059140B2 (ja) 電力変換装置
JP2019170073A (ja) 車載用のdcdcコンバータ
JP7276064B2 (ja) Dcdcコンバータ
CN111149275B (zh) 蓄电装置
US20240300340A1 (en) In-vehicle power supply device
JP2009106105A (ja) スイッチング電源装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220329

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7059140

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150